JPWO2016104514A1 - 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

液晶配向の安定性に優れ、残像消去時間が短く、ラビング削れを起こしにくく、駆動直後からのフリッカーの変化が小さい、特に横電界駆動素子用の液晶配向剤の提供。式(1)で表されるジアミンを含有するジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体、及びそれをイミド化して得られるポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1つである特定重合体(A)と、ジアミン成分(上記式(1)で表されるジアミンを除く)とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリアミド酸である特定重合体(B)と、を含有する。[化1](R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は下記式(2)で表される基であり、その少なくとも一方は、式(2)で表される基である。式(2)中、Aは単結合又は炭素数1〜4の炭化水素基である2価の基である。)[化2]

Description

本発明は、横電界駆動用液晶表示素子に好適な用いられる液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子に関する。
従来から液晶装置は、パーソナルコンピュータや携帯電話、テレビジョン受像機等の表示部として幅広く用いられている。液晶装置は、例えば、素子基板とカラーフィルタ基板との間に挟持された液晶層、液晶層に電界を印加する画素電極及び共通電極、液晶層の液晶分子の配向性を制御する配向膜、画素電極に供給される電気信号をスイッチングする薄膜トランジスタ(TFT)等を備えている。
液晶分子の駆動方式としては、TN方式、VA方式等の縦電界方式や、IPS方式、FFS方式等の横電界方式が知られている。一般に、基板の片側のみに電極を形成させ、基板と平行方向に電界を印加する横電界方式では、従来の上下基板に形成された電極に、電圧を印加して液晶を駆動させる縦電界方式と比べ、広い視野角特性を有し、また高品位な表示が可能な液晶表示素子として知られている。
横電界方式の液晶セルは視野角特性に優れているものの、基板内に形成される電極部分が少ないために、液晶配向膜の電圧保持率が弱いと、液晶に十分な電圧がかからず表示コントラストが低下する。また、液晶配向の安定性が小さいと、液晶を長時間駆動させた際に、液晶が初期の状態に戻らなくなり、コントラストが低下したり残像の原因となるため、液晶配向の安定性が重要である。また、静電気が液晶セル内に蓄積されやすく、駆動によって生じる正負非対称電圧の印加によっても液晶セル内に電荷が蓄積され、これらの蓄積された電荷が液晶の配向を乱したり、或いは、残像として表示に影響を与え、液晶素子の表示品位を著しく低下させる。また、駆動直後にバックライト光が液晶セルに照射されることによっても電荷が蓄積され、短時間の駆動でも残像が発生したり、駆動中にフリッカー(ちらつき)の大きさが変化していく等の問題を生じてしまう。
一方、液晶配向膜は、液晶配向剤を印刷し、乾燥して、焼成を行った後に、ラビング処理を行って形成されるのが一般的であるが、横電界方式液晶セルでは、基板の片側のみに電極構造を有するため基板の凹凸が大きく、また、窒化珪素等の絶縁体が基板表面に形成されていることもあり、従来の配向剤と比較して、より印刷性に優れた液晶配向処理剤が求められている。更には、液晶配向の安定性を向上させるために、従来の液晶セルよりも強くラビング処理を施すことから、ラビング処理による剥離やラビング削れを引き起こしやすく、これらの剥がれや傷が表示品位を低下させる問題点がある。
このような横電界駆動液晶素子に用いた際、印刷性や耐ラビング性に優れ、かつ残像が少ない液晶配向剤として、特許文献1には、芳香族テトラカルボン酸に由来するアミック酸単位と、脂環式テトラカルボン酸に由来するアミック酸単位の両方を共重合又は混合により含有する液晶配向剤が開示されている。また、液晶配向性、配向規制力、ラビング耐性等に優れ、電圧保持率が高く、なおかつ、電荷蓄積を低減した液晶配向膜を得るための液晶配向剤として、特許文献2には、膜とした時の体積抵抗率が1×1010〜1×1014Ωcmである低抵抗のポリイミド前駆体と、特定構造を有する高配向のポリイミド前駆体又はポリイミドとを含有することを特徴とする液晶配向剤、及び、この液晶配向剤を用いた液晶表示素子が開示されている。
しかしながら、液晶表示素子の高性能化に伴い、液晶配向膜に要求される特性も厳しくなってきており、従来の技術のみでは全ての要求特性を満足することは難しい。
国際公開公報WO02/33481号パンフレット 国際公開公報WO2004/53583号パンフレット
本発明は、液晶配向の安定性に優れ、残像消去時間が短く、ラビング処理による剥離やラビング削れを起こしにくく、駆動直後からのフリッカーの変化が小さい液晶配向膜を得ることのできる特に横電界駆動素子用に優れる液晶配向剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、かかる課題を満たす本発明に到達したものであり、本発明は、下記を要旨とするものである。
1.下記式(1)で表されるジアミンを含有するジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体、及びそれをイミド化して得られるポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1つである特定重合体(A)と、
ジアミン成分(式(1)で表されるジアミンを除く)とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリアミド酸である特定重合体(B)と、
を含有することを特徴とする液晶配向剤。
Figure 2016104514
(R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は下記式(2)で表される基であり、その少なくとも一方は、式(2)で表される基である。式(2)中、Aは単結合又は炭素数1〜4の炭化水素基である2価の基である。)
Figure 2016104514
2.前記式(1)で表されるジアミンが、下記式(3)で表されるジアミンである上記(1)に記載の液晶配向剤。
Figure 2016104514
(R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は下記式(2)で表される基であり、その少なくとも一方は、式(2)で表される基である。式(2)中、Aは単結合又は炭素数1〜4の炭化水素基である2価の基である。X及びXはそれぞれ独立した2価の基である。X及びXには上記(1)の構造を含んでも良い。)
Figure 2016104514
3.前記式(3)で表されるジアミンが、下記式(4)で表されるジアミンである上記(2)に記載の液晶配向剤。
Figure 2016104514
(R、R及びAは、式(1)及び(2)と同義であり、m及びnは、それぞれ独立に、0〜3である。)
4.上記1〜3に記載されるいずれかの液晶配向剤を用いて得られる液晶配向膜。
5.上記4に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜を備える、特に横電界駆動用液晶表示素子は、液晶配向の安定性に優れ、残像消去時間が短く、ラビング処理による剥離やラビング削づれ現象を起こしにくく、駆動直後からのフリッカーの変化が小さい優れた特性を有する。
<ジアミン>
本発明の液晶配向剤を得るために使用されるジアミン成分に含有されるジアミンは、下記式(1)で表される構造を分子中に有するジアミンである。
Figure 2016104514
(式(1)及び(2)中、R、R及びAは、上記で定義したとおりである。なかでも、R及びRは、その少なくとも一方、又は両方とも、式(2)で表される基が好ましく、ラビング時の配向膜強度の観点から、R及びRのどちらか一方のみが、式(2)で表される基であるのが好ましい。
Aは、好ましくは単結合である。ここで、Aが単結合の場合、式(2)の基は、t−ブトキシカルボニル基(本発明では、Boc基ともいう。)である
Figure 2016104514
上記式(1)で表される構造を分子内に有するジアミンは、かかる要件を満足する限り、いずれのジアミンでもよい。その好ましい例として、下記式(3)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 2016104514
(式[1]中、R及びRは、それぞれの好ましいものも含めて、式(1)における場合と同じである。X及びXはそれぞれ独立した2価の基であり、X及びXには上記(1)の構造を含んでも良い。)
上記式(3)で表される構造を分子内に有するジアミンは、かかる要件を満足する限り、いずれのジアミンでもよい。その好ましい例として、下記式(4)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 2016104514
式(4)中、R及びRは、それぞれの好ましいものも含めて、式(1)における場合と同じである。m、nは、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、原料入手の容易性から、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
また、式(4)中、それぞれのベンゼン環におけるアミノ基(−NH)は、アルキレン基の結合位置に対して、オルト、メタ、又はパラのいずれの位置でもよいが、合成の容易性、及び重合反応性の点から、メタ、又はパラの位置が好ましく、パラの位置がより好ましい。
式(4)で表されるジアミンの例としては、好ましくは、以下の化合物が挙げられる。なお、以下に例示される化合物の式において、Bocは下記で表される基である。
Figure 2016104514
Figure 2016104514
Figure 2016104514
<特定重合体(A)>
特定重合体(A)は、上記した式(1)で表される構造を有するジアミンを含有するジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体、又は該ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミドであるからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体である。ポリイミド前駆体には、ポリアミド酸又はポリアミド酸エステル等が含まれ、下記式[A]で表される。
Figure 2016104514
(式、Rは4価の有機基であり、Rは2価の有機基であり、A及びAは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。A及びAは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基、又は炭素数1〜10のアルキニル基であり、これらの基は置換基を有してもよい。nは正の整数を示す。)
前記ジアミン成分としては、式(1)で表される構造を有するジアミン(特定ジアミンともいう。)を含有する、分子内に1級又は2級のアミノ基を2個有するジアミンが挙げられる。
前記テトラカルボン酸成分としては、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル、又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドが挙げられ、本発明では、これらを総称してテトラカルボン酸成分ともいう。
式[A]中のA及びAが水素原子であるポリアミド酸は、前記分子内に1級又は2級のアミノ基を2個有するジアミンと、テトラカルボン酸化合物、テトラカルボン酸二無水物又はテトラカルボン酸ジハライドとを反応させることで得られる。
