以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示すように、本実施形態の自動運転装置100は、車両(自車両)Vを自動で走行させる自動運転制御を実行する。自動運転制御が実行されることにより、車両Vは自動運転状態となる。自動運転状態とは、運転者が運転操作を行う必要なく、車両Vの速度制御及び操舵制御を含む運転制御が自動運転装置100によって実行されている運転状態である。
また、自動運転装置100は、車両Vが走行する走行車線が他の車線に合流する場合に、車両Vの合流を支援する。以下では、自動運転装置100によって行われる合流の支援を中心に説明する。なお、車両Vが走行する走行車線が合流する他の車線を、合流先車線とする。
自動運転装置100は、車両の自動運転を制御するためのECU[Electronic Control Unit]10を備えている。ECU10は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等を有する電子制御ユニットである。ECU10では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、各種の制御を実行する。ECU10は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。また、以下に説明するECU10の機能の一部は、車両Vと通信可能な情報処理センター等の施設のコンピュータにおいて実行される態様であってもよい。
ECU10には、外部センサ1、GPS受信部2、内部センサ3、地図データベース4、車車間通信部5、ナビゲーションシステム6、アクチュエータ7、HMI[Human Machine Interface]8、及び発光部(報知部)9が接続されている。
外部センサ1は、車両Vの周辺の状況を検出する検出機器である。外部センサ1は、カメラ、レーダセンサのうち少なくとも一つを含む。
カメラは、車両Vの外部状況を撮像する撮像機器である。カメラは、車両Vのフロントガラスの裏側に設けられている。カメラは、車両Vの外部状況に関する撮像情報をECU10へ送信する。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。ステレオカメラは、両眼視差を再現するように配置された二つの撮像部を有している。ステレオカメラの撮像情報には、奥行き方向の情報も含まれている。
レーダセンサは、電波(例えばミリ波)又は光を利用して車両Vの周辺の障害物を検出する検出機器である。レーダセンサには、例えば、ミリ波レーダ又はライダー[LIDAR:Light Detection and Ranging]が含まれる。レーダセンサは、電波又は光を車両Vの周辺に送信し、障害物で反射された電波又は光を受信することで障害物を検出する。レーダセンサは、検出した障害物情報をECU10へ送信する。障害物には、ガードレール、建物等の固定障害物の他、歩行者、自転車、他車両等の移動障害物が含まれる。
GPS受信部2は、3個以上のGPS衛星から信号を受信することにより、車両Vの位置(例えば車両Vの緯度及び経度)を測定する。GPS受信部2は、測定した車両Vの位置情報をECU10へ送信する。
内部センサ3は、車両Vの走行状態を検出する検出機器である。内部センサ3は、車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサを含む。車速センサは、車両Vの速度を検出する検出器である。車速センサとしては、車両Vの車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフト等に対して設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速センサが用いられる。車速センサは、検出した車速情報をECU10に送信する。
加速度センサは、車両Vの加速度を検出する検出器である。加速度センサは、車両Vの前後方向の加速度を検出する前後加速度センサと、車両Vの横加速度を検出する横加速度センサとを含んでいる。加速度センサは、車両Vの加速度情報をECU10に送信する。ヨーレートセンサは、車両Vの重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検出する検出器である。ヨーレートセンサとしては、例えばジャイロセンサを用いることができる。ヨーレートセンサは、検出した車両Vのヨーレート情報をECU10へ送信する。
