JPH111577A - 補強用短繊維含有ゴム組成物及びこれを用いた伝動ベルト - Google Patents

補強用短繊維含有ゴム組成物及びこれを用いた伝動ベルト

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JPH111577A
JPH111577A JP17642297A JP17642297A JPH111577A JP H111577 A JPH111577 A JP H111577A JP 17642297 A JP17642297 A JP 17642297A JP 17642297 A JP17642297 A JP 17642297A JP H111577 A JPH111577 A JP H111577A
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rubber
rubber composition
short fibers
transmission belt
belt
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JP17642297A
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Takashi Kinoshita
隆史 木下
Hitoshi Hanesaka
仁志 羽坂
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム中における補強用短繊維の分散性を改善
し、この補強用短繊維含有ゴム組成物を使用してベルト
の走行寿命を改善した補強用短繊維含有ゴム組成物及び
これを用いた伝動ベルトを提供することを目的とする。 【解決手段】 レゾルシン・ホルマリン・ラテックスの
固形分重量比が1/1〜1/5であるレゾルシン・ホル
マリン・ラテックス液で処理され、かつレゾルシン・ホ
ルマリン・ラテックス液の固形分付着量が3〜10%重
量である補強用短繊維含有ゴム組成物を、伝動ベルト1
を構成するゴム部材の少なくとも一部に使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は補強用短繊維含有ゴ
ム組成物及びこれを用いた伝動ベルトに係り、詳しくは
補強用短繊維の分散を改善した補強用短繊維含有ゴム組
成物及びこれを使用してベルトの走行寿命を改善した伝
動ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】補強用短繊維を含有するゴム組成物は、
短繊維による異方性、耐摩耗性等の特性を利用してVベ
ルト、Vリブドベルト等の伝動ベルトを始めとして種々
の分野で利用されている。特に、繰り返し圧縮力を受け
る伝動ベルトにおいて短繊維を分散させたゴム組成物を
使用した場合には、短繊維の分散が悪くて塊で残ってい
ると、その部分が亀裂の核となってベルト故障の原因、
更にはベルト走行寿命の短命化の原因になっていた。
【0003】また、短繊維も未処理のものをゴム中に分
散させる場合と、接着性を改善するためにレゾルシン・
ホルマリン・ラテックス液で処理したものをゴム中に分
散させる場合があり、また最近では両方の特性を生かし
て処理短繊維と未処理短繊維とを混入したゴム組成物が
提案されている。(特開平5−262919号公報参
照)
【0004】今日、密閉式混練機を用いて補強用短繊維
を含有するゴム組成物を練る方法としては、例えば
(1)まずゴムと補強用短繊維を混合して短繊維混入マ
スターバッチを作製した後、補強剤(カーボンブラック
等)、充填剤、軟化剤、老化防止剤、加硫促進剤、加硫
剤等を練り込んで所定のゴム組成物とする方法、(2)
マトリックスとなるゴムコンパウンドを作製しておき、
そのコンパウンドに補強用短繊維を練り込んで所定のゴ
ム組成物とする方法、(3)補強用短繊維を少量のゴ
ム、軟化剤、補強剤と混合して高濃度の短繊維混入マス
ターバッチを作製し、これをマトリックスとなるコンパ
ウンドと混合して分散させる方法がある。
【0005】また、特公平4−179509号公報に
は、無撚り長繊維束をエラストマー溶液中に浸漬した
後、乾燥することで、エラストマーが内部まで浸入した
長繊維収束体を作製し、その後この長繊維収束体を切断
してエラストマー被覆短繊維をしたのち、これをマトリ
ックスとなるゴム中に混入し、分散して短繊維の分散性
を向上させた方法は開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、(1)の方法
のようにゴムと短繊維だけを練る場合、短繊維の分散を
良くするために、練り時間を長くすれば、混合物の温度
が上がり、そのためゴムの粘度が落ちて短繊維に剪断力
