JP6593322B2 - 切削インサート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、cBN基焼結体(立方晶型窒化硼素を主成分とする焼結体)、セラミックス、サーメットのいずれかで切れ刃を構成した切削インサート、詳しくは、鉄族系高硬度難削材の切削や鉄族系金属材料などの高速、高能率切削において安定した寿命を発揮し、さらに、切削時の工具のいわゆるビビリ(振動)や加工変質層の生成が抑制されて表面性状に優れた加工面が得られる切削インサートと、その切削インサートを工業的に量産性良く製造するための製造方法に関する。
交換や刃先コーナ部の入れ替えによって切れ刃を再生する刃先交換式切削インサートの周知技術として、切削に関与する表面にcBN基焼結体、セラミックス、サーメット(以降、硬質焼結体と略記)のいずれかで構成される刃具材を用いたものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
硬質焼結体からなる高硬度の刃具材は、原料粉の高精度成形が難しいため、加工面の面粗度が重視されるものについては、逃げ面やすくい面を焼結後に研削して被削材に転写される刃先形状の精度を高める方法が採られている。
その硬質焼結体を用いる切削インサートは、経済効果を考えて超硬合金やサーメット等で構成された台金のコーナ部に硬質焼結体からなる刃具材の小片を接合したものが主流をなしているが、全体を硬質焼結体で構成したものも存在する。
この種切削インサートの従来品は、すくい面全体をインサート底面と平行に研削し、その後、逃げ面となる側面、ノーズR部、及び逃げ面を形成している。
切削に関与する表面に硬質焼結体を適用したその切削インサートは、加工対象(被削材)が、耐熱合金や焼入れ鋼などの高硬度難削材である場合、切屑剪断、間歇切削、断続切削で不可避の振動、衝撃による刃先のチッピング、欠損を生じ易いことから、切れ刃の強化策として、刃先を鈍らせるネガランド(チャンファー。これも特許文献1参照)を切れ刃稜線に沿って設けることがなされている。
また、切削用途に応じて、刃先稜線部に更にホーニング処理を施したものも使用されている。
切削に関与する表面に硬質焼結体を適用した仕上げ加工用の切削インサートは、平面研削盤に多数個を装着し、全てを単一の砥石で研削してすくい面がインサートの上面と同一高さ(面一)になるように仕上げるのが一般的である。
そのような切削インサートは、例えば、下記特許文献2などに開示されている。また、工具メーカ各社(例えば、住友電工ハードメタル社、タンガロイ社、三菱マテリアル社、サンドビック社など)がインターネットで開示しているカタログにも記載されている。
なお、台金のコーナ部に硬質焼結体の小片を接合するタイプのものについては、台金の上面と底面を先に研削し、次いで、硬質焼結体の小片を、その小片の上面が台金の上面よりも上に飛び出す状態に接合し、その後に小片のみを研削してすくい面を形成し、その後の更なる研削で台金の側面や小片に付すノーズR部や逃げ面を仕上げる方法も考えられる。
特開2006−187813号公報 特開2011−045955号公報
切削に関与する表面に硬質焼結体(cBN、セラミックス、サーメットのいずれか)を適用した切削インサートは、下記の如き利点があることから、この種の切削インサートを用いた切削加工が研削加工に代わって近年多用される傾向にある。
利点1:高速度鋼や超硬合金では対応が困難であった焼入れ鋼や耐熱合金などの高硬度難削材の高精度加工が可能である。
利点2:砥石と違って、複雑形状を有する製品、例えば、タービンディスク、ギヤ、シャフト部品などの倣い仕上げ加工が一つのインサートで可能である。
難削材の仕上げ切削に利用される硬質焼結体を用いたインサートは、刃先に付すネガランドの角度が、難削材の硬さや構成成分、及び加工するワークの形状、要求寸法精度に応じて設定される。
例えば、切れ刃の耐欠損性よりもワークの寸法精度を重視する場合には、ネガランドの幅を狭くして切削抵抗を低減し、逆に、切れ刃の耐欠損性を向上させたい場合には、ネガランドの幅を広くし、切削用途によっては、切れ刃稜線に更にホーニング処理を施して刃先をより強化したものが使用される。
従来の切削インサートにおける上記ネガランドの形成は、すくい面をインサート底面と平行に研削した後、研削で外周を加工してインサート側面、ノーズR部、逃げ面を形成する。
その後、インサート底面(又はすくい面)に対して垂直な軸を支点にして回転する研削砥石の特定角度傾けた研削面を切れ刃稜線部に当て、その研削砥石を回転させながらノーズR部に沿って平行移動させる方法で形成される。
そのために、形成されるネガランドは切れ刃稜線と平行で均等な幅を持ち、すくい面に対する長手方向各部の交差角も均等になる。
既述のタービンディスク、ギヤ、シャフト部品などの仕上げ切削では、例えば、図22及び図23に示すような部位の加工を一つの切削インサートで可能となすニーズがある。
図22のワークW(被削材)加工部位には、肉厚が薄くて切削中に振動やビビリを生じやすい低剛性部21と、高送りでの高能率切削が要求される肉厚の大きな高剛性部22が混在する。
また、図23のワークWの加工部位には、外径寸法精度の厳しい嵌め合い部23が有り、切削工具に対して高負荷がかかるネッキング部(嵌め合い外径とフランジなどの端面が交差する位置のぬすみ部)24や切削形態が断続切削になる油孔25などが存在する。
図22の低剛性部21や図23の嵌め合い部23の切削では、すくい面に正のすくい角を付け、ネガランドの幅も狭くした刃先形状が切削抵抗の背分力成分の低減が図れて有効である。
一方、図22の高剛性部22などで実施される高能率切削、或いは、図23のネッキング部24や油孔25などが設置された部位の切削では、切削抵抗の送り分力や衝撃力により切れ刃のチッピングや欠損を生じ易いため、ネガランドの幅を広くした刃先形状が有効である。
しかしながら、切れ刃稜線に対して平行で幅の一定した従来の刃先強化用ネガランドでは、ネガランドの幅を狭くする要求と広くする要求のどちらかにしか対応できない。
そのため、刃先形状の異なる複数の切削インサートを使い分ける面倒な加工法を採用せざるを得ない。また、インサートの交換によってワークに許容されない加工段差を生じると言った場合には、複数個の切削インサートの使い分けができないことから、総型砥石を用いるなど高コストの研削加工に頼っているのが現状である。
そこで、本発明は、切削に関与する部位に硬質焼結体を適用した切削インサートを、鉄族系難削材などの切削において安定した寿命を発揮し、切削時の工具のいわゆるビビリや加工変質層の生成も抑制されて表面性状に優れた加工面が得られるようにすること、及び、その切削インサートを、ブランク研削の仕方を工夫して優れた品質を確保しながら量産性良く製造できるようにすることを目的とする。
本発明の一態様にかかる切削インサートは、切削に関与する表面にcBN基焼結体、セラミックス、サーメットのいずれかで構成される刃具材が用いられた、逃げ面、ノーズR部、正のすくい角を有するすくい面、そのすくい面と逃げ面との間に配置される不等幅のネガランド(傾斜角が負のチャンファー)を有する切削インサートであって、 前記ノーズR部の半径が0.4mm以上、2.4mm以下、そのノーズR部の頂角αが30°以上、95°以下であり、
前記ノーズR部の頂角の2等分断面位置でのすくい角βが1°以上、10°以下であり、
前記不等幅のネガランドが前記すくい面と交差する稜線と、前記不等幅のネガランドが前逃げ面と交差する稜線は平面視で非平行であり、かつ、少なくともノーズR部切れ刃の頂点(平面視においてノーズR部切れ刃と頂角の2等分線が交わる位置)を境にした片側では前記不等幅のネガランドの幅が前記ノーズR部切れ刃の頂点からノーズR部切れ刃が直線切れ刃に繋がる位置に向かって漸減し、前記ノーズR部切れ刃の頂点での平面視における前記不等幅のネガランドの幅をW1、前記ノーズR部切れ刃が前記直線切れ刃に繋がる位置における平面視での前記不等幅のネガランドの幅をW2として、W1が0.04mm以上、0.2mm以下であり、なおかつ、W2に対するW1の比が1.5以上となっているものである。
なお、ここで言うノーズR部の頂角は、切削インサートの切削に関与する側の平面視におけるノーズRを含む2辺間の角度と等しい。
上記ネガランドの幅W1は、ノーズR部の頂角の2等分線に沿った幅とし、ノーズR部切れ刃の両端部におけるネガランドの幅W2は、不等幅のネガランドのノーズR部のネガランドと逃げ面とが交差する稜線8aと直線部のネガランドと逃げ面とが交差する稜線8bの継ぎ目の点Q1,Q2からの垂線方向幅とする。
本発明の一態様にかかる切削インサートの製造方法は、cBN基焼結体、セラミックス、サーメットのいずれかで構成される刃具材が切削に関与する表面に用いられた研削前の素材(cBN基焼結体、セラミックス、サーメットのいずれかで構成される刃具材のみからなるもの、或いは、刃具材が超硬合金に鑞付けされたもの。以降ブランク材と略記)を、位置と姿勢の制御が可能な研削盤のチャックで厚み方向に挟みつけて保持し、この状態で研削盤の回転する砥石の端面に前記刃具材を押しつけてその刃具材に、その刃具材を実質的な研削対象にして研削による逃げ面、ネガランド、及びすくい面を形成し、
