JP2019137458A - 断熱容器、及び断熱容器を用いた運搬方法 - Google Patents

断熱容器、及び断熱容器を用いた運搬方法 Download PDF

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【課題】断熱性能の向上を実現する。【解決手段】本発明の断熱容器(10)は、内側断熱層(11a)と外側断熱層(11c)との間に真空断熱層(11b)が配された、少なくとも3層の積層構造を有する壁部を有し、真空断熱層(11b)は、内側断熱層(11a)側および外側断熱層(11c)側の少なくとも一方から押圧され、かつ内側断熱層(11a)および外側断熱層(11c)の両方と密着した状態で挟持されている。【選択図】図3

Description

本発明は、断熱容器、及び断熱容器を用いた運搬方法に関する。
従来、医薬品、医療機器、細胞、検体、臓器、化学物質または食品等の物品を保温した状態で運搬するのに用いられる断熱容器が知られている。例えば、特許文献1に開示された断熱容器は、容器本体の壁部が、真空断熱材で形成した中央断熱層と中央断熱層の両面に設けられた内側断熱層及び外側断熱層とで構成した3重断熱層を備えた構成となっている。
特開2013-10524号公報
しかしながら、特許文献1に開示された断熱容器は、断熱性能を向上させる点で、改善の余地がある。
本発明の一態様は、断熱性能が向上した断熱容器及び断熱容器を用いた運搬方法を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の態様1に係る断熱容器は、容器本体と、前記容器本体の内部に配された蓄熱材と、を備え、前記容器本体の壁部は、内側断熱層と外側断熱層との間に真空断熱層が配された、少なくとも3層の積層構造を有し、前記積層構造では、前記真空断熱層は、前記内側断熱層側および前記外側断熱層側の少なくとも一方から押圧され、かつ前記内側断熱層および前記外側断熱層の両方と密着した状態で挟持されたことを特徴としている。
また、本発明の態様2に係る断熱容器は、態様1において、前記蓄熱材は、融解温度−60℃以下の蓄冷材である構成であることが好ましい。
また、本発明の態様3に係る断熱容器は、態様1または2において、前記真空断熱層が前記内側断熱層側および前記外側断熱層側から押圧されていない状態での前記積層構造の厚さをtとし、前記真空断熱層が前記内側断熱層側および前記外側断熱層側の少なくとも一方から押圧された状態での前記積層構造の厚さをTとしたとき、
t>T
である構成であることが好ましい。
また、本発明の態様4に係る断熱容器は、態様1〜3において、前記真空断熱層は、前記蓄熱材によって前記内側断熱層側から押圧され、かつ前記内側断熱層と密着した状態である構成であることが好ましい。
また、本発明の態様5に係る断熱容器は、態様1〜4において、前記容器本体を被覆する外装材を備え、前記真空断熱層は、前記外装材によって前記外側断熱層側から押圧され、かつ前記外側断熱層と密着した状態である構成であることが好ましい。
また、上記の課題を解決するために、本発明の態様6に係る運搬方法は、容器本体と、前記容器本体の内部に配された蓄熱材と、を備え、前記容器本体の壁部は、内側断熱層と外側断熱層との間に真空断熱層が配された、少なくとも3層の積層構造を有する断熱容器内に被搬送物を収納して被搬送物を運搬する運搬方法であって、前記真空断熱層が前記内側断熱層側および前記外側断熱層側の少なくとも一方から押圧され、かつ前記内側断熱層および前記外側断熱層の両方と密着した状態で、前記被搬送物を前記断熱容器に収納することを特徴としている。
本発明の態様1〜6によれば、断熱性能が向上した断熱容器及び断熱容器を用いた運搬方法を実現できる。
