JP6078972B2 - 積層薄膜体 - Google Patents

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Description

本発明は、輸送容器内に収容する収容物と保冷材又は保温材との間に介在させる積層薄膜体に関する。
魚介類、果菜類等の生鮮食品などの収容物、特に鮮魚等の新鮮な収容物を、その鮮度を落とさずに輸送するために、容器本体と蓋体とからなる発泡合成樹脂製輸送容器の容器本体内に、前記収容物とともに保冷用の砕氷やドライアイス等の保冷材が収容される。
このように保冷材を鮮魚とともに収容した輸送容器において、鮮魚が保冷材に直接接触した際に変色する氷焼けを防止するために、保冷材とその上側に収容される鮮魚との間にパーチメント紙(硫酸紙)や発泡体(気泡緩衝材製)のシートを介在させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
登録実用新案第3094606号公報
特許文献1のような発泡体の氷焼け防止シート(以下、「発泡体シート」という。)は、パーチメント紙(硫酸紙)よりも厚く断熱効果が大きいため、その上に載置する鮮魚の氷焼けを防止する効果が高いものである。
しかしながら、断熱効果大きいことから、発泡体シート上の鮮魚を保冷するためには、発泡体シートによって上下の空間が遮断されないように保冷材の冷気を上側へ移動させなければならないため、容器本体の側壁内面との間に隙間を設ける必要がある。
また、前記隙間が大き過ぎると保冷時間が短くなるため、適切な大きさの隙間にする必要がある。
さらに、発泡合成樹脂製輸送容器の容器本体には成形金型からの抜き勾配が設けられているため、容器本体の開口部の大きさは、上方へ行くに従って大きくなる。
以上より、各々の輸送容器の寸法や保冷材の量に対応する高さ位置に合わせた大きさの発泡体シートを準備することは困難であり、打ち抜き又は成形により寸法を変えた多数の発泡体シートを準備しておくようにすると、そのための製造コストや保管コストが嵩むとともに、現場で輸送容器の寸法に合わせて適切な隙間を設けるように発泡体シートを選択するようにすると、そのための手間が掛かることから作業性が悪くなる。
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、比較的厚い発泡体シートではなく薄膜体でありながら、収容物が鮮魚である場合に氷焼けを防止する効果が高く、保冷又は保温時間が長く、それぞれの輸送容器の寸法に現場で容易に適合させることができ、製造コストを低く抑えることができる、輸送容器内に収容する収容物と保冷材又は保温材との間に介在させる積層薄膜体を提供する点にある。
本願の発明者は、上述のような氷焼け防止機能を備えるものとして、パーチメント紙(硫酸紙)や発泡体(気泡緩衝材製)のシートではなく、合成樹脂薄膜体及び金属薄膜層により例えば50μm以下の厚さの積層薄膜体を形成することにより、所要の断熱性を備えながら輸送容器の寸法に現場で容易に適合させるという着想を得、検討及び試作等による具体化を進めることにより本発明を完成するに至った。
先ず、本願の発明者は、上述の着想の下、最も簡単な積層構造として、合成樹脂薄膜体として様々な厚さのポリエステル系樹脂フィルムの片面に金属薄膜層として所定厚さのアルミニウムを蒸着したものを製作し、これらを輸送容器内の保冷材に接触させて上面を覆うようにして経過を観察する実験を行った。
この実験により、合成樹脂薄膜体の片面に金属薄膜層を備えた積層薄膜体を保冷材に接触させると、この積層薄膜体がカールして丸く巻いてしまい、保冷材の上面を覆わなくなるため、保冷時間を長くすることができないことがわかった。
また、数ある市販のフィルム(金属薄膜層を備えた積層薄膜体)も試してみたが、上記実験結果と同様であり、カールしないで、しかもコスト的に実用に耐えるフィルムを見出すことができなかった。このような市販の金属薄膜層を備えた積層薄膜体の構造を調べたところ、耐熱性の良好なポリエステルフィルムの片面に金属薄膜層を蒸着し、この金属薄膜層を保護するために安価なポリエチレンフィルム等を積層したものが一般的であることがわかった。
上記のような実験結果となった理由について検討した結果、合成樹脂薄膜体と金属薄膜層により構成される積層薄膜体の厚さが薄いとともに、蒸着により片面に形成された金属層の存在により積層薄膜体の表裏の熱膨張係数が異なる(合成樹脂薄膜体の片面に蒸着した金属薄膜層の熱膨張係数と合成樹脂薄膜体の熱膨張係数とが異なる)ため、保冷材により冷却されて温度が下がった際にカールして丸く巻いてしまうことが判明した。
そこで、合成樹脂薄膜体と金属薄膜層により構成される積層薄膜体の表裏の熱膨張係数を同じにすることを企図して、本発明の積層薄膜体の構成を見出したものである。
