JP6597640B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 - Google Patents
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Description
しかしながら、液晶表示素子の高性能化に伴い、液晶配向膜に要求される特性も厳しくなってきており、従来の技術のみでは全ての要求特性を満足することは難しい。
1.下記式(1)で表されるジアミンを含有するジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体、及びそれをイミド化して得られるポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1つである特定重合体(A)と、
ジアミン成分(式(1)で表されるジアミンを除く)とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリアミド酸である特定重合体(B)と、
を含有することを特徴とする液晶配向剤。
4.上記1〜3に記載されるいずれかの液晶配向剤を用いて得られる液晶配向膜。
5.上記4に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
本発明の液晶配向剤を得るために使用されるジアミン成分に含有されるジアミンは、下記式(1)で表される構造を分子中に有するジアミンである。
Aは、好ましくは単結合である。ここで、Aが単結合の場合、式(2)の基は、t−ブトキシカルボニル基(本発明では、Boc基ともいう。)である
上記式(3)で表される構造を分子内に有するジアミンは、かかる要件を満足する限り、いずれのジアミンでもよい。その好ましい例として、下記式(4)で表されるジアミンが挙げられる。
また、式(4)中、それぞれのベンゼン環におけるアミノ基(−NH2)は、アルキレン基の結合位置に対して、オルト、メタ、又はパラのいずれの位置でもよいが、合成の容易性、及び重合反応性の点から、メタ、又はパラの位置が好ましく、パラの位置がより好ましい。
特定重合体(A)は、上記した式(1)で表される構造を有するジアミンを含有するジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体、又は該ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミドであるからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体である。ポリイミド前駆体には、ポリアミド酸又はポリアミド酸エステル等が含まれ、下記式[A]で表される。
前記テトラカルボン酸成分としては、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル、又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドが挙げられ、本発明では、これらを総称してテトラカルボン酸成分ともいう。
式[A]中のA1及びA2が炭素数1〜5のアルキル基であるポリアミド酸アルキルエステルは、前記ジアミンと、テトラカルボン酸ジアルキルエステル、又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドとを反応させることで得られる。
式[2−1]中、A5及びA6は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
式[2−1]中のジアミンのX1は、液晶配向性の点から、式[2a−1]、式[2a−3]、式[2a−4]、又は式[2a−6]〜式[2a−9]が好ましい。より好ましくは、式[2a−3]、式[2a−6]、式[2a−8]、又は式[2a−9]である。
第2のジアミンは、特定重合体(A)の溶媒への溶解性や液晶配向剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶配向性、電圧保持率、蓄積電荷等の特性に応じて、1種類又は2種類以上を混合しても使用できる。
その他のジアミンとして、2,4−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、m−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェニル、3,3’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジアミノビフェニル、2,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、2,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルエーテル、2,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−スルホニルジアニリン、3,3’−スルホニルジアニリン、ビス(4−アミノフェニル)シラン、ビス(3−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(4−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(3−アミノフェニル)シラン、4,4’−チオジアニリン、3,3’−チオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルアミン、3,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2’−ジアミノジフェニルアミン、2,3’−ジアミノジフェニルアミン、N−メチル(4,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,3’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,2’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,3’−ジアミノジフェニル)アミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ジアミノナフタレン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、2,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノナフタレン、2,6ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,8−ジアミノナフタレン、1,2−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、1,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、1,4−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