JP2014023675A - 涼感カ−ペット - Google Patents

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Shuichi Yonezawa
修一 米澤
Kazuya Nishihara
和也 西原
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Abstract

【課題】本発明は、室温が35℃近くであっても人がカーペットの表面に触れたときに、確実に冷感を感じられるようにした夏用のカーペットを提供することを目的とする。
【解決手段】パイル糸と基布からなる表皮層と、バッキング層とを含むカ−ペットにおいて、基布から上のパイル糸に融点が20〜35℃で二種類以上の融点をもつ相転移材料を封入したマイクロカプセルと、糖アルコールとが固着され、QMAX(接触温冷感値)が0.085j/cm・secより大きく、室温が35℃近くであっても人がカーペットの表面に触れたときに、確実に冷やりとした涼しさを感じられるようにした夏用のカーペットが得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、清涼感のあるカーペットに関するものであり、人がカーペットの表面に触れたときに冷やりとした涼しさを感じるようにした、夏用のカーペットに関するものである。
日本の住宅において、カーペットは1年を通じて多く使われるようになり、カーペットの上に座ったり、横になったりして寛ぐ家庭は多い。カーペットは、冬季には暖かさを求められ、夏季においては涼しく爽やかな感覚の得られるようなものが好まれる。冬季と夏季で、それぞれ異なる性質のカーペットを敷きかえるようにしているのが一般的である。特に夏季においては、夏用のカーペットとして、汗等の吸水性のよい綿カーペットや、イグサや籐の敷物を敷いて夏の暑さを凌ぐようにしていることが多い。
特許文献1においては、さらさらとした清涼感のあるカーペットを得るべく、単繊維断面の扁平率が3〜8で、該単繊維の繊度が5〜25dtexのポリ乳酸繊維で構成されるポリ乳酸扁平捲縮糸を用いたカーペットが提案されている。
また、特許文献2においては、水和熱が負である物質と特定の無機化合物との複合体を布帛に担持させたものは清涼性に優れ、夏用の衣服やタオルなどに有用な技術として提案されている。
また、特許文献3においては、繊維製品に優れた接触冷感を付与すべく、融点が25〜37℃であり、潜熱の放出・吸収を伴って可逆的に固液相転移する潜熱蓄熱材を封入してなるマイクロカプセルを固着することによって、皮膚との接触時に心地よい冷感を与え、暑さによる不快感を低減する技術を開示している。
また、特許文献4において、出願人は、カーペットの基布の表面側と、基布から上のパイル糸全体に相転移材料を封入したマイクロカプセルを固着させることにより、人がカーペットの表面に触れたときに、確実に冷やりとした涼しさを感じられる技術を開示している。
特開2005−048303号公報 特開2004−115964号公報 特開2006−161226号公報 特開2008−285803号公報
しかしながら、これらの技術は、繊維形態を特殊な扁平形態にしてさらさら感を付与するカーペットの技術であったり、潜熱蓄熱材を利用して衣料用等の薄物の繊維表面に清涼感を与える技術ではある。これらの技術によって清涼感や冷感は得られるものの、近年の特に都市部でのヒートアイランド現象とともに室温が35℃近くにもなると、冷感を感じにくくなってきたので、さらに性能向上が求められていた。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、室温が35℃近くであっても人がカーペットの表面に触れたときに、確実に冷感を感じられるようにした夏用のカーペットを提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、基布の表面側と、基布から上のパイル糸全体に融点が20〜35℃で二種類以上の融点をもつ相転移材料を封入したマイクロカプセルと、糖アルコールとを固着させることにより、QMAX(接触温冷感値)が0.085j/cm・secより大きく、室温が35℃近くであっても人がカーペットの表面に触れたときに、確実に冷やりとした涼しさを感じられるようにした夏用のカーペットが得られることを見出し本発明に到達した。前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]パイル糸と基布からなる表皮層と、バッキング層とを含むカ−ペットにおいて、基布から上のパイル糸に融点が20〜35℃で二種類以上の融点をもつ相転移材料を封入したマイクロカプセルと、糖アルコールとが固着され、QMAX(接触温冷感値)が0.085j/cm・secより大きいことに特徴のある涼感カ−ペット。