式[A]中のA及びAが炭素数1〜5のアルキル基であるポリアミド酸アルキルエステルは、前記ジアミンと、テトラカルボン酸ジアルキルエステル、又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドとを反応させることで得られる。
特定ジアミンの含有量は、特定重合体(A)を得るために使用される全ジアミン成分100モル%中、10〜100モル%が好ましく、15〜80モル%より好ましい。上記全ジアミン成分には、特定ジアミンとともに、下記式[2−1]で表されるジアミン(第2のジアミンともいう)が含有されることが好ましい。
Figure 2016104514
式[2−1]中、Xは下記式[2a−1]〜式[2a−9]で示される構造から選ばれる少なくとも1つである。
Figure 2016104514
上記式[2a−6]中、nは1〜5の整数、式[2a−7]中、nは1〜4の整数を示す。
式[2−1]中、A及びAは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
式[2−1]中のジアミンのXは、液晶配向性の点から、式[2a−1]、式[2a−3]、式[2a−4]、又は式[2a−6]〜式[2a−9]が好ましい。より好ましくは、式[2a−3]、式[2a−6]、式[2a−8]、又は式[2a−9]である。
第2のジアミンの含有量は、全ジアミン成分100モル%中、10〜90モル%が好ましく、より好ましくは20〜85モル%である。
第2のジアミンは、特定重合体(A)の溶媒への溶解性や液晶配向剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶配向性、電圧保持率、蓄積電荷等の特性に応じて、1種類又は2種類以上を混合しても使用できる。
特定重合体(A)を得るためにジアミン成分としては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、特定ジアミン及び第2のジアミンとともに、その他のジアミンを用いることもできる。
その他のジアミンとして、2,4−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、m−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェニル、3,3’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジアミノビフェニル、2,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、2,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルエーテル、2,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−スルホニルジアニリン、3,3’−スルホニルジアニリン、ビス(4−アミノフェニル)シラン、ビス(3−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(4−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(3−アミノフェニル)シラン、4,4’−チオジアニリン、3,3’−チオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルアミン、3,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2’−ジアミノジフェニルアミン、2,3’−ジアミノジフェニルアミン、N−メチル(4,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,3’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,2’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,3’−ジアミノジフェニル)アミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ジアミノナフタレン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、2,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノナフタレン、2,6ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,8−ジアミノナフタレン、1,2−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、1,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、1,4−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,4−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、ビス(4−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(3−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(4−アミノフェニル)イソフタレート、ビス(3−アミノフェニル)イソフタレート、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)イソフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)イソフタルアミド、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(3−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(4−アミノフェノキシ)へキサン、1,6−ビス(3−アミノフェノキシ)へキサン、1,7−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,7−(3−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタン、1,8−ビス(3−アミノフェノキシ)オクタン、1,9−ビス(4−アミノフェノキシ)ノナン、1,9−ビス(3−アミノフェノキシ)ノナン、1,10−(4−アミノフェノキシ)デカン、1,10−(3−アミノフェノキシ)デカン、1,11−(4−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,11−(3−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,12−(4−アミノフェノキシ)ドデカン、1,12−(3−アミノフェノキシ)ドデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、又はこれらのアミノ基が2級のアミノ基であるジアミンが挙げられる。その他ジアミンは1種類又は2種類以上を混合しても使用できる。
特定重合体(A)を得るためのテトラカルボン酸成分としては、下記式(5)で表されるテトラカルボン酸二無水物が好ましいが、それだけでなく、その誘導体である、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドを用いることもできる。本発明では、これらを総称して第1のテトラカルボン酸成分ともいう。
Figure 2016104514
(Yは下記式[5a]〜式[5q]からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。)
Figure 2016104514
Figure 2016104514
式[5a]中、Z〜Zは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、塩素原子又はベンゼン環を示す。
式[5g]中、Z及びZは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示す。
式[5]中のZは、合成の容易さやポリマーを製造する際の重合反応性のし易さの点から、式[5a]、式[5c]〜[5g]、式[5k]〜式[5m]又は式[5p]が好ましく、より好ましくは、式[5a]、式[5e]、式[5f]、式[5l]、式[5m]又は式[5p]である。液晶配向性の観点から、特に好ましいのは、式[3a]又は式[5m]であり、式[5a]中、Z〜Zは水素原子が好ましい。
第1のテトラカルボン酸成分は、特定重合体(A)を得るための全テトラカルボン酸成分100モル%中、30〜100モル%が好ましく、50〜100モル%がより好ましく、特に好ましくは、70〜100モル%である。
第1のテトラカルボン酸成分は、特定重合体(A)の溶媒への溶解性や液晶配向剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷等の特性に応じて、1種類又は2種類以上を混合して使用することもできる。
特定重合体(A)を得るためのテトラカルボン酸成分は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、第1のテトラカルボン酸成分以外のその他のテトラカルボン酸成分を使用できる。その他のテトラカルボン酸成分としては、下記するテトラカルボン酸化合物、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドが挙げられる。
具体的には、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、1,3−ジフェニル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。その他のテトラカルボン酸成分は、1種又は2種以上を混合して使用することもできる。
<特定重合体(B)>
本発明の特定重合体(B)は、ジアミン成分(上記式(1)で表される構造を有するジアミンを除く)とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体、又は該ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミドであるからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体である。ポリイミド前駆体には、ポリアミド酸又はポリアミド酸エステル等が含まれである。
特定重合体(B)を得るためのジアミン成分は、下記式[4−1]で表されるその他のジアミン(第3のジアミンともいう。)を用いることが好ましい。
Figure 2016104514
式[4−1]中、Xは下記式[4a−1]〜式[4a−7]で示される構造から選ばれる少なくとも1つである。
Figure 2016104514

式[4a−4]中、Aは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。式[4a−5]中、nは1〜5の整数を示す。式[4a−6]中、nは1〜4の整数を示す。)
式[4−1]中、A及びAは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
式[4−1]中のジアミンのXとしては、電圧保持率の観点から、式[4a−2]〜式[4a−4]、式[4a−6]、又は式[4a−7]が好ましい。より好ましいのは、式[4a−3]、式[4a−4]、又は式[4a−7]である。
第3のジアミンは、特定重合体(B)を得るための全ジアミン成分100モル%中、20〜100モル%が好ましく、より好ましくは40〜100モル%であり、更に好ましくは60〜100モル%である。
第3のジアミンは、特定重合体(B)の溶媒への溶解性や液晶配向剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶配向性、電圧保持率、蓄積電荷等の特性に応じて、1種類又は2種類以上を混合しても使用できる。