その際のすくい面の研削は、刃具材の上面に対して砥石の研削面を正のすくい角が付与される方向に傾けて行い、
以上の工程を前記チャックの姿勢と位置を変化させることでチャックによるブランク材の保持を解かずに実施するものである。
この発明の切削インサートによれば、鉄族系難削材の切削や鉄族系金属材料などの高速、高能率切削において優れた耐欠損性を示し、安定した寿命が発揮される。加えて、切削時の工具のいわゆるビビリや加工変質層の生成も抑制され、表面性状に優れた加工面が得られる。
また、この発明の製造方法によれば、切削に関与する部位に硬質焼結体を適用した切削インサートを優れた品質を確保しながら自動加工機能を有する研削盤を使用して量産性良く製造できることができる。
本発明の一態様にかかる切削インサートの一例を示す平面図である。 図1の切削インサートの鋭角コーナの対角線に沿った断面図である。 図1の切削インサートのノーズR部の拡大斜視図である。 図1の切削インサートのノーズR部を誇張して示す拡大平面図である。 図4のV−V線に沿った断面図である。 図5のノーズR部の正面図である。 図2の一部を示す拡大断面図である。 本発明の一態様にかかる切削インサートの他の例を示す平面図である。 図8の切削インサートの側面図である。 図8の切削インサートの斜視図である。 刃具材の横切れ刃となる側の切れ刃稜線部に形成する予備のネガランドの他の例を示す側面図である。 本発明の一態様にかかる切削インサートのブランク材の一例を示す斜視図である。 本発明の一態様にかかる切削インサートのブランク材の他の例を示す斜視図である。 この発明の製造方法の実施に利用する研削盤の一例の要部を示す平面図である。 研削盤のチャックの動きを示す正面図である。 研削盤のチャックの動きを示す平面図である。 逃げ面の研摩筋を示す斜視図である。 すくい面の研削状態を示す図である。 すくい面の研摩筋を示す斜視図である。 すくい面の研削状態を示す正面図である。 刃先部のネガランドを示す拡大側面図である。 旋削加工での加工部位の一例を示す説明用の断面図である。 旋削加工での加工部位の他の例を示す説明用の断面図である。 前切れ刃部と横切れ刃部とワークの位置関係を示す模式図である。 本発明の一態様にかかる切削インサートに含ませた被覆層の断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様にかかる切削インサートは、耐摩耗性、靭性に優れるcBN基焼結体、セラミックス、サーメットのいずれかで構成される刃具材が切削に関与する表面に用いられた、逃げ面、ノーズR部、正のすくい角を有するすくい面、そのすくい面と逃げ面との交差稜で形成される切れ刃及びその切れ刃に沿った不等幅のネガランドを有する切削インサートである。
cBN基焼結体は、cBN(立方晶型窒化硼素)を体積比で10%〜99.9%含む既知の焼結体を採用することができる。
かかる切削インサートは、ノーズR部の半径が0.4mm以上、2.4mm以下、そのノーズR部の頂角αが30°以上、95°以下に設定されたものにする。また、ノーズR部の頂角の2等分断面位置でのすくい角βが1°以上、10°以下に設定されたものにする。
ノーズR部の半径は、ISO規格で規定されている。規格値は、0.4mm〜2.4mmまで0.2mmきざみで設定されているが、中でも、0.8mm、1.2mm、1.6mmのいずれかが、切削抵抗と刃先強度のバランスが良くて好ましい。
ノーズR部の頂角αもISO規格で規定された数値であり、その規格値の中でも、35°、55°、60°、80°、90°のいずれかが、切削抵抗と刃先強度のバランスが良くて好ましい。
ノーズR部の頂角の2等分断面位置でのすくい角βは、1°以下、或いは、10°以上は好ましくない。このすくい角βの好ましい範囲は、1°〜7°、より好ましくは1°〜3°であり、この範囲のすくい角設定によってビビリの抑制効果と刃先の耐欠損性向上の効果を両立させることができる。
前記ネガランドは、ネガランドがすくい面と交差する稜線と、ネガランドが逃げ面と交差する稜線とが平面視で非平行なチャンファーである。また、そのネガランドの少なくともノーズR部切れ刃のネガランドが逃げ面と交差する稜線の頂点を境にした片側は、同ネガランドの幅がノーズR部切れ刃の頂点からノーズR部切れ刃が直線切れ刃に繋がる位置に向かって漸減し、ノーズR部切れ刃の頂点での平面視におけるネガランドの幅をW1、ノーズR部切れ刃の両端部における平面視でのネガランドの幅をW2として、W1が0.04mm以上、0.2mm以下、であり、なおかつ、W2に対するW1の比が1.5以上、400以下、好ましくは2以上、200以下、より好ましくは2以上、60以下である不等幅のネガランドにする。
例えば、旋削加工では、切削インサートの前切れ刃部26(図24参照)に加わる切削抵抗の背分力成分が高いとビビリや加工変質層を生じ易く、そのビビリや加工変質層が加工された面の性状に影響を及ぼす。
また、横切れ刃部27(同じく図24参照)には切削抵抗の送り分力成分が強く働き、その送り分力成分が高いと横切れ刃にチッピングや欠損が生じる。
そのネガランドの幅を、前切れ刃部側では狭く、横切れ刃側では広くすることで前切れ刃部に加わる背分力成分を低減し、同時に横切れ刃部を強化することができる。
これにより、加工中の切削工具ビビリ、加工変質層の生成が抑制されて加工面の性状、精度が向上し、さらに、横切れ刃のチッピングや欠損が減少して切削インサートの寿命が延びる。横切れ刃のチッピングや欠損は、切削工具が低振動になることによっても抑制される。
ノーズR部切れ刃の頂点におけるネガランドの幅W1は、送り分力による負荷が高く、欠損を生じやすい横切れ刃の刃先強度を向上させながら切削抵抗の増加によるビビリの発生を抑制するために、0.04mm以上、0.2mm以下に設定した。
また、ネガランドの幅W2は、切削抵抗の増加による振動や加工変質層を抑制するため、及びビビリ防止のために、0.15mm以下にして切削抵抗の背分力成分が低く抑えられるようにした。
また、横切れ刃での送り分力成分に対する耐欠損性向上と、前切れ刃での背分力低減による振動、加工変質層の低減、及びビビリ防止効果をバランス良く発揮させるためにW2を1としたときの比率でW1は1.5以上、好ましくは2以上、200以下がよい。
かかる切削インサートは、Ti,Al,Si,Cr,及びZrの炭化物、窒化物、硼化物、もしくは酸化物からなる被覆層を有するものであってもよい。それは、耐凝着性もしくは耐摩耗性の更なる向上が期待できる。
次に、本発明の一態様にかかる切削インサートの製造方法について説明する。その製造方法は、cBN基焼結体、セラミックス、サーメットのいずれかで構成される刃具材が切削に関与する表面に用いられたブランク材を、位置と姿勢の制御が可能な研削盤のチャックで厚み方向に挟みつけて保持し、この状態で研削盤の回転する砥石の端面に前記刃具材を押しつけてその刃具材に研削により逃げ面、ネガランド、及びすくい面を形成し、
その際のすくい面の研削は、刃具材を実質的な研削対象にして刃具材の上面に対して砥石の研削面を正のすくい角が付与される方向に傾けて行い、
以上の工程を前記チャックの姿勢と位置を変化させることでチャックによるブランク材の保持を解かずに実施するものである。すくい面の研削は、逃げ面とネガランドを加工した後に行うと好ましい。
なお、「刃具材を実質的な研削対象にして」の文言は、共削りの弊害がでなくて平坦度が出しやすい十分に小さい広さであればすくい面の研削領域が台金の一部にかかっても問題はなく、そのような状況で研削される台金の一部は研削領域と考えない。そのような意味で使用した。
この製造方法によれば、逃げ面、ネガランド、すくい面の研削を、ブランク材を掴み直さずに行うため、ブランク材の持ち替えによる研削位置のずれが起こらない。また、すくい面の研削を実質的な研削が刃具材に対してなされるようにして最後に行うので、台金が共削りされる際の加工面のいわゆるダレ(ゆがみや形状の崩れ)も発生しない。
そのために、切削抵抗の背分力成分と送り分力成分が低減される理想的な刃先形状を効率的に精度良く形成することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の一態様にかかる切削インサートの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれ等の例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1〜図7に示した切削インサート1は、平面視形状が菱形をなす台金2の鋭角コーナ部に小片の刃具材4を接合して構成されている。
この発明は、菱形以外の多角形切削インサートにも適用されるが、刃先形状に関する工夫は共通しているので、ここには菱形の切削インサートのみを例示する。なお、図4〜図6は、刃先形状を理解し易くするために、ノーズR部の半径を大きくして表した。
