JP6590456B2 - ゴム組成物の製造方法、並びに、伝動ベルトの製造方法 - Google Patents

ゴム組成物の製造方法、並びに、伝動ベルトの製造方法

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Description

本発明は、ゴム組成物の製造方法、並びに、伝動ベルトの製造方法に関する。
ゴム組成物にいわゆるセルロースナノファイバを含有させて補強することは公知である。
例えば、特許文献1には、ゴム成分、パルプを機械的に解繊処理することにより得られる平均繊維径が4〜100nmのミクロフィブリル化植物繊維、及びレゾール樹脂を含有したゴム組成物が開示されている。
WO2011/096393号
本発明の課題は、ゴム組成物へのセルロース系微細繊維の分散性を高めることである。
本発明のゴム組成物の製造方法は、水と化学解繊処理されたセルロース系微細繊維とレゾルシン樹脂とゴムラテックスとを含有する分散体を作製し、前記分散体から水分を除去して得られた固形物をゴム成分と混練するものであって、前記分散体における前記レゾルシン樹脂の含有量に対する前記ゴムラテックスの固形分に由来する成分の含有量の比が20以下である
本発明の伝動ベルトの製造方法は、本発明の製造方法によって製造されたゴム組成物を用いるものである。
本発明によれば、水と化学解繊処理されたセルロース系微細繊維と水溶性樹脂とを含有する分散体から水分を除去して得られた固形物をゴム成分と混練することにより、ゴム組成物におけるセルロース系微細繊維の高い分散性を得ることができる。
(a)はVリブドベルト、図1(b)はローエッジVベルト、(c)はラップドVベルトをそれぞれ示す斜視図である。 (a)は平ベルト、及び(b)は歯付ベルトをそれぞれ示す斜視図である。 ベルト本体と表面補強布との界面構造を示す断面図である。 実施例の試験評価で用いた平ベルトの断面図である。 耐久性評価用ベルト試験走行機のプーリレイアウトを示す図である。
以下、実施形態について詳細に説明する。
実施形態に係るゴム組成部の製造方法では、水と化学解繊処理されたセルロース系微細繊維と水溶性樹脂とを含有する分散体を作製し、その分散体から水分を除去して得られた固形物をゴム成分と混練する。
実施形態に係るゴム組成部の製造方法によれば、水と化学解繊処理されたセルロース系微細繊維と水溶性樹脂とを含有する分散体から水分を除去して得られた固形物をゴム成分と混練することにより、ゴム組成物におけるセルロース系微細繊維の高い分散性を得ることができ、その結果、セルロース系微細繊維による高い補強効果等の特性を得ることができる。
ここで、セルロース系微細繊維は、植物繊維を細かくほぐすことで得られる植物細胞壁の骨格成分で構成されたセルロース微細繊維を由来とする繊維材料である。セルロース系微細繊維の原料植物としては、例えば、木、竹、稲(稲わら)、じゃがいも、サトウキビ(バガス)、水草、海藻等が挙げられる。これらのうち木が好ましい。
本願における「化学解繊処理されたセルロース系微細繊維」とは、まず、化学処理にてパルプ状の未解繊セルロースの水酸基の一部がカルボキシル基の負イオンに置換され、負イオン同志による静電反発力を利用して、小さな解繊エネルギーにて解繊させた微細繊維である。化学処理として、例えば、カルボキシメチル化処理、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシラジカル)触媒を用いた酸化処理等が挙げられる。従って、かかる化学処理を行ったパルプ状の未解繊セルロースに対し、水溶性樹脂との混合前又は混合後に、高圧ホモジナイザーやグラインダーやビーズミル等による機械的処理を施して得られたセルロース系微細繊維も本願における「化学解繊処理されたセルロース系微細繊維」に含まれる。一方、上記のような化学処理を施さず、すなわち、負イオンによる静電反発力を利用せず、単に機械的なエネルギーのみを利用して得られた機械解繊処理されたセルロース系微細繊維は、本願における「化学解繊処理されたセルロース系微細繊維」には含まれない。
セルロース系微細繊維の繊維径の分布の下限は、ゴム組成物におけるセルロース系微細繊維の分散性を高める観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上である。上限は、好ましくは1μm以下、より好ましくは700nm以下、更に好ましくは500nm以下である。セルロース系微細繊維の繊維径の分布範囲は、ゴム組成物におけるセルロース系微細繊維の分散性を高める観点から、20nm〜1μmを含むことが好ましく、20〜700mmを含むことがより好ましく、20〜500nmを含むことが更に好ましい。