すなわち、本発明に係る積層薄膜体は、前記課題解決のために、輸送容器内に収容する収容物と保冷材又は保温材との間に介在させる積層薄膜体であって、同一素材からなる上下複数の合成樹脂薄膜体間に金属又は金属化合物の薄膜層を備えるとともに、両外面には前記薄膜層が無く、表裏の熱膨張係数を同じにしてなることを特徴とする。
このような構成によれば、輸送容器内に収容する収容物と保冷材又は保温材との間に介在させる、例えば矩形状の積層薄膜体を、同一素材からなる上下複数の合成樹脂薄膜体間に金属又は金属化合物の薄膜層を備えるとともに、両外面には前記薄膜層が無いものとしているので、積層薄膜体の表裏の熱膨張係数が同じであることから、薄膜体でありながら保冷材又は保温材に接触してもカールすることがない。
したがって、このような積層薄膜体は、容器本体の開口部を覆った状態で収容物と保冷材又は保温材との間に介在し続けるため、保冷時間又は保温時間を長くすることができる。
その上、同一素材からなる上下複数の合成樹脂薄膜体間に金属又は金属化合物の薄膜層を備えるとともに、両外面には前記薄膜層が無い積層薄膜体であるので、発泡体シートのように断熱効果が大き過ぎるため容器本体の側壁内面との間に隙間を設ける必要があるものとは異なり、容器本体の側壁内面との間に隙間を設けることなく収容物の保冷又は保温をすることができるとともに、氷焼けを防止するための所要の断熱性を容易に確保することができる。
その上さらに、比較的厚い発泡体シートではなく薄膜体であることから、例えば矩形状の積層薄膜体が、それぞれの輸送容器の寸法より喩え大きかったとしても、保冷材又は保温材に良好に密着すると共に、容器本体の側壁にも自然に密着するので、現場で容易に適合させることができ、大まかなサイズの薄膜体を用意しておけば多種のサイズの輸送容器に採用することができるため、製造コストを低く抑えることができるとともに、時間との戦いである収容物を輸送容器内へ収容する現場における作業性が高いため実用性が向上する。
その上、上下複数の合成樹脂薄膜体間に金属又は金属化合物の薄膜層を備えるとともに、両外面には前記薄膜層が無い構成であることから、輸送容器内にセットする際に表裏の区別を意識することなく作業をすることができるため作業効率が向上する。
その上さらに、比較的厚い発泡体シートではなく薄膜体であることから、容器本体内で専有するスペースが非常に小さくなる。
その上、薄膜体であることから、芯体に巻回してロール状にした状態で使用に供することができるので、省スペース化を図ることができるため運搬及び保管効率が高くなる。
ここで、同一素材からなる蒸着が可能な2枚の合成樹脂薄膜体の一方に金属又は金属化合物の薄膜を蒸着し、この薄膜層が内側になるようにして貼り合わせてなると好ましい。
このような構成によれば、本発明の積層薄膜体をより簡素な構成で実現することができるため、製造コストを低減することができる。
また、前記合成樹脂薄膜体がポリエステル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂からなると好ましい。
このような構成によれば、合成樹脂薄膜体が、アルミニウム等の金属蒸着に耐えられる良好な耐熱性を有しながら断熱性が高く、強度や耐摩耗性にも優れるとともに比較的低価格なポリエステル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂からなるため、本発明の積層薄膜体のコストパフォーマンスが高くなる。
さらに、前記積層薄膜体を製作する際に形成される帯状積層薄膜体に、その長尺方向の所定間隔ごとに幅方向切断用ミシン目を設けてなると好ましい。
このような構成によれば、積層薄膜体を製作する際に形成される帯状積層薄膜体が薄膜体であることから切断用のミシン目を設けることができ、このようなミシン目を長尺方向の所定間隔ごとに設けておくことにより、ミシン目の箇所で容易かつ確実に幅方向に切断することができるという利便性があるので、このミシン目で千切った積層薄膜体を容器本体の開口部を覆うように容易にセットして使用することができるため、その作業性が非常に高くなる。
本発明に係る積層薄膜体を備えた輸送方法は、前記課題解決のために、容器本体と蓋体とからなる輸送容器の前記容器本体内に保冷材又は保温材を収容し、同一素材からなる上下複数の合成樹脂薄膜体間に金属又は金属化合物の薄膜層を備えるとともに、両外面には前記薄膜層が無く、表裏の熱膨張係数を同じにしてなる積層薄膜体を前記保冷材又は保温材に上方から接触させ、前記積層薄膜体上に収容物を載置し、前記蓋体を被せた状態で前記収容物を輸送することを特徴とする。