特定重合体(B)を得るためのジアミン成分としては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、第3のジアミンとともに、その他のジアミン(その他ジアミンともいう)を用いることもできる。その具体例としては、特定重合体(A)を得るための挙げたその他のジアミンの具体例と同じものが挙げられる。
特定重合体(B)を得るためのテトラカルボン酸成分としては、下記式[6]で表されるテトラカルボン酸二無水物が好ましい。その際、式[6]で表されるテトラカルボン酸二無水物だけでなく、そのテトラカルボン酸誘導体であるテトラカルボン酸、又はテトラカルボン酸ジハライドを用いることもできる。本発明では、これらのテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体を総称して第2テトラカルボン酸成分ともいう。
Figure 2016104514

(式[6]中のZは、好ましい態様も含めて上記した式[5]の定義と同じである。)
特定重合体(B)における第2のテトラカルボン酸成分は、全テトラカルボン酸成分100モル%中、30〜100モル%が好ましく、50〜100モル%がより好ましく、特に好ましくは、70〜100モル%である。
第2のテトラカルボン酸成分は、特定重合体(B)の溶媒への溶解性や液晶配向剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷等の特性に応じて、1種類又は2種類以上を混合して使用することもできる。
特定重合体(B)を得るための全テトラカルボン酸成分には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、第2テトラカルボン酸成分以外のその他のテトラカルボン酸成分を用いることもできる。かかるその他のテトラカルボン酸成分の具体例としては、特定重合体(A)を得るためのその他のテトラカルボン酸成分として例示したその他のジアミンの具体例と同じものが挙げられる。
電圧保持率・ラビング耐性の観点から、特定重合体(A)におけるテトラカルボン酸成分、及び特定重合体(B)におけるテトラカルボン酸成分の少なくとも一方には、脂肪族テトラカルボン酸誘導体が含まれることが好ましい。
脂肪族テトラカルボン酸誘導体の含有量は、全テトラカルボン酸成分100モル%に対して、20〜100モル%、好ましくは50〜100モル%である。
<特定重合体(A)及び特定重合体(B)の製造方法>
これらの重合体を製造する方法は、通常、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られる。一般的には、テトラカルボン酸二無水物及びそのテトラカルボン酸の誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸成分と、1種又は複数種のジアミンからなるジアミン成分とを反応させて、ポリアミド酸を得る方法が挙げられる。具体的には、テトラカルボン酸二無水物と1級又は2級のジアミンとを重付加させてポリアミド酸を得る方法、テトラカルボン酸と1級又は2級のジアミンとを重縮合させてポリアミド酸を得る方法、又はテトラカルボン酸ジハライドと1級又は2級のジアミンとを重縮合させてポリアミド酸を得る方法が用いられる。
ポリアミド酸アルキルエステルを得るためには、カルボン酸基をジアルキルエステル化したテトラカルボン酸と1級又は2級のジアミンとを重縮合させる方法、カルボン酸基をハロゲン化したテトラカルボン酸ジハライドと1級又は2級のジアミンとを重縮合させる方法、又はポリアミド酸のカルボキシ基をエステルに変換する方法が用いられる。
ポリイミドを得るには、前記のポリアミド酸又はポリアミド酸アルキルエステルを閉環させてポリイミドとする方法が用いられる。
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応は、通常、溶媒中で行う。その際に用いる溶媒としては、生成したポリイミド前駆体が溶解するものであれば特に限定されない。下記に、反応に用いる溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されない。
例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン又はγ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又は1,3−ジメチル−イミダゾリジノンが挙げられる。また、ポリイミド前駆体の溶媒溶解性が高い場合は、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン又は下記式[D−1]〜式[D−3]で表される溶媒を用いることができる。
Figure 2016104514
(式[D−1]中、Dは炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−2]中、Dは炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−3]中、Dは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
これらの溶媒は単独で使用しても、混合して使用してもよい。更に、ポリイミド前駆体を溶解させない溶媒であっても、生成したポリイミド前駆体が析出しない範囲で、前記溶媒に混合して使用してもよい。また、溶媒中の水分は、重合反応を阻害し、更には、生成したポリイミド前駆体を加水分解させる原因となるので、溶媒は脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを溶媒中で反応させる際には、ジアミン成分を溶媒に分散或いは溶解させた溶液を攪拌させ、テトラカルボン酸成分をそのまま、又は溶媒に分散或いは溶解させて添加する方法、逆にテトラカルボン酸成分を溶媒に分散、或いは溶解させた溶液にジアミン成分を添加する方法、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを交互に添加する方法等が挙げられ、これらのいずれの方法を用いてもよい。また、ジアミン成分又はテトラカルボン酸成分を、それぞれ複数種用いて反応させる場合は、あらかじめ混合した状態で反応させてもよく、個別に順次反応させてもよく、更に個別に反応させた低分子量体を混合反応させ重合体としてもよい。
その際の重合温度は、−20〜150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは−5〜100℃の範囲である。
また、反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液の粘性が高くなり過ぎて均一な攪拌が困難となる。そのため、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%である。反応初期は高濃度で行い、その後、溶媒を追加できる。
ポリイミド前駆体の重合反応においては、ジアミン成分の合計モル数とテトラカルボン酸成分の合計モル数の比は0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応と同様に、このモル比が1.0に近いほど生成するポリイミド前駆体の分子量は大きくなる。
ポリイミドは、前記のポリイミド前駆体を閉環させて得られるポリイミドであり、このポリイミドにおいては、アミド酸基の閉環率(イミド化率ともいう)は必ずしも100%である必要はなく、用途や目的に応じて任意に調整できる。
ポリイミド前駆体をイミド化させる方法としては、ポリイミド前駆体の溶液をそのまま加熱する熱イミド化、又はポリイミド前駆体の溶液に触媒を添加する触媒イミド化が挙げられる。
ポリイミド前駆体を溶液中で熱イミド化させる場合の温度は、100〜400℃、好ましくは120〜250℃であり、イミド化反応により生成する水を系外に除きながら行う方法が好ましい。ポリイミド前駆体の触媒イミド化は、ポリイミド前駆体の溶液に、塩基性触媒と酸無水物とを添加し、−20〜250℃、好ましくは0〜180℃で攪拌することにより行うことができる。
塩基性触媒の量は、アミド酸基の0.5〜30モル倍、好ましくは2〜20モル倍であり、酸無水物の量は、アミド酸基の1〜50モル倍、好ましくは3〜30モル倍である。
塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等を挙げることができる。なかでも、ピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。
酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等を挙げることができる。特に、無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。
触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量と反応温度、反応時間を調節することにより制御することができる。
ポリイミド前駆体又はポリイミドの反応溶液から、生成したポリイミド前駆体又はポリイミドを回収する場合には、反応溶液を溶媒に投入して沈殿させればよい。沈殿に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、ベンゼン、水等を挙げることができる。溶媒に投入して沈殿させたポリマーは、濾過して回収した後、常圧或いは減圧下で、常温或いは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した重合体を、溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2〜10回繰り返すと、重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の溶媒として、例えば、アルコール類、ケトン類、炭化水素等が挙げられる。これら中から選ばれる3種類以上の溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。
本発明のポリアミド酸アルキルエステルを製造するための、より具体的な方法を下記(1)〜(3)に示す。
(1)ポリアミド酸のエステル化反応で製造する方法
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とからポリアミド酸を製造し、そのカルボキシ基(COOH基)に、化学反応、すなわち、エステル化反応を行い、ポリアミド酸アルキルエステルを製造する方法である。
エステル化反応は、ポリアミド酸とエステル化剤を溶媒の存在下で、−20〜150℃(好ましくは0〜50℃)において、30分〜24時間(好ましくは1〜4時間)反応させる方法である。
前記エステル化剤としては、エステル化反応後に、容易に除去できるものが好ましく、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジプロピルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジネオペンチルブチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジ−t−ブチルアセタール、1−メチル−3−p−トリルトリアゼン、1−エチル−3−p−トリルトリアゼン、1−プロピル−3−p−トリルトリアゼン、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド等が挙げられる。エステル化剤の使用量は、ポリアミド酸の繰り返し単位1モルに対して、2〜6モル当量が好ましい。なかでも、2〜4モル当量が好ましい。
前記エステル化反応に用いる溶媒としては、ポリアミド酸の溶媒への溶解性の点から、前記ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応に用いる溶媒が挙げられる。なかでも、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン又はγ−ブチロラクトンが好ましい。これら溶媒は、1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