,4−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、ビス(4−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(3−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(4−アミノフェニル)イソフタレート、ビス(3−アミノフェニル)イソフタレート、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)イソフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)イソフタルアミド、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(3−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(4−アミノフェノキシ)へキサン、1,6−ビス(3−アミノフェノキシ)へキサン、1,7−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,7−(3−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタン、1,8−ビス(3−アミノフェノキシ)オクタン、1,9−ビス(4−アミノフェノキシ)ノナン、1,9−ビス(3−アミノフェノキシ)ノナン、1,10−(4−アミノフェノキシ)デカン、1,10−(3−アミノフェノキシ)デカン、1,11−(4−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,11−(3−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,12−(4−アミノフェノキシ)ドデカン、1,12−(3−アミノフェノキシ)ドデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、又はこれらのアミノ基が2級のアミノ基であるジアミンが挙げられる。その他ジアミンは1種類又は2種類以上を混合しても使用できる。
式[5g]中、Z5及びZ6は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示す。
式[5]中のZ1は、合成の容易さやポリマーを製造する際の重合反応性のし易さの点から、式[5a]、式[5c]〜[5g]、式[5k]〜式[5m]又は式[5p]が好ましく、より好ましくは、式[5a]、式[5e]、式[5f]、式[5l]、式[5m]又は式[5p]である。液晶配向性の観点から、特に好ましいのは、式[3a]又は式[5m]であり、式[5a]中、Z1〜Z4は水素原子が好ましい。
第1のテトラカルボン酸成分は、特定重合体(A)の溶媒への溶解性や液晶配向剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷等の特性に応じて、1種類又は2種類以上を混合して使用することもできる。
具体的には、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、1,3−ジフェニル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。その他のテトラカルボン酸成分は、1種又は2種以上を混合して使用することもできる。
本発明の特定重合体(B)は、ジアミン成分(上記式(1)で表される構造を有するジアミンを除く)とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体、又は該ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミドであるからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体である。ポリイミド前駆体には、ポリアミド酸又はポリアミド酸エステル等が含まれである。
式[4a−4]中、A9は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。式[4a−5]中、nは1〜5の整数を示す。式[4a−6]中、nは1〜4の整数を示す。)
式[4−1]中、A7及びA8は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
第3のジアミンは、特定重合体(B)を得るための全ジアミン成分100モル%中、20〜100モル%が好ましく、より好ましくは40〜100モル%であり、更に好ましくは60〜100モル%である。
第3のジアミンは、特定重合体(B)の溶媒への溶解性や液晶配向剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶配向性、電圧保持率、蓄積電荷等の特性に応じて、1種類又は2種類以上を混合しても使用できる。
(式[6]中のZ2は、好ましい態様も含めて上記した式[5]の定義と同じである。)
第2のテトラカルボン酸成分は、特定重合体(B)の溶媒への溶解性や液晶配向剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷等の特性に応じて、1種類又は2種類以上を混合して使用することもできる。
脂肪族テトラカルボン酸誘導体の含有量は、全テトラカルボン酸成分100モル%に対して、20〜100モル%、好ましくは50〜100モル%である。
これらの重合体を製造する方法は、通常、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られる。一般的には、テトラカルボン酸二無水物及びそのテトラカルボン酸の誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸成分と、1種又は複数種のジアミンからなるジアミン成分とを反応させて、ポリアミド酸を得る方法が挙げられる。具体的には、テトラカルボン酸二無水物と1級又は2級のジアミンとを重付加させてポリアミド酸を得る方法、テトラカルボン酸と1級又は2級のジアミンとを重縮合させてポリアミド酸を得る方法、又はテトラカルボン酸ジハライドと1級又は2級のジアミンとを重縮合させてポリアミド酸を得る方法が用いられる。
ポリイミドを得るには、前記のポリアミド酸又はポリアミド酸アルキルエステルを閉環させてポリイミドとする方法が用いられる。
例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン又はγ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又は1,3−ジメチル−イミダゾリジノンが挙げられる。また、ポリイミド前駆体の溶媒溶解性が高い場合は、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン又は下記式[D−1]〜式[D−3]で表される溶媒を用いることができる。
