JP6527009B2 - 伝動ベルト - Google Patents

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本発明は伝動ベルトに関する。
いわゆるセルロースナノファイバを含有するゴム組成物を伝動ベルトに適用することは公知である。
例えば、特許文献1には、平均繊維径が0.1〜200nmのカルボキシ基を有するセルロース系微細繊維を疎水変性処理したものを配合したゴム組成物を伝動ベルトに適用することが開示されている。
特許文献2には、セルロースナノファイバを配合したゴム組成物を平ベルトの内側表面ゴム層に適用することが開示されている。
特開2014−125607号公報 特開2015−31315号公報
本開示の課題は、耐屈曲疲労性が優れる伝動ベルトを提供することである。
本開示は、繊維径の分布範囲が50〜500nmを含むセルロース系微細繊維を含有するゴム組成物でベルト本体の少なくとも一部が形成された伝動ベルトである。
本開示の伝動ベルトによれば、繊維径の分布範囲が50〜500nmを含むセルロース系微細繊維を含有するゴム組成物でベルト本体の少なくとも一部が形成されていることにより、優れた耐屈曲疲労性を得ることができる。
図1は、実施形態1に係る例示的なVリブドベルトを模式的に示す斜視図である。 図2は、実施形態1に係るVリブドベルトの要部の断面図である。 図3は、実施形態1に係るVリブドベルトを用いた自動車の補機駆動ベルト伝動装置のプーリレイアウトを示す図である。 図4は、実施形態1に係るVリブドベルトの製造方法を示す第1の説明図である。 図5は、実施形態1に係るVリブドベルトの製造方法を示す第2の説明図である。 図6は、実施形態1に係るVリブドベルトの製造方法を示す第3の説明図である。 図7は、実施形態1に係るVリブドベルトの製造方法を示す第4の説明図である。 図8は、実施形態1に係るVリブドベルトの製造方法を示す第5の説明図である。 図9は、実施形態1に係るVリブドベルトの製造方法を示す第6の説明図である。 図10は、実施形態2に係る例示的な平ベルトを模式的に示す斜視図である。 図11は、実施形態2に係る平ベルトの製造方法を示す第1の説明図である。 図12は、実施形態2に係る平ベルトの製造方法を示す第2の説明図である。 図13は、実施形態2に係る平ベルトの製造方法を示す第3の説明図である。 図14は、摩擦係数測定装置の構成を示す図である。 図15は、耐摩耗性評価用ベルト走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。 図16は、耐屈曲疲労性評価用ベルト走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。 図17は、摩擦・摩耗特性評価用ベルト走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。 図18は、耐摩耗性評価用ベルト走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[実施形態1]
(VリブドベルトB)
図1及び2は、実施形態1に係るVリブドベルトBを示す。実施形態1に係るVリブドベルトBは、例えば、自動車のエンジンルーム内に設けられる補機駆動ベルト伝動装置等に用いられるエンドレスの動力伝達部材である。実施形態1に係るVリブドベルトBは、例えば、ベルト長さが700〜3000mm、ベルト幅が10〜36mm、及びベルト厚さが4.0〜5.0mmである。
実施形態1に係るVリブドベルトBは、ベルト内周側のプーリ接触部分を構成する圧縮ゴム層11と中間の接着ゴム層12とベルト外周側の背面ゴム層13との三層構造に構成されたゴム製のVリブドベルト本体10を備えている。Vリブドベルト本体10における接着ゴム層12の厚さ方向の中間部には、ベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように心線14が埋設されている。なお、背面ゴム層13の代わりに背面補強布が設けられ、Vリブドベルト本体10が圧縮ゴム層11及び接着ゴム層12の二重層に構成されていてもよい。
圧縮ゴム層11は、複数のVリブ16がベルト内周側に垂下するように設けられている。複数のVリブ16は、各々がベルト長さ方向に延びる断面略逆三角形の突条に形成されていると共に、ベルト幅方向に並列するように設けられている。各Vリブ16は、例えば、リブ高さが2.0〜3.0mm、基端間の幅が1.0〜3.6mmである。Vリブ16の数は例えば3〜6個である(図1では6個)。接着ゴム層12は、断面横長矩形の帯状に構成されており、その厚さが例えば1.0〜2.5mmである。背面ゴム層13も、断面横長矩形の帯状に構成されており、厚さが例えば0.4〜0.8mmである。背面ゴム層13の表面には、背面駆動時の音発生を抑制する観点から、織布パターンが設けられていることが好ましい。
圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び背面ゴム層13は、ゴム成分に種々のゴム配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物が加熱及び加圧されて架橋剤により架橋したゴム組成物で形成されている。圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び背面ゴム層13を形成するゴム組成物は、同一であっても、また、異なっていても、どちらでもよい。
圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び背面ゴム層13を形成するゴム組成物のゴム成分としては、例えば、エチレン・プロピレンコポリマー(EPR)、エチレン・プロピレン・ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン・オクテンコポリマー、エチレン・ブテンコポリマーなどのエチレン−α−オレフィンエラストマー;クロロプレンゴム(CR);クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM);水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)等が挙げられる。ゴム成分は、これらのうち1種又は2種以上のブレンドゴムであることが好ましい。圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び背面ゴム層13を形成するゴム組成物のゴム成分は同一であることが好ましい。
圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び背面ゴム層13を形成するゴム組成物のうち少なくとも1つは、繊維径の分布範囲が50〜500nmを含むセルロース系微細繊維を含有する。圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び背面ゴム層13を形成する全てのゴム組成物がかかるセルロース系微細繊維を含有することが好ましいが、少なくともプーリ接触部分を構成する圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物がかかるセルロース系微細繊維を含有することがより好ましい。