[2]パイル糸と基布からなる表皮層と、バッキング層とを含むカ−ペットにおいて、基布表面と基布から上のパイル糸に融点が20〜35℃で二種類以上の融点をもつ相転移材料を封入したマイクロカプセルと、糖アルコールとが固着され、QMAX(接触温冷感値)が0.085j/cm・secより大きいことに特徴のある涼感カ−ペット。
[3]前記糖アルコールが、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、トレハロースからなる群から選択される前項1または2に記載の涼感カーペット。
[4]前記相転移材料を封入したマイクロカプセルが0.50〜50.0g/m、かつ前記糖アルコールが0.50〜40.0g/mバインダー樹脂によってカ−ペットに固着している前項1〜3のいずれか1項に記載の涼感カ−ペット。
[5]前記涼感カ−ペットにおいて、パイル糸が少なくとも綿を含んでいるパイル糸によって構成されることに特徴のある前項1〜4のいずれか1項に記載の涼感カ−ペット。
[1]の発明では、パイル糸と基布からなる表皮層と、バッキング層とを含むカ−ペットにおいて、基布から上のパイル糸に融点が20〜35℃で二種類以上の融点をもつ相転移材料を封入したマイクロカプセルと、糖アルコールとが固着されているので、QMAX(接触温冷感値)が0.085j/cm・secより大きく、室温が35℃近くであっても人がカーペット表面のパイル糸に触れたとき、冷やりとした涼しさを感じることができる。
[2]の発明では、パイル糸と基布からなる表皮層と、バッキング層とを含むカ−ペットにおいて、基布表面と基布から上のパイル糸に融点が20〜35℃で二種類以上の融点をもつ相転移材料を封入したマイクロカプセルと、糖アルコールとが固着されているので、QMAX(接触温冷感値)が0.085j/cm・secより大きく、室温が35℃近くであっても人がカーペット表面のどの部分に触れたとしても、冷やりとした涼しさを感じることができる。
[3]の発明では、前記糖アルコールが、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、トレハロースからなる群から選択されるので、人がカーペット表面のどの部分に触れたとしても、人の肌に含まれる水分と前記糖アルコールの吸熱反応によって、室温が35℃近くであっても人がカーペットの表面に触れたときに、確実に冷やりとした涼しさを感じることができる。
[4]の発明では、前記相転移材料を封入したマイクロカプセルが0.50〜50.0g/m、かつ前記糖アルコールが0.50〜40.0g/mバインダー樹脂によってカ−ペットに固着しているので、室温が35℃近くであっても十分な涼感能力を持ったカーペットとすることができる。
[5]の発明では、パイル糸が少なくとも綿を含んでいるパイル糸によって構成されるので、吸湿性のよい綿繊維が、人体の汗等の水分をとることからサラッとした涼感を感じることができるとともに、吸湿した水分と前記糖アルコールの吸熱反応によって、室温が35℃近くであっても、さらに十分な涼感能力を持ったカーペットとすることができる。
次に、この発明に係る涼感カーペットについて説明する。この実施形態の涼感カーペットは、パイル糸と基布とバッキング層を含み、パイル糸の全体と基布のパイル糸側表面に融点が20〜35℃で二種類以上の融点をもつ相転移材料を封入したマイクロカプセルと、糖アルコールとがバインダー樹脂により固着され、QMAX(接触温冷感値)が0.085j/cm・secより大きい値のカーペットである。夏用のカーペットは、冬用のものに比べてパイル長が低く、ステッチが粗く目付の軽い傾向があるので、人がカーペット上に乗って手をついたとき、パイル糸だけでなく基布にも皮膚が接することがあるので、基布表面と基布から上のパイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルと、糖アルコールとを固着させている。
相転移材料(PCM)は、固相と液相との間で反復転換する材料で、融解、凝固するときに発現する熱を利用して、熱を蓄積、あるいは放出させて、相転移材料周辺の温度を制御するものである。相転移材料としては、パラフィンやワックス等の炭化水素化合物が好適に使用されるが特に限定しない。該相転移材料を封入したマイクロカプセルは市販されており、大和化学工業株式会社製プレサーモ、三木理研工業株式会社製蓄熱蓄冷マイクロカプセル等を挙げることができ、マイクロカプセルの組成としても、特に限定されなくて、一般に市販されているものでよい。
本発明で使用する相転移材料を封入したマイクロカプセルは、熱吸収のピーク温度(融点ともいう)または熱放散のピーク温度(凝固点ともいう)が20〜35℃の範囲内である。人の体温は、36〜37℃であるが、手や足の表面温度はこれよりも低く32〜34℃といわれているので、20〜35℃で熱吸収のピーク温度(融点)となる相転移材料が好ましい。より好ましいピーク温度(融点)は、25〜32℃である。