また、反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液の粘性が高くなり過ぎて均一な攪拌が困難となる。そのため、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%である。反応初期は高濃度で行い、その後、溶媒を追加できる。
ポリイミド前駆体の重合反応においては、ジアミン成分の合計モル数とテトラカルボン酸成分の合計モル数の比は0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応と同様に、このモル比が1.0に近いほど生成するポリイミド前駆体の分子量は大きくなる。
ポリイミド前駆体をイミド化させる方法としては、ポリイミド前駆体の溶液をそのまま加熱する熱イミド化、又はポリイミド前駆体の溶液に触媒を添加する触媒イミド化が挙げられる。
塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等を挙げることができる。なかでも、ピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。
酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等を挙げることができる。特に、無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。
触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量と反応温度、反応時間を調節することにより制御することができる。
(1)ポリアミド酸のエステル化反応で製造する方法
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とからポリアミド酸を製造し、そのカルボキシ基(COOH基)に、化学反応、すなわち、エステル化反応を行い、ポリアミド酸アルキルエステルを製造する方法である。
エステル化反応は、ポリアミド酸とエステル化剤を溶媒の存在下で、−20〜150℃(好ましくは0〜50℃)において、30分〜24時間(好ましくは1〜4時間)反応させる方法である。
前記エステル化反応における溶媒中のポリアミド酸の濃度は、ポリアミド酸の析出が起こりにくい点から、1〜30質量%が好ましい。なかでも、5〜20質量%が好ましい。
具体的には、ジアミン成分とテトラカルボン酸ジエステルジクロリドとを、塩基と溶媒の存在下で、−20〜150℃(好ましくは0〜50℃)において、30分〜24時間(好ましくは1〜4時間)反応させる方法である。
塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等を用いることができる。なかでも、反応が穏和に進行するため、ピリジンが好ましい。塩基の使用量は、反応後に、容易に除去できる量が好ましく、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドに対して、2〜4倍モルであることが好ましい。なかでも、2〜3倍モルがより好ましい。
反応における溶媒中のポリアミド酸アルキルエステルの濃度は、ポリアミド酸アルキルエステルの析出が起こりにくい点から、1〜30質量%が好ましい。なかでも、5〜20質量%が好ましい。また、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドの加水分解を防ぐため、ポリアミド酸アルキルエステルの作製に用いる溶媒は、できるだけ脱水されていることが好ましい。更に、反応は窒素雰囲気中で行い、外気の混入を防ぐのが好ましい。
具体的には、ジアミン成分とテトラカルボン酸ジエステルとを、縮合剤、塩基及び溶媒の存在下で、0〜150℃(好ましくは0〜100℃)において、30分〜24時間(好ましくは3〜15時間)重縮合反応させる方法である。
重縮合反応に用いる溶媒は、得られる重合体、すなわち、ポリアミド酸アルキルエステルの溶媒への溶解性の点から、前記ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応に用いる溶媒が挙げられる。なかでも、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン又はγ−ブチロラクトンが好ましい。これら溶媒は、1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
ポリアミド酸アルキルエステルは、前記(2)又は(3)の製造方法が好ましい。
本発明の液晶配向剤は、液晶配向膜(樹脂被膜ともいう)を形成するための塗布溶液であり、特定重合体(A)、特定重合体(B)及び有機溶媒を含有する。
液晶配向剤における特定重合体(B)の割合は、特定重合体(A)100質量部に対して、10〜900質量部が好ましい。中でも、25〜700質量部が好ましく、より好ましいのは、50〜500質量部である。最も好ましいのは100〜400質量部である。
液晶配向剤に用いる有機溶媒は、特定重合体(A)及び特定重合体(B)を溶解させる溶媒(良溶媒ともいう)を含有すれば特に限定されない。下記に、良溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されない。
例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等を挙げることができる。
更に、特定重合体(A)及び特定重合体(B)の溶媒への溶解性が高い場合は、前記式[D−1]〜式[D−3]で表される溶媒を用いることが好ましい。
本発明の液晶配向剤における良溶媒は、液晶配向剤に含まれる溶媒全体の20〜99質量%であることが好ましい。なかでも、20〜90質量%が好ましい。より好ましいのは、30〜80質量%である。
例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2−ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、3−エトキシブチルアセタート、1−メチルペンチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、2−(メトキシメトキシ)エタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−(ブトキシエトキシ)プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル、前記式[D−1]〜[D−3]で表される溶媒等を挙げることができる。
これら貧溶媒は、液晶配向剤に含まれる溶媒全体の1〜80質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましく、20〜70質量%が特に好ましい。
より具体的には、国際公開公報WO2011/132751.(2011.10.27公開)の62〜66頁に掲載される、式[6−1]〜[6−48]で表される架橋性化合物が挙げられる。
