JP6584046B1 - 高保温性衣料品用積層生地及び高保温性衣料品用積層生地の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
羽毛を使った羽毛布団やダウンジャケットなどの羽毛製品は、羽毛の風合いを生かすため嵩高であることが特徴であり、嵩高にすることで羽毛の柔らかさや軽さ、保温性、保湿性を高めている。
また、羽毛の吹き出しを防止するために、表生地と裏生地の間に羽毛を詰めたダウンパックを介挿している場合には、ダウンパックの生地や中生地にダウンプルーフ加工がされていたり、不織布やナイロンなど羽毛の吹き出しを防止する素材が使用されていることが多く、通気性が悪いため蒸れやすく、さらには重いという問題もあった。
近年は、これらの問題を解決するために、羽毛量の低減、生地自体の軽量化など、様々な方法で、軽くて嵩張らず、かつ保温性、保湿性の高い羽毛製品が開発されている。しかし、羽毛の吹き出しについては、完全に防止するのはむずかしく、様々な加工でコストがかかってしまって高価な製品になっている。
本願発明者が開発した衣料品用積層生地は、伸縮性を有する表生地と、0.2〜1.5mmの厚さを有する羽毛繊維層と、伸縮性を有する裏生地とが順に積層されており、前記羽毛繊維層が表生地及び裏生地に接着剤によって接着され一体化して構成されているものである(特許文献1)。
そして、前記衣料品用積層生地は、積層される羽毛繊維層の厚さを0.2〜1.5mm程度で構成し表生地及び裏生地と接着されるため、あたかも一枚の生地のように扱え、嵩張ることがなく、動きやすく、コンパクトに畳めることができ、保管もしやすいという特徴を有する。
〈1〉表生地(8)と、羽毛繊維層(7)と、裏生地(2)とが積層されてなる高保温性衣服品用積層生地であって、
前記裏生地(2)の上面に熱可塑性樹脂層(3、4)が積層され、その上面に上方に向かって順にエアロゲル混合体層(5)、蜘蛛の巣状の樹脂層(6)、羽毛繊維層(7)が積層され、前記羽毛繊維層(7)の上面に、裏面に起毛組織を備えた表生地(8)が積層されてなり、
前記裏生地(2)と、前記表生地(8)が、前記熱可塑性樹脂層(3、4)の熱可塑性樹脂材料を介して接着され、前記羽毛繊維層(7)が前記表生地(8)及び前記裏生地(2)と一体化してなることを特徴とする高保温性衣服品用積層生地。
〈3〉前記高保温性衣服品用積層生地が、全体の厚さが0.5〜4.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の高保温性衣服品用積層生地。
〈4〉請求項1〜3のいずれかに記載の高保温性衣服品用積層生地を少なくともその一部に用いてなることを特徴とする衣料品。
〈5〉請求項1〜3のいずれかに記載の高保温性衣服品用積層生地を少なくともその一部に用いてなることを特徴とする寝装品。
[1]基台上に羽毛を積層する側を上面にした裏生地(2)を載せ、
[2]前記裏生地(2)に熱可塑性樹脂を点状に噴霧し、
[3]前記点状の熱可塑性樹脂の上に、有機溶剤に混合した熱可塑性樹脂を平らに均一に塗布し、
[5]前記平らに均一に噴霧された熱可塑性樹脂の上にエアロゲル混合体を配置し、
[6]前記エアロゲル混合体の上に蜘蛛の巣状に樹脂を噴霧して蜘蛛の巣状の樹脂層(6)を設け、
[7]前記蜘蛛の巣状の樹脂層(6)の上に、羽毛を積層した羽毛繊維層(7)を積層し、
[8]その後、前記羽毛繊維層(7)の上面に、前記羽毛繊維層(7)に接する側に裏起毛組織を備えた表生地を載せ積層体を製造し、
[9]前記積層体を加熱プレスし、乾燥して接着一体化
してなることを特徴とする高保温性衣服品用積層生地の製造方法。