セルロース系微細繊維の平均繊維径は、ゴム組成物におけるセルロース系微細繊維の分散性を高める観点から、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下である。セルロース系微細繊維の平均繊維径は、好ましくは3nm以上である。
セルロース系微細繊維の繊維径の分布は、ゴム組成物の試料を凍結粉砕した後、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察すると共に、50本のセルロース系微細繊維を任意に選択して繊維径を測定し、その測定結果に基づいて求められる。また、セルロース系微細繊維の平均繊維径は、その任意に選択した50本のセルロース系微細繊維の繊維径の数平均として求められる。
セルロース系微細繊維は、セルロース微細繊維自体であっても、また、疎水化処理された疎水化セルロース微細繊維であっても、どちらでもよい。また、セルロース系微細繊維として、セルロース微細繊維自体と疎水化セルロース微細繊維とを併用してもよい。分散性の観点からは、セルロース系微細繊維は、疎水化セルロース微細繊維を含むことが好ましい。疎水化セルロース微細繊維としては、セルロースの水酸基の一部又は全部が疎水性基に置換されたセルロース微細繊維、及び表面処理剤によって疎水化表面処理されたセルロース微細繊維が挙げられる。
セルロースの水酸基の一部又は全部が疎水性基に置換されたセルロース微細繊維を得るための疎水化としては、例えば、エステル化(アシル化)(アルキルエステル化、複合エステル化、β−ケトエステル化など)、アルキル化、トシル化、エポキシ化、アリール化等が挙げられる。これらのうちエステル化が好ましい。具体的には、エステル化された疎水化セルロース微細繊維は、セルロースの水酸基の一部又は全部が、酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、酪酸等のカルボン酸、若しくは、そのハロゲン化物(特に塩化物)によりアシル化されたセルロース微細繊維である。表面処理剤によって疎水化表面処理されたセルロース微細繊維を得るための表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。
分散体におけるセルロース系微細繊維の含有量(C)は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
本願において「水溶性樹脂」とは、25℃の水100gに対し0.1g以上溶解する水溶性を示す樹脂である。かかる水溶性樹脂としては、例えば、レゾルシン樹脂(レゾルシン−ホルムアルデヒド縮合物)などの水溶性フェノール系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体樹脂、ポリビニルアミン樹脂、ポリアリルアミン樹脂、オキサゾリン基含有水溶性樹脂等が挙げられる。水溶性樹脂は、これらのうち1種又は2種以上が好ましい。また、これらのうち水溶性フェノール樹脂がより好ましく、レゾルシン樹脂が更に好ましい。水溶性樹脂がレゾルシン樹脂である場合、レゾルシンのホルムアルデヒドに対するモル比(R/F)は、好ましくは1/1〜1/3、より好ましくは1/1.2〜1/2である。
分散体における水溶性樹脂の含有量は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上であり、また、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下である。
分散体には更にゴムラテックスを含有させることが好ましい。ゴムラテックスとしては、例えば、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンゴムラテックス(Vp・SBR)、スチレン・ブタジエンゴムラテックス(SBR)、天然ゴムラテックス(NR)、クロロプレンゴムラテックス(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックス(CSM)、2,3−ジクロロブタジエンゴムラテックス(2,3−DCB)、水素化ニトリルゴムラテックス(H−NBR)、カルボキシル化水素化ニトリルゴムラテックス、ブタジエンゴムラテックス(BR)、ニトリルゴムラテックス(NBR)等が挙げられる。ゴムラテックスは、これらのうち1種又は2種以上であることが好ましい。
