JP2523254Y2

JP2523254Y2 - 生鮮食料品用のダンボール容器

Info

Publication number: JP2523254Y2
Application number: JP1993058270U
Authority: JP
Inventors: 中路幸治郎
Original assignee: 株式会社三幸
Priority date: 1993-10-01
Filing date: 1993-10-01
Publication date: 1997-01-22
Anticipated expiration: 2007-01-22
Also published as: JPH0722920U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、鮮魚や野菜等の生鮮食
料品の輸送等に利用される容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】鮮魚や野菜等の生鮮食料品は、外気の温
度や湿度等の影響を受けることにより、変質し易いた
め、耐水性、断熱性、防湿性等を有する容器に収納する
ことが必要であり、従来から、木箱、プラスチック容器
等が種々使用されてきたが、一長一短があり、最近で
は、断熱性に富み、軽量である発泡スチロールの容器を
使用することが多くなってきた。しかし、発泡スチロー
ルは、使用後の処理が困難であり、環境破壊やゴミ公害
等の問題が生じてきた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、無公害で、
家庭ゴミとして処理できる紙を使用して、生鮮食料品の
輸送等に効率よく使用できる、安定して積み重ね可能な
容器を提供することを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案では、特殊なダン
ボールを使用することによって、上記課題を解決した。
即ち、本考案の容器は、ダンボールを折り曲げて箱本体
を形成した箱型容器であるが、箱本体の側壁を、ダンボ
ールの折り曲げにより、外壁と内壁の間に３〜１５ｍｍ
の空間を形成するように形成しており、このダンボール
を表面紙に耐水性樹脂を含浸した含浸紙を使用した耐水
性ダンボールからなるものとし、更に箱本体の底面に、
表面が耐水性を有する紙製の耐水性シートを着脱自在に
敷くことにより、全体に安定して耐水性及び断熱性を有
するものとなっているが、更に、本考案の容器は、
（１）箱本体の底裏面の中央部に、箱本体の開口部に適
合性よく挿入可能な、耐水性ある厚紙体を取り付ける
か、又は、（２）蓋体を設け、この蓋体の上面の中央部
に、箱本体の開口部に適合性よく挿入可能な、耐水性あ
る厚紙体を取り付けることにより、容器を安定して積み
重可能としている。

【０００５】本考案の箱本体を構成するダンボールは、
二枚の紙の間に波型紙を挟んだ通常のダンボール形状を
とるものであってよいが、少なくとも表面紙が耐水性樹
脂の含浸により、耐水性あるものとされているものを使
用することが重要である。

【０００６】耐水性樹脂を含浸させた紙は、表面だけで
なく、断面も耐水性を有するものとなるため、このよう
なダンボールを折り曲げて形成した箱本体は、全体に耐
水性に富むものとなり、非常に扱い易いものとなる。即
ち、本考案の箱本体は、このようなダンボールの折り曲
げにより、その耐水性ある面（樹脂含浸した表面紙側）
を、底裏面（外部露出面）、外壁及び内壁に露出させる
ことができるのである。

【０００７】なお、箱本体の底面は、ダンボールの裏面
紙が露出するが、この上には、耐水性シートを敷いてい
る。この耐水性シートとしても、勿論紙を使用するもの
であるが、これは一枚の紙からなるものであっても、ま
た、紙の積層体やダンボール構造からなるものであって
もよい。少なくとも表面を耐水性樹脂で処理したもので
あればよいが、表裏両面を耐水性樹脂で処理したものを
使用するのが好ましく、また、断熱性という面から、中
間緩衝材がハニカム構造を有するハニカム式ダンボール
を使用するのが特に好ましい。このハニカム式ダンボー
ルは少なくとも表面紙の表面が耐水性樹脂処理されてお
ればよいが、箱本体を構成するダンボールと同様、耐水
性樹脂を含浸した含浸紙を表面紙又は表裏両面の紙に使
用するのが好ましい。なお、ハニカム式ダンボールは、
耐水性を増強するために、表面紙及び／又は裏面紙に、
中間に金属箔層を有する積層紙を使用してもよい。

【０００８】次に、本考案の容器は、全体に空気層を有
するダンボールから形成されるだけでなく、箱本体の側
壁に一定厚さの空間を設けているため、非常に断熱効果
に優れるものとなる。この空間には、ハニカム式ダンボ
ールを挿入することにより、形状安定性と断熱性を、よ
り高めることができる。このハニカム式ダンボールは、
耐水性あるダンボール（箱本体の外壁と内壁）で覆われ
るため、特に耐水性を有するものでなくてもよいが、前
記耐水性シートとして使用するハニカム式ダンボールと
同様に耐水性処理したものを使用するのが好ましい。