台金2は、超硬合金やサーメットなどからなる。この台金2の鋭角コーナ部には、上面の一部を部分的に落ち込ませた座3が形成されており、そこにノーズR部5を有する刃具材4が鑞付けするなどして接合されている。
刃具材4は、cBN(立方晶型窒化硼素)を体積比で10%〜99.9%含むcBN基焼結体、セラミックス、サーメットのいずれかで形成されている。
その刃具材4は、研削加工された逃げ面6、同じく研削加工されたすくい面7、逃げ面6とすくい面7が交差した位置の稜線で構成される切れ刃8、及びその切れ刃に沿って形成された不等幅のネガランド9を有している。
切れ刃8は、ノーズR部の湾曲した切れ刃稜線8aとそのノーズR部切れ刃の両端に連なる直線切れ刃稜線8bとからなる。
ネガランド9は、逃げ面6と同様に研削加工されたものであって、図4に示すように、平面視での幅がノーズR部切れ刃8aの頂点Pにおいて最大となっており、そこから、図4の第1の点Q1と第2の点Q2に向かってその幅が漸減している。
第1の点Q1と第2の点Q2は、それぞれ、ノーズR部の切れ刃稜線8aに沿った不等幅のネガランドのノーズR部の切れ刃稜線8aと直線の切れ刃稜線8bの継ぎ目の位置を表す点である。切れ刃稜線8aは平面視で2.4mm以下の曲げ半径をもったR形状を有する。また、切れ刃稜線8bは平面視で直線となる切れ刃である。
なお、ここで言う直線とは、厳密な直線の切れ刃のみを指すものではない。ノーズR部の切れ刃稜線8aの最大曲げ半径(2.4mm)の10倍(24mm)を超えるような大きな曲げ半径を有する曲線であれば、切れ刃稜線8bが前切れ刃として適正な面粗度を達成する直線刃と同様の機能を有するため、そのような形状の刃は直線とみなす。
ノーズR部の切れ刃稜線8aの頂点Pにおける頂点Pからの平面視におけるネガランド9の垂線方向の幅W1は0.04mm以上、0.2mm以下に設定されている。
また、そのネガランド9の、ノーズR部切れ刃の両端部における幅W2、即ち、前記第1の点Q1又は第2の点Q2におけるそれらの点からの平面視における垂線方向の幅W2は、0.0005mm以上、0.15mm以下に設定され、さらに、W2に対するW1の比が1.5以上、400以下、好ましくは2以上、200以下、より好ましくは2以上、60以下に設定されている。
図示の不等幅のネガランド9は、逃げ面6を加工した後に幅が大きくて一定している予備のネガランド9A(図3の鎖線で示す領域が含まれたネガランド)を形成し、その後、刃具材4の平坦な上面を研削加工して正のすくい角を有するすくい面7が形成する方法で作り出している。
正のすくい角のすくい面7を形成すると、予備のネガランドの一部が同時に除去され、その際の除去量が直線切れ刃8b側で大きくなる。そのために、一定幅の予備のネガランドが図示の不等幅形状のネガランド9に変化する。
本発明の切削インサートは、図5に示したノーズR部5の頂角の2等分断面位置でのすくい角βが1°以上、10°以下に設定される。そのすくい角βは、1°〜7°の範囲にあるのが好ましく、例示の切削インサートについては、より好ましい1°〜3°が選択されている。
また、ネガランド9の図21に示した傾斜角θは、切れ刃稜線8a、8bに対する垂直断面でのネガランド角であり、10°〜45°程度に設定されている。
本発明の一態様にかかる切削インサートは、図25に示すような被覆層28を有するものであってもよい。その被覆層28は、Ti,Al,Si,Cr,及びZrの炭化物、窒化物、硼化物、もしくは酸化物からなるものが耐凝着性もしくは耐摩耗性に優れて好ましい。
かかる被覆層を施す切削インサートは、全体が同一刃具材からなるもであってもよい。
次に、この発明の一態様にかかる製造方法の具体例を説明する。まず、研削加工して仕上げるブランク材の一例を図12、図13に示す。
図12のブランク材1Aは、超硬台金やセラミックスからなる台金2の上面2aの鋭角コーナ部の座3に既述の小片の刃具材4を接合した菱形切削インサート用である。
また、図13のブランク材1Aは、超硬台金やセラミックスからなる台金2の上面2aの各コーナ部の座3に既述の小片の刃具材4を接合した三角形切削インサート用である。
これ等のブランク材を研削して製造される切削インサートは、1つのコーナ部にのみ小片の刃具材4を設けたものも考えられる。
また、例示のものとは形状の異なる切削インサート、例えば、コーナ角の異なる菱形やコーナ数が4、或いはそれ以上ある多角形の切削インサート、ネガティブ型で台金の上下面のコーナ部に刃具材を接合した切削インサート、さらには、台金と刃具材が同一材料で一体に形成された切削インサートなども本発明の製造方法の適用対象になる。
台金2は、刃先側コーナ部の2等分線CLに対して垂直な接合面2dを有しており、その接合面2dで切削背分圧を受けるものになっている。
なお、ブランク材1Aに施す仕上げ研削は、切削インサートの形状とは無関係で共通しているので、以下の説明は、図12に示したブランク材1A(菱形切削インサート用)の仕上げ研削を例に挙げて行う。
この発明では、位置と姿勢の制御が可能なチャックを有する研削盤を使用して研削加工を行う。例えば、NC研削盤は、位置と姿勢の数値制御がなされる図14に示すようなチャック11と、定位置で回転する砥石12を有する。
この研削盤に対するブランク材1Aの搬入・搬出と、チャック11に対するブランク材1Aの受け渡しは、位置制御がなされるロボットハンド(図示せず)などを用いて行われる。
図示の砥石12はカップ砥石であるが、円盤状砥石による研削も可能である。その砥石12は、#600番以上のきめの細かなものが適している。
この発明の方法の評価に使用した研削盤は、図15、図16に示す4軸制御、即ち、X軸、Y軸方向へのチャック移動、チャック11の軸心Oを中心にした回転及び図15のb軸方向回転の各機能(Z軸方向には動かない)を有するものであり、その4軸制御機能の研削盤でこの発明の製造方法での研削を問題なく実施することができた。
チャック11は、対向一対のサイズ交換が可能な栓ゲージ11a,11aを有しており、加工する切削インサートの型番にあった栓ゲージを使用してロボットハンドが定位位置に搬入したブランク材1Aを、そのブランク材の台金2を厚み方向に挟みつけ、上面や底面を位置基準にして保持する。
そして、チャック11の位置と姿勢を制御することで台金2のコーナ部に接合されている刃具材4を回転する砥石12の端面に押し付け、その刃具材4に既述のノーズR部5、逃げ面6、ネガランド9及びすくい面7を研削して付与する。
その際のすくい面7の研削は、逃げ面6と予備のネガランドを加工した後に行うのがよい。また、刃具材4を実質的な研削対象にして行うとなお良い。
予備のネガランドは、設置目的のネガランド9の最大部幅よりも幅が大きいか又は等しくてその幅が一定したランドにし、これを逃げ面6とすくい面7が交差した位置の稜線で形成される切れ刃8に沿って予め形成する。
逃げ面6の研削は、図15のように、チャック11で掴んだブランク材1Aの逃げ面となす外周部を砥石12の端面に押しつけ、この状態でチャック11を軸心Oを中心にして回転させる方法で行える。
その後、図16の鎖線のように、チャック11の軸心Oを砥石の回転軸に対して傾け、この状態で刃具材4の上面と側面が交差した稜線部を砥石12の端面に接触させ、チャック11を稜線部に沿って移動させる。その動作によって予備のネガランドを形成することができる。
この後、チャック11によるブランク材1Aの保持を継続し、そのチャックの姿勢を変化させてすくい面7を研削する。
すくい面7の研削は、砥石12の端面をすくい面に正のすくい角が付与される方向(刃具材4のコーナから離れた側の切り込み量が大きくなる方向)に傾けて刃具材4の平坦な上面4aに押し当てる。これにより、すくい面7の加工と同時に予備のネガランドの一部が上面4aの表層部と共に除去され、その際の除去量が直線の切れ刃稜線8b側で大きくなることで一定幅の予備のネガランドが不等幅形状のネガランド9に変化する。
以上の工程をチャック11の姿勢と位置を変化させることでそのチャック11によるブランク材1Aの保持を解かずに実施する。
ネガランド9は、ノーズR部の切れ刃稜線8aの頂点P(図4参照)を境にした片側(前切れ刃として使用される側)ではノーズR部切れ刃の頂点Pから直線の切れ刃稜線8b側に向かって幅が漸減し、ノーズR部切れ刃の頂点を境にした他の側ではその幅が全域において広い形状(図8〜図10参照)となすこともできる。
加工用途によっては、横切れ刃として使用する側は全域が平均的に強化されているものが望まれることがある。ここで述べた刃先形状はその要求に応えられる。
この刃先形状は、横切れ刃として使用される側では図11に示すように、ノーズR部側よりも直線切れ刃側で幅が漸増する形状の予備のネガランド9Aを形成する。
図18に示すように、チャック11の軸心Oを傾け、この状態で予備のネガランド9Aを形成する部分を砥石12の端面に接触させ、チャック11を動かして接触点を切れ刃の長手方向に移動させていくことで予備のネガランドを付与することができる。