がかからなくなり、短繊維の分散は良くならない。ま
た、短繊維の長さが長くなるにしたがい、短繊維がほぐ
れていく過程で綿状の塊になりやすく、一度この塊とな
れば、練り時間を長くしても塊はなかなかほぐれなくな
る問題があった。
【0007】(2)の方法のようにマトリックスとなる
ゴムコンパウンドに短繊維を練り込む場合、上記(1)
の方法に比べて短繊維に剪断力がかかりやすくなるが、
温度上昇が大きく、粘度も大きく低下する結果、短繊維
に充分な剪断力がかからなくなるばかりでなく、硫黄変
成タイプのクロロプレンゴムのように熱だけで加硫して
しまうものでは、練り−冷却のサイクルを繰り返す必要
があり、多大の労力を要していた。
【0008】(3)の方法のように高濃度の短繊維混入
マスターバッチを作製する方法では、マスターバッチを
作製する過程では前述のような(1)あるいは(2)の
方法による問題が生じる。また、高濃度の短繊維混入マ
スターバッチとこれと混合するコンパウンドの粘度が大
きく異なる場合には、マスターバッチがコンパウンド中
に均一に分散しないという問題があった。更に、カーボ
ンブラックを短繊維と同時に投入した場合には、繊維の
間に入り込んだカーボンブラックがゴム中に均一に分散
せず、カーボンブラックと短繊維が固まった塊が残るこ
とになる。
【0009】このため、本願出願人は特開平8−239
484号公報に開示しているように、予めゴム、補強用
短繊維と軟化剤を混練し、補強用短繊維をゴム中に分散
させた後、しかる後再度上記マスターバッチに補強剤、
充填剤、老化防止剤、加硫促進剤、加硫剤等を練り込む
補強用短繊維を含有するゴム組成物の製造方法を提案
し、それなりの効果を得た。
【0010】しかし、問題になることは、接着性を改善
するためにレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液で処
理した補強用短繊維をゴム中に分散させた場合に、未処
理のものに比べて分散性がかなり悪くなることであっ
た。このため、補強用短繊維の接着処理方法についても
改善する余地が残っていた。
【0011】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、ゴム中における補強用短繊維の分散性を改善
し、この補強用短繊維含有ゴム組成物を使用してベルト
の走行寿命を改善した補強用短繊維含有ゴム組成物及び
これを用いた伝動ベルトを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1記
載の発明では、レゾルシン・ホルマリン・ラテックス液
で処理された補強用短繊維をゴム中に分散させた補強用
短繊維含有ゴム組成物において、上記補強用短繊維がレ
ゾルシン・ホルマリン・ラテックスの固形分重量比が1
/1〜1/5であるレゾルシン・ホルマリン・ラテック
ス液で処理され、かつレゾルシン・ホルマリン・ラテッ
クス液の固形分付着量が3〜10重量%である補強用短
繊維含有ゴム組成物にある。補強用短繊維に付着する樹
脂分の量と処理液の固形分とが調節されているため、短
繊維のフィラメント同士が分散しやすくなり、また絡ま
りにくくなるため、ゴム中における補強用短繊維の分散
性が改善される。
【0013】本願の請求項2記載の発明では、レゾルシ
ン・ホルマリン・ラテックスの固形分重量比が1/1〜
1/5であるレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液で
処理され、かつレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液
の固形分付着量が3〜10重量%である補強用短繊維含
有ゴム組成物を、伝動ベルトを構成するゴム部材の少な
くとも一部に使用した伝動ベルトにあり、補強用短繊維
の分散が良好であるため、亀裂の核が発生しにくくベル
トの走行寿命が改善される。
【0014】本願の請求項3記載の発明では、伝動ベル
トがベルト長さ方向に沿って心線を埋設した接着ゴム層
と、ベルト長さ方向に延びる少なくとも2つのリブ部を
有する圧縮ゴム層とからなるVリブドベルトであり、少
なくとも上記圧縮ゴム層に、補強用短繊維含有ゴム組成
物を用いた場合である。
【0015】本願の請求項4記載の発明では、伝動ベル
トがベルト長さ方向に沿って心線を埋設した接着ゴム層
と、圧縮ゴム層とからなり、少なくとも上記圧縮ゴム層
に、補強用短繊維含有ゴム組成物を用いた場合である。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は補強用短繊維含有ゴム組成
物を使用したVリブドベルトの断面図を示しており、こ
のVリブドベルト1は、ポリエステル繊維、アラミド繊
維、ガラス繊維を素材とする高強度で低伸度のコードよ
