このような車車間通信装置を使って、複数の車両の協調走行が行われている。例えば、特許文献1の自動二輪車は、車車間通信装置で送受信された車両情報に基づいた他車に対する自車の走行の運転支援情報を、運転者に提供して、協調走行を行っている。車車間通信装置により、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行うことが望まれている。
本発明は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる車車間通信装置を提供することを目的とする。
本願発明者は、車両の特徴について改めて検討した。車両には、例えば、リーン車両がある。リーン車両は車幅が狭い。そのため、1つのレーンにおいて2台のリーン車両が左右方向に並んで停止することが可能である。また、車幅が小さいため、リーン車両は、1つのレーン内で、例えば、右部、左部、中央のいずれかを選択して走行できる。つまり、リーン車両は、1つのレーンにおいて左右方向の位置を選択して走行できる。このように、リーン車両は走行する位置の自由度が高いため、複数の車両が密集して走行する状況が発生しやすい。そのため、リーン車両を含む複数の車両の協調走行をスムーズに行うことが難しい走行状況があることに気付いた。そのような走行状況の一例としては、例えば、合流地点において、複数のリーン車両が密集して走行しているレーンに、乗用車等の他の車両が合流しようとしている場合である。また、そのような走行状況の他の例としては、例えば、同じ走行方向の複数のレーンがある道路において、複数のリーン車両が密集して走行している1つのレーンに、隣のレーンを走行している乗用車等の他の車両が車線変更しようとしている場合である。どちらの例においても、密集して走行する複数のリーン車両の間に、乗用車等の他の車両が進入するのが難しい場合がある。そして、このような場合においては、乗用車等の他の車両は、密集して走行する複数のリーン車両の前または後ろに進入することが好ましい。これらの例においては、協調走行を行う対象となる車両が多いため、複数のリーン車両と乗用車等の他の車両とが、協調走行をよりスムーズに行うことが求められている。
このように、複数のリーン車両は密集して走行することができる。つまり、リーン車両は、協調走行を行う対象となる車両の数が多くなる場合がある。そのため、リーン車両は、他の車両と協調走行をよりスムーズに行うことが求められる場合がある。また、密集して走行する複数のリーン車両の数は、走行中に変化する場合がある。つまり、協調走行を行う対象となる車両の数が変化する場合がある。そのため、リーン車両は、他の車両と協調走行をスムーズに行うことが難しい場合がある。また、この現象は、リーン車両だけではなく、車両幅がスリムなスリム車両も同じであることが分かった。そこで、本願発明者は、密集して走行する複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなすことで、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行えることを見出した。
本発明のひとつの観点の構成によると、車車間通信装置は、自車に搭載される車車間通信装置であって、前記自車の車幅に関連する車幅情報と前記自車の車両の位置に関連する位置情報とを含む前記自車の車両情報を記憶する自車情報記憶部と、車車間通信可能な他車の送信部から送信された、前記他車の車幅に関連する車幅情報と前記他車の車両の位置に関連する位置情報とを含む前記他車の車両情報を受信する車車間通信可能な受信部と、(I)(a)少なくとも1台の前記他車から受信した前記少なくとも1台の他車の前記車両情報および前記自車の前記車両情報、または、(b)少なくとも2台の前記他車から受信した前記少なくとも2台の他車の前記車両情報に基づいて、(A)前記自車と同じ走行方向のレーンを走行する少なくとも1台の前記他車および前記自車が、車幅がワイドなワイド車両より車幅がスリムな複数のスリム車両を含むと判定された場合であって、(B)前記自車と同じ走行方向のレーンを走行する少なくとも1台の前記他車および前記自車に含まれる前記複数のスリム車両を相互に結んだ領域内に前記ワイド車両を含まないと判定された場合に、前記複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなし、(II)前記仮定車両の仮定情報を、前記仮定車両とみなした前記複数のスリム車両の前記車両情報から生成する仮定情報生成部と、前記仮定情報を出力する出力制御部と、を有することを特徴とする。
この構成によると、車車間通信装置は、自車に搭載される。車車間通信装置は、自車情報記憶部、受信部、仮定情報生成部、出力制御部を有する。自車情報記憶部は、自車の車幅に関連する車幅情報と自車の車両の位置に関連する位置情報とを含む自車の車両情報を記憶する。受信部は、他車の送信部から送信された、他車の車幅に関連する車幅情報と他車の車両の位置に関連する位置情報とを含む他車の車両情報を他車の送信部から受信する。自車および他車の車幅情報は、二輪車等の車両種類であってもよく、車両幅であってもよく、車両幅のレベルであってもよく、これらを2つ以上含んでいてもよい。他車の送信部は、車車間通信可能に構成される。受信部は、車車間通信可能に構成される。他車は、自車以外の車両である。自車には、本発明の車車間通信装置が搭載されている。他車には、本発明の車車間通信装置が搭載されてもよいし、他の車車間通信装置が搭載されていてもよい。また、自車および他車の位置情報は、経度および緯度等で定まる自車および他車の車両の絶対位置の情報であってもよく、他の車両からの距離および方向で定まる車両の相対位置の情報であってもよく、その両方を含んでいてもよい。
仮定情報生成部は、複数の車両情報に基づいて、次の2つの条件(A)(B)を満たすと判定された複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなす。スリム車両は、ワイド車両よりも車幅がスリムな車両である。ワイド車両は、車幅がワイドな車両である。例えば、スリム車両の車幅は、レーンの幅の半分未満である。ワイド車両の車幅は、レーンの幅の半分以上である。つまり、2台のスリム車両は、1つのレーンにおいてレーン幅方向に並んで停止することが可能である。また、2台のワイド車両は、1つのレーンにおいてレーン幅方向に並んで停止することが不可能である。なお、複数の車両情報は、(a)少なくとも1台の他車から受信した少なくとも1台の他車の車両情報および自車が有する自車の車両情報である。または、複数の車両情報は、(b)少なくとも2台の他車から受信した少なくとも2台の他車の車両情報である。この場合、複数の車両情報は、自車の車両情報を含まなくてもよい。1つ目の条件(A)は、自車と同じ走行方向のレーンを走行する少なくとも1台の他車および自車が、複数のスリム車両を含むことである。レーンの走行方向とは、レーンに対して車両が走行する方向を意味する。なお、レーンの走行方向は、レーンの前方向を意味する。自車と他車とは、同じレーンを走行していてもよいし、別のレーンを走行していてもよい。自車がスリム車両である場合は、複数のスリム車両に自車が含まれる。自車がスリム車両でない場合は、複数のスリム車両に自車が含まれない。自車がスリム車両である場合に、複数のスリム車両に自車が含まれなくてよい。つまり、自車がスリム車両である場合に、自車が1台の仮定車両に含まれなくてよい。この場合、複数のスリム車両は、自車と同じレーンを走行していてもよいし、別のレーンを走行していてもよい。つまり、自車と同じ走行方向のレーンを走行していないスリム車両は、1台の仮定車両に含まれない。2つ目の条件(B)は、複数のスリム車両を相互に結んだ領域内にワイド車両を含まないことである。スリム車両を相互に結んだ領域とは、スリム車両の中心等の一部分を相互に結んだ領域であってもよく、スリム車両全体を相互に結んだ領域であってもよい。また、領域は、線分であっても、平面であってもよい。例えば、スリム車両を相互に結んだ領域は、スリム車両の中心を相互に結んだ線分である。複数のスリム車両を相互に結んだ領域内にワイド車両が含まれると、複数のスリム車両が密集して走行できない状況が生じるため、協調走行を行うことが難しい。1台の仮定車両とみなした複数のスリム車両は、密集して走行する。なお、仮定情報生成部は、上記2つの条件(A)(B)を満たすと判定された複数のスリム車両のグループが複数ある場合は、複数のグループそれぞれについて仮定車両をみなすことができる。つまり、仮定情報生成部は、複数の仮定車両をみなすことができる。
仮定情報生成部は、仮定車両の仮定情報を、仮定車両とみなした複数のスリム車両の車両情報から生成する。複数のスリム車両の車両情報から仮定情報を生成するとは、複数のスリム車両の車両情報から予め定められた計算式に基づいて仮定情報を演算することであってもよい。例えば、複数のスリム車両の位置情報の平均値を仮定情報とする。複数のスリム車両の車両情報から仮定情報を生成するとは、複数のスリム車両の車両情報の少なくとも一部をそのまま仮定情報とすることであってもよい。例えば、複数のスリム車両のそれぞれの車幅を仮定情報とする。複数のスリム車両の車両情報から仮定情報を生成するとは、複数の車両情報にはない新たな情報を生成することであってもよい。例えば、複数のスリム車両が仮定車両であることを仮定情報とする。複数のスリム車両の車両情報から仮定情報を生成するとは、これらを組み合わせたものであってもよい。出力制御部は、仮定情報を出力する。具体的には、出力制御部は、例えば、送信部、表示部、報知部、制御装置等に仮定情報を出力する。出力制御部が出力する送信部、表示部、報知部、制御装置等は、車車間通信装置と一体として形成されてもよいし、別に形成されてもよい。つまり、車車間通信装置、送信部、表示部、報知部、制御装置等は、1箇所に配置された1つの装置であってもよく、異なる位置に配置された複数の装置で構成されていてもよい。このような構成により、仮定車両の仮定情報に基づいて、密集して走行するスリム車両が他の車両と協調走行を行うことができる。つまり、密集して走行する複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなして、複数のスリム車両が他の車両と協調走行を行うことができる。例えば、合流地点において合流しようとする車両に本発明の車車間通信装置が搭載されている場合、車車間通信装置が合流地点付近で密集して走行するスリム車両を1台の仮定車両とみなす。そして、合流しようとする車両は、取得した仮定情報を使うことで、密集して走行するスリム車両の前または後にスムーズに進入することができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記仮定情報生成部は、(a)少なくとも1台の前記他車から受信した前記少なくとも1台の他車の前記車両情報および前記自車の前記車両情報、または、(b)少なくとも2台の前記他車から受信した前記少なくとも2台の他車の前記車両情報に基づいて、更に、(C)前記自車と同じ走行方向のレーンを走行する少なくとも1台の前記他車および前記自車に含まれる前記複数のスリム車両毎のスリム車両領域を設定し、複数の前記スリム車両領域が互いに重なる部分を有すると判定された場合に、前記複数のスリム車両領域内の前記複数のスリム車両を1台の前記仮定車両とみなすことが好ましい。
この構成によると、仮定情報生成部は、更に、複数の車両情報に基づいて、次の条件(C)を満たすと判定された複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなす。仮定情報生成部は、複数の車両情報に基づいて、スリム車両領域を設定する。複数の車両情報は、上記(a)または(b)の車両情報である。スリム車両領域は、自車と同じ走行方向のレーンを走行する少なくとも1台の他車および自車に含まれる複数のスリム車両毎に設定する。車両情報は、少なくとも位置情報を含む。スリム車両領域は、スリム車両を含む。スリム車両領域は、スリム車両の位置情報に基づいて設定される。例えば、スリム車両領域は、スリム車両を中心とした円状、楕円状、矩形等様々な形状の領域であってもよい。3つ目の条件(C)は、複数のスリム車両のスリム車両領域が互いに重なることである。仮定情報生成部は、互いに重なる部分を有する複数のスリム車両領域内の複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなす。つまり、他のいずれのスリム車両領域と重ならないスリム車両領域内のスリム車両は、1台の仮定車両に含まれない。これにより、他のスリム車両と離れて走行するスリム車両は、1台の仮定車両に含まれない。つまり、密集して走行する複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなすことができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記車両情報が、車両長に関連する車両長情報を含み、前記仮定情報生成部は、前記スリム車両領域のレーン前後方向の長さを、前記自車または少なくとも1台の前記他車が前記ワイド車両を含む場合に、前記自車の前記車両情報または前記自車が受信した前記他車の前記車両情報に含まれる前記ワイド車両の車両長に応じて設定できることが好ましい。
この構成によると、車両情報が、車両長に関連する車両長情報を含む。自車または少なくとも1台の他車がワイド車両を含む場合に、スリム車両領域のレーン前後方向の長さは、自車の車両情報または自車が受信した他車の車両情報に含まれるワイド車両の車両長に応じて設定できる。そして、例えば、スリム車両領域のレーン前後方向の長さを、車両情報に含まれるワイド車両の車両長とする。ワイド車両は、トラック等の大型四輪車や自動車等の中型四輪車または小型四輪車である。また、車両情報が複数のワイド車両の車両長を有する場合は、スリム車両領域のレーン前後方向の長さを、ワイド車両の最長の車両長としてよいし、最小の車両長としてもよいし、平均の車両長としてもよい。例えば、互いに重なる2つのスリム車両領域を有する2台のスリム車両の間のレーン前後方向の距離を、ワイド車両の車両長より短くする。この場合、ワイド車両は、1台の仮定車両と仮定された複数のスリム車両の間に進入できない。そして、ワイド車両と、1台の仮定車両に含まれる複数のスリム車両との協調走行をスムーズに行うことができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記車両情報が、車両長に関連する車両長情報を含み、前記仮定情報生成部は、前記スリム車両領域のレーン前後方向の長さを、前記スリム車両の車両長に応じて設定することが好ましい。
この構成によると、車両情報が、車両長に関連する車両長情報を含む。スリム車両領域のレーン前後方向の長さは、スリム車両の車両長に応じて設定される。例えば、スリム車両が大型自動二輪車であり、スリム車両の車両長が長い場合は、スリム車両領域のレーン前後方向の長さを長く設定する。また、例えば、スリム車両が小型自動二輪車であり、スリム車両の車両長が短い場合は、スリム車両領域をレーン前後方向の長さを短く設定する。これにより、スリム車両の車両長に応じて、どの程度離れたスリム車両同士を1台の仮定車両とみなすかが変わる。つまり、スリム車両の車両長に応じて、1台の仮定車両とみなす複数のスリム車両の密集度合いを調整することができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記仮定情報生成部は、前記スリム車両領域のレーン前後方向の長さを、前記スリム車両の速度に応じて変更することが好ましい。
この構成によると、スリム車両領域のレーン前後方向の長さは、スリム車両の車速に応じて変更される。具体的には、スリム車両の車速が速くなると、スリム車両領域のレーン前後方向の長さを長くする。また、スリム車両の車速が遅くなると、スリム車両領域のレーン前後方向の長さを小さくする。通常、車速が速いほど、車間距離は大きくなる。したがって、スリム車両の車速に応じて、スリム車両領域のレーン前後方向の長さを変更することで、車速が遅い場合に、必要な車間距離よりも十分に離れた2台のスリム車両を1台の仮定車両とみなすことを防止できる。このように、スリム車両の走行状況に応じて、スリム車両領域のレーン前後方向の長さが変更されるため、複数の車両の協調走行をスムーズに行うことができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記仮定情報は、前記仮定車両を識別する識別情報、前記仮定車両に含まれる前記スリム車両の種類、前記仮定車両に含まれる前記スリム車両の台数、前記仮定車両に含まれる前記スリム車両の位置、前記仮定車両に含まれる前記スリム車両の車速、前記仮定車両に含まれる前記スリム車両の進行方向角度、前記仮定車両に含まれる前記スリム車両全体のレーン前後方向の長さ、前記仮定車両に含まれる前記スリム車両全体のレーン幅方向の長さ、前記仮定車両に含まれる前記スリム車両を共通に指示する指示情報の少なくともいずれか1つを含むことが好ましい。
この構成によると、仮定情報は、以下の情報のいずれか1つを含む。仮定情報の1つは、仮定車両を識別する識別情報である。識別情報は、例えば、仮定車両と、それ以外の車両とが区別可能な情報である。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれるスリム車両の種類である。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれるスリム車両の台数である。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれるスリム車両の位置である。仮定情報に含まれるスリム車両の位置は、仮定車両の先頭を走行するスリム車両および仮定車両の最後を走行するスリム車両の少なくともいずれか一方の位置であってもよい。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれるスリム車両の車速である。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれるスリム車両の進行方向角度である。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれるスリム車両全体のレーン前後方向の長さである。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれるスリム車両全体のレーン幅方向の長さである。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれるスリム車両を共通に指示する指示情報である。そして、本発明の車車間通信装置は、出力制御部から出力されたこれらの仮定情報を、本発明の車車間通信装置を搭載した自車で利用することができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記出力制御部が出力した前記仮定情報および前記自車の前記車両情報を前記他車に送信する、車車間通信可能な送信部を更に有することが好ましい。
