JP5237040B2 - 接触涼感性能を有するカ−ペット - Google Patents

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本発明は、清涼感のあるカーペットに関するものであり、人がカーペットに触れたときに冷やりとした涼しさを感じるようにした、夏用のカーペットに関するものである。
日本の住宅において、カーペットは1年を通じて多く使われるようになり、カーペットの上に座ったり、横になったりして寛ぐ家庭は多い。カーペットは、冬季には暖かさを求められ、夏季においては涼しく爽やかな感覚の得られるようなものが好まれる。この相反する性質を兼ね備えたカーペットは未だ存在していないが、冬季と夏季で、それぞれ異なる性質のカーペットを敷きかえるようにしているのが一般的である。特に夏季においては、夏用のカーペットとして、汗等の吸水性のよい綿カーペットや、イグサや籐の敷物を敷いて夏の暑さを凌ぐようにしていることが多い。
特許文献1においては、相転移物質含有シートと、通気性の確保されたシート状立体構造体を積層することにより、人体等に接した場合の温度上昇が抑えられ、優れた涼感を与えることのできる夏季用の敷き布団や敷布等が提案されている。
また、特許文献2においては、繊維製品に優れた接触冷感を付与すべく、融点が25〜37℃であり、潜熱の放出・吸収を伴って可逆的に固液相転移する潜熱蓄熱材を封入してなるマイクロカプセルを繊維に固着することによって、皮膚との接触時に心地よい冷感を与え、暑さによる不快感を低減する技術を開示している。
しかしながら、これらの技術は、潜熱蓄熱材を利用して衣料用や寝具等の薄物の繊維表面に清涼感を与える技術ではあるが、厚みがあって空気を多く含み、断熱効果が大きな繊維集合体であるカーペットにおいては、保温効果が大きいことから、カーペットとしての清涼感、冷感を得られるような技術には到ってはいなかった。
出願人は、特許文献3において、基布表面と基布から上のパイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルが固着されていることに特徴のある涼感カ−ペットを提案しているが、カーペットのパイル糸の上側からスプレー法やコーティング法等で塗布したので、基布表面やパイル糸の根元近くまで十分に相転移材料を固着するのが困難であった。また、接触涼感性能を上げるために相転移材料を封入したマイクロカプセルの塗布量を多くすると、カーペット表面が硬くなって好ましいカーペットの風合い得られないといった問題があった。
特開2005−343093号公報 特開2006−161226号公報 特願2007−213522
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、人がカーペットの表面に触れたときの接触涼感性能を向上させ、確実に冷やりとした涼しさを感じられるようにした、夏用のカーペットを提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、パイル糸全体に相転移材料を封入したマイクロカプセルを事前に固着させたパイル糸を用いてカーペットを作ることにより、相転移材料を封入したマイクロカプセルがカーペツトの風合いを損ねることなくカーペット表皮層に多く固着することが可能であることを見出し、本発明に到達した。前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]パイル糸と基布からなる表皮層と、バッキング層とを含むカ−ペットにおいて、前記パイル糸に、融点が20〜35℃の相転移材料が封入され、かつ、粒径1〜50μmのマイクロカプセルが、0.50〜200g/m 2 の固着量でバインダー樹脂によって固着されている、ことを特徴とする接触涼感性能を有するカ−ペット。
[2]前項1に記載のカ−ペットにおいて、前記基布表面に、融点が20〜35℃の相転移材料が封入され、かつ、粒径1〜50μmのマイクロカプセルが、0.50〜200g/m 2 の固着量でバインダー樹脂によって固着されている、ことを特徴とする接触涼感性能を有するカ−ペット。
[3]前項1または2に記載のカ−ペットにおいて、前記パイル糸が綿を含むと共に、前記バッキング層の下側に、該バッキング層の保護を図り、かつ、該バッキング層にクッション性を付与するセカンド基布が積層されており、かつ、QMAX(接触温冷感値)が0.100j/cm 2 ・secより大きい、ことを特徴とする接触涼感性能を有するカ−ペット。