台金2を含み、その台金に刃具材4の小片が台金の上面と刃具材の上面が面一になるように接合された切削インサートで横切れ刃となる側に直線切れ刃側で幅が漸増する予備のネガランドを付すものについては、図8〜図10に示すように、台金2にも横切れ刃として使用される側の予備のネガランドに連ならせて刃先コーナ部から離反するにつれて幅が漸増する不等幅の面取り部10を形成するとよい。
その方法で、刃具材4に形成する横切れ刃として使用される側の予備のネガランドの一部(直線切れ刃に沿った領域)と台金2に形成する面取り部10を共削りして付与することができる。台金2は刃具材4に比べると研削性に優れるため、研削コストには影響がでない。
このときの面取り部10は、台金2の側面2cの切削に関与するコーナ部とは反対側の端部における平面視での前記側面2cに対する垂線方向の面取り幅をM1(図8参照)、切削に関与するコーナ部の端部における平面視での台金の側面に対する垂線方向の面取り幅をM2(同じく図8参照)として、M2に対するM1の比が1.2以上、100以下に設定するとよい。
その条件を満足させると、すくい角βが1°以上、10°以下のすくい面を形成したときに、横切れ刃として使用される側の予備のネガランド一部が除去されて、全域においてその幅が一定又は前記直線切れ刃につながる第1の点に向かって漸増し、しかも、その幅が広いネガランド9が形成される。
ここで言う「一定」は、予備のネガランドの大きさやすくい角βの設定値によっては幅が正確には一定にならない場合があるので、厳密な一定を意味するものではない。
チャック11で掴んだブランク材1Aを回転する砥石12の端面に押しつけて刃具材4の横切れ刃となす側の稜線部の予備のネガランド(ノーズR部から離れた側で幅が漸増したネガランド)とそれに連なる台金2の稜線部の面取り部10を同時に加工する。
その後、チャック11の姿勢を変え、ブランク材1Aを持ち変えずに砥石12の端面を刃具材4の上面4aに押しつけて正のすくい角のついたすくい面7を刃具材4に形成する。これにより、横切れ刃となす側は全域において広い幅が確保され、前切れ刃となす側ではノーズR部切れ刃の頂点から離れるに従って幅が漸減した形状のネガランドを形成することができる。
台金2に対して刃具材4の小片を、その刃具材4の上面を台金2の上面よりも上側に突出させて接合するブランク材については、上面2aと底面2bを予め研削した台金2に刃具材4を接合し、次いで、刃具材4の上面のみを研削してすくい面7を形成し、その後の研削加工で台金の側面も含めてノーズR部5と逃げ面6を形成する方法も考えられる。
刃具材4の上面が台金の上面よりも上側に突出したブランク材については、ノーズR部側よりも直線切れ刃側で幅が漸増する形状の予備のネガランドを、刃具材4の横切れ刃として使用される側に台金を共削りせずに加工することができる。
また、刃具材4の上面が台金2の上面よりも上に突出したブランク材については、刃具材4のみを研削して正のすくい角のついたすくい面を付与し、その後に台金の側面、ノーズR部を含む刃具材4の側面(逃げ面)、及びネガランド9を形成することも可能である。
そのネガランド9は、予備のネガランドを付さずにすくい面の研削加工後に研削して付すことも可能であるが、上述したように、ネガランド形状のばらつきや、ネガランド研削後のチッピング抑制、芯高精度向上の観点からは、逃げ面6を先に研削し、その後、予備のネガランドを研削して付し、最後にすくい面7を研削するのが好ましい。
かかる手順に基づいて仕上げを行うと、刃先部に発生する微小チッピングや加工部品の寸法精度と相関のある芯高h(図7参照)のバラツキを抑制しつつ、不等幅ネガランドの形状を制御することができる。
逃げ面6の研削では、砥石12が加工する面の一部に接触してその接触域が変動していく。これに対し、すくい面7の研削では砥石の端面が研削領域の全域に平行に当る。このことがチッピングの抑制に有効に働くのではないかと考えられる。
逃げ面6の研削は、図16に示すように、チャック11で掴んだブランク材1Aの逃げ面6を砥石12の端面に押しつけ、チャック11をその軸心Oを中心にして回転させながら加工領域を変動させていく。
これにより、逃げ面6にインサート厚み方向と垂直な研摩筋13(図17参照)が形成される。ここで言うインサート厚み方向と垂直な研摩筋とは、完全に垂直な方向のみを指すのではなく、経済性や作業容易性を損なわない範囲で工具厚み方向と垂直な線に対して多少傾いた方向の研摩筋も含む。
逃げ面、すくい面の研摩筋を垂直にする理由は量産時のコストが安くできるためである。作用効果の得られる範囲で斜めの研摩筋をつくることも許容される。
このときに、刃具材4の逃げ面6が台金2の側面と面一になっていれば台金2の側面も同時に研削されるが、刃具材4の小片は厚みがさほど厚くないので、この加工で逃げ面に無視できないほどのダレが生じることはない。なお、逃げ面6が台金2の側面よりも突出していれば、この工程では逃げ面6のみが加工されることになる。
次に、すくい面7を研削する。その加工は、チャック11によるブランク材1Aの持ち替えを行わずに実施する。ブランク材1Aを掴んだチャック11を図16のb軸方向に回転させ、図18に示すように、刃具材4の上面を砥石12の端面に押しつける。
このとき、砥石12に対するブランク材1Aの押しつけは、刃具材4のみが研削されるようにすると、硬さの異なる2種の材料の共削りが起こらず、研削面積の小さくなって適宜ドレッシングを施した切れ味の良い砥面を使用することができる。これに加えて、仕上がった切削インサートが体裁のよいものになる。
刃具材4の上面が台金2の上面よりも突出している場合には、刃具材4のみの研削がしやすい。
ただし、共削りの弊害がでない広さであれば台金2の一部が刃具材の上面と一緒に研削されても構わない。研削面の縁が例えば、2mmぐらい台金2側に入り込む状況であれば、共削りの弊害は生じない。
すくい面7の研削は、図19に示すように、切削インサートの刃具材4を設けたコーナ部の2等分線CLに対して垂直な方向に研摩筋13が形成されるように行う。
回転する砥石の端面にすくい面を押しつけるとすくい面に形成される研摩筋は厳密には直線ではなく円弧状になる。そのために、「コーナ部の2等分線に対して垂直な方向研摩筋が形成される」とは、厳密な直線ではなく、直線に近い円弧状の研磨筋が形成されることを意味している。
図20に示すように、コーナ部の2等分線CLが砥石12の回転中心から放射状に延びだす仮想直線上に置かれる姿勢にして研削を行えば、砥石12の回転中心を中心にした円弧状の研摩筋13がすくい面7に形成される。
砥石12は、半径50mm〜300mm程度のものが一般的に使用されており、今、半径300mmの砥石を使用したとすると、研摩筋13は300mm近くの半径をもつ筋となる。切削インサートはさほど大きくないので、直線に近い筋に見える。
逃げ面6とすくい面7の研削を共に同一砥石の端面で行った場合、その逃げ面6とすくい面7は、面粗度の比が1に近いものになる。
研削する前の台金2の上面2aと刃具材4の上面4aが面一であるブランク材1Aにすくい面7を研削して設けると、図5、図7のように、すくい面7の上端が台金の上面2a(ネガティブ型の切削インサートで上下面が同一構造になっているものは下面も上面と考える)から僅かに落ち込むことがあるが、それは特に問題にはならない。
以上の研削は、チャック11によるブランク材1Aの保持状態を解かずにいわゆるワンチャックで実施する。
これにより、ブランク材の持ち替えによる位置ずれが防止される。また、すくい面の研削を台金が共削りされない状況下で行うことによって芯高h(図7参照。切削インサートが支持される座面から加工点までの高さ)の精度も大きく高められる。
また、すくい面の実質な研削が刃具材4に対して行われるようにすることでネガランド9の傾斜角θと前切れ刃側のネガランドの幅を従来品よりも小さくすることが可能になり、それにより、芯高精度の更なる向上や切れ味の向上を図ることが可能になる。
#1400番のカップ砥石を使用して研削加工を行った試作切削インサートについては、芯高Hの公差を±10μm以下に収め、さらに、ネガランド傾斜角θ=15°以下、ネガランドの幅が0.1mm(100μm)での公差も±10μmに収めることができた。また、従来、不可能であった傾斜角θ=5°のネガランドの加工も可能であった。
例示の方法によれば、上述したように、芯高精度の高い切削インサートを製造することができ、これにより、量産品の切削インサートを使用するときにも芯高調整のための試し削りが不要になり、切削インサートを使用する者にとって多大な恩恵がもたらされる。例示の方法は、一般的な外周研摩の設備を用いて簡単に作る方法であり、本作用効果をもつものなら加工法は限定されない。
以上の説明は、逃げ面、すくい面の手順で研削することを例に挙げて行ったが、すくい面を先に研削し、その後に逃げ面を研削する手順でも従来品に比べると芯高精度やネガランドの精度が高まる。各研削加工をワンチャックで行うこと、及びすくい面の研削を実質的な研削対象が刃具材となるように行うことが有効に働くためである。