この構成によると、本発明の車車間通信装置は、出力制御部が出力した仮定情報および自車の車両情報を他車に送信する送信部を更に有する。送信部は、車車間通信可能である。仮定情報および車両情報を受信した他車は、仮定情報および車両情報を協調走行に利用することができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記仮定情報生成部は、前記1台の仮定車両に含まれる前記複数のスリム車両の中から、前記送信部から前記仮定情報を送信する1台の代表車両を決定可能であり、前記代表車両に関連する情報は前記仮定情報に含まれることが好ましい。
この構成によると、仮定情報生成部は、1台の仮定車両に含まれる複数のスリム車両の中から1台の代表車両を決定することができる。代表車両に関連する情報は、仮定情報に含まれる。代表車両は、自車でも他車でもよい。代表車両は、予め定められた条件に基づいて設定されてもよい。予め定められた条件は、例えば、代表車両を、仮定車両の先頭を走行するスリム車両とすることである。また、予め定められた条件は、例えば、代表車両を、仮定車両の最後を走行するスリム車両とすることである。また、予め定められた条件は、例えば、代表車両を、仮定車両の中央を走行するスリム車両とすることである。代表車両は、仮定情報を送信する。一方、仮定車両の中の代表車両以外のスリム車両は、仮定情報を送信しなくてよい。代表車両以外の車両が仮定情報を送信しない場合、仮定車両から送信される情報の量を低減することができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記仮定情報生成部は、前記1台の代表車両を前記1台の仮定車両に含まれる前記複数のスリム車両の中で変更可能であることが好ましい。
この構成によると、仮定情報生成部は、1台の代表車両を1台の仮定車両に含まれる複数のスリム車両の中で変更可能である。具体的には、仮定情報生成部は、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の走行状況に応じて、代表車両を変更する。仮定車両に含まれる複数のスリム車両の走行状況とは、合流地点や分岐地点等の道路状況を含む。例えば、合流地点や分岐地点等においては、代表車両を、合流地点や分岐地点等により近いスリム車両に変更する。これにより、合流地点や分岐地点等に近づく他車が、代表車両から送信された仮定情報をより早く受信することができる。自車が仮定車両に含まれない場合、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の走行状況とは、自車と、仮定車両との位置関係を含む。また、自車が仮定車両に含まれる場合、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の走行状況は、仮定車両に含まれるスリム車両の他車と自車との位置関係を含む。代表車両が変更可能であることにより、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記出力制御部は、前記自車が前記仮定車両に含まれる場合に、前記代表車両に関連する情報に基づいて、前記自車の前記送信部の送信出力を変更することが好ましい。
この構成によると、出力制御部は、自車が仮定車両に含まれる場合に、代表車両に関連する情報に基づいて、自車の送信部の送信出力を変更する。「代表車両に関連する情報に基づいて」とは、「自車が代表車両であるか否かに基づいて」という意味である。つまり、出力制御部は、送信部の送信出力を変更することにより、車車間通信が可能な領域を変更する。
具体的には、出力制御部は、自車が代表車両である場合に、自車が代表車両でない場合に比べて、送信出力を大きくする。また、出力制御部は、自車が代表車両であって、仮定情報を仮定車両に含まれる他車に送信する場合は、自車の送信部の送信出力を小さくする。この送信出力を第1出力とする。また、出力制御部は、自車が代表車両であって、仮定情報を仮定車両以外の他車に送信する場合は、自車の送信部の送信出力を第1出力よりも大きくする。このように、自車が代表車両である場合に、自車の送信部の送信出力を変更することにより、代表車両である自車と他車との車車間通信を確実に行うことができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
また、出力制御部は、自車が代表車両でない場合は、送信部の送信出力を小さくするか、所定時間ゼロにする。これにより、仮定車両から送信される情報の量を低減することができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記出力制御部は、前記自車が前記代表車両である場合に、前記仮定情報に応じて、前記自車の前記送信部の送信出力を変更することが好ましい。
この構成によると、出力制御部は、自車が代表車両である場合に、仮定情報に応じて、自車の送信部の送信出力を変更する。例えば、出力制御部は、自車が仮定車両の先頭を走行する代表車両である場合は、自車の後方への送信出力より自車の前方への送信出力を大きくする。また、出力制御部は、自車が仮定車両の最後を走行する代表車両である場合は、自車の前方への送信出力より自車の後方への送信出力を大きくする。このように、自車が代表車両である場合に、仮定情報に応じて、自車の送信部の送信出力を変更することにより、代表車両である自車と他車との車車間通信を確実に行うことができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記出力制御部は、前記自車の前記送信部が前記他車に前記仮定情報を送信する時間間隔を変更可能であることが好ましい。
この構成によると、出力制御部は、自車の送信部が他車に仮定情報を送信する時間間隔を変更可能である。なお、自車の送信部が車両情報を送信する時間間隔と、自車の送信部が仮定情報を送信する時間間隔とは異なってよい。具体的には、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の走行状況に応じて、自車の送信部が他車に仮定情報を送信する時間間隔を変更することが好ましい。例えば、仮定車両が合流地点付近を走行する場合に、時間間隔を短くしてもよい。これにより、仮定車両が走行するレーンに合流しようとする他車が、仮定車両の仮定情報を頻繁に受信することができる。そして、当該他車は、仮定車両の最新の仮定情報を利用して、合流を行うことができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記出力制御部は、前記自車が前記仮定車両に含まれる場合に、前記自車が前記仮定車両に含まれない場合よりも前記自車の前記送信部が前記他車に前記車両情報を送信する時間間隔が大きくなるように制御することが好ましい。
この構成によると、出力制御部は、自車が仮定車両に含まれる場合に、自車が仮定車両に含まれない場合よりも自車の送信部が他車に車両情報を送信する時間間隔が大きくなるように制御する。つまり、自車が仮定車両に含まれるかどうかに応じて、自車の送信部が他車に車両情報を送信する時間間隔が変更される。これにより、仮定車両内で送信される情報の量を低減することができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記仮定情報生成部が前記仮定情報を生成する時間間隔は、変更可能であることが好ましい。
この構成によると、仮定情報生成部が仮定情報を生成する時間間隔は、変更可能である。具体的には、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の走行状況に応じて、仮定情報生成部が仮定情報を生成する時間間隔を変更する。自車が仮定車両に含まれる場合を例に挙げる。例えば、自車の加速度を急に変化させた場合や自車が車線変更を行った場合に、時間間隔を短くしてもよい。自車の加速度を急に変化させたり、自車が車線変更を行ったりすると、車間距離が変化する場合がある。このような場合に、仮定車両に含まれる複数のスリム車両が変化する可能性が高い。そこで、仮定情報生成部は、車間距離の変化に迅速に対応して、複数のスリム車両を1台の仮定車両と仮定できる。つまり、車間距離の変化に迅速に対応して、仮定情報生成部が仮定車両に含まれる複数のスリム車両を変更することができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記仮定車両は、複数の前記レーンを走行する前記スリム車両を含むことが好ましい。
この構成によると、仮定車両は、複数のレーンを走行するスリム車両を含む。第1レーンを走行するスリム車両および第1レーンと隣接する第2レーンを走行するスリム車両は、レーン幅方向において、並んで走行する場合がある。つまり、複数のレーンを走行するスリム車両も、密集して走行する場合がある。このような場合であっても、仮定情報生成部は、複数のレーンを走行している複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなすことができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数のレーンを走行している複数のスリム車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記自車の前方、後方または側方の少なくともいずれか一方をセンシングするセンシング部を更に有することが好ましい。
この構成によると、本発明の車車間通信装置は、自車の前方、後方または側方の少なくともいずれか一方をセンシングするセンシング部を更に有する。センシング部は、例えば、自車の前方をセンシングする前方センシング部である。また、センシング部は、例えば、自車の後方をセンシングする後方センシング部である。センシング部は、例えば、自車の側方をセンシングする側方センシング部である。センシング部は、前方センシング部、後方センシング部、側方センシング部の少なくともいずれか1つである。センシング部は、例えば、カメラ、ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ、レーザーレーダ、超音波センサ、音響センサ、赤外センサ、電波/電界センサ、磁気センサ、距離画像センサのうち1つまたは複数を含む。このようなレーダおよびセンサは、車両の前方、後方または側方に向かってミリ波等を照射し、物体に反射して戻ってくる反射波を受信するように構成されている。なお、カメラは、単眼であっても、複眼であってもよい。本発明の車車間通信装置を搭載した自車は、自車の前方、後方または側方の少なくともいずれか一方を走行する他車をセンシングすることができる。センシング部は、本発明の車車間通信装置を搭載した自車と他車との距離を測定する。測定された距離に基づいて、自車および他車の位置情報または自車の車両長情報を補正することができる。そして、補正された自車および他車の位置情報または自車の車両長情報は、仮定情報生成部に出力される。これにより、自車および他車の位置情報の精度が高くなる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記出力制御部は、前記自車の前記位置情報および前記他車の前記位置情報に基づいて、前記自車および前記他車の配置関係を表示部に表示してもよい。
この構成によると、運転者は、表示部を見ることで、自車と他車の配置関係を認識することができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の他の観点の構成によると、前記車車間通信装置において、前記出力制御部は、前記自車の前記車幅情報および前記他車の前記車幅情報に基づいて、前記自車および前記他車を前記スリム車両か前記ワイド車両かを色分けして前記表示部に表示してもよい。
この構成によると、運転者は、表示部を見ることで、他車がスリム車両かワイド車両かを認識することができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の車車間通信は、車両に搭載された車車間通信装置間で行われる通信であって、近距離無線などを使用した無線通信である。
本発明の車幅情報は、二輪車等の車両種類であってもよく、車両幅であってもよく、車両幅のレベルであってもよく、これらを2つ以上含んでいてもよい。
本発明の車両の位置情報は、経度および緯度等で定まる車両の絶対位置の情報であってもよく、他の車両からの距離および方向で定まる車両の相対位置の情報であってもよく、その両方を含んでいてもよい。
本発明のスリム車両は、ワイド車両よりも車幅がスリムな車両である。本発明のワイド車両は、車幅がワイドな車両である。例えば、スリム車両の車幅は、レーンの幅の半分未満である。ワイド車両の車幅は、レーンの幅の半分以上である。つまり、2台のスリム車両は、1つのレーンにおいてレーン幅方向に並んで停止することが可能である。また、2台のワイド車両は、1つのレーンにおいてレーン幅方向に並んで停止することが不可能である。スリム車両は、例えば、リーン車両である。ワイド車両は、例えば、乗用車である。車両がレーン幅方向に並んで停止することが可能であるとは、レーン幅方向に1台の車両と別の1台の車両とが離れており、且つ、レーン幅方向に見て1台の車両と別の1台の車両との少なくとも一部が重なって停止することが可能であることを示す。
本発明のレーンは、その縁にレーンマーク(例えば白線)があってもなくてもよい。本発明のレーンの走行方向は、レーンに対して車両が走行する方向を意味する。なお、レーンの走行方向は、レーンの前方向を意味する。自車と同じ走行方向のレーンには、自車が走行するレーンと、自車が走行するレーンに平行なレーンであって走行方向が同じ別のレーンと、自車が走行するレーンに合流する別のレーンが含まれる。
本発明において、「前記自車と同じ走行方向のレーンを走行する少なくとも1台の前記他車」とは、上記(a)の情報に基づく場合、少なくとも1台である。また、「前記自車と同じ走行方向のレーンを走行する少なくとも1台の前記他車」とは、上記(b)の情報に基づく場合、少なくとも2台である。
本発明において、「互いに重なる部分を有する複数のスリム車両領域」とは、複数のスリム車両領域の少なくとも2つのスリム車両領域が重なることを意味する。
本発明の自車は、本発明の車車間通信装置が搭載された車両である。本発明の他車は、自車以外の車両である。
本明細書において、ある部品の端部とは、部品の端とその近傍部とを合わせた部分を意味する。
本明細書において、Aの説明においてBの径方向を用いる場合、Bの径方向とは、Aを通るBの径方向のことである。Aの説明においてBの径方向を用いる場合とは、例えば、「AがBの径方向に沿っている」や「AがBの径方向に押圧される」等である。
本明細書において、特に限定しない限り、直線Aの直線Bに対する傾斜角度とは、直線Aと直線Bのなす角度のうち、小さい方の角度を意味する。この定義は、「直線」に限らず「方向」にも適用される。
本明細書において、A方向に沿った方向とは、A方向と平行な方向に限らない。A方向に沿った方向とは、A方向に対して±45°の範囲で傾斜している方向を含む。本発明において、A方向に沿った直線とは、A方向と平行な直線に限らない。A方向に沿った直線とは、A方向に対して±45°の範囲で傾斜している直線を含む。なお、A方向は、特定の方向を指すものではない。A方向を、水平方向や前後方向に置き換えることができる。
本明細書において、AとBがX方向に並ぶとは、以下の状態を示す。X方向に垂直ないずれの方向からAとBを見た場合であっても、AとBの両方がX方向を示す任意の直線上にある状態である。
また、本明細書において、Y方向に見てAとBがX方向に並ぶとは、以下の状態を示す。Y方向からAとBを見たときに、AとBの両方がX方向を示す任意の直線上にある状態である。Y方向とは異なるW方向からAとBを見たとき、AとBがX方向に並んでいなくてもよい。
なお、上述の2つの定義において、AとBは、接触していてもよい。また、AとBは、離れていてもよい。AとBの間に、Cが存在していてもよい。
本明細書において、AがBより前方にあるとは、以下の状態を指す。Aが、Bの最前端を通り前後方向に直交する平面の前方にある状態である。AとBは、前後方向に並んでいてもよく、並んでいなくてもよい。なお、AがBより後方にある、AがBより上方または下方にある、AがBより右方または左方にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本明細書において、AがBの前にあるとは、以下の状態を指す。AがBより前方にあり、且つ、AとBが前後方向に並んでいる状態である。なお、AがBの後ろにある、AがBの上または下にある、AがBの右または左にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本明細書において、前後方向と異なる方向であるX方向に見て、AがBの前にあるとは、以下の状態を指す。AがBより前方にあり、且つ、X方向に見て、AとBが前後方向に並んでいる状態である。X方向とは異なるY方向からAとBを見たとき、AとBがX方向に並んでいなくてもよい。なお、X方向に見て、AがBの後ろにある、AがBの上または下にある、AがBの右または左にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本発明において、含む(including)、有する(comprising)、備える(having)およびこれらの派生語は、列挙されたアイテムおよびその等価物に加えて追加的アイテムをも包含することが意図されて用いられている。
本発明において、取り付けられた(mounted)、接続された(connected)、結合された(coupled)、支持された(supported)という用語は、広義に用いられている。具体的には、直接的な取付、接続、結合、支持だけでなく、間接的な取付、接続、結合および支持も含む。さらに、接続された(connected)および結合された(coupled)は、物理的または機械的な接続/結合に限られない。それらは、直接的なまたは間接的な電気的接続/結合も含む。