りなる心線2を接着ゴム層3中に埋設し、その下側に弾
性体層である圧縮ゴム層4を有している。この圧縮ゴム
層4にはベルト長手方向にのびる断面略三角形の複数の
リブ7が設けられ、またベルト表面には付着したゴム付
帆布5が設けられている。むろん、本発明では、圧縮ゴ
ム層にリブ7を有しない、ローエッジVベルトであって
もよく、要するに露出したベルト側面がプーリに当接す
るタイプの伝動ベルトが効果を発揮するうえで適切であ
る。
【0017】前記圧縮ゴム層4には、ゴム中における補
強用短繊維の分散性を改善した補強用短繊維含有ゴム組
成物が使用されるが、ここで使用するゴムとしては、天
然ゴム、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、硫黄変
性または非硫黄変性のクロロプレンゴム、アクリロニト
リル・ブタジエンゴム、HNBR(水素化ニトリルゴ
ム)、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンモノマ
ー)、あるいはオレフィン系、エステル系、ウレタン系
の熱可塑性エラストマーが使用される。
【0018】そのうちの好ましいゴムとしては、耐熱性
に優れたクロロプレンゴムや水素化ニトリルゴムであ
る。水素化ニトリルゴムとしては、水素添加率80%以
上であり、耐熱性及び耐オゾン性の特性を発揮するため
に好ましくは90%以上が良い。水素添加率80%未満
の水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び耐オゾン性は極度
に低下する。耐油性及び耐寒性を考慮すると、結合アク
リロニトリル量は20〜45%の範囲が好ましい。
【0019】補強用短繊維としては、アラミド、ナイロ
ン、ポリエステル、ビニロン、レーヨン、綿等からな
り、1種もしくは複数種混入することができる。通常、
この短繊維の長さは1〜10mmであり、素繊維径が数
μ〜数10μmであるが、特に本発明では素繊維径が細
く、かつ繊維長が長くて、繊維同士が絡まり綿状になり
やすい短繊維に有効である。上記アラミド繊維は分子構
造中に芳香環をもつポリアミド繊維、例えば商品名コー
ネックス、ノーメックス、ケブラー、テクノーラ、トワ
ロン等である。上記の補強用短繊維の添加量はゴム10
0重量部に10〜40重量部であり、10重量部未満で
あるとベルトに使用した場合に、ベルトの耐側圧性が発
揮されない。また、40重量部を超えると、短繊維を混
入することが困難になってくる。
【0020】上記補強用短繊維はレゾルシン・ホルマリ
ン・ラテックス(RF/L)の固形分重量比が1/1〜
1/5であるRFL液(レゾルシンとホルマリンとの初
期縮合物をラテックスに混合したもの)で処理され、か
つRFL液の固形分付着量が3〜10重量%である。R
F/Lの比が1/1を超えると、短繊維の凝集力が大き
くなって分散性が悪くなり、逆にRF/Lの比が1/5
未満になると、ゴムと短繊維との接着力が低下し、引張
強さも低下する。更に、RFL液の固形分付着量が10
重量%を超えると、処理液が固まって短繊維のフィラメ
ント同士が分割しにくくなり、逆に3重量%未満の場合
には分割したフィラメント同士が絡まりやすくなって分
散性が低下し、また引張強さも低下する。
【0021】上記ラテックスはスチレン・ブタジエン・
ビニルピリジン三元共重合体、クロロスルフォン化ポリ
エチレン、水素化ニトリルゴム、エピクロルヒドリン、
天然ゴム、SBR、クロロプレンゴム、オレフィン−ビ
ニルエステル共重合体等である。
【0022】更に、本発明のゴム組成物には、軟化剤、
カーボンブラックからなる補強剤、充填剤、老化防止
剤、加硫促進剤、加硫剤等が添加される。
【0023】上記軟化剤としては、一般的なゴム用の可
塑剤、例えばジブチルフタレート(DBP)、ジオクチ
ルフタレート(DOP)等のフタレート系、ジオクチル
アジペート(DOA)等のアジペート系、ジオクチルセ
バケート(DOS)等のセバケート系、トリクレジルホ
スフェート等のホスフェートなど、あるいは一般的な石
油系の軟化剤が含まれる。上記軟化剤の添加量は、短繊
維の10vol%以上、好ましくは短繊維の30vol
%以上である。10vol%未満の場合には、軟化剤が
短繊維全体に行き渡らず、分散の悪い部分が生じる可能
性がある。
【0024】上記の補強用短繊維含有ゴム組成物を作製
する方法としては、まず第1ステップのマスターバッチ
練りとして、バンバリミキサーのような密閉式混練機
に、ゴム100重量部に10〜40重量部の補強用短繊
維と1〜10重量部の軟化剤を投入して混練した後、混
練したマスターバッチをいったん放出し、これを20〜
50°Cまで冷却する。これはゴムのスコーチを防止す
るためである。次いで、得られたマスターバッチに所定