切削インサートの芯高精度が高ければ加工するワークの寸法精度が高まる。また、ノーズR部や内接円寸法、特に刃先稜線部に設けられる不等幅ネガランドの形状精度が向上すると、切削インサート間の刃先位置や切削抵抗のバラツキが低減され、難削材の仕上げ切削において、安定した工具寿命が発揮され、加工品質も安定して表面性状に優れた加工面が得られる。
なお、刃先エッジ部には、必要に応じて刃先エッジ部の強化の効果を高める丸ホーニング加工を施すことができる(図11の14が丸ホーニング面)。その丸ホーニング面14の幅は、0.03mm〜0.3mm、より好ましくは0.0005mm〜0.06mm程度が過剰鈍化による切れ味の低下が抑えられて好ましい。
以下に、この発明のより詳細な実施例を挙げる。
―実施例1−
表1の試料No.1〜No.53に示す、硬質焼結体の刃具材を台金の切削に関与するコーナ部の表面に適用した切削インサートを試作し、下記の条件にて切削評価を行った。
刃具材は、cBN粉末と、TiNとAlからなる結合材粉末をボールミルで混合し、超高圧装置を用いて5GPa,1500℃の条件で焼結したものであって、平均粒径1μmのcBN粒子を体積比で60%含有し、残部がTiNを主成分とするTi化合物とAl、もしくはSiの窒化物、硼化物、酸化物などのAl化合物、及び微量のWやCo化合物からなるcBN焼結体を用いた。
この切削インサートは、刃具材の小片がISO型番CNGA120404用の超硬台金に鑞付け接合されたブランク材を、その後の研削盤による自動研削でノーズR部、インサート側面、及び逃げ面を自動研削加工し、外周研削加工の際にノーズRを含む2辺の逃げ面をなす外周部を砥石に押し付ける角度を調整して研削し、頂角を30°〜90°、逃げ角0°のインサート形状を作製した。頂角が80°以外のインサートについては、それぞれISO型番CNGA120404形状の切削インサートを装着時に実施例に記載の切削ジオメトリとなるホルダに装着して切削を行った。
No.41以外のブランク材は、自動研削によるノーズR部、インサート側面、及び逃げ面の自動研削加工の前に、底面と上面を刃具材と一緒に平面研削盤にて共削りして4.80mmの厚みを持つように調整した。同様に、No.41では、全体が前記刃具材と同一材質の硬質焼結体からなる厚み4.80mmのブランク材も準備した。
これらのブランク材について、研削工程の一部、もしくは全てをアガトン社製研削装置400COMBIで行って、表1の各種刃先形状を有する切削インサートに仕上げた。
表1中のNo.1〜No.14の切削インサートは、刃具材の小片を台金に鑞付け接合した後、ブランク材に研削加工を施して所望のインサート形状と各種刃先形状を得た。
No.1〜No.6の切削インサートは、自動研削で外周を加工してインサート側面、ノーズR部、逃げ面を形成し、次いで、チャックによる保持を解き、その後、回転する研削砥石の特定角度傾けた研削面を切れ刃稜線部に当て、支点軸を回転させながら一定角度でネガランドを形成したすくい角が0°の、ノーズR部切れ刃の頂点からノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減せずに一定な幅を有する従来品である。
No.20の切削インサートは、No.1〜No.6の切削インサートと同様に外周迄を加工した後、ネガランドを手動で、ノーズR部切れ刃の頂点からノーズR部切れ刃が直線切れ刃に繋がる位置に向かって漸減させずに、ノーズR部では一定のW1の幅のネガランドを有し、直線切れ刃に繋がる位置から一定のW2の幅に階段状に成形したネガランドを有するものである。
No.7〜No.8の切削インサートは、すくい面をインサート底面と平行に平面研削盤で研削した後、インサートの厚み方向にチャックで挟みつけて外周を研削加工してインサート側面、ノーズR部、逃げ面を形成し、次いで、チャックによる保持を解き、その後、平面研削盤にインサートを傾けて取り付けてすくい面を研削加工し、最後に、回転する研削砥石の特定角度傾けた研削面を切れ刃稜線部に当て、支点軸を回転させながら一定角度でネガランドを形成した従来品である。
No.25の切削インサートは、No.7〜No.8の切削インサートと同様にすくい面迄を加工した後、ネガランド形成せずにブラシホーニング機にて刃先にホーニング処理を施したものである。
また、No.9〜No.19、No.21〜No.24、及びNo.26〜No.53の切削インサートは、いずれも、外周加工後も、チャックによるブランク材の保持状態を解かずに、その後に予備ネガランドを研削し、更にその後に、すくい面を研削する製造方法で作製され、No.9〜No.19、No.21〜No.23、No.27〜No.34、No.37〜No.39、及びNo.41〜No.53は、本発明の工具形状を有するものである。
No.25及びNo.42〜No.45の切削インサートは、外周加工、ネガランド加工、及びすくい面加工の後に、ブラシホーニング機にて刃先に平面視で0.0005μmの丸ホーニングを形成したものである。
No.46〜No.49の切削インサートは、外周加工、ネガランド加工、及びすくい面加工の後に、ブラシホーニング機にて刃先に平面視で0.02μmの丸ホーニングを形成したものである。
No.50〜No.53の切削インサートは、外周加工後に、チャックによるブランク材の保持状態を解かずに、ネガランドを研削せずに、すくい面を加工し、その後ブラシホーニング機にて、ノーズR部の逃げ面側からブラシを押し付けつけることにより、刃先に平面視で0.03〜0.06μmの丸ホーニングを形成したものである。
これ等の切削インサートを下記の切削ジオメトリの工具ホルダに装着した状態で、下記の被削材を下記の条件で切削して評価した。
・切れ刃傾き角=−5°、横すくい角=−5°、前逃げ角=5°、横逃げ角=5°、前切刃角=5°、横切刃角=−5°
・被削材:JIS型番:SUJ2(ASTM52100)の熱処理材
・切削条件
被削材硬度:HRc60〜62
切削速度V=150mm/min
切り込みd=0.15mm
送り量f=0.14mm/rev
クーラント:なし
加工形態:外周の連続加工
この評価試験の結果を表1にまとめる。
Figure 0006593322
−実施例2−
表2の試料No.61〜No.72に示す、硬質焼結体の刃具材を台金の切削に関与するコーナ部の表面に適用したISO型番CNGA120404用の超硬台金に鑞付け接合されたブランク材を、研削盤による自動研削で外周加工をする際にノーズRを含む2辺の逃げ面をなす外周部を砥石に押し付ける角度を調整して研削し、頂角80°、
逃げ角7°のインサート形状を作成し、ISO型番CNGA120404の切削インサートを装着時に実施例に記載の切削ジオメトリとなるホルダに装着して切削を行った。
刃具材は、TiC粉末、ZrC粉末、Al粉末と、TiNとAlからなる結合材粉末をボールミルで混合し、超高圧装置を用いて5GPa,1500℃の条件で焼結したものであって、平均粒径1μmのZrC、TiC、Al粉末を体積比でそれぞれ20%含有し、残部がTiNを主成分とするTi化合物とAl、もしくはSiの窒化物、硼化物、酸化物などのAl化合物、及び微量のWやCo化合物からなるセラミックスを用いた。
No.61〜No.63の切削インサートは、すくい面をインサート底面と平行に平面研削盤で研削した後、自動研削で外周を加工してインサート側面、ノーズR部、逃げ面を形成し、次いで、チャックによる保持を解き、その後、回転する研削砥石の特定角度傾けた研削面を切れ刃稜線部に当て、支点軸を回転させながら一定角度でネガランドを形成したすくい角が0°の、ノーズR部切れ刃の頂点からノーズR部切れ刃が直線の切れ刃に繋がる位置に向かって漸減せずに一定な幅を有する従来品である。
No.64〜No.66の切削インサートは、いずれも、外周加工後も、チャックによるブランク材の保持状態を解かずに、その後に予備ネガランドを研削し、更にその後に、すくい面を研削する製造方法で作製され、ノーズRの頂点から、ノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減するネガランドを有する本発明の工具形状を有するものである。
No.67〜No.72の切削インサートも、外周加工後も、チャックによるブランク材の保持状態を解かずに予備のネガランドを研削し、更にその後に、すくい面を研削する製造方法でノーズRの頂点から、ノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減するネガランドを形成し、その後リューターによる手動加工で、片側の切れ刃のみノーズR部切れ刃の頂点からノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減せずに一定の幅のネガランドを形成した、本発明の工具形状を有するものである。
No.70〜No.72の切削インサートは、ネガランド形成後に、ブラシホーニング機によって平面視で0.005mmの丸ホーニングを形成した。
これ等の切削インサートを、下記切削ジオメトリの工具ホルダに装着した状態で、下記の被削材を下記の条件で切削して評価した。
・切れ刃傾き角=−5°、横すくい角=−5°、前逃げ角=5°、横逃げ角=5°、前切刃角=5°、横切刃角=−5°