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術および本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されることはない。
本明細書において、「好ましい」という用語は非排他的なものである。「好ましい」は、「好ましいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。本明細書において、「好ましい」と記載された構成は、少なくとも、本発明のひとつの観点による構成により得られる上記効果を奏する。また、本明細書において、「してもよい」という用語は非排他的なものである。「してもよい」は、「してもよいがこれに限定されるものではない」という意味である。本明細書において、「してもよい」と記載された構成は、少なくとも、本発明のひとつの観点による構成により得られる上記効果を奏する。
本発明では、上述した本発明の他の観点による構成を互いに組み合わせることを制限しない。本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されたまたは図面に図示された構成要素の構成および配置の詳細に制限されないことが理解されるべきである。本発明は、後述する実施形態以外の実施形態でも可能である。本発明は、後述する実施形態に様々な変更を加えた実施形態でも可能である。また、本発明は、後述する変形例を適宜組み合わせて実施することができる。
以上のように、本発明によると、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせる車車間通信装置を提供することができる。
まず、本発明の実施形態について、図13に基づいて説明する。
車車間通信装置60は、自車1に搭載される。車車間通信装置60は、自車情報記憶部68と、受信部62と、仮定情報生成部64と、出力制御部65と、を有する。
自車情報記憶部68は、自車1の車幅W1に関連する車幅情報と自車1の車両の位置に関連する位置情報とを含む自車1の車両情報を記憶する。
受信部62は、車車間通信可能な他車102、103、104、106の送信部163a、163b、163c、163eから送信された他車102、103、104、106の車両情報を受信可能である。他車102の車両情報は、他車102の車幅W2に関連する車幅情報と他車102の車両の位置に関連する位置情報とを含む。他車103の車両情報は、他車103の車幅W3に関連する車幅情報と他車103の車両の位置に関連する位置情報とを含む。他車106の車両情報は、他車106の車幅W6に関連する車幅情報と他車106の車両の位置に関連する位置情報とを含む。自車1および他車102、103、104、106の車幅情報は、二輪車等の車両種類であってもよく、車両幅であってもよく、車両幅のレベルであってもよく、これらを2つ以上含んでいてもよい。自車1および他車102、103、104、106の位置情報は、経度および緯度等で定まる自車1および他車102、103、104、106の車両の絶対位置の情報であってもよく、他の車両からの距離および方向で定まる車両の相対位置の情報であってもよく、その両方を含んでいてもよい。なお、他車102、103、104、106は、自車1以外の車両である。他車102、103、104、106には、本実施形態に係る車車間通信装置が搭載されていてもよいし、他の車車間通信装置が搭載されていてもよい。
自車1および他車102、103、104は、レーン100を走行している。他車106は、右レーン100Rを走行している。右レーン100Rは、レーン100に隣接するレーンである。レーン100および右レーン100Rのレーン幅は、W10である。レーン100および右レーン100Rの走行方向は異なる。レーン100の走行方向とは、レーン100に対して車両が走行する方向を意味する。
車両には、スリム車両とワイド車両がある。スリム車両とは、ワイド車両より車幅がスリムな車両である。ワイド車両は、車幅がワイドな車両である。スリム車両の車幅は、レーンの幅の半分未満である。つまり、2台のスリム車両は、1つのレーンにおいてレーン幅方向に並んで停止することが可能である。ワイド車両の車幅は、レーンの幅の半分以上である。図13では、自車1および他車102、103、106は、スリム車両であり、他車104は、ワイド車両である。なお、自車1は、ワイド車両であってもよい。スリム車両1、102、103の車幅W1、W2、W3は、レーン100のレーン幅W10の半分未満である。スリム車両106の車幅W6は、右レーン100Rのレーン幅W10の半分未満である。ワイド車両104の車幅W4は、レーン100のレーン幅W10の半分以上である。
仮定情報生成部64は、複数の車両情報に基づいて、次の2つの条件(A)(B)を満たすと判定された複数のスリム車両を1台の仮定車両109とみなす。なお、複数の車両情報は、(a)他車102、103、104から受信した他車102、103、104の車両情報および自車1が有する自車1の車両情報である。または、複数の車両情報は、(b)他車102、103、104から受信した他車102、103、104の車両情報である。この場合、複数の車両情報は、自車1の車両情報を含まなくてもよい。
1つ目の条件(A)は、自車1と同じ走行方向のレーン100を走行する他車102、103、104および自車1が、複数のスリム車両を含むことである。他車102、103、104および自車1は、複数のスリム車両1、102、103を含む。自車1がスリム車両であるため、複数のスリム車両に自車1が含まれる。仮に、自車1がスリム車両でない場合は、複数のスリム車両に自車1が含まれない。自車1がスリム車両である場合に、複数のスリム車両に自車1が含まれなくてよい。つまり、自車1がスリム車両である場合に、自車が1台の仮定車両に含まれなくてよい。この場合、複数のスリム車両は、自車1と同じレーンを走行していてもよいし、別のレーンを走行していてもよい。スリム車両106は、自車と同じレーン100ではない右レーン100Rを走行しているが、右レーン100Rは自車1と同じ走行方向ではないため、スリム車両106は、1台の仮定車両109に含まれない。
2つ目の条件(B)は、複数のスリム車両1、102、103を相互に結んだ領域L12、L13、L23内にワイド車両を含まないことである。ワイド車両104は、複数のスリム車両1、102、103を相互に結んだ領域L12、L13、L23内に含まれない。スリム車両を相互に結んだ領域とは、スリム車両の中心を相互に結んだ線分である。なお、スリム車両を相互に結んだ領域は、スリム車両の中心等の一部分を相互に結んだ領域であるが、スリム車両全体を相互に結んだ領域であってもよい。また、領域は、線分であるが、平面であってもよい。複数のスリム車両1、102、103を相互に結んだ領域L12、L13、L23内にワイド車両が含まれると、複数のスリム車両1、102、103が密集して走行できない状況が生じるため、協調走行を行うことが難しい。1台の仮定車両109とみなした複数のスリム車両1、102、103は、密集して走行する。
仮定情報生成部64は、仮定車両109の仮定情報を、仮定車両109とみなした複数のスリム車両1、102、103の車両情報から生成する。複数のスリム車両1、102、103の車両情報から仮定情報を生成するとは、複数のスリム車両1、102、103の車両情報から予め定められた計算式に基づいて仮定情報を演算することであってもよい。例えば、複数のスリム車両1、102、103の位置情報の平均値を仮定情報とする。複数のスリム車両1、102、103の車両情報から仮定情報を生成するとは、複数のスリム車両1、102、103の車両情報の少なくとも一部をそのまま仮定情報とすることであってもよい。例えば、複数のスリム車両1、102、103のそれぞれの車幅を仮定情報とする。複数のスリム車両1、102、103の車両情報から仮定情報を生成するとは、複数の車両情報にはない新たな情報を生成することであってもよい。例えば、複数のスリム車両1、102、103が仮定車両109であることを仮定情報とする。複数のスリム車両1、102、103の車両情報から仮定情報を生成するとは、これらを組み合わせたものであってもよい。
出力制御部65は、仮定情報を出力する。具体的には、出力制御部65は、図示しない送信部、表示部、報知部、制御装置等に仮定情報を出力する。出力制御部65が出力する送信部、表示部、報知部、制御装置等は、車車間通信装置60と一体として形成されてもよいし、別に形成されてもよい。
本実施形態の車車間通信装置60は、以上の特徴を有する。
このような構成により、仮定車両109の仮定情報に基づいて、密集して走行するスリム車両1、102、103が他の車両(ワイド車両104等)と協調走行を行うことができる。つまり、密集して走行する複数のスリム車両1、102、103を1台の仮定車両109とみなして、複数のスリム車両1、102、103が他の車両と協調走行を行うことができる。例えば、合流地点において合流しようとする車両に本発明の車車間通信装置60が搭載されている場合、車車間通信装置60が合流地点付近で密集して走行するスリム車両を1台の仮定車両とみなす。そして、合流しようとする車両は、取得した仮定情報を使うことで、密集して走行するスリム車両の前または後にスムーズに進入することができる。従って、本発明の車車間通信装置60は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
以下、本実施形態に係る車車間通信装置60について、具体的に説明する。なお、スリム車両は、例えば、自動二輪車等のリーン車両である。スリム車両は、乗用車を含まない。ワイド車両は、例えば、乗用車等の普通四輪車やトラック等の大型四輪車である。ワイド車両は、リーン車両を含まない。また、1つのレーンとは、乗用車がレーン幅方向に並んで停止できない領域とする。また、1つのレーンは、その縁にレーンマーク(例えば白線)があってもなくてもよい。また、以下で説明する具体的な実施形態においては、図13の実施形態の構成を全て有する。
<自動二輪車1の構成>
車車間通信装置60が搭載される自車1が、自動二輪車である場合を例に挙げて説明する。なお、以下の説明において、車両1の前後方向は、自動二輪車1の後述するシート10に着座した運転者から視た自動二輪車1の前後方向のことである。また、車両1の左右方向は、シート10に着座した運転者から視た自動二輪車1の左右方向のことである。各図に示す矢印F、B、L、R、U、Dは、車両1の前方向、後方向、左方向、右方向、上方向、下方向を表している。図1は、直立した状態で配置された自動二輪車1を表示している。図2は、旋回中の自動二輪車1を表示している。図1、図2とも、路面は水平とする。
図1に示すように、自動二輪車1は、前輪2と、後輪3と、車体フレーム4とを備えている。車体フレーム4の前部には、ヘッドパイプ4aが設けられている。ヘッドパイプ4aの内部には、ステアリングシャフト(図示せず)が回転可能に挿入されている。このステアリングシャフトの上端部は、ハンドル部5に接続されている。ハンドル部5には、左右一対のフロントフォーク6の上端部が固定されている。このフロントフォーク6の下端部は、前輪2を支持している。ハンドル部5が左右方向に回されると、前輪2の幅方向中央を通る平面は、車両1の前後方向(FB方向)に対して傾斜する。フロントフォーク6は、上下方向の衝撃を吸収するフロントサスペンション(図示せず)を有している。
車体フレーム4の後部には、スイングアーム7の前端部が揺動可能に支持されている。このスイングアーム7の後端部は、後輪3を支持している。スイングアーム7と車体フレーム4とは、上下方向の衝撃を吸収する左右一対のリヤサスペンション(図示せず)を介して接続されている。前輪2にはフロントブレーキ2aが設けられている。後輪3にはリヤブレーキ3aが設けられている。
車体フレーム4は、燃料タンク9と、シート10を支持している。また、車体フレーム4は、エンジンユニット8を支持している。図示は省略するが、エンジンユニット8は、エンジン本体と変速機を有する。エンジン本体から出力される駆動力は、変速機を介して後輪3に伝達される。また、車体フレーム4は、バッテリー(図示せず)を支持する。バッテリーは、後述する制御装置50や各種センサなどの電子機器に電力を供給する。
車体フレーム4の少なくとも一部は、車体カバー11で覆われている。車体カバー11は、自動二輪車1の前部に配置されたフロントカウル11aを含む。フロントカウル11aにはヘッドライト12が設けられている。
自動二輪車1の左右両側の下部には、それぞれフットレスト13が設けられている。図示は省略するが、右のフットレスト13の前方には、ブレーキペダルが設けられている。運転者がブレーキペダルを操作することで、後輪3の回転が制動される。
ハンドル部5は、左グリップ5a(図1および図2参照)と右グリップ5b(図2参照)を有する。右グリップ5bは、スロットルグリップである。右グリップ5bは、エンジン本体8aの出力を調整するために操作される。具体的には、右グリップ5bは、エンジンユニット8のスロットルバルブ18の開度を調整するために操作される。また、右グリップ5bの前方には、ブレーキレバー(図示せず)が設けられている。ブレーキレバーは、前輪2の回転を制動するために操作される。
また、図1に示すように、ハンドル部5の前方であって、フロントカウル11aの後方には、表示装置14が設けられている。表示装置14には、例えば、車速、エンジン回転速度、および各種の警告などが表示される。また、ハンドル部5には、各種スイッチが設けられている。スイッチの操作によって、バッテリーから電気機器への電力供給を開始または停止させることができる。また、スイッチ操作によって、エンジンユニット8を始動または停止させることができる。また、スイッチ操作によって、表示装置14の画面を切り換えることができる。また、スイッチ操作によって、表示装置14に表示される選択項目を選択することができる。
図1および図2に示す矢印UF、DF、FF、BF、LF、RFは、車体フレーム4の上方向、下方向、前方向、後方向、左方向、右方向をそれぞれ表している。本明細書において、車体フレーム4の上下方向(UFDF方向)とは、車体フレーム4のヘッドパイプ4aの軸方向に平行な方向である。車体フレーム4の左右方向(LFRF方向)とは、車体フレーム4の幅方向中央を通る平面に直交する方向である。車体フレーム4の前後方向(FFBF方向)とは、車体フレーム4の上下方向(UFDF方向)と車体フレーム4の左右方向(LFRF方向)の両方に直交する方向である。
図2に示すように、自動二輪車1の車体フレーム4は、右旋回時は自動二輪車1の右方に傾斜し、左旋回時は自動二輪車1の左方に傾斜する。車体フレーム4が傾斜した状態では、正面視で、自動二輪車1の左右方向(LR方向)と、車体フレーム4の左右方向(LFRF方向)は一致しない。また、車体フレーム4が左右に傾斜した状態では、正面視で、自動二輪車1の上下方向(UD方向)と、車体フレーム4の上下方向(UFDF方向)は一致しない。上下方向に見て、自動二輪車1の前後方向(FB方向)と、車体フレーム4の前後方向(FFBF方向)は一致する。ハンドル部5が回転された状態では、上下方向に見て、前輪2の幅方向中央を通る平面は、自動二輪車1の前後方向(FB方向)および車体フレーム4の前後方向(FFBF方向)に対して傾斜する。自動二輪車1の進行方向は、自動二輪車1の前後方向と必ずしも一致しない。
また、図3に示すように、自動二輪車1は、自動二輪車1の各部の動作を制御する制御装置50を備えている。制御装置50は、自動二輪車1が有する各種センサおよび車車間通信装置60に接続されている。制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などで構成されている。CPUは、ROMやRAMに記憶されたプログラムや各種データに基づいて情報処理を実行する。
自動二輪車1は、GNSS電波を受信可能に構成されるGNSS通信機を有してもよい。また、自動二輪車1は、ミリ波レーダやナビゲーションシステムを有してもよい。自動二輪車1は、各種センサ、ミリ波レーダ、ナビゲーションシステム等から自動二輪車の車両情報についての信号を取得し、取得した自車の車両情報を記憶する。記憶された自動二輪車の車両情報は、車車間通信装置60に出力される。車両情報とは、車両の種類、位置、車速、進行方向角度、車両長の情報を含む。車両情報は、車両の種類、車両長等の予め記憶されている情報と、車両の位置、車速、進行方向の角度等のその都度取得されて記憶される情報とを含む。なお、リーン車両以外の車両の進行方向角度は、レーン前後方向と車両が走行する方向とがなす角度である。リーン車両の進行方向角度は、レーン前後方向と車体フレームの前後方向(FFBF方向)とがなす角度である。
<車車間通信装置60の構成>
次に、本実施形態に係る車車間通信装置60について説明する。自動二輪車1は、車車間通信装置60を搭載している。図3に示すように、車車間通信装置60は、無線通信機61、仮定情報生成部64、出力制御部65、前方センシング部66、補正部67、および、自車情報記憶部68を有する。車車間通信装置60は、CPU、ROM、RAMなどで構成されている。CPUは、ROMやRAMに記憶されたプログラムや各種データに基づいて情報処理を実行する。無線通信機61、仮定情報生成部64、出力制御部65、前方センシング部66、補正部67、および、自車情報記憶部68は、一体で設けられてもよいし、別体で設けられてもよい。なお、別体で設けられるとは、構造物では連結されずに、無線で電気的に接続、または、配線だけを介して接続されている状態をいう。
[自車情報記憶部68]
自車情報記憶部68は、自動二輪車1の車幅に関連する車幅情報と自動二輪車1の車両の位置に関連する位置情報とを含む自動二輪車1の車両情報を記憶する。自動二輪車1は、自車である。自車は、本発明に係る車車間通信装置が搭載された車両である。本実施形態では、自車は、本実施形態に係る車車間通信装置60が搭載された自動二輪車1である。
[無線通信機61]
無線通信機61は、受信部62と送信部63とを有する。無線通信機61は、無線通信によって、他車と車車間通信を行う。車車間通信は、車両間で行われる通信であって、近距離無線等を使用した無線通信である。車車間通信に用いる周波数は、例えば700MHz帯に割り当てられたITS(高度道路交通システム:Intelligent Transport Systems)バンド内の周波数である。なお、無線通信機61は、無線通信によって車車間通信をすることができれば、車車間通信に用いる周波数および通信方法は限定されない。
