JP2011004960A - 涼感機能を有する電気カーペット - Google Patents

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保太郎 瀬戸
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【課題】冬季は暖かく、夏季は清涼感があり、1年を通じて意匠性やすわり心地にも優れ、快適に使用できる電気カ−ペットを提供する。
【解決手段】表面材4と、配線材5と、断熱材6からなる電気カーペット1において、前記表面材に相転移材料を封入したマイクロカプセル8を固着させることにより、冬季は暖かく使用できることは勿論、夏季には人がカーペットの表面に触れたときに冷やりとした涼しさを感じ、1年を通じて意匠性やすわり心地にも優れ、快適に使用できる電気カ−ペットが得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、冬季は暖かい温感性能があり、夏季には涼しい涼感性能を有する、1年を通じて快適に使用できる電気カ−ペットに関するものである。
日本の住宅において、カーペットは1年を通じて多く使われるようになり、カーペットの上に座ったり、横になったりして寛ぐ家庭は多い。カーペットは、冬季には暖かさを感じる温感性能が求められ、夏季においては涼しく爽やかな感覚の得られる涼感性能が望まれる。この相反する性質を兼ね備えたカーペットは未だ存在していない。したがって冬季と夏季で、それぞれ異なる性質のカーペットを敷きかえるようにしているのが一般的である。冬季は発熱線を備えた電気カーペットが好適に用いられ、一方夏季においては、夏用のカーペットとして、汗等の吸水性のよい綿カーペットや、イグサや籐の敷物を敷いて夏の暑さを凌ぐようにしていることが多い。その結果、敷きかえに手間を要し、未使用の方のカーペットの収納に大きなスペースを確保する必要があった。
また、冬季に使用した電気カーペットを、電源を入れずに、単に敷物として夏季にも使用し続けるケースも見られるが、電気カーペットの表面がパイルであるために、夏季での使用では、暑苦しく不快感を覚えるという問題となっていた。
そのため、例えば特開平6−275369では、ヒータを有するヒータユニットと、糸を林立してなるパイルを一方の面に有する基布と他方の面が清涼感を与える部材からなるカバーとを備えた電気カーペットであり、冬季はパイルで形成された面を表にし、夏季はその面の裏側を表にしてヒータユニットの上面に敷くという発明が開示されている。しかしながら、この方法では、特に夏季の使用ではカーペット本来の質感や意匠性、すわり心地に乏しいという問題があった。
特開平6−275369号公報
本発明は、上記従来技術の問題を解消するために提案されたものであり、冬季は暖かい温感性能があり、夏季には涼しい涼感性能を有し、1年を通じて意匠性やすわり心地にも優れ、快適に使用できる電気カ−ペットを提供することを課題とする。
上記目的を達成するために、本発明者は鋭意研究の結果、表面材と、配線材と、断熱材からなる電気カーペットにおいて、冬季は暖かく使用できることは勿論、前記表面材に相転移材料を封入したマイクロカプセルを固着させることにより、夏季には人がカーペットの表面に触れたときに冷やりとした涼しさを感じ、1年を通じて意匠性やすわり心地にも優れ、快適に使用できる電気カ−ペットが得られることを見出すに至り、この発明を完成したものである。
[1]カーペットからなる表面材と、配線材と、断熱材からなる電気カーペットにおいて、前記表面材に相転移材料を封入したマイクロカプセルが固着されていることを特徴とする電気カーペット。
[2]前記カーペットはパイル糸、基布、バッキング層からなり、該基布表面と基布から上の該パイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルが固着されていることを特徴とする前項1に記載の電気カ−ペット。
[3]前記相転移材料は、融点が20〜35℃で、マイクロカプセルに封入されている相転移材料であることに特徴のある前項1または2に記載の電気カ−ペット。