地図データベース4は、地図情報を記憶するデータベースである。地図データベース4は、車両Vに搭載されたHDD[Hard Disk Drive]内に形成されている。地図情報には、道路の位置情報、道路形状の情報(例えばカーブ、直線部の種別、カーブの曲率等)、道路の種別情報(例えば、合流する2本の道路のうちどちらが優先道路であるかの情報等)、合流地点及び交差点の位置情報、及び、建物の位置情報等が含まれる。なお、地図データベース4は、車両Vと通信可能な情報処理センター等の施設のコンピュータに記憶されていてもよい。
車車間通信部5は、車両Vの周辺の他車両との間で通信を行う装置である。例えば、車車間通信部5は、他車両との間で行動予定(走行予定の進路等)の情報、及び車両の位置情報等を送受信する。
ナビゲーションシステム6は、予め設定された目的地まで車両Vの運転者の案内を行うシステムである。ナビゲーションシステム6は、GPS受信部2の測定した車両Vの位置と地図データベース4の地図情報とに基づいて、車両Vの現在の位置から目的地までの経路を生成する。ナビゲーションシステム6は、後述するHMI8の画像表示及び音声出力により運転者に対して当該経路の案内を行う。ナビゲーションシステム6は、車両Vの目的地及び車両の経路に関する情報をECU10に送信する。なお、自動運転装置100は必ずしもナビゲーションシステム6を備える必要はない。車両Vの経路の生成は、ECU10によって行なわれてもよい。目的地は、乗員により設定されてもよく、ナビゲーションシステム6等により周知の手法で自動的に設定されてもよい。
アクチュエータ7は、車両Vの走行制御を実行する装置である。アクチュエータ7は、エンジンアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを少なくとも含む。エンジンアクチュエータは、ECU10からの制御信号に応じてエンジンに対する空気の供給量を変更(例えばスロットル開度を変更)することで、車両Vの駆動力を制御する。なお、エンジンアクチュエータは、車両Vがハイブリッド車又は電気自動車である場合には、動力源としてのモータの駆動力を制御する。
ブレーキアクチュエータは、ECU10からの制御信号に応じてブレーキシステムを制御し、車両Vの車輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキシステムとしては、例えば、液圧ブレーキシステムを用いることができる。なお、ブレーキアクチュエータは、車両Vが回生ブレーキシステムを備えている場合、液圧ブレーキシステム及び回生ブレーキシステムの両方を制御してもよい。操舵アクチュエータは、電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの駆動を、ECU10からの制御信号に応じて制御する。これにより、操舵アクチュエータは、車両Vの操舵トルクを制御する。
HMI8は、運転者と自動運転装置100との間で情報の出力及び入力をするためのインターフェイスである。HMI8は、例えば、運転者等に画像情報を表示するディスプレイ、及び運転者が入力操作を行うための操作ボタン又はタッチパネル等を備えている。HMI8は、運転者の入力した情報をECU10へ送信する。また、HMI8は、ECU10からの制御信号に応じた画像情報をディスプレイに表示する。
発光部9は、ECU10からの制御信号に基づいて、車両Vの周囲に向けて光を照射することによって報知を行う。発光部9は、車両Vの周辺の他車両から視認可能な位置に設けられている。例えば、発光部9は、車両Vの車体側面に取り付けられていてもよい。また、発光部9は、車両Vに搭載されたウィンカーであってもよい。発光部9は、車両Vの車体側面に取り付けられた発光体と、車両Vのウィンカーとによって構成されていてもよい。発光部9は、発光態様を変更することができる。発光態様の変更とは、光り方を変更することであり、光の点滅の周期の変更、光の輝度の変更、及び光の色の変更の少なくともいずれかを変更することが含まれる。