受信部62は、車車間通信可能な他車の送信部から送信された信号を受信する。受信部62は、受信した信号に基づいて、他車の車幅に関連する車幅情報と、他車の車両の位置に関連する位置情報とを含む他車の車両情報を取得する。つまり、受信部62は、他車の車幅情報と位置情報とを含む他車の車両情報を受信する。他車は、自車以外の車両である。本実施形態では、他車は、自動二輪車1以外の車両である。車両の位置情報は、経度および緯度等で定まる車両の絶対位置の情報であってもよく、他の車両からの距離および方向で定まる車両の相対位置の情報であってもよく、その両方を含んでいてもよい。その他の車両情報は、例えば車両の種類、車速、進行方向角度の情報である。車両の種類とは、二輪車、普通四輪車、大型四輪車等である。なお、車幅情報には、車両の種類の情報が含まれてもよい。なお、受信部62は、自動二輪車1が車車間通信可能な領域内を走行する他車から送信された信号を受信する。車車間通信可能な最大領域は、例えば自動二輪車1を中心とした半径300mの円である。
送信部63は、自動二輪車1の車両情報を送信する。送信部63は、後述する出力制御部65から出力された仮定情報を送信する場合がある。詳細には、送信部63は、自動二輪車1の車両情報についての信号を送信する。送信部63は、出力制御部65から出力された仮定情報についての信号を送信する場合がある。送信部63は、他車と車車間通信に可能に構成される。
[前方センシング部66および補正部67]
前方センシング部66は、自動二輪車1の前方をセンシングする。前方センシング部66は、例えば、カメラ、ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ、レーザーレーダ、超音波センサ、音響センサ、赤外センサ、電波/電界センサ、磁気センサ、距離画像センサのうち1つまたは複数を含む。このようなレーダおよびセンサは、自動二輪車1の前方に向かってミリ波等を照射し、物体に反射して戻ってくる反射波を受信するように構成されている。なお、カメラは、単眼であっても、複眼であってもよい。本実施形態の車車間通信装置60を搭載した自動二輪車1は、自動二輪車1の前方を走行する他車をセンシングする。前方センシング部66は、自動二輪車1と当該他車の距離を測定する。前方センシング部66は、補正部67に測定した距離を出力する。補正部67は、自動二輪車1が有する自動二輪車1の位置情報および受信部62で受信した当該他車の位置情報から自動二輪車1と当該他車の距離を算出する。補正部67は、算出された自動二輪車1と当該他車の距離と、前方センシング部66で測定した自動二輪車1と当該他車の距離とが異なる場合、自動二輪車1が有する自動二輪車1の位置情報および受信部62で受信した当該他車の位置情報を補正する。補正部67で補正された自動二輪車1の位置情報および当該他車の位置情報は、仮定情報生成部64に出力される。
[仮定情報生成部64の処理(I)]
仮定情報生成部64は、処理(I)を行う。仮定情報生成部64は、処理(I)において、複数の車両情報に基づいて、次の3つの条件(A)(B)(C)を満たすと判定された複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなす。1つ目の条件(A)は、自動二輪車1と同じ走行方向のレーンを走行する少なくとも1台の他車および自動二輪車1に複数のスリム車両を含むことである。2つ目の条件(B)は、複数のスリム車両を相互に結んだ領域内にワイド車両を含まないことである。3つ目の条件(C)の判定のために、仮定情報生成部64は、スリム車両毎にスリム車両領域を設定する。3つ目の条件(C)は、複数のスリム車両のスリム車両領域が互いに重なることである。3つ目の条件(C)では、仮定情報生成部64は、互いに重なる部分を有する複数のスリム車両領域内のスリム車両を1台の仮定車両とみなす。
仮定情報生成部64が行う処理(I)について、図4に基づいて説明する。図4は、複数の車両の走行状況の一例を示す。図4に示すように、自動二輪車1が走行するレーンをレーン100とする。レーン100のレーン幅は、2台の乗用車がレーン幅方向に並んで停止できない長さとする。レーン100は、その縁にレーンマーク(例えば白線)があってもなくてもよい。図4に示す矢印FL、BL、LL、RLは、レーン100の前方向、後方向、左方向、右方向をそれぞれ表している。以下の説明において、レーン100の前後方向を、レーン前後方向(FLBL方向)という。また、レーン100の左右方向を、レーン幅方向(LLRL方向)という。レーン100を上下方向に見て、自動二輪車1の前後方向(FB方向)と、レーン100の前後方向(FLBL方向)は一致する。ハンドル部5が回転された状態では、上下方向に見て、前輪2の幅方向中央を通る平面は、自動二輪車1の前後方向(FB方向)および車体フレーム4の前後方向(FFBF方向)に対して傾斜する。自動二輪車1の進行方向は、自動二輪車1の前後方向と必ずしも一致しない。自動二輪車1の進行方向は、レーン100の前後方向と必ずしも一致しない。レーン100の進行方向は、レーン100の前方向(FL方向)である。レーンの走行方向とは、レーンに対して定められた車両が走行する方向を意味する。レーン100のレーン幅は、W10である。
また、右レーン100Rは、レーン100の右方(RL方向)のレーンである。右レーン100Rは、その縁にレーンマーク(例えば白線)があってもなくてもよい。図4に示す矢印FLR、BLR、LLR、RLRは、右レーン100Rの前方向、後方向、左方向、右方向をそれぞれ表している。図4において、右レーン100Rの前方向(FLR方向)は、レーン100の後方向(BL方向)である。右レーン100Rの後方向(BLR方向)は、レーン100の前方向(FL方向)である。右レーン100Rの左方向(LLR方向)は、レーン100の右方向(RL方向)である。右レーン100Rの右方向(RLR方向)は、レーン100の左方向(LL方向)である。右レーン100Rの走行方向は、右レーン100Rの前方向(BFL方向)である。右レーン100Rのレーン幅は、W10である。
レーン100を、自動二輪車1、102、103、105および乗用車104が走行している。自動二輪車103は、自動二輪車1の前後方向(FB方向)において、自動二輪車1の前方(F方向)を走行している。自動二輪車102、105は、自動二輪車1の前後方向(FB方向)において、自動二輪車1の後方(B方向)を走行している。レーン100において、自動二輪車1、102、103、105および乗用車104の進行方向は、レーン100の前方向(FL方向)である。右レーン100Rを、自動二輪車106が走行している。自動二輪車106が走行する右レーン100Rの走行方向は、右レーン100Rの前方向(FLR方向)である。自動二輪車1が走行するレーン100の走行方向は、レーン100の前方向(FL方向)である。右レーン100Rの前方向(FLR方向)とレーン100の前方向(FL方向)とがなす角度は180°である。つまり、右レーン100Rの前方向(FLR方向)は、レーン100の前方向(FL方向)と逆の方向である。よって、自動二輪車1が走行するレーン100の走行方向と、自動二輪車106が走行する右レーン100Rの走行方向は、同じではない。
本実施形態に係る車車間通信装置60は、自動二輪車1に搭載される。自動二輪車1は自車である。自動二輪車102、103、105、106および乗用車104は他車である。自動二輪車102には、送信部163aが搭載されている。送信部163aは、自動二輪車102の車両情報を送信する。送信部163aから送信された自動二輪車102の車両情報は、受信部62に受信される。自動二輪車103には、送信部163bが搭載されている。送信部163bは、自動二輪車103の車両情報を送信する。送信部163bから送信された自動二輪車103の車両情報は、受信部62に受信される。乗用車104には、それぞれ、送信部163cが搭載されている。送信部163cは、乗用車104の車両情報を送信する。送信部163cから送信された乗用車104の車両情報は、受信部62に受信される。自動二輪車105には、送信部163dが搭載されている。送信部163dは、自動二輪車105の車両情報を送信する。送信部163dから送信された自動二輪車105の車両情報は、受信部62に受信される。自動二輪車106には、送信部163eが搭載されている。送信部163eは、自動二輪車105の車両情報を送信する。送信部163eから送信された自動二輪車105の車両情報は、受信部62に受信される。送信部163a、163b、163c、163d、163eは、車車間通信可能に構成される。なお、自動二輪車102、103、105、106および乗用車104には、本実施形態に係る車車間通信装置60が搭載されていてもよいし、他の車車間通信装置が搭載されていてもよい。
レーン100において、自動二輪車1と自動二輪車103は、レーン幅方向に離れている。レーン100において、自動二輪車1と自動二輪車102は、レーン幅方向に離れている。また、レーン100において、自動二輪車1と自動二輪車103は、レーン幅方向に見て、重ならない。レーン100において、自動二輪車1と自動二輪車102は、レーン幅方向に見て、重ならない。レーン100のレーン幅は、W10である。乗用車104は、車幅がワイドな車両である。乗用車104の車幅W4は、レーン幅W10の半分以上である。乗用車104は、ワイド車両である。自動二輪車1の車幅W1は、レーン幅W10の半分未満である。自動二輪車102の車幅W2は、レーン幅W10の半分未満である。自動二輪車103の車幅W3は、レーン幅W10の半分未満である。自動二輪車105の車幅W5は、レーン幅W10の半分未満である。自動二輪車1、102、103、105は、ワイド車両より車幅がスリムな車両である。自動二輪車1、102、103、105は、スリム車両である。2台のスリム車両は、1つのレーン100においてレーン幅方向に並んで停止することが可能である。また、2台のワイド車両は、1つのレーン100においてレーン幅方向に並んで停止することが不可能である。自動二輪車106の車幅W6は、右レーン100Rのレーン幅W10の半分未満である。自動二輪車106は、スリム車両である。
上述したように、仮定情報生成部64は、処理(I)において、複数の車両情報に基づいて、3つの条件(A)(B)(C)を満たすと判定された複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなす。図4の走行状況に基づいて、仮定情報生成部64が行う処理(I)の例について説明する。なお、複数の車両情報は、少なくとも1台の他車から受信部62が受信した車両情報および自動二輪車1の車両情報である。または、複数の車両情報は、少なくとも2台の他車から受信部62が受信した車両情報である。この場合、複数の車両情報は、自動二輪車1が有する車両情報を含まなくてもよい。なお、上述の通り、受信部62は、自動二輪車1が車車間通信可能な領域を走行する他車から信号を受信する。自動二輪車1が車車間通信可能な領域は大きいため、図4には図示していない。
1つ目の条件(A)は、自動二輪車1と同じ走行方向のレーン100を走行する少なくとも1台の他車および自動二輪車1に複数のスリム車両を含むことである。図4に示す例では、自動二輪車1、102、103、105が、自動二輪車1と同じ走行方向のレーン100を走行する複数のスリム車両である。なお、乗用車104は、自動二輪車1と同じレーン100を走行するが、ワイド車両である。図4の例では、自動二輪車106は、自動二輪車1が走行するレーン100の走行方向と同じではない右レーン100Rを走行する他車である。従って、1つ目の条件(A)を満たすと判定された複数のスリム車両は、自動二輪車1、102、103、105である。なお、仮定情報生成部64は、他車が自動二輪車1と同じ走行方向のレーンを走行しているかどうかを、自車の車両情報および他車の車両情報に基づいて判定する。
2つ目の条件(B)は、複数のスリム車両を相互に結んだ領域内にワイド車両を含まないことである。仮定情報生成部64は、条件(A)を満たすと判定された複数のスリム車両に基づいて、条件(B)の判定を行うことが好ましい。図4に示すように、車両の少なくとも一部を相互に結んだ領域は、車両の中心を相互に結んだ線分である。自動二輪車1の中心および自動二輪車102の中心を結んだ線分を線分L12とする。自動二輪車1の中心および自動二輪車103の中心を結んだ線分を線分L13とする。自動二輪車102の中心および自動二輪車103の中心を結んだ線分を線分L23とする。線分L12、L13、L23に乗用車104は含まれない。なお、自動二輪車105と自動二輪車1とを結んだ線分(図示省略)、自動二輪車105と自動二輪車102とを結んだ線分L25、および、自動二輪車105と自動二輪車103とを結んだ線分(図示省略)に、乗用車104は含まれる。つまり、自動二輪車105は、2つ目の条件(B)を満たさない。従って、2つ目の条件を満たすと判定された複数のスリム車両は、自動二輪車1、102、103である。
3つ目の条件(C)の判定のために、仮定情報生成部64は、スリム車両毎にスリム車両領域を設定する。3つ目の条件(C)は、複数のスリム車両のスリム車両領域が互いに重なることである。3つ目の条件(C)では、仮定情報生成部64は、互いに重なる部分を有する複数のスリム車両領域を内の複数のスリム車両が、1台の仮定車両とみなされる。スリム車両領域は、自車と同じ走行方向のレーンを走行する複数のスリム車両のそれぞれについて設定される。自車がスリム車両である場合は、自車と同じ走行方向のレーンを走行している複数のスリム車両に自車が含まれる。スリム車両領域は、自動二輪車1と同じ走行方向のレーン100を走行する少なくとも1台の他車および自動二輪車1に含まれる複数のスリム車両の車両情報に基づいて設定される。つまり、仮定情報生成部64は、少なくとも1つ目の条件(A)を満たすと判定された複数のスリム車両について、スリム車両領域を設定する。仮定情報生成部64は、1つ目の条件(A)および2つ目の条件(B)の両方を満たすと判定された複数のスリム車両のみについて、スリム車両領域を設定してもよい。なお、仮定情報生成部64は、上記以外のスリム車両について、スリム車両領域を設定してもよい。
上述の通り、図4に示す例では、自動二輪車102、103、105および乗用車104は、自動二輪車1と同じレーン100を走行する。また、自動二輪車1が走行するレーン100の走行方向と、自動二輪車106が走行する右レーン100Rの走行方向は、同じではない。自動二輪車1と同じ走行方向のレーンを走行するスリム車両は、自動二輪車102、103、105である。スリム車両領域は、スリム車両である自動二輪車1、102、103、105のそれぞれについて設定される。スリム車両領域は、受信部62が他車102、103、105から受信した車両情報および自動二輪車1の車両情報に基づいて設定される。自動二輪車1のスリム車両領域は、スリム車両領域71Fである。自動二輪車102のスリム車両領域は、スリム車両領域72Fである。自動二輪車103のスリム車両領域は、スリム車両領域73Fである。自動二輪車105のスリム車両領域は、スリム車両領域75Fである。スリム車両領域71F内には、自動二輪車1が含まれる。スリム車両領域71Fは、自動二輪車1の位置情報に基づいて、自動二輪車1を中心として設定される。スリム車両領域72F内には、自動二輪車102が含まれる。スリム車両領域72Fは、自動二輪車102の位置情報に基づいて、自動二輪車102を中心として設定される。スリム車両領域73F内には、自動二輪車103が含まれる。スリム車両領域73Fは、自動二輪車103の位置情報に基づいて、自動二輪車103を中心として設定される。スリム車両領域75F内には、自動二輪車105が含まれる。スリム車両領域75Fは、自動二輪車105の位置情報に基づいて、自動二輪車105を中心として設定される。
仮定情報生成部64は、自車または少なくとも1台の他車がワイド車両を含む場合に、スリム車両領域71F、72F、73F、75Fのレーン前後方向の長さを、ワイド車両の車両長に応じて設定する。スリム車両領域71F、72F、73F、75Fの形状は自動二輪車1、102、103、105を中心とした楕円形である。スリム車両領域71F、72F、73F、75Fの形状は全て同じである。例えば、スリム車両領域71F、72F、73F、75Fのレーン前後方向の長さDを、自動二輪車1が受信したワイド車両の車両情報に含まれる車両長とする。図4の例では、自動二輪車1が車両情報を受信したワイド車両は、乗用車104のみである。そこで、仮定情報生成部64は、スリム車両領域71F、72F、73F、75Fのレーン前後方向の長さDを、乗用車104の車両長D4とする。なお、スリム車両領域のレーン幅方向の長さは適宜設定可能である。スリム車両領域71F、72F、73F、75Fのレーン幅方向の長さは、例えば、自動二輪車1、102、103、105の車両幅の3倍とする。また、図4において、スリム車両領域72F、73F、75Fのレーン前後方向の長さDの図示を省略した。
自動二輪車105と自動二輪車105の前方を走行する自動二輪車102との車間距離D25は、乗用車104の車両長D4より長い。そして、自動二輪車105のスリム車両領域75Fは、自動二輪車105の前方を走行する自動二輪車102のスリム車両領域72Fと重ならない。一方、自動二輪車1、102、103のスリム車両領域71F、72F、73Fは、互いに重なる部分を有する。自動二輪車105のスリム車両領域75Fは、重なる部分を有しない。なお、図4において、重なる部分を有するスリム車両領域71F、72F、73Fを斜線で示している。重なる部分を有するスリム車両領域71F、72F、73F内のスリム車両は、自動二輪車1、102、103である。上述したように、スリム車両領域71F、72F、73F、75Fのレーン前後方向の長さは、ワイド車両の車両長に応じて設定される。
以上から、3つ目の条件(C)を満たすと判定された複数のスリム車両は、自動二輪車1、102、103である。仮定情報生成部64は、3つの条件(A)〜(C)を満たすと判定された自動二輪車1、102、103を1台の仮定車両109とみなす。つまり、仮定情報生成部64が1台の仮定車両109とみなした複数のスリム車両は、自動二輪車1、102、103である。自動二輪車105は、仮定車両109に含まれない。なお、図4において、1台の仮定車両109とみなした複数のスリム車両以外の車両である自動二輪車105、106および乗用車104を破線で示している。
