JP2010136901A - 涼感カ−ペット - Google Patents

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【課題】本発明は、人がカーペットの表面に触れたときに、確実に冷やりとした涼しさを感じられるようにした、夏用のカーペットを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明者らは、パイル糸と基布からなる表皮層と、バッキング層とを含むカ−ペットにおいて、扁平繊維を含むパイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルを固着することにより、人がカーペットの表面のパイル糸に触れたときに、確実に冷やりとした涼しさを感じられるようにした、夏用のカーペットが得られることを見出し本発明に到達した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、清涼感のあるカーペットに関するものであり、人がカーペットの表面に触れたときに冷やりとした涼しさを感じるようにした、夏用のカーペットに関するものである。
日本の住宅において、カーペットは1年を通じて多く使われるようになり、カーペットの上に座ったり、横になったりして寛ぐ家庭は多い。カーペットは、冬季には暖かさを求められ、夏季においては涼しく爽やかな感覚の得られるようなものが好まれる。この相反する性質を兼ね備えたカーペットは未だ存在していないが、冬季と夏季で、それぞれ異なる性質のカーペットを敷きかえているのが一般的である。特に夏季においては、夏用のカーペットとして、汗等の吸水性のよい綿カーペットや、イグサや籐の敷物を敷いて夏の暑さを凌ぐようにしていることが多い。
特許文献1においては、相転移物質含有シートと、通気性の確保されたシート状立体構造体を積層することにより、人体等に接した場合の温度上昇が抑えられ、優れた涼感を与えることのできる夏季用の敷き布団や敷布等が提案されている。
また、特許文献2においては、繊維製品に優れた接触冷感を付与すべく、融点が25〜37℃であり、潜熱の放出・吸収を伴って可逆的に固液相転移する潜熱蓄熱材を封入してなるマイクロカプセルを繊維に固着することによって、皮膚との接触時に心地よい冷感を与え、暑さによる不快感を低減する技術を開示している。
しかしながら、これらの技術は、潜熱蓄熱材を利用して衣料用や寝具等の薄物の繊維表面に清涼感を与える技術ではあるが、カーペットのように厚みがあって空気を多く含み、断熱効果が大きな繊維集合体においては、保温効果が大きく、カーペットとしての清涼感、冷感を得られるような技術には到ってはいなかった。
出願人は、特許文献3において、基布表面と基布から上のパイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルが固着されていることに特徴のある涼感カ−ペットを提案しているが、さらに涼感性能を向上させることが望まれている。
特開2005−343093号公報 特開2006−161226号公報 特願2007−213522
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、人がカーペットの表面に触れたときに、確実に冷やりとした涼しさを感じられるようにした、夏用のカーペットを提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、扁平繊維を含むパイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルを固着することにより、人がカーペットの表面に触れたときに、確実に冷やりとした涼しさを感じられるようにした夏用のカーペットが得られることを見出し本発明に到達した。前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]パイル糸と基布からなる表皮層と、バッキング層とを含むカ−ペットにおいて、扁平繊維を含むパイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルが固着されていることに特徴のある涼感カ−ペット。
[2]前記パイル糸には、扁平率2〜6の扁平繊維が50質量%以上含まれていることに特徴のある前項1に記載の涼感カ−ペット。
[3]前記相転移材料は、融点が20〜35℃で、マイクロカプセルに封入されている相転移材料であることに特徴のある前項1または2に記載の涼感カ−ペット。
[4]前記相転移材料は、融点が20〜35℃で、マイクロカプセルに封入されている相転移材料で、二種類以上の融点をもつ相転移材料であることに特徴のある前項1または2に記載の涼感カ−ペット。