〈1〉本発明にかかる高保温性衣服品用積層生地は、表生地(8)と、羽毛繊維層(7)と、裏生地(2)とが積層されてなる高保温性衣服品用積層生地であって、前記裏生地(2)の上面に熱可塑性樹脂層(3、4)が積層され、その上面に上方に向かって順にエアロゲル混合体層(5)、蜘蛛の巣状の樹脂層(6)、羽毛繊維層(7)が積層され、前記羽毛繊維層(7)の上面に、裏面に起毛組織を備えた表生地(8)が積層されてなり、前記裏生地(2)と、前記表生地(8)が、前記熱可塑性樹脂層(3、4)の熱可塑性樹脂材料を介して接着され、前記羽毛繊維層(7)が前記表生地(8)及び前記裏生地(2)と一体化してなるので、加熱プレスによる成形時に、熱可塑性樹脂層(3、4)の熱可塑性樹脂材料及びエアロゲル混合体層(5)のエアロゲル混合体が、羽毛繊維層(7)、蜘蛛の巣状の樹脂層(6)の隙間から、各層を通過して、表生地(8)の裏面の裏起毛組織内に入り込み、かつ前記裏起毛組織(8b)の起毛が、羽毛繊維層(7)、蜘蛛の巣状の樹脂層(6)を貫通してエアロゲル混合体層(5)に粘着し一体化し、また、熱可塑性樹脂層(3、4)とで裏生地(2)と表生地(8)とを接着し、前記羽毛繊維層(7)の羽毛を表生地(8)及び裏生地(2)に固着することができる。
したがって、羽毛が偏ることもなく、軽量であり、かつ、多孔質のエアロゲルを含むエアロゲル混合体層(5)による保温性と、羽毛繊維層(7)の羽毛による保温性が相まって発揮され断熱性能に優れた高保温性衣服品用積層生地となる。
さらに熱可塑性樹脂層(4)を形成するための熱可塑性樹脂材料を、例えば有機溶剤に混合したのものを用いれば、熱可塑性樹脂材料を均等に広げることができるため、樹脂が偏ることなくエアロゲル混合体や蜘蛛の巣状の樹脂及び羽毛繊維層(7)の羽毛の隙間に入り込んで平らで滑らかな生地となるとともに、前記熱可塑性樹脂材料が、加熱後の冷却によりフィルム上に積層されるので、防風効果を備え、上層に積層されるエアロゲル混合体層(5)の高い保温性の効果を高めることができる。
また、羽毛繊維層の厚さが0.05〜2.0mmの場合、全体の最終形態の厚さが0.5〜4.0mm程度という薄さで構成されるので、本発明にかかる高保温性衣服品用積層生地で製造された衣料品や寝装品は、嵩張ることがなく、動きやすく、コンパクトに畳めることができ保管もしやすい。
そして、本発明にかかる高保温性衣服品用積層生地は、高い保温性を備えるので、極寒地等の過酷な環境においても、暖かく快適で、かつ着やすく軽くて嵩張らない衣料品や寝装品を提供できる。また、表生地や裏生地に、防水、撥水加工や吸水加工等することによりあらゆる用途の衣服品に採用できる。
(1)基台上に羽毛を積層する側を上面にした裏生地を載せ、(2)前記裏生地に熱可塑性樹脂を点状に噴霧し、前記熱可塑性樹脂の上に、さらに熱可塑性樹脂を均一に塗布し、前記均一に噴霧された熱可塑性樹脂の上にエアロゲル混合体を配置し、その上面に蜘蛛の巣状に樹脂を噴霧して蜘蛛の巣状の樹脂層を設け、前記蜘蛛の巣状の樹脂層の上に、羽毛を積層した羽毛繊維層を積層し、その後、前記羽毛繊維層の上面に、羽毛繊維層に接する側に裏起毛組織を備えた表生地を載せ積層体を製造し、加熱プレスし乾燥して接着一体化して製造されるので、製造時に羽毛が飛び散ることもなく、また生地にダウンプルーフ加工やキルティング加工など特殊な縫製や加工を必要としないので、衣服品や寝具類の製造が容易である。
(a)は各種材料が積層された状態を説明用に示したものであり、(b)は加熱プレスして成形した高保温性衣服品用積層生地を示している。
図において、1は高保温性衣服品用積層生地、2は裏生地、3は点状に配置される第1の熱可塑性樹脂層、4は平らに均一に塗布される第2の熱可塑性樹脂層、5はエアロゲル混合体層、6は蜘蛛の巣状の樹脂層、7は羽毛繊維層、8は表生地であり、8aは表面、8bは表生地の裏面に備えられた裏起毛組織である。