本発明の実施形態に係る断熱容器の概略構成を示す斜視図であり、(a)は開蓋状態を示し、(b)は、閉蓋状態を示す。 本発明の実施形態に係る断熱容器の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る断熱容器の壁部の構成を示す断面図であり、(a)は、真空断熱層が押圧されていない状態を示し、(b)は、真空断熱層が押圧された状態を示す。 厚さtの平均値と厚さTの平均値との関係を説明するための断面図であり、(a)は、真空断熱層が押圧されていない状態での3層の積層構造の厚さtの平均値taveを説明するための図であり、(b)は、真空断熱層が押圧された状態での3層の積層構造の厚さTの平均値Taveを説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る断熱容器10の概略構成を示す斜視図であり、図1の(a)は開蓋状態を示し、図1の(b)は、閉蓋状態を示す。
図1の(a)及び(b)並びに図に示されるように、本実施形態に係る断熱容器10は、容器本体1と、蓄熱材4と、を備えている。蓄熱材4は、容器本体1の内部に配されている。
容器本体1は、上端に開口部2が形成された断熱性の筒状胴部11と、開口部2を開閉する断熱性の開閉蓋部3と、を備えている。また、容器本体1は、断面形状が所望の大きさの略四角形になるように形成されている。筒状胴部11は、上端部に開口部2が設けられている一方、下端部が閉塞した筒形状となっている。なお、ここでは、容器本体1における開閉蓋部3が設けられた側を下側とし、その反対側を上側とする。
図2は、本実施形態に係る断熱容器10の側壁部の概略構成を示す断面図である。図2に示されるように、筒状胴部11の側壁部は、内側断熱層11aと外側断熱層11cとの間に真空断熱層11bが配された3重断熱層(3層の積層構造)を備えている。内側断熱層11aおよび外側断熱層11cは、平板状の断熱ボードにより形成されている。また、真空断熱層11bは、平板状の真空断熱材により形成されている。
内側断熱層11aおよび外側断熱層11cを構成する断熱ボードは、断熱性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば発泡スチロール等の発泡樹脂材、または発泡紙等が挙げられる。また、前記断熱ボードは、緩衝作用を有する可撓性の発泡樹脂材であってもよい。また、真空断熱層11bを構成する真空断熱材は、従来公知の材料を採用することができる。上記発泡樹脂材としては、具体的には、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、AS樹脂又はABS樹脂などを発泡させたものが用いられる。また、上記真空断熱材としては、例えば、芯材にシリカ粉、グラスウール、またはガラス繊維等を用いたものが用いられる。
筒状胴部11の4つの側壁部それぞれにおける、内側断熱層11aの内面および外側断熱層11cの外面は、1つのシート材5により全体的に被覆されている。シート材5は、防水性を有する材料その他任意の材料によって構成されている。図2に示された構成では、内側断熱層11a、真空断熱層11b、および外側断熱層11cは、シート材5内に収容されることにより、3層の積層構造が維持される。すなわち、内側断熱層11a、真空断熱層11b、および外側断熱層11cは、互いに接着剤などにより固着されていない。
なお、内側断熱層11a、真空断熱層11b、および外側断熱層11cは、図2に示される構成に限定されず、互いに接着剤により固着して積層構造を構成してもよい。この場合、接着剤は、空気よりも熱伝導率が低い材料であることが好ましい。
なお、断熱容器10の底壁部、および上壁部(開閉蓋部3)の積層構造は、図2に示す側壁部の積層構造と同一であるので、説明を省略する。
蓄熱材4は、シート材5によって被覆された筒状胴部11内部に収容されている。蓄熱材4は、内側断熱層11aの内面を被覆するシート材5に接触して配置されている。蓄熱材4は、蓄熱材組成物が容器または袋等に充填された構成である。蓄熱材4は、特に限定されないが、所定温度域の融解温度を有する蓄冷材組成物が容器または袋等に充填された蓄冷材であることが好ましい。ここでいう蓄冷材組成物の「融解温度」とは、「固体状の蓄冷材組成物が融解して液化する際に、当該蓄冷材組成物が呈する温度」のことを意図する。蓄冷材組成物の融解温度は、市販の温度コントロールユニットを備えた恒温槽中に測定試料を入れ、恒温槽温度を一定の割合で上昇または下降させ、その際の試料温度を、熱電対を用いてモニターすることにより測定することができる。また、蓄冷材組成物は、−60℃以下の範囲内に、好ましくは−75℃〜−60℃の範囲内に、融解温度を有するものである。このように蓄熱材4が、融解温度が−60℃以下の蓄冷材であるので、断熱容器10に収容される被搬送物を、−60℃以下の温度域に温度保持することができる。