具体的には、発光部9は、ECU10からの制御信号に基づいて、光を用いた他車両制止報知又は他車両優先報知を行う。発光部9は、他車両制止報知と他車両優先報知とを、互いに異なる発光態様によって行う。他車両制止報知及び他車両優先報知の発光態様については後述する。
ECU10は、機能的には、車両位置認識部11、外部状況認識部(相対速度算出部)12、走行状態認識部13、走行計画生成部14、走行制御部15、報知判定部16、及び発光制御部17を備えている。
車両位置認識部11は、GPS受信部2の位置情報及び地図データベース4の地図情報に基づいて、車両Vの地図上の位置を認識する。車両位置認識部11は、地図データベース4の地図情報に含まれた電柱等の固定障害物の位置情報及び外部センサ1の検出結果を利用して、既存のSLAM技術により車両Vの位置を認識してもよい。
外部状況認識部12は、外部センサ1の検出結果に基づいて、車両Vの周囲の外部状況を認識する。外部状況認識部12は、カメラの撮像画像及び/又はレーダセンサの障害物情報に基づいて、周知の手法により、車両Vの周囲の障害物の位置を含む車両Vの外部状況を認識する。
外部状況認識部12は、カメラの撮像画像及び/又はレーダセンサの障害物情報に基づいて、周知の手法により、車両Vの周囲の他車両と車両Vとの相対速度を認識する。また、外部状況認識部12は、車両Vが走行する走行車線が合流先車線に合流する場合、合流先車線を走行する他車両と車両Vとの相対速度についても認識(算出)する。なお、ここでの合流地点とは、車両Vが走行する走行車線と合流先車線とが合流する地点である。また、外部状況認識部12は、合流先車線を走行する他車両のうち、少なくとも、合流地点へ向けて走行し且つ合流地点から所定距離以内の地点を走行する他車両を相対速度の認識対象とする。
以下、合流先車線を走行する他車両のうち、合流地点へ向けて走行し且つ合流地点から所定距離以内の地点を走行する他車両を、近接車両という。すなわち、外部状況認識部12において、近接車両と車両Vとの相対速度が認識される。
走行状態認識部13は、内部センサ3の検出結果に基づいて、車両Vの車速及び向きを含む車両Vの走行状態を認識する。具体的には、走行状態認識部13は、車速センサの車速情報に基づいて、車両Vの車速を認識する。走行状態認識部13は、ヨーレートセンサのヨーレート情報に基づいて、車両Vの向きを認識する。
走行計画生成部14は、ナビゲーションシステム6により設定された目標ルート、地図データベース4の地図情報、外部状況認識部12により認識された車両Vの周囲の外部状況、及び走行状態認識部13により認識された車両Vの走行状態に基づいて、車両Vの走行計画を生成する。走行計画生成部14は、車車間通信部5によって他車両の行動予定の情報が取得されている場合には、他車両の行動予定も考慮して、走行計画を生成する。走行計画生成部14は、運転者が自動運転制御の開始操作を行った場合に、走行計画の生成を開始する。この走行計画は、車両Vの現在の位置から予め設定された目的地に車両が至るまでの走行計画となる。
走行計画には、車両Vの目標ルート上の位置に応じた車両Vの制御目標値が含まれている。目標ルート上の位置とは、地図上で目標ルートの延在方向における位置である。目標ルート上の位置は、目標ルートの延在方向において所定間隔(例えば1m)毎に設定された設定縦位置を意味する。制御目標値とは、走行計画において車両の制御目標となる値である。制御目標値は、目標ルート上の設定縦位置毎に関連付けて設定される。走行計画生成部14は、目標ルート上に所定間隔の設定縦位置を設定すると共に、設定縦位置毎に制御目標値(例えば目標横位置及び目標車速)を設定することで、走行計画を生成する。設定縦位置及び目標横位置は、合わせて一つの位置座標として設定されてもよい。設定縦位置及び目標横位置は、走行計画において目標として設定される縦位置の情報及び横位置の情報を意味する。