[1]の発明では、パイル糸と基布からなる表皮層と、バッキング層とを含むカ−ペットにおいて、パイル糸として相転移材料を封入したマイクロカプセルが予め固着されているパイル糸を用いてカ−ペットとしているので、人がカーペット表面のパイル糸に触れたとき、冷やりとした涼しさを感じることができる。
[2]の発明では、パイル糸と基布からなる表皮層と、バッキング層とを含むカ−ペットにおいて、基布として基布表面に相転移材料を封入したマイクロカプセルを予め塗布した基布と、パイル糸として相転移材料を封入したマイクロカプセルが予め固着されているパイル糸を用いてカ−ペットとしているので、人がカーペット表面のどの部分に触れたとしても、冷やりとした涼しさを感じることができる。
[3]の発明では、融点が20〜35℃の相転移材料が、マイクロカプセルに封入されて表皮層に固着しているので、人体がカ−ペットに接触したときに相転移材料が融解し、そのとき人体から融解熱の移動がおこり、人は、カ−ペットを冷たく感じることができる。
[4]の発明では、相転移材料を封入したマイクロカプセルが少なくとも0.50〜200g/mバインダー樹脂によってパイル糸に固着しているので、十分な涼感能力を持ったカーペットとすることができる。
[5]の発明では、パイル糸が少なくとも綿を含んでいるパイル糸によって構成されるので、吸湿性のよい綿繊維が、人体の汗等の水分をとることからサラッとした涼感のあるカーペットとすることができる。
[6]の発明では、QMAX(接触温冷感値)が0.100j/cm・secより大きいので、カーペットに人体が接触したとき冷感を確実に感じることができる。
次に、この発明に係る涼感カーペットの一実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態の涼感カーペット1は、パイル糸2と基布3とバッキング層4を含み、パイル糸2の全体と基布3のパイル糸側表面に相転移材料を封入したマイクロカプセル6がバインダー樹脂(図示せず)により固着されている。(図1参照)夏用のカーペットは、冬用のものに比べてパイル長が低く、ステッチが粗く目付の軽い傾向があるので、人がカーペット上に乗って手をついたとき、パイル糸だけでなく基布にも皮膚が接することがあるので、図1においては、基布表面とパイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセル6を固着させている。また、パイル密度が高く、人がカーペット上に乗って手をついたとき、基布に皮膚が接することが考えられないような規格のカーペットでは、基布表面に相転移材料を封入したマイクロカプセル6を固着させる必要はなく、パイル糸のみに相転移材料を封入したマイクロカプセル6を固着すればよい。図1では、バッキング層4の保護やクッション性を付与するために不織布からなるセカンド基布5を積層したものを記している。
相転移材料(PCM)は、固相と液相との間で反復転換する材料で、融解、凝固するときに発現する熱を利用して、熱を蓄積、あるいは放出させて、相転移材料周辺の温度を制御するものである。相転移材料としては、パラフィンやワックス等の炭化水素化合物が好適に使用されるが特に限定しない。該相転移材料を封入したマイクロカプセルは市販されており、大和化学工業株式会社製プレサーモ、三木理研工業株式会社製蓄熱蓄冷マイクロカプセル等を挙げることができ、マイクロカプセルの組成としても、特に限定されなくて、一般に市販されているものでよい。
本発明で使用する相転移材料を封入したマイクロカプセルは、熱吸収のピーク温度(融点ともいう)または熱放散のピーク温度(凝固点ともいう)が20〜35℃の範囲内であるものが好ましい。人の体温は、36〜37℃であるが、手や足の表面温度はこれよりも低く32〜34℃といわれているので、20〜35℃で熱吸収のピーク温度(融点)となる相転移材料が好ましい。より好ましいピーク温度(融点)は、25〜32℃である。
熱吸収のピーク温度が低すぎる場合では、人体が接触する前に既に相転移材料が溶けてしまっており、人体が接触しても涼感効果を得ることはできない。また、熱吸収のピーク温度が高すぎる場合には、人体が接触しても、相転移材料が溶けないため、涼感効果を得ることはできない。
相転移材料を封入したマイクロカプセルは、0.50〜200g/mバインダー樹脂によって少なくともカーペットのパイル糸に固着されるのが好ましい。0.50g/mを下回ると涼感効果を感じられない。また、200g/mを超えて固着しても、カーペット風合が硬くなり、コストが上昇するだけで効果が伴わず好ましくない。より好ましくは、1〜100g/mの固着量がよい。