分散体におけるゴムラテックスの固形分に由来する成分の含有量(L)は、好ましくは0質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
分散体にゴムラテックスを含有させる場合、水溶性樹脂はレゾルシン樹脂であることが好ましい。つまり、分散体がいわゆるレゾルシン・ホルマリン・ラテックス水溶液(以下「RFL水溶液」という。)であることが好ましい。
この場合、分散体におけるセルロース系微細繊維の含有量(C)とレゾルシン樹脂の含有量(RF)とゴムラテックスの固形分に由来する成分の含有量(L)との総和は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは6質量%以下である。分散体におけるレゾルシン樹脂の含有量(RF)とゴムラテックスの固形分に由来する成分の含有量(L)との和(RFL)は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.015質量%以上であり、また、好ましくは5.5質量%以下、より好ましくは3.3質量%以下である。分散体におけるゴムラテックスの固形分に由来する成分の含有量(L)のレゾルシン樹脂の含有量(RF)に対する質量比(L/RF)は、好ましくは0以上、より好ましくは1以上であり、また、好ましくは20以下、より好ましくは10以下である。また、分散体におけるセルロース系微細繊維の含有量(C)のレゾルシン樹脂の含有量(RF)とゴムラテックスの固形分に由来する成分の含有量(L)との和(RFL)に対する質量比(C/RFL)は、好ましくは3以上、より好ましくは8以上であり、また、好ましくは100以下、より好ましくは50以下である。
分散体には、化学解繊処理されたセルロース系微細繊維による高い補強効果を損なわない範囲で、界面活性剤などのその他の配合剤を含有させてもよく、また、機械解繊手段によって製造されたセルロース系微細繊維を含有させてもよい。
分散体の作製には、例えばインペラを備えた公知の攪拌機を用いることができる。また、分散体からの水分の除去手段としては、例えば、加熱による脱水や減圧による脱水が挙げられる。
実施形態に係るゴム組成部の製造方法では、分散体から水分を除去して得られた固形物をマスターバッチとし、それをゴム成分と混練する。
ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、エチレン・プロピレンコポリマー(EPR)、エチレン・プロピレン・ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン・オクテンコポリマー、エチレン・ブテンコポリマーなどのエチレン−α−オレフィンエラストマー;クロロプレンゴム(CR);クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM);水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)等が挙げられる。ゴム成分は、これらのうちの1種又は2種以上のブレンドゴムであることが好ましい。分散体にゴムラテックスを含有させる場合、ゴム成分は、ゴムラテックスのゴム成分と同一であっても、また、異なっていても、どちらでもよいが、セルロール微細繊維との界面相互作用を高める観点からは、それらのゴム成分は、同一或いは類似の化学構造を有することが好ましいい。
ゴム成分とマスターバッチとの混合は、ゴム成分100質量部に対する化学解繊処理されたセルロース系微細繊維の含有量が、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上で、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下となるように行う。
実施形態に係るゴム組成部の製造方法では、更に、例えば、老化防止剤、加工助剤、加硫促進助剤、架橋剤、加硫促進剤等のゴム配合剤を添加して混練する。
老化防止剤としては、例えば、芳香族第二級アミン系老化防止剤、ベンズイミダゾール系老化防止剤、アミン−ケトン系老化防止剤、ジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤等が挙げられる。老化防止剤は、これらのうち1種又は2種以上であることが好ましい。老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して例えば1〜5質量部である。