仮定情報生成部64は、所定の時間間隔で、仮定車両の仮定情報を生成する。複数の車両の走行状況が、図4に示す走行状況から、所定の時間間隔が経過した後に図5に示す走行状況に変化した場合を想定する。図5に示す走行状況において、仮定情報生成部64が行う処理(I)の例について説明する。
図5に示すように、レーン100を、自動二輪車1、102、103、105および乗用車104に加えて、自動二輪車107が走行している。自動二輪車107には、送信部163fが搭載されている。送信部163fは、自動二輪車107の車両情報を送信する。送信部163fから送信された自動二輪車107の車両情報は、受信部62に受信される。なお、自動二輪車107には、本実施形態に係る車車間通信装置60が搭載されていてもよいし、他の車車間通信装置が搭載されていてもよい。また、図5に示す仮定車両109に含まれるスリム車両1、102、103については、図4に示す仮定車両109に含まれるスリム車両1、102、103と同様であるため、その説明を省略する。自動二輪車107は他車である。自動二輪車107は、自動二輪車105の前後方向(FB方向)において、自動二輪車105の後方(B方向)を走行している。自動二輪車105および自動二輪車107が走行するレーン100の走行方向は、レーン前方向(FL方向)である。図5に示す走行状況において、仮定情報生成部64は、上述の3つの条件(A)〜(C)を満たすと判定された複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなす。
1つ目の条件(A)を満たすと判定された複数のスリム車両について説明する。自動二輪車107の車幅W7は、レーン幅W10の半分未満である。自動二輪車107は、ワイド車両より車幅がスリムなスリム車両である。自動二輪車105および自動二輪車107は、自動二輪車1と同じレーン100を走行する。つまり、自動二輪車105および自動二輪車107は、自動二輪車1と同じ走行方向のレーン100を走行する複数のスリム車両である。従って、自動二輪車105、107は、1つ目の条件(A)を満たすと判定された複数のスリム車両である。
2つ目の条件(B)を満たすと判定された複数のスリム車両について説明する。自動二輪車105および自動二輪車107を結んだ線分を線分L57とする。線分L57に乗用車104は含まれない。従って、自動二輪車105、107は、2つ目の条件(B)を満たすと判定された複数のスリム車両である。
3つ目の条件(C)を満たすと判定された複数のスリム車両について説明する。仮定情報生成部64は、自動二輪車107のスリム車両領域77Fを設定する。スリム車両領域77F内には、自動二輪車107が含まれる。スリム車両領域77Fの形状は、スリム車両領域75Fの形状と同じである。つまり、スリム車両領域75F、77Fのレーン前後方向の長さDは、乗用車104の車両長D4である。スリム車両領域75Fおよびスリム車両領域77Fは、互いに重なる部分を有する。従って、自動二輪車105、107は、3つ目の条件(C)を満たすと判定された複数のスリム車両である。なお、図5において、重なる部分を有するスリム車両領域75Fおよびスリム車両領域77Fを斜線で示している。
以上から、仮定情報生成部64は、以上の3つの条件(A)〜(C)を満たすと判定された自動二輪車105、107を1台の仮定車両109Bとみなす。つまり、仮定情報生成部64が1台の仮定車両109Bとみなした複数のスリム車両は、自動二輪車105、107である。また、上述の通り、仮定情報生成部64は、以上の3つの条件(A)〜(C)を満たすと判定された自動二輪車1、102、103を、1台の仮定車両109とみなす。つまり、図11に示す走行状況においては、自動二輪車105、107を含む仮定車両109Bと、自動二輪車1、102、103を含む仮定車両109が存在する。つまり、仮定情報生成部64は、複数の仮定車両109、109Bを仮定することができる。なお、図11において、仮定車両109、109Bに含まれるスリム車両以外の車両である自動二輪車106および乗用車104を破線で示している。
[仮定情報生成部64の処理(II)]
次に、仮定情報生成部64は、処理(II)を行う。図4の走行状況に基づいて、仮定情報生成部64が行う処理(II)の例について説明する。仮定情報生成部64は、処理(II)において、仮定車両の仮定情報を、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の車両情報から生成する。複数のスリム車両の車両情報から仮定情報を生成するとは、複数のスリム車両の車両情報から仮定情報を予め定められた計算式に基づいて演算することであってもよい。また、複数のスリム車両の車両情報から仮定情報を生成するとは、複数のスリム車両の車両情報の少なくとも一部をそのまま仮定情報とすることであってもよい。また、複数のスリム車両の車両情報から仮定情報を生成するとは、複数のスリム車両の車両情報にはない新たな情報を生成することであってもよい。さらに、複数のスリム車両の車両情報から仮定情報を生成するとは、これらを組み合わせたものであってもよい。図4に示す走行状況の場合、仮定車両109の仮定情報は、仮定車両109に含まれる複数の自動二輪車1、102、103の車両情報から生成する。
仮定情報は、以下の情報のいずれか1つを含む。仮定情報の1つは、仮定車両を識別する識別情報である。識別情報は、図4の走行状況の場合、仮定車両109と、それ以外の車両とが区別可能な情報である。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の種類である。図4の走行状況の場合の場合、仮定車両に含まれる複数のスリム車両1、102、103の種類は、自動二輪車である。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の台数である。図4の走行状況の場合、仮定車両109に含まれる複数のスリム車両1、102、103の台数は、3台である。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の位置である。図4の走行状況の場合、仮定車両109に含まれる複数のスリム車両1、102、103の位置である。なお、仮定車両109に含まれる複数のスリム車両の位置は、自動二輪車1、102、103の全ての位置を含まなくてよい。仮定車両109に含まれる複数のスリム車両の位置は、例えば、仮定車両109の先頭を走行する自動二輪車103の位置および仮定車両109の最後を走行する自動二輪車102の位置であってもよい。また、仮定車両109に含まれる複数のスリム車両の位置は、仮定車両109の先頭を走行する自動二輪車103の位置のみであってもよい。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の車速である。図4の走行状況の場合、仮定車両109に含まれる複数のスリム車両1、102、103の車速である。仮定車両109に含まれる複数のスリム車両1、102、103の車速は、例えば、車両情報から取得した自動二輪車1、102、103の車速から算出される最大値、最小値、または、平均値である。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の進行方向角度である。図4の走行状況の場合、仮定車両109に含まれる複数のスリム車両1、102、103の進行方向角度である。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれる複数のスリム車両全体のレーン前後方向の長さである。図4の走行状況の場合、仮定車両109に含まれるスリム車両1、102、103の全体のレーン前後方向の長さLS1である。つまり、仮定車両109に含まれるスリム車両全体のレーン前後方向の長さは、仮定車両109に含まれるスリム車両1、102、103のレーン前後方向における先端から後端までの長さである。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の全体のレーン幅方向の長さである。図4の走行状況の場合、仮定車両109に含まれるスリム車両1、102、103の全体のレーン幅方向の長さWS1である。つまり、仮定車両109に含まれるスリム車両1、102、103の全体のレーン幅方向の長さは、仮定車両109に含まれるスリム車両1、102、103の左右方向における左側端から右側端までの長さである。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれるスリム車両を共通に指示する指示情報である。図4の走行状況の場合、仮定車両109に含まれるスリム車両1、102、103を共通に指示する指示情報である。指示情報は、例えば、車速を遅くする指示等の情報である。指示情報は、例えば、自動二輪車1が有する複数の車両情報等の走行状況から生成される。
[仮定情報生成部64のその他の処理]
また、仮定情報生成部64は、1台の仮定車両に含まれる複数のスリム車両の中から1台の代表車両を決定する。代表車両に関連する情報は、仮定情報に含まれる。代表車両は、自車でも他車でもよい。代表車両は、予め定められた条件に基づいて決定されてもよい。予め定められた条件とは、例えば、代表車両を、仮定車両の先頭を走行するスリム車両とすることである。また、予め定められた条件は、例えば、代表車両を、仮定車両の最後を走行するスリム車両とすることである。また、予め定められた条件は、例えば、代表車両を、仮定車両の中央を走行するスリム車両とすることである。図4に示す走行状況では、仮定情報生成部64は、仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103の中から代表車両を決定する。仮定情報生成部64は、代表車両を、仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103の先頭を走行する自動二輪車103とすることができる。仮定情報生成部64は、代表車両を、仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103の最後を走行する自動二輪車102とすることもできる。仮定情報生成部64は、代表車両を、仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103の中央を走行する自動二輪車1とすることもできる。
代表車両は、仮定情報を送信する。代表車両が自動二輪車1である場合は、後述する出力制御部65から送信部63に出力された仮定情報を、送信部63から送信する。この場合、仮定車両に含まれる自動二輪車1、102、103の中の代表車両1以外の自動二輪車102、103は、仮定情報を送信しなくてもよい。一方、代表車両が自動二輪車1でない場合は、自動二輪車1および代表車両以外の他車は、後述する出力制御部65から送信部63に出力された仮定情報を送信しなくてもよい。出力制御部65の制御の詳細については、後述する。
なお、仮定情報生成部64は、1台の代表車両を、1台の仮定車両に含まれる自動二輪車1、102、103の中で変更可能である。具体的には、仮定情報生成部64は、仮定車両を含む複数の車両の走行状況に応じて、代表車両を変更する。複数の車両の走行状況とは、合流地点や分岐地点等の道路状況を含む。例えば、合流地点が近い場合、代表車両を、仮定車両の先頭を走行するスリム車両としてもよい。また、仮定車両の後方を走行する車両と仮定車両の最後を走行するスリム車両との車間距離が近く、当該スリム車両が後方車両に追い越される可能性がある場合、代表車両を、仮定車両の最後のスリム車両としてもよい。このように、合流地点や分岐地点等において、代表車両を、合流地点や分岐地点等により近いスリム車両に変更する。これにより、仮定車両から合流地点や分岐地点等に近づく他車が、代表車両から送信された仮定情報をより早く受信することができる。自車が仮定車両に含まれない場合、複数の車両の走行状況とは、自車と、仮定車両との位置関係を含む。また、自車が仮定車両に含まれる場合、複数の車両の走行状況は、仮定車両に含まれる複数のスリム車両のうち自車以外のスリム車両と自車との位置関係を含む。図4に示す走行状況では、自動二輪車1は、仮定車両に含まれる。そのため、複数の車両の走行状況は、仮定車両に含まれる複数のスリム車両のうち自動二輪車102、103と自動二輪車1との位置関係を含む。
複数の車両の走行状況が、図6に示す走行状況および図7に示す走行状況の場合の仮定情報生成部64の処理の例について説明する。図6に示す走行状況は、自動二輪車1、102、103が合流地点付近を走行している状況である。図6に示す走行状況では、レーン100を、図4に示す走行状況と同様に、自動二輪車1、102、103が走行している。レーン100は、レーン100Cの左側からレーン100Cに合流するレーンである。レーン100Cは、その縁にレーンマーク(例えば白線)があってもなくてもよい。レーン100Cは、レーン100と同じ走行方向のレーンである。レーン100Cを、乗用車110が走行している。乗用車110は他車である。乗用車110には、送信部163gが搭載されている。送信部163gは、乗用車110の車両情報を送信する。送信部163gから送信された乗用車110の車両情報は、自動二輪車1に搭載された車車間通信装置60の受信部62が受信する。レーン100Cのレーン幅はW10である。乗用車110の車幅W9は、レーン幅W10の半分以上である。乗用車110は、ワイド車両である。なお、乗用車110には、本実施形態に係る車車間通信装置60が搭載されていてもよいし、他の車車間通信装置が搭載されていてもよい。図6に示す走行状況では、乗用車110は、レーン100Cからレーン100に合流しようとしている。自動二輪車1、102、103は、合流地点付近を走行している。この場合、仮定情報生成部64は、仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103の中で、合流地点に最も近い自動二輪車を代表車両としてよい。合流地点に最も近い自動二輪車は、位置情報およびレーン情報等から決定される。レーン情報は、例えば、路車間通信や各種センサ等から取得する。図6に示す走行状況では、代表車両は自動二輪車102である。
代表車両である自動二輪車102は、仮定情報を送信する。仮定情報を受信した乗用車110は、仮定車両109全体のレーン前後方向の長さLS1等の仮定情報を利用して、仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103との協調走行を行うことができる。具体的には、仮定情報を受信した乗用車110は、1台の仮定車両109とみなした自動二輪車1、102、103の間ではなく、自動二輪車1、102、103の後にスムーズに進入することができる。
図7に示す走行状況は、図4に示す走行状況と同様に、自動二輪車1、102、103がレーン100を走行している状況である。左レーン100Lは、レーン100の左方(LL方向)のレーンである。左レーン100Lの前方向、後方向、左方向、右方向は、レーン100の前方向、後方向、左方向、右方向と同じである。左レーン100Lは、その縁にレーンマーク(例えば白線)があってもなくてもよい。左レーン100Lを、乗用車110が走行している。乗用車110は他車である。乗用車110は、図6に示す乗用車110と同じであり、その説明を省略する。左レーン100Lのレーン幅はW10である。乗用車110の車幅W9は、レーン幅W10の半分以上である。乗用車110は、ワイド車両である。乗用車110が走行する左レーン100Lの走行方向は、レーン前方向(FL方向)である。自動二輪車1、102、103が走行するレーン100の走行方向と乗用車110が走行する左レーン100Lの走行方向とは同じである。図7に示す走行状況では、乗用車110は、左レーン100Lからレーン100に車線変更しようとしている。自動二輪車1、102、103は、乗用車110の近くを走行している。この場合、仮定情報生成部64は、仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103の中で、乗用車110に最も近い自動二輪車を代表車両としてよい。乗用車110に最も近い自動二輪車は、位置情報等から決定する。図7に示す走行状況では、代表車両は自動二輪車103である。
代表車両である自動二輪車103は、仮定情報を送信する。仮定情報を受信した乗用車110は、仮定車両109全体の進行方向の長さLS1等の仮定情報を利用して、1台の仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103との協調走行を行うことができる。具体的には、仮定情報を受信した乗用車110は、1台の仮定車両109とみなした自動二輪車1、102、103の間ではなく、自動二輪車1、102、103の前または後にスムーズに進入することができる。
なお、仮定情報生成部64が仮定情報を生成する時間間隔は、変更可能である。具体的には、仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103を含む複数の車両の走行状況に応じて、仮定情報生成部64が仮定情報を生成する時間間隔を変更する。例えば、仮定車両109に含まれる自動二輪車1の加速度を急に変化させた場合や仮定車両109に含まれる自動二輪車1が車線変更を行った場合に、時間間隔を短くしてもよい。このような場合、仮定車両109に含まれる複数のスリム車両が変化する可能性が高いからである。
[出力制御部65]
出力制御部65は、仮定情報を出力する。具体的には、出力制御部65は、送信部63、制御装置50、表示装置51に仮定情報を出力する。送信部63、制御装置50、表示装置51は、車車間通信装置60と一体として形成されてもよいし、別に形成されてもよい。なお、車車間通信装置60と別に形成されているとは、構造物では連結されずに、無線で電気的に接続、または、配線だけを介して接続されている状態をいう。