第1の熱可塑性樹脂層3には、熱可塑性樹脂が点状に均等に噴射されて配置される。前記点状に配置される第1の熱可塑性樹脂層3は、加熱プレスされた際に溶け、上層のエアロゲル混合体層5や蜘蛛の巣状の樹脂層6の隙間に入り込んで裏生地2と羽毛繊維層7及び表生地8を接着し一体化する。前記第1の熱可塑性樹脂層3を構成する樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂系、ポリビニルアセタール系、エチレン酢酸ビニル樹脂系(EVA)、塩化ビニル樹脂(PVC)系、アクリル樹脂系(ACR)、ポリアミド系(PA)、ポリエチレン系(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)系、ポリプロピレン(PP)系、ポリスチレン(PS)系、セルロース系、α−オレフィン系、合成ゴム系(SR)等から、後述する第2の熱可塑性樹脂層4やエアロゲル混合体層5のエアロゲル混合体との間の接着性能や、製造工程における加熱工程の順番等を考慮して選択することができる。
上記第1の熱可塑性樹脂層3は熱可塑性樹脂材料単独で又は2種以上混合して構成してもよい。
本実施例においては、ポリアミド樹脂(PA)や熱可塑性ポリウレタンエラストマー樹脂(TPU)を用いている。これらは接着性、伸縮性に優れ好適である。
前記第2の熱可塑性樹脂層4は、通気性を有する程度に、全体に平らに均一に積層される。第2の熱可塑性樹脂層4は、接着の効果だけでなく、加熱プレスされて溶剤の水分が蒸発して残った樹脂材がフィルムのようになり、通気性を有しつつも、防風効果を発揮し、上層のエアロゲル混合体層5の保温性能を高めるのに役立っている。
前記第2の熱可塑性樹脂層4を構成する熱可塑性樹脂材料は、粉末状、粒子状、繊維状あるいは液状であってもよいが、有機溶剤に粉末状の熱可塑性樹脂材料を混ぜて、第1の熱可塑性樹脂層3上に噴霧して塗布することで、簡単に第2の熱可塑性樹脂層4を形成することができる。
このように本発明にかかる高保温性衣服品用積層生地1は、第1の熱可塑性樹脂層3だけでなく、第2の熱可塑性樹脂層4を積層することで、第1の熱可塑性樹脂層3が通気性を高め、第2の熱可塑性樹脂層4が保温性を高め、エアロゲル混合体層5の効果を最大限に引き出す構成となっている。
また、前記第2の熱可塑性樹脂層4の熱可塑性樹脂材料を均等分散する溶剤としては、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類が挙げられ、加熱プレス時に水分が蒸発しやすく、熱可塑性樹脂材料との相性で分散性のよいものを選択することが好ましい。
前記エアロゲル混合体層5は、エアロゲルと合成樹脂を混合したエアロゲル混合体で構成される。
エアロゲルとしては、シリカエアロゲル、カーボンエアロゲル、アルミナエアロゲルなどが挙げられるが、本発明では、特にシリカエアロゲルが好適に用いることができる。
本発明にかかる高保温性衣服品用積層生地におけるエアロゲル混合体層5を形成するエアロゲルの材料の形状としては、細かい粒状のものが好ましく用いられる。また、エアロゲル微粒子を合成樹脂発泡体に含有させた混合体が好ましく用いられる。エアロゲルの微粒子は、非常に低密度な個体で、液体中で調製した多孔体、即ちゲルを超臨界乾燥を用いて空隙を維持して乾燥多孔体としたもので、エアロゲルを用い場合は、加熱圧縮後も、あたかも中空層を形成するように機能する。また、エアロゲルは極めて軽量の固体である。
そして、前記エアロゲルは熱伝導率が、空気の熱伝導率よりも低いため、高い断熱特性を有する。
そこで、本発明では、上記のような衣服品用積層生地に使うのは難しいとされるエアロゲルの問題点を、エアロゲルと合成樹脂発泡体を混合したエアロゲル混合体をエアロゲル混合体層5に用いることで解消している。
エアロゲル混合体を構成するエアロゲルと混合する合成樹脂発泡体は、ポリプロピレン(PP)発泡体、ポリアミド樹脂(PA)発泡体や熱可塑性ポリウレタンエラストマー樹脂(TPU)、ポリオレフィン系樹脂発泡体などであり、特に、ポリプロピレン(PP)発泡体は化学的安定性に優れ、耐熱性も高く、空隙率も高く柔軟性もあり好適に用いられる。
また、エアロゲル混合体層5を構成する合成樹脂発泡体は、加熱プレスして成形する際には接着剤となり、上層に積層される羽毛繊維層7の隙間に入り込み、さらに上層の表生地8の裏面の起毛組織8b内まで入り込む。そして、表生地8の裏面と羽毛繊維層7をしっかり接着する。