熱吸収のピーク温度が低すぎる場合では、人体が接触する前に既に相転移材料が溶けてしまっており、人体が接触しても涼感効果を得ることはできない。また、熱吸収のピーク温度が高すぎる場合には、人体が接触しても、相転移材料が溶けないため、涼感効果を得ることはできない。
室温の高い部屋で本発明のカーペットを使用する場合は、二種類以上の融点をもつ相転移材料が必要である。例えば、融点が25℃と32℃の二種類の融点をもつ相転移材料を封入したマイクロカプセルを50対50の割合でパイル糸と基布に固着させた場合、夏の日の朝の室温が20℃のときは、融点25℃の相転移材料が有効に働き涼感効果を得ることができる。午後になって室温が上昇し、30℃となった場合は、融点の低い相転移材料は、既に溶けてしまっており、32℃の融点をもつ相転移材料の効果しか得ることができない。25℃の融点をもつ相転移材料で全てを構成した場合、午前中は、涼感を感じられるが、午後は全く感じられない状況となる。また、32℃の融点をもつ相転移材料で全てを構成した場合は、室温と融点の温度差が大きく、ほとんど涼感効果が得られないが、室温と融点の温度差が小さくなる午後には涼感を感じられるようになる。
相転移材料を封入したマイクロカプセルは、0.50〜50.0g/mバインダー樹脂によってカーペットの基布表面と基布から上のパイル糸に固着されるのが好ましい。0.50g/mを下回ると涼感効果を感じられない。また、50.0g/mを超えて固着しても、カーペットの風合が硬くなり、コストが上昇するだけで効果が伴わず好ましくない。より好ましくは、1〜20.0g/mの固着量がよい。
また相転移材料を封入したマイクロカプセルの粒径は1〜50μmが好ましい。50μmを超えると、ザラツキ感や硬さが発現しカーペットの好ましい風合にならない。更に好ましい粒径は、5〜25μmである。
本発明で使用する糖アルコールは、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、トレハロースからなる群から選択されるのが好ましい。糖アルコールは吸湿性もあるし、さらに人の肌に含まれる水分との吸熱反応によって、人がカーペットの表面に触れたときに、確実に冷やりとした涼しさを感じることができる。さらに好ましくは、キシリトール、エリスリトールである。
糖アルコールは、0.50〜40.0g/mバインダー樹脂によってカーペットの基布表面と基布から上のパイル糸に固着されるのが好ましい。0.50g/mを下回ると吸湿性、及び吸熱反応も十分でなく、涼感効果を感じられない。また、40.0g/mを超えて固着しても、コストが上昇するだけで効果が伴わず好ましくない。より好ましくは、1〜30.0g/mの固着量がよい。さらに好ましくは、1〜15.0g/mの固着量がよい。
バインダー樹脂としては、パイル糸と基布表面に相転移材料を封入したマイクロカプセルと、糖アルコールとを強固に固着することが出来ればよいが、一般的には、例えばウレタン樹脂、自己架橋型アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、シリコン樹脂、グリオキザール樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル−シリコン共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂(SBR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、イソブチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−スチレン−アクリレート−メタアクリレート共重合体樹脂等を挙げることができる。
パイル糸と基布表面に相転移材料を封入したマイクロカプセルと、糖アルコールとを固着する方法は、バインダー樹脂溶液に浸透剤、相転移材料を封入したマイクロカプセル等を均一に分散させたのち、糖アルコールを均一に混ぜればよい。そして、スプレー法やコーティング法など従来からある方法でカーペットのパイル糸側にパイル糸の上側から十分塗布し、乾燥処理してパイル糸と基布の表面に固着する。バインダー樹脂の乾燥手段は、加熱処理により乾燥させる方が望ましく、バッキング層の乾燥工程と同時に行うと効率的である。この時の加熱処理温度は、パイル糸と基布とバッキング層の素材や規格にもよるが、100〜180℃とするのが好ましい。この温度での加熱処理によりパイル糸への固着性がより高まり、耐久性が一段と向上する。