[5]前記相転移材料を封入したマイクロカプセルが少なくとも0.50〜100g/mバインダー樹脂によってカ−ペットに固着していることに特徴のある前項1乃至4のいずれかに記載の涼感カ−ペット。
[6]前記涼感カ−ペットにおいて、パイル糸が少なくとも綿を含んでいるパイル糸によって構成されることに特徴のある前項1乃至5のいずれかに記載の涼感カ−ペット。
[7]前記涼感カ−ペットにおいて、QMAX(接触温冷感値)が0.150j/cm・secより大きいことに特徴のある前項1乃至6のいずれかに記載の涼感カ−ペット。
[1]の発明では、パイル糸と基布からなる表皮層と、バッキング層とを含むカ−ペットにおいて、人がカーペット表面のパイル糸に触れ、パイル糸が横に倒れたときに、扁平断面の繊維は、その側面に触れやすく、丸断面や三角断面の繊維に較べ人が接触する面積も多くなり、側面には相転移材料を封入したマイクロカプセルが固着されているので、他の断面繊維より冷やりとした涼しさを強く感じることができる。 またY型断面や中空の繊維は、繊維側面や内側に空気を保持しやすいことから扁平繊維よりも暖かく感じやすい繊維であって、涼しさを感じる繊維には不向きである。
[2]の発明では、扁平率2〜6の扁平繊維が50質量%以上含まれているパイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルが固着されているので、人がカーペット表面のパイル糸に触れたとき、丸断面や三角断面の繊維に較べ冷やりとした涼しさを強く感じることができる。
[3]の発明では、融点が20〜35℃の相転移材料が、マイクロカプセルに封入されてカ−ペットに固着しているので、体温が36〜37℃の人体がカ−ペットに接触したときに相転移材料が融解し、そのとき人体から融解熱の移動がおこり、人は、カ−ペットを冷たく感じることができる。
[4]の発明では、融点が20〜35℃で、マイクロカプセルに封入されている相転移材料において、二種類以上の融点をもつ相転移材料がマイクロカプセルに封入されてカ−ペットに固着しているので、気温が一つの相転移材料の融点に達していたとしても、他の融点をもつ相転移材料が溶融しないで残っており、人体がカ−ペットに接触したときに残っている相転移材料が融解し、そのとき人体から融解熱の移動がおこり、人は、カ−ペットを冷たく感じることができる。
[5]の発明では、相転移材料が0.50〜100.0g/mバインダー樹脂によって固着しているので、十分な涼感能力を持ったカーペットとすることができる。
[6]の発明では、パイル糸が少なくとも綿を含んでいるパイル糸によって構成されるので、吸湿性のよい綿繊維が、人体の汗等の水分をとることからサラッとした涼感のあるカーペットとすることができる。
[7]の発明では、QMAX(接触温冷感値)が0.150j/cm・secより大きいので、カーペットに人体が接触したとき冷感を確実に感じることができる。
次に、この発明に係る涼感カーペットの一実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態の涼感カーペット1は、パイル糸2と基布3とバッキング層4を含み、パイル糸2に相転移材料を封入したマイクロカプセル6がバインダー樹脂(図示せず)により固着されている。(図1参照)また、夏用のカーペットは、冬用のものに比べてパイル長が低く、ステッチが粗く目付の軽い傾向があるので、人がカーペット上に乗って手をついたとき、パイル糸だけでなく基布にも皮膚が接することがあるので、基布の表面に相転移材料を封入したマイクロカプセル6を固着させてもよい。また図1では、バッキング層4の保護やクッション性を付与するために不織布からなるセカンド基布5を積層している。
相転移材料(PCM)は、固相と液相との間で反復転換する材料で、融解、凝固するときに発現する熱を利用して、熱を蓄積、あるいは放出させて、相転移材料周辺の温度を制御するものである。相転移材料としては、パラフィンやワックス等の炭化水素化合物が好適に使用されるが特に限定しない。該相転移材料を封入したマイクロカプセルは市販されており、大和化学工業株式会社製プレサーモ、三木理研工業株式会社製蓄熱蓄冷マイクロカプセル等を挙げることができ、マイクロカプセルの組成としても、特に限定されなくて、一般に市販されているものでよい。
本発明で使用する相転移材料を封入したマイクロカプセルは、熱吸収のピーク温度(融点ともいう)または熱放散のピーク温度(凝固点ともいう)が20〜35℃の範囲内であるものが好ましい。人の体温は、36〜37℃であるが、手や足の表面温度はこれよりも低く32〜34℃といわれているので、20〜35℃で熱吸収のピーク温度(融点)となる相転移材料が好ましい。より好ましいピーク温度(融点)は、25〜32℃である。