また、容器本体と蓋体とからなる輸送容器の前記容器本体内に収容物を収容し、同一素材からなる上下複数の合成樹脂薄膜体間に金属又は金属化合物の薄膜層を備えるとともに、両外面には前記薄膜層が無く、表裏の熱膨張係数を同じにしてなる積層薄膜体を前記収容物に上方から接触させ、前記積層薄膜体上に保冷材又は保温材を載置し、前記蓋体を被せた状態で前記収容物を輸送することを特徴とする。
これらのような構成によれば、上述の輸送容器内に収容する収容物と保冷材又は保温材との間に介在させる積層薄膜体と同様の作用効果を奏する。
ここで、前記容器本体の底面上に前記積層薄膜体を敷設してなると好ましく、前記容器本体内に収容した収容物及び保冷材又は保温材と前記蓋体との間に前記積層薄膜体を設けてなると好ましい。
これらのような構成によれば、容器本体の底面上に敷設した積層薄膜体により断熱性がさらに高くなり、容器本体内に収容した収容物及び保冷材又は保温材と蓋体との間に設けた積層薄膜体によりさらに断熱性が高くなることから、保冷時間又は保温時間が長くなるため、より長時間の輸送が可能になる。
以上のように、本発明に係る輸送容器内に収容する収容物と保冷材又は保温材との間に介在させる積層薄膜体及び帯状積層薄膜体並びに積層薄膜体を備えた輸送方法によれば、(ア)積層薄膜体の表裏の熱膨張係数が同じであることから、薄膜体でありながら保冷材又は保温材に接触してもカールすることがなく、この積層薄膜体は、容器本体の開口部を覆った状態で収容物と保冷材又は保温材との間に介在し続けるため、保冷時間又は保温時間を長くすることができること、(イ)同一素材からなる上下複数の合成樹脂薄膜体間に金属又は金属化合物の薄膜層を備えるとともに、両外面には前記薄膜層が無い積層薄膜体であるので、容器本体の側壁内面との間に隙間を設けることなく収容物の保冷又は保温をすることができるとともに、氷焼けを防止するための所要の断熱性を容易に確保することができること、(ウ)薄膜体であることから、それぞれの輸送容器の寸法に現場で比較的容易に適合させることができるため、製造コストを低く抑えることができること、(エ)時間との戦いである収容物を輸送容器内へ収容する現場における作業性が高いこと、等の顕著な効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る輸送容器内に収容する収容物と保冷材又は保温材との間に介在させる積層薄膜体を示す断面模式図であり、(a)は同一素材からなる上下2層の合成樹脂薄膜体間に金属又は金属化合物の薄膜層を備えた構成を、(b)は同一素材からなる上下3層の合成樹脂薄膜体間に前記薄膜層を備えた構成を、(c)は同一素材からなる上下2層の合成樹脂薄膜体間に2層の前記薄膜層を備えた構成を示している。 本発明の実施の形態に係る輸送容器内に収容する収容物と保冷材又は保温材との間に介在させる積層薄膜体の使用状態例を示す縦断面図である。 積層薄膜体を製作する際に形成される帯状積層薄膜体に幅方向切断用ミシン目を設けた例を示す平面図である。 図3の帯状積層薄膜体を芯体に巻回してロール状にした状態を示す斜視図である。 別の使用状態例を示す縦断面図である。 図5の使用状態例において、さらに容器本体の底面上にも積層薄膜体を敷設する積層薄膜体の使用状態例を示す縦断面図である。 図6の使用状態例において、さらに収容物と蓋体との間にも積層薄膜体を設ける積層薄膜体の使用状態例を示す縦断面図である。 輸送容器内の保冷材に積層薄膜体を接触させて上面を覆った場合(「積層薄膜体」)、前記保冷材に発泡体シートを接触させて上面を覆った場合(「発泡体シート」)、前記保冷材の上面を覆わない場合(「ブランク」)において、容器本体内の保冷材上方の温度変化を測定した実験結果を示す図である。
本発明の実施の形態に係る輸送容器内に収容する収容物と保冷材又は保温材との間に介在させる積層薄膜体1は、図1(a)の断面模式図に示すような同一素材からなる上下2層の合成樹脂薄膜体2,2間に金属又は金属化合物の薄膜層3を備えた構成、図1(b)の断面模式図に示すような同一素材からなる上下3層の合成樹脂薄膜体2,2,2間に金属又は金属化合物の薄膜層3,3を備えた構成、図1(c)の断面模式図に示すような同一素材からなる上下2層の合成樹脂薄膜体2,2間に2層の金属又は金属化合物の薄膜層3,3を備えた構成等を適宜採用することができる。
すなわち、本発明の積層薄膜体1は、同一素材からなる上下複数の合成樹脂薄膜体2,2,…間に金属又は金属化合物の薄膜層3を備えてなるものである。
ここで、合成樹脂薄膜体2を蒸着が可能なものとして蒸着により金属又は金属化合物の薄膜層3を設けることが好ましく、図1(a)の構成では、同一素材からなる蒸着が可能な2枚の合成樹脂薄膜体2,2の一方の片面に金属又は金属化合物の薄膜を蒸着し、この金属又は金属化合物の薄膜層3が内側になるようにして貼り合わせている。