また相転移材料を封入したマイクロカプセルの粒径は1〜50μmが好ましい。50μmを超えると、ザラツキ感や硬さが発現しカーペットの好ましい風合にならない。更に好ましい粒径は、5〜25μmである。
バインダー樹脂としては、パイル糸2と基布表面に相転移材料を封入したマイクロカプセル6を強固に固着することが出来ればよいが、一般的には、例えばウレタン樹脂、自己架橋型アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、シリコン樹脂、グリオキザール樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル−シリコン共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂(SBR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、イソブチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−スチレン−アクリレート−メタアクリレート共重合体樹脂等を挙げることができる。
パイル糸2に予め相転移材料を封入したマイクロカプセル6を固着する方法は、バインダー樹脂溶液に浸透剤、相転移材料を封入したマイクロカプセル等を均一に分散させた溶液中に、パイル糸2を浸漬させ、乾燥処理してパイル糸に固着する。乾燥手段は、加熱処理により連続的に乾燥させ巻き取る方法が望まししい。この時の加熱処理温度は、パイル糸の素材や規格にもよるが、100〜180℃とするのが好ましい。この温度での加熱処理によりパイル糸への固着性がより高まり、耐久性が一段と向上する。
基布3に予め相転移材料を封入したマイクロカプセル6を固着する方法は、バインダー樹脂溶液に浸透剤、相転移材料を封入したマイクロカプセル等を均一に分散させた溶液を、基布3の片側表面にスプレー法やロールコート法で塗布し、乾燥処理すればよい。
また、前記相転移材料を封入したマイクロカプセルと浸透剤とバインダー樹脂とは、水に分散した水分散液として使用することができる。バインダー樹脂については水との間でエマルジョン状態を形成させるのがより好ましい。なお、分散媒としては、水以外にアルコール等も使用し得るが、水が好適である。水に分散させる順序としては、相転移材料を封入したマイクロカプセルを水に分散させておいてから、浸透剤、バインダー樹脂を分散せしめるのが、マイクロカプセルとバインダー樹脂をより均一に分散させる観点から好ましい。また、この水分散液に、分散剤、増粘剤などの各種添加剤を配合してもよい。
本発明において、パイル糸2の素材としては特に限定されず、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、レ−ヨン繊維等の合成繊維からなるもの等を好適に使用でき、その他麻、綿、羊毛等の天然繊維からなるもの等も使用できる。中でも、綿は吸水性に優れていることから夏用のカーペットに多く使われており、本発明においても吸湿性のよい綿繊維が相転移材料を封入したマイクロカプセルの効果と相俟って、サラッとした涼感のあるカーペットとすることができる。パイルの形態としては、カットパイルであっても、ル−プパイルであってもよいが、ル−プパイルのほうが涼感は感じやすい。パイル糸2の目付についても、特に限定されないで、カーペットの形態をなすものであればよい。
また、基布3としても、特に限定されるものではなく、ポリエステル繊維やポリプロピレン繊維、麻、綿等の天然繊維からなる織、編基布、不織布等通常使用される基布でよいが、中でも、綿基布は吸湿性に優れていることから夏用のカーペット基布に多く使われており、本発明においても好ましい素材である。
QMAXは、一定面積、一定質量の純銅板(熱容量0.41855j/℃)に熱を蓄え、これが試料表面に接触した直後に、蓄えられた熱量が低温側の試料物体に移動する熱量のピーク値を測定した値をいうもので、QMAXが大きいほど接触したときに冷たく感じ、小さいほど温かく感じる。