加工助剤としては、例えば、ステアリン酸、ポリエチレンワックス、脂肪酸の金属塩等が挙げられる。加工助剤は、これらのうち1種又は2種以上であることが好ましい。加工助剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して例えば1〜3質量部である。
加硫促進助剤としては、例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)や酸化マグネシウムなどの金属酸化物、金属炭酸塩、脂肪酸及びその誘導体等が挙げられる。加硫促進助剤は、これらのうち1種又は2種以上であることが好ましい。加硫促進助剤の含有量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば1〜4質量部である。
架橋剤としては、有機過酸化物及び硫黄が挙げられる。架橋剤として、有機過酸化物が配合されていてもよく、また、硫黄が配合されていてもよく、更には、それらの両方が併用されていてもよい。架橋剤の配合量は、有機過酸化物の場合、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば1〜3質量部であり、硫黄の場合、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば1〜3質量部である。
加硫促進剤としては、例えば、チアゾール系(例えばMBTS、MBTなど)、チウラム系(例えばTT、TRAなど)、スルフェンアミド系(例えばCZなど)、ジチオカルバミン酸塩系(例えばBZ−Pなど)のもの等が挙げられる。加硫促進剤は、これらのうち1種又は2種以上であることが好ましい。加硫促進剤の含有量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば0.5〜2質量部である。
以上のようにして製造された未架橋のゴム組成物は、伝動ベルト、コンベヤベルト、タイヤ、ホース等のゴム製品を製造する際の原材料として用いられ、加熱及び加圧されることにより架橋され、それらの製品本体等を構成する。そして、ゴム組成物におけるセルロース系微細繊維の分散性が高められているため、セルロース系微細繊維による高い補強効果を得ることができる。特に、屈曲等の非常に厳しい使用条件下で用いられる伝動ベルトに用いることが好適であり、図1(a)に示すVリブドベルトB、図1(b)に示すローエッジVベルトB、図1(c)に示すラップドVベルトB、図2(a)に示す平ベルトB、及び図2(b)に示す歯付ベルトBにおけるベルト本体10の少なくとも一部や図3に示す表面補強布20のゴム糊接着層30に用いることが好ましい。
(RF水溶液・RFL水溶液の作製)
以下のRF水溶液及びRFL水溶液A〜Fを作製した。それぞれの構成を表1に示す。
<RF水溶液>
水2691gに水酸化ナトリウム6gを少しずつ加えて完全に溶解させた。そして、そこにレゾルシン123gを加えて5分間攪拌して完全に溶解させた後、ホルマリン(37質量%ホルムアルデヒド水溶液)180gを加えて25℃の温度下で5時間攪拌して熟成させることによりRF水溶液を作製した。このRF水溶液におけるRFの含有量は6.3質量%である。レゾルシンのホルムアルデヒドに対するモル比(R/F)は0.50である。
<RFL水溶液>
−RFL水溶液A−
RF水溶液とビニルピリジン・スチレン・ブタジエンゴムラテックス(日本エイアンドエル社製 商品名:PYRATEX 固形分濃度:41質量%)とを、レゾルシン樹脂の含有量(RF)に対するゴムラテックスの固形分に由来する成分の含有量(L)の質量比(L/RF)が0.1となるように混合したRFL水溶液Aを作製した。
−RFL水溶液B〜F−
RF水溶液とビニルピリジン・スチレン・ブタジエンゴムラテックスとを、レゾルシン樹脂の含有量(RF)に対するゴムラテックスの固形分に由来する成分の含有量(L)の質量比(L/RF)が順に1.0、5.0、10、20、及び30となるように混合したRFL水溶液B〜Fを作製した。
Figure 0006590456
(分散液の作製)
水とカルボキシメチルセルロース(日本製紙社製 商品名:サンローズSLD−F1)とを混合し、それをジェットミルに5回パスして2質量%のカルボキシメチルセルロースの分散液を作製した。
(マスターバッチの作製)