架橋性化合物の含有量は、すべての重合体成分100質量部に対して、0.1〜150質量部であることが好ましい。なかでも、架橋反応が進行し目的の効果を発現させるためには、全ての重合体成分100質量部に対して0.1〜100質量部が好ましい。より好ましいのは、1〜50質量部である。
液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノ二オン系界面活性剤等が挙げられる。
より具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(以上、トーケムプロダクツ社製)、メガファックF171、F173、R−30(以上、大日本インキ社製)、フロラードFC430、FC431(以上、住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(以上、旭硝子社製)等が挙げられる。
界面活性剤の使用割合は、液晶配向剤に含有される全ての重合体成分100質量部に対し、好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。
液晶配向膜は、前記液晶配向剤を基板に塗布し、乾燥し、焼成して得られる膜である。
液晶配向剤を塗布する基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、窒化珪素基板とともに、アクリル基板やポリカーボネート基板等のプラスチック基板等を用いることもできる。その際、液晶を駆動させるためのITO(Indium Tin Oxide)電極等が形成された基板を用いると、プロセスの簡素化の点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならば、シリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極にはアルミニウム等の光を反射する材料も使用できる。
液晶配向剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブン、IR(赤外線)型オーブン等の加熱手段により、溶媒を蒸発させて液晶配向膜とすることができる。
焼成後の液晶配向膜の厚みは、特に限定されないが、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、5〜300nmであることが好ましく、10〜200nmがより好ましい。
光配向処理法の具体例としては、前記液晶配向膜の表面に、一定方向に偏向された放射線を照射し、場合によっては、更に150〜250℃の温度で加熱処理を行い、液晶配向性(液晶配向能ともいう)を付与する方法が挙げられる。放射線としては、100〜800nmの波長を有する紫外線又は可視光線を用いることができる。なかでも、100〜400nmの波長を有する紫外線が好ましく、より好ましくは、200〜400nmの波長を有する紫外線である。
液晶セルの作製方法の一例として、パッシブマトリクス構造の液晶表示素子を例にとり説明する。なお、画像表示を構成する各画素部分にTFT等のスイッチング素子が設けられたアクティブマトリクス構造の液晶表示素子であってもよい。
液晶材料としては、ポジ型液晶材料やネガ型液晶材料のいずれを用いてもよい。次に、偏光板の設置を行う。具体的には、2枚の基板の液晶層とは反対側の面に、一対の偏光板を貼り付けることが好ましい。
ポリアミド酸溶液について、E型粘度計TVE−22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)にて25℃の粘度を測定した。
ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(草野科学社製 NMRサンプリングチューブスタンダード φ5)に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6、0.05質量%TMS(テトラメチルシラン)混合品)0.53mlを添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液の500MHzのプロトンNMRを、測定装置(日本電子データム社製、JNW−ECA500)にて測定した。
イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミド基のNHに由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
式中、xはアミド基のNH由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド基のNHプロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
液晶配向剤を1.0μmのフィルターで濾過した後、透明電極付きガラス基板上にスピンコートし、80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、230℃で20分間焼成して、膜厚100nmのポリイミド膜を得た。このポリイミド膜をレーヨン布で1回ラビング(ロール径120mm、回転数1000rpm、移動速度20mm/sec、押し込み量0.4mm)した。この膜表面を、共焦点レーザー顕微鏡を用いて表面状態を観察し、倍率100倍で削れカスの有無と傷の有無を観察した。削れカスや傷がほとんど見られないものを「良好」と定義して評価し、多くの削れカスやラビング傷が見られるものは「不良」と定義して評価した。
初めに電極付きの基板を準備した。基板は、30mm×35mmの大きさで、厚さが0.7mmのガラス基板である。基板上には第1層目として対向電極を構成する、ベタ状のパターンを備えたIZO(Indium-Zinc-Oxide)電極が形成されている。第1層目の対向電極の上には第2層目として、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により成膜されたSiN(窒化珪素)膜が形成されている。第2層目のSiN膜の膜厚は500nmであり、層間絶縁膜として機能する。第2層目のSiN膜の上には、第3層目としてIZO膜をパターニングして形成された櫛歯状の画素電極が配置され、第1画素及び第2画素の2つの画素を形成している。各画素のサイズは、縦10mmで横約5mmである。このとき、第1層目の対向電極と第3層目の画素電極とは、第2層目のSiN膜の作用により電気的に絶縁されている。
各画素の第1領域と第2領域とを比較すると、それらを構成する画素電極の電極要素の形成方向が異なるものとなっている。すなわち、後述する液晶配向膜のラビング方向を基準とした場合、画素の第1領域では、画素電極の電極要素が+10°の角度(時計回り)をなすように形成され、画素の第2領域では、画素電極の電極要素が−10°の角度(時計回り)をなすように形成されている。すなわち、各画素の第1領域と第2領域とでは、画素電極と対向電極との間の電圧印加によって誘起される液晶の、基板面内での回転動作(インプレーン・スイッチング)の方向が互いに逆方向となるように構成されている。
以下の光学系等を用いて残像の評価を行った。
