JP6595391B2 - 断熱容器 - Google Patents

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JP6595391B2
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Description

本発明は、断熱容器に関する。
従来から食品や医薬品等の保冷保温が必要な商品を配送する際などに用いる保冷保温容器が知られている(下記特許文献1を参照)。特許文献1に記載された保冷保温容器は、2以上が積み重ね可能とされ、底板と、その周縁に立設された側板と、これら側板により形成される開口を塞ぐ蓋を備えている(同文献、請求項1等を参照)。
前記底板と側板とは、合成樹脂板で形成され、且つ前記側板の表面に反射膜層を有する遮熱シートが設けられている。また、前記底板と前記側板との内表面および前記蓋に、発泡樹脂板を遮熱シートで覆った複数の個別の断熱材が着脱可能に取り付けられている。また、前記蓋が開口を塞いだときに、前記側板はその上端が蓋の上面と略同一の高さ位置に配置されるように形成されている。
さらに、前記側板の上端角部に、上側の保冷保温容器の底板周縁が嵌合される止め具が設けられている。前記止め具は、蓋の上面よりも上方位置において、上側に積み重ねた保冷保温容器の底板を嵌合させるように形成されている。そして、前記底板の外表面及び側板の下部が前記遮熱シートよりも耐擦過性の高い補強シートで覆われている。
特許第4651919号公報
前記特許文献1に記載された保冷保温容器は、強度に優れ、断熱性能が良好であり、積み重ねが容易で、製造コストが安価であり、容器の寿命を延長することができる等、数々の優れた効果を有している(同文献、段落0022等を参照)。しかしながら、断熱材として用いられる樹脂板の強度向上、断熱性向上、及び生産性向上の観点から、さらなる改良の余地がある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、従来よりも強度、断熱性、及び生産性の向上が可能な合成樹脂板を断熱材として用いた断熱容器を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明の断熱容器は、底板と、該底板の周縁部に立設された側板と、該側板によって形成された開口を塞ぐ蓋と、該蓋と前記底板と前記側板の内側に配置された断熱材と、を備えた断熱容器であって、前記断熱材は、合成樹脂板と、該合成樹脂板を覆う遮熱シートとを備え、前記合成樹脂板は、発泡層と、該発泡層の間に形成された非発泡中間層と、前記発泡層の外面に形成された非発泡表面層と、を有し、前記非発泡中間層は、前記発泡層よりも薄いことを特徴とする。
本発明の断熱容器は、例えば、食品や医薬品等の保冷保温が必要な商品を配送する際などに用いられる容器である。断熱容器の底板及び側板は、例えばプラスチックダンボール等の合成樹脂板によって形成することができる。また、断熱容器の断熱性を向上させる観点から、側板及び蓋は、それぞれ、表面に遮熱シートを有してもよい。
前記断熱材は、前記底板、側板、及び蓋の内側に取り外し可能に取り付けることができる。前記底板と側板の内側に配置される断熱材は、一体的に設けられていてもよいが、複数の断熱材を、それぞれ前記底板、側板、及び蓋の内側に配置してもよい。各断熱材は、前記底板、側板、及び蓋の内側に、それぞれ取り外し可能に配置することができる。
前記断熱材を構成する遮熱シートや、側板及び蓋の表面を覆う遮熱シートは、断熱性、防汚性、防湿性、及び耐候性を向上させる観点から、例えば樹脂シートと、該樹脂シートの表面に形成された反射膜層とを有してもよい。
前記断熱材を構成する合成樹脂板は、発泡層と、該発泡層の間に形成された非発泡中間層と、前記発泡層の外面に形成された非発泡表面層と、を有し、前記遮熱シートに覆われている。この合成樹脂板は、表裏に非発泡表面層を有し、該非発泡表面層の間に発泡層を有し、該発泡層の間に非発泡中間層を有している。換言すると、前記断熱材を構成する合成樹脂板は、交互に積層された非発泡樹脂層と発泡樹脂層とを有する積層体である。