実施形態1に係るVリブドベルトBによれば、このようにVリブドベルト本体10を構成する圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び背面ゴム層13を形成するゴム組成物のうち少なくとも1つが、繊維径の分布範囲が50〜500nmを含むセルロース系微細繊維を含有することにより、優れた耐屈曲疲労性を得ることができる。また、特に接触部分を構成する圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物がかかるセルロース系微細繊維を含有する場合には、高い耐摩耗性と共に、安定な摩擦係数を得ることができる。
セルロース系微細繊維は、植物繊維を細かくほぐすことで得られる植物細胞壁の骨格成分で構成されたセルロース微細繊維を由来とする繊維材料である。セルロース系微細繊維の原料植物としては、例えば、木、竹、稲(稲わら)、じゃがいも、サトウキビ(バガス)、水草、海藻等が挙げられる。これらのうち木が好ましい。
セルロース系微細繊維は、セルロース微細繊維自体であっても、また、疎水化処理された疎水化セルロース微細繊維であっても、どちらでもよい。また、セルロース系微細繊維として、セルロース微細繊維自体と疎水化セルロース微細繊維とを併用してもよい。分散性の観点からは、セルロース系微細繊維は、疎水化セルロース微細繊維を含むことが好ましい。疎水化セルロース微細繊維としては、セルロースの水酸基の一部又は全部が疎水性基に置換されたセルロース微細繊維、及び表面処理剤によって疎水化表面処理されたセルロース微細繊維が挙げられる。
セルロースの水酸基の一部又は全部が疎水性基に置換されたセルロース微細繊維を得るための疎水化としては、例えば、エステル化(アシル化)(アルキルエステル化、複合エステル化、β−ケトエステル化など)、アルキル化、トシル化、エポキシ化、アリール化等が挙げられる。これらのうちエステル化が好ましい。具体的には、エステル化された疎水化セルロース微細繊維は、セルロースの水酸基の一部又は全部が、酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、酪酸等のカルボン酸、若しくは、そのハロゲン化物(特に塩化物)によりアシル化されたセルロース微細繊維である。表面処理剤によって疎水化表面処理されたセルロース微細繊維を得るための表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。
セルロース系微細繊維は、耐屈曲疲労性を高める観点から、繊維径の分布が広いことが好ましく、繊維径の分布範囲は50〜500nmを含む。その繊維径の分布の下限は、その観点から、好ましくは20nm以下、より好ましくは10nm以下である。上限は、同じ観点から、好ましくは700nm以上、より好ましくは1μm以上である。セルロース系微細繊維の繊維径の分布範囲は、20nm〜700mmを含むことが好ましく、10nm〜1μmを含むことがより好ましい。
ゴム組成物に含有されるセルロース系微細繊維の平均繊維径は、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上であり、また、好ましくは700nm以下、より好ましくは100nm以下である。
セルロース系微細繊維の繊維径の分布は、ゴム組成物の試料を凍結粉砕した後、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察すると共に、50本のセルロース系微細繊維を任意に選択して繊維径を測定し、その測定結果に基づいて求められる。また、セルロース系微細繊維の平均繊維径は、その任意に選択した50本のセルロース系微細繊維の繊維径の数平均として求められる。
セルロース系微細繊維は、機械的解繊手段によって製造された高アスペクト比のものであっても、また、化学的解繊手段によって製造された針状結晶のものであっても、どちらでもよい。これらのうち、機械的解繊手段によって製造されたものが好ましい。また、セルロース系微細繊維として、機械的解繊手段によって製造されたものと化学的解繊手段によって製造されたものとを併用してもよい。機械的解繊手段に用いる解繊装置としては、例えば、二軸混練機などの混練機、高圧ホモジナイザー、グラインダー、ビーズミル等が挙げられる。化学的解繊手段に用いる処理としては、例えば、酸加水分解処理等が挙げられる。
ゴム組成物におけるセルロース系微細繊維の含有量は、耐屈曲疲労性を高める観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
ゴム配合剤としては、補強材、プロセスオイル、加工助剤、加硫促進助剤、架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤等が挙げられる。
補強材としては、カーボンブラックでは、例えば、チャネルブラック;SAF、ISAF、N−339、HAF、N−351、MAF、FEF、SRF、GPF、ECF、N−234などのファーネスブラック;FT、MTなどのサーマルブラック;アセチレンブラック等が挙げられる。補強材としてはシリカも挙げられる。補強材は、これらのうち1種又は2種以上であることが好ましい。補強材の含有量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して50〜90質量部であることが好ましい。
オイルとしては、例えば、石油系軟化剤、パラフィンワックスなどの鉱物油系オイル、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落下生油、木ろう、ロジン、パインオイルなどの植物油系オイル等が挙げられる。オイルは、これらのうち1種又は2種以上であることが好ましい。オイルの含有量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば10〜30質量部である。
加工助剤としては、例えば、ステアリン酸、ポリエチレンワックス、脂肪酸の金属塩等が挙げられる。加工助剤は、これらのうち1種又は2種以上であることが好ましい。加工助剤の含有量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば0.5〜2質量部である。
加硫促進助剤としては、例えば、酸化マグネシウムや酸化亜鉛(亜鉛華)などの金属酸化物、金属炭酸塩、脂肪酸及びその誘導体等が挙げられる。加硫促進助剤は、これらのうち1種又は2種以上であることが好ましい。加硫促進助剤の含有量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば3〜7質量部である。