前記エステル化反応における溶媒中のポリアミド酸の濃度は、ポリアミド酸の析出が起こりにくい点から、1〜30質量%が好ましい。なかでも、5〜20質量%が好ましい。
(2)ジアミン成分とテトラカルボン酸ジエステルジクロリドとの反応で製造する方法
具体的には、ジアミン成分とテトラカルボン酸ジエステルジクロリドとを、塩基と溶媒の存在下で、−20〜150℃(好ましくは0〜50℃)において、30分〜24時間(好ましくは1〜4時間)反応させる方法である。
塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等を用いることができる。なかでも、反応が穏和に進行するため、ピリジンが好ましい。塩基の使用量は、反応後に、容易に除去できる量が好ましく、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドに対して、2〜4倍モルであることが好ましい。なかでも、2〜3倍モルがより好ましい。
溶媒には、得られる重合体、すなわち、ポリアミド酸アルキルエステルの溶媒への溶解性の点から、前記ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応に用いる溶媒が挙げられる。なかでも、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン又はγ−ブチロラクトンが好ましい。これらの溶媒は、1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
反応における溶媒中のポリアミド酸アルキルエステルの濃度は、ポリアミド酸アルキルエステルの析出が起こりにくい点から、1〜30質量%が好ましい。なかでも、5〜20質量%が好ましい。また、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドの加水分解を防ぐため、ポリアミド酸アルキルエステルの作製に用いる溶媒は、できるだけ脱水されていることが好ましい。更に、反応は窒素雰囲気中で行い、外気の混入を防ぐのが好ましい。
(3)ジアミン成分とテトラカルボン酸ジエステルとの反応で製造する方法
具体的には、ジアミン成分とテトラカルボン酸ジエステルとを、縮合剤、塩基及び溶媒の存在下で、0〜150℃(好ましくは0〜100℃)において、30分〜24時間(好ましくは3〜15時間)重縮合反応させる方法である。
縮合剤には、トリフェニルホスファイト、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ジメトキシ−1,3,5−トリアジニルメチルモルホリニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾリル)ホスホン酸ジフェニル等を用いることができる。縮合剤の使用量は、テトラカルボン酸ジエステルに対して、2〜3倍モルが好ましく、特に、2〜2.5倍モルが好ましい。
塩基には、ピリジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。塩基の使用量は、重縮合反応後に、容易に除去できる量が好ましく、ジアミン成分に対して、2〜4倍モルが好ましく、2〜3倍モルがより好ましい。
重縮合反応に用いる溶媒は、得られる重合体、すなわち、ポリアミド酸アルキルエステルの溶媒への溶解性の点から、前記ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応に用いる溶媒が挙げられる。なかでも、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン又はγ−ブチロラクトンが好ましい。これら溶媒は、1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
また、重縮合反応においては、ルイス酸を添加剤として加えることで、反応が効率的に進行する。ルイス酸としては、塩化リチウム、臭化リチウム等のハロゲン化リチウムが好ましい。ルイス酸の使用量は、ジアミン成分に対して、0.1〜10倍モルが好ましい。なかでも、2.0〜3.0倍モルが好ましい。
上記(1)〜(3)の手法で得られたポリアミド酸アルキルエステルの溶液から、ポリアミド酸アルキルエステルを回収する場合には、反応溶液を溶媒に投入して沈殿させればよい。沈殿に用いる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等を挙げることができる。溶媒に投入して沈殿させた重合体は、前記で使用した添加剤、触媒類を除去することを目的に、上記溶媒で、複数回洗浄操作を行うことが好ましい。洗浄し、ろ過して回収した後、重合体は常圧或いは減圧下、常温或いは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した重合体を、溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2〜10回繰り返すことにより、重合体中の不純物を少なくすることができる。
ポリアミド酸アルキルエステルは、前記(2)又は(3)の製造方法が好ましい。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、液晶配向膜(樹脂被膜ともいう)を形成するための塗布溶液であり、特定重合体(A)、特定重合体(B)及び有機溶媒を含有する。
液晶配向剤における特定重合体(B)の割合は、特定重合体(A)100質量部に対して、10〜900質量部が好ましい。中でも、25〜700質量部が好ましく、より好ましいのは、50〜500質量部である。最も好ましいのは100〜400質量部である。
本発明の液晶配向剤における全ての重合体成分は、全てが本発明の特定重合体(A)及び(B)であってもよく、それ以外の他の重合体が混合されていても良い。それ以外の重合体としては、特定構造(1A)、特定構造(1B)及び特定構造(2)を持たないポリイミド前駆体及びポリイミドが挙げられる。更には、セルロース系重合体、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ポリスチレン、ポリアミド、ポリシロキサン等も挙げられる。その際、それ以外の他の重合体の含有量は、特定重合体(A)及び(B)の合計100質量部に対して、0.5〜15質量部である。なかでも、1〜10質量部が好ましい。
また、液晶配向剤中の有機溶媒の含有量は、70〜99.9質量%であることが好ましい。この含有量は、液晶配向剤の塗布方法や目的とする液晶配向膜の膜厚によって、適宜変更することができる。
液晶配向剤に用いる有機溶媒は、特定重合体(A)及び特定重合体(B)を溶解させる溶媒(良溶媒ともいう)を含有すれば特に限定されない。下記に、良溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されない。
例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等を挙げることができる。
なかでも、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、又はγ−ブチロラクトンを用いることが好ましい。
更に、特定重合体(A)及び特定重合体(B)の溶媒への溶解性が高い場合は、前記式[D−1]〜式[D−3]で表される溶媒を用いることが好ましい。
本発明の液晶配向剤における良溶媒は、液晶配向剤に含まれる溶媒全体の20〜99質量%であることが好ましい。なかでも、20〜90質量%が好ましい。より好ましいのは、30〜80質量%である。
本発明の液晶配向剤は、本発明の効果を損なわない限り、液晶配向剤を塗布した際の液晶配向膜の塗膜性や表面平滑性を向上させる溶媒(貧溶媒ともいう)を用いることができる。下記に、貧溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されない。
例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2−ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、3−エトキシブチルアセタート、1−メチルペンチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、2−(メトキシメトキシ)エタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−(ブトキシエトキシ)プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル、前記式[D−1]〜[D−3]で表される溶媒等を挙げることができる。
なかでも、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル又はジプロピレングリコールジメチルエーテルを用いることが好ましい。
これら貧溶媒は、液晶配向剤に含まれる溶媒全体の1〜80質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましく、20〜70質量%が特に好ましい。
本発明の液晶配向剤は、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基又はシクロカーボネート基を有する架橋性化合物、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基及び低級アルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物、又は重合性不飽和結合を有する架橋性化合物を含有することが好ましい。これら置換基や重合性不飽和結合は、架橋性化合物中に2個以上有する必要がある。
エポキシ基又はイソシアネート基を有する架橋性化合物としては、ビスフェノールアセトングリシジルエーテル、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルアミノジフェニレン、テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビス(アミノエチル)シクロヘキサン、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン、トリフェニルグリシジルエーテルエタン、ビスフェノールヘキサフルオロアセトジグリシジルエーテル、1,3−ビス(1−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロメチル)ベンゼン、4,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)オクタフルオロビフェニル、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、2−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−2−(4−(1,1−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)エチル)フェニル)プロパン、1,3−ビス(4−(1−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−1−(4−(1−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチル)フェノキシ)−2−プロパノール等が挙げられる。
オキセタン基を有する架橋性化合物は、下記式[4A]で示すオキセタン基を少なくとも2個有する架橋性化合物である。
Figure 2016104514
具体的には、国際公開公報WO2011/132751(2011.10.27公開)の58〜59頁に掲載の式[4a]〜[4k]で表される架橋性化合物が挙げられる。
シクロカーボネート基を有する架橋性化合物としては、下記式[5A]で表されるシクロカーボネート基を少なくとも2個有する架橋性化合物である。