このような非発泡樹脂層と発泡樹脂層との積層構造を有することで、前記断熱材を構成する合成樹脂板は、非発泡樹脂のみからなる合成樹脂板よりも、輻射伝熱が抑制され、高い断熱性を有するだけでなく、発泡樹脂のみからなる合成樹脂板よりも高い強度を有している。また、合成樹脂板を遮熱シートによって覆うことで、遮熱シートと合成樹脂板だけでなく、これらの間に形成される空気層によって、断熱材の断熱性をさらに向上させ、断熱容器の断熱性を向上させることができる。
また、前記断熱材を構成する合成樹脂板において、前記非発泡中間層の厚さは前記発泡層よりも薄くなっている。このような構成の合成樹脂板としては、例えば押出法ポリスチレンフォーム保温材を用いることができる。これにより、表裏の非発泡表面層の間に発泡層を有し、その発泡層の間に発泡層よりも薄い非発泡中間層を有する合成樹脂板の生産が容易になり、断熱材及び断熱容器の生産性を向上させることができる。
また、前記断熱材は、積層された複数の前記合成樹脂板を備えることができる。このように、合成樹脂板を積層体として用いることで、合成樹脂板を単体で用いる場合と比較して、強度を大幅に向上させることができる。さらに、発泡層の総厚が増加して断熱性が向上するだけでなく、合成樹脂板同士の間に空気層が形成されることで、断熱材の断熱性を、より一層、向上させることができる。
また、前記断熱材を構成する複数の合成樹脂板は、前記非発泡表面層によって連結されていてもよい。これにより、合成樹脂板を成形し、切断し、積層させる過程で、複数の合成樹脂板を一体に取り扱うことができ、各々の合成樹脂板が分離されている場合と比較して、合成樹脂板の積層体を容易に製造することができる。したがって、断熱材の生産性を向上させ、断熱容器の生産性を向上させることができる。
また、前記断熱材を構成する合成樹脂板は、透湿係数が100以下であることが好ましい。これにより、合成樹脂板が水分を含むことが防止され、カビの発生や雑菌の繁殖等を防止することができ、衛生的である。
以上の説明から理解できるように、本発明によれば、従来よりも強度、断熱性、及び生産性の向上が可能な合成樹脂板を断熱材として用いた断熱容器を提供することできる。
本発明の一実施形態に係る断熱容器の蓋を開けた状態を示す斜視図。 図1に示す断熱容器の蓋を閉じた状態を示す斜視図。 図2に示す断熱容器の短手方向に沿う断面図。 図3に示す断熱容器の断熱材を構成する合成樹脂板の拡大断面図。 図4に示す合成樹脂板の変形例を示す拡大断面図。 図5に示す合成樹脂板を展開した状態を示す平面図及び断面図。
以下、図面を参照して本発明の断熱容器の一実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る断熱容器1の蓋4を開けた状態を示す斜視図である。図2は、図1に示す断熱容器1の蓋4を閉じた状態を示す斜視図である。図3は、図2に示す断熱容器1の短手方向に沿う断面図である。
本実施形態の断熱容器1は、平面視長方形状の底板2と、該底板2の周縁部に立設された側板3と、該側板3によって形成された開口3aを塞ぐ蓋4と、該蓋4と底板2と側板3の内側に配置された断熱材8と、を備えている。本実施形態の断熱容器1において、側板3の下部を除く部分、蓋4、及び断熱材8の表面は、遮熱シート5によって覆われ、側板3の下部及び底板2の表面は、補強シート7によって覆われている。図示の例において、側板3の下部を除く部分を覆う遮熱シート5の下端と、側板3の下部及び底板2を覆う補強シート7の上端とは、逢着されて連結されている。
底板2と側板3とは、例えば、合成樹脂板によって形成することができる。合成樹脂板としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂などの合成樹脂からなる平板、リブや波板構造を有する補強合成樹脂板、プラスチック段ボール(ハニカム板、中空構造板、中空積層板等の類似の板を含む)、低発泡樹脂成形板からなる群から選択される1種が好ましい。これらの中でも、軽量で機械強度にも優れるポリエチレンやポリプロピレン製のプラスチック段ボールが好ましい。この合成樹脂板は透明、半透明または不透明でよく、また所望の着色を施すことができる。