量の補強剤、充填剤、老化防止剤、加硫促進剤、加硫剤
等をバンバリミキサー、オープンロールを用いて仕上げ
練りする。しかし、ゴム種によっては混練したマスター
バッチをいったん放出し、冷却する必要はなく、連続し
て仕上げ練りを行うことも可能である。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。 実施例1〜3、比較例1〜2 表1に示す5種類のRFL液を作製した。1260デニ
ールのナイロン6マルチフィラメントをそれらのRFL
液に浸漬した後、200°Cで2分間熱処理した。その
処理フィラメントを長さ6mmに切断してナイロン6短
繊維とした。その後、表2に示すゴム配合を用いて補強
用短繊維含有ゴム組成物を作製した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】この作製方法としては、マスターバッチ練
りを行うため、表2に示す配合物をBRバンバリミキサ
ーに投入し、ラムウエイトを下げて加圧し、回転数40
rpmで180秒混練した後、ラムウエイトを上げて掃
除を行い、更にラムウエイトを下げて180秒間混練
し、混練物のマスターバッチを落下させた。この時、落
下したマスターバッチの表面状態を観察した。落下した
マスターバッチを40°Cまで冷却した。
【0029】そして、仕上げ練りを行うため、上記冷却
したマスターバッチを表2に示す配合により同じBRバ
ンバリミキサーに投入して、先ず60秒間混練し、更に
カーボンブラック等を添加して180秒間混練し、更に
加硫剤、加硫促進剤を添加して120秒間混練してゴム
組成物を落下させ、本発明のゴム組成物を得た。
【0030】更に、上記のゴム組成物を圧縮ゴム層に用
いたVリブドベルトを作製した。このVリブドベルトで
は、ポリエステル繊維のコードからなる心線が接着ゴム
層内に埋設され、その上側にゴム付綿帆布を2プライ積
層され、他方接着ゴム層の下側には圧縮ゴム層があって
3個のリブがベルト長手方向に有している。得られたV
リブドベルトはRMA規格による長さ1100mmのK
型3リブドベルトであり、リブピッチ3.56mm、リ
ブ高さ2.9mm、ベルト厚さ5.3mm、リブ角度4
0°である。
【0031】ここで圧縮ゴム層及び接着ゴム層を、それ
ぞれ上記のゴム組成物をカレンダーロールで圧延したも
のを用いた。圧縮ゴム層には短繊維が含まれベルト巾方
向に配向している。
【0032】得られたゴム組成物の物性評価、作製した
Vリブドベルト上の短繊維の塊残り数、そしてベルトの
高温耐久試験を以下の方法により調べた。その結果を表
3に示す。
【0033】1.TB比 JIS K6301に従い、圧延ゴムの短繊維の列理方
向の引張強さ(TBa)と直角方向の引張強さ(TB
b)を測定し、その比(TBa/TBb)を求めた。
【0034】2.ベルトにおける1mm以上の短繊維塊
の個数 Vリブドベルト20本において、1mm以上の短繊維の
塊の個数を数え、ベルト1本当たりの短繊維塊の平均個
数を算出した。
【0035】3.高温耐久試験 前記Vリブドベルト1を図2に示すように、駆動プーリ
10(直径120mm)、従動プーリ11(直径120
mm)、これにテンションプーリ12(直径45mm)
とを組み合わせて配置した走行試験機に掛架し、雰囲気
温度120℃で走行した。駆動プーリの回転数は490
0rpm、従動プーリの負荷は12PSとし、テンショ
ンプーリに85kgfの初張力をかけた。この走行試験
方法によって、ベルトのリブ部にクラックが発生するま
での時間を測定した。
【0036】4.付着量 ナイロン6短繊維のナイロン6を蟻酸で溶解してRFL
処理剤を残した。そのRFL残渣の重量をW1 、ナイロ
ン6短繊維の重量をW0 とすると、次の式W1 /(W0
−W1 )×100(%)で求めることができる。
【0037】
【表3】
【0038】この結果、本実施例では、短繊維の塊の残
り数が少なく、短繊維の分散が良好であることが判る。
また、RF/Lの比が1/1より大きいと、短繊維の凝
集力が大きくなるため、分散性も悪くなっており、逆に
RF/Lの比が1/5より小さくなると、ゴムと短繊維
の接着が低下するため、TBaが低く、TB比が小さく
なっている。
【0039】実施例4〜6、比較例3〜4 表4に示すRFL液を作製し、このRFL液を水で薄
め、表5のRFL液を作製した。
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】1260デニールのナイロン6マルチフィ
ラメントをそれらのRFL液に浸漬した後、200°C
で2分間熱処理した。その処理フィラメントを長さ6m
mに切断してナイロン6短繊維とした。その後、表2に
示すゴム配合を用いて補強用短繊維含有ゴム組成物を作