老化防止剤としては、例えば、ベンズイミダゾール系老化防止剤、アミン−ケトン系老化防止剤、ジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤等が挙げられる。老化防止剤は、これらのうち1種又は2種以上であることが好ましい。老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して例えば0.1〜5質量部である。
共架橋剤としては、例えば、マレイミド系、TAIC、1,2−ポリブタジエン、オキシム類、グアニジン、トリメチロールプロパントリメタクリレートのもの、及び液状ゴム等が挙げられる。共架橋剤は、これらのうちの1種又は2種以上であることが好ましい。共架橋剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して例えば0.5〜30質量部である。
架橋剤としては、硫黄及び有機過酸化物が挙げられる。架橋剤として、硫黄が配合されていてもよく、また、有機過酸化物が配合されていてもよく、更には、それらの両方が併用されていてもよい。架橋剤の配合量は、硫黄の場合、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば1〜5質量部であり、有機過酸化物の場合、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば1〜5質量部である。
加硫促進剤としては、例えば、チウラム系(例えばTETD、TT、TRAなど)、チアゾール系(例えばMBT、MBTSなど)、スルフェンアミド系(例えばCZなど)、ジチオカルバミン酸塩系(例えばBZ−Pなど)のもの等が挙げられる。加硫促進剤は、これらのうち1種又は2種以上であることが好ましい。加硫促進剤の含有量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば1〜3質量部である。
圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び背面ゴム層13を形成するゴム組成物には、繊維径が10μm以上の短繊維16が含有されていてもよい。特にプーリ接触部分を構成する圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物には短繊維16が含有されていることが好ましい。その場合、短繊維16は、圧縮ゴム層11にベルト幅方向に配向するように含有されていることが好ましく、また、圧縮ゴム層11のVリブ15表面に露出する短繊維16は、一部が表面から突出していることが好ましい。なお、短繊維16がゴム組成物に配合された構成ではなく、圧縮ゴム層11のVリブ15表面に短繊維が植毛された構成であってもよい。
短繊維16としては、例えば、ナイロン短繊維、ビニロン短繊維、アラミド短繊維、ポリエステル短繊維、綿短繊維が挙げられる。短繊維16は、例えばRFL水溶液等に浸漬した後に加熱する接着処理が施された長繊維を所定長に切断して製造される。短繊維16の長さは例えば0.2〜5.0mmであり、繊維径は例えば10〜50μmである。
短繊維16の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。短繊維16の含有量は、セルロース系微細繊維の含有量よりも多いことが好ましい。短繊維16の含有量のセルロース系微細繊維の含有量に対する比(短繊維16の含有量のセルロース系微細繊維の含有量)は、好ましくは1以上、より好ましくは2以上であり、また、好ましくは15以下、より好ましくは5以下である。セルロース系微細繊維及び短繊維16の総含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは25質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。
心線14は、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維等で形成された撚り糸で構成されている。心線14の直径は例えば0.5〜2.5mmであり、断面における相互に隣接する心線14中心間の寸法は例えば0.05〜0.20mmである。心線14には、Vリブドベルト本体10に対する接着性を付与するための接着処理が施されている。
図3は、実施形態1に係るVリブドベルトBを用いた自動車の補機駆動ベルト伝動装置20のプーリレイアウトを示す。この補機駆動ベルト伝動装置20は、VリブドベルトBが4つのリブプーリ及び2つの平プーリの6つのプーリに巻き掛けられて動力を伝達するサーペンタインドライブ方式のものである。
この補機駆動ベルト伝動装置20では、最上位置にリブプーリのパワーステアリングプーリ21が設けられ、そのパワーステアリングプーリ21の下方にリブプーリのACジェネレータプーリ22が設けられている。また、パワーステアリングプーリ21の左下方には平プーリのテンショナプーリ23が設けられており、そのテンショナプーリ23の下方には平プーリのウォーターポンププーリ24が設けられている。更に、テンショナプーリ23の左下方にはリブプーリのクランクシャフトプーリ25が設けられており、そのクランクシャフトプーリ25の右下方にリブプーリのエアコンプーリ26が設けられている。これらのプーリは、例えば、金属のプレス加工品や鋳物、或いは、ナイロン樹脂、フェノール樹脂等の樹脂成形品で構成されており、また、プーリ径がφ50〜150mmである。
そして、この補機駆動ベルト伝動装置20では、VリブドベルトBは、Vリブ16側が接触するようにパワーステアリングプーリ21に巻き掛けられ、次いで、ベルト背面が接触するようにテンショナプーリ23に巻き掛けられた後、Vリブ16側が接触するようにクランクシャフトプーリ25及びエアコンプーリ26に順に巻き掛けられ、更に、ベルト背面が接触するようにウォーターポンププーリ24に巻き掛けられ、そして、Vリブ16側が接触するようにACジェネレータプーリ22に巻き掛けられ、最後にパワーステアリングプーリ21に戻るように設けられている。プーリ間で掛け渡されるVリブドベルトBの長さであるベルトスパン長は例えば50〜300mmである。プーリ間で生じ得るミスアライメントは0〜2°である。
(VリブドベルトBの製造方法)
実施形態1に係るVリブドベルトBの製造方法について、図4〜9に基づいて説明する。
図4及び5は、実施形態1に係るVリブドベルトBの製造に用いるベルト成形型30を示す。
このベルト成形型30は、同心状に設けられた、各々、円筒状の内型31及び外型32を備えている。
内型31はゴム等の可撓性材料で形成されている。外型32は金属等の剛性材料で形成されている。外型32の内周面は成型面に構成されており、その外型32の内周面には、Vリブ16の形状と同一のVリブ形成溝33が軸方向に一定ピッチで設けられている。外型32には、水蒸気等の熱媒体や水等の冷媒体を流通させて温調する温調機構が設けられている。また、内型31を内部から加圧膨張させるための加圧手段が設けられている。