Figure 2016104514
具体的には、国際公開公報WO2012/014898(2012.2.2公開)の76〜82頁に掲載される式[5−1]〜[5−42]の架橋性化合物が挙げられる。
ヒドロキシ基及びアルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物としては、例えば、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を有するアミノ樹脂、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド−ホルムアルデヒド樹脂、エチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。具体的には、アミノ基の水素原子が、メチロール基及び/又はアルコキシメチル基で置換されたメラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体、又はグリコールウリルを用いることができる。このメラミン誘導体又はベンゾグアナミン誘導体は、2量体又は3量体として存在することも可能である。これらは、トリアジン環1個当たり、メチロール基又はアルコキシメチル基を平均3個以上6個以下有するものが好ましい。
このようなメラミン誘導体又はベンゾグアナミン誘導体の例としては、市販品のトリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均3.7個置換されているMX−750、トリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均5.8個置換されているMW−30(以上、三和ケミカル社製)、サイメル300、301、303、350、370、771、325、327、703、712等のメトキシメチル化メラミン、サイメル235、236、238、212、253、254等のメトキシメチル化ブトキシメチル化メラミン、サイメル506、508等のブトキシメチル化メラミン、サイメル1141のようなカルボキシ基含有メトキシメチル化イソブトキシメチル化メラミン、サイメル1123のようなメトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1123−10のようなメトキシメチル化ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1128のようなブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1125−80のようなカルボキシ基含有メトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン(以上、三井サイアナミド社製)等が挙げられる。
また、グリコールウリルの例として、サイメル1170のようなブトキシメチル化グリコールウリル、サイメル1172のようなメチロール化グリコールウリル等、パウダーリンク1174のようなメトキシメチロール化グリコールウリル等が挙げられる。
ヒドロキシ基又はアルコキシ基を有するベンゼン又はフェノール性化合物としては、例えば、1,3,5−トリス(メトキシメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(イソプロポキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(sec−ブトキシメチル)ベンゼン、2,6−ジヒドロキシメチル−p−tert−ブチルフェノール等が挙げられる。
より具体的には、国際公開公報WO2011/132751.(2011.10.27公開)の62〜66頁に掲載される、式[6−1]〜[6−48]で表される架橋性化合物が挙げられる。
重合性不飽和結合を有する架橋性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を分子内に3個有する架橋性化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を分子内に2個有する架橋性化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルリン酸エステル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の重合性不飽和基を分子内に1個有する架橋性化合物;等が挙げられる。
更に、下記式[7A]で表される化合物を用いることもできる。
Figure 2016104514
(式[7A]中、Eはシクロヘキサン環、ビシクロヘキサン環、ベンゼン環、ビフェニル環、ターフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環及びフェナントレン環からなる群から選ばれる少なくとも1つの環を示し、Eは下記式[7a]及び[7b]からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を示し、nは1〜4の整数を示す。)
Figure 2016104514
上記化合物は架橋性化合物の一例であり、これらに限定されない。また、本発明の液晶配向剤に用いる架橋性化合物は、1種類でも、2種類以上組み合わせてもよい。
架橋性化合物の含有量は、すべての重合体成分100質量部に対して、0.1〜150質量部であることが好ましい。なかでも、架橋反応が進行し目的の効果を発現させるためには、全ての重合体成分100質量部に対して0.1〜100質量部が好ましい。より好ましいのは、1〜50質量部である。
液晶配向剤は、本発明の効果を損なわない限り、液晶配向剤を塗布した際の液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物を含有することができる。
液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノ二オン系界面活性剤等が挙げられる。
より具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(以上、トーケムプロダクツ社製)、メガファックF171、F173、R−30(以上、大日本インキ社製)、フロラードFC430、FC431(以上、住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(以上、旭硝子社製)等が挙げられる。
界面活性剤の使用割合は、液晶配向剤に含有される全ての重合体成分100質量部に対し、好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。
更に、液晶配向剤には、液晶配向膜中の電荷移動を促進して素子の電荷抜けを促進させる化合物として、国際公開公報WO2011/132751(2011.10.27公開)の69〜73頁に掲載される、式[M1]〜[M156]で表される窒素含有複素環アミン化合物を添加することもできる。このアミン化合物は、液晶配向剤に直接添加しても構わないが、適当な溶媒で、濃度0.1〜10質量%、好ましくは1〜7質量%の溶液にしてから添加することが好ましい。これらの溶媒は、上述した特定重合体(A)及び特定重合体(B)を溶解させる溶媒であれば特に限定されない。
本発明の液晶配向剤には、上記の貧溶媒、架橋性化合物、樹脂被膜又は液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物、及び電荷抜けを促進させる化合物の他に、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、液晶配向膜の誘電率や導電性等の電気特性を変化させる目的の誘電体や導電物質を添加してもよい。
<液晶配向膜及び液晶表示素子>
液晶配向膜は、前記液晶配向剤を基板に塗布し、乾燥し、焼成して得られる膜である。
液晶配向剤を塗布する基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、窒化珪素基板とともに、アクリル基板やポリカーボネート基板等のプラスチック基板等を用いることもできる。その際、液晶を駆動させるためのITO(Indium Tin Oxide)電極等が形成された基板を用いると、プロセスの簡素化の点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならば、シリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極にはアルミニウム等の光を反射する材料も使用できる。
液晶配向剤の塗布方法は、特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット法等が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ法、ロールコータ法、スリットコータ法、スピンナー法、スプレー法等があり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
液晶配向剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブン、IR(赤外線)型オーブン等の加熱手段により、溶媒を蒸発させて液晶配向膜とすることができる。
液晶配向剤を塗布した後の乾燥、焼成工程は、任意の温度と時間を選択することができる。通常は、含有される溶媒を十分に除去するために、50〜120℃で1〜10分焼成し、その後、150〜300℃で、5〜120分焼成する条件が挙げられる。
焼成後の液晶配向膜の厚みは、特に限定されないが、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、5〜300nmであることが好ましく、10〜200nmがより好ましい。
得られた液晶配向膜を配向処理する方法としては、前記ラビング処理法、光配向処理法等が挙げられるが、ラビング処理法が好ましい。
光配向処理法の具体例としては、前記液晶配向膜の表面に、一定方向に偏向された放射線を照射し、場合によっては、更に150〜250℃の温度で加熱処理を行い、液晶配向性(液晶配向能ともいう)を付与する方法が挙げられる。放射線としては、100〜800nmの波長を有する紫外線又は可視光線を用いることができる。なかでも、100〜400nmの波長を有する紫外線が好ましく、より好ましくは、200〜400nmの波長を有する紫外線である。
また、液晶配向性を改善するために、液晶配向膜を有する基板を50〜250℃で加熱しながら、放射線を照射してもよい。放射線の照射量は、1〜10,000mJ/cmが好ましい。なかでも、100〜5,000mJ/cmが好ましい。このようにして製造された液晶配向膜は、液晶分子を一定の方向に安定して配向させることができる。
更に、偏光された放射線を照射した液晶配向膜に、水や溶媒を用いて、接触処理をすることもできる。使用する溶媒としては、放射線の照射によって液晶配向膜から生成した分解物を溶解する溶媒であれば、特に限定されない。具体例としては、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールアセテート、ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸メチル、ジアセトンアルコール、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル等が挙げられる。なかでも、汎用性や溶媒の安全性の点から、水、2−プロパンール、1−メトキシ−2−プロパノール又は乳酸エチルが好ましい。より好ましいのは、水、1−メトキシ−2−プロパノール又は乳酸エチルである。これらの溶媒は、1種類であってもよく、2種類以上組み合わせてもよい。
本発明における接触処理としては、浸漬処理や噴霧処理(スプレー処理ともいう)が挙げられる。これらの処理における処理時間は、放射線によって液晶配向膜から生成した分解物を効率的に溶解させる点から、10秒〜1時間が好ましい。なかでも、1〜30分間浸漬処理をすることが好ましい。また、前記接触処理時の溶媒の温度は、常温でも加温してもよいが、好ましくは、10〜80℃である。なかでも、20〜50℃が好ましい。分解物の溶解性の点から、必要に応じて、超音波処理等を、更に行ってもよい。