また、走行計画生成部14は、合流先車線に車両Vが合流する際に発光部9が他車両制止報知を行う場合、近接車両と車両Vとの相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値未満であるときに、車両Vの速度が現在の速度よりも一定値速くなるように車両Vを加速させる走行計画を生成する。なお、走行計画生成部14は、近接車両と車両Vとの相対速度として、外部状況認識部12によって認識された結果を用いることができる。一方、走行計画生成部14は、合流先車線に車両Vが合流する際に発光部9が他車両優先報知を行う場合、近接車両と車両Vとの相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値未満であるときに、車両Vの速度が現在の速度よりも一定値遅くなるように車両Vを減速させる走行計画を生成する。このように車両Vを加速又は減速させることにより、合流地点において近接車両と車両Vとの速度差が大きくなり、車両Vの合流が容易となる。
走行制御部15は、車両位置認識部11が認識した車両Vの地図上の位置と走行計画生成部14で生成された走行計画とに基づいて、車両Vの速度制御及び操舵制御を含む自動運転制御を実行する。走行制御部15は、アクチュエータ7に制御信号を送信することにより、自動運転制御を実行する。走行制御部15が自動運転制御を実行することで、車両Vの運転状態が自動運転状態となる。これにより、車両Vが走行する走行車線から合流先車線への合流等の各種の走行が自動運転によって実現される。
報知判定部16は、車両Vが合流先車線に合流する際に、発光部9を用いた他車両制止報知及び他車両優先報知のいずれの報知を行うか、並びに、いずれの報知も行う必要が無いか否かを判定する。この判定は、例えば、合流地点から所定距離以内の地点に車両Vが到達したときに行われてもよい。ここで、他車両制止報知とは、合流地点での合流において近接車両(他車両)よりも車両V(自車両)を優先させる報知である。他車両優先報知とは、合流地点での合流において車両V(自車両)よりも近接車両(他車両)を優先させる報知である。
自動運転装置100が光を用いた他車両制止報知又は他車両優先報知を行うことにより、他車両の運転者又は他車両の走行を制御する制御装置に対して、合流時における車両Vの行動予定を報知することができる。すなわち、近接車両に車車間通信部が搭載されていなくても、合流時における車両Vの行動予定を報知することができる。
報知判定部16は、車車間通信部5によって近接車両と車車間通信が可能である場合、他車両制止報知及び他車両優先報知のいずれの報知も不要と判定する。近接車両との間で車車間通信が可能である場合には、他車両制止報知又は他車両優先報知を行わずとも、車車間通信によって行動予定を報知できるからである。この場合であっても、自動運転装置100は、通常の合流時の動作に従ってウィンカーを点滅させる。
報知判定部16は、車両Vが合流地点から所定距離以内の地点に到達したときに近接車両がいない場合(外部状況認識部12によって近接車両が検出されていない場合)、他車両制止報知及び他車両優先報知のいずれの報知も不要と判定する。この場合であっても、自動運転装置100は、通常の合流時の動作に従ってウィンカーを点滅させる。
報知判定部16は、合流先車線よりも車両Vが走行する走行車線が優先される場合、すなわち、車両Vが走行する走行車線が優先道路であり合流先車線が非優先道路である場合、他車両制止報知を行うと判定する。なお、報知判定部16は、車両Vが走行する走行車線が合流先車線に対して優先される優先道路であるか否かを、地図データベース4に記憶された道路の種別情報に基づいて判定できる。
報知判定部16は、車両Vが非優先道路を走行している状態で優先道路である合流先車線に合流する場合、外部状況認識部12で認識された近接車両と車両Vとの相対速度に基づいて、他車両制止報知及び他車両優先報知のいずれの報知を行うかを判定する。具体的には、報知判定部16は、車両Vの速度が、近接車両の速度に対して所定の余裕速度を加えた速度よりも速い場合、他車両制止報知を行うと判定する。このように、車両Vの速度が速い場合には、合流において近接車両よりも車両Vを優先させる。一方、報知判定部16は、車両Vの速度が、近接車両の速度に対して所定の余裕速度を加えた速度以下である場合、他車両優先報知を行うと判定する。このように、車両Vの速度が遅い場合には、合流において車両Vよりも近接車両を優先させる。