・被削材:JIS型番:NCF718(AMS5662)の熱処理材
・切削条件
被削材硬度:HRc43〜44
切削速度V=200mm/min
切り込みd=0.25mm
送り量f=0.2mm/rev
クーラント:あり(湿式切削)
加工形態:端面の連続加工
この評価試験の結果を表2にまとめる。
Figure 0006593322
−実施例3−
形状の異なる数種類の硬質焼結体の刃具材を台金の切削に関与するコーナ部の表面に適用したISO型番DNGA150404用の超硬台金に鑞付け接合されたブランク材に、その後の自動研削盤による自動研削でノーズR部、インサート側面、及び逃げ面を加工し、DNGA150408、DNGA150412、DNGA150416の試作切削インサート(表3の試料No.71〜No.90)を得た。そして各切削インサートについて下記の切削条件にて評価を行った。
刃具材は、cBN粉末、TiC粉末、ZrC粉末、Al粉末と、TiNとAlからなる結合材粉末をボールミルで混合し、超高圧装置を用いて5GPa,1500℃の条件で焼結したものであって、平均粒径1μmのcBN粉末を体積比で59%、ZrC、TiC、Al粉末を体積比でそれぞれ7%含有し、残部がTiNを主成分とするTi化合物とAl、もしくはSiの窒化物、硼化物、酸化物などのAl化合物、及び微量のWやCo化合物からなるセラミックスを用いた。
No.71〜No.73の切削インサートは、すくい面をインサート底面と平行に平面研削盤で研削した後、自動研削で外周を加工してインサート側面、ノーズR部、逃げ面を形成し、次いで、チャックによる保持を解き、その後、回転する研削砥石の特定角度傾けた研削面を切れ刃稜線部に当て、支点軸を回転させながら一定角度でネガランドを形成したすくい角が0°の、ノーズR部切れ刃の頂点からノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減せずに一定な幅を有する従来品である。
No.74〜No.76の切削インサートは、いずれも、外周加工後も、チャックによるブランク材の保持状態を解かずに、その後に予備ネガランドを研削し、更にその後に、すくい面を研削する製造方法で作製され、ノーズRの頂点から、ノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減するネガランドを有する本発明の工具形状を有するものである。
No.77〜No.79の切削インサートも、外周加工後も、チャックによるブランク材の保持状態を解かずに予備のネガランドを研削し、更にその後に、すくい面を研削する製造方法でノーズRの頂点から、ノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減するネガランドを形成し、その後、ハンドグラインダー(商品名:リューター)による手動加工で、片側の切れ刃のみノーズR部切れ刃の頂点からノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減せずに一定の幅のネガランドを形成した、本発明の工具形状を有するものである。
No.80〜No.87の切削インサートも、外周加工後も、チャックによるブランク材の保持状態を解かずに、その後に横切れ刃として使用される側では、ノーズR部側よりも直線切れ刃側で幅が漸増する形状の予備のネガランドを研削し、更にその後に、すくい面を研削する製造方法で、前切れ刃となる切れ刃側では、ノーズRの頂点から、ノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減するネガランドを有し、横切れ刃となる切れ刃側では、ノーズRの頂点から、ノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって一定もしくは漸増するネガランドを有する本発明の工具形状を有するものである。
いずれの切削インサートも、下記切削ジオメトリの工具ホルダに装着した状態で、下記の被削材を下記の条件で切削して評価した。
・切れ刃傾き角=−7°、横すくい角=−5°、前逃げ角=7°、横逃げ角=5°、前切刃角=32°、横切刃角=−3°
・被削材:JIS型番:NCF718(AMS5662)の熱処理材
・切削条件
被削材硬度:HRc43〜44
切削速度V=300mm/min
切り込みd=0.25mm
送り量f=0.2mm/rev
クーラント:あり(湿式切削)
加工形態:外周の連続加工
この評価試験の結果を表3にまとめる。
Figure 0006593322
−実施例4−
表4の試料No.91〜No.143に示す、形状の異なる数種類の硬質焼結体の刃具材を台金の切削に関与するコーナ部の表面に適用した切削インサートを試作し、下記の条件にて切削評価を行った。
刃具材は、cBN粉末と、TiNとAlからなる結合材粉末をボールミルで混合し、超高圧装置を用いて5GPa,1500℃の条件で焼結したものであって、平均粒径1μmのcBN粒子を体積比で60%含有し、残部がTiNを主成分とするTi化合物とAl、もしくはSiの窒化物、硼化物、酸化物などのAl化合物、及び微量のWやCo化合物からなるcBN焼結体を用いた。
No.131を除く切削インサートは、刃具材の小片がISO型番DNGA150404用の超硬台金に鑞付け接合されたブランク材を、その後の研削盤による自動研削でノーズR部、インサート側面、及び逃げ面を自動研削加工してインサート形状にした。
No.131以外のブランク材は、ノーズR部、インサート側面、及び逃げ面の自動研削による外周加工の前に、底面と上面を刃具材と一緒に平面研削盤にて共削りして4.90mmの厚みを持つように調整した。No.131は、全体が刃具材と同一材質の硬質焼結体からなる厚み4.90mmのブランク材である。
これらのブランク材について、研削工程の一部、もしくは全てをアガトン社製研削装置400COMBIで行って、表4の各種刃先形状を有する切削インサートに仕上げた。
表4中のNo.91〜No.104の切削インサートは、刃具材の小片を台金に鑞付け接合した後、ブランク材に研削加工を施して所望のインサート形状と各種刃先形状を得た。
また、No.105〜No.109の切削インサートは、自動研削の際に、ノーズRを含む2辺の逃げ面をなす外周部を砥石に押し付ける角度を調整し、頂角を30°〜90°、逃げ角0°のインサート形状を作製した。頂角が55°以外のインサートについては、それぞれISO型番DNGA150404形状の切削インサートを装着時に実施例に記載の切削ジオメトリとなるホルダに装着して切削を行った。
No.91〜No.96の切削インサートは、すくい面をインサート底面と平行に平面研削盤で研削した後、厚み方向にチャックで挟み付けて、自動研削で外周を加工してインサート側面、ノーズR部、逃げ面を形成し、次いで、チャックによる保持を解かずに、インサート底面(又はすくい面)に対して垂直な軸を支点にして、回転する研削砥石の特定角度傾けた研削面を切れ刃稜線部に当て、支点軸を回転させながら一定角度でネガランドを形成した、すくい角が0°の、ネガランドはノーズR部切れ刃の頂点からノーズR部切れ刃が直線の切れ刃に繋がる位置に向かって幅が漸減せずに一定している従来品である。
No.110の切削インサートは、No.91〜No.96の切削インサートと同様に外周迄を加工した後、以下のネガランド、即ち、ノーズR部切れ刃の頂点からノーズR部切れ刃が直線切れ刃に繋がる位置に向かって漸減しておらず、ノーズR部では一定のW1の幅を有し、直線切れ刃に繋がる位置から一定のW2の幅に階段状に成形されたネガランドを手動で付したものである。
No.97,No.98の切削インサートは、すくい面をインサート底面と平行に平面研削盤で研削した後、インサートの厚み方向にチャックで挟みつけて外周を研削加工してインサート側面、ノーズR部、逃げ面を形成し、次いで、チャックによる保持を解き、その後、平面研削盤にインサートを傾けて取り付けてすくい面を研削加工し、最後に、回転する研削砥石の特定角度傾けた研削面を切れ刃稜線部に当て、支点軸を回転させながら一定角度でネガランドを形成した従来品である。
No.115の切削インサートは、No.97,No.98の切削インサートと同様にすくい面迄を加工した後、ネガランドを形成せずにブラシホーニング機にて刃先にホーニング処理を施したものである。
また、No.99〜No.109、No.111〜No.114、及びNo.116〜No.143の切削インサートは、いずれも、外周加工後も、チャックによるブランク材の保持状態を解かずに、その後に予備ネガランドを研削し、更にその後に、すくい面を研削する方法で作製したものであり、No.99〜No.109、No.111〜No.113、No.117〜No.124、No.127〜No.129、及びNo.131〜No.143は、本発明の工具形状を有するものである。
No.115及びNo.132〜No.135の切削インサートは、外周加工、ネガランド加工、及びすくい面加工の後に、ブラシホーニング機にて刃先に平面視で0.0005μmの丸ホーニングを形成したものである。