前記接触処理の後に、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン等の低沸点溶媒によるすすぎ(リンスともいう)や液晶配向膜の焼成を行うことが好ましい。その際、リンスと焼成のどちらか一方を行っても、両方を行ってもよい。焼成の温度は、150〜300℃であることが好ましい。なかでも、180〜250℃が好ましい。より好ましいのは、200〜230℃である。また、焼成の時間は、10秒〜30分が好ましい。なかでも、1〜10分が好ましい。
本発明の液晶配向膜は、IPS方式やFFS方式等の横電界方式の液晶表示素子の液晶配向膜として好適であり、特に、FFS方式の液晶表示素子に有用である。本発明の液晶表示素子は、上記液晶配向剤から得られる液晶配向膜付きの基板を得た後、既知の方法で液晶セルを作製し、該液晶セルを使用して素子としたものである。
液晶セルの作製方法の一例として、パッシブマトリクス構造の液晶表示素子を例にとり説明する。なお、画像表示を構成する各画素部分にTFT等のスイッチング素子が設けられたアクティブマトリクス構造の液晶表示素子であってもよい。
具体的には、透明なガラス製の基板を準備し、一方の基板の上にコモン電極を、他方の基板の上にセグメント電極を設ける。これらの電極は、例えば、ITO電極とすることができ、所望の画像表示ができるようパターニングされている。次いで、各基板の上に、コモン電極とセグメント電極を被覆するようにして絶縁膜を設ける。絶縁膜は、例えば、ゾル−ゲル法によって形成されたSiO−TiOからなる膜とすることができる。次に、前記のような条件で、各基板の上に液晶配向膜を形成し、一方の基板に他方の基板を、互いの液晶配向膜面が対向するようにして重ね合わせ、周辺をシール剤で接着する。シール剤には、基板間隙を制御するために、通常、スペーサーを混入しておくことが好ましい。また、シール剤を設けない面内部分にも、基板間隙制御用のスペーサーを散布しておくことが好ましい。シール剤の一部には、外部から液晶を充填可能な開口部を設けておくことが好ましい。
その後、シール剤に設けた開口部を通じて、2枚の基板とシール剤で包囲された空間内に液晶材料を注入する。次いで、この開口部を接着剤で封止する。注入には、真空注入法を用いてもよいし、大気中で毛細管現象を利用した方法を用いてもよい。
液晶材料としては、ポジ型液晶材料やネガ型液晶材料のいずれを用いてもよい。次に、偏光板の設置を行う。具体的には、2枚の基板の液晶層とは反対側の面に、一対の偏光板を貼り付けることが好ましい。
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。実施例、比較例で使用した化合物の略号、及び特性評価の方法は以下のとおりである。
Figure 2016104514
NMP:N−メチル−2−ピロリドン、GBL:γ―ブチルラクトン、BCS:ブチルセロソルブ、DBOP:ジフェニル(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾリル)ホスホナート、LS−4668:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
<粘度測定>
ポリアミド酸溶液について、E型粘度計TVE−22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)にて25℃の粘度を測定した。
<イミド化率の測定>
ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(草野科学社製 NMRサンプリングチューブスタンダード φ5)に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6、0.05質量%TMS(テトラメチルシラン)混合品)0.53mlを添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液の500MHzのプロトンNMRを、測定装置(日本電子データム社製、JNW−ECA500)にて測定した。
イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミド基のNHに由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
式中、xはアミド基のNH由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド基のNHプロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
<ラビング耐性評価>
液晶配向剤を1.0μmのフィルターで濾過した後、透明電極付きガラス基板上にスピンコートし、80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、230℃で20分間焼成して、膜厚100nmのポリイミド膜を得た。このポリイミド膜をレーヨン布で1回ラビング(ロール径120mm、回転数1000rpm、移動速度20mm/sec、押し込み量0.4mm)した。この膜表面を、共焦点レーザー顕微鏡を用いて表面状態を観察し、倍率100倍で削れカスの有無と傷の有無を観察した。削れカスや傷がほとんど見られないものを「良好」と定義して評価し、多くの削れカスやラビング傷が見られるものは「不良」と定義して評価した。
<液晶表示素子の作製>
初めに電極付きの基板を準備した。基板は、30mm×35mmの大きさで、厚さが0.7mmのガラス基板である。基板上には第1層目として対向電極を構成する、ベタ状のパターンを備えたIZO(Indium-Zinc-Oxide)電極が形成されている。第1層目の対向電極の上には第2層目として、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により成膜されたSiN(窒化珪素)膜が形成されている。第2層目のSiN膜の膜厚は500nmであり、層間絶縁膜として機能する。第2層目のSiN膜の上には、第3層目としてIZO膜をパターニングして形成された櫛歯状の画素電極が配置され、第1画素及び第2画素の2つの画素を形成している。各画素のサイズは、縦10mmで横約5mmである。このとき、第1層目の対向電極と第3層目の画素電極とは、第2層目のSiN膜の作用により電気的に絶縁されている。
第3層目の画素電極は、中央部分が屈曲した、くの字形状の電極要素を複数配列して構成された櫛歯状の形状を有する。各電極要素の短手方向の幅は3μmであり、電極要素間の間隔は6μmである。各画素を形成する画素電極が、中央部分の屈曲した、くの字形状の電極要素を複数配列して構成されているため、各画素の形状は長方形状ではなく、電極要素と同様に中央部分で屈曲する、太字のくの字に似た形状を備える。そして、各画素は、その中央の屈曲部分を境にして上下に分割され、屈曲部分の上側の第1領域と下側の第2領域を有する。
各画素の第1領域と第2領域とを比較すると、それらを構成する画素電極の電極要素の形成方向が異なるものとなっている。すなわち、後述する液晶配向膜のラビング方向を基準とした場合、画素の第1領域では、画素電極の電極要素が+10°の角度(時計回り)をなすように形成され、画素の第2領域では、画素電極の電極要素が−10°の角度(時計回り)をなすように形成されている。すなわち、各画素の第1領域と第2領域とでは、画素電極と対向電極との間の電圧印加によって誘起される液晶の、基板面内での回転動作(インプレーン・スイッチング)の方向が互いに逆方向となるように構成されている。
次に、得られた液晶配向剤を1.0μmのフィルターで濾過した後、準備された上記電極付き基板と、対向基板として裏面にITO膜が成膜されており、かつ高さ4μmの柱状のスペーサーを有するガラス基板のそれぞれにスピンコートした。次いで、80℃のホットプレート上で5分間乾燥後、230℃で20分間焼成して、膜厚60nmの塗膜として、各基板上にポリイミド膜を得た。このポリイミド膜上を、所定のラビング方向で、レーヨン布によりラビング(ロール径120mm、回転数500rpm、移動速度30mm/sec、押し込み量0.3mm)した後、純水中にて1分間超音波照射を行い、80℃で10分間乾燥した。
その後、上記液晶配向膜付きの2種類の基板を用いて、それぞれのラビング方向が逆平行になるように組み合わせ、液晶注入口を残して周囲をシールし、セルギャップが3.8μmの空セルを作製した。この空セルに、液晶(MLC−2041、メルク社製)を常温で真空注入した後、注入口を封止して、アンチパラレル配向の液晶セルとした。得られた液晶セルは、FFSモード液晶表示素子を構成する。その後、得られた液晶セルを120℃で1時間加熱し、一晩放置してから各評価に使用した。
<残像消去時間の評価>
以下の光学系等を用いて残像の評価を行った。
作製した液晶セルを偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でLEDバックライトを点灯させておき、透過光の輝度が最も小さくなるように、液晶セルの配置角度を調整した。
次に、この液晶セルに周波数30Hzの交流電圧を印加しながら、V−Tカーブ(電圧−透過率曲線)を測定し、相対透過率が23%となる交流電圧を駆動電圧として算出した。
残像評価では、相対透過率が23%となる周波数30Hzの交流電圧を印加して、液晶セルを駆動させながら、同時に1Vの直流電圧を印加し、60分間駆動させた。その後、印加直流電圧値を0Vにして直流電圧の印加のみを停止し、その状態で更に30分駆動した。
残像評価は、直流電圧の印加を開始した時点から60分間が経過するまでに、相対透過率が30%以下に低下した場合に、「良好」と定義して評価を行った。相対透過率が30%以下に低下するまでに60分間以上を要した場合には、「不良」と定義して評価した。
残像評価は、液晶セルの温度が23℃の状態の温度条件下で行った。
<液晶配向の安定性評価>
この液晶セルを用い、60℃の恒温環境下、周波数30Hzで10VPPの交流電圧を168時間印加した。その後、液晶セルの画素電極と対向電極との間を短絡させた状態にし、そのまま室温に一日放置した。
放置の後、液晶セルを偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でバックライトを点灯させておき、透過光の輝度が最も小さくなるように液晶セルの配置角度を調整した。そして、第1画素の第2領域が最も暗くなる角度から第1領域が最も暗くなる角度まで液晶セルを回転させたときの回転角度を角度Δとして算出した。第2画素でも同様に、第2領域と第1領域とを比較し、同様の角度Δを算出した。そして、第1画素と第2画素の角度Δ値の平均値を液晶セルの角度Δとして算出した。この液晶セルの角度Δの値が0.2度を越える場合には、「不良」と定義し評価した。この液晶セルの角度Δの値が0.2度を越えない場合には、「良好」と定義し評価した。
<駆動直後のフリッカーレベルの評価>
以下の光学系等を用いて残像の評価を行った。
作製した液晶セルを、偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でLEDバックライトを点灯させておき、透過光の輝度が最も小さくなるように、液晶セルの配置角度を調整した。次に、この液晶セルに周波数30Hzの交流電圧を印加しながら、V−Tカーブ(電圧−透過率曲線)を測定し、相対透過率が23%となる交流電圧を駆動電圧として算出した。
フリッカーレベルの測定では、点灯させておいたLEDバックライトを一旦消灯して72時間遮光放置した後に再度点灯し、バックライト点灯開始と同時に相対透過率が23%となる周波数30Hzの交流電圧を印加して、液晶セルを60分間駆動させてフリッカー振幅を追跡した。フリッカー振幅は、2枚の偏光板及びその間の液晶セルを通過したLEDバックライトの透過光を、フォトダイオード及びI−V変換アンプを介して接続されたデータ収集/データロガースイッチユニット34970A(Agilent technologies社製)で読み取った。フリッカーレベルは以下の数式で算出した。
