JP2019143166A - ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴム部品の摩擦摩耗特性を改善できるゴム組成物を提供する。【解決手段】ゴム組成物は、ゴム成分と、セルロース系微細繊維と、フィラーとしてのカーボンブラックとを含む。セルロース系微細繊維の繊維径の分布範囲が、50〜500nmの範囲を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ゴム組成物に関する。
いわゆるセルロースナノファイバーを含有するゴム組成物は公知である。例えば、特許文献1には、天然ゴム等のゴム成分と、化学変成ミクロフィブリルセルロースとを含有する加硫ゴム組成物が開示されている。
特許4581116号公報
本発明の課題は、ゴム部品の摩擦摩耗特性を改善できるゴム組成物を提供する事である。
本発明のゴム組成物は、セルロース系微細繊維と、ゴム成分と、フィラーとしてのカーボンブラックとを含み、セルロース系微細繊維の繊維径の分布範囲が50〜500nmの範囲を含む。
本発明のゴム組成物は、繊維径の分布範囲が50〜500nmを含むセルロース系微細繊維を含有するので、被水条件下における挙動安定性に優れている。
図1は、実施形態のラップドVベルトを模式的に示す斜視図である。 図2(a)〜(g)はラップドVベルトの製造方法を示す説明図である。
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
<ゴム組成物>
実施形態1に係るゴム組成物は、ゴム成分と、セルロース系微細繊維とを含有し、セルロース系微細繊維の繊維径の分布範囲が50〜500nmを含む。ゴム組成物は、セルロース系微細繊維に加えて各種のゴム配合剤が配合されていても良い。
(ゴム成分)
ゴム組成物のゴム成分としては、例えば、エチレン−α−オレフィンエラストマー(EPDM、EPRなど)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)等が挙げられる。また、これらのうちの1種又は2種以上のブレンドゴムであっても良い。
(セルロース系微細繊維)
セルロース系微細繊維は、植物繊維を細かくほぐすことで得られる植物細胞壁の骨格成分で構成されたセルロース微細繊維を由来とする繊維材料である。セルロース系微細繊維の原料植物としては、例えば、木材、竹、稲(稲わら)、じゃがいも、サトウキビ(バガス)、水草、海藻等が挙げられる。これらのうち木材が好ましい。表面ゴム層11aを形成する多孔のゴム組成物がこのようなセルロース系微細繊維を含むことにより、その高補強効果が発現する。
セルロース系微細繊維は、セルロース微細繊維自体であっても、また、疎水化処理された疎水化セルロース微細繊維であっても、どちらでもよい。また、セルロース系微細繊維として、セルロース微細繊維自体と疎水化セルロース微細繊維とを併用してもよい。分散性の観点からは、セルロース系微細繊維は、疎水化セルロース微細繊維を含むことが好ましい。疎水化セルロース微細繊維としては、セルロースの水酸基の一部又は全部が疎水性基に置換されたセルロース微細繊維、及び表面処理剤によって疎水化表面処理されたセルロース微細繊維が挙げられる。
セルロースの水酸基の一部又は全部が疎水性基に置換されたセルロース微細繊維を得るための疎水化としては、例えば、エステル化(アシル化)(アルキルエステル化、複合エステル化、β−ケトエステル化など)、アルキル化、トシル化、エポキシ化、アリール化等が挙げられる。これらのうちエステル化が好ましい。具体的には、エステル化された疎水化セルロース微細繊維は、セルロースの水酸基の一部又は全部が、酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、酪酸等のカルボン酸、若しくは、そのハロゲン化物(特に塩化物)によりアシル化されたセルロース微細繊維である。表面処理剤によって疎水化表面処理されたセルロース微細繊維を得るための表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。
セルロース系微細繊維は、被水条件下における挙動の安定性を改善する観点から、繊維径の分布が広いことが好ましく、繊維径の分布範囲は50〜500nmを含む。その繊維径の分布の下限は、その観点から、好ましくは50nm以下、より好ましくは20nm以下、更に好ましくは10nm以下である。上限は、同じ観点から、好ましくは500nm以上、より好ましくは700nm以上、更に好ましくは1μn以上である。セルロース系微細繊維の繊維径の分布範囲は、表面ゴム層11aの補強効果を高める観点から、50〜500nmを含むことが好ましく、20nm〜700mmを含むことがより好ましく、10nm〜1μmを含むことが更に好ましい。
また、セルロース系微細繊維の平均繊維径は、被水条件下における挙動の安定性を改善する観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは30nm以上であり、また、好ましくは1400nm以下、より好ましくは1000nm以下、更に好ましくは800nm以下である。
セルロース系微細繊維の繊維径の分布は、ゴム組成物の試料を凍結粉砕した後、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察すると共に、50本のセルロース系微細繊維を任意に選択して繊維径を測定し、その測定結果に基づいて求められる。また、セルロース系微細繊維の平均繊維径は、その任意に選択した50本のセルロース系微細繊維の繊維径の数平均として求められる。
セルロース系微細繊維は、機械的解繊手段によって製造された高アスペクト比のものであっても、また、化学的解繊手段によって製造された針状結晶のものであっても、どちらでもよい。また、セルロース系微細繊維として、機械的解繊手段によって製造されたものと化学的解繊手段によって製造されたものとを併用してもよい。機械的解繊手段に用いる解繊装置としては、例えば、二軸混練機などの混練機、高圧ホモジナイザー、グラインダー、ビーズミル等が挙げられる。化学的解繊手段に用いる処理としては、例えば、酸加水分解処理等が挙げられる。
ゴム組成物におけるセルロース系微細繊維の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
(セルロース系微細繊維以外のゴム配合剤)
セルロース系微細繊維に加えて用いるゴム配合剤としては、補強材、オイル、架橋剤等が挙げられる。
補強材としては、カーボンブラックでは、例えば、チャネルブラック;SAF、ISAF、N−339、HAF、N−351、MAF、FEF、SRF、GPF、ECF