JP2007290057A - 超高圧焼結体切削工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】工具本体20の上面20aのコーナ部21に固着された超高圧焼結体製の切刃部材30には、すくい面31と逃げ面32との交差稜線部に、コーナ33a及び該コーナ33aからそれぞれ延びる一対の直線切刃33bからなる切刃33が形成され、上記切刃部材30のすくい面31のコーナ部21の内側には、すくい面31から上方に向かって立ち上がるチップブレーカ突起40が設けられた超高圧焼結体切削工具において、側面視において、切刃33には、コーナ33aと、該コーナ33aの2等分線Bとが交差するコーナ先端34から両側に離間するにつれ、漸次低くなる下り傾斜部35aを設け、平面視において、チップブレーカ突起40のブレーカ壁面41を、直線切刃33bに対してほぼ平行な方向に延在させた。
【選択図】 図1
Description
上記切刃(33)は、上記コーナ部(21)に設けられた平面視円弧状をなすコーナ(33a)と、このコーナ(33a)からそれぞれ延びる一対の直線切刃(33b)とから構成され、上記コーナ(33a)又は上記一対の直線切刃(33b)の少なくとも一方には、上記コーナ(33a)と、該コーナ(33a)の2等分線(B)とが交差するコーナ先端(34)から離間するにつれ漸次低くなる下り傾斜部(35a)と、この下り傾斜部(35a)に続いて漸次高くなる上り傾斜部(35b)とからなる傾斜部(35)が形成され、上記コーナ部(21)の内方には、上記すくい面(31)から上方に向かって立ち上がるとともに上記2等分線(B)上で互いに交差する一対のブレーカ壁面(41)を備えたチップブレーカ突起(40)が設けられ、上記一対のブレーカ壁面(41)は、上記一対の直線切刃(33b)方向と略平行な方向に延在し且つ互いの交差部(43)が上記コーナ先端(34)側に突出するように形成されていることを特徴とする超高圧焼結体切削工具である。
また、チップブレーカ突起(40)において、一対のブレーカ壁面(41)は、一対の直線切刃(33b)方向と略平行な方向に延在し且つ互いの交差部(43)がコーナ先端(34)側に突出するように形成されていることから、広範な切込み深さの設定条件において、上記ブレーカ壁面(41)が切屑を確実に拘束し効果的な切屑処理を可能にする。特に、コーナ(33a)の各位置から一対のブレーカ壁面(41)の交差部(43)までの距離が小さいため、仕上げ切削においてきわめて効果的な切屑処理を可能にする。
さらに、立方晶窒化硼素(cBN)を含有する超高圧焼結体で構成された超高圧焼結体切削工具において、切刃傾き角を正側に転化する下り傾斜部(35a)は、高硬度材切削時に特有の高い背分力を減少させるため、びびり、発熱、切刃(33)のチッピング又は欠損の発生が抑制される。
切刃部材(30)がダイヤモンド(DIA)を含有する超高圧焼結体で構成された超高圧焼結体切削工具においても、下り傾斜部(35a)は、切刃(33)の切れ味を高めることから、非鉄金属や非金属の切削時に、刃先に切屑が凝着することを抑制し加工面の面粗さを向上させる。
さらに、チップブレーカ突起40の一対のブレーカ壁面41が一対の直線切刃33bの延びる方向と略平行な方向に延在し、且つ上記一対のブレーカ壁面41の交差部43がコーナ先端34側に突出して近接するように形成されていることから、上記ブレーカ壁面41は、コーナ33a内の微小切込み深さから直線切刃33bに切込み深さが及ぶ広範な設定条件において、切屑を確実に拘束し効果的な切屑処理を可能にする。
しかも、下り傾斜部35aは、該下り傾斜部35aから生成する切屑をコーナ先端34から離れる方向に誘導しブレーカ壁面41に確実に衝突させるため、いっそう効果的な切屑処理を可能にする。
チップブレーカ突起40の頂面42に対するコーナ先端34の芯下がり量H1を0.05mm以上、好ましくは0.10mm以上確保することによって、幅及び厚さが小さい切屑処理の困難な仕上げ切削時の切屑を確実にブレーカ壁面41に衝突させることができるため良好な切屑処理が可能になる。なお、芯下がり量H1の上限値は、上記効果が頭打ちとなる、1mm程度である。
また、コーナ33aに設けた比較的幅広のホーニング面50aは、切屑をカールさせる働きが強まるため、仕上げ切削の如き低切込み深さにおける切屑処理にも有効となる。
ホーニング面50については、切刃33の刃先を強化する目的からチップ基体20の上面20aに対する傾斜角α1、α2を大きくしてもよいが、切れ味が悪化するおそれがあるので、上記傾斜角α1、α2は45°以下にすべきである。同じ目的からホーニング面50とすくい面31及び/又は逃げ面32との交差稜線部を0.02mm〜0.2mmの範囲の曲率半径をもつ円弧でなめらかにつないでもよい。