また、前記相転移材料を封入したマイクロカプセルと、糖アルコールとバインダー樹脂とは、水に分散した水分散液として使用することができる。バインダー樹脂については水との間でエマルジョン状態を形成させるのがより好ましい。なお、分散媒としては、水以外にアルコール等も使用し得るが、水が好適である。水に分散させる順序としては、相転移材料を封入したマイクロカプセルを水に分散させておいてから、糖アルコール、バインダー樹脂を分散せしめるのが、マイクロカプセルとバインダー樹脂をより均一に分散させる観点から好ましい。また、この水分散液に、浸透剤、分散剤、増粘剤などの各種添加剤を配合してもよい。
本発明において、パイル糸の素材としては特に限定されず、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、レ−ヨン繊維等の合成繊維からなるもの等を好適に使用でき、その他麻、綿、羊毛等の天然繊維からなるもの等も使用できる。中でも、綿は吸水性に優れていることから夏用のカーペットに多く使われており、本発明においても吸湿性のよい綿繊維が相転移材料を封入したマイクロカプセルの効果と相俟って、サラッとした涼感のあるカーペットとすることができる。パイルの形態としてもカットパイルであっても、ル−プパイルであってもよいが、ル−プパイルのほうが涼感は感じやすい。パイル糸2の目付についても、特に限定されないで、カーペットの形態をなすものであればよい。
また、基布としても、特に限定されるものではなく、ポリエステル繊維やポリプロピレン繊維、麻、綿等の天然繊維からなる織、編基布、不織布等通常使用される基布でよいが、中でも、綿基布は吸水性に優れていることから夏用のカーペット基布に多く使われており、本発明においても好ましい素材である。
QMAXは、一定面積、一定質量の純銅板(熱容量0.41855j/℃)に熱を蓄え、これが試料表面に接触した直後に、蓄えられた熱量が低温側の試料物体に移動する熱量のピーク値を測定した値をいうもので、QMAXが大きいほど接触したときに冷たく感じ、小さいほど温かく感じる。
次に、バッキング層としては、パイル糸と基布とを固定できる樹脂組成物やゴム組成物であれば特に限定されず、例えば樹脂組成物の樹脂成分としてはアクリル系、ウレタン系、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂が挙げられる。ゴム組成物のゴム成分としてはSBR(スチレン−ブタジエン)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)MBR(メチルメタクリレート−ブタジエンゴム)あるいは天然ゴム等が挙げられる。また、充填剤として炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、フライアッシュ等を添加してバッキング層として使用するのが一般的である。
また、バッキング層の下側にクッション性能とバッキング層の保護性能を付与すべく、不織布からなるセカンド基布を設けてもよい。セカンド基布としては、特に限定されず、ニ−ドルパンチ不織布、スパンボント不織布等を例示できる。セカンド基布の目付は50〜1000g/m、その厚さを0.5〜15mm、構成繊維の繊度を0.1〜30デシテックスの範囲に設定するのが好ましい。セカンド基布の目付が、50g/m未満ではカ−ペットとしての機能や品位の劣ったものとなり、好ましくない。1000g/mを超えると徒にコスト増大となるだけで好ましくない。素材としては、パイル糸、基布と同様に特に限定されない。また、セカンド基布の最下部表面に、樹脂組成物やゴム組成物で滑り止め層を形成してもよい。
次に、この発明の実施例として使用したカーペットの材質、構造、相転移材料を封入したマイクロカプセル、糖アルコールの種類、加工方法、涼感性能測定試験および判定方法は次の通りである。
<使用材料>
基布・・・目付100g/mポリプロピレンテープヤーン織布(14×13)
パイル糸・・・ポリエステル繊維(捲縮糸)からなるパイル糸をループ状にタフティング機(1/8G)で基布に植え込む(パイル長5.0mm、目付500g/m
バッキング層・・・SBRラテックス(充填剤として炭酸カルシウム)
セカンド基布・・・5デシテックスのポリエステル繊維からなるニードルパンチ不織布(目付300g/m、厚さ6mm)
相転移材料を封入したマイクロカプセル・・・パラフィンをメラミン樹脂からなるマイクロカプセルに封入。(パラフィンは融点25℃と融点31℃の二種類)
糖アルコール・・・キシリトール
バインダー樹脂・・・ウレタン系樹脂
<涼感性能測定試験>
QMAX・・・カトーテック株式会社製THERMO LABO II TYPEを用い、純銅板の初期温度36℃、カーペット温度28℃、接触圧0.98kPaで測定した。0.085j/cm・secより大きいものを合格とした。ただし、カーペットをあらかじめ接触圧3.92MPa、温度60℃で2分間プレスして表面を整えたのち、室温28℃の環境下に2時間放置してから測定した。