実施形態1に係るVリブドベルトBの製造方法は、材料準備工程、成形工程、架橋工程、及び仕上げ工程を有する。
<材料準備工程>
−圧縮ゴム層用、接着ゴム層用、及び背面ゴム層用の未架橋ゴムシート11’,12’,13’−
圧縮ゴム層用、接着ゴム層用、及び背面ゴム層用の未架橋ゴムシート11’,12’,13’のうち、セルロース系微細繊維を含有させるものの作製を以下のようにして行う。
まず、素練りしているゴム成分にセルロース系微細繊維を投入して混練することにより分散させる。
ここで、ゴム成分へのセルロース系微細繊維の分散方法としては、例えば、セルロース系微細繊維を水に分散させた分散体(ゲル)を、オープンロールで素練りしているゴム成分に投入し、それらを混練しながら水分を気化させる方法、セルロース系微細繊維を水に分散させた分散体(ゲル)とゴムラテックスとを混合して水分を気化させて得られたセルロース系微細繊維/ゴムのマスターバッチを、素練りしているゴム成分に投入する方法、セルロース系微細繊維を溶剤に分散させた分散体とゴム成分を溶剤に溶解させた溶液とを混合して溶剤を気化させて得られたセルロース系微細繊維/ゴムのマスターバッチを、素練りしているゴム成分に投入する方法、セルロース系微細繊維を水に分散させた分散体(ゲル)を凍結乾燥させて粉砕したものを、素練りしているゴム成分に投入する方法、疎水化したセルロース系微細繊維を素練りしているゴム成分に投入する方法等が挙げられる。
次いで、ゴム成分とセルロース系微細繊維とを混練しながら、各種のゴム配合剤を投入して混練を継続することにより未架橋ゴム組成物を作製する。
そして、その未架橋ゴム組成物をカレンダー成形等によってシート状に成形する。
なお、セルロース系微細繊維を含有させないものの作製は、ゴム成分に各種のゴム配合剤を配合し、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機で混練し、得られた未架橋ゴム組成物をカレンダー成形等によってシート状に成形することにより行う。
−心線14’−
心線14’に対して接着処理を施す。具体的には、心線13’に、RFL水溶液に浸漬して加熱するRFL接着処理を施す。また、RFL接着処理前に下地接着処理液に浸漬して加熱する下地接着処理を施すことが好ましい。なお、RFL接着処理前にゴム糊に浸漬して乾燥させるゴム糊接着処理を施してもよい。
<成形工程>
図6に示すように、表面が平滑な円筒ドラム34上にゴムスリーブ35を被せ、その外周上に、背面ゴム層用の未架橋ゴムシート13’、及び接着ゴム層用の未架橋ゴムシート12’を順に巻き付けて積層し、その上から心線14’を円筒状の内型31に対して螺旋状に巻き付け、更にその上から接着ゴム層用の未架橋ゴムシート12’、及び圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシート11’を順に巻き付ける。このとき、ゴムスリーブ35上には積層成形体B’が形成される。
<架橋工程>
積層成形体B’を設けたゴムスリーブ35を円筒ドラム34から外し、図7に示すように、それを外型32の内周面側に内嵌め状態にセットした後、図8に示すように、内型31を外型32にセットされたゴムスリーブ35内に位置付けて密閉する。
次いで、外型32を加熱すると共に、内型31の密封された内部に高圧空気等を注入して加圧する。このとき、内型31が膨張し、外型32の成型面に、積層成形体B’における未架橋ゴムシート11’,12’,13’が圧縮されて進入し、また、それらの架橋が進行し、且つ心線14’が複合一体化し、最終的に、図9に示すように、円筒状のベルトスラブSが成型される。なお、ベルトスラブSの成型温度は例えば100〜180℃、成型圧力は例えば0.5〜2.0MPa、及び成型時間は例えば10〜60分である。
<仕上げ工程>
内型31の内部を減圧して密閉を解き、内型31と外型32との間でゴムスリーブ35を介して成型されたベルトスラブSを取り出し、ベルトスラブSを所定幅に輪切りして表裏を裏返すことによりVリブドベルトBが製造される。
[実施形態2]
(平ベルトC)
図10は、実施形態2の平ベルトCを模式的に示す。実施形態2に係る平ベルトCは、例えば、送風機やコンプレッサーや発電機などの駆動伝達用途、自動車の補機駆動用途等の比較的高負荷条件下での使用において長寿命が要求される用途で用いられる動力伝達部材である。平ベルトCは、例えば、ベルト長さが600〜3000mm、ベルト幅が10〜20mm、及びベルト厚さが2〜3.5mmである。
実施形態2に係る平ベルトCは、ベルト内周側の内側ゴム層21とそのベルト外周側の接着ゴム層22と更にそのベルト外周側の外側ゴム層23とが積層されるように設けられて一体化した平ベルト本体20を備えている。接着ゴム層22には、そのベルト厚さ方向の中間部に、ベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように心線24が埋設されている。
内側ゴム層21、接着ゴム層22、及び外側ゴム層23は、それぞれ断面横長矩形の帯状に形成されており、ゴム成分に種々の配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物が加熱及び加圧されることにより架橋剤により架橋されたゴム組成物で形成されている。内側ゴム層21の厚さは、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、また、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下である。接着ゴム層22の厚さは例えば0.6〜1.5mmである。外側ゴム層23の厚さは例えば0.6〜1.5mmである。
内側ゴム層21、接着ゴム層22、及び外側ゴム層23を形成するゴム組成物のうち少なくとも1つは、繊維径の分布範囲が50〜500nmを含むセルロース系微細繊維を含有する。内側ゴム層21、接着ゴム層22、及び外側ゴム層23を形成する全てのゴム組成物がかかるセルロース系微細繊維を含有することが好ましいが、少なくとも内側ゴム層21を形成するゴム組成物がかかるセルロース系微細繊維を含有することがより好ましい。
内側ゴム層21、接着ゴム層22、及び外側ゴム層23を形成するゴム組成物は、実施形態1の圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び背面ゴム層13を形成するゴム組成物と同一の構成を有する。セルロース系微細繊維も実施形態1のものと同一の構成を有する。
内側ゴム層21、接着ゴム層22、及び外側ゴム層23を形成するゴム組成物には、短繊維26が含有されていてもよい。特に内ゴム層21を形成するゴム組成物には短繊維26が含有されていることが好ましい。その場合、短繊維26は、内側ゴム層21にベルト幅方向に配向するように含有されていることが好ましい。短繊維26は、実施形態1のものと同一の構成を有する。
また、心線24は、実施形態1のものと同一の構成を有する。