[4]前記相転移材料が0.50〜50.0g/m2バインダー樹脂によって前記表面材に固着していることに特徴のある前項1乃至3のいずれかに記載の電気カ−ペット。
[5]前記電気カ−ペットにおいて、QMAX(接触温冷感値)が0.085j/cm2・secより大きいことに特徴のある前項1乃至4のいずれかに記載の電気カ−ペット。
[1]の発明によれば、本発明の電気カーペットは、カーペットからなる表面材と、配線材と、断熱材で構成されているので、前記配線材に電気を通すことにより、冬季は温感性能がある、暖かい敷物として使用できる。一方、夏季においては、前記表面材に相転移材料を封入したマイクロカプセルが固着されているために、電気を切るだけで、カーペット本来の質感や意匠性、すわり心地を維持したまま、人がカーペット表面のパイル糸に触れたとき、冷やりとした涼しさを感じる涼感性能を有する敷物として使用できる。
[2]の発明では、カーペットからなる表面材において、基布表面と基布から上のパイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルが固着されているので、冬季には、電気を通すことによる暖かさには影響を及ぼさず、夏季においては、電気を切るだけで、人がカーペット表面のどの部分に触れたとしても、冷やりとした涼しさを感じることができる。
[3]の発明では、融点が20〜35℃の相転移材料が、マイクロカプセルに封入されてカ−ペットに固着しているので、冬季には、電気を通すことによる暖かさには影響を及ぼさず、夏季においては、人体がカ−ペットに接触したときに相転移材料が融解し、そのとき人体から融解熱の移動がおこり、人は、カ−ペットを冷たく感じることができる。
[4]の発明では、相転移材料が0.50〜50.0g/mバインダー樹脂によって固着しているので、冬季には、電気を通すことによる暖かさには影響を及ぼさず、夏季においては、十分な涼感能力を持ったカーペットとすることができる。
[5]の発明では、QMAX(接触温冷感値)が0.085j/cm・secより大きいので、冬季には、電気を通すことによる暖かさには影響を及ぼさず、夏季においては、カーペットに肌が接触したとき冷感を確実に感じることができる。
次に、この発明に係る電気カーペットの一実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態の電気カーペット(1)は、図1に示すように、カーペットからなる表面材(4)と、配線材(5)と、断熱材(6)を上面からこの順序で積層一体化されている。さらに前記表面材(4)はパイル糸(2)と、基布(3)と、バッキング層(7)からなり、パイル糸(2)の全体と基布(3)のパイル糸側表面に相転移材料を封入したマイクロカプセル(8)がバインダー樹脂(図示せず)により固着されている。人がカーペット上に乗って手をついたとき、パイル糸(2)だけでなく基布(3)にも皮膚が接することがあるので、基布(3)の表面と基布から上のパイル糸(2)に相転移材料を封入したマイクロカプセル(8)を固着させている。
この発明において、カーペットからなる表面材(4)は、特に限定されるものではなく、例えばフックドラグ、タフテッド等の刺繍カーペット類、段通、ウィルトン、アキスミンスター等の織カーペット類、ボンデッド、電着、コード等の接着カーペット類、ニット、ラッセル等の編カーペット類も採用することもできるが、外観、機能性、経済性等の観点から、基布(3)にパイル糸(2)をタフティング等により植設したタフトカーペットを用いることが好ましい。
本発明において、パイル糸(2)を構成するパイル素材としては、一般的に電気カーペット素材として使用しているものを用いればよく、ウール、麻、コットン等の天然繊維やポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリプロピレン系繊維、レ−ヨン系繊維等の合成樹脂繊維等が挙げられる。パイルの形態としてもカットパイルであっても、ル−プパイルであってもよいく、パイル糸(2)の目付についても、特に限定されないで、カーペットの形態をなすものであればよい。またパイルが植設される基布(3)はポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成樹脂繊維からなる織布や不織布を用いることが好ましい。