【０００９】なお、本考案の容器は、箱本体と同様のダ
ンボールを折り曲げて形成した、箱本体に適合する蓋体
を有するものであってもよく、この蓋体の内部上面に
も、断熱性及び耐水性を高めるために、前記耐水性シー
トとして使用するハニカム式ダンボールと同様のハニカ
ム式ダンボールを挿入するのが好ましい。

【００１０】更に、本考案では、容器を積み重ね可能と
するために、箱本体の底裏面又は蓋体上面に厚紙体を取
り付けるが、この厚紙体は、耐水性ある紙で箱体を形成
し、その中に、ハニカム式ダンボールを挿入して、耐水
性及び断熱性に富むものとするのが好ましい。

【００１１】なお、表面に耐水性を有する紙を折り曲げ
て形成した中箱を、箱本体の内部に挿入し、この中箱の
底面が、前記耐水性シートとして機能するようにしても
よい。この種の中箱の使用で、箱本体を構成するダンボ
ールの裏面が露出するのを完全に防止できるので、容器
の耐水性を、確実にすることができるだけでなく、容器
内部の清潔性を高め、食品加工品をも直接容器内に保存
することが可能となる。断熱性を高めるために、箱本体
の底にハニカム式ダンボールを置き、その上に中箱を置
いたり、また、中箱内に耐水性あるハニカム式ダンボー
ルを挿入してもよい。

【００１２】ここに、ハニカム式ダンボールとは、中央
緩衝材が、蜂の巣状に多数の独立した空間を形成するよ
うに形成されたものであればよく、この空間の形状は、
円形であっても、多角形であってもよい。

【００１３】

【実施例】次に、本考案の実施例を図面に従って説明す
るが、まず、実施例１〜５として、本考案で使用する容
器（箱本体の底裏面又は蓋体の上面に厚紙体を取り付け
る前の容器）を例示し、実施例６及び７に、本考案に従
って、これらに厚紙体を取りつけ積み重ね可能とした容
器を例示する。実施例１図１の容器は、箱本体１を、厚さ１．５ｍｍのダンボー
ル２を折り曲げて形成したものであり、箱本体１の側壁
は、ダンボール２の折り曲げにより、外壁３と内壁４の
間に１２ｍｍの空間５を形成するように形成されてい
る。ダンボール２の表面紙６は、アクリル系の樹脂エマ
ルジョンの含浸により全体に耐水性を付与した含浸紙か
らなるものであり、箱本体１の底面に載置した耐水性シ
ート７としては、表面紙６ａ及び裏面紙１３として、ア
クリル系の樹脂エマルジョンの含浸により全体に耐水性
を付与した含浸紙を使用し、中間緩衝材８ｂをハニカム
構造とした耐水性あるハニカム式ダンボール９（厚さ１
０ｍｍ）−図８参照−を使用している。また、箱本体１
の外壁３と内壁４の間の空間５にも、同様のハニカム式
ダンボール９が挿入されている。この容器は、耐水性及
び断熱性に優れるため、鮮魚の輸送に発泡スチロール容
器と同様に使用できた。なお、ハニカム式ダンボール９
の表面紙６ａとして、中間に金属箔層を有する積層紙を
使用することにより、更に断熱性及び耐水性を高めるこ
とができた。

【００１４】実施例２図１の容器に、更に図２の如き蓋体１１を設けることに
より、生鮮食料品の長期保存も可能となる。この蓋体１
１は、箱本体１と同様のダンボール２を折り曲げて形成
されており、蓋体１１の内部上面には、箱本体１の底面
に載置したと同様の耐水性あるハニカム式ダンボール９
が挿入されている。

【００１５】実施例３図３の容器は、図１の箱本体１の内部に、表面に耐水性
を有する紙を折り曲げて形成した中箱１５を挿入したも
のである。中箱１５の存在により、容器内部が完全に耐
水性ある面で覆われるので、より完全な状態で、生鮮食
料品の貯蔵及び輸送が可能となる。また、羊羹などを中
箱１５内で形成し、それを箱本体１に入れて貯蔵、輸送
することも可能である。

【００１６】実施例４図４の容器は、耐水性シート７として、表裏共に防水加
工したボール紙１０を使用し、箱本体１の側壁の空間５
を空洞のままにしたものである。この容器に、生鮮野菜
を入れて輸送したところ、生鮮野菜は傷つくことなく、
新鮮な状態で輸送できた。

【００１７】実施例５図５の容器は、表面がアルミ箔で覆われた中箱１６を、
その底面１７が、実施例１の容器の箱本体１の底に接
し、側面１８が外壁３に接するように配置したものであ
る。中箱１６表面のアルミ箔の存在により、容器内部の
耐水性及び断熱性は、非常に向上するものであり、扱い
易いものとなる。