また、断熱容器10は、容器本体1を収容するバッグ6(外装材)を備えている。バッグ6は、例えば、繊維製シートの一方の面にアルミ蒸着されたアルミ蒸着シートで構成されている。バッグ6は、アルミ蒸着シートを縫着することにより容器本体1を適合して収容する寸法に形成される。容器本体1は、所望の部分に粘着テープ等にバッグ6に接着されることにより、バッグ6に収容される。
また、筒状胴部11の壁部のうち側壁部の上端部における外側面(バッグ6の外側面)には、面状ファスナ7aが固着されている。
開閉蓋部3は、側縁部から延出して設けられたフラップ31a、31b、および31cを備えている。フラップ31a、31b、および31cの内側面には、面状ファスナ7aと係脱自在に係着する面状ファスナ7bが設けられている。
断熱容器10では、開閉蓋部3により開口部2を閉塞し、開閉蓋部3のフラップ31a、31b、および31cそれぞれを筒状胴部11の側壁部へ押接して面状ファスナ7aおよび7bにより係着自在に止着するようになっている。
ところで、上述のように、壁部が3重断熱層を備えた構成では、内側断熱層11a、真空断熱層11b、および外側断熱層11cは、ある程度隙間が生じるようにシート材5の寸法などが設定されている。それゆえ、容器本体1内に被搬送物を収容した状態では、内側断熱層11aと真空断熱層11bと外側断熱層11cとの間には、空気層が形成される。この空気層は、内側断熱層11a、真空断熱層11b、および外側断熱層11cよりも熱伝導率が高い。このため、上記空気層を介して熱が伝導してしまい、3重断熱層による断熱性能が低下するおそれがある。内側断熱層11aと真空断熱層11bと外側断熱層11cとの間に形成された空気層は、ヒートブリッジとなり、3重断熱層の断熱性能が低下するといえる。このような空気層による3重断熱層の断熱性能の低下は、特に、断熱容器10内に収容される被搬送物を−60℃以下の温度域に温度保持する場合に影響する。
そこで、本実施形態に係る断熱容器10では、真空断熱層11bは、内側断熱層11a側および外側断熱層11c側の少なくとも一方から押圧され、かつ内側断熱層11aおよび外側断熱層11cの両方と密着した状態で挟持されている。図3は、本実施形態に係る断熱容器10の壁部の構成を示す断面図であり、図3の(a)は、真空断熱層11bが押圧されていない状態を示し、図3の(b)は、真空断熱層11bが押圧された状態を示す。
図3の(a)に示されるように、断熱容器10の壁部は、真空断熱層11bが押圧されていない状態では、内側断熱層11aと真空断熱層11bと外側断熱層11cとの間に空気層が形成されている。一方、図3の(b)に示されるように、真空断熱層11bが押圧された状態では、真空断熱層11bは、内側断熱層11a側および外側断熱層11c側の少なくとも一方から押圧され、かつ内側断熱層11aおよび外側断熱層11cの両方と密着した状態となっている。
ここで、真空断熱層11bが内側断熱層11a側および外側断熱層11c側から押圧されていない状態(図3の(a)に示す状態)での3層の積層構造の厚さをtとする。また、真空断熱層11bが内側断熱層11a側および外側断熱層11c側の少なくとも一方から押圧された状態(図3の(b)に示す状態)での3層の積層構造の厚さをTとする。このとき、断熱容器10では、t>Tである。
このように、断熱容器10では、真空断熱層11bは、内側断熱層11aおよび外側断熱層11cの両方と密着した状態となっているので、内側断熱層11aと真空断熱層11bと外側断熱層11cとの間の空気層の形成が抑制される。その結果、空気層を介した熱の伝導が抑制され、内側断熱層11a、真空断熱層11b、および外側断熱層11cから構成される3重断熱層の断熱性能が向上する。