本発明におけるバッキング層(7)は、パイル糸(2)と基布(3)とを固定することができる樹脂組成物やゴム組成物で構成されるが、特に限定されない。例えば樹脂組成物の樹脂成分としてはアクリル系、ウレタン系、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂が挙げられる。ゴム組成物のゴム成分としてはSBR(スチレン−ブタジエン)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)MBR(メチルメタクリレート−ブタジエンゴム)等が挙げられる。また、充填剤として炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、フライアッシュ等を添加してバッキング層として使用するのが一般的である。カーペット裏面に公知のコーティング加工によって構成することができる。
本発明において、配線材(5)は、発熱線(9)を配線ベース材に埋め込んだ構成になっており、配線ベース材としては、厚さ3〜8mm、目付300〜500g/mのポリエステル製ニードルパンチフェルトが好ましい。発熱線(9)は、ヒーター線を塩化ビニール等の樹脂で覆い、さらにその表面を塩化ビニールより低い融点のポリエチレン樹脂で被覆した線材を使用するのが好ましい。例えば、シリコン板の上で配線し、その上に配線ベース材を置いて、熱プレスを行うことにより、ヒーター線を被覆したポリエチレン樹脂が溶融し配線ベース材と発熱線(9)が接着される。この時発熱線(9)は、配線ベース材の中に埋め込むように溶融接着されている。
冬季には、本発明に係る電気カーペット(1)に電気を通すことにより、該発熱線(9)が適度な温度に発熱し、本発明に係る電気カーペット(1)を温感性能を有する暖かい敷物として好適に使用することができる。
この発明において、断熱材(6)は下地材(床面、畳、カーペットなど)への放熱を防ぐ断熱性能及び電気カーペット(1)の寸法安定性を確保する役割を果たすものであり、不織布が最適に使用されるが、保温効果を考慮すれば、伝導率が約0.06kcal/mh℃以下の効果を出せる空気層をもつ物であれば特に限定されるものではない。構成する繊維としてはポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリオレフィン系繊維等の合成繊維等または羊毛、木綿等の天然繊維等を単一または複数混合したものを挙げられるが、特に限定されない。不織布の種類としては、スパンボンド不織布、短繊維フェルト、ニードルパンチ不織布、ケミカルボンド不織布等が挙げられるが、熱伝導率、寸法安定性、経済性を考慮すればポリエステル繊維からなるスパンボンド不織布が好ましい。
断熱材(6)の目付は、50〜160g/m の範囲とするのが好ましい。50g/m 未満では十分な断熱効果が得られず、電気カーペット(1)としての寸法安定性が低下するので好ましくないし、一方160g/m を超えると、電気カーペット(1)の嵩が高くなり過ぎて、電気カーペット(1)上での安定した歩行が困難になるという問題が生じる。
本発明に係る電気カーペット(1)は冬季だけでなく、一年中使えることを特徴としている。春
や秋においては、電気を切るだけで、意匠性やすわり心地にも優れた敷物として使用することが可能で、さらに夏季においては、前記表面材に相転移材料を封入したマイクロカプセルを固着させることにより、涼しく爽やかな感覚の得られる、涼感性能を有する敷物として使用することができる。
本発明において、パイル糸(2)の全体と基布(3)のパイル糸側表面に固着している相転移材料(PCM)とは、固相と液相との間で反復転換する材料で、融解、凝固するときに発現する熱を利用して、熱を蓄積、あるいは放出させて、相転移材料周辺の温度を制御するものである。相転移材料としては、パラフィンやワックス等の炭化水素化合物が好適に使用されるが特に限定しない。該相転移材料を封入したマイクロカプセル(8)は市販されており、大和化学工業株式会社製プレサーモ、三木理研工業株式会社製蓄熱蓄冷マイクロカプセル等を挙げることができ、マイクロカプセルの組成としても、特に限定されなくて、一般に市販されているものでよい。