出力制御部65が仮定情報を出力する制御の例について説明する。例えば、出力制御部65は、表示装置51に、仮定車両を識別する識別情報を出力する。さらに、出力制御部65は、表示装置51が出力制御部65から出力された識別情報を表示するように、表示装置51を制御する。例えば、出力制御部65は、表示装置51に、仮定車両に含まれるスリム車両であることを、ランプなどで表示させてもよい。これにより、運転者は、表示装置51を見ることで、自車が仮定車両に含まれることを認識することができる。図4に示す走行状況では、出力制御部65は、表示装置51に、自動二輪車1が仮定車両109に含まれるスリム車両であることをランプなどで表示させる。また、例えば、出力制御部65は、表示装置51に、他車の位置情報および自車の位置情報に基づいて、自車と他車との配置関係を表示させるとともに、仮定車両に含まれる全てのスリム車両とそれ以外の車両とを色分けして表示させてもよい。図4に示す走行状況では、出力制御部65は、表示装置51に、自動二輪車1、102、103、105、106と乗用車104の配置関係を表示させる。そして、出力制御部65は、表示装置51に、仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103と、それ以外の自動二輪車105、106と乗用車104とを色分けして表示させる。また、例えば、出力制御部65は、表示装置51に、他車の位置情報および自車の位置情報に基づいて、自車と他車との配置関係を表示させるとともに、仮定車両に含まれる全てのスリム車両をまとめて表す1つの図形を表示させてもよい。図4に示す走行状況では、出力制御部65は、表示装置51に、自動二輪車1、102、103をまとめて囲んだ図形(例えば楕円)で仮定車両109を表示させてもよい。また、例えば、出力制御部65は、表示装置51に、仮定車両に含まれるスリム車両の台数を表示させてもよい。図4に示す走行状況では、出力制御部65は、表示装置51に、仮定車両109に含まれるスリム車両が3台(スリム車両1、102、103)であることを表示させる。更に、出力制御部65は、他車の位置情報および自車の位置情報に基づいて、表示装置51に、自車と他車との配置関係を表示させるとともに、他車がスリム車両かワイド車両かを色分けして表示させてもよい。図4に示す走行状況では、出力制御部65は、表示装置51に、自動二輪車1、102、103、105、106と乗用車104の配置関係を表示させる。そして、出力制御部65は、表示装置51に、スリム車両である自動二輪車1、102、103、105、106と、ワイド車両である乗用車104とを色分けして表示させる。更に、出力制御部65は、他車の位置情報および自車の位置情報に基づいて、表示装置51に、自車と他車との配置関係を表示させるとともに、自車と他車とを車両の種類に応じて色分けして表示させてもよい。図4に示す走行状況では、出力制御部65は、表示装置51に、自動二輪車1、102、103、105、106と乗用車104の配置関係を表示させる。そして、出力制御部65は、表示装置51に、自動二輪車1、102、103、105、106と、乗用車104とを色分けして表示させる。この構成によると、運転者は、表示装置51を見ることで、自車と他車の配置関係等を認識することができる。従って、本実施形態の車車間通信装置60は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
また、出力制御部65は、送信部63に、仮定情報および自動二輪車1の車両情報を出力する。さらに、出力制御部65は、送信部63が出力制御部65から出力された情報を送信するように、送信部63を制御する。自動二輪車1が代表車両である場合は、出力制御部65は、送信部63から仮定情報を送信する。例えば、出力制御部65から送信部63に出力される仮定情報は、仮定車両に含まれる複数のスリム車両を識別する識別情報と、仮定車両に含まれる複数のスリム車両を共通に指示する指示情報であってもよい。指示情報は、例えば、車速を遅くする指示等の情報である。仮定情報を受信した他車は、制御装置で識別情報を読み取り、当該他車が仮定車両に含まれるかどうか判定する。そして、他車が仮定車両に含まれる場合は、他車は、制御装置に指示情報を出力して自動運転を行うことができる。または、他車が仮定車両に含まれる場合は、他車は、表示装置に指示情報を出力して、運転者に知らせることができる。一方、他車が仮定車両に含まれない場合は、他車は、指示情報を制御に用いない。
出力制御部65は、送信部63の送信出力を制御する。出力制御部65は、代表車両に関連する情報に応じて、送信部63の送信出力を変更する。出力制御部65は、送信部63の送信出力を変更することにより、車車間通信が可能な最大領域を変更する。出力制御部65は、自動二輪車1が代表車両であるか否かに応じて、送信部63の送信出力を変更する。具体的には、自動二輪車1が代表車両である場合に、自車が代表車両でない場合に比べて、送信部63の送信出力を大きくする。さらに、出力制御部65は、自動二輪車1の走行位置によって、送信部63の送信出力を変更する。図4に示す走行状況において、自動二輪車1は、仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103の先頭を走行する車両でも最後を走行する車両でもない。従って、自動二輪車1が代表車両である場合、出力制御部65は、自動二輪車1の前方への送信出力と自動二輪車1の後方への送信出力を同じにするように送信部63を制御する。なお、この場合において、送信部63は、自動二輪車1の前方と後方に2つ設けられていてもよい。自動二輪車1が仮定車両の先頭を走行する代表車両である場合は、出力制御部65は、自動二輪車1の後方より自動二輪車1の前方への送信部63の送信出力を大きくする。また、自動二輪車1が仮定車両の最後を走行する代表車両である場合は、出力制御部65は、自動二輪車1の前方より自動二輪車1の後方への送信部63の送信出力を大きくする。また、自動二輪車1が代表車両であって、車両情報を仮定車両に含まれる他車に送信する場合は、出力制御部65は、送信部63の送信出力を小さくする。この送信出力を第1出力とする。また、自動二輪車1が代表車両であって、車両情報を仮定車両に含まれない他車に送信する場合は、出力制御部65は、送信部63の送信出力を第1出力よりも大きくする。
一方、出力制御部65は、自動二輪車1が代表車両でない場合は、送信部63が仮定情報を送信しないように制御する。また、自動二輪車1が代表車両でない場合は、出力制御部65は、送信部63の送信出力を小さくするか、所定時間ゼロにする。具体的には、自動二輪車1が代表車両でない場合は、出力制御部65は、仮定車両に含まれる他車と車車間通信可能な程度に送信部63の送信出力を小さくすることができる。
出力制御部65は、送信部63が他車に仮定情報を送信する時間間隔を変更可能である。なお、送信部63が車両情報を送信する時間間隔と、送信部63が仮定情報を送信する時間間隔とは異なってよい。具体的には、自動二輪車1が代表車である場合に、出力制御部65は、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の走行状況に応じて、送信部63が他車に仮定情報を送信する時間間隔を変更する。例えば、仮定車両に含まれる複数のスリム車両が合流地点付近を走行する場合に、時間間隔を短くしてもよい。合流地点付近を走行しているかどうかは、出力制御部65が、仮定情報に含まれる位置情報および仮定車両が走行しているレーンのレーン情報等から判定する。レーン情報は、例えば、路車間通信や各種センサ等から取得する。これにより、合流地点で合流しようとする他車が、仮定車両の仮定情報を頻繁に受信することができる。そして、当該他車は、仮定車両の最新の仮定情報を利用して、合流を行うことができる。
また、出力制御部65は、送信部63が他車に車両情報を送信する時間間隔を変更可能である。そして、出力制御部65は、自車が仮定車両に含まれる場合に、自車が仮定車両に含まれない場合よりも送信部63が他車に車両情報を送信する時間間隔が大きくなるように制御する。つまり、出力制御部65は、自車が仮定車両に含まれるかどうかに応じて、送信部63が他車に車両情報を送信する時間間隔を変更する。仮定車両に含まれる自動二輪車1は、仮定車両に含まれる他の車両に車両情報を送信する時間間隔を、自動二輪車1が仮定車両に含まれない場合よりも大きくする。これにより、仮定車両に含まれる複数のスリム車両内で送信される情報の量を低減することができる。
出力制御部65は、制御装置50に仮定情報を出力する。制御装置50は、仮定情報を自動二輪車1の走行制御に用いる。例えば、図4に示す走行状況において、出力制御部65は、制御装置50に、仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103の車速を出力する。仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103の車速は、車両情報から取得した自動二輪車1、102、103の車速から算出される最大値、最小値、または、平均値である。そして、制御装置50は、出力された仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103の車速に基づいて、車速を変更するように制御する。
<車車間通信装置60の制御の手順>
次に、本実施形態に係る車車間通信装置60の制御の手順の一例を、図8および図9に示すフローチャートに基づいて説明する。ここでは、複数の車両の走行状況が図4に示す走行状況の場合における、車車間通信装置60の制御の手順の一例について説明する。本実施形態に係る車車間通信装置60は、自動二輪車1に搭載されている。本実施形態に係る車車間通信装置60は、図8に示すステップS1〜S11の制御を所定の時間間隔で行う。なお、所定の時間間隔は適宜変更可能である。
図8に示すように、まず、受信部62は、車車間通信により自動二輪車102、103、105および乗用車104が有する送信部から送信された信号を受信する(ステップS1)。受信部62は、車幅情報と、位置情報とを含む自動二輪車102、103、105および乗用車104の車両情報を受信する。つまり、受信部62は、受信した信号に基づいて、車幅情報と、位置情報とを含む自動二輪車102、103、105および乗用車104の車両情報を取得する。そして、仮定情報生成部64は、受信部62が受信した自動二輪車102、103、105および乗用車104の車両情報を取得する(ステップS1)。
また、仮定情報生成部64は、自動二輪車1の車幅情報と、位置情報とを含む自動二輪車1の車両情報を取得する(ステップS2)。
また、仮定情報生成部64は、複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなす(ステップS3)。ステップS3の処理について、図9に示すフローチャートに基づいて、詳細に説明する。図9は、仮定情報生成部64が複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなす処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図9に示すように、仮定情報生成部64は、自車と同じ走行方向のレーンを走行する他車および自車に複数のスリム車両を含むか判定する(ステップS31)。つまり、ステップS31の処理では、仮定情報生成部64が複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなすための上記1つ目の条件(A)を判定する。自動二輪車102、103、105および乗用車104は、自動二輪車1と同じレーン100を走行する。また、自動二輪車1が走行するレーン100の走行方向と、自動二輪車106が走行する右レーン100Rの走行方向は、同じではない。従って、仮定情報生成部64は、自動二輪車1と同じ走行方向のレーン100を走行するスリム車両に、自動二輪車1、102、103、105が含まれていると判定する。
次に、仮定情報生成部64は、自車と同じ走行方向のレーンを走行する他車および自車の車両情報に基づいて、自車と同じ走行方向のレーンを走行するスリム車両についてスリム車両領域を設定する(ステップS32)。つまり、ステップS32および後述するステップS33の処理では、仮定情報生成部64が複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなすための上記3つ目の条件(C)を判定する。仮定情報生成部64は、自動二輪車1と同じ走行方向のレーンを走行するスリム車両である自動二輪車1、102、103、105のそれぞれについてスリム車両領域を設定する。自動二輪車1のスリム車両領域は、スリム車両領域71Fである。自動二輪車102のスリム車両領域は、スリム車両領域72Fである。自動二輪車103のスリム車両領域は、スリム車両領域73Fである。自動二輪車105のスリム車両領域は、スリム車両領域75Fである。
次に、仮定情報生成部64は、互いに重なる部分を有する複数のスリム車両領域があるかどうかを判定する(ステップS33)。互いに重なる部分を有する複数のスリム車両領域は、スリム車両領域71F、72F、73Fである。
次に、仮定情報生成部64は、複数のスリム車両を相互に結んだ領域内にワイド車両を含まないか判定する(ステップS34)。つまり、ステップS34の処理では、仮定情報生成部64が複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなすための上記2つ目の条件(B)を判定する。自動二輪車1および自動二輪車102を結んだ線分を線分L12とする。自動二輪車1および自動二輪車103を結んだ線分を線分L13とする。自動二輪車102および自動二輪車103を結んだ線分を線分L23とする。線分L12、L13、L23に乗用車104は含まれない。
そして、仮定情報生成部64は、ステップS31〜S34において、上記3つの条件(A)〜(C)を満たした複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなす(ステップS35)。つまり、自動二輪車1、102、103が1台の仮定車両109と仮定される。
次に、図8に示すように、仮定情報生成部64は、仮定車両の仮定情報を生成する(ステップS4)。仮定情報は、例えば、仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103の車両情報から生成する。
次に、仮定情報生成部64が、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の中から代表車両を決定する(ステップS5)。代表車両に関連する情報は、仮定情報に含まれる。代表車両は、自車でも他車でもよい。代表車両は、仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103の中から予め定められた条件に基づいて決定される。
そして、出力制御部65は、自車が代表車両かどうか判定する(ステップS6)。自動二輪車1が代表車両である場合は(ステップS6:YES)、出力制御部65は、仮定情報および自車である自動二輪車1の車両情報を送信部63から送信する(ステップS7)。そして、出力制御部65は、生成した仮定情報に基づいて、制御装置50および表示装置51を制御する(ステップS8)。
一方、自動二輪車1が代表車両でない場合は(ステップS6:NO)、出力制御部65は、自動二輪車1の車両情報を送信部63から送信する(ステップS7)。つまり、出力制御部65は、仮定情報を送信部63から送信しない。そして、受信部62が代表車両から送信された仮定情報を受信する(ステップS10)。そして、出力制御部65は、仮定情報に基づいて、制御装置50および表示装置51を制御する(ステップS11)。
本実施形態の車車間通信装置60は、下記の特徴を有する。
車車間通信装置60は、自車情報記憶部68、受信部62、仮定情報生成部64、出力制御部65を有する。自車情報記憶部68は、自動二輪車1の車幅に関連する車幅情報と自動二輪車1の車両の位置に関連する位置情報とを含む自動二輪車1の車両情報を記憶する。受信部62は、他車の送信部から送信された、他車の車幅に関連する車幅情報と他車の車両の位置に関連する位置情報とを含む他車の車両情報を、他車の送信部から受信する。他車の送信部は、車車間通信可能に構成される。仮定情報生成部64は、複数の車両情報に基づいて、次の2つの条件(A)、(B)を満たすと判定された複数のスリム車両を1台の車両とみなす。1つ目の条件(A)は、自車と同じ走行方向のレーンを走行する他車および自車に複数のスリム車両を含むことである。例えば、図4の走行状況の場合、走行方向が自動二輪車1と同じ走行方向のレーンを走行していない自動二輪車106は、1台の仮定車両109とみなさなくてよい。2つ目の条件(B)は、スリム車両を相互に結んだ線分内にワイド車両を含まないことである。例えば、図4の走行状況の場合、自動二輪車1、102、103、105の中心を相互に結んだ線分内に乗用車104が含まれると、複数のスリム車両1、102、103、105が密集して走行できない状況が生じるため、協調走行を行うことが難しい。そこで、図4の走行状況の場合、自動二輪車1と自動二輪車105、自動二輪車102と自動二輪車105、自動二輪車103と自動二輪車105の中心を相互に結んだ線分内には乗用車104が含まれるため、自動二輪車105は、1台の仮定車両109とみなさない。以上から、図4の走行状況の場合、1台の仮定車両109とみなした自動二輪車1、102、103は、密集して走行する複数のスリム車両である。そして、仮定情報生成部64は、みなした1台の車両の仮定情報を、1台の車両とみなした自動二輪車1、102、103、105の車両情報から生成する。出力制御部65は、仮定情報を出力する。具体的には、出力制御部65は、送信部63、表示装置51部、制御装置50等に仮定情報を出力する。これにより、みなした1台の車両の仮定情報に基づいて、密集して走行する自動二輪車1、102、103、105が他の車両と協調走行を行うことができる。つまり、密集して走行する自動二輪車1、102、103、105を1台の車両とみなして、スリム車両が他の車両と協調走行を行うことができる。従って、本実施形態の車車間通信装置60は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