実施形態2に係る平ベルトCによれば、このように平ベルト本体20を構成する内側ゴム層21、接着ゴム層22、及び外側ゴム層23を形成するゴム組成物のうち少なくとも1つが、繊維径の分布範囲が50〜500nmを含むセルロース系微細繊維を含有することにより、優れた耐屈曲疲労性を得ることができる。また、特に接触部分を構成する内側ゴム層21を形成するゴム組成物がかかるセルロース系微細繊維を含有する場合には、高い耐摩耗性と共に、安定な摩擦係数を得ることができる。
(平ベルトCの製造方法)
実施形態2に係る平ベルトCの製造方法について、図11〜13に基づいて説明する。
実施形態2に係る平ベルトCの製造方法は、材料準備工程、成形工程、架橋工程、及び仕上げ工程を有する。
<材料準備工程>
内側ゴム層用、接着ゴム層用、及び外側ゴム層用の未架橋ゴムシート21’,22’,23’のうち、セルロース系微細繊維を含有させるものを、実施形態1と同様にして作製する。なお、セルロース系微細繊維を含有させないものの作製は、ゴム成分に各種のゴム配合剤を配合し、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機で混練し、得られた未架橋ゴム組成物をカレンダー成形等によってシート状に成形することにより行う。
また、心線24’に対して実施形態1と同様にして接着処理を施す。
<成形工程>
図11(a)に示すように、円筒金型30の外周に内側ゴム層用の未架橋ゴムシート13’を巻き付けた後、その上に接着ゴム層用の未架橋ゴムシート22’を巻き付ける。
次いで、図11(b)に示すように、接着ゴム層用の未架橋ゴムシート22’の上に心線24’を螺旋状に巻きつけた後、その上に再び接着ゴム層用の未架橋ゴムシート22’を巻き付ける。
次いで、図11(c)に示すように、接着ゴム層用の未架橋ゴムシート22’の上に外側ゴム層用の未架橋ゴムシート23’を巻き付ける。これにより円筒金型30上に積層成形体C’が形成される。
<架橋工程>
続いて、図12に示すように、円筒金型30上の積層成形体C’にゴムスリーブ31を被せた後、それを加硫缶にセットして密閉し、高熱の水蒸気などにより円筒金型30を加熱すると共に、高圧をかけてゴムスリーブ31を円筒金型30側の半径方向に押圧する。このとき、積層成形体C’の未架橋ゴム組成物が流動すると共にゴム成分の架橋反応が進行し、加えて、心線24’の接着反応も進行し、これにより図13に示すように円筒金型30上に筒状のベルトスラブSが形成される。
<研磨・仕上げ工程>
研磨・仕上げ工程では、加硫缶から円筒金型30を取り出し、円筒金型30上に形成された円筒状のベルトスラブSを脱型した後、その外周面及び/又は内周面を研磨して厚さを均一化させる。
最後に、ベルトスラブSを所定幅に幅切りすることにより平ベルトCが作製される。
[その他の実施形態]
実施形態1ではVリブドベルトB及び実施形態2では平ベルトCをそれぞれ示したが、特にこれらに限定されるものではなく、繊維径の分布範囲が50〜500nmを含むセルロース系微細繊維を含有するゴム組成物でベルト本体の少なくとも一部が形成されていれば、ローエッジVベルトやラップドVベルト等の他の摩擦伝動ベルト、或いは、噛み合い伝動ベルトの歯付ベルトであってもよい。
[Vリブドベルト]
以下の実施例1-1〜1-9及び比較例1のVリブドベルトを作製した。それぞれの詳細については表1にも示す。
<実施例1-1>
トルエンに木材を原料とする粉末セルロース(日本製紙社製 商品名:KCフロック W−50GK)を分散させた分散体を調製し、高圧ホモジナイザーを用い、その分散体同士を衝突させて粉末セルロースをセルロース微細繊維に解繊して、トルエンにセルロース微細繊維が分散した分散体を得た。従って、セルロース微細繊維は、機械的解繊手段によって製造され、また、疎水化処理されていないものである。
次いで、そのトルエンにセルロース微細繊維が分散した分散体と、トルエンにエチレンプロピレンジエンモノマー(JSR社製 商品名:EP33、以下「EPDM」という。)を溶解させた溶液とを混合し、トルエンを気化させてセルロース微細繊維/EPDMのマスターバッチを作製した。
続いて、EPDMを素練りすると共に、そこにマスターバッチを投入して混練した。マスターバッチの投入量は、トータルのEPDMを100質量部としたときのセルロース微細繊維の含有量が1質量部となる量とした。
そして、EPDMとセルロース微細繊維とを混練すると共に、そこに、EPDM100質量部に対し、HAFカーボンブラック(三菱化学社製 商品名:ダイヤブラックH)を60質量部、プロセスオイル(サン石油社製 商品名:サンパー2280)を15質量部、加工助剤としてのステアリン酸(新日本理化社製 商品名:ステアリン酸50S)を1質量部、加硫促進助剤としての酸化亜鉛(堺化学社製 商品名:酸化亜鉛3種)を5質量部、ベンズイミダゾール系老化防止剤(大内新興化学工業社製 商品名:ノクラックMB)を2.5質量部、架橋剤としての硫黄(細井化学社製 商品名:オイル硫黄)を2.3質量部、及びチウラム系加硫促進剤(大内新興化学工業社製 商品名:ノクセラーTET−G)を2質量部それぞれ投入して混練を継続することにより未架橋ゴム組成物を作製した。
この未架橋ゴム組成物を用い、列理方向がベルト幅方向となるように圧縮ゴム層を形成した実施形態1と同様の構成の実施例1-1のVリブドベルトを作製した。
実施例1-1のVリブドベルトは、ベルト長さが1400mm、ベルト幅が2.2mm、ベルト厚さが4.5mm、及びVリブ数が3個とした。なお、接着ゴム層及び背面ゴム層は、セルロース微細繊維及び短繊維を含有しないゴム組成物で形成し、心線は、接着処理を施したポリエステル繊維製の撚り糸で形成した。
<実施例1-2>
セルロース微細繊維の含有量がゴム成分100質量部に対して3質量部となるようにしたことを除いて実施例1-1と同様にして実施例1-2のVリブドベルトを作製した。
<実施例1-3>
セルロース微細繊維の含有量がゴム成分100質量部に対して5質量部となるようにしたことを除いて実施例1-1と同様にして実施例1-3のVリブドベルトを作製した。
<実施例1-4>
セルロース微細繊維の含有量がゴム成分100質量部に対して10質量部となるようにしたことを除いて実施例1-1と同様にして実施例1-4のVリブドベルトを作製した。
<実施例1-5>
セルロース微細繊維の含有量がゴム成分100質量部に対して15質量部となるようにしたことを除いて実施例1-1と同様にして実施例1-5のVリブドベルトを作製した。
<実施例1-6>
セルロース微細繊維の含有量がゴム成分100質量部に対して25質量部となるようにしたことを除いて実施例1-1と同様にして実施例1-6のVリブドベルトを作製した。
<実施例1-7>
圧縮ゴム層用の未架橋ゴム組成物に、ゴム成分100質量部に対してナイロン短繊維(帝人社製 商品名:CFN3000 繊維径:26μm 繊維長:3mm)14質量部を含有させたことを除いて実施例1-1と同様にして実施例1-7のVリブドベルトを作製した。短繊維の含有量のセルロース系微細繊維の含有量に対する比(表1の“B/A”)は14である。セルロース系微細繊維及び短繊維の総含有量(表1の“A+B”)は、ゴム成分100質量部に対して15質量部である。