【００１８】実施例６図６の容器は、箱本体１の底裏面の中央部に、箱本体１
の開口部に適合性よく挿入可能な、厚紙体１２を取り付
け、この厚紙体１２の開口部への挿入により、容器を密
閉した状態で、安定して積み重ねを可能としたものであ
る。なお、この例の厚紙体１２は、耐水性ある紙１４で
箱体を形成し、その中に、ハニカム式ダンボール９を挿
入し、断熱性あるものとしている。

【００１９】実施例７図９の容器は、箱本体１の蓋体１１の上面の中央部に、
箱本体１の開口部に適合性よく挿入可能な、厚紙体１２
を取り付け、容器を、蓋体１１を箱本体１の下にして、
容器の積み重ねを可能としたものである。この容器は、
番重として、非常に利用し易いものである。

【００２０】なお、上記各実施例の容器において、箱本
体１を製造するのに使用したダンボール２は、図７に示
すように、中間緩衝材８ａが波型をなす、通常のダンボ
ールであり、ハニカム式ダンボール９は図８に示すよう
に、中間緩衝材８ｂが、ハニカム状に形成されたもので
ある。

【００２１】

【考案の効果】本考案の容器は、紙製であるので、その
後処理が容易で、環境汚染を心配することなく、また、
箱本体の底裏面又は蓋体の上面に設けた厚紙体を箱本体
の開口部に適合させて、安定して容器を積み重ねて使用
できるので、非常に扱い易い。また、耐水性及び断熱性
に優れるため、生鮮食料品の輸送等に効率よく使用でき
る。例えば、本考案の容器にブドウや野菜を入れて、輸
送した場合、ブドウ等は、収納時と同様に、長期間新鮮
な状態に保たれた。更に、本考案の容器は、に氷を入れ
て、鮮魚用のトロ箱としても使用可能であり、また、冷
凍室に入れても、安定して、使用できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案で使用する容器の一例を示すものであ
り、Ａは斜視図、Ｂは断面図である。

【図２】本考案で使用する容器の一例を示す断面図であ
る。

【図３】本考案で使用する容器の一例を示す断面図であ
る。

【図４】本考案で使用する容器の一例を示す断面図であ
る。

【図５】本考案で使用する容器の一例を示す断面図であ
る。

【図６】本考案の製品の一例を示す断面図である。

【図７】図１の容器の箱本体を構成するダンボールの断
面図である。

【図８】図１の容器で使用するハニカム式ダンボールの
部分的に破断した斜視図である。

【図９】本考案の製品の一例を示すもので、Ａは容器の
斜視図、Ｂは２個の容器を積み重ねた状態の断面図であ
る。

【符号の説明】

１箱本体２ダンボール３外壁４内壁５空間６表面紙６ａ表面紙７耐水性シート８ａ中間緩衝材８ｂ中間緩衝材９ハニカム式ダンボール１０ボール紙１１蓋体１２厚紙体１５中箱

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】箱型をなす容器であって、箱本体１が、
ダンボール２を折り曲げて形成されており、箱本体１の
側壁が、上記ダンボール２の折り曲げにより、外壁３と
内壁４の間に３ｍｍ以上の空間５を形成するように形成
されていること、上記ダンボール２が表面紙６に耐水性
樹脂を含浸した含浸紙を使用した耐水性ダンボールから
なること、箱本体１の底面に、表面が耐水性を有する紙
製の耐水性シート７が着脱自在に敷かれていること、及
び箱本体１の底裏面の中央部に、箱本体１の開口部に適
合性よく挿入可能な、耐水性ある厚紙体１２が取り付け
られていることを特徴とする生鮮食料品用のダンボール
容器。
【請求項２】箱型をなす容器であって、箱本体１が、
ダンボール２を折り曲げて形成されており、箱本体１の
側壁が、上記ダンボール２の折り曲げにより、外壁３と
内壁４の間に３ｍｍ以上の空間５を形成するように形成
されていること、上記ダンボール２が表面紙６に耐水性
樹脂を含浸した含浸紙を使用した耐水性ダンボールから
なること、箱本体１の底面に、表面が耐水性を有する紙
製の耐水性シート７が着脱自在に敷かれていること、及
び上記耐水性ダンボール２を折り曲げて、箱本体１に適
合する蓋体１１が形成されており、かつ、上記蓋体１１
の上面の中央部に、箱本体１の開口部に適合性よく挿入
可能な、耐水性ある厚紙体１２が取り付けられているこ
とを特徴とする生鮮食料品用のダンボール容器。