蓋4は、例えば、側板3にフラップ状に固定された遮熱シート5と、遮熱シート5の内側に固定された断熱材8とによって構成することができる。より具体的には、例えば、断熱容器1の長方形の開口3aの長辺部分に沿う一対の側板3のうち、一方の側板3の上端部に、蓋4を構成する概ね長方形の遮熱シート5の一対の長辺部分の一方を、連結部10を介して固定することができる。
これにより、蓋4は、図1及び図2に示すように、開口3aを開閉可能に、連結部10を介して側板3の上端部に取り付けられている。また、蓋4の連結部10と反対側の長辺部分の中央部には、図2に示すように、閉止帯4aが設けられている。閉止帯4aは、例えば面ファスナーを介して側板3の外表面の上端中央部に着脱自在に係合することで、蓋4が閉止した状態を維持し、蓋4が意図せず開くのを防止する。
断熱材8は、図1に示すように、長方形板状の形状を有し、底板2の内側に1つ、側板3の内側に4つ、蓋4の内側に1つがそれぞれ配置されている。本実施形態の断熱容器1において、底板2の内側に配置された1つの断熱材8と、側板3の内側に配置された4つの断熱材8とは、各々分離して取り外し可能に井桁状に組み合わされ、物品を収容するための収容部を囲むように配置されている。なお、底板2の内側の断熱材8と側板3の内側の断熱材8は、一体に設けられてもよく、底板2又は側板3に固定されていてもよい。
蓋4の内側に配置された断熱材8は、例えば上面部分が蓋4の外側の遮熱シート5に面ファスナーを介して固定され、周縁部が蓋4の外側の遮熱シート5に逢着されて固定されている。蓋4の内側に配置された断熱材8は、蓋4が閉じられたときに、断熱容器1の開口3aの内側に概ね隙間なくぴったりと収まり、下端面が側板3の内側に配置された断熱材8の上端面に接し、他の断熱材8とともに収容部を囲むように設けられている。各断熱材8は、図3に示すように、合成樹脂板9と、該合成樹脂板9を覆う遮熱シート5とを備えている。なお、蓋4の内側に配置された断熱材8は、蓋4の外側の遮熱シート5に、例えば面ファスナーを介して取り外し可能に取り付けられていてもよい。
図4は、図3に示す断熱容器1の断熱材8を構成する合成樹脂板9の拡大断面図である。
本実施形態の断熱容器1において、断熱材8は、積層された複数の合成樹脂板9を備えている。各合成樹脂板9は、発泡層9aと、該発泡層9aの間に形成された非発泡中間層9bと、発泡層9aの外面に形成された非発泡表面層9cと、を有している。すなわち、合成樹脂板9は、交互に積層された非発泡樹脂層と発泡樹脂層とを有する積層体である。
合成樹脂板9は、例えば、従来から発泡樹脂成形品製造のために用いられている樹脂材料の中から適宜選択される材料によって製作することができる。樹脂材料としては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等を挙げることができる。合成樹脂板9の素材としては、強度と成形性の良さから、特にポリスチレン系樹脂が好ましい。
各々の合成樹脂板9において、非発泡中間層9bは発泡層9aよりも薄くなっている。このような構成の合成樹脂板9としては、例えば押出成形体を用いることができ、例えばJIS A 9511に準拠する押出法ポリスチレンフォーム保温材を用いることができる。
より具体的には、押出法により、発泡樹脂層の表裏に薄い非発泡樹脂層を有する成形体を2層、これらの非発泡樹脂層が溶融状態で重なるように押出成形して一体化させる。これにより、発泡層9aの間に非発泡中間層9bを有し、表裏に非発泡表面層9cを有する5層構造の合成樹脂板9を容易に製造することができ、生産性を向上させることができる。
合成樹脂板9の厚さは、例えば1mm以上かつ20mm以下であり、発泡層9aの総厚さは、例えば0.5mm以上かつ19.5mm以下であり、非発泡中間層9bの厚さは、例えば0.02mm以上かつ0.2mm以下であり、非発泡表面層9cの厚さは、例えば0.02mm以上かつ0.2mm以下である。
非発泡中間層9b及び非発泡表面層9cの密度は、発泡層9aの密度よりも高い。より具体的には、非発泡表面層9cの密度は、例えば、概ね0.08g/cm以上かつ0.3g/cm以下であり、発泡層9aの密度は、例えば、概ね0.02g/cm以上かつ0.11g/cm以下である。また、非発泡中間層9bの密度は非発泡表面層9cの密度よりも低く、概ね0.01g/cm以上かつ0.06g/cm以下である。さらに、非発泡中間層9b及び非発泡表面層9cの機械的強度は、発泡層9aの機械的強度よりも高い。なお、合成樹脂板9の熱伝導率は0.020W/(m・K)以上かつ0.030W/(m・K)以下である。