熱吸収のピーク温度が低すぎる場合では、人体が接触する前に既に室温によって相転移材料が溶けてしまっており、人体が接触しても涼感効果を得ることはできない。また、熱吸収のピーク温度が高すぎる場合には、人体が接触しても、相転移材料が溶けないため、涼感効果を得ることはできない。
室温の高い部屋で本発明のカーペットを使用する場合は、二種類以上の融点をもつ相転移材料が有効である。例えば、融点が25℃と32℃の二種類の融点をもつ相転移材料を封入したマイクロカプセルを50対50の割合でパイル糸と基布に固着させた場合、夏の日の朝の室温が20℃のときは、融点25℃の相転移材料が有効に働き涼感効果を得ることができる。午後になって室温が上昇し、30℃となった場合は、融点の低い相転移材料は、既に溶けてしまっており、32℃の融点をもつ相転移材料の効果しか得ることができない。25℃の融点をもつ相転移材料で全てを構成した場合、午前中は、涼感を感じられるが、午後は全く感じられない状況となる。また、32℃の融点をもつ相転移材料で全てを構成した場合は、室温と融点の温度差が大きく、ほとんど涼感効果が得られないが、室温と融点の温度差が小さくなる午後には涼感を感じられるようになる。
相転移材料を封入したマイクロカプセルは、0.50〜100g/mバインダー樹脂によってカーペットの基布表面及び/または基布から上のパイル糸に固着されるのが好ましい。0.50g/mを下回ると涼感効果を感じられない。また、100g/mを超えて固着しても、カーペットの風合が硬くなり、コストが上昇するだけで効果が伴わず好ましくない。より好ましくは、1〜40.0g/mの固着量がよい。
また相転移材料を封入したマイクロカプセルの粒径は1〜50μmが好ましい。50μmを超えると、ザラツキ感や硬さが発現しカーペットの好ましい風合にならない。更に好ましい粒径は、5〜25μmである。
バインダー樹脂としては、パイル糸2と基布表面に相転移材料を封入したマイクロカプセル6を強固に固着することが出来ればよいが、一般的には、例えばウレタン樹脂、自己架橋型アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、シリコン樹脂、グリオキザール樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル−シリコン共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂(SBR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、イソブチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−スチレン−アクリレート−メタアクリレート共重合体樹脂等を挙げることができる。
パイル糸2と基布表面に相転移材料を封入したマイクロカプセル6を固着する方法は、バインダー樹脂溶液に浸透剤、相転移材料を封入したマイクロカプセル等を均一に分散させ、スプレー法やコーティング法など従来からある方法でカーペットのパイル糸側にパイル糸の上側から十分塗布し、乾燥処理してパイル糸と基布の表面に固着する。この時、浸透剤を混入しないとパイル表面に処理液が留まり、パイルの根元付近まで処理液が届かないことから、浸透剤を適度に使用することが好ましい。バインダー樹脂の乾燥手段は、加熱処理により乾燥させる方が望ましく、バッキング層の乾燥工程と同時に行うと効率的である。この時の加熱処理温度は、パイル糸と基布とバッキング層の素材や規格にもよるが、100〜180℃とするのが好ましい。この温度での加熱処理によりパイル糸への固着性がより高まり、耐久性が一段と向上する。
また、前記相転移材料を封入したマイクロカプセルと浸透剤とバインダー樹脂とは、水に分散した水分散液として使用することができる。バインダー樹脂については水との間でエマルジョン状態を形成させるのがより好ましい。なお、分散媒としては、水以外にアルコール等も使用し得るが、水が好適である。水に分散させる順序としては、相転移材料を封入したマイクロカプセルを水に分散させておいてから、浸透剤、バインダー樹脂を分散せしめるのが、マイクロカプセルとバインダー樹脂をより均一に分散させる観点から好ましい。また、この水分散液に、分散剤、増粘剤などの各種添加剤を配合してもよい。
本発明においては、扁平繊維を含むパイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルが固着されている。扁平繊維は、繊維断面の長軸と短軸の比で、その数値が大きくなるほど扁平度が大きく、扁平率は2〜6がよい。扁平率が2を下回ると、他の断面の繊維との差をあまり感じない。また、扁平率が6を上回ると、製糸性が低下し好ましくない。パイル糸2の素材としては特に限定されず、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、レ−ヨン繊維等の合成繊維からなるもの等を好適に使用でき、その他麻、綿、羊毛等の天然繊維からなるもの等も使用できる。中でも、綿は吸水性に優れていることから夏用のカーペットに多く使われており、本発明においても吸湿性のよい綿繊維が相転移材料を封入したマイクロカプセルの効果と相俟って、サラッとした涼感のあるカーペットとすることができる。パイルの形態としてもカットパイルであっても、ル−プパイルであってもよいが、ル−プパイルのほうが涼感は感じやすい。パイル糸2の目付についても、特に限定されないで、カーペットの形態をなすものであればよい。