本発明で使用する相転移材料を封入したマイクロカプセル(8)は、熱吸収のピーク温度(融点ともいう)または熱放散のピーク温度(凝固点ともいう)が20〜35℃の範囲内であるものが好ましい。人の体温は、36〜37℃であるが、手や足の表面温度はこれよりも低く32〜34℃といわれているので、20〜35℃で熱吸収のピーク温度(融点)となる相転移材料が好ましい。より好ましいピーク温度(融点)は、25〜32℃である。
熱吸収のピーク温度が低すぎる場合では、人体が接触する前に既に相転移材料が溶けてしまっており、人体が接触しても涼感効果を得ることはできない。また、熱吸収のピーク温度が高すぎる場合には、人体が接触しても、相転移材料が溶けないため、涼感効果を得ることはできない。
冬季において、本発明に係る電気カーペット(1)に電源を入れている場合は、表面材(4)の表面は40〜60℃に暖まっており、相転移材料が溶けてしまって、人体が接触しても涼感効果を発揮することなく、暖かいカーペットとして使用することができる。
相転移材料を封入したマイクロカプセル(8)は、0.50〜50.0g/mバインダー樹脂によってカーペットの基布(3)表面と基布(3)から上のパイル糸に固着されるのが好ましい。0.50g/mを下回ると涼感効果を感じられない。また、50.0g/mを超えて固着しても、カーペットの風合が硬くなり、コストが上昇するだけで効果が伴わず好ましくない。より好ましくは、1〜20.0g/mの固着量がよい。
また相転移材料を封入したマイクロカプセル(8)の粒径は1〜50μmが好ましい。50μmを超えると、ザラツキ感や硬さが発現しカーペットの好ましい風合にならない。更に好ましい粒径は、5〜25μmである。
バインダー樹脂としては、パイル糸(2)と基布表面に相転移材料を封入したマイクロカプセル(8)を強固に固着することが出来ればよいが、一般的には、例えばウレタン樹脂、自己架橋型アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、シリコン樹脂、グリオキザール樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル−シリコン共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂(SBR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、イソブチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−スチレン−アクリレート−メタアクリレート共重合体樹脂等を挙げることができる。
パイル糸(2)と基布(3)表面に相転移材料を封入したマイクロカプセル(8)を固着する方法は、バインダー樹脂溶液に浸透剤、相転移材料を封入したマイクロカプセル等を均一に分散させ、スプレー法やコーティング法など従来からある方法でカーペットのパイル糸側にパイル糸(2)の上側から十分塗布し、乾燥処理してパイル糸と基布の表面に固着する。この時、浸透剤を混入しないとパイル表面に処理液が留まり、パイルの根元付近まで処理液が届かないことから、浸透剤を適度に使用することが好ましい。バインダー樹脂の乾燥手段は、加熱処理により乾燥させる方が望ましく、バッキング層の乾燥工程と同時に行うと効率的である。この時の加熱処理温度は、パイル糸と基布とバッキング層の素材や規格にもよるが、100〜180℃とするのが好ましい。この温度での加熱処理によりパイル糸(2)への固着性がより高まり、耐久性が一段と向上する。
また、前記相転移材料を封入したマイクロカプセル(8)と浸透剤とバインダー樹脂とは、水に分散した水分散液として使用することができる。バインダー樹脂については水との間でエマルジョン状態を形成させるのがより好ましい。なお、分散媒としては、水以外にアルコール等も使用し得るが、水が好適である。水に分散させる順序としては、相転移材料を封入したマイクロカプセルを水に分散させておいてから、浸透剤、バインダー樹脂を分散せしめるのが、マイクロカプセルとバインダー樹脂をより均一に分散させる観点から好ましい。また、この水分散液に、分散剤、増粘剤などの各種添加剤を配合してもよい。