合成樹脂板9は、透湿係数[ng/(m・s・Pa)]が、例えば100以下であることが好ましく、80以下であることがより好ましく、60以下であることがさらに好ましい。本実施形態の断熱容器1において、断熱材8に使用される合成樹脂板9の透湿係数は、例えば55以下にすることができる。透湿係数が低いほど、合成樹脂板9の吸水量を減少させ、カビの発生や雑菌の繁殖を防止する効果を向上させることができる。
透湿係数の測定は、例えばJIS K 7225又はJIS A 1324のカップ法による。ただし、試験条件は、温度を23℃±1℃とし、相対湿度の勾配は、低湿度側を0%+2.0%とし、高湿度側を50%±2%とし、試験片の厚さは25mm±3mmとする。ただし、スキン面として非発泡表面層9cを有する合成樹脂板9は、非発泡表面層9cを有する状態でそのまま試験片とする。なお、吸湿係数が小さい試料又は吸湿性のある試料は、試験容器に吸湿剤を入れないブランク試験体を作製して試験体とともに試験し、そのブランク試験体の質量の増減を求め、試験体の質量に加減して質量を補正する。
積層された複数の合成樹脂板9同士の間には、空気層11が形成される。また、図3に示すように、複数の合成樹脂板9は、遮熱シート5によって覆われることで、遮熱シート5と合成樹脂板9との間にも空気層が形成される。なお、断熱材8は、合成樹脂板9の厚さによっては、必ずしも積層された複数の合成樹脂板9を備える必要はなく、単一の合成樹脂板9とそれを覆う遮熱シート5によって構成することも可能である。
遮熱シート5は、例えば、合成樹脂フィルムと、該合成樹脂の表面を覆う反射膜層とを備える積層シートである。合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン等を用いることができる。反射膜層としては、例えばアルミニウム又はその他金属を蒸着した反射膜層、若しくはアルミニウム又はその他金属の箔を積層した反射膜層を用いることができる。遮熱シート5は、反射膜層を有することで、輻射熱の放出や侵入を阻止して、側板3、蓋4及び断熱材8の断熱性能を高めることができだけでなく、側板3、蓋4及び断熱材8に高い防汚性、防湿性、及び耐候性を付与することができる。
補強シート7は、遮熱シート5よりも耐擦過性の良好な合成樹脂シートが用いられる。耐擦過性が良好とは、該補強シートが傷付き難いような表面硬度を有しているか、又は適度な柔軟性を有しているために擦過痕が付き難いことを意味している。この補強シートとしては、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シート、塩化ビニルシート、合成樹脂積層シート、不織布等が用いられる。
また、本実施形態の断熱容器1は、図1から図3に示すように、側板3の上端の各角部に止め具6を有している。止め具6は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂からなり、平面視L字状をなしている。この止め具6の下部には、側板3の上端角部を嵌合させる凹部が設けられている。また、止め具6の上部には、図示の断熱容器1と同一の構成を有する別の断熱容器1を図示の断熱容器1の上に積み重ねるときに、上側の断熱容器1の底板2の角部の周縁と接する板状凸部が設けられ、上側の断熱容器1の底板2の角部を嵌合させる。
また、本実施形態の断熱容器1は、短辺側の両方の側板3の外表面に、合成樹脂製の取っ手12が取り付けられている。この取っ手12の形状、構造及び大きさは特に限定されず、断熱容器1の使用状態、デザインなどに応じて適宜変更が可能である。また、この取っ手12に代えて布製の把手を取り付けても良い。
以下、本実施形態の断熱容器1の作用について説明する。
本実施形態の断熱容器1は、例えば食品や医薬品などの保冷又は保温が必要な物品を、保冷剤、保温剤とともに容器内に収納し、輸送する場合などに用いられる。例えば、冷凍食品を輸送する場合には、ブロック状またはバラ状態の冷凍食品を、ドライアイスなどの冷却剤とともに断熱容器1内に入れ、蓋4を閉じて断熱し、これを車両に積み込んで輸送する。