作製した液晶セルを偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でLEDバックライトを点灯させておき、透過光の輝度が最も小さくなるように、液晶セルの配置角度を調整した。
次に、この液晶セルに周波数30Hzの交流電圧を印加しながら、V−Tカーブ(電圧−透過率曲線)を測定し、相対透過率が23%となる交流電圧を駆動電圧として算出した。
残像評価は、直流電圧の印加を開始した時点から60分間が経過するまでに、相対透過率が30%以下に低下した場合に、「良好」と定義して評価を行った。相対透過率が30%以下に低下するまでに60分間以上を要した場合には、「不良」と定義して評価した。
残像評価は、液晶セルの温度が23℃の状態の温度条件下で行った。
この液晶セルを用い、60℃の恒温環境下、周波数30Hzで10VPPの交流電圧を168時間印加した。その後、液晶セルの画素電極と対向電極との間を短絡させた状態にし、そのまま室温に一日放置した。
放置の後、液晶セルを偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でバックライトを点灯させておき、透過光の輝度が最も小さくなるように液晶セルの配置角度を調整した。そして、第1画素の第2領域が最も暗くなる角度から第1領域が最も暗くなる角度まで液晶セルを回転させたときの回転角度を角度Δとして算出した。第2画素でも同様に、第2領域と第1領域とを比較し、同様の角度Δを算出した。そして、第1画素と第2画素の角度Δ値の平均値を液晶セルの角度Δとして算出した。この液晶セルの角度Δの値が0.2度を越える場合には、「不良」と定義し評価した。この液晶セルの角度Δの値が0.2度を越えない場合には、「良好」と定義し評価した。
以下の光学系等を用いて残像の評価を行った。
作製した液晶セルを、偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でLEDバックライトを点灯させておき、透過光の輝度が最も小さくなるように、液晶セルの配置角度を調整した。次に、この液晶セルに周波数30Hzの交流電圧を印加しながら、V−Tカーブ(電圧−透過率曲線)を測定し、相対透過率が23%となる交流電圧を駆動電圧として算出した。
フリッカーレベル(%)={フリッカー振幅/(2×z)}×100
上記式において、zは、相対透過率が23%となる周波数30Hzの交流電圧で駆動した際の輝度を、データ収集/データロガースイッチユニット34970Aで読み取った値である。
[合成例1]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を0.836g(2.1mmol)及びDA−2を1.46g(4.9mmol)加えた後、NMP26.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1を1.45g(6.6mmol)加え、NMPを7.7g加えた後、更に50℃条件下にて、12時間攪拌することで、濃度(樹脂固形分濃度であり、以下同じ)12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−1、粘度:170mPa・s)得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を2.59g(6.5mmol)及びDA−2を1.04g(3.5mmol)を加えた後、NMP33.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1を2.07g(9.5mmol)加え、NMPを8.4g加えた後、更に50℃条件下にて、12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−2、粘度:244mPa・s)を得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を3.18g(8.0mmol)及びDA−2を0.59g(2.0mmol)加えた後、NMP33.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1を2.05g(9.5mmol)加え、NMPを9.7g加えた後、更に50℃条件下にて、12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−3、粘度:347mPa・s)を得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を2.59g(6.5mmol)及びDA−2を1.04g(3.5mmol)加えた後、NMP33.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1を1.41g(6.5mmol)加え、CA−2を0.58g(3.0mmol)加え、NMPを8.4g加えた後、更に50℃条件下にて、12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−4、粘度:275mPa・s)を得た。このポリアミド酸溶液のであった。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を2.23g(5.6mmol)及びDA−2を0.42g(1.4mmol)加えた後、NMP25.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1を1.95g(6.6mmol)加え、NMPを6.3g加えた後、更に50℃条件下にて、12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−5、粘度:196mPa・s)を得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を1.59g(4.0mmol)、DA−2を1.19g(4.0mmol)、及びDA−3を0.79g(2.0mmol)加えた後、NMP33.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1を2.09g(9.5mmol)加え、NMPを9.6g加えた後、更に50℃条件下にて、12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−6、粘度:325mPa・s)を得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を1.59g(4.0mmol)、DA−2を1.19g(4.0mmol)及びDA−4を0.78g(2.0mmol)加えた後、NMP33.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1を2.09g(9.5mmol)加え、NMPを9.9g加えた後、更に50℃条件下にて、12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−7、粘度:306mPa・s)を得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−11.15g(3.0mmol)、DA−5を3.42g(14.0mmol)、及びDA−4を1.67g(3.0mmol)加えた後、NMP22.8gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−2を0.96g(4.9mmol)及びCA−4を2.57g(13.0mmol)加え、NMPを17.0g加えた後、更に室温条件下にて、12時間攪拌することで、濃度20質量%のポリアミド酸溶液(PAA−8、粘度:1280mPa・s)を得た。