また、基布3としても、特に限定されるものではなく、ポリエステル繊維やポリプロピレン繊維、麻、綿等の天然繊維からなる織、編基布、不織布等通常使用される基布でよいが、中でも、綿基布は吸水性に優れていることから夏用のカーペット基布に多く使われており、本発明においても好ましい素材である。
QMAXは、一定面積、一定質量の純銅板(熱容量0.41855j/℃)に熱を蓄え、これが試料表面に接触した直後に、蓄えられた熱量が低温側の試料物体に移動する熱量のピーク値を測定した値をいうもので、QMAXが大きいほど接触したときに冷たく感じ、小さいほど温かく感じる。しかしながら、QMAXの測定では、カーペットの表面形状の影響を大きく受けるため測定値が安定しないことから、本発明においては、カーペットのパイル面側から1.96MPa、60℃で2分間プレスを行って、カーペット表面を整え、測定環境に2時間以上放置してからQMAXの測定を行った。
次に、バッキング層5としては、パイル糸2と基布3とを固定できる樹脂組成物やゴム組成物であれば特に限定されず、例えば樹脂組成物の樹脂成分としてはアクリル系、ウレタン系、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂が挙げられる。ゴム組成物のゴム成分としてはSBR(スチレン−ブタジエン)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)MBR(メチルメタクリレート−ブタジエンゴム)あるいは天然ゴム等が挙げられる。また、充填剤として炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、フライアッシュ等を添加してバッキング層として使用するのが一般的である。
また、図1に示すようにバッキング層4の下側にクッション性能とバッキング層の保護性能を付与すべく、不織布からなるセカンド基布5を設けてもよい。セカンド基布5としては、特に限定されず、ニ−ドルパンチ不織布、スパンボント不織布等を例示できる。セカンド基布5の目付は50〜1000g/m、その厚さを0.5〜15mm、構成繊維の繊度を0.1〜30デシテックスの範囲に設定するのが好ましい。セカンド基布5の目付が、50g/m未満ではカ−ペットとしての機能や品位の劣ったものとなり、好ましくない。1000g/mを超えると徒にコスト増大となるだけで好ましくない。素材としては、パイル糸、基布と同様に特に限定されない。また、セカンド基布5の最下部表面に、樹脂組成物やゴム組成物で滑り止め層を形成してもよい。
次に、この発明の実施例として使用したカーペットの材質、構造、相転移材料を封入したマイクロカプセルの種類、加工方法、涼感性能測定試験および判定方法は次の通りである。
<使用材料>
基布・・・目付100g/mポリプロピレンテープヤーン織布(14×13)
パイル糸・・・扁平率3のポリエステルフィラメント糸(2800dtex)からなるパイル糸をループ状にタフティング機(1/8G)で基布に植え込む(パイル長5.0mm、目付500g/m
バッキング層・・・SBRラテックス(充填剤として炭酸カルシウム)
セカンド基布・・・5デシテックスのポリエステル繊維からなるニードルパンチ不織布(目付300g/m、厚さ6mm)
相転移材料を封入したマイクロカプセル・・・プレサーモ(大和化学工業株式会社製)融点25℃と融点31℃の二種類
バインダー樹脂・・・アクリル−シリコン共重合体樹脂「ライトエポック」(共栄社株式会社製)
浸透剤・・・「ペレックスOT−P」(花王株式会社製)
<涼感性能測定試験>
QMAX・・・カトーテック株式会社製THERMO LABO II TYPEを用い、純銅板の初期温度30℃、カーペット温度20℃、接触圧0.98kPaで測定した。0.150j/cm・secより大きいものを合格とした。但しカーペットは、予め1.96MPa、60℃で2分間プレスを行い、カーペット表面を整え、測定環境に2時間以上放置してから測定を行った。
官能評価・・・相転移材料を封入したマイクロカプセルを固着していないカーペットを基準に冷たいと感じるかどうかを一対比較法で評価し、被験者数を10人とし、80%以上の人が冷たいと感じたものを合格とした。(気温20℃湿度65%の標準室内にて評価)