仮定情報生成部64は、更に、複数の車両情報に基づいて、次の条件(C)を満たすと判定された複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなす。3つ目の条件(C)は、互いに重なる部分を有する複数のスリム車両領域内のスリム車両であることである。仮定情報生成部64は、自動二輪車1と同じ走行方向のレーンを走行する他車および自動二輪車1に含まれる複数のスリム車両の車両情報からスリム車両領域を設定する。図4の走行状況の場合、スリム車両領域は、自動二輪車1と同じ走行方向のレーンを走行する自動二輪車1、102、103、105のそれぞれについて、スリム車両領域71F、72F、73F、75Fを設定する。車両情報は、少なくとも位置情報を含む。スリム車両領域は、スリム車両を含む。スリム車両領域71F、72F、73F、75Fは、スリム車両領域に含まれる自動二輪車1、102、103、105の位置情報に基づいて設定される。そして、仮定情報生成部64は、互いに重なる部分を有する複数のスリム車両領域71F、72F、73Fを判定する。スリム車両領域75Fは、他のいずれのスリム車両領域と重ならない。これにより、自動二輪車1、102、103と離れて走行する自動二輪車105は、1台の仮定車両に含まれない。つまり、密集して走行する自動二輪車1、102、103を1台の車両とみなすことができる。従って、本実施形態の車車間通信装置60は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
また、仮定情報生成部64は、スリム車両領域のレーン前後方向の長さを、自動二輪車1の車両情報または自動二輪車1が受信した他車の車両情報に含まれるワイド車両の車両長に応じて設定できる。図4の走行状況の場合、スリム車両領域71F、72F、73F、75Fのレーン前後方向の長さDは、ワイド車両である乗用車104の車両長D4に応じて設定できる。互いに重なる部分を有する複数のスリム車両領域は、スリム車両領域71F、72F、73Fである。スリム車両領域71F、72F、73F、75Fのレーン前後方向の長さDは、自動二輪車1が受信した車両情報を送信したワイド車両の車両長に応じて設定する。例えば、複数のスリム車両領域71F、72F、73F、75Fのレーン前後方向の長さの全てを、自動二輪車1が受信した車両情報を送信したワイド車両の最長の車両長、つまり、乗用車104の車両長D4とする。この場合、自動二輪車1と自動二輪車102の間のレーン前後方向の距離、自動二輪車1と自動二輪車103の間のレーン前後方向の距離、および、自動二輪車102と自動二輪車103の間のレーン前後方向の距離は、乗用車104の車両長D4より短い。よって、車両長D4を有する乗用車104は、1台の仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103の間に進入できない。そして、乗用車104と、1台の仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103との協調走行をスムーズに行うことができる。従って、本実施形態の車車間通信装置60は、複数の車両の協調走行をスムーズに行わせることができる。
また、仮定情報は、以下の情報のいずれか1つを含む。仮定情報の1つは、仮定車両を識別する識別情報である。識別情報は、例えば、仮定車両と、それ以外の車両とが区別可能な情報である。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれるスリム車両の種類である。図4の走行状況の場合、仮定車両に含まれるスリム車両の種類は、自動二輪車である。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれるスリム車両の台数である。図4の走行状況の場合、仮定車両に含まれるスリム車両の台数は、3台である。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれるスリム車両の位置である。図4の走行状況の場合、仮定車両に含まれる自動二輪車1、102、103の位置である。仮定車両に含まれるスリム車両の位置は、仮定車両の先頭を走行するスリム車両および仮定車両の最後を走行するスリム車両の少なくともいずれか一方の位置であってもよい。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれるスリム車両の車速である。図4の走行状況の場合、仮定車両に含まれるスリム車両の車速は、自動二輪車1、102、103の車速である。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれるスリム車両の進行方向角度である。図4の走行状況の場合、仮定車両に含まれるスリム車両の進行方向角度は、自動二輪車1、102、103の進行方向角度である。仮定情報の1つは、仮定車両全体のレーン前後方向の長さである。図4の走行状況の場合、仮定車両109全体のレーン前後方向の長さは、自動二輪車1、102、103全体のレーン前後方向の長さである。仮定情報の1つは、仮定車両全体のレーン幅方向の長さである。図4の走行状況の場合、仮定車両109全体のレーン幅方向の長さは、自動二輪車1、102、103全体のレーン幅方向の長さである。仮定情報の1つは、仮定車両に含まれるスリム車両を共通に指示する指示情報である。図4の走行状況の場合、自動二輪車1、102、103を共通に指示する指示情報である。そして、本実施形態の車車間通信装置60は、出力制御部65から出力されたこれらの仮定情報を、本実施形態の車車間通信装置60を搭載した自動二輪車1で利用することができる。従って、本実施形態の車車間通信装置60は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
また、本実施形態の車車間通信装置60は、出力制御部65が出力した仮定情報および自動二輪車1の車両情報を、他車に送信する送信部63を更に有する。仮定情報および車両情報を受信した他車は、仮定情報および車両情報を協調走行に利用することができる。従って、本実施形態の車車間通信装置60は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
また、仮定情報生成部64は、1台の仮定車両に含まれる複数のスリム車両の中から1台の代表車両を決定することができる。図4の走行状況の場合、仮定車両に含まれる自動二輪車1、102、103の中から1台の代表車両を決定することができる。代表車両は、仮定情報を送信する。代表車両は、予め定められた条件に基づいて設定されてもよい。代表車両は、仮定情報を送信する。一方、仮定車両の中の代表車両以外のスリム車両は、仮定情報を送信しなくてよい。代表車両以外のスリム車両が仮定情報を送信しない場合、仮定車両から送信される情報の量を低減することができる。従って、本実施形態の車車間通信装置60は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
また、仮定情報生成部64は、1台の代表車両を1台の仮定車両に含まれる複数のスリム車両の中で変更可能である。具体的には、1台の仮定車両に含まれる複数のスリム車両の走行状況に応じて、仮定情報生成部は、1台の代表車両を変更する。1台の仮定車両に含まれる複数のスリム車両の走行状況とは、例えば、合流地点や分岐地点等の道路状況を含む。自車が1台の仮定車両に含まれない場合、1台の仮定車両に含まれる複数のスリム車両の走行状況とは、自車と、仮定車両との位置関係を含む。また、自車が1台の仮定車両に含まれる場合、1台の仮定車両に含まれる複数のスリム車両の走行状況は、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の他車と自車との位置関係を含む。代表車両が変更可能であることにより、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
また、出力制御部65は、自動二輪車1が仮定車両109に含まれる場合に、代表車両に関連する情報に基づいて、送信部63の送信出力を変更する。つまり、出力制御部65は、送信部63の送信出力を変更することにより、車車間通信が可能な領域を変更する。具体的には、出力制御部65は、自動二輪車1が代表車両である場合に、自動二輪車1が代表車両でない場合に比べて、送信出力を大きくする。また、出力制御部65は、自動二輪車1が代表車両であって、仮定情報を仮定車両に含まれる他車に送信する場合は、送信部63の送信出力を小さくする。また、出力制御部65は、自動二輪車1が代表車両であって、仮定情報を仮定車両以外の他車に送信する場合は、送信部63の送信出力を大きくする。このように、自動二輪車1が代表車両である場合に、送信部63の送信出力を変更することにより、代表車両である自動二輪車1と他車との車車間通信を確実に行うことができる。従って、本実施形態の車車間通信装置60は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。また、出力制御部65は、自動二輪車1が代表車両でない場合は、送信部63の送信出力を小さくしたり、所定時間ゼロにする。これにより、仮定車両から送信される情報の量を低減することができる。従って、本実施形態の車車間通信装置60は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
また、出力制御部65は、送信部63が他車に仮定情報を送信する時間間隔を変更可能である。具体的には、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の走行状況に応じて、出力制御部65は、送信部63から他車に仮定情報を送信する時間間隔を変更することが好ましい。例えば、図4に示す走行状況の場合、1台の仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103が合流地点付近を走行する場合に、時間間隔を短くしてもよい。これにより、仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103が走行するレーンに合流しようとする他車が、仮定車両109の仮定情報を頻繁に受信することができる。そして、当該他車は、仮定車両109の最新の仮定情報を利用して、合流を行うことができる。従って、本実施形態の車車間通信装置60は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
また、出力制御部65は、送信部63が他車に車両情報を送信する時間間隔を変更可能である。なお、送信部63が車両情報を送信する時間間隔と、送信部63が仮定情報を送信する時間間隔とは異なってよい。出力制御部65は、自動二輪車1が仮定車両に含まれる場合に、自動二輪車1が仮定車両に含まれない場合よりも送信部63が他車に車両情報を送信する時間間隔が大きくなるように制御する。つまり、図4に示す走行状況の場合、自動二輪車1が仮定車両109に含まれるかどうかに応じて、出力制御部65は、送信部63から他車に車両情報を送信する時間間隔を変更する。これにより、仮定車両109に含まれる自動二輪車1、102、103内で送信される情報の量を低減することができる。従って、本実施形態の車車間通信装置60は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
また、仮定情報生成部64が仮定情報を生成する時間間隔を変更可能である。具体的には、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の走行状況に応じて、仮定情報生成部64が仮定情報を生成する時間間隔を変更する。自動二輪車1が仮定車両に含まれる場合を例に挙げる。例えば、自動二輪車1の加速度を急に変化させた場合や自動二輪車1が車線変更を行った場合に、時間間隔を短くしてもよい。自動二輪車1の加速度を急に変化させたり、自動二輪車1が車線変更を行ったりすると、車間距離が変化する場合がある。このような場合に、仮定情報生成部64は、車間距離の変化に迅速に対応して、複数のスリム車両を1台の仮定車両と仮定できる。つまり、車間距離の変化に迅速に対応して、仮定情報生成部が仮定車両に含まれる複数のスリム車両を変更することができる。従って、本実施形態の車車間通信装置60は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
また、本実施形態の車車間通信装置60は、自動二輪車1の前方をセンシングする前方センシング部66を更に有する。前方センシング部66は、自動二輪車1の前方をセンシングすることができる。前方センシング部66は、本実施形態の車車間通信装置60を搭載した自動二輪車1と他車との距離を測定する。測定された距離に基づいて、自動二輪車1および他車の位置情報または自動二輪車1の車両長を補正することができる。そして、補正された自動二輪車1および他車の位置情報または自車の車両長は、仮定情報生成部に出力される。これにより、自動二輪車1および他車の位置情報の精度が高くなる。従って、本実施形態の車車間通信装置60は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。また、後述する変更例は適宜組み合わせて実施することができる。
本発明に係る車車間通信装置において、仮定情報生成部が1台の仮定車両とみなす複数のスリム車両は、複数のレーンを走行するスリム車両を含んでよい。複数の車両の走行状況が図10に示す走行状況である場合における仮定情報生成部64の処理(I)について、説明する。図10に示す走行状況では、図4に示す走行状況に左レーン100Lが追加されている。
左レーン100Lは、レーン100の左方(LL方向)のレーンである。左レーン100Lは、図7に示す左レーン100Lと同じ構成であり、その説明を省略する。左レーン100Lを、自動二輪車108が走行している。自動二輪車108は他車である。自動二輪車108には、送信部163hが搭載されている。送信部163hは、自動二輪車108の車両情報を送信する。送信部163hから送信された自動二輪車108の車両情報は、自動二輪車1に搭載された受信部62が受信する。なお、自動二輪車108には、本実施形態に係る車車間通信装置60が搭載されていてもよいし、他の車車間通信装置が搭載されていてもよい。自動二輪車108が走行する左レーン100Lの走行方向は、レーン前方向(FL方向)である。つまり、自動二輪車108が走行する左レーン100Lの走行方向は、自動二輪車1、102、103、105、108および乗用車104が走行するレーン100の走行方向と同じである。図10に示す走行状況においては、仮定情報生成部64は、上述の3つの条件(A)〜(C)を満たすと判定された自動二輪車1、102、103、108を1台の仮定車両とみなす。
1つ目の条件(A)を満たすと判定された複数のスリム車両について説明する。自動二輪車1と同じ走行方向のレーンを走行する車両は、自動二輪車1、102、103、108、および、乗用車104である。自動二輪車106は、自動二輪車1と逆の方向に走行する。自動二輪車108の車幅W8は、左レーン100Lのレーン幅W10の半分未満である。自動二輪車108は、スリム車両である。上述の通り、自動二輪車1、102、103は、スリム車両である。また、乗用車104は、ワイド車両である。自動二輪車1と同じ走行方向のレーンを走行する複数のスリム車両は、自動二輪車1、102、103、108である。1つ目の条件(A)を満たす複数のスリム車両は、自動二輪車1、102、103、108である。
2つ目の条件(B)を満たすと判定された複数のスリム車両について説明する。図10に示すように、自動二輪車1の中心および自動二輪車102の中心を結んだ線分を線分L102とする。自動二輪車1の中心および自動二輪車103の中心を結んだ線分を線分L13とする。自動二輪車1の中心および自動二輪車108の中心を結んだ線分を線分L18とする。自動二輪車102の中心および自動二輪車103の中心を結んだ線分を線分L23とする。自動二輪車102の中心および自動二輪車108の中心を結んだ線分を線分L28とする。自動二輪車103の中心および自動二輪車108の中心を結んだ線分を線分L38とする。線分L12、L13、L18、L23、L28、L38に乗用車104は含まれない。従って、2つ目の条件(B)を満たすと判定された複数のスリム車両は、自動二輪車1、102、103、108である。
3つ目の条件(C)を満たすと判定された複数のスリム車両について説明する。図10に示すように、仮定情報生成部64は、自動二輪車1、102、103、105、108のスリム車両領域を設定する。スリム車両領域は、受信部62が受信した自動二輪車102、103、105、108の車両情報および自動二輪車1の車両情報に基づいて設定される。自動二輪車1のスリム車両領域は、スリム車両領域71Fである。自動二輪車102のスリム車両領域は、スリム車両領域72Fである。自動二輪車103のスリム車両領域は、スリム車両領域73Fである。自動二輪車105のスリム車両領域は、スリム車両領域75Fである。自動二輪車108のスリム車両領域は、スリム車両領域78Fである。なお、スリム車両領域71F、72F、73F、75F、78Fの大きさは、同じとする。図10を参照すると、互いに重なる部分を有する複数のスリム車両領域は、スリム車両領域71F、72F、73F、78Fである。従って、3つ目の条件(C)を満たすと判定された複数のスリム車両は、自動二輪車1、102、103、108である。なお、図10において、互いに重なる部分を有する複数のスリム車両領域71F、72F、73F、78Fを斜線で示している。そして、互いに重なる部分を有する複数のスリム車両領域71F、72F、73F、78F内のスリム車両は、自動二輪車1、102、103、108である。
以上から、仮定情報生成部64は、以上の3つの条件(A)〜(C)を満たすと判定された自動二輪車1、102、103、108を1台の仮定車両109Cとみなす。つまり、仮定情報生成部64が1台の仮定車両109Cとみなしたスリム車両は、自動二輪車1、102、103、108である。なお、図10において、仮定車両109Cに含まれない自動二輪車105、106および乗用車104を破線で示している。
図10に示す走行状況のように、レーン100を走行する自動二輪車1、102、103およびレーン100と隣接する左レーン100Lを走行する自動二輪車108は、密集して走行する場合がある。このような場合であっても、仮定情報生成部64は、複数のレーン100、100Lを走行している複数の自動二輪車1、102、103、108を1台の仮定車両109Cとみなすことができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