以下の実施例1-1〜1-7、実施例2-1〜2-7、及び比較例のマスターバッチを作製した。それぞれの構成を表2及び3に示す。
なお、表2及び3には、分散体におけるセルロース微細繊維の含有量(C)、レゾルシン樹脂の含有量(RF)、ゴムラテックスの固形分に由来する成分の含有量(L)、セルロース微細繊維の含有量(C)とレゾルシン樹脂の含有量(RF)とゴムラテックスの固形分に由来する成分の含有量(L)との総和(TOTAL)、レゾルシン樹脂の含有量(RF)とゴムラテックスの固形分に由来する成分の含有量(L)との和(RFL)、及びセルロース微細繊維の含有量(C)のレゾルシン樹脂の含有量(RF)とゴムラテックスの固形分に由来する成分の含有量(L)との和(RFL)に対する質量比(C/RFL)についても示す。
<実施例1-1>
セルロース微細繊維の含有量のRF樹脂の含有量に対する質量比(セルロース微細繊維の含有量/RF樹脂の含有量)が5/0.5となるように、カルボキシメチルセルロースの分散液250質量部に対してRF水溶液7.91質量部を混合して5分間攪拌した後、得られた分散体を40℃の温度下で真空乾燥させて水分を除去することにより実施例1-1のマスターバッチを作製した。
<実施例1-2>
分散液250質量部に対してRFL水溶液A8.33質量部を混合したことを除いて実施例1-1と同様にして実施例1-2のマスターバッチを作製した。
<実施例1-3>
分散液250質量部に対してRFL水溶液B5.00質量部を混合したことを除いて実施例1-1と同様にして実施例1-3のマスターバッチを作製した。
<実施例1-4>
分散液250質量部に対してRFL水溶液C2.50質量部を混合したことを除いて実施例1-1と同様にして実施例1-4のマスターバッチを作製した。
<実施例1-5>
分散液250質量部に対してRFL水溶液D2.00質量部を混合したことを除いて実施例1-1と同様にして実施例1-5のマスターバッチを作製した。
<実施例1-6>
分散液250質量部に対してRFL水溶液E1.67質量部を混合したことを除いて実施例1-1と同様にして実施例1-6のマスターバッチを作製した。
<実施例1-7>
分散液250質量部に対してRFL水溶液F1.67質量部を混合したことを除いて実施例1-1と同様にして実施例1-6のマスターバッチを作製した。
<実施例2-1〜2-7>
TEMPO酸化処理によって解繊されたセルロース微細繊維の2質量%水分散液(第一工業製薬社製 商品名:レオクリスタC−2SP)を用いたことを除いて実施例1-1〜1-7と同様にして実施例2-1〜2-7のマスターバッチを作製した。
<比較例>
機械解繊手段によって製造されたセルロース微細繊維とレゾール樹脂とを、セルロース微細繊維の含有量のレゾール樹脂の含有量に対する質量比(セルロース微細繊維の含有量/レゾール樹脂の含有量)が5/0.5となるように混合して作製した分散体に、天然ゴムラテックスを更に混合して5分間攪拌した後、40℃の温度下で真空乾燥させて水分を除去することにより比較例のマスターバッチを作製した。なお、この比較例は、特許文献1に開示された実施例8に相当する。
Figure 0006590456
Figure 0006590456
(試験評価方法)
<熱膨張係数>
実施例1-1〜1-7、実施例2-1〜2-7、及び比較例のそれぞれのマスターバッチを用いて天然ゴム組成物を作製した。
具体的には、天然ゴムを素練りすると共に、そこに、天然ゴム100質量部に対するセルロース微細繊維の含有量が5質量部となるようにマスターバッチを投入して混練した。
次いで、天然ゴムとセルロース微細繊維を含むマスターバッチとを混練しながら、天然ゴム100質量部に対し、老化防止剤(大内新興化学工業社製 商品名:ノクラック6C)を2質量部、加工助剤のステアリン酸(日本油脂社製 商品名:ビーズステアリン酸つばき)を1.5質量部、加硫促進助剤の酸化亜鉛(三井金属鉱業社製 商品名:酸化亜鉛2種)を2.5質量部、架橋剤の硫黄(鶴見化学工業社製 商品名:粉末硫黄)を1.5質量部、及び加硫促進剤(大内新興化学工業社製 商品名:ノクセラーDM)を1質量部投入して混練を継続することにより未架橋の天然ゴム組成物を作製した。
この未架橋の天然ゴム組成物を用いて150℃で30分間のプレス成型により厚さ
1mmの架橋した天然ゴム組成物シートを作製した。
そして、天然ゴム組成物シートの5つの試料について、熱機械分析装置を用いて50℃での熱膨張係数を測定し、それらの測定値を求めた。また、それらの測定値の最大値と最小値との差を熱膨張係数のバラツキとした。