次に、バッキング層としては、パイル糸2と基布3とを固定できる樹脂組成物やゴム組成物であれば特に限定されず、例えば樹脂組成物の樹脂成分としてはアクリル系、ウレタン系、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂が挙げられる。ゴム組成物のゴム成分としてはSBR(スチレン−ブタジエン)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)MBR(メチルメタクリレート−ブタジエンゴム)あるいは天然ゴム等が挙げられる。また、充填剤として炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、フライアッシュ等を添加してバッキング層として使用するのが一般的である。
また、図1に示すようにバッキング層4の下側にクッション性能とバッキング層の保護性能を付与すべく、不織布からなるセカンド基布5を設けてもよい。セカンド基布5としては、特に限定されず、ニ−ドルパンチ不織布、スパンボント不織布等を例示できる。セカンド基布5の目付は50〜1000g/m、その厚さを0.5〜15mm、構成繊維の繊度を0.1〜30デシテックスの範囲に設定するのが好ましい。セカンド基布5の目付が、50g/m未満ではカ−ペットとしての機能や品位の劣ったものとなり、好ましくない。1000g/mを超えると徒にコスト増大となるだけで好ましくない。素材としては、パイル糸、基布と同様に特に限定されない。また、セカンド基布5の最下部表面に、樹脂組成物やゴム組成物で滑り止め層を形成してもよい。
次に、この発明の実施例として使用したカーペットの材質、構造、相転移材料を封入したマイクロカプセルの種類、加工方法、涼感性能測定試験および判定方法は次の通りである。
<使用材料>
基布・・・目付100g/mポリプロピレンテープヤーン織布(14×13)
パイル糸・・・2800デシテックスのポリエステル繊維からなるパイル糸に、相転移材料を封入したマイクロカプセル(プレサーモ(大和化学工業株式会社製)粒径30μm 融点25℃と融点31℃の二種類)をバインダー樹脂(アクリル−シリコン樹脂)によって固着した。(固着量50μg/m)
表皮層・・・前記基布に前記パイル糸を用いてループ状にタフティング機(1/8G)で植え込む(パイル長5.0mm、目付500g/m相転移材料を封入したマイクロカプセルの固着量75g/m
バッキング層・・・SBRラテックス(充填剤として炭酸カルシウム)
セカンド基布・・・5デシテックスのポリエステル繊維からなるニードルパンチ不織布(目付300g/m、厚さ6mm)
<涼感性能測定試験>
QMAX・・・カトーテック株式会社製THERMO LABO II TYPEを用い、純銅板の初期温度30℃、カーペット温度20℃、接触圧0.98kPaで測定した。0.100j/cm・secより大きいものを合格とした。
官能評価・・・相転移材料を封入したマイクロカプセルを固着していないカーペットを基準に冷たいと感じるかどうかを一対比較法で評価し、被験者数を10人とし、80%以上の人が冷たいと感じたものを合格とした。(気温20℃湿度65%の標準室内にて評価)
<実施例1>
水100重量部に相転移材料を封入したマイクロカプセル分散液(パラフィン封入、融点25℃、固形分40%)6重量部を分散させておいてから、浸透剤0.5重量部、バインダー樹脂を6重量部分散した水溶液中に2800デシテックスのポリエステル繊維からなるパイル糸を浸漬し、120℃、10分間乾燥処理して、パイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルを50μg/m固着したパイル糸を得た。次に、このパイル糸を用いて基布にループ状にタフティング機(1/8G)で植え込み(パイル長5.0mm、目付500g/m)、表皮層とした。相転移材料を封入したマイクロカプセルの固着量は75g/mで、さらにバッキング加工を施し、セカンド基布を積層してカーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.136j/cm・secで、比較例1との官能評価においては10人全員が冷たいと感じていた。
<比較例1>
実施例1において、相転移材料を封入したマイクロカプセル分散液を0とした以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.080j/cm・secで、官能評価において基準となるカーペットとした。
<実施例2>
実施例1において、相転移材料の融点が31℃のものを使用した以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.126j/cm・secで、比較例1との官能評価において9人の人が冷たいと感じていた。