このポリアミド酸溶液(PAA−8)40.0gを分取し、NMPを83.0g加えた後、無水酢酸を3.90g及びピリジンを1.81g加え、50℃で2時間20分反応させた。この反応溶液をメタノール450gに注ぎ、生成した沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥し、ポリイミドの粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は57%であった。得られたポリイミド粉末5.0gにNMP28gを加えて、50℃にて20hr攪拌して溶解させることで、ポリイミド溶液(SPI−1)を得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、CE−13.41g(12.4mmol)を投入し、更にNMP72gを加え、攪拌し、溶解させた。次いで、トリエチルアミン(4.19g、41.4mmol)、DA−1(2.07g、7.8mmol)、及びDA−5(1.26g、5.2mmol)を加えて攪拌した。この溶液を攪拌しながら、DBOP(10.3g、26.9mmol)を添加し、更にNMPを10g加え、室温で12時間撹拌して、ポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液をメタノール{630g}中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後、温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステルの粉末を得た。このポリアアミド酸エステル粉末3gを三角フラスコに取り、NMP11g及びGBL11gを加えて、ポリアミド酸エステル溶液(PAE−1)を得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、DA−2(4.47g、15mmol)及びDA−6(1.50g、10mmol)を加えた後、NMP50gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−2を4.75g(24.2mmol)加え、更にNMPを10.8g加えた後、室温にて12時間攪拌することで、濃度15質量%のポリアミド酸溶液(PAA−11、粘度:600mPa・s)を得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−2(2.68g、9.0mmol)、DA−6(0.90g、6.0mmol)を加えた後、NMP30gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−2を1.76g(9.0mmol)及びCA−3を1.54g(5.25mmol)加え、更にNMPを9g加えた後、室温にて12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−10、粘度:375mPa・s)得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、DA−2(4.65g、15.6mmol)、DA−5(1.27g、5.2mmol)、及びDA−6(0.78g、5.2mmol)を加えた後、NMP74.7gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−2を4.84g(23.4mmol)加え、更にNMPを10g加えた後、室温にて12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−11、粘度:300mPa・s)を得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−5(0.48g、2.0mmol)及びDA−8(1.59g、8.0mmol)を加えた後、NMP17gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1(1.09g、5.0mmol)、及びCA−2(0.82g、4.3mmol)を加え、更にNMPを5.9g加えた後、室温にて12時間攪拌することで、濃度15質量%のポリアミド酸溶液(PAA−12、粘度:655mPa・s)を得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−2(2.98g,10.0mmol)を加えた後、NMP44.7gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1(2.02g,9.3mmol)を加え、更にNMPを5.0g加えた後、50℃条件下にて、12時間攪拌して、濃度10質量%のポリアミド酸溶液(PAA−13、粘度:140mPa・s)を得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、DA−4(6.68g、12.0mmol)、及びDA−5(6.84g、28.0mmol)を加えた後、NMP57.6gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−2(2.26g,11.5mmol)、及びCA−4(5.15g、26.0mmol)を加え、更にNMPを13.2g加えた後、室温条件下にて、12時間攪拌して、濃度20質量%のポリアミド酸溶液(PAA−14、粘度:1180mPa・s)を得た。
このポリアミド酸溶液(PAA−14)を40.0g分取し、NMPを83.0g加えた後、無水酢酸を3.90g、及びピリジンを1.81g加え、50℃で2時間20分反応させた。この反応溶液をメタノール450gに注ぎ、生成した沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥し、ポリイミドの粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は65%であった。得られたポリイミド粉末5.0gにNMP28gを加えて、50℃にて、20hr攪拌して溶解させることで、ポリイミド溶液(SPI−2)を得た。
合成例1で得られたポリアミド酸溶液(PAA−1)を5.0g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を8.6g加え、攪拌しながら、NMPを12.3g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−1)を得た。