更に、本発明に係る車車間通信装置において、仮定情報生成部は、少なくとも2台の他車から受信した車両情報に基づいて、複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなしてよい。つまり、仮定情報生成部は、自車が有する車両情報を含まない複数の車両情報に基づいて、複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなしてよい。仮定情報生成部は、少なくとも2台の他車から受信した車両情報に基づいて、複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなす場合は、例えば、自車がワイド車両である場合である。自車がワイド車両であれば、自車は1台の仮定車両と仮定される複数のスリム車両に含まれないからである。また、複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなす場合は、例えば、自車がスリム車両であって、密集して走行する複数のスリム車両から離れている場合である。
仮定車両に自車が含まれていない場合における仮定情報生成部64の処理(I)についてについて、図11に基づいて説明する。図11の走行状況に基づいて、説明する。図11の例では、レーン100および左レーン100Lの2つのレーンがある。レーン100および左レーン100Lは、図7に示すレーンと同じであり、その説明を省略する。レーン100では、自動二輪車111、115および乗用車114が走行している。左レーン100Lでは、自動二輪車112、113が走行している。レーン100のレーン幅は、W10である。左レーン100Lのレーン幅は、W10である。乗用車114には、本実施形態に係る車車間通信装置60が搭載されている。自動二輪車111には、送信部263aが搭載されている。送信部263aは、自動二輪車111の車両情報を送信する。送信部263aから送信された自動二輪車111の車両情報は、乗用車114に搭載された受信部62が受信する。自動二輪車112には、送信部263bが搭載されている。送信部263bは、自動二輪車112の車両情報を送信する。送信部263bから送信された自動二輪車112の車両情報は、乗用車114に搭載された受信部62が受信する。自動二輪車113には、送信部263cが搭載されている。送信部263cは、自動二輪車113の車両情報を送信する。送信部263cから送信された自動二輪車113の車両情報は、乗用車114に搭載された受信部62が受信する。自動二輪車115には、送信部263dが搭載されている。送信部263dは、自動二輪車115の車両情報を送信する。送信部263dから送信された自動二輪車115の車両情報は、乗用車114に搭載された受信部62が受信する。なお、自動二輪車111、112、113、115には、本実施形態に係る車車間通信装置60が搭載されていてもよいし、他の車車間通信装置が搭載されていてもよい。つまり、乗用車114は自車である。また、自動二輪車111、112、113、115は他車である。自動二輪車113は、自動二輪車111の前後方向(FB方向)において、自動二輪車111の前方(F方向)を走行している。自動二輪車112、115は、自動二輪車111の前後方向(FB方向)において、自動二輪車111の後方(B方向)を走行している。自動二輪車112は、乗用車114と異なるレーンを走行している。自動二輪車112は、レーン幅方向に見て、乗用車114と重なる。つまり、自動二輪車112および乗用車114は、異なるレーンを並んで走行している。自動二輪車115は、乗用車114の前後方向(FB方向)において、乗用車114の後方(B方向)を走行している。自動二輪車111、112、113、115および乗用車114が走行するレーン100および100Lの走行方向は、レーン前方向(FL方向)である。
図11に示す走行状況においては、仮定情報生成部64は、上述の3つの条件(A)〜(C)を満たすと判定された自動二輪車111、112、113を複数のスリム車両を1台の仮定車両109Aとみなす。
1つ目の条件(A)について説明する。自動二輪車1と同じ走行方向のレーンを走行する車両は、自動二輪車1、112、113、115、および、乗用車114である。レーン100および100Lのレーン幅は、W10である。乗用車114の車幅W14は、レーン幅W10の半分以上である。乗用車114は、ワイド車両である。自動二輪車111の車幅W1は、レーン幅W10の半分未満である。自動二輪車112の車幅W12は、レーン幅W10の半分未満である。自動二輪車113の車幅W13は、レーン幅W10の半分未満である。自動二輪車115の車幅W15は、レーン幅W10の半分未満である。自動二輪車111、112、113、115は、スリム車両である。つまり、2台のスリム車両は、1つのレーン100および100Lにおいてレーン幅方向に並んで停止することが可能である。また、2台のワイド車両は、1つのレーン100および100Lにおいてレーン幅方向に並んで停止することが不可能である。自動二輪車111と同じ走行方向のレーンを走行する複数のスリム車両は、自動二輪車111、112、113、115である。1つ目の条件(A)を満たすと判定された複数のスリム車両は、自動二輪車111、112、113、115である。
2つ目の条件(B)について説明する。図11に示すように、自動二輪車111の中心および自動二輪車112の中心を結んだ線分を線分L112とする。自動二輪車111の中心および自動二輪車113の中心を結んだ線分を線分L113とする。自動二輪車111の中心および自動二輪車115の中心を結んだ線分を線分L115とする。自動二輪車112の中心および自動二輪車113の中心を結んだ線分を線分L123とする。自動二輪車112の中心および自動二輪車115の中心を結んだ線分を線分L125とする。自動二輪車113の中心および自動二輪車115の中心を結んだ線分を線分L135とする。線分L112、L113、L123、L125に乗用車114は含まれない。一方、線分L115、L135に乗用車114は含まれる。従って、2つ目の条件(B)を満たすと判定された複数のスリム車両は、自動二輪車111、112、113である。
3つ目の条件(C)について説明する。図11に示すように、仮定情報生成部64は、自動二輪車1と同じ走行方向のレーンを走行するスリム車両である自動二輪車111、112、113、115のスリム車両領域を設定する。スリム車両領域は、受信部62が受信した自動二輪車112、113、115の車両情報および自動二輪車111の車両情報に基づいて設定される。自動二輪車111のスリム車両領域は、スリム車両領域171Fである。自動二輪車112のスリム車両領域は、スリム車両領域172Fである。自動二輪車113のスリム車両領域は、スリム車両領域173Fである。自動二輪車115のスリム車両領域は、スリム車両領域175Fである。なお、自動二輪車111、112、113、115のスリム車両領域の大きさは、図4に示す自動二輪車111、112、113、115のスリム車両領域の大きさと同じとする。図11を参照すると、互いに重なる部分を有する複数のスリム車両領域は、スリム車両領域171F、172F、173F、175Fである。なお、図11において、互いに重なる部分を有する複数のスリム車両領域171F、172F、173F、175Fを斜線で示している。そして、互いに重なる部分を有する複数のスリム車両領域171F、172F、173F、175F内のスリム車両は、自動二輪車111、112、113、115である。従って、3つ目の条件(C)を満たすと判定された複数のスリム車両は、自動二輪車111、112、113、115である。
以上から、仮定情報生成部64は、以上の3つの条件(A)〜(C)を満たすと判定された自動二輪車111、112、113を1台の仮定車両109Aとみなす。つまり、仮定情報生成部64が1台の仮定車両109Aとみなした複数のスリム車両は、自動二輪車111、112、113である。なお、図11において、仮定車両109Aに含まれない自動二輪車115および乗用車114を破線で示している。図11に示す走行状況において、車車間通信装置60は、複数のレーン100、100Lを走行する複数のスリム車両111、112、113を1台の仮定車両109Aとみなす。そして、乗用車114は、仮定情報生成部64で生成した仮定情報を用いて、密集して走行する自動二輪車111、112、113の前または後にスムーズに進入することができる。従って、本発明の車車間通信装置60は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
更に、図6および図7に示す走行状況において、乗用車110が本発明に係る車車間通信装置60を搭載していてもよい。この場合、乗用車110は、仮定情報生成部64で生成した仮定情報を用いて、密集して走行する自動二輪車1、102、103の前または後にスムーズに進入することができる。つまり、図6に示す走行状況においては、乗用車110は、レーン100cからレーン100にスムーズに合流することができる。また、図7に示す走行状態においては、乗用車110は、レーン100Lからレーン100にスムーズに車線変更することができる。
本発明の車車間通信装置において、仮定情報生成部は、上述の3つの条件(A)〜(C)を満たすと判定された複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなしている。しかし、仮定情報生成部は、上述の2つの条件(A)および(B)を満たすと判定された複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなしてもよい。例えば、図4に示す走行状況において、上述の2つの条件(A)および(B)を満たすと判定された複数のスリム車両と、上述の3つの条件(A)〜(C)を満たすと判定された複数のスリム車両は同じである。
ここで、例えば、図12に示す走行状況について検討する。図12に示す走行状況は、図4に示す走行状況において乗用車104が存在しない走行状況である。つまり、自動二輪車102と自動二輪車105とを結んだ領域L25内に乗用車104が存在しない。従って、図12に示す走行状況では、仮定情報生成部が、上述の条件(A)および(B)を満たすと判定した複数のスリム車両は、自動二輪車1、102、103、105である。一方、自動二輪車105のスリム車両領域75Fは、他のスリム車両領域と重なる部分を有しない。従って、仮定情報生成部が、上述の条件(C)を満たすと判定された複数のスリム車両は、自動二輪車1、102、103である。図12に示す走行状況においては、他のいずれのスリム車両領域と重ならないスリム車両領域内のスリム車両である自動二輪車105は、1台の仮定車両に含まれない。これにより、他のスリム車両と離れて走行するスリム車両である自動二輪車105は、1台の仮定車両に含まれない。つまり、密集して走行する複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなすことができる。従って、本発明の車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本実施形態に係る車車間通信装置60は、前方センシング部66および補正部67を有しなくてよい。本発明に係る車車間通信装置は、前方センシング部、後方センシング部および側方センシング部の少なくともいずれか1つを有していればよい。なお、前方センシング部、後方センシング部および側方センシング部は、一体であってもよいし、別体であってもよい。後方センシング部は、車車間通信装置を搭載した自車の後方をセンシングする。後方センシング部は、自車の後方を走行する他車をセンシングすることができる。側方センシング部は、車車間通信装置を搭載した自車の側方をセンシングする。側方センシング部は、車両の側方を走行する他車をセンシングすることができる。具体的には、後方センシング部および側方センシング部は、車車間通信装置を搭載した自車と他車の距離を測定する。後方センシング部および側方センシング部は、前方センシング部と同様に、補正部に測定した距離を出力する。補正部は、自車が有する自車の位置情報および他車の位置情報から自車と他車の距離を算出する。補正部は、算出された自車と他車の距離と後方センシング部および側方センシング部で測定した自車と他車の距離とが異なる場合、自車が有する自車の位置情報および受信部で受信した他車の位置情報を補正する。補正部で補正された自車の位置情報および他車の位置情報は、仮定情報生成部に出力される。後方センシング部および側方センシング部は、例えば、カメラ、ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ、レーザーレーダ、超音波センサ、音響センサ、赤外センサ、電波/電界センサ、磁気センサ、距離画像センサのうち1つまたは複数を含む。このようなレーダおよびセンサは、自車の後方および側方に向かってミリ波等を照射し、物体に反射して戻ってくる反射波を受信するように構成されている。なお、カメラは、単眼であっても、複眼であってもよい。これにより、自車および他車の位置情報の精度が高くなる。従って、本発明に係る車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
また、本発明に係る車車間通信装置は、前方センシング部および後方センシング部を用いて、自車の車両長を算出するようにしてもよい。具体的には、前方センシング部は、自車および自車の前方を走行する他車の距離を測定する。また、後方センシング部は、自車および自車の後方を走行する他車の距離を測定する。補正部は、前方センシング部および後方センシング部で測定した自車および他車の距離と、自車の位置情報と、受信部で受信した他車の位置情報とに基づいて、自車の車両長を算出する。算出された自車の車両長と、自車の車両情報に含まれる車両長とが異なる場合、自車が有する車両情報に含まれる車両長の情報を補正する。補正部で補正された自車の位置情報および他車の位置情報は、仮定情報生成部に出力される。これにより、自車の車両長の情報の精度が高くなる。従って、本発明に係る車車間通信装置は、複数の車両の協調走行をよりスムーズに行わせることができる。
本発明の無線通信機は、路車間通信が可能に構成されていてもよい。路車間通信とは、道路に整備された路側通信機と車載通信機との間で行われる通信である。車載通信機は、無線通信機である。車載通信機は、自車の速度などの情報を路側通信機または他車の車載通信機に送信する。路側通信機は、車載通信機から受信した情報や、道路の情報(信号情報や規制情報など)を、別の車載通信機に送信する。また、路側通信機から送信される情報には、車両の有無や、車両の速度などが含まれていてもよい。
本発明に係る車車間通信装置において、仮定情報生成部は、スリム車両領域のレーン前後方向の長さを、スリム車両の車速に応じて変化させてよい。具体的には、スリム車両領域71F、72F、73F、75F、76Fに含まれる自動二輪車1、102、103、105、106の車速が速くなると、スリム車両領域71F、72F、73F、75F、76Fのレーン前後方向の長さを大きくする。一方、スリム車両領域71F、72F、73F、75F、76Fに含まれる自動二輪車1、102、103、105、106の車速が遅くなると、スリム車両領域71F、72F、73F、75F、76Fのレーン前後方向の長さを小さくする。また、本発明および本実施形態において、スリム車両領域の形状を、円状、矩形等様々な形状の領域を設定してよい。また、本発明および本実施形態において、スリム車両領域71F、72F、73F、75F、76Fの形状を、それぞれ別の形状にしてよい。これにより、仮定車両に含まれる複数のスリム車両のスリム車両領域を任意に設定することができる。
本発明に係る車車間通信装置において、仮定情報生成部は、スリム車両領域のレーン前後方向の長さを、スリム車両の車両長に応じて設定してよい。具体的には、スリム車両領域のレーン前後方向長さを、車両の種類に応じて設定する。例えば、スリム車両が大型自動二輪車の場合は、スリム車両領域のレーン前後方向の長さを長く設定する。また、例えば、スリム車両が小型自動二輪車の場合は、スリム車両領域のレーン前後方向の長さを短く設定する。これにより、1台の仮定車両とみなす複数のスリム車両が密集して走行する度合いを調整することができる。
更に、本発明に係る車車間通信装置において、仮定情報生成部は、スリム車両領域のレーン前後方向の長さを、スリム車両の車速に応じて変化させてよい。具体的には、スリム車両の車速が速くなると、そのスリム車両のスリム車両領域のレーン前後方向の長さを長くする。また、スリム車両の車速が遅くなると、そのスリム車両のスリム車両領域のレーン前後方向の長さを小さくする。通常、車速が速いほど、車間距離は大きくなる。したがって、スリム車両の車速に応じて、スリム車両領域のレーン前後方向の長さを変更することで、車速が遅い場合に、必要な車間距離よりも十分に離れた2台のスリム車両を1台の仮定車両とみなすことを防止できる。このように、スリム車両の走行状況に応じて、スリム車両領域のレーン前後方向の長さが変更されるため、複数の車両の協調走行をスムーズに行うことができる。
本発明および本実施形態において、出力制御部は、仮定情報を制御装置50、表示装置51の他、報知部等に出力してもよい。
本発明において、複数のスリム車両の少なくとも一部を相互に結んだ領域は、以下のように定義される。車両の少なくとも一部は、車両の中心ではなく、先端や後端であってもよい。また、車両の少なくとも一部は、車両の中心以外の一部分であってもよく、車両全体であってもよい。また、複数のスリム車両の少なくとも一部を相互に結んだ領域は、線分であっても、平面であってもよい。
本発明において、仮定情報生成部は、仮定車両に含まれる複数のスリム車両の中から代表車両を決定しなくてよい。
本発明において、仮定情報生成部は、複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなして、仮定情報を生成する処理を行う。仮定情報生成部によるこの処理は、所定の時間間隔で行われなくてもよい。仮定情報生成部は、自車の車両の走行状況に応じて、この処理を実施してもよい。言い換えると、仮定情報生成部は、自車の車両の走行状況に応じて、この処理を実施するか否か判定してもよい。具体的には、自車が合流地点付近を走行する走行状況、自車が車線変更を行う走行状況、または、自車の後方を走行する車両と自車との車間距離が近い走行状況等である場合に、仮定情報生成部は、複数のスリム車両を1台の仮定車両とみなし、仮定情報を生成する処理を実施してもよい。