なお、断熱容器10は、内側断熱層11a側および外側断熱層11c側の少なくとも一方から押圧され、かつ真空断熱層11bが内側断熱層11aおよび外側断熱層11cの両方と密着した状態となった構成であればよい。それゆえ、例えば、真空断熱層11bが内側断熱層11aおよび外側断熱層11cの両方と密着した状態で、内側断熱層11aおよび外側断熱層11cの少なくとも一方が変形し厚さが小さくなった構成であってもよい。
(内側断熱層11a、真空断熱層11b、および外側断熱層11cの密着状態)
内側断熱層11a、真空断熱層11b、および外側断熱層11cの密着状態は、シート材5の寸法、バッグ6の寸法、容器本体1に収容される部材の配置等によって実現することができる。
また、ここでいう、真空断熱層11bが内側断熱層11a側および外側断熱層11c側の少なくとも一方から押圧される構成は、真空断熱層11bが内側断熱層11a側および外側断熱層11c側の両側から押圧される構成、内側断熱層11aおよび外側断熱層11cの一方の位置が固定され、他方の側から真空断熱層11bが押圧される構成を包含する。
例えば、真空断熱層11bは、蓄熱材4によって内側断熱層11a側から押圧され、かつ内側断熱層11aと密着した状態であってもよい。このような構成として、例えば、次の構成が挙げられる。すなわち、真空断熱層11bが押圧されていない状態(図3の(a)に示す状態)において、複数の蓄熱材4は、容器本体1の内側の側壁面全面に接触するよう隙間なく配置されている。そして、この状態で蓄熱材4が内側断熱層11a側へ押圧することによって形成された蓄熱材4同士の隙間にスペーサが挿入された構成である。このような構成では、蓄熱材4同士の隙間に挿入されたスペーサにより、蓄熱材4の位置は固定されるので、真空断熱層11bは、蓄熱材4によって内側断熱層11a側から押圧された状態となる。
また、真空断熱層11bは、バッグ6によって外側断熱層11c側から押圧され、かつ外側断熱層11cと密着した状態であってもよい。このような構成として、例えば、次の構成が挙げられる。すなわち、バッグ6の寸法が、容器本体1の外観寸法よりも小さい構成である。このような構成によって、容器本体1は、バッグ6の内壁面により押圧された状態で、バッグ6に収容される。それゆえ、真空断熱層11bは、バッグ6によって外側断熱層11c側から押圧された状態となる。
また、上述した構成以外にも、例えば、シート材5の寸法が、内側断熱層11a、真空断熱層11b、および外側断熱層11cの厚さの合計よりも小さくなるように設定された構成であってもよい。このようなシート材5によって被覆されることによって、真空断熱層11bは、シート材5によって、内側断熱層11a側および外側断熱層11c側の両側から押圧された状態となる。さらに、シート材5内部をポンプなどによって吸引することによって真空状態になった構成であってもよい。このような構成により、真空断熱層11bは、内側断熱層11a側および外側断熱層11cとの間に空気層が形成されない。それゆえ、真空断熱層11bは、内側断熱層11aおよび外側断熱層11cの両方と密着した状態となる。
また、真空断熱層11bは、少なくとも外周部分および中心部分を含む部分で、内側断熱層11a側および外側断熱層11c側の少なくとも一方から押圧されていることが好ましい。真空断熱層11bが、例えば中心部分のみ、または外周部分のみで押圧されている場合、真空断熱層11bと内側断熱層11aおよび外側断熱層11cとの密着部分は局所的になる。このため、真空断熱層11bと内側断熱層11aおよび外側断熱層11cとの間の空気層が残ったままとなる。それゆえ、空気層を除くという観点では、真空断熱層11bは、少なくとも外周部分および中心部分を含む部分で、内側断熱層11a側および外側断熱層11c側の少なくとも一方から押圧されていることが好ましい。