合成例2で得られたポリアミド酸溶液(PAA−2)を5.4g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を8.6g加え、攪拌しながら、NMPを12g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−2)を得た。
合成例3で得られたポリアミド酸溶液(PAA−3)を5.7g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を8.6g加え、攪拌しながら、NMPを11.7g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−3)を得た。
合成例4で得られたポリアミド酸溶液(PAA−4)を5.4g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を8.6g加え、攪拌しながら、NMPを12g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し液晶配配向剤(Q−4)を得た。
合成例5で得られたポリアミド酸溶液(PAA−5)を7.2g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を7.3g加え、攪拌しながら、NMPを12g、BCSを12g、LS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し液晶配配向剤(Q−5)を得た。
合成例6で得られたポリアミド酸溶液(PAA−6)を5.3g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を8.6g加え、攪拌しながら、NMPを12g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−6)を得た。
合成例7で得られたポリアミド酸溶液(PAA−7)を5.6g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を8.6g加え、攪拌しながら、NMPを12g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−7)を得た。
合成例8にて得られたポリイミド溶液(SPI−1)4.2gに合成例13で得られたポリアミド酸溶液(PAA−12)を10.5g加え、攪拌しながら、NMPを11.5g、BCSを10g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−8)を得た。
合成例9にて得られたポリアミド酸エステル溶液(PAE−1)4.2gに合成例13で得られたポリアミド酸溶液(PAA−12)を10.5g加え、攪拌しながら、NMPを11.5g、BCSを10g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−9)を得た。
合成例2で得られたポリアミド酸溶液(PAA−2)を5.4g分取し、そこに合成例11で得られたポリアミド酸溶液(PAA−10)を10.5g加え、攪拌しながら、NMPを10.5g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−10)を得た。
合成例2で得られたポリアミド酸溶液(PAA−2)を5.4g分取し、そこに合成例12で得られたポリアミド酸溶液(PAA−11)を10.3g加え、攪拌しながら、NMPを10.7g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−11)を得た。
合成例14で得られたポリアミド酸溶液(PAA−13)を5.5g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を8.3g加え、攪拌しながら、NMPを12g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−12)を得た。
比較合成例2で得られたポリイミド溶液(SPI−2)を4.2g分取し、そこに合成例13で得られたポリアミド酸溶液(PAA−12)を8.3g加え、攪拌しながら、NMPを12g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配向剤(Q−13)を得た。
なお、2014年12月22日に出願された日本特許出願2014−259248号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (13)
- 下記式(1)で表されるジアミンを含有するジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体、及びそれをイミド化して得られるポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1つである特定重合体(A)と、
ジアミン成分(式(1)で表されるジアミンを除く)とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリアミド酸である特定重合体(B)と、
を含有することを特徴とする液晶配向剤。
- 前記特定重合体(A)を得るための全ジアミン成分の100モル%中、式(1)で表されるジアミンが、10〜100モル%含有される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
- 前記特定重合体(A)又は前記特定重合体(B)を得るためのテトラカルボン酸成分が、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル、又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
- 前記特定重合体(A)の100質量部に対して、前記特定重合体(B)が10〜900質量部含有される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
- 前記特定重合体(A)の原料であるテトラカルボン酸成分、及び前記特定重合体(B)の原料であるテトラカルボン酸成分のうちの少なくとも一方が、芳香族テトラカルボン酸誘導体を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
- 前記特定重合体(A)及び前記特定重合体(B)を溶解する有機溶媒が70〜99.9質量%含有される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の横電界駆動素子用の液晶配向剤。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の液晶配向剤を用いて得られる液晶配向膜。
- 請求項12に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
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