発光制御部17は、発光部9に対して制御信号を出力することにより、発光部9の発光を制御する。発光制御部17は、報知判定部16での判定結果に基づいて、他車両制止報知又は他車両優先報知を行うための制御信号を発光部9に出力する。発光制御部17は、他車両制止報知と判定されている場合と他車両優先報知と判定されている場合とで異なる発光態様となるように、発光部9に対して制御信号を出力する。
他車両制止報知と他車両優先報知とで発光態様を異ならせるために光の点滅の周期を変更する場合、例えば、他車両制止報知は、他車両優先報知よりも光の点滅の周期が短い発光態様であってもよい。他車両制止報知と他車両優先報知とで発光態様を異ならせるために光の輝度を変更する場合、例えば、他車両制止報知は、他車両優先報知よりも光の輝度が高い発光態様であってもよい。他車両制止報知と他車両優先報知とで発光態様を異ならせるために光の色を変更する場合、例えば、他車両制止報知は黄色、他車両優先報知は青色又は緑色の発光態様であってもよい。
次に、車両Vが合流先車線に合流する際に実行される合流処理の流れの一例について説明する。ここでの合流とは、車両Vが走行する走行車線が他の車線(合流先車線)に合流する場合である。図2に示される処理は、合流地点から所定距離以内の地点に車両Vが到達した(近づいた)ときに開始される。なお、自動運転装置100は、合流地点から所定距離以内の地点に車両Vが到達したか否かを、例えば、車両位置認識部11によって認識される車両Vの位置、地図データベース4に記憶された合流地点の位置情報、車両Vの目標ルート等に基づいて判定することができる。
図2に示されるように、合流地点から所定距離以内の地点に車両Vが到達すると、車車間通信部5は、合流先車線を合流地点に向けて走行する近接車両と車車間通信が不可能であるか否かを判定する(S101)。ここでは、車車間通信部5は、例えば、近接車両から車車間通信に用いる電波を受信できたか否かによって、近接車両と車車間通信が不可能であるか否かを判定することができる。
車車間通信が可能である場合(S101:NO)、走行計画生成部14は、車車間通信部5によって取得された近接車両の行動予定も考慮して、走行計画を生成する。走行制御部15は、走行計画生成部14で生成された走行計画に基づいて、自動運転による合流先車線への合流処理を実施する(S108)。
車車間通信が不可能である場合(S101:YES)、報知判定部16は、車両Vが走行する走行車線が合流先車線に対して優先される優先道路であるか否かを判定する(S102)。車両Vが優先道路を走行している場合(S102:YES)、報知判定部16は、外部状況認識部12の認識結果に基づいて、合流先車線を合流地点に向けて走行する近接車両の有無を判定する(S103)。近接車両が存在しない場合(S103:NO)、走行制御部15は、後述のS107の処理を行う。
近接車両が存在する場合(S103:YES)、報知判定部16は、他車両制止報知を行うと判定する。発光制御部17は、発光部9に対して他車両制止報知を行うための制御信号を出力し、発光部9は他車両制止報知を行う(S104)。他車両制止報知の後、走行計画生成部14は、近接車両と車両Vとの相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値未満であるか否かを判定する(S105)。相対速度の絶対値が速度閾値未満でない場合(S105:NO)、走行制御部15は、後述のS107の処理を行う。
相対速度の絶対値が速度閾値未満である場合(S105:YES)、走行計画生成部14は、車両Vの速度が現在の速度よりも一定値速くなるように車両Vを加速させる走行計画を生成する。走行制御部15は、走行計画に基づいて車両Vを加速させて、車両Vの速度を一定値速くする(S106)。
走行制御部15は、合流先車線への合流地点において、走行計画に基づいて合流先車線へ車両Vを合流させる合流処理を実施する(S107)。
また、車両Vが優先道路を走行していない場合(S102:NO)、すなわち、合流先車線が優先道路である場合、車両Vが非優先道路を走行しているときに行われる非優先道路走行時の報知処理を行う(S109)。非優先道路走行時の報知処理の後、走行制御部15は、S107の処理を行う。