温度低下評価・・・乾燥機にて測定用カーペット(10cm角サイズ)2枚を70℃で2時間乾燥した。温度35.0℃、湿度30%RHに調節されたインキュベータ内にあらかじめデシケータを設置した。つづいて、乾燥後の測定用カーペットの温度を安定させるため、デシケータ内に測定用カーペット2枚を2時間静置して調温した。なお、このインキュベータ内にはデシケータの他、蒸留水、温度センサ、2枚の測定用カーペットで温度センサを挟むクリップ、ピペット(0.5mL)も設置した。2時間経過後に、前記デシケータから測定用カーペット2枚を取り出し、2枚の測定用カーペットの中心位置に蒸留水0.5mLをピペットで滴下した。その直後、蒸留水を滴下した位置に当接するように温度センサを設置し、30分間にわたり5分ごとに測定用カーペットの温度を測定し、その平均温度を求めた。なお、未加工のカーペット(比較例1)を基準として、0.5℃以上温度低下が見られたものを合格とした。
官能評価・・・カーペットの上に裸足で乗り、10分後に冷たいと感じるかどうかを一対比較法で評価し、被験者数を10人とし、80%以上の人が冷たいと感じたものを合格とした(気温35℃、湿度50%の標準室内にて評価)。なお、未加工のカーペット(比較例1)を基準とした。
<実施例1>
水100重量部に相転移材料を封入したマイクロカプセル分散液(パラフィン封入、融点25℃と31℃を1:2の割合、固形分40%)30重量部を分散させておいてから、キシリトール20重量部、バインダー樹脂を6重量部分散した水溶液をスプレーにてカーペット表面に250g/m塗布し、120℃、10分間乾燥処理して、カーペット上に相転移材料を封入したマイクロカプセルが30g/m固着、キシリトールが20g/m固着した涼感カーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.098j/cm・secであった。また、温度低下評価による低下温度は1.8℃であり、比較例1との官能評価の結果は、10人の人が冷たいと感じていた。いずれも合格であった。
<比較例1>
実施例1において、相転移材料を封入したマイクロカプセル、及び糖アルコールを用いなかった以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.070j/cm・secであった。温度低下評価及び官能評価における基準となるカーペットとした。
<実施例2>
実施例1において、糖アルコールとしてキシリトールに替えてエリスリトールを用いた以外は、実施例1と同様にしてカーペット上に相転移材料を封入したマイクロカプセルが30g/m固着、エリスリトールが20g/m固着した涼感カーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.097j/cm・secであった。また、温度低下評価による低下温度は1.9℃であり、比較例1との官能評価の結果は、10人の人が冷たいと感じていた。いずれも合格であった。
<実施例3>
実施例1において、パイル糸として、ポリエステル100%を綿100%の4.2番手双糸とした以外は、実施例1と同様にしてカーペット上に相転移材料を封入したマイクロカプセルが30g/m固着、キシリトールが20g/m固着した涼感カーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.108j/cm・secであった。また、温度低下評価による低下温度は1.8℃であり、比較例1との官能評価の結果は、10人の人が冷たいと感じていた。いずれも合格であった。
<実施例4>
実施例1において、糖アルコールとしてキシリトールに替えてソルビトールを用いた以外は、実施例1と同様にしてカーペット上に相転移材料を封入したマイクロカプセルが30g/m固着、ソルビトールが20g/m固着した涼感カーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.091j/cm・secであった。また、温度低下評価による低下温度は1.4℃であり、比較例1との官能評価の結果は、9人の人が冷たいと感じていた。いずれも合格であった。
<実施例5>
実施例1において、相転移材料を封入したマイクロカプセル分散液(パラフィン封入、融点25℃と31℃を1:2の割合、固形分40%)0.3重量部、キシリトール0.4重量部とした以外は、実施例1と同様にしてカーペット上に相転移材料を封入したマイクロカプセルが0.3g/m固着、キシリトールが0.4g/m固着した涼感カーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.086j/cm・secであった。また、温度低下評価による低下温度は1.1℃であり、比較例1との官能評価の結果は、8人の人が冷たいと感じていた。いずれも合格であった。
<実施例6>