製した。そして、実施例1と同様に上記のゴム組成物を
圧縮ゴム層に用いてVリブドベルトを作製した。得られ
たゴム組成物の物性評価、作製したVリブドベルト上の
短繊維の塊残り数、そしてベルトの高温耐久試験を前述
の方法により調べた。その結果を表6に示す。
【0043】
【表6】
【0044】この結果、付着量が10%を超えると、短
繊維の分散性が悪くなっている。これは処理液が固まっ
てフィラメント同士が分割しにくくなるためである。逆
に、付着量が3%未満になると、TBaが低下し短繊維
の分散性が悪くなっている。これは短繊維表面上の処理
液量が低下し、短繊維同士が絡まりやすくなって分散性
を低下させ、ゴムと短繊維との接着の低下によりTBa
が低下する。実施例では、短繊維の塊の残り数が少な
く、短繊維の分散が良好であることが判る。
【0045】
【発明の効果】以上のように本願請求項1記載の発明で
は、上記補強用短繊維がレゾルシン・ホルマリン・ラテ
ックスの固形分重量比が1/1〜1/5であるRFL液
で処理され、かつRFL液の固形分付着量が3〜10重
量%である補強用短繊維含有ゴム組成物2 あり、補強用
短繊維に付着する樹脂分の量と処理液の固形分とが調節
されているため、短繊維のフィラメント同士が分散しや
すくなり、また絡まりにくくなるため、ゴム中における
補強用短繊維の分散性が改善されている。
【0046】本願の請求項2〜4記載の発明では、レゾ
ルシン・ホルマリン・ラテックスの固形分重量比が1/
1〜1/5であるRFL液で処理され、かつRFL液の
固形分付着量が3〜10重量%である補強用短繊維含有
ゴム組成物を、伝動ベルトを構成するゴム部材の少なく
とも1部材に使用した伝動ベルトにあり、補強用短繊維
の分散が良好であるため、亀裂の核が発生しにくくベル
トの走行寿命が改善されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補強用短繊維含有ゴム組成物を使用し
たVリブドベルトの断面図を示す。
【図2】高温耐久試験を行う走行試験機の概略図を示
す。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト 2 心線 3 接着ゴム層 4 圧縮ゴム層 5 ゴム付帆布 7 リブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レゾルシン・ホルマリン・ラテックス液
    で処理された補強用短繊維をゴム中に分散させた補強用
    短繊維含有ゴム組成物において、上記補強用短繊維がレ
    ゾルシン・ホルマリン・ラテックスの固形分重量比が1
    /1〜1/5であるレゾルシン・ホルマリン・ラテック
    ス液で処理され、かつレゾルシン・ホルマリン・ラテッ
    クス液の固形分付着量が3〜10重量%であることを特
    徴とする補強用短繊維含有ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 レゾルシン・ホルマリン・ラテックスの
    固形分重量比が1/1〜1/5であるレゾルシン・ホル
    マリン・ラテックス液で処理され、かつレゾルシン・ホ
    ルマリン・ラテックス液の固形分付着量が3〜10重量
    %である補強用短繊維含有ゴム組成物を、伝動ベルトを
    構成するゴム部材の少なくとも一部に使用したことを特
    徴とする伝動ベルト。
  3. 【請求項3】 伝動ベルトがベルト長さ方向に沿って心
    線を埋設した接着ゴム層と、ベルト長さ方向に延びる少
    なくとも2つのリブ部を有する圧縮ゴム層とからなるV
    リブドベルトであり、少なくとも上記圧縮ゴム層に、補
    強用短繊維含有ゴム組成物を用いた請求項2記載の伝動
    ベルト。
  4. 【請求項4】 伝動ベルトがベルト長さ方向に沿って心
    線を埋設した接着ゴム層と、圧縮ゴム層とからなり、少
    なくとも上記圧縮ゴム層に、補強用短繊維含有ゴム組成
    物を用いた請求項2記載の伝動ベルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009249519A (ja) * 2008-04-08 2009-10-29 Mitsuboshi Belting Ltd ゴム組成物及び動力伝動用ベルト
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KR20160106678A (ko) 2014-04-17 2016-09-12 아사히 가세이 가부시키가이샤 고무 보강용 단섬유, 상기 단섬유 함유 고무 조성물 및 동력 전동 벨트
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