次に、非優先道路走行時の報知処理の詳細の一例について説明する。図3に示されるように、報知判定部16は、外部状況認識部12の認識結果に基づいて、合流先車線を合流地点に向けて走行する近接車両の有無を判定する(S201)。近接車両が存在しない場合(S201:NO)、走行制御部15は、図2のS107の処理を行う。
近接車両が存在する場合(S201:YES)、報知判定部16は、車両Vの速度(Vown)が、近接車両の速度(Vobj)に対して所定の余裕速度(Vth)を加えた速度よりも速いか否か(Vown>Vobj+Vth)を判定する(S202)。報知判定部16は、この判定を、例えば外部状況認識部12で認識された近接車両と車両Vとの相対速度等を用いて判定することができる。車両Vの速度が、近接車両の速度に対して所定の余裕速度を加えた速度よりも速い場合(S202:YES)、報知判定部16は、他車両制止報知を行うと判定する。発光制御部17は、発光部9に対して他車両制止報知を行うための制御信号を出力し、発光部9は他車両制止報知を行う(S203)。
他車両制止報知の後、走行計画生成部14は、近接車両と車両Vとの相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値未満であるか否かを判定する(S204)。相対速度の絶対値が速度閾値未満でない場合(S204:NO)、走行制御部15は、図2のS107の処理を行う。
相対速度の絶対値が速度閾値未満である場合(S204:YES)、走行計画生成部14は、車両Vの速度が現在の速度よりも一定値速くなるように車両Vを加速させる走行計画を生成する。走行制御部15は、走行計画に基づいて車両Vを加速させて、車両Vの速度を一定値速くする(S205)。S205の処理の後、走行制御部15は、図2のS107の処理を行う。
車両Vの速度が近接車両の速度に対して所定の余裕速度を加えた速度よりも速くない場合(S202:NO)、報知判定部16は、他車両優先報知を行うと判定する。発光制御部17は、発光部9に対して他車両優先報知を行うための制御信号を出力し、発光部9は他車両優先報知を行う(S206)。
他車両優先報知の後、走行計画生成部14は、近接車両と車両Vとの相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値未満であるか否かを判定する(S207)。相対速度の絶対値が速度閾値未満でない場合(S207:NO)、走行制御部15は、図2のS107の処理を行う。
相対速度の絶対値が速度閾値未満である場合(S207:YES)、走行計画生成部14は、車両Vの速度が現在の速度よりも一定値遅くなるように車両Vを減速させる走行計画を生成する。走行制御部15は、走行計画に基づいて車両Vを減速させて、車両Vの速度を一定値遅くする(S208)。S208の処理の後、走行制御部15は、図2のS107の処理を行う。
このように、図3に示される非優先道路走行時の報知処理において、報知判定部16は、車両Vと近接車両との相対速度(近接車両の速度に対して所定の余裕速度を加えた速度よりも車両Vが早いか否か)に基づいて(S202)、他車両制止報知及び他車両優先報知のいずれを行うかを判定する。
以上のように本実施形態の自動運転装置100において、発光部9は、車両Vと近接車両との相対速度に基づいて判定された判定結果に基づいて、光を用いて他車両制止報知又は他車両優先報知を行う。これにより、近接車両は、光を用いて行われた他車両制止報知又は他車両優先報知に基づいて、車両Vが合流先車線に合流する際に近接車両よりも車両Vを優先させて合流する予定であるか、又は車両Vよりも近接車両を優先させて合流する予定であるかを把握できる。従って、自動運転装置100によれば、合流先車線を走行する近接車両が車車間通信の機能を有していなくても、車両Vが合流先車線に円滑に合流できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した他車両制止報知及び他車両優先報知の発光態様は一例であり、他車両制止報知と他車両優先報知とで発光態様が異なっていれば、他の発光態様が採用されてもよい。
発光部9を発光させることによって他車両制止報知及び他車両優先報知を行ったが、発光部9の発光に加え、車外に向けてスピーカから音を出力する又は近接車両の運転者が携帯する携帯端末の振動発生機能等を用いて、他車両制止報知及び他車両優先報知が行われてもよい。