<実施例1-8>
圧縮ゴム層用の未架橋ゴム組成物に、ゴム成分100質量部に対してナイロン短繊維12質量部を含有させたことを除いて実施例1-2と同様にして実施例1-8のVリブドベルトを作製した。短繊維の含有量のセルロース系微細繊維の含有量に対する比(B/A)は4である。セルロース系微細繊維及び短繊維の総含有量(A+B)は、ゴム成分100質量部に対して15質量部である。
<実施例1-9>
圧縮ゴム層用の未架橋ゴム組成物に、ゴム成分100質量部に対してナイロン短繊維10質量部を含有させたことを除いて実施例1-3と同様にして実施例1-9のVリブドベルトを作製した。短繊維の含有量のセルロース系微細繊維の含有量に対する比(短繊維の含有量のセルロース系微細繊維の含有量)は3である。セルロース系微細繊維及び短繊維の総含有量は、ゴム成分100質量部に対して15質量部である。
<比較例1>
圧縮ゴム層用の未架橋ゴム組成物に、セルロース微細繊維を含有させず、且つゴム成分100質量部に対してナイロン短繊維15質量部を含有させたことを除いて実施例1-1と同様にして比較例のVリブドベルトを作製した。
Figure 0006527009
(試験評価方法)
<平均繊維径・繊維径分布>
実施例1-1〜1-9のそれぞれのVリブドベルトの圧縮ゴム層を形成するゴム組成物について採取した試料を凍結粉砕した後、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると共に、50本の繊維を任意に選択して繊維径を測定し、その数平均を求めて平均繊維径とした。また、50本のセルロース微細繊維のうち繊維径の最大値及び最小値を求めた。
<摩擦係数測定試験>
図14は摩擦係数測定装置40を示す。
この摩擦係数測定装置40は、プーリ径75mmのリブプーリからなる試験プーリ41とその側方に設けられたロードセル42とからなる。試験プーリ41は、鉄系の材料S45Cで構成されている。Vリブドベルトの試験片43は、ロードセル42から水平に延びた後に試験プーリ41に巻き掛けられる、つまり、試験プーリ41への巻き付け角度が90°となるように設けられる。
実施例1-1〜1-9及び比較例1のそれぞれのVリブドベルトについて、切断して帯状の試験片43を作製し、その一端をロードセル42に固定して試験プーリ41に巻き掛け、他端に分銅44を取り付けて吊した。それに続いて、雰囲気温度25℃において、分銅44を引き下げようとする方向に試験プーリ41を43rpmの回転数で回転させ、回転開始後60秒の時点で、ロードセル42で試験片43における試験プーリ41とロードセル42との間の水平部分に負荷される張力Ttを計測した。なお、試験片43の試験プーリ41と分銅44との垂直部分に負荷される張力Tsは、分銅44の重さ分の17.15Nであった。そして、Eulerの式に基づいて下記式(1)により圧縮ゴム層の表面の乾燥時の摩擦係数μを求めた。なお、θ=π/2である。
Figure 0006527009
また、試験プーリ41上に水を介在させ、その乾き際に同様の試験を実施し、そして、乾き際における摩擦係数から乾燥時における摩擦係数を引いた差を求めた。
<耐摩耗性評価ベルト走行試験>
図15は、耐摩耗性評価用ベルト走行試験機50のプーリレイアウトを示す。
耐摩耗性評価用ベルト走行試験機50は、プーリ径φ60mmの駆動リブプーリ51とその右側方に設けられたプーリ径60mmの従動リブプーリ52とを備えている。従動リブプーリ52は、軸荷重(デッドウェイトDW)を負荷してVリブドベルトBに張力を付与できるように左右に可動に設けられている。
実施例1-1〜1-9及び比較例1のそれぞれのVリブドベルトについて、ベルト質量を測定した後、耐摩耗性評価用ベルト走行試験機50の駆動リブプーリ51及び従動リブプーリ52間に巻き掛け、従動リブプーリ52に対して右側方に490Nの軸荷重を負荷してVリブドベルトBに張力を与えると共に、5.9kW(8PS)の回転負荷をかけ、常温雰囲気下において駆動リブプーリ51を3500rpmの回転数で回転させてベルト走行させた。そして、走行開始から24時間後にベルト走行を停止し、Vリブドベルトのベルト質量を測定すると共に、質量減量を百分率で求めた。
<耐屈曲疲労性評価ベルト走行試験>
図16は、耐屈曲疲労性評価用ベルト走行試験機60のプーリレイアウトを示す。
耐屈曲疲労性評価用ベルト走行試験機60は、プーリ径がφ60mmの駆動リブプーリ61と、その上方に設けられたプーリ径がφ60mmの第1従動リブプーリ621と、駆動リブプーリ61及び第1従動リブプーリ621の中間部の右方に設けられたプーリ径がφ60mmの第2従動リブプーリ622と、駆動リブプーリ61及び第1従動リブプーリ621の中間部の右側に上下に間隔をおいて設けられた、各々、プーリ径がφ50mmの一対のアイドラプーリ63とを備えている。第1従動リブプーリ621は、軸荷重(デッドウェイトDW)を負荷してVリブドベルトBに張力を付与できるように上下に可動に設けられている。なお、この耐屈曲疲労性評価用ベルト走行試験機60では、VリブドベルトBを背面側に曲げることにより、Vリブ先端に発生する歪みを大きくして屈曲疲労を加速させる。
実施例1-1〜1-9及び比較例1のそれぞれのVリブドベルトについて、耐屈曲疲労性評価用ベルト走行試験機60に、圧縮ゴム層が駆動リブプーリ61並びに第1及び第2従動リブプーリ621,622に、また、背面ゴム層がアイドラプーリ63に、それぞれ接触するように巻き掛け、また、第1従動リブプーリ621に対して上方に588Nの軸荷重を負荷してVリブドベルトBに張力を与え、70℃の雰囲気温度下において、駆動リブプーリ61を5100rpmの回転数で回転させてベルト走行させた。そして、定期的にベルト走行を停止すると共に、圧縮ゴム層にクラックが発生しているか否かを目視確認し、クラックの発生が確認されるまでのベルト走行時間をクラック発生寿命とした。
(試験評価結果)
試験結果を表1に示す。なお、以下、セルロース微細繊維の含有量は、特に記載しなくても、ゴム成分100質量部に対する質量部を意味する。
<平均繊維径・繊維径分布>
実施例1-1〜1-9のそれぞれのVリブドベルトの圧縮ゴム層を形成するゴム組成物に含有されたセルロース微細繊維は、いずれも繊維径の分布が広いことが分かる。
<摩擦係数>
比較例1の摩擦係数が0.6であったのに対し、実施例1-1〜1-9の摩擦係数は0.6〜1.1の範囲であり、比較例1と同等又は比較例1よりも幾分大きいことが分かる。しかしながら、全ての実施例1-1〜1-9について、乾燥時の摩擦係数と乾き際の摩擦係数との変化量(増加量)は、比較例1の場合の0.9よりも小さいことが分かる。特に、セルロース微細繊維の含有量が5質量部以上である実施例1-3〜1-6、及びセルロース微細繊維とナイロン短繊維との両方を含む実施例1-7〜1-9では、増加量が−0.05〜0.05と0に近く、従って、被水後の乾き際の摩擦係数の増加が抑制されていることが分かる。セルロース微細繊維の含有量が最も少ない(1質量部)実施例1-1の場合でも、摩擦係数の変化は0.5であり、比較例1に比べれば半分近い値であることが分かる。