また、前記エアロゲル混合体層5は、前記エアロゲルと合成樹脂発泡体との混合体を、斑点状やドット状に配置すると、保温性ともに通気性を高めることができ好ましい。
前記蜘蛛の巣状の樹脂層6は、蜘蛛の巣状に形成された樹脂により構成される。
蜘蛛の巣状の樹脂層6は、例えば、熱可塑性を有するポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド系の各樹脂又は繊維から選ばれる材料で構成される。これらの樹脂材料を溶解し蜘蛛の巣状に噴霧する。そうして、加熱プレスして成形すると、蜘蛛の巣状に噴霧された樹脂が溶けて、さらに上面に積層される羽毛と複雑に接着するため、羽毛の浮きや偏り、吹き出し、飛び散りを防止することができる。
このように本発明における高保温性衣服品用積層生地1は、裏生地2と羽毛繊維層3との間に、蜘蛛の巣状の樹脂層5を設けることで、羽毛30の吹き出しや抜け、衣服品への加工時の飛び散り等を防ぎ、より保温性が高い滑らかな生地を構成する。
本発明にかかる羽毛繊維層7は、羽毛70の集合体で構成される。ここで「羽毛」とは、アヒルやガチョウなどの鳥のダウン(羽毛)やフェザー(羽根)のいずれをも含む総称である。したがって、羽毛繊維層7は、ダウンだけで構成しても、フェザーだけで構成してもよく、ダウンとフェザーを混合してもよい。
なお、軽量で暖かく風合いが柔らかいことから天然の羽毛が好ましいが、本発明の構成は、人工羽毛、人工羽毛綿と呼ばれる合成繊維の疑似羽毛を用いてもよい。
表生地9は、裏面に起毛組織8bを備えたものが用いられる。
本発明にかかる高保温性衣服品用積層生地1を構成する羽毛繊維層7、蜘蛛の巣状の樹脂層6はそれぞれ隙間や貫通孔が形成されているので、加熱プレス時、羽毛繊維層7に接している裏起毛組織8bの起毛は前記羽毛繊維層7の隙間、蜘蛛の巣状の樹脂層6の通気孔を貫通し、その下のエアロゲル混合体層5に粘着する構成となっている。したがって、加熱プレスして成形した際には、羽毛繊維層7も蜘蛛の巣状の樹脂層6もあたかも前記裏起毛組織8bの起毛の間の隙間に入り込んだ状態で接着されることになる。
そして、裏起毛組織8bの起毛の間の隙間に羽毛繊維層7の羽毛70や、蜘蛛の巣状の樹脂層6の樹脂が入り込んでエアロゲル混合体層5と前記エアロゲル混合体層5の下層の第2の熱可塑性樹脂層4とで一体に接着され、一つの保温構造体を形成する。
前記保温構造体は、さらにその下の第1の熱可塑性樹脂層3の合成樹脂とも混ざって裏生地2と強固に接着され一体化する。
また、表生地8の表面8aと裏生地2を同じ素材としても、異なる素材としてもよく、製造するものによって適宜素材を選ぶことができる。
素材が限定されないのは、表生地8と裏生地2の間に介挿される羽毛繊維層7の羽毛70が、表生地8の裏面の起毛組織8bに入り込み、蜘蛛の巣状の樹脂層6の樹脂材料、エアロゲル混合体層5の混合体を構成する合成樹脂、さらにその下層の熱可塑性樹脂層(3、4)の熱可塑性樹脂材料等の樹脂等が接着剤として機能を発揮し、加熱プレスして成形されると、各樹脂が羽毛70間に入り込み、羽毛70自体を相互に接着することになるため、羽毛70が単独で表生地8や裏生地2から吹き出ることがないからである。
したがって、本発明にかかる高保温性衣服品用積層生地1の表生地8及び裏生地2は、特に高密度の素材に限定されず、密度に関係なく、またダウンプルーフ加工の有無にも関係なく、任意の素材を使用することができるものとなっている。
このように、本発明にかかる高保温性衣服品用積層生地1は、表生地8、羽毛繊維層7及び裏生地2を接着効果のある熱可塑性樹脂、蜘蛛の巣状の樹脂、エアロゲル混合体によりしっかりと接着され一体化し、あたかも一枚の生地のように取り扱えるため、表生地8や羽毛繊維層7及び裏生地2は、それぞれ互いの動きに追従し伸縮性を阻害することがなく、異なった素材も用途に合わせて任意に選ぶことができる。