No.136〜No.139の切削インサートは、外周加工、ネガランド加工、及びすくい面加工の後に、ブラシホーニング機にて刃先に平面視で0.02μmの丸ホーニングを形成したものである。
No.140〜No.143の切削インサートは、外周加工後に、チャックによるブランク材の保持状態を解かずに、また、ネガランドを研削せずにすくい面を加工し、その後ブラシホーニング機にて、ノーズR部の逃げ面側からブラシを押し付けることにより、刃先に平面視で0.02〜0.06μmの丸ホーニングを形成したものである。
これ等の切削インサートを下記の切削ジオメトリとなるように工具ホルダに装着した状態で、下記の被削材を下記の条件で切削して評価した。
・切れ刃傾き角=−7°、横すくい角=−5°、前逃げ角=7°、横逃げ角=5°、前切刃角=32°、横切刃角=−3°
・被削材:JIS型番:SUJ2(ASTM52100)の熱処理材
・切削条件
被削材硬度:HRc58〜60
切削速度V=200mm/min
切り込みd=0.2mm
送り量f=0.13mm/rev
クーラント:なし
加工形態:外周の連続加工
この評価試験の結果を表4にまとめる。
Figure 0006593322
−実施例5−
表5の試料No.151〜No.165に示す、形状の異なる数種類の硬質焼結体の刃具材を台金の切削に関与するコーナ部の表面に適用したISO型番CNGA120404用の超硬台金に鑞付け接合されたブランク材について、ノーズR部、インサート側面、及び逃げ面を、自動研削盤を用いて自動研削加工してCNGA120408、CNGA120412、CNGA120416の切削インサートを試作し、下記の条件にて切削評価を行った。
刃具材は、cBN粉末と、TiNとAlからなる結合材粉末をボールミルで混合し、超高圧装置を用いて5GPa,1500℃の条件で焼結したものであって、平均粒径0.5μmのcBN粒子を体積比で65%含有し、残部がTiNを主成分とするTi化合物とAl、もしくはSiの窒化物、硼化物、酸化物などのAl化合物、及び微量のWやCo化合物からなるcBN焼結体を用いた。
No.151〜No.153の切削インサートは、すくい面をインサート底面と平行に平面研削盤で研削した後、自動研削で外周を加工してインサート側面、ノーズR部、逃げ面を形成し、次いで、チャックによる保持を解き、その後、回転する研削砥石の特定角度傾けた研削面を切れ刃稜線部に当て、支点軸を回転させながら一定角度でネガランドを形成した、すくい角が0°の、ネガランドはノーズR部切れ刃の頂点からノーズR部切れ刃が直線の切れ刃に繋がる位置に向かって幅が漸減せずに一定している従来品である。
No.154〜No.156、及びNo.163〜No.165の切削インサートは、いずれも、外周加工後も、チャックによるブランク材の保持状態を解かずに、その後に予備ネガランドを研削し、更にその後に、すくい面を研削する製造方法で作製され、ノーズRの頂点から、ノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減するネガランドを有する本発明の工具形状を有するものであるが、No.163〜No.165の切削インサートについては、外周加工時に、前切れ刃、及び横切れ刃に最大曲げ半径24mmの曲線切れ刃を有し、切れ刃の繋ぎ目Q1、及びQ2点にてノーズR部の切れ刃と繋がるように研削加工を実施した。
No.157〜No.162の切削インサートも、外周加工後も、チャックによるブランク材の保持状態を解かずに予備のネガランドを研削し、更にその後に、すくい面を研削する製造方法でノーズR部の頂点から、ノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減するネガランドを形成し、その後リューターによる手動加工で、片側の切れ刃のみノーズR部切れ刃の頂点からノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減せずに一定の幅のネガランドを形成したものであり、本発明の工具形状を有する。
No.159〜No.162の切削インサートは、ネガランド形成後に、ブラシホーニング機によって刃先に平面視で0.005mmの丸ホーニングを形成した。
これ等の切削インサートを、下記切削ジオメトリとなるように工具ホルダに装着した状態で、下記の被削材を下記の条件で切削して評価した。
・切れ刃傾き角=−5°、横すくい角=−5°、前逃げ角=5°、横逃げ角=5°、前切刃角=5°、横切刃角=−5°
・被削材:JIS型番:NCF718(AMS5662)の熱処理材
・切削条件
被削材硬度:HRc43〜44
切削速度V=200mm/min
切り込みd=0.2mm
送り量f=0.3mm/rev
クーラント:あり(湿式切削)
加工形態:端面の連続加工
この評価試験の結果を表5にまとめる。
Figure 0006593322
−実施例6−
形状の異なる数種類の硬質焼結体の刃具材を台金の切削に関与するコーナ部の表面に適用したISO型番CNGA120404用の超硬台金に鑞付け接合されたブランク材に、その後の自動研削盤による自動研削でノーズR部、インサート側面、及び逃げ面を加工し、CNGA120408、CNGA120412、CNGA120416の試作切削インサート(表6の試料No.171〜No.196)を得た。そして各切削インサートについて下記の切削条件にて評価を行った。
刃具材は、cBN粉末、TiNとAlからなる結合材粉末をボールミルで混合し、超高圧装置を用いて5GPa,1500℃の条件で焼結したものであって、平均粒径0.5μmのcBN粉末を体積比で62%含有し、残部がTiNを主成分とするTi化合物とAl、もしくはSiの窒化物、硼化物、酸化物などのAl化合物、及び微量のWやCo化合物からなるセラミックスを用いた。
No.171〜No.173の切削インサートは、すくい面をインサート底面と平行に平面研削盤で研削した後、自動研削で外周を加工してインサート側面、ノーズR部、逃げ面を形成し、次いで、チャックによる保持を解き、その後、回転する研削砥石の特定角度傾けた研削面を切れ刃稜線部に当て、支点軸を回転させながら一定角度でネガランドを形成した、すくい角が0°の、ネガランドはノーズR部切れ刃の頂点からノーズR部切れ刃が直線の切れ刃に繋がる位置に向かって幅が漸減せずに一定している従来品である。
No.174〜No.176の切削インサートは、いずれも、外周加工後も、チャックによるブランク材の保持状態を解かずに、その後に予備ネガランドを研削し、更にその後に、すくい面を研削する製造方法で作製され、ノーズRの頂点から、ノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減するネガランドを有する本発明の工具形状を有するものである。
No.177〜No.179の切削インサートも、外周加工後も、チャックによるブランク材の保持状態を解かずに予備のネガランドを研削し、更にその後に、すくい面を研削する製造方法でノーズRの頂点から、ノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減するネガランドを形成し、その後、ハンドグラインダー(商品名:リューター)による手動加工で、片側の切れ刃のみにノーズR部切れ刃の頂点からノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって幅が漸減せずに一定しているネガランドを形成した(他側のネガランドは直線に切れ刃に繋がる位置に向かって幅が漸減している)、本発明の工具形状を有するものである。
No.180〜No.196の切削インサートも、外周加工後もチャックによるブランク材の保持状態を解かず、実施例3(表3)のNo.80〜No.87と同様に、その後に前切れ刃側では一定幅の予備ネガランドを形成し、横切れ刃として使用される側では、ノーズR部側よりも直線切れ刃側で幅が漸増する形状の予備のネガランドを研削し、更にその後に、すくい面を研削する製造方法で、前切れ刃となる切れ刃側では、ノーズRの頂点から、ノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減するネガランドを有し、横切れ刃となる切れ刃側では、ノーズRの頂点から、ノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって一定もしくは漸増するネガランドを有する本発明の工具形状を有するものである。
No.188〜No.190の切削インサートは、実施例5のNo.159〜No.162と同様に本発明のインサートを製作した後に、ブラシホーニング機を用いて刃先に平面視で0.002mmの丸ホーニングを形成した。