本発明において、QMAXは、一定面積、一定質量の純銅板(熱容量0.41855j/℃)に熱を蓄え、これが試料表面に接触した直後に、蓄えられた熱量が低温側の試料物体に移動する熱量のピーク値を測定した値をいうもので、QMAXが大きいほど接触したときに冷たく感じ、小さいほど温かく感じる。
次に、カーペットからなる表面材(4)と、配線材(5)と、断熱材(6)を上面からこの順序で積層一体化する方法として、配線ベース材に発熱線(9)を接着した配線材(5)に、発熱線を挟むように表面材(4)を重ね合わせ、該配線材(5)のもう一方の面に、裏面に予め酢酸ビニル等の接着剤を塗布した断熱材(6) を重ね、相転移材料を封入したマイクロカプセル(8)が潰れない適度な圧力の熱プレスによって積層一体化する。配線材(5)と表面材(4)の接合面は、バッキング層(7)を溶融させて接着させることもできるが、保温のための空気層を設けるために、接着せずに重ねるだけとすることもできる。
さらに、表面材(4)と、配線材(5)と、断熱材(6)からなる3層を積層一体化の後に、外縁部を縫合する。この外縁部の縫合及び床面との密着により、気密性が保たれた各層に空気層が構成されることによって表面材(4)が効率よく暖められる。
電気カーペット(1)の、外縁部を縫製する方法は、特に限定されず、オーバーロックやテープロックといわれる既知の方法で縫製し、ほつれ止め加工して、各層を一体化し、涼感機能を有する電気カーペット(1)が完成する。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。本発明の実施例として使用した表面材、配線材、断熱材の材質、構造、及び相転移材料を封入したマイクロカプセルの種類、加工方法、温感性、涼感性、座り心地の性能測定試験および判定方法は次の通りである。
<表面材> 基布・・・目付100g/mポリプロピレンテープヤーン織布(14×13) パイル糸・・・ポリエステル繊維からなるパイル糸をループ状にタフティング機(1/8G)で基布に植え込む(パイル長5.0mm、目付500g/m) バッキング層・・・SBRラテックス(充填剤として炭酸カルシウム)<配線材>ヒーター線を配線ベース材に埋め込んだ構成になっており、配線ベース材として、厚さ3〜8mm、目付400g/mのポリエステル製ニードルパンチフェルトを用意し、次に、ヒーター線を塩化ビニールの樹脂で覆い、さらにその表面を塩化ビニールより低い融点のポリエチレン樹脂で被覆した線材を用意し、該線材をシリコン板の上で配線し、その上に配線ベース材を置いて、熱プレスを行うことにより、ヒーター線を被覆したポリエチレン樹脂が溶融し配線ベース材とヒーター線が接着される。この時ヒーター線は、配線ベース材の中に埋め込むように溶融接着されている。<断熱材>重ね合わせ面側に、予め酢酸ビニル等の接着剤を塗布した目付、100g/mポリエステル繊維からなるニードルパンチ不織布を用意した。<相転移材料を封入したマイクロカプセル>プレサーモ(大和化学工業株式会社製)融点25℃と融点31℃の二種類<バインダー樹脂>アクリル−シリコン共重合体樹脂「ライトエポック」(共栄社株式会社製)<浸透剤>「ペレックスOT−P」(花王株式会社製)
<温感性能>冬季環境(室温15℃・フローリング床温10℃)及び夏季環境(室温25℃・フローリング床温20℃)の各部屋で、各2畳サイズの電気カーペットを用い、その設定温度を40℃にセットし、通電可能状態にし、該電気カーペットの4隅及び中央の5部分すべてが40℃に到達する時間を測定し、10分以内を優れた温感性とした。
<涼感性能及び涼感性官能評価>QMAX・・・カトーテック株式会社製THERMO LABO II TYPEを用い、純銅板の初期温度30℃、カーペット温度20℃、接触圧0.98kPaで測定した。0.085j/cm・secより大きいものを合格とした。また、冬季環境(室温15℃・フローリング床温10℃)及び夏季環境(室温25℃・フローリング床温20℃)の各部屋で、相転移材料を封入したマイクロカプセルを固着していないカーペットを基準に冷たいと感じるかどうかを一対比較法で評価し、被験者数を10人とし、80%以上の人が冷たいと感じたものを合格とした。