<実施例1>
水100重量部に相転移材料を封入したマイクロカプセル分散液(パラフィン封入、融点25℃、固形分40%)6重量部を分散させておいてから、浸透剤0.5重量部、バインダー樹脂を6重量部分散した水溶液をスプレーにてカーペット表面に250g/m塗布し、120℃、10分間乾燥処理して、カーペット上に相転移材料を封入したマイクロカプセルを6g/m固着した涼感カーペットを得た。カーペット断面を実態顕微鏡で観察したところ、パイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルが固着しているのを確認できた。涼感性能測定試験でQMAXは0.183j/cm・secで、比較例1との官能評価においては10人の人が冷たいと感じていた。
<比較例1>
実施例1において、相転移材料を封入したマイクロカプセル分散液を0とした以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.123j/cm・secで、官能評価において基準となるカーペットとした。
<実施例2>
実施例1において、相転移材料の融点が31℃のものを使用した以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.150j/cm・secで、比較例1との官能評価において9人の人が冷たいと感じていた。
<実施例3>
実施例1において、パイル糸を綿100%の4.2番手双糸1本と扁平率3のポリエステルフィラメント糸(2800dtex)2本との交互でタフトした以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.195j/cm・secで、官能評価において全員の人が冷たいと感じていた。
<比較例2>
実施例1において、相転移材料を封入したマイクロカプセル分散液(パラフィン封入、融点25℃、固形分40%)を0.3重量部とした以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。カーペット上に相転移材料を封入したマイクロカプセルを0.3g/m固着したカーペットであった。涼感性能測定試験でQMAXは0.131j/cm・secで、比較例1との官能評価において6人の人が冷たいと感じただけであった。
<実施例4>
実施例1において、マイクロカプセル分散液(パラフィン封入、融点25℃と30℃を半々、固形分40%)6重量部としとした以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。実施例1と共に気温28℃湿度70%の室内にて官能評価したところ、実施例1は全員涼感を感じられなかったが、実施例4は8人の人が冷たいと感じていた。
上述のように、相転移材料を封入したマイクロカプセルを少なくともパイル糸に固着しているものについては、未加工のものと比較して、明らかに涼しさの感じられるカーペットとすることができた。
この発明の一実施形態に係る涼感カーペットを示す概略断面図である。
符号の説明
1・・・涼感カーペット
2・・・パイル糸
3・・・基布
4・・・バッキング層
5・・・セカンド基布
6・・・相転移材料を封入したマイクロカプセル

Claims (7)

  1. パイル糸と基布からなる表皮層と、バッキング層とを含むカ−ペットにおいて、扁平繊維を含むパイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルが固着されていることに特徴のある涼感カ−ペット。
  2. 前記パイル糸には、扁平率2〜6の扁平繊維が50質量%以上含まれていることに特徴のある請求項1に記載の涼感カ−ペット。
  3. 前記相転移材料は、融点が20〜35℃で、マイクロカプセルに封入されている相転移材料であることに特徴のある請求項1または2に記載の涼感カ−ペット。
  4. 前記相転移材料は、融点が20〜35℃で、マイクロカプセルに封入されている相転移材料で、二種類以上の融点をもつ相転移材料であることに特徴のある請求項1または2に記載の涼感カ−ペット。
  5. 前記相転移材料を封入したマイクロカプセルが少なくとも0.50〜100g/mバインダー樹脂によってカ−ペットに固着していることに特徴のある請求項1乃至4のいずれかに記載の涼感カ−ペット。
  6. 前記涼感カ−ペットにおいて、パイル糸が少なくとも綿を含んでいるパイル糸によって構成されることに特徴のある請求項1乃至5のいずれかに記載の涼感カ−ペット。
  7. 前記涼感カ−ペットにおいて、QMAX(接触温冷感値)が0.150j/cm・secより大きいことに特徴のある請求項1乃至6のいずれかに記載の涼感カ−ペット。
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