それゆえ、真空断熱層11bが押圧されていない状態(図3の(a)に示す状態)での3層の積層構造の厚さt、および真空断熱層11bが押圧された状態(図3の(b)に示す状態)での3層の積層構造の厚さTは、複数個所で測定した測定値の平均値であることが好ましい。図4は、厚さtの平均値と厚さTの平均値との関係を説明するための断面図であり、図4の(a)は、真空断熱層11bが押圧されていない状態での3層の積層構造の厚さtの平均値taveを説明するための図であり、図4の(b)は、真空断熱層11bが押圧された状態での3層の積層構造の厚さTの平均値Taveを説明するための図である。
図4の(a)に示されるように、厚さTの平均値Taveは、少なくとも3重断熱層の外周部分aおよびb、並びに中心部分cにて測定された厚さt、t、およびtの平均値(t+t+t)/3である。また、図4の(b)に示されるように、厚さTの平均値Taveは、図4の(a)にて測定された測定箇所と同じ個所で測定された厚さT、T、およびTの平均値(T+T+T)/3である。
本実施形態に係る断熱容器10では、厚さtの平均値taveと厚さTの平均値Taveとの関係は、次のようになっていることが好ましい。
すなわち、
≧T、t≧T、t≧T、かつ、
ave>Tave
であることが好ましい。
より好ましくは、
>T、t>T、t>T、かつ、
ave>Tave
である。
このような構成により、真空断熱層11bは、少なくとも外周部分aおよびb並びに中心部分cを含む部分で、内側断熱層11aおよび外側断熱層11cの両方と密着した状態となっている。なお、厚さtおよび厚さTの測定箇所は、図4の(a)および(b)に示すような3か所に限定されず、少なくとも3重断熱層の外周部分および中心部分を含んでいれば、個数は限定されない。
(断熱容器10を用いた被搬送物の運搬方法)
本実施形に係る被搬送物の運搬方法は、上述した断熱容器10を用いて被搬送物を運搬する方法である。すなわち、本実施形態に係る被搬送物の運搬方法は、容器本体1と、容器本体1の内部に配された蓄熱材4と、を備え、容器本体1の壁部は、内側断熱層11aと外側断熱層11cとの間に真空断熱層11bが配された、少なくとも3層の積層構造を有する断熱容器10内に被搬送物を収納して被搬送物を運搬する運搬方法である。そして、この運搬方法においては、真空断熱層11bが内側断熱層11a側および外側断熱層11c側の少なくとも一方から押圧され、かつ内側断熱層11aおよび外側断熱層11cの両方と密着した状態で、被搬送物を断熱容器10に収納している。これにより、断熱性能が向上した被搬送物の運搬方法を実現できる。
〔まとめ〕
本発明の実施形態に係る断熱容器10は、容器本体1と、前記容器本体1の内部に配された蓄熱材4と、を備え、前記容器本体1の壁部は、内側断熱層11aと外側断熱層11cとの間に真空断熱層11bが配された、少なくとも3層の積層構造を有し、前記積層構造では、前記外側断熱層11cは、前記内側断熱層11a側および前記外側断熱層11c側の少なくとも一方から押圧され、かつ前記内側断熱層11aおよび前記外側断熱層11cの両方と密着した状態で挟持された構成である。
上記の構成によれば、真空断熱層11bは、前記内側断熱層11a側および前記外側断熱層11c側の少なくとも一方から押圧され、かつ前記内側断熱層11aおよび前記外側断熱層11cの両方と密着した状態となっているので、前記内側断熱層11aと前記真空断熱層11bと前記外側断熱層11cとの間の空気層の形成が抑制される。その結果、上記の構成によれば、空気層を介した熱の伝導が抑制され、前記積層構造による断熱性能が向上する。
また、前記蓄熱材4は、融解温度−60℃以下の蓄冷材であることが好ましい。
これにより、断熱容器10に収容される被搬送物を、−60℃以下の温度域に温度保持することができる。
本発明の実施形態に係る断熱容器10は、前記真空断熱層11bが前記内側断熱層11a側および前記外側断熱層11c側から押圧されていない状態での前記積層構造の厚さをtとし、前記真空断熱層11bが前記内側断熱層11a側および前記外側断熱層11c側の少なくとも一方から押圧された状態での前記積層構造の厚さをTとしたとき、
t>T