<座り心地>各電気カーペットに座りその座り心地を調べた。官能評価とし、心地よく感じられたものを「◎」とし、やや心地よく感じられたもの「○」とし、平坦な板に座っていると感じたものを「×」とした。
<実施例1>水100重量部に相転移材料を封入したマイクロカプセル分散液(パラフィン封入、融点25℃、固形分40%)6重量部を分散させておいてから、浸透剤0.5重量部、バインダー樹脂を6重量部分散した水溶液をスプレーにて表面材表面に250g/m塗布し、120℃、10分間乾燥処理して、カーペット上に相転移材料を封入したマイクロカプセルを6g/m固着した表面材と、配線材と、断熱材を熱プレスにより積層し電気カーペットを得た。カーペット断面を実態顕微鏡で観察したところ、パイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルが固着しているのを確認できた。座り心地は良好で、また、冬季環境及び夏季環境における温感性能及び涼感性官能評価も良好であった。さらに、涼感性能測定試験でQMAXは0.110j/cm・secであった。
<実施例2>実施例1において、表面材における相転移材料の融点が31℃のものを使用した以外は実施例1と同様にして電気カーペットを得た。座り心地は良好で、また、冬季環境及び夏季環境における温感性能及び涼感性官能評価も良好であった。さらに、涼感性能測定試験でQMAXは0.095j/cm・secであった。
<比較例1>実施例1において、カーペット上に相転移材料を封入したマイクロカプセルを固着していない表面材を用いたこと以外は実施例1と同様にして電気カーペットを得た。座り心地、及び冬季環境及び夏季環境における温感性能は良好であったが、冬季環境及び夏季環境における涼感性官能評価は不十分であった。また、涼感性能測定試験でQMAXは0.008j/cm・secであった。
<比較例2>実施例1において、カーペット上に相転移材料を封入したマイクロカプセルを固着していない表面材を用い、断熱材の裏面に目付120g/mのポリエステル繊維からなるスパンボンド不織布を接着剤で貼り合わせたこと以外は実施例1と同様にして、冬季には表面材を上面に、夏季には該スパンボンド不織布を上
面にして使用することを想定した電気カーペットを得た。表面材を上面にした場合は、座り心地及び温感性能は良好であったが、スパンボンド不織布を上面にした場合は、座り心地は不十分で、涼感性能測定試験でQMAXは0.073j/cm・secであった。
上述のように、実施例1及び実施例2は、冬は暖かく、夏は涼しく感じられ一年中使用することができ、座り心地が良いカーペットとなった。しかし比較例1は冬は暖かいが、夏は涼しさを感じないカーペットとなった。また、比較例2は夏季想定の使用方法では座り心地が悪く、涼感性能も不十分であった。
この発明の一実施形態に係る電気カーペットを示す概略断面図である。
1・・・電気カーペット2・・・パイル糸3・・・基布4・・・表面材5・・・配線材6・・・断熱材7・・・バッキング層8・・・相転移材料を封入したマイクロカプセル9・・・発熱線

Claims (5)

  1. カーペットからなる表面材と、配線材と、断熱材からなる電気カーペットにおいて、前記表面材に相転移材料を封入したマイクロカプセルが固着されていることを特徴とする電気カーペット。
  2. 前記カーペットはパイル糸、基布、バッキング層からなり、該基布表面と基布から上の該パイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルが固着されていることを特徴とする請求項1に記載の電気カ−ペット。
  3. 前記相転移材料は、融点が20〜35℃で、マイクロカプセルに封入されている相転移材料であることに特徴のある請求項1または2に記載の電気カ−ペット。
  4. 前記相転移材料が0.50〜50.0g/mバインダー樹脂によって前記表面材に固着していることに特徴のある請求項1乃至3のいずれかに記載の電気カ−ペット。
  5. 前記電気カ−ペットにおいて、QMAX(接触温冷感値)が0.085j/cm・secより大きいことに特徴のある請求項1乃至4のいずれかに記載の電気カ−ペット。
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