また、図1(b)の構成では、同一素材からなる上下3層の合成樹脂薄膜体2,2,2の最上層の合成樹脂薄膜体2の下面及び最下層の合成樹脂薄膜体2の上面に金属又は金属化合物の薄膜を蒸着するか、あるいは、中間層の合成樹脂薄膜体2の両面に金属又は金属化合物の薄膜を蒸着するようにして、上下3層の合成樹脂薄膜体2,2,2を貼り合わせている。
さらに、図1(c)の構成では、同一素材からなる蒸着が可能な2枚の合成樹脂薄膜体2,2の両方の片面に金属又は金属化合物の薄膜を蒸着し、これらの金属又は金属化合物の薄膜層3,3が内側になるようにして貼り合わせている。
蒸着が可能な合成樹脂薄膜体(合成樹脂フィルム)としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ホモポリマーフィルム、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー等のポリオレフィン系共重合体フィルム、ポリ塩化ビニール等の塩化ビニール系樹脂フィルム、耐衝撃ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂フィルム、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂フィルム、等が挙げられる。この中でも、より好ましいのは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ナイロン6、ナイロン66等、特に好ましいのは、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムが挙げられる。そして、これらフィルムは、延伸したもの、延伸しないもののいずれもが使用でき、延伸フィルムと無延伸フィルムを併用することもできる。強度の点からは延伸(1軸延伸、2軸延伸)したものが好ましく、伸びの点からは無延伸のものが好ましい。
図1(a)のような同一素材からなる蒸着が可能な2枚の合成樹脂薄膜体2,2の一方に金属又は金属化合物の薄膜を蒸着し、この金属又は金属化合物の薄膜層3が内側になるようにして貼り合わせてなる最も簡素な構成において、2軸延伸して蒸着した合成樹脂薄膜体2と2軸延伸するが蒸着しない合成樹脂薄膜体2とを積層するのが好ましい例であるが、1軸延伸して蒸着した合成樹脂薄膜体2と、1軸延伸するが蒸着しない合成樹脂薄膜体2を使用する際には、延伸方向を90°変えて積層するのが、表裏の温度差によりカールを起こさないようにする上で好ましい。なお、延伸せずに蒸着した合成樹脂薄膜体2と、延伸も蒸着もしない合成樹脂薄膜体2とを積層してもよいし、一方の、蒸着するかあるいは蒸着しない、延伸した合成樹脂薄膜体2と、他方の、蒸着しないかあるいは蒸着した、延伸しない合成樹脂薄膜体2とを積層することもできる。
ここで、蒸着する物質としては、アルミニウム、銅、チタンなどの金属、酸化ケイ素などの金属化合物があるが、特に金属蒸着が好ましく、中でもアルミニウム蒸着が蒸着のし易さ、性能の面から最も好ましい。
また、蒸着により金属又は金属化合物の薄膜層3が付着した合成樹脂薄膜体2と蒸着しない合成樹脂薄膜体2とを積層して積層薄膜体1を製作する際には、熱接着により貼り合わせてもよいし接着剤で接着して貼り合わせてもよい。接着剤で接着する場合には、耐水性の接着剤を使用するのが好ましく、市販の接着剤を良好に使用することができ、例えばウレタン系接着剤が好ましい。
次に、積層薄膜体1の使用例について説明する。
図2の縦断面図に示すように、輸送容器6は、例えば発泡合成樹脂製の容器本体7と容器本体7の開口部上面に被せる発泡合成樹脂製の蓋体8とからなる略直方体状のものであり、容器本体7内に保冷材である砕氷10を入れ、平面視略矩形状の積層薄膜体1を、容器本体7の開口部全面を覆うように、容器本体7の側壁内面との間に隙間を設けることなく砕氷10上に載置し、積層薄膜体1上に収容物である鮮魚9を載置した後、蓋体8が被せられる。
なお、保冷材は、砕氷10ではなく、ドライアイス又は蓄冷材等であってもよい。
ここで、積層薄膜体1と容器本体7の側壁内面とは、これらの間の隙間をなくした方が保冷時間を長くするために好ましい実施態様であるが、要求される仕様によっては、ある程度の前記隙間があってもよい。
積層薄膜体1は、図1のように同一素材からなる上下複数の合成樹脂薄膜体2,2,…間に金属又は金属化合物の薄膜層3を備えるように構成されていることから金属又は金属化合物の薄膜層3が露出しないため、収容物である鮮魚9との接触や摩擦等による金属又は金属化合物の薄膜層3の損傷を避けることができる。