ここで、本実施形態の断熱容器1は、底板2と、該底板2の周縁部に立設された側板3と、該側板3によって形成された開口3aを塞ぐ蓋4と、該蓋4と底板2と側板3の内側に配置された断熱材8と、を備えている。これより、断熱容器1の内部の物品が収容される収容部を、高さ方向両側、幅方向両側、及び奥行方向両側に配置された断熱材8によって囲むことができ、高い断熱性を有する断熱容器1を得ることができる。また、断熱材8を個々に分離して取り外し可能に配置することで、断熱容器1の組立及び分解を容易にすることができる。
また、断熱材8は、合成樹脂板9と、該合成樹脂板9を覆う遮熱シート5とを備えている。これにより、合成樹脂板9の断熱性に加えて、遮熱シート5による断熱性が得られ、高い断熱性を有する断熱材8を得ることができる。さらに、遮熱シート5と合成樹脂板9との間に空気層が形成されることで、より高い断熱効果を得ることができる。また、遮熱シート5が反射膜層を有する場合には、反射膜層によって輻射熱の放出や侵入を阻止できるだけでなく、断熱材8に高い防汚性、防湿性、及び耐候性を付与することができ、断熱容器1の内部を清潔に保つことができる。
また、本実施形態の断熱容器1では、合成樹脂板9の透湿係数が100以下である。これにより、合成樹脂板9の吸水量を減少させ、カビの発生や雑菌の繁殖を防止することができる。なお、合成樹脂板9の透湿係数が80以下であることで、より給水量を減少させることができ、60以下であることでさらに給水量を減少させることができ、より高い効果を得ることができる。
また、合成樹脂板9は、発泡層9aと、該発泡層9aの間に形成された非発泡中間層9bと、発泡層9aの外面に形成された非発泡表面層9cと、を有している。このように、表面に非発泡樹脂層を備え、非発泡樹脂層と発泡樹脂層とが交互に積層された積層構造を有する合成樹脂板9を用いることで、輻射伝熱が抑制され、合成樹脂板9を介した熱伝導が低減される。これにより、断熱材8の断熱性能を向上させ、断熱容器1の断熱性能を向上させることができる。また、合成樹脂板9を押出法によって製造することができ、合成樹脂板9の生産性を向上させることができる。
また、非発泡中間層9bは、発泡層9aよりも薄い。非発泡表面層9cは、発泡層9aよりも密度や硬度が高く、発泡層9aと比較して強度に優れている。また、発泡層9aの間の非発泡中間層9bは、非発泡表面層9cよりも密度が低くさらに強度に優れている。したがって、非発泡中間層9b及び非発泡表面層9cを有しない従来の合成樹脂板と比較して、合成樹脂板9の強度を向上させ、断熱材8の耐久性向上、軽量化、及び薄型化に寄与することができる。
また、本実施形態の断熱容器1において、断熱材8は、積層された複数の合成樹脂板9を備えている。このように、合成樹脂板9を積層体として用いることで、合成樹脂板9を単体で用いる場合と比較して、断熱材8の強度を大幅に向上させることができる。さらに、発泡層9aの総厚が増加して断熱性が向上するだけでなく、合成樹脂板9同士の間に空気層11が形成されることで、断熱材8の断熱性を、より一層、向上させることができる。
図5は、図4に示す合成樹脂板9の変形例を示す拡大断面図である。図6は、図5に示す合成樹脂板9を展開した状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
複数の合成樹脂板9は、図5に示すように、非発泡表面層9cによって連結されていてもよい。図5に示す例では、一層目の合成樹脂板9と二層目の合成樹脂板9の互いに対向する非発泡表面層9cが、二層目の合成樹脂板9の一端で連結されている。また、二層目の合成樹脂板9と三層目の合成樹脂板9の互いに対向する非発泡表面層9cが、二層目の合成樹脂板9の他端で連結されている。
同様に、三層目の合成樹脂板9と四層目の合成樹脂板9の互いに対向する非発泡表面層9cが、四層目の合成樹脂板9の一端で連結されている。さらに、四層目の合成樹脂板9と5層目の合成樹脂板9の互いに対向する非発泡表面層9cが、四層目の合成樹脂板9の他端で連結されている。このように、積層された複数の合成樹脂板9は、互いに対向する合成樹脂板9の非発泡表面層9cが、合成樹脂板9の一端と他端で交互に蛇腹状に連結されている。