したがって、さらに好ましくは、表生地8及び裏生地2の素材にもよるが、羽毛繊維層7の厚さα1が0.4〜0.8mm程度になるよう羽毛の量を調整すると、軽量で嵩張らず、より一枚の生地のように扱え、通常の一枚生地のごとく裁断、縫製等の製造作業ができるので好適である。
したがって、本発明にかかる高保温性衣服品用積層生地1は、上記のようにあたかも一枚の生地のごとく取り扱うことができるので、ジャケットやズボン、スカート、シャツ、防寒用インナーや帽子など、任意の衣料品を製造するための生地として用いることができ、高保温性衣服品用積層生地1の表生地8は、そのまま各製品の表生地として使用できる。
同様に、本発明にかかる高保温性衣服品用積層生地1は、寝装品についても用いることができる。寝装品についても、高保温性衣服品用積層生地1の表生地8は、そのまま各製品の表生地として使用できる。
そして、寝装品も、製品全体を高保温性衣服品用積層生地1で構成してもよく、製品の一部に本発明の高保温性衣服品用積層生地1を用いる構成とすることもできる。
衣料品、寝装品いずれに用いる場合においても、少なくとも表生地8の素材を、製造する製品に応じて選択して高保温性衣服品用積層生地1を構成すれば、伸縮性があってとても暖かいうえに、軽く適度に通気性のある衣料品、寝装品を製造することができる。
本発明にかかる高保温性衣服品用積層生地1の製造方法の一例としては、
(1)基台上に羽毛を積層する側を上面にした裏生地2を載せ、
(2)前記裏生地2に熱可塑性樹脂を点状に噴霧し、
(3)前記熱可塑性樹脂の上に、さらに熱可塑性樹脂を均一に塗布し、
(4)前記均一に噴霧された熱可塑性樹脂の上にエアロゲル混合体を配置し、
(5)前記エアロゲル混合体の上に蜘蛛の巣状に樹脂を噴霧して蜘蛛の巣状の樹脂層6を設け、
(6)前記蜘蛛の巣状の樹脂層6の上に、羽毛を積層した羽毛繊維層7を積層し、
(7)その後、前記羽毛繊維層7の上面に、羽毛繊維層7に接する側に裏起毛組織8bを備えた表生地8を載せ積層体を製造し、
(8)前記積層体を加熱プレスし、乾燥して接着一体化
して製造されてなる。
そして、前記裏生地2の上面に、樹脂供給手段により、第1の熱可塑性樹脂層3を構成する熱可塑性樹脂材料が均一に点状に噴霧される(第2工程)。点状に噴霧することで通気性を高めている。
前記第1の熱可塑性樹脂層3が点状に噴霧された上面に第2の熱可塑性樹脂層4を平らに均一に塗布することで、通気性を保持しつつ、保温性を高め、かつ平滑で弾力性、伸縮性のある高保温性衣服品用積層生地1を構成している。また、均一に塗布するため、第2の熱可塑性樹脂は、有機溶剤に混合させて使用することが好ましい。
エアロゲル混合体層5は、エアロゲルと合成樹脂発泡体を混合したエアロゲル混合体からなる。前記合成樹脂発泡体は、成形時の加熱プレスにより溶けて接着材料化するので、これを考慮して、斑点状あるいはライン状に配置することが好ましい。
本実施例においては、エアロゲル混合体層5は、ポリプロピレン(PP)発泡体にエアロゲル微粒子を配合し混合一体化したエアロゲル混合体で構成されている。
蜘蛛の巣状の樹脂層6を形成するため、あらかじめ、蜘蛛の巣状に成形した樹脂シートや樹脂テープを配置したエアロゲル混合体の上に配置してもよいが、生地の形状に柔軟に対応すべく、エアロゲル混合体の上面に蜘蛛の巣状に樹脂を噴霧して蜘蛛の巣状の樹脂層6を形成することが好ましい。
羽毛供給手段は、できるだけムラなく積層できる方法が選択される。例えば、塗布された蜘蛛の巣状の樹脂の上に羽毛を自然落下させる方法や、電極を配置して静電植毛と同様の方法により羽毛を吸着させてもよい。
本発明において、表生地8は、裏面に裏起毛組織8bを備える。前記裏起毛組織8bの起毛は、下層の羽毛70の隙間や蜘蛛の巣状の樹脂の通気孔に貫通し、エアロゲル混合体層5の合成樹脂発泡体に粘着し、羽毛繊維層7の羽毛70を絡めるように挟み込み、全体を一体化する。