以上より、圧縮ゴム層を形成するゴム組成物にセルロース微細繊維を含有させることにより、被水後の摩擦係数の変化を抑制することができることが分かる。この効果は、ナイロン短繊維を含有させず、且つセルロース微細繊維のみを含有させた場合でも、また、ナイロン短繊維及びセルロース系微細繊維の両方を含有させた場合でも、どちらでも発揮されるものである。
<耐摩耗性>
比較例1の質量減量が摩耗率3.2%に対し、セルロース微細繊維の含有量が1質量部である実施例1-1でも2.8%と改善しており、セルロース微細繊維の含有量が増加するほど耐摩耗性が向上することが分かる(実施例1-2〜1-6において、順に2.7、2.1、1.9、1.8、及び1.7)。但し、セルロース微細繊維の含有量が10質量部を越えると、それ以上に含有量を増やしても改善は小さいことが分かる(実施例1-4〜1-6)。
また、ナイロン短繊維が15質量部含有された比較例1の質量減量は3.2%であり、また、セルロース微細繊維の含有量が1質量部である実施例1-1では2.8%であるのに比べ、ナイロン短繊維の含有量が14質量部及びセルロース微細繊維の含有量が1質量部である実施例1-7では2.3%である。つまり、ナイロン短繊維及びセルロース微細繊維の両方を含有させることにより、耐摩耗性はより一層向上することが分かる。実施例1-7〜1-9では、セルロース微細繊維及びナイロン短繊維の含有量の合計は同じであるが、セルロース微細繊維の含有量の割合が増えるほど耐摩耗性が向上することが分かる。
<耐屈曲疲労性>
ナイロン短繊維の含有量が15質量部である比較例1では、クラック発生寿命が520時間であったのに対し、セルロース微細繊維の含有量が1質量部である実施例1-1では、クラック発生寿命が1205時間であり、2倍以上に改善されているのが分かる。セルロース微細繊維の含有量を3質量部に増やすことで更にクラック発生寿命は改善されるが(実施例1-2)、それ以上増やすとむしろクラック発生寿命は短くなることが分かる(実施例1-3〜1-6)。但し、セルロース微細繊維の含有量が25質量部である実施例1-6でもクラック発生寿命は900時間であり、比較例1に比べれば大幅に改善している。
セルロース微細繊維及びナイロン短繊維を併用する場合でも、比較例1よりも耐屈曲疲労性は向上することが分かる。また、セルロース微細繊維の含有量の割合が増える程耐屈曲疲労性が向上することが分かる(実施例1-7〜1-9)。
以上のように、圧縮ゴム層を形成するゴム組成物にセルロース微細繊維を含有させることにより、摩擦係数の安定性(被水による変化の抑制)、耐摩耗性、耐屈曲疲労性等が改善したVリブドベルトを作製することができる。
[試験評価2]
以下の実施例2-1〜2-6及び比較例2-1〜2-2の平ベルトを作製した。それぞれの詳細については表2にも示す。
<実施例2-1>
実施例1-1と同様にしてセルロース微細繊維/EPDMのマスターバッチを作製した。
続いて、EPDMを素練りすると共に、そこにマスターバッチを投入して混練した。マスターバッチの投入量は、トータルのEPDMを100質量部としたときのセルロース微細繊維の含有量が1質量部となる量とした。
そして、EPDMとセルロース微細繊維とを混練すると共に、そこに、EPDM100質量部に対し、HAFカーボンブラック(三菱化学社製 商品名:ダイヤブラックH)を40質量部、プロセスオイル(サン石油社製 商品名:サンパー2280)を5質量部、加工助剤としてのステアリン酸(新日本理化社製 商品名:ステアリン酸50S)を0.5質量部、加硫促進助剤としての酸化亜鉛(堺化学社製 商品名:酸化亜鉛3種)を5質量部、ベンズイミダゾール系老化防止剤(大内新興化学工業社製 商品名:ノクラックMB)を2質量部、及び架橋剤としての有機過酸化物(日油社製 商品名:ペロキシモンF−40 純度40質量%)を6質量部それぞれ投入して混練を継続することにより未架橋ゴム組成物を作製した。
この未架橋ゴム組成物を用い、列理方向がベルト幅方向となるように内側ゴム層を形成した実施形態2と同様の構成の実施例2-1の平ベルトを作製した。
実施例2-1のVリブドベルトは、ベルト長さが1118mm、ベルト幅が10mm、及びベルト厚さが2.8mmとした。なお、接着ゴム層及び外側ゴム層は、セルロース微細繊維及び短繊維を含有しないゴム組成物で形成し、心線は、接着処理を施したポリエステル繊維製の撚り糸で形成した。
<実施例2-2>
セルロース微細繊維の含有量がゴム成分100質量部に対して3質量部となるようにしたことを除いて実施例2-1と同様にして実施例2-2の平ベルトを作製した。
<実施例2-3>
セルロース微細繊維の含有量がゴム成分100質量部に対して5質量部となるようにしたことを除いて実施例2-1と同様にして実施例2-3の平ベルトを作製した。
<実施例2-4>
セルロース微細繊維の含有量がゴム成分100質量部に対して10質量部となるようにしたことを除いて実施例2-1と同様にして実施例2-4の平ベルトを作製した。
<実施例2-5>
セルロース微細繊維の含有量がゴム成分100質量部に対して15質量部となるようにしたことを除いて実施例2-1と同様にして実施例2-5の平ベルトを作製した。
<実施例2-6>
セルロース微細繊維の含有量がゴム成分100質量部に対して25質量部となるようにしたことを除いて実施例2-1と同様にして実施例2-6の平ベルトを作製した。
<比較例2-1>
内側ゴム層を形成するゴム組成物にセルロース微細繊維を含有させていないことを除いて実施例2-1と同様にして比較例1-1の平ベルトを作製した。
<比較例2-2>
内側ゴム層を形成するゴム組成物にセルロース微細繊維を含有させず、且つナイロン短繊維をゴム成分100質量部に対して5質量部含有させたことを除いて実施例2-1と同様にして比較例1-2の平ベルトを作製した。
Figure 0006527009
(試験評価方法)
<平均繊維径・繊維径分布>
実施例2-1〜2-6のそれぞれの平ベルトの内側ゴム層を形成するゴム組成物について試料を採取し、試験評価1と同様の方法により、セルロース微細繊維の平均繊維径、並びに繊維径の最大値及び最小値を求めた。
<摩擦・摩耗特性評価ベルト走行試験>
図17は、摩擦・摩耗特性評価用ベルト走行試験機70のプーリレイアウトを示す。
摩擦・摩耗特性評価用ベルト走行試験機70は、プーリ径φ120mmの駆動平プーリ71と、その上方に設けられたプーリ径120mmの第1従動平プーリ72と、それらの上下方向の中間位置における右方に設けられたプーリ径φ50mmの第2従動平プーリ73とを備えている。第2従動平プーリ73は、軸荷重(デッドウェイトDW)を負荷して平ベルトCに張力を付与できるように左右に可動に設けられている。