である構成であってもよい。
これにより、空気層を介した熱の伝導が抑制され、前記積層構造による断熱性能が向上する。
本発明の実施形態に係る断熱容器10は、前記真空断熱層11bは、前記蓄熱材4によって前記内側断熱層11a側から押圧され、かつ前記内側断熱層11aと密着した状態である構成であってもよい。これにより、特に、前記内側断熱層11aと前記真空断熱層11bとの間の空気層の形成が抑制される。
また、本発明の実施形態に係る断熱容器10は、前記容器本体1を被覆する外装材(バッグ6)を備え、前記真空断熱層11bは、前記外装材によって前記外側断熱層11c側から押圧され、かつ前記外側断熱層11cと密着した状態である構成であってもよい。これにより、特に、前記真空断熱層11bと前記外側断熱層11cとの間の空気層の形成が抑制される。
また、本発明の実施形態に係る運搬方法は、容器本体1と、前記容器本体1の内部に配された蓄熱材4と、を備え、前記容器本体1の壁部は、内側断熱層11aと外側断熱層11cとの間に真空断熱層11bが配された、少なくとも3層の積層構造を有する断熱容器10内に被搬送物を収納して被搬送物を運搬する運搬方法であって、前記真空断熱層11bが前記内側断熱層11a側および前記外側断熱層11c側の少なくとも一方から押圧され、かつ前記内側断熱層11aおよび前記外側断熱層11cの両方と密着した状態で、前記被搬送物を前記断熱容器10に収納することを特徴としている。
上記の構成によれば、断熱性能が向上した被搬送物の運搬方法を実現できる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 容器本体
11a 内側断熱層
11b 真空断熱層
11c 外側断熱層
4 蓄熱材
6 バッグ(外装材)
10 断熱容器

Claims (6)

  1. 容器本体と、
    前記容器本体の内部に配された蓄熱材と、を備え、
    前記容器本体の壁部は、内側断熱層と外側断熱層との間に真空断熱層が配された、少なくとも3層の積層構造を有し、
    前記積層構造では、
    前記真空断熱層は、前記内側断熱層側および前記外側断熱層側の少なくとも一方から押圧され、かつ前記内側断熱層および前記外側断熱層の両方と密着した状態で挟持されたことを特徴とする断熱容器。
  2. 前記蓄熱材は、融解温度−60℃以下の蓄冷材であることを特徴とする請求項1に記載の断熱容器。
  3. 前記真空断熱層が前記内側断熱層側および前記外側断熱層側から押圧されていない状態での前記積層構造の厚さをtとし、
    前記真空断熱層が前記内側断熱層側および前記外側断熱層側の少なくとも一方から押圧された状態での前記積層構造の厚さをTとしたとき、
    t>T
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の断熱容器。
  4. 前記真空断熱層は、前記蓄熱材によって前記内側断熱層側から押圧され、かつ前記内側断熱層と密着した状態であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の断熱容器。
  5. 前記容器本体を被覆する外装材を備え、
    前記真空断熱層は、前記外装材によって前記外側断熱層側から押圧され、かつ前記外側断熱層と密着した状態であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の断熱容器。
  6. 容器本体と、前記容器本体の内部に配された蓄熱材と、を備え、前記容器本体の壁部は、内側断熱層と外側断熱層との間に真空断熱層が配された、少なくとも3層の積層構造を有する断熱容器内に被搬送物を収納して被搬送物を運搬する運搬方法であって、
    前記真空断熱層が前記内側断熱層側および前記外側断熱層側の少なくとも一方から押圧され、かつ前記内側断熱層および前記外側断熱層の両方と密着した状態で、前記被搬送物を前記断熱容器に収納することを特徴とする運搬方法。
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