さらに、チップブレーカ突起40の一対のブレーカ壁面41が一対の直線切刃33bの延びる方向と略平行な方向に延在し、且つ上記一対のブレーカ壁面41の交差部43がコーナ先端34側に突出して近接するように形成されていることから、上記ブレーカ壁面41は、コーナ33a内の微小切込み深さから直線切刃33bに切込み深さが及ぶ広範な設定条件において、切屑を確実に拘束し効果的な切屑処理を可能にする。特に、下り傾斜部35aは、該下り傾斜部35aから生成する切屑をコーナ先端34から離れる方向に誘導し、ブレーカ壁面41に確実に衝突させるため、いっそう効果的な切屑処理を可能にする。
下り傾斜部35aをコーナ33aに設けた場合には、該コーナ33aの切れ味が良好になるため、該コーナ33aの一部で構成された前切刃の刃先に、切屑が凝着することが抑制され加工面の面粗さが向上する。切刃33の切れ味を良くすることに配慮して、ホーニング面50は設けないか又は微小幅にとどめるのが望ましい。
また、直線切刃33bのホーニング面50bの幅A2をコーナ33aのホーニング面50aの幅A1以上にすると、切取り厚さが比較的大きい直線切刃33bにチッピングや欠損が発生することを防止するのに有効となる。さらに、切刃33から延びるすくい面31に、正のすくい角を付与した場合には、下り傾斜部35aとの相乗効果により刃先の切れ味がきわめて良好となるため加工面の面粗さがいっそう向上する。
本発明に係る切削工具は、逃げ面32の逃げ角を正としたポジチップに変更可能であり、チップ10の外形についても、正三角形、正方形、菱形等の略多角形平板状をなすものに適用可能である。
傾斜部35は、コーナ33aと直線切刃33bに跨って設けられてもよいし、直線切刃33bの一部にのみ形成されてもよく、側面視における形状についても1つの円弧状で形成されたものに限らず、複数の円弧又は直線と曲線を組み合わせた曲線状で形成されたものでもかまわない。
20 工具本体(チップ基体)
21 コーナ部
30 切刃部材
31 すくい面
32 逃げ面
33 切刃
33a コーナ
33b 直線切刃
34 コーナ先端
35 傾斜部
35a 下り傾斜部
35b 上り傾斜部
40 チップブレーカ突起
41 ブレーカ壁面
42 ブレーカ頂面
43 ブレーカ壁面の交差部
50、50a、50b ホーニング面
B コーナの2等分線
A1、A2 ホーニング面の幅
B1、B2 ブレーカ幅
α1、α2 チップ基体(切削工具)の上面に対するホーニング面の傾斜角度
H1、H2 チップブレーカ突起の頂面に対する切刃の芯下がり量
Claims (3)
- 工具本体(20)の上面(20a)のコーナ部(21)には、ダイヤモンド又は立方晶窒化硼素の少なくとも一方を含有した超高圧焼結体からなる切刃部材(30)が固着され、少なくとも上記切刃部材(30)の上面に形成されたすくい面(31)と、周面に形成された逃げ面(32)との交差稜線部に切刃(33)が形成されてなる超高圧焼結体切削工具において、
上記切刃(33)は、上記コーナ部(21)に設けられた平面視円弧状をなすコーナ(33a)と、このコーナ(33a)からそれぞれ延びる一対の直線切刃(33b)とから構成され、上記コーナ(33a)又は上記一対の直線切刃(33b)の少なくとも一方には、上記コーナ(33a)と、該コーナ(33a)の2等分線(B)とが交差するコーナ先端(34)から離間するにつれ漸次低くなる下り傾斜部(35a)と、この下り傾斜部(35a)に続いて漸次高くなる上り傾斜部(35b)とからなる傾斜部(35)が形成され、上記コーナ部(21)の内方には、上記すくい面(31)から上方に向かって立ち上がるとともに上記2等分線(B)上で互いに交差する一対のブレーカ壁面(41)を備えたチップブレーカ突起(40)が設けられ、上記一対のブレーカ壁面(41)は、上記一対の直線切刃(33b)方向と略平行な方向に延在し且つ互いの交差部(43)が上記コーナ先端(34)側に突出するように形成されていることを特徴とする超高圧焼結体切削工具。 - 側面視において、上記下り傾斜部(35a)及び上記上り傾斜部(35b)が1つの円弧からなる曲線状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の超高圧焼結体切削工具。
- 上記切刃(33)稜線部には、該切刃(33)に沿って面取り状のホーニング面(50)が設けられ、
上記コーナ(33a)に設けられたホーニング面(50a)と、上記直線切刃(33b)に設けられたホーニング面(50b)とが相違する形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の超高圧焼結体切削工具。
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