輸送容器6は、発泡性合成樹脂を型内成形等の成形手段で発泡成形して得られる合成樹脂発泡体で形成されるのが好ましく、そのための発泡合成樹脂としては、発泡ポリスチレン系樹脂、発泡ポリエチレン系樹脂、発泡ポリプロピレン系樹脂等の発泡ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン変性発泡ポリエチレン等のポリスチレン変性発泡ポリオレフィン系樹脂、硬質発泡ウレタン系樹脂等を用いることができるが、中でも発泡ポリスチレンがコスト等の点から好ましい。
また、輸送容器6は、その形状を問わないが、収容物の多様性に適合し易く、取り扱い易いため、直方体状であるのが好ましい。
積層薄膜体1は、上述の構成であり、平面視略矩形状の積層薄膜体1,1,…を長手方向に繋げたような、例えば図3の平面図及び図4の斜視図に示すような長尺の帯状積層薄膜体Aが製作され、この帯状積層薄膜体Aを所望長さに切断することにより積層薄膜体1として使用される。
帯状積層薄膜体Aは、例えば、同一素材からなる蒸着が可能な2枚の帯状合成樹脂薄膜体の一方の片面に蒸着により金属又は金属化合物の薄膜層3を付着させてから真空チャンバー内から取り出し、金属又は金属化合物の薄膜層3が内側になるように他方の帯状合成樹脂薄膜体と重ね合わせながら貼り合わせて形成され、その際に芯体5に巻回するように巻き取ることにより図4に示すようなロール状の形態になる。
また、積層薄膜体1,1,…を製作する際に形成される帯状積層薄膜体Aが薄膜体であることから、図3に示すような切断用のミシン目4,4,…を帯状積層薄膜体Aの長尺方向の所定間隔ごとに設けることができるため、ミシン目4,4,…で切断しながら積層薄膜体1,1,…を使用することができる。
なお、このようなミシン目4,4,…は、ミシン目カッター等による一般的な方法により容易に形成することができる。
このような幅方向切断用ミシン目4,4,…を安価に、効率よく設けるには、積層薄膜体1の厚み等の制限があり、例えば50μm以下、好ましくは40μm以下の厚みであることが好ましい。このことから、5〜25μm程度、好ましくは7〜20μm程度、より好ましくは10〜20μm程度の厚さの帯状合成樹脂薄膜体を使用すればよい。
図5の縦断面図に示すように、平面視略矩形状の積層薄膜体1を容器本体7の開口部面積より大きくして、その4辺を折り曲げた状態として容器本体7の側壁内面に添わせるようにすることにより、側壁内面との隙間を確実になくすことができるため保冷時間をより長くすることができるとともに、輸送時の振動や傾き等による積層薄膜体1の偏りを抑制して信頼性を高くすることができる。
また、図6の縦断面図に示すように、容器本体7の底面上に略矩形状の積層薄膜体1を敷設した状態でその上に保冷材である砕氷10を収容し、さらにその上から略矩形状の積層薄膜体1を、その4辺を折り曲げた状態として容器本体7の側壁内面に添わせるようにして、砕氷10に接触して容器本体7の開口部を広く覆うように載置し、積層薄膜体1上に収容物である鮮魚9を載置した後、蓋体8を被せるようにしてもよい。
さらに、図7の縦断面図に示すように、図6の構成に加えて、収容物である鮮魚9と蓋体8との間にも積層薄膜体1を設ける構成としてもよい。
図6の構成によれば、底面上に敷設した積層薄膜体1により、図5の構成よりも断熱性が高くなるため保冷時間が長くなり、図7の構成によれば、鮮魚9と蓋体8との間に設けた積層薄膜体1により、図6の構成よりも断熱性が高くなるため保冷時間がさらに長くなる。
<実験例1>
下記(1)の発泡合成樹脂製の輸送容器を用い、その容器本体内に保冷材としての氷を収容し、本願発明の図1(a)の構成である下記(2)の積層薄膜体(実施例1)を氷に接触させて容器本体の開口部を覆い、蓋体を被せた状態として、下記(3)の実験条件で輸送容器を24時間静置した後の氷残重量を測定するとともに実験後の積層薄膜体を観察した。
また、下記(1)の発泡合成樹脂製の輸送容器を用い、その容器本体内に保冷材としての氷を収容し、積層薄膜体で覆わずに蓋体を被せた状態として、下記(3)の実験条件で輸送容器を24時間静置した後の氷残重量を測定した(比較例1)。
(1)輸送容器の寸法及び重量
長さ:500mm、幅:340mm
輸送容器高さ:265mm、本体高さ:223mm
側壁の厚み:30mm、底壁の厚み:23mm
容器本体重量:314〜319g、蓋体重量:87g
(2)実施例1(図1(a)の構成である積層薄膜体の諸元)
長さ:約440mm、幅:約270mm
合成樹脂薄膜体:16μm厚の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
金属薄膜層:1nm(10Å)厚のアルミニウム
接着剤:ウレタン系接着剤
(3)実験条件
実験開始時の氷:−20℃の氷3.5kg