この第7工程で、前記積層体を構成する各種熱可塑性樹脂材料が加熱され溶解し、それぞれ混ざり合うとともに、蜘蛛の巣状の樹脂層6の隙間や羽毛繊維層7の隙間に入り込み、それぞれを強固に接着する。
また、エアロゲル混合体層5を構成する合成樹脂発泡体も加熱により溶解し、エアロゲルが合成樹脂発泡体や下層の熱可塑性樹脂層4の熱可塑性樹脂材料を介して裏生地2上に接着されるとともに、前記エアロゲルが、合成樹脂発泡体や蜘蛛の巣状の樹脂層の樹脂を介して前記表生地8の裏面の裏起毛組織8bの起毛の間に、羽毛70とともに入り込み接着されて一体化し、高保温性衣服品用積層生地全体の保温性を高めるよう機能する。
なお、圧縮手段によるプレスは、羽毛繊維層7が所定の厚さα1になるように調整され、全体として、所定の厚さα2になるように仕上げられる。
図示しないが、上記一連の製造工程を、製造ライン上で実施することで、仕上がった高保温性衣服品用積層生地1をロール状に巻き上げて仕上げることもできる。
なお、プレス機と乾燥機による作業は別でなくてもよく、ホットプレス機等で一気に圧縮(圧着)と加熱及び乾燥を同時に行えば、作業効率を高めることができる。
2 裏生地
3 点状に配置される第1の熱可塑性樹脂層
4 均一に平らに塗布される第2の熱可塑性樹脂層
5 エアロゲル混合体層
6 蜘蛛の巣状の樹脂層
7 羽毛繊維層
8 表生地
8a 表面
8b 裏起毛組織
70 羽毛
α1 羽毛繊維層の厚さ
α2 全体の厚さ
Claims (6)
- 表生地と、羽毛繊維層と、裏生地とが積層されてなる高保温性衣服品用積層生地であって、
前記裏生地の上面に熱可塑性樹脂層が積層され、その上面に上方に向かって順にエアロゲル混合体層、蜘蛛の巣状の樹脂層、羽毛繊維層が積層され、前記羽毛繊維層の上面に、裏面に起毛組織を備えた表生地が積層されてなり、
前記裏生地と、前記表生地が、前記熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂材料を介して接着され、前記羽毛繊維層が前記表生地及び前記裏生地と一体化してなることを特徴とする高保温性衣服品用積層生地。 - 前記衣服品用積層生地における羽毛繊維層が、層の厚さが0.05〜2.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の高保温性衣服品用積層生地。
- 前記高保温性衣服品用積層生地が、全体の厚さが0.5〜4.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の高保温性衣服品用積層生地。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の高保温性衣服品用積層生地を少なくともその一部に用いてなることを特徴とする衣料品。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の高保温性衣服品用積層生地を少なくともその一部に用いてなることを特徴とする寝装品。
- 表生地と羽毛繊維層及び裏生地からなる高保温性衣服品用積層生地の製造方法であって、
(1)基台上に羽毛を積層する側を上面にした裏生地を載せ、
(2)前記裏生地に熱可塑性樹脂を点状に噴霧し、
(3)前記熱可塑性樹脂の上に、さらに熱可塑性樹脂を平らに均一に塗布し、
(4)前記平らに均一に噴霧された熱可塑性樹脂の上にエアロゲル混合体を配置し、
(5)前記エアロゲル混合体の上に蜘蛛の巣状に樹脂を噴霧して蜘蛛の巣状の樹脂層を設け、
(6)前記蜘蛛の巣状の樹脂層の上に、羽毛を積層した羽毛繊維層を積層し、
(7)その後、前記羽毛繊維層の上面に、前記羽毛繊維層に接する側に裏起毛組織を備えた表生地を載せ積層体を製造し、
(8)前記積層体を加熱プレスし、乾燥して接着一体化
してなることを特徴とする高保温性衣服品用積層生地の製造方法。
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