フリッカーレベル(%)={フリッカー振幅/(2×z)}×100
上記式において、zは、相対透過率が23%となる周波数30Hzの交流電圧で駆動した際の輝度を、データ収集/データロガースイッチユニット34970Aで読み取った値である。
フリッカーレベルの評価は、LEDバックライトの点灯及び交流電圧の印加を開始した時点から60分間が経過するまでに、フリッカーレベルが3%未満を維持した場合に、「良好」と定義して評価を行った。60分間でフリッカーレベルが3%以上に達した場合には、「不良」と定義して評価した。上述した方法によるフリッカーレベルの評価は、液晶セルの温度が23℃の状態の温度条件下で行った。
<重合体の合成>
[合成例1]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を0.836g(2.1mmol)及びDA−2を1.46g(4.9mmol)加えた後、NMP26.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1を1.45g(6.6mmol)加え、NMPを7.7g加えた後、更に50℃条件下にて、12時間攪拌することで、濃度(樹脂固形分濃度であり、以下同じ)12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−1、粘度:170mPa・s)得た。
[合成例2]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を2.59g(6.5mmol)及びDA−2を1.04g(3.5mmol)を加えた後、NMP33.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1を2.07g(9.5mmol)加え、NMPを8.4g加えた後、更に50℃条件下にて、12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−2、粘度:244mPa・s)を得た。
[合成例3]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を3.18g(8.0mmol)及びDA−2を0.59g(2.0mmol)加えた後、NMP33.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1を2.05g(9.5mmol)加え、NMPを9.7g加えた後、更に50℃条件下にて、12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−3、粘度:347mPa・s)を得た。
[合成例4]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を2.59g(6.5mmol)及びDA−2を1.04g(3.5mmol)加えた後、NMP33.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1を1.41g(6.5mmol)加え、CA−2を0.58g(3.0mmol)加え、NMPを8.4g加えた後、更に50℃条件下にて、12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−4、粘度:275mPa・s)を得た。このポリアミド酸溶液のであった。
[合成例5]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を2.23g(5.6mmol)及びDA−2を0.42g(1.4mmol)加えた後、NMP25.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1を1.95g(6.6mmol)加え、NMPを6.3g加えた後、更に50℃条件下にて、12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−5、粘度:196mPa・s)を得た。
[合成例6]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を1.59g(4.0mmol)、DA−2を1.19g(4.0mmol)、及びDA−3を0.79g(2.0mmol)加えた後、NMP33.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1を2.09g(9.5mmol)加え、NMPを9.6g加えた後、更に50℃条件下にて、12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−6、粘度:325mPa・s)を得た。
[合成例7]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−1を1.59g(4.0mmol)、DA−2を1.19g(4.0mmol)及びDA−4を0.78g(2.0mmol)加えた後、NMP33.0gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1を2.09g(9.5mmol)加え、NMPを9.9g加えた後、更に50℃条件下にて、12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−7、粘度:306mPa・s)を得た。
[合成例8]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−11.15g(3.0mmol)、DA−5を3.42g(14.0mmol)、及びDA−4を1.67g(3.0mmol)加えた後、NMP22.8gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−2を0.96g(4.9mmol)及びCA−4を2.57g(13.0mmol)加え、NMPを17.0g加えた後、更に室温条件下にて、12時間攪拌することで、濃度20質量%のポリアミド酸溶液(PAA−8、粘度:1280mPa・s)を得た。
このポリアミド酸溶液(PAA−8)40.0gを分取し、NMPを83.0g加えた後、無水酢酸を3.90g及びピリジンを1.81g加え、50℃で2時間20分反応させた。この反応溶液をメタノール450gに注ぎ、生成した沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥し、ポリイミドの粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は57%であった。得られたポリイミド粉末5.0gにNMP28gを加えて、50℃にて20hr攪拌して溶解させることで、ポリイミド溶液(SPI−1)を得た。
[合成例9]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、CE−13.41g(12.4mmol)を投入し、更にNMP72gを加え、攪拌し、溶解させた。次いで、トリエチルアミン(4.19g、41.4mmol)、DA−1(2.07g、7.8mmol)、及びDA−5(1.26g、5.2mmol)を加えて攪拌した。この溶液を攪拌しながら、DBOP(10.3g、26.9mmol)を添加し、更にNMPを10g加え、室温で12時間撹拌して、ポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液をメタノール{630g}中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後、温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステルの粉末を得た。このポリアアミド酸エステル粉末3gを三角フラスコに取り、NMP11g及びGBL11gを加えて、ポリアミド酸エステル溶液(PAE−1)を得た。
[合成例10]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、DA−2(4.47g、15mmol)及びDA−6(1.50g、10mmol)を加えた後、NMP50gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−2を4.75g(24.2mmol)加え、更にNMPを10.8g加えた後、室温にて12時間攪拌することで、濃度15質量%のポリアミド酸溶液(PAA−11、粘度:600mPa・s)を得た。
[合成例11]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−2(2.68g、9.0mmol)、DA−6(0.90g、6.0mmol)を加えた後、NMP30gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−2を1.76g(9.0mmol)及びCA−3を1.54g(5.25mmol)加え、更にNMPを9g加えた後、室温にて12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−10、粘度:375mPa・s)得た。
[合成例12]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、DA−2(4.65g、15.6mmol)、DA−5(1.27g、5.2mmol)、及びDA−6(0.78g、5.2mmol)を加えた後、NMP74.7gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−2を4.84g(23.4mmol)加え、更にNMPを10g加えた後、室温にて12時間攪拌することで、濃度12質量%のポリアミド酸溶液(PAA−11、粘度:300mPa・s)を得た。
[合成例13]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−5(0.48g、2.0mmol)及びDA−8(1.59g、8.0mmol)を加えた後、NMP17gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1(1.09g、5.0mmol)、及びCA−2(0.82g、4.3mmol)を加え、更にNMPを5.9g加えた後、室温にて12時間攪拌することで、濃度15質量%のポリアミド酸溶液(PAA−12、粘度:655mPa・s)を得た。
[合成例14]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、DA−2(2.98g,10.0mmol)を加えた後、NMP44.7gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−1(2.02g,9.3mmol)を加え、更にNMPを5.0g加えた後、50℃条件下にて、12時間攪拌して、濃度10質量%のポリアミド酸溶液(PAA−13、粘度:140mPa・s)を得た。
[合成例15]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、DA−4(6.68g、12.0mmol)、及びDA−5(6.84g、28.0mmol)を加えた後、NMP57.6gを加え、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA−2(2.26g,11.5mmol)、及びCA−4(5.15g、26.0mmol)を加え、更にNMPを13.2g加えた後、室温条件下にて、12時間攪拌して、濃度20質量%のポリアミド酸溶液(PAA−14、粘度:1180mPa・s)を得た。
このポリアミド酸溶液(PAA−14)を40.0g分取し、NMPを83.0g加えた後、無水酢酸を3.90g、及びピリジンを1.81g加え、50℃で2時間20分反応させた。この反応溶液をメタノール450gに注ぎ、生成した沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥し、ポリイミドの粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は65%であった。得られたポリイミド粉末5.0gにNMP28gを加えて、50℃にて、20hr攪拌して溶解させることで、ポリイミド溶液(SPI−2)を得た。