例えば、図6(a)に示すように、合成樹脂板9の母材である大型合成樹脂板90から複数の合成樹脂板9を切り出すときに、複数の合成樹脂板9を連結させた状態で切り出すことができる。より具体的には、図示の例のように、長方形の大型合成樹脂板90の短手方向に延びるスリット91,92を、大型合成樹脂板90の長手方向に間隔をあけて、大型合成樹脂板90の表裏に交互に形成することができる。
スリット91は、図6(b)に示すように、大型合成樹脂板90の表面の非発泡表面層9c、発泡層9a及び非発泡中間層9bを切断し、裏面の非発泡表面層9cを残すように、大型合成樹脂板90の表面に形成することができる。スリット92は、大型合成樹脂板90の裏面の非発泡表面層9c、発泡層9a及び非発泡中間層9bを切断し、表面の非発泡表面層9cを残すように、大型合成樹脂板90の裏面に形成することができる。
また、図6(a)に示す例では、大型合成樹脂板90を、長手方向に沿って3つに切断することができる。なお、大型合成樹脂板90の切断箇所数やスリット91,92の数は、大型合成樹脂板90の大きさ、合成樹脂板9の大きさ及び積層数に応じて、適宜変更することが可能である。その後、隣り合う合成樹脂板9の互いに連結された非発泡表面層9cを対向させるように、非発泡表面層9cを介して連結された複数の合成樹脂板9を交互に蛇腹状に折り返す。これにより、図5に示すように、非発泡表面層9cを介して連結されて積層された複数の合成樹脂板9を得ることができる。
このように、断熱材8を構成する複数の合成樹脂板9が非発泡表面層9cによって連結されていることで、大型合成樹脂板90を成形し、合成樹脂板9を切り出し、積層させる過程で、複数の合成樹脂板9を一体に取り扱うことができる。これにより、各々の合成樹脂板9が分離されている場合と比較して、合成樹脂板9の積層体を容易に製造することができる。したがって、断熱材8の生産性を向上させ、断熱容器1の生産性を向上させることができる。もちろん、大型合成樹脂板90の裏面又は表面にのみにスリットを設けることにより、折り曲げて重ねる合成樹脂板9の積層体を製造してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、従来よりも強度、断熱性、及び生産性の向上が可能な合成樹脂板9を断熱材8として用いた断熱容器1を提供することができる。
また、本実施形態の断熱容器1は、底板2と側板3とが剛性のある合成樹脂板からなり、側板3の上端の各角部に止め具6が設けられている。そのため、複数の断熱容器1を上下に積み重ねる場合に、上側の断熱容器1の底板2の角部を、下側の断熱容器1の各止め具6に嵌合させてずれや崩れを防止することができる。また、上側の断熱容器1を積み下ろす場合には、上側の断熱容器1を持ち上げて、底板2を下側の断熱容器1の止め具6から外し、簡単に下ろすことができる。
また、断熱容器1は、止め具6などに擦られて傷付きやすい底板2の外表面及び側板3の下部が、傷が付き難く、破れ難い補強シート7によって覆われている。これにより、断熱容器1の底板2の外表面及び側板3の下部の耐久性を向上させ、断熱容器1の寿命を延長することができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1 断熱容器
2 底板
3 側板
3a 開口
4 蓋
5 遮熱シート
8 断熱材
9 合成樹脂板
9a 発泡層
9b 非発泡中間層
9c 非発泡表面層

Claims (3)

  1. 底板と、該底板の周縁部に立設された側板と、該側板によって形成された開口を塞ぐ蓋と、該蓋と前記底板と前記側板の内側に配置された断熱材と、を備えた断熱容器であって、
    前記断熱材は、積層された複数の合成樹脂板と、該複数の前記合成樹脂板を覆う遮熱シートとを備え、
    前記合成樹脂板は、発泡層と、該発泡層の間に形成された非発泡中間層と、前記発泡層の外面に形成された非発泡表面層と、を有し、
    前記非発泡中間層は、前記発泡層よりも薄いことを特徴とする断熱容器。
  2. 複数の前記合成樹脂板は、前記非発泡表面層によって連結されていることを特徴とする請求項に記載の断熱容器。
  3. 前記合成樹脂板は、透湿係数が100以下であることを特徴とする請求項1または請求項に記載の断熱容器。
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