実施例1において、相転移材料を封入したマイクロカプセル分散液(パラフィン封入、融点25℃と31℃を1:2の割合、固形分40%)52重量部、キシリトール42重量部とした以外は、実施例1と同様にしてカーペット上に相転移材料を封入したマイクロカプセルが52g/m固着、キシリトールが42g/m固着した涼感カーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.112j/cm・secであった。また、温度低下評価による低下温度は2.3℃であり、比較例1との官能評価の結果は、10人の人が冷たいと感じていた。いずれも合格であった。なお、カーペット表面の触感は、実用上問題がないものの、実施例1に比べてかたくざらつきを感じるものであった。
<比較例2>
実施例1において、相転移材料を封入したマイクロカプセルを用いなかった以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.072j/cm・secであった。また、温度低下評価による低下温度は1.5℃であり、比較例1との官能評価の結果は、6人の人が冷たいと感じていた。
<比較例3>
実施例1において、相転移材料を封入したマイクロカプセル分散液(パラフィン封入、融点25℃と31℃を1:2の割合、固形分40%)に替えて、相転移材料を封入したマイクロカプセル分散液(パラフィン封入、融点31℃、固形分40%)20重量部用い、糖アルコールは用いなかった以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。カーペット上に相転移材料を封入したマイクロカプセルが20g/m固着したカーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.088j/cm・secであった。温度低下評価による低下温度は0℃であり、すなわち低下は見られなかった。また、比較例1との官能評価の結果は、4人の人が冷たいと感じていた。
<比較例4>
実施例1において、相転移材料を封入したマイクロカプセル分散液(パラフィン封入、融点25℃と31℃を1:2の割合、固形分40%)に替えて、相転移材料を封入したマイクロカプセル分散液(パラフィン封入、融点25℃、固形分40%)10重量部用い、糖アルコールは用いなかった以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。カーペット上に相転移材料を封入したマイクロカプセルが10g/m固着したカーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.071j/cm・secであった。温度低下評価による低下温度は0℃であり、低下は見られなかった。また、比較例1との官能評価の結果は、2人の人が冷たいと感じていた。
上述のように、融点が20〜35℃で二種類以上の融点をもつ相転移材料を封入したマイクロカプセルと、糖アルコールと、を少なくともパイル糸に固着している涼感カーペットは、比較例1〜4のカーペットと比較して、明らかに涼しさの感じられるカーペットであった。

Claims (5)

  1. パイル糸と基布からなる表皮層と、バッキング層とを含むカ−ペットにおいて、基布から上のパイル糸に融点が20〜35℃で二種類以上の融点をもつ相転移材料を封入したマイクロカプセルと、糖アルコールとが固着され、QMAX(接触温冷感値)が0.085j/cm・secより大きいことに特徴のある涼感カ−ペット。
  2. パイル糸と基布からなる表皮層と、バッキング層とを含むカ−ペットにおいて、基布表面と基布から上のパイル糸に融点が20〜35℃で二種類以上の融点をもつ相転移材料を封入したマイクロカプセルと、糖アルコールとが固着され、QMAX(接触温冷感値)が0.085j/cm・secより大きいことに特徴のある涼感カ−ペット。
  3. 前記糖アルコールが、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、トレハロースからなる群から選択される請求項1または2に記載の涼感カーペット。
  4. 前記相転移材料を封入したマイクロカプセルが0.50〜50.0g/m、かつ前記糖アルコールが0.50〜40.0g/mバインダー樹脂によってカ−ペットに固着している請求項1〜3のいずれか1項に記載の涼感カ−ペット。
  5. 前記涼感カ−ペットにおいて、パイル糸が少なくとも綿を含んでいるパイル糸によって構成されることに特徴のある請求項1〜4のいずれか1項に記載の涼感カ−ペット。
JP2012165468A 2012-07-26 2012-07-26 涼感カ−ペット Pending JP2014023675A (ja)

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