<実施例3>
実施例1において、パイル糸を綿100%の4.2番手双糸とした以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.140j/cm・secで、官能評価において全員の人が冷たいと感じていた。
<比較例2>
実施例1において、相転移材料を封入したマイクロカプセル分散液(パラフィン封入、融点25℃、固形分40%)を0.3重量部とした以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。パイル糸に相転移材料を封入したマイクロカプセルを0.3g/m固着したカーペットであった。涼感性能測定試験でQMAXは0.093j/cm・secで、比較例1との官能評価において5人の人が冷たいと感じただけであった。
<比較例3>
実施例1において、パイル糸の状態で相転移材料を封入したマイクロカプセルを固着するのではなく、カーペットとした状態で実施例1と同量の相転移材料を封入したマイクロカプセルをスプレー加工で固着させ(75g/m)乾燥した以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.143j/cm・secで、官能評価において10人の全員が冷たいと感じた。しかしながら相転移材料を封入したマイクロカプセルは、パイル糸の上部に多く固着し、パイル糸の下部や基布の上面には殆んど固着していない状態が観察され、パイル糸が硬くなり、良好な風合いは得られなかった。
<実施例4>
実施例1において、カーペットの規格をパイル長3.5mm、目付350g/mとしたところ、パイルの間から基布がよく見える規格で、相転移材料を封入したマイクロカプセルの固着量は52g/mであった。涼感性能測定試験でQMAXは0.114j/cm・secで、官能評価においては、8人の人が冷たいと感じていた。
<実施例5>
実施例4において、予め基布に相転移材料を封入したマイクロカプセルを40g/m固着した基布とした以外は、実施例4と同様にしてカーペットを得た。相転移材料を封入したマイクロカプセルの固着量は基布に固着した量も含めて92g/mであった。涼感性能測定試験でQMAXは0.114j/cm・secで実施例4と同じであったが、官能評価においては、9人の人が冷たいと感じていた。
<比較例4>
実施例4において、予め基布に相転移材料を封入したマイクロカプセルを60g/m固着した基布とし、パイル糸には相転移材料を封入したマイクロカプセルを固着しなかった以外は、実施例4と同様にしてカーペットを得た。涼感性能測定試験でQMAXは0.080j/cm・secで、官能評価においては、8人の人が冷たいと感じていた。
上述のように、相転移材料を封入したマイクロカプセルを少なくともパイル糸に固着しているものについては、明らかに涼しさの感じられるカーペットとすることができた。
この発明の一実施形態に係る涼感カーペットを示す概略断面図である。
符号の説明
1・・・涼感カーペット
2・・・パイル糸
3・・・基布
4・・・バッキング層
5・・・セカンド基布
6・・・相転移材料を封入したマイクロカプセル

Claims (3)

  1. パイル糸と基布からなる表皮層と、バッキング層とを含むカ−ペットにおいて、
    前記パイル糸に、融点が20〜35℃の相転移材料が封入され、かつ、粒径1〜50μmのマイクロカプセルが、0.50〜200g/m 2 の固着量でバインダー樹脂によって固着されている、ことを特徴とする接触涼感性能を有するカ−ペット。
  2. 請求項1に記載のカ−ペットにおいて、
    前記基布表面に、融点が20〜35℃の相転移材料が封入され、かつ、粒径1〜50μmのマイクロカプセルが、0.50〜200g/m 2 の固着量でバインダー樹脂によって固着されている、ことを特徴とする接触涼感性能を有するカ−ペット。
  3. 請求項1または2に記載のカ−ペットにおいて、
    前記パイル糸が綿を含むと共に、前記バッキング層の下側に、該バッキング層の保護を図り、かつ、該バッキング層にクッション性を付与するセカンド基布が積層されており、かつ、QMAX(接触温冷感値)が0.100j/cm 2 ・secより大きい、ことを特徴とする接触涼感性能を有するカ−ペット。
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