No.191〜No.193の切削インサートは、底面とすくい面を予め研削した超硬台金に対して硬質焼結体の刃具材を、その刃具材の上面を台金の上面よりも上側に突出させて鑞付け接合されたブランク材を、自動研削で外周を加工してインサート側面、ノーズR部、逃げ面を形成し、外周加工後もチャックによるブランク材の保持状態を解かずに、刃具材の前切れ刃側では、一定幅の予備ネガランドを形成し、横切れ刃として使用される側では、ノーズR部側よりも直線切れ刃側で幅が漸増する形状の予備のネガランドを研削し、更にその後に、すくい面を研削する製造方法で、前切れ刃となる切れ刃側では、ノーズRの頂点から、ノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって漸減するネガランドを有し、横切れ刃となる切れ刃側では、ノーズRの頂点から、ノーズR部切れ刃が直線に切れ刃に繋がる位置に向かって一定もしくは漸増するネガランドを有する本発明の工具形状を有するものにした。
刃具材の上面が台金の上面よりも上側に突出したブランク材を用いたため、ノーズR部側よりも直線切れ刃側で幅が漸増する形状の予備のネガランドを、刃具材の横切れ刃として使用される側に台金を共削りしないか、共削りしたとしても僅かな共削りで作製することができる。
No.194〜No.196切削インサートは、No.188〜No.190と同様に本発明のインサート形状を製作した後に、ブラシホーニング機を用いて刃先に平面視で0.002mmの丸ホーニングを形成し、その後、アークイオンプレーティング式のPVD装置により、厚み1μmのTiAlN膜を表面に被覆した。
いずれの切削インサートも、下記切削ジオメトリの工具ホルダに装着した状態で、下記の被削材を下記の条件で切削して評価した。
・切れ刃傾き角=−5°、横すくい角=−5°、前逃げ角=5°、横逃げ角=5°、前切刃角=5°、横切刃角=−5°
・被削材:JIS型番:NCF718(AMS5662)の熱処理材
・切削条件
被削材硬度:HRc43〜44
切削速度V=300mm/min
切り込みd=0.2mm
送り量f=0.13mm/rev
クーラント:あり(湿式切削)
加工形態:外周の連続加工
この評価試験の結果を表6にまとめる。
Figure 0006593322
上記評価試験の結果からわかるように、本発明の切削インサートによれば、難削材の加工においても安定した寿命が発揮される。また、加工時のビビリも抑制されるため、性状が良くて加工変質層も少ない加工面が得られる。
1 切削インサート
1A ブランク材
2 台金
2a 上面
2b 底面
2c 側面
2d 接合面
3 座
4 刃具材
4a 上面
5 ノーズR部
6 逃げ面
7 すくい面
8 切れ刃
8a ノーズR部の切れ刃稜線
8b 直線の切れ刃稜線
9 ネガランド
9A 予備のネガランド
10 面取り部
11 チャック
12 砥石
13 研摩筋
14 丸ホーニング面
21 低剛性部
22 高剛性部
23 嵌め合い部
24 ネッキング部
25 油孔
26 前切れ刃部
27 横切れ刃部
28 被覆層
P ノーズ部切れ刃の頂点
Q1 第1の点
Q2 第2の点

Claims (12)

  1. 台金と、前記台金に一体的に保持された刃具材と、を備える切削インサートであって、
    前記刃具材はcBN基焼結体、セラミックス、サーメットのいずれかで構成され、前記刃具材は前記台金において切削に関与する表面に配置され、
    前記切削インサートは、逃げ面、ノーズR部、正のすくい角を有するすくい面、前記すくい面と前記逃げ面との間に配置される不等幅のネガランドを有し、
    前記ノーズR部の半径が0.4mm以上、2.4mm以下、前記ノーズR部の頂角αが30°以上、95°以下であり、
    前記ノーズR部の頂角の2等分断面位置でのすくい角βが1°以上、10°以下であり、
    前記ネガランドが前記逃げ面と交差する稜線が切れ刃を成し、
    前記切れ刃のうち、前記ノーズR部に対応する部分はノーズR部切れ刃を成し、
    前記切れ刃のうち、前記ノーズR部切れ刃以外の部分が直線切れ刃を成し、
    前記不等幅のネガランドが前記すくい面と交差する稜線と、前記不等幅のネガランドが前記逃げ面と交差する稜線は、平面視で非平行な部分を有し、
    なくともノーズR部切れ刃の頂点を境にした片側では前記不等幅のネガランドの幅が前記ノーズR部切れ刃の頂点から前記ノーズR部切れ刃が直線切れ刃に繋がる位置に向かって漸減し、
    かつ、前記不等幅のネガランドの幅は、前記ノーズR部切れ刃が直線切れ刃に繋がる位置からも前記ノーズR部切れ刃の頂点から離れるに従って漸減する部分を有し、
    前記直線切れ刃のネガランドは、前記ノーズR部切れ刃の頂点から離れるに従って幅が漸減してゼロになる部分を有し、
    前記ノーズR部切れ刃の頂点での平面視における前記不等幅のネガランドの幅をW1、前記ノーズR部切れ刃が前記直線切れ刃に繋がる位置における平面視での前記不等幅のネガランドの幅をW2として、前記W1が0.04mm以上、0.2mm以下であり、かつ、前記W2に対する前記W1の比が1.5以上、である切削インサート。
  2. 前記すくい面は、前記ノーズR部切れ刃の頂点から離れた側の落ち込み量が大きくなる方向に前記台金の上面に対して傾斜した平面状に形成されている請求項1に記載の切削インサート。
  3. 前記刃具材が前記台金の切削に関与するコーナ部に一体的に保持され、前記刃具材に前記逃げ面、前記ノーズR部、前記切れ刃及び前記不等幅ネガランドが形成されている、請求項1または請求項2に記載の切削インサート。
  4. 前記ノーズR部の半径は0.8mm、1.2mm、1.6mmのいずれかであり、
    前記ノーズR部の頂角αは35°、55°、60°、80°、90°のいずれかであり、
    前記すくい角βは1°以上、7°以下であり、
    前記W2に対する前記W1の比が1.5以上、200以下である請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の切削インサート。
  5. 前記W2に対する前記W1の比が2以上、60以下である請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の切削インサート。
  6. 前記不等幅のネガランドは、前記ノーズR部切れ刃の頂点を境にした片側では前記ノーズR部切れ刃の頂点から前記直線切れ刃に繋がる位置に向かって幅が漸減し、前記ノーズR部切れ刃の頂点を境にした他の側ではその幅が一定又は前記直線切れ刃につながる位置に向かって漸増している請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の切削インサート。
  7. 前記刃具材が前記台金の切削に関与する前記コーナ部に一体的に保持され、前記台金が前記コーナ部から離反するにつれて幅が漸増する不等幅の面取り部を有し、前記面取り部は前記幅の一定した側のネガランドに連なり、前記面取り部の前記コーナ部とは反対側の端部における平面視での前記台金の側面に対する垂線方向の面取り幅をM1、前記コーナ部の端部における平面視での前記側面に対する垂線方向の面取り幅をM2として、前記M2に対する前記M1の比が1.2以上、100以下に設定された請求項6に記載の切削インサート。
  8. 前記切れ刃に、0.03mm〜0.3mm幅の丸ホーニング面を有する請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の切削インサート。
  9. Ti,Al,Si,Cr,及びZrの炭化物、窒化物、硼化物、もしくは酸化物からなる被覆層を有する請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の切削インサート。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれかに1つに記載の切削インサートの製造方法であって、cBN基焼結体、セラミックス、サーメットのいずれかで構成される前記刃具材が切削に関与する表面に用いられたブランク材を、位置と姿勢の制御が可能な研削盤のチャックで厚み方向に挟みつけて保持し、この状態で研削盤の回転する砥石の端面に前記刃具材を押しつけて前記刃具材に研削により前記逃げ面、前記不等幅のネガランド、及び前記すくい面を形成し、
    その際の前記すくい面の研削は、前記刃具材を実質的な研削対象にして前記刃具材の上面に対して砥石の研削面を正のすくい角が付与される方向に傾けて行い、
    以上の工程を前記チャックの姿勢と位置を変化させることで前記チャックによる前記ブランク材の保持を解かずに実施する切削インサートの製造方法。
  11. 前記すくい面の研削を、前記逃げ面及び幅の一定した予備のネガランドを研削した後に行い、そのすくい面の研削で前記予備のネガランドのノーズR部切れ刃の頂点を境にした
    少なくとも片側を前記不等幅のネガランドに変化させる請求項10に記載の切削インサートの製造方法。
  12. 前記逃げ面と前記すくい面の研削の際、前記逃げ面については前記逃げ面にインサートの厚み方向と垂直な方向に研摩筋が形成され、前記すくい面については、前記コーナ部の2等分線に対して垂直な方向に研摩筋が形成されるように行う請求項10又は請求項11に記載の切削インサートの製造方法。
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