上記の合成例1〜15で得られるポリアミド酸(PAA)、ポリアミド酸エステル(PAE)及びポリイミド(SPI)の製造に使用された原料のジアミン、その使用量(ミリモル)、テトラカルボン酸誘導体、及びその使用量(ミリモル)をまとめて示すと、以下の表1のとおりである。なお、表1中、TEAは、トリエチルアミンを表す。
Figure 2016104514
[実施例1]
合成例1で得られたポリアミド酸溶液(PAA−1)を5.0g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を8.6g加え、攪拌しながら、NMPを12.3g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−1)を得た。
[実施例2]
合成例2で得られたポリアミド酸溶液(PAA−2)を5.4g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を8.6g加え、攪拌しながら、NMPを12g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−2)を得た。
[実施例3]
合成例3で得られたポリアミド酸溶液(PAA−3)を5.7g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を8.6g加え、攪拌しながら、NMPを11.7g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−3)を得た。
[実施例4]
合成例4で得られたポリアミド酸溶液(PAA−4)を5.4g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を8.6g加え、攪拌しながら、NMPを12g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し液晶配配向剤(Q−4)を得た。
[実施例5]
合成例5で得られたポリアミド酸溶液(PAA−5)を7.2g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を7.3g加え、攪拌しながら、NMPを12g、BCSを12g、LS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し液晶配配向剤(Q−5)を得た。
[実施例6]
合成例6で得られたポリアミド酸溶液(PAA−6)を5.3g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を8.6g加え、攪拌しながら、NMPを12g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−6)を得た。
[実施例7]
合成例7で得られたポリアミド酸溶液(PAA−7)を5.6g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を8.6g加え、攪拌しながら、NMPを12g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−7)を得た。
[実施例8]
合成例8にて得られたポリイミド溶液(SPI−1)4.2gに合成例13で得られたポリアミド酸溶液(PAA−12)を10.5g加え、攪拌しながら、NMPを11.5g、BCSを10g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−8)を得た。
[実施例9]
合成例9にて得られたポリアミド酸エステル溶液(PAE−1)4.2gに合成例13で得られたポリアミド酸溶液(PAA−12)を10.5g加え、攪拌しながら、NMPを11.5g、BCSを10g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−9)を得た。
[実施例10]
合成例2で得られたポリアミド酸溶液(PAA−2)を5.4g分取し、そこに合成例11で得られたポリアミド酸溶液(PAA−10)を10.5g加え、攪拌しながら、NMPを10.5g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−10)を得た。
[実施例11]
合成例2で得られたポリアミド酸溶液(PAA−2)を5.4g分取し、そこに合成例12で得られたポリアミド酸溶液(PAA−11)を10.3g加え、攪拌しながら、NMPを10.7g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−11)を得た。
[比較例1]
合成例14で得られたポリアミド酸溶液(PAA−13)を5.5g分取し、そこに合成例10で得られたポリアミド酸溶液(PAA−9)を8.3g加え、攪拌しながら、NMPを12g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配配向剤(Q−12)を得た。
[比較例2]
比較合成例2で得られたポリイミド溶液(SPI−2)を4.2g分取し、そこに合成例13で得られたポリアミド酸溶液(PAA−12)を8.3g加え、攪拌しながら、NMPを12g、BCSを12g、及びLS−4668を1重量%含むNMP溶液を1.8g加え、更に室温で2時間撹拌し、液晶配向剤(Q−13)を得た。
実施例1〜11及び比較例1、2で得られた液晶配向剤について、上記した、ラビング耐性評価、残像消去時間の評価、液晶配向の安定性評価、及び駆動直後のフリッカーレベルの評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2016104514
上記の表2からわかるように、実施例の液晶配向膜は、ラビング耐性評価、残像消去時間の評価、液晶配向の安定性評価、及び駆動直後のフリッカーレベルの評価のいずれにおいても、良好な結果を示したが、比較例1、2で作製した液晶配向膜は、上記評価項目のいずれかにおいて、不良な結果が得られた。
本発明の液晶配向剤から形成される液晶配向膜を有する液晶表示素子は、特に、横電界駆動方式を採用した、パーソナルコンピュータ、携帯電話、テレビジョン受像機等に広く有用である。
なお、2014年12月22日に出願された日本特許出願2014−259248号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (13)

  1. 下記式(1)で表されるジアミンを含有するジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体、及びそれをイミド化して得られるポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1つである特定重合体(A)と、
    ジアミン成分(式(1)で表されるジアミンを除く)とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリアミド酸である特定重合体(B)と、
    を含有することを特徴とする液晶配向剤。
    Figure 2016104514
    (R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は下記式(2)で表される基であり、その少なくとも一方は、式(2)で表される基である。式(2)中、Aは単結合又は炭素数1〜4の炭化水素基である2価の基である。)
    Figure 2016104514
  2. 前記式(1)で表されるジアミンが、下記式(3)で表されるジアミンである請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 2016104514
    (R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は下記式(2)で表される基であり、その少なくとも一方は、式(2)で表される基である。式(2)中、Aは単結合又は炭素数1〜4の炭化水素基である2価の基である。X及びXはそれぞれ独立した2価の基である。X及びXには上記(1)の構造を含んでも良い。)
    Figure 2016104514
  3. 前記式(3)で表されるジアミンが、下記式(4)で表されるジアミンである請求項2に記載の液晶配向剤。
    Figure 2016104514
    (R、R及びAは、式(1)及び(2)と同義であり、m及びnは、それぞれ独立に、0〜3である。)
  4. 前記特定重合体(A)を得るための全ジアミン成分の100モル%中、式(1)で表されるジアミンが、10〜100モル%含有される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  5. 前記特定重合体(A))を得るための全ジアミン成分の100モル%中、下記式[2−1]で表されるジアミンが、10〜90モル%含有される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2016104514

    (式[2−1]中、Xは下記式[2a−1]〜式[2a−9]で示される構造から選ばれる少なくとも1つである。)
    Figure 2016104514

    (式[2a−6]中、nは1〜5の整数、式[2a−7]中、nは1〜4の整数を示す。式[2−1]中、A及びAは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
  6. 前記特定重合体(B)を得るための全ジアミン成分の100モル%中、下記式[4−1]で表されるジアミンが10〜90モル%含有される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2016104514
    (式[4−1]中、Xは下記式[4a−1]〜式[4a−7]で示される構造から選ばれる少なくとも1つである。)
    Figure 2016104514

    (式[4a−4]中、Aは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、A及びAは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。式[4a−5]中、nは1〜5の整数を示す。式[4a−6]中、nは1〜4の整数を示す。)
  7. 前記特定重合体(A)又は前記特定重合体(B)を得るためのテトラカルボン酸成分が、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル、又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  8. 前記特定重合体(A)の100質量部に対して、前記特定重合体(B)が10〜900質量部含有される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  9. 前記特定重合体(A)の原料であるテトラカルボン酸成分、及び前記特定重合体(B)の原料であるテトラカルボン酸成分のうちの少なくとも一方が、芳香族テトラカルボン酸誘導体を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  10. 前記特定重合体(A)及び前記特定重合体(B)を溶解する有機溶媒が70〜99.9質量%含有される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の横電界駆動素子用の液晶配向剤。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の液晶配向剤を用いて得られる液晶配向膜。
  13. 請求項12に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
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