<耐クラック性評価ベルト走行試験>
図4に示すように、実施例1-1〜1-7、実施例2-1〜2-7、及び比較例のそれぞれのマスターバッチを用いた上記の天然ゴム組成物をベルト本体10のうちの内側ゴム層10aに適用した平ベルトBを作製した。なお、接着ゴム層10b及び外側ゴム層10cは、セルロース微細繊維を含有しない天然ゴム組成物で形成し、心線11は、接着処理を施したポリエステル繊維製の撚り糸で形成した。
図5は、耐クラック性評価用ベルト走行試験機40を示す。
耐クラック性評価用ベルト走行試験機40は、プーリ径φ50mmの駆動平プーリ41とその右側方に設けられたプーリ径50mmの従動平プーリ42とを備えている。従動平プーリ42は、軸荷重(デッドウェイトDW)を負荷して平ベルトBに張力を付与できるように左右に可動に設けられている。
各平ベルトBについて、120℃のオーブンに96時間入れて劣化させた後、耐クラック性評価用ベルト走行試験機40の駆動平プーリ41及び従動平プーリ42間に巻き掛け、従動平プーリ42に対して右側方に200Nの軸荷重を負荷して平ベルトBに張力を与えると共に、100℃の雰囲気温度下において駆動平プーリ41を3000rpmの回転数で回転させることによりベルト走行させた。そして、定期的にベルト走行を停止すると共に、平ベルトBにクラックが発生しているか否かを目視確認し、クラックの発生が確認されるまでのベルト走行時間をクラック発生寿命とした。なお、100時間を越えてもクラックの発生が認められない場合には、その時点で試験を打ち切った。
(試験評価結果)
試験結果を表4及び5に示す。
Figure 0006590456
Figure 0006590456
これらの結果から、機械解繊手段によって製造されたセルロース微細繊維を含む比較例を用いた天然ゴム組成物に比較すると、カルボキシメチル化処理及びTEMPO触媒を用いた酸化処理といった化学解繊手段によって製造されたセルロース微細繊維を含む実施例1-1〜1-7及び実施例2-1〜2-7を用いた天然ゴム組成物のいずれも、熱膨張係数が低く、従って、天然ゴム組成物中におけるセルロース微細繊維の分散及び相互作用が良好であることが分かる。また、比較例を用いた天然ゴム組成物に比較すると、実施例1-1〜1-7及び実施例2-1〜2-7を用いた天然ゴム組成物の方が熱膨張係数のバラツキが小さく、従って、安定であることが分かる。
平ベルトの走行性能については、比較例を用いた天然ゴム組成物に比較すると、実施例1-1〜1-7及び実施例2-1〜2-7を用いた天然ゴム組成物の方がクラック発生寿命が長いことが分かる。
更に、L/RFの質量比が20以下であるRFL水溶液A〜Eを用いた実施例1-2〜1-6及び2-2〜2-6では、L/RFの質量比が30であるRFL水溶液Fを用いた実施例1-7及び2-7よりも各特性が優れており、従って、L/RFの質量比が20以下とすることにより、ゴム成分とセルロース微細繊維との良好な界面相互作用が得られるものと考えられる。
本発明は、ゴム組成物の製造方法、並びに、伝動ベルトの製造方法の技術分野について有用である。
B Vリブドベルト,ローエッジVベルト,ラップドVベルト,平ベルト,歯付ベルト(伝動ベルト)
10 ベルト本体
10a 内側ゴム層
10b 接着ゴム層
10c 外側ゴム層
11 心線
20 表面補強布
30 ゴム糊接着層
40 耐クラック性評価用ベルト走行試験機
41 駆動平プーリ
42 従動平プーリ

Claims (4)

  1. 水と化学解繊処理されたセルロース系微細繊維とレゾルシン樹脂とゴムラテックスとを含有する分散体を作製し、前記分散体から水分を除去して得られた固形物をゴム成分と混練するゴム組成物の製造方法であって、
    前記分散体における前記レゾルシン樹脂の含有量に対する前記ゴムラテックスの固形分に由来する成分の含有量の比が20以下であるゴム組成物の製造方法。
  2. 請求項1に記載されたゴム組成物の製造方法において、
    前記化学解繊処理がカルボキシメチル化処理であるゴム組成物の製造方法。
  3. 請求項1に記載されたゴム組成物の製造方法において、
    前記化学解繊処理がTEMPO触媒を用いた酸化処理であるゴム組成物の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された製造方法によって製造されたゴム組成物を用いる伝動ベルトの製造方法。
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