実施例2-1〜2-6及び比較例2-1〜2-2のそれぞれの平ベルトCについて、摩擦・摩耗特性評価用ベルト走行試験機70の駆動平プーリ71、第1及び第2従動平プーリ72,73間に巻き掛け、第2従動平プーリ73に対して右側方に98Nの軸荷重を負荷して平ベルトCに張力を与えると共に、第1従動平プーリ72に8.8kWの回転負荷をかけ、120℃の雰囲気温度下において駆動平プーリ71を4800rpmの回転数で回転させてベルト走行させた。そして、走行開始から24時間後にベルト走行を停止し、ベルト走行後の内側ゴム層の表面の摩擦係数を、図14に示す摩擦係数測定装置40を用いて試験評価1と同様の方法で求めた。なお、試験プーリ41として、プーリ径φ65mmの平プーリを用いた。
また、ベルト走行時間を500時間として同様の試験を実施すると共に、ベルト走行時間を24時間とした場合との摩擦係数の変化量を算出した。
更に、24時間のベルト走行後における駆動平プーリ71、第1及び第2従動平プーリ72,73の走行面を目視観察して表面状態を官能評価し、ゴムの付着量及び質感から程度の状態の粘着摩耗発生指数を以下のように数値判定した。
粘着質の消しゴムのカス状のものが付着している場合:100
粉状の付着物がある場合:50、
付着物が無い場合:0
ここで、まとまり難いゴムは粉状になり、ベルト表面から脱落する傾向にある。耐摩耗性が良好であっても、摩耗粉の状態が悪いと摩耗粉が異物となり、製品価値は低く評価される。
<耐摩耗性評価ベルト走行試験>
図18は、耐摩耗性評価用ベルト走行試験機80のプーリレイアウトを示す。
耐摩耗性評価用ベルト走行試験機80は、プーリ径φ100mmの駆動平プーリ81とその左側方に設けられたプーリ径100mmの従動平プーリ82とを備えている。駆動平プーリ81は、軸荷重(デッドウェイトDW)を負荷して平ベルトCに張力を付与できるように左右に可動に設けられている。
実施例2-1〜2-6及び比較例2-1〜2-2のそれぞれの平ベルトCについて、ベルト質量を測定した後、耐摩耗性評価用ベルト走行試験機80の駆動平プーリ81及び従動平プーリ82間に巻き掛け、駆動平プーリ81に対して右側方に300Nの軸荷重を負荷して平ベルトCに張力を与えると共に、従動平プーリ82に12N・mの回転トルクを負荷し、100℃の雰囲気温度下において駆動平プーリ81を2000rpmの回転数で回転させてベルト走行させた。そして、走行開始から24時間後にベルト走行を停止し、平ベルトCのベルト質量を測定すると共に、質量減量を求め、比較例2-1の質量減量を100として相対値を算出した。
(試験評価結果)
試験結果を表2に示す。なお、以下、セルロース微細繊維の含有量は、特に記載しなくても、ゴム成分100質量部に対する質量部を意味する。
<平均繊維径・繊維径分布>
実施例2-1〜2-6のそれぞれの平ベルトの内側ゴム層を形成するゴム組成物に含有されたセルロース微細繊維は、いずれも繊維径の分布が広いことが分かる。
<摩擦・摩耗特性>
―摩擦係数―
比較例2-1の24時間ベルト走行後の摩擦係数は0.85であったのに対し、実施例2-1及び2-2でも同じ0.85であり、ゴム成分100質量部に対するセルロース微細繊維の含有量が1乃至3質量部程度では、摩擦係数に変化が認められない。セルロース微細繊維の含有量を更に増やす(実施例2-3〜2-6)と幾分低下し、25質量部(実施例2-6)では0.6となっているのが分かる。
尚、ナイロン短繊維を5質量部配合している比較例2-2の場合、摩擦係数が0.75となっており、セルロース微細繊維の含有量が10質量部である実施例2-4の場合と同じである。
500時間ベルト走行後の摩擦係数は、24時間ベルト走行後の摩擦係数と比較すると、比較例2-1及び2-2において順に0.35及び0.25と低下しているのに対し、実施例2-1〜2-6では最大でも0.15の低下(実施例2-1及び2-2)である。セルロース微細繊維の含有量が多くなると低下は更に小さくなり、10質量部以上含有されていると(実施例2-4〜2-6)、24時間ベルト走行後及び500時間ベルト走行後の摩擦係数は同じ値になっているのが分かる。
以上のことから、セルロース微細繊維を含有するゴム組成物により内側ゴム層を形成することにより、摩擦係数の経時変化が小さい平ベルトを得ることができることが分かる。
―粘着摩耗発生指数―
比較例2-1及び2-2の粘着摩耗発生指数は100及び90という評価であるのに対し、セルロース微細繊維を含有するゴム組成物を用いた場合、その含有量が最も少ない(1質量部)実施例2-1でも粘着摩耗発生指数が45であり、顕著に改善していることが分かる。含有量を増やすことで更に粘着摩耗発生指数は改善し、セルロース微細繊維を25質量部含有した実施例2-6では、評価は10(ベルト表面の付着物は少なく、且つ、粘着性の低い粉体状のものが多い)となっているのが分かる。
ナイロン短繊維を含有する比較例2-2の場合、比較例2-1に比べれば改善が見られるが、顕著なものではない。
以上のことから、セルロース微細繊維を含有するゴム組成物により内側ゴム層を形成することにより、平ベルトの粘着摩耗発生指数が改善されることが分かる。
<耐摩耗性>
比較例2-1及び2-2の耐摩耗性の評価は100であるのに対し、セルロース微細繊維の含有量が1質量部である実施例2-1でも65と改善しており、含有量を更に増やすことで評価は更に改善していることが分かる。但し、セルロース微細繊維の含有量が3〜25質量部の範囲(実施例2-2〜2-6)において評価は50又は45であり、セルロース微細繊維の含有量を増加させても耐摩耗性の改善は飽和する傾向が見られる。
本開示は伝動ベルトの技術分野において有用である。
B Vリブドベルト(伝動ベルト)
C 平ベルト(伝動ベルト)
10 Vリブドベルト本体
11 圧縮ゴム層
12 接着ゴム層
13 背面ゴム層
16 短繊維
20 平ベルト本体
21 内側ゴム層
22 接着ゴム層
23 外側ゴム層
26 短繊維

Claims (5)

  1. 繊維径の分布範囲が50〜500nmを含むセルロース系微細繊維を含有するゴム組成物でベルト本体の少なくとも一部が形成された伝動ベルト。
  2. 請求項1に記載された伝動ベルトにおいて、
    前記セルロース系微細繊維が機械的解繊手段によって製造されたものである伝動ベルト。
  3. 請求項1又は2に記載された伝動ベルトにおいて、
    前記セルロース系微細繊維の前記ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する含有量が1〜25質量部である伝動ベルト。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
    前記ゴム組成物は、繊維径が10μm以上の短繊維を含有する伝動ベルト。
  5. 請求項4に記載された伝動ベルトにおいて、
    前記短繊維の前記ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する含有量が、前記セルロース系微細繊維の前記ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する含有量よりも多い伝動ベルト。
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