輸送容器の環境:温度を約35℃に設定した乾燥室
(実験結果)
積層薄膜体が無い比較例1の2個の輸送容器についての実験で、前記氷残重量は、夫々0g、26.8gであった。
これに対して実施例1の積層薄膜体を用いた2個の輸送容器についての実験では、前記氷残重量は、夫々178.4g、316.2gであり、約35℃の環境において24時間経過後であっても、比較例1よりも大幅に多量の氷が残存していること、及び、実験後に積層薄膜体はカールしておらず、容器本体の開口部を広く覆った状態を保持していることを確認できた。
<実験例2>
下記(1)の発泡合成樹脂製の輸送容器を用い、その容器本体内に保冷材としての氷を収容し、本願発明の図1(a)の構成である下記(2)の積層薄膜体(実施例2)を氷に接触させて容器本体の開口部を覆い、蓋体を被せた状態として、下記(4)の実験条件で輸送容器を24時間静置した後の氷残重量及び水温を測定するとともに実験後の積層薄膜体を観察した。
また、下記(1)の発泡合成樹脂製の輸送容器を用い、その容器本体内に保冷材としての氷を収容し、本願発明の図1(a)の構成である下記(3)の積層薄膜体(実施例3)を氷に接触させて容器本体の開口部を覆い、蓋体を被せた状態として、下記(4)の実験条件で輸送容器を24時間静置した後の氷残重量及び水温を測定するとともに実験後の積層薄膜体を観察した。
さらに、下記(1)の発泡合成樹脂製の輸送容器を用い、その容器本体内に保冷材としての氷を収容し、積層薄膜体で覆わずに蓋体を被せた状態として、下記(4)の実験条件で輸送容器を24時間静置した後の氷残重量及び水温を測定した(比較例2)。
(1)輸送容器の寸法及び重量
長さ:550mm、幅:350mm
輸送容器高さ:245mm、本体高さ:220mm
側壁の厚み:25mm、底壁の厚み:20mm
容器本体重量:194〜198g、蓋体重量:63.6〜63.8g
(2)実施例2(図1(a)の構成である積層薄膜体の諸元)
長さ及び幅:容器本体の内寸よりも大きく形成して図5のように4辺を折り曲げて容器本体の側壁内面に添わせるように密着させた状態にした。
合成樹脂薄膜体:10μm厚の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
金属薄膜層:1nm(10Å)厚のアルミニウム
接着剤:ウレタン系接着剤
(3)実施例3(図1(a)の構成である積層薄膜体の諸元)
長さ及び幅:容器本体の内寸よりも約20mm小さく形成して、その周囲を側壁各内面から約10mm離間させた状態にした。
合成樹脂薄膜体:10μm厚の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
金属薄膜層:1nm(10Å)厚のアルミニウム
接着剤:ウレタン系接着剤
(4)実験条件
実験開始時の氷:−20℃の氷4.5kg
輸送容器の環境:温度を約35℃に設定した乾燥室
(実験結果)
積層薄膜体が無い比較例2の輸送容器についての実験で、前記氷残重量は0g、水温は5℃であった。
これに対して実施例2の積層薄膜体を用いた輸送容器についての実験では、前記氷残重量は244.4g、水温は1℃、実施例3の積層薄膜体を用いた輸送容器についての実験では、前記氷残重量は194.4g、水温は1℃であり、約35℃の環境で24時間経過後において、比較例2では前記氷残重量が無くなって水温が上昇しているのに対して、実施例2及び3では多量の氷が残存していること、及び、実施例2のように積層薄膜体の4辺を折り曲げた状態として容器本体の側壁内面に添わせるように密着させたものの方が、実施例3のように積層薄膜体の周囲を側壁内面から離間させたものよりも前記氷残重量がかなり多い(約26%多い)こと、並びに、実験後に積層薄膜体はカールしておらず、容器本体の開口部を広く覆った状態を保持していることを確認できた。
<実験例3>
実験例2と同じ発泡合成樹脂製の輸送容器を用い、その容器本体内に保冷材としての氷を収容し、本願発明の図1(a)の構成である上記実施例2の4辺を折り曲げて容器本体の側壁内面に添わせるように密着させた状態にした積層薄膜体を氷に接触させて容器本体の開口部を覆い、蓋体を被せた状態として、下記(2)の実験条件で容器本体内の保冷材上方の温度変化を測定した(図8の「積層薄膜体」)。
また、実験例2と同じ発泡合成樹脂製の輸送容器を用い、その容器本体内に保冷材としての氷を収容し、下記(1)の容器本体の内寸よりも小さい発泡体シート(比較例3)を氷に接触させて容器本体の開口部を覆い、蓋体を被せた状態として、下記(2)の実験条件で容器本体内の保冷材上方の温度変化を測定した(図8の「発泡体シート」)。
さらに、実験例2と同じ発泡合成樹脂製の輸送容器を用い、その容器本体内に保冷材としての氷を収容し、積層薄膜体や発泡体シートで覆わずに蓋体を被せた状態として、下記(2)の実験条件で容器本体内の保冷材上方の温度変化を測定した(比較例4:図8の「ブランク」)。
なお、容器本体内の温度測定位置は、容器本体の短辺側側壁内面中央から約30mm内方で、保冷材上面から上方へ約10mm離間した位置とした。
(1)比較例3(発泡体シートの諸元)
長さ及び幅:容器本体の内寸よりも約20mm小さく形成して、その周囲を側壁各内面から約10mm離間させた状態にした。これは、発泡体シートは断熱効果が大きいことから、発泡体シート上の収容物を保冷するためには、発泡体シートによって上下の空間が遮断されないように保冷材の冷気を上側へ移動させる必要があるためである。
厚み:1mm
(2)実験条件
実験開始時の氷:−20℃の氷3.5kg
輸送容器の環境:温度を約35℃に設定した乾燥室
(実験結果)
実施例2の積層薄膜体により保冷材である氷の上面を覆った場合(図8の「積層薄膜体」)、比較例3の発泡体シートにより保冷材である氷の上面を覆った場合(図8の「発泡体シート」)及び比較例4の積層薄膜体及び発泡体シートの何れも設けない場合(図8の「ブランク」)を比較した図8の経過時間に対する温度変化の測定結果に示すように、ブランクよりも積層薄膜体及び発泡体シートの方が保冷時間、すなわち、温度が上昇するまでの経過時間(氷が融解する時間)が長い。温度が上昇するまでの経過時間(氷が融解する時間)は、ブランクが約1040分であるのに対して、発泡体シートが約1210分、積層薄膜体が約1250分であり、積層薄膜体は、ブランクよりも約3時間30分も長く、発泡体シートに対しても約40分長い。これはあくまで空間の温度であるが、氷が長時間存在することで、積層薄膜体直近の、より低温域にある魚介類の保冷時間が長くなると考えられる。
また、積層薄膜体は、発泡体シートのように断熱効果が大き過ぎることがないため、発泡体シートのように容器本体の側壁内面との間に隙間を設ける必要がない。
容器本体内の氷の前記温度測定位置における温度は、積層薄膜体の方が、発泡体シートよりもよりマイルドな温度環境を長時間保持できる。
<実験例4>
実験例2及び3と同じ発泡合成樹脂製の輸送容器を用い、その容器本体内に保冷材としての氷を収容し、本願発明の図1(a)の構成である上記実施例2の4辺を折り曲げて容器本体の側壁内面に添わせるように密着させた状態にした積層薄膜体を氷に接触させて容器本体の開口部を覆い、その上に収容物である鮮魚を載置して蓋体を被せた状態とし、下記(1)の実験条件で24時間経過後における鮮魚の外観を観察した。
(1)実験条件
実験開始時の氷:−20℃の氷4.5kg
輸送容器の環境:温度を約35℃に設定した乾燥室
(実験結果)
鮮魚の表面に氷焼け(変色)は見当たらなかった。
以上のような輸送容器6内に収容する収容物(例えば、鮮魚9)と保冷材(例えば、砕氷10)との間に介在させる積層薄膜体1の構成によれば、同一素材からなる上下複数の合成樹脂薄膜体2,2,…間に金属又は金属化合物の薄膜層3を備えたものとしているので、積層薄膜体1の表裏の熱膨張係数が同じであることから、薄膜体でありながら保冷材に接触してもカールすることがない。
したがって、このような積層薄膜体1は、容器本体7の開口部を覆った状態で収容物と保冷材との間に介在し続けるため、保冷時間を長くすることができる。
また、同一素材からなる上下複数の合成樹脂薄膜体2,2,…間に金属又は金属化合物の薄膜層3を備えた積層薄膜体1であるので、特許文献1の発泡体シートのように断熱効果が大き過ぎるため容器本体7の側壁内面との間に隙間を設ける必要があるものとは異なり、容器本体7の側壁内面との間に隙間を設けることなく収容物の保冷をすることができるとともに、氷焼けを防止するための所要の断熱性を容易に確保することができる。
さらに、比較的厚い発泡体シートではなく薄膜体であることから、例えば矩形状の積層薄膜体1が、それぞれの輸送容器6,6,…の寸法より喩え大きかったとしても、保冷材に良好に密着すると共に、容器本体7の側壁にも自然に密着するので、現場で容易に適合させることができ、大まかなサイズの薄膜体1を用意しておけば多種のサイズの輸送容器6,6,…に採用することができるため、製造コストを低く抑えることができるとともに、時間との戦いである収容物を輸送容器6,6,…内へ収容する現場における作業性が高いため実用性が向上する。
さらにまた、上下複数の合成樹脂薄膜体2,2,…間に金属又は金属化合物の薄膜層3を備えた構成であることから、輸送容器6内にセットする際に表裏の区別を意識することなく作業をすることができるため作業効率が向上する。
また、比較的厚い発泡体シートではなく薄膜体であることから、容器本体7内で専有するスペースが非常に小さくなる。
さらに、薄膜体であることから、図4のように芯体5に巻回してロール状にした状態で使用に供することができるので、省スペース化を図ることができるため運搬及び保管効率が高くなる。
さらに、積層薄膜体1が同一素材からなる蒸着が可能な2枚の合成樹脂薄膜体2,2の一方に金属又は金属化合物の薄膜を蒸着し、この薄膜層3が内側になるようにして貼り合わせてなる、例えば図1(a)のような構成であると、積層薄膜体1をより簡素な構成で実現することができるため、製造コストを低減することができる。
また、合成樹脂薄膜体2を、アルミニウム等の金属蒸着に耐えられる良好な耐熱性を有しながら断熱性が高く、強度や耐摩耗性にも優れるとともに比較的低価格なポリエステル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂にすると、積層薄膜体1のコストパフォーマンスが高くなる。
さらに、図3及び図4のように積層薄膜体1を製作する際に形成される帯状積層薄膜体Aに、その長尺方向の所定間隔ごとに幅方向切断用ミシン目4,4,…を設けてなると、ミシン目4,4,…の箇所で容易かつ確実に幅方向に切断することができるという利便性があるので、このミシン目4,4,…で千切った積層薄膜体1,1,…を容器本体7の開口部を覆うように容易にセットして使用することができるため、その作業性が非常に高くなる。
さらにまた、図6及び図7のように容器本体7の底面上に積層薄膜体1を敷設することにより、断熱性が高くなることから保冷時間が長くなるため、より長時間の輸送が可能になり、図7のように収容物(鮮魚9)と蓋体8との間にも積層薄膜体1を設けることにより、断熱性がさらに高くなることから保冷時間がさらに長くなるため、さらに長時間の輸送が可能になる。
以上の説明においては、保冷材が下側で収容物が上側である場合を示したが、下側に位置する収容物と上側に位置する保冷材との間に積層薄膜体1を介在させてもよい。
また、以上の説明においては、輸送容器6が保冷容器である場合について説明したが、輸送容器6は保温容器であってもよく、その際には輸送容器内に蓄熱材等の保温材が収容される。
A 帯状積層薄膜体
1 積層薄膜体
2 合成樹脂薄膜体
3 金属又は金属化合物の薄膜層
4 幅方向切断用ミシン目
5 芯体
6 輸送容器
7 容器本体
8 蓋体
9 鮮魚(収容物)
10 砕氷(保冷材)

Claims (8)

  1. 輸送容器内に収容する収容物と保冷材又は保温材との間に介在させる積層薄膜体であって、
    同一素材からなる上下複数の合成樹脂薄膜体間に金属又は金属化合物の薄膜層を備えるとともに、両外面には前記薄膜層が無く、表裏の熱膨張係数を同じにしてなることを特徴とする積層薄膜体。
  2. 同一素材からなる蒸着が可能な2枚の合成樹脂薄膜体の一方に金属又は金属化合物の薄膜を蒸着し、この薄膜層が内側になるようにして貼り合わせてなる請求項1記載の積層薄膜体。
  3. 前記合成樹脂薄膜体がポリエステル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂からなる請求項1又は2記載の積層薄膜体。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の積層薄膜体を製作する際に形成される帯状積層薄膜体であって、その長尺方向の所定間隔ごとに幅方向切断用ミシン目を設けてなる帯状積層薄膜体。
  5. 容器本体と蓋体とからなる輸送容器の前記容器本体内に保冷材又は保温材を収容し、同一素材からなる上下複数の合成樹脂薄膜体間に金属又は金属化合物の薄膜層を備えるとともに、両外面には前記薄膜層が無く、表裏の熱膨張係数を同じにしてなる積層薄膜体を前記保冷材又は保温材に上方から接触させ、前記積層薄膜体上に収容物を載置し、前記蓋体を被せた状態で前記収容物を輸送することを特徴とする積層薄膜体を備えた輸送方法。
  6. 容器本体と蓋体とからなる輸送容器の前記容器本体内に収容物を収容し、同一素材からなる上下複数の合成樹脂薄膜体間に金属又は金属化合物の薄膜層を備えるとともに、両外面には前記薄膜層が無く、表裏の熱膨張係数を同じにしてなる積層薄膜体を前記収容物に上方から接触させ、前記積層薄膜体上に保冷材又は保温材を載置し、前記蓋体を被せた状態で前記収容物を輸送することを特徴とする積層薄膜体を備えた輸送方法。
  7. 前記容器本体の底面上に前記積層薄膜体を敷設してなる請求項5又は6記載の積層薄膜体を備えた輸送方法。
  8. 前記容器本体内に収容した収容物及び保冷材又は保温材と前記蓋体との間に前記積層薄膜体を設けてなる請求項5〜7の何れか1項に記載の積層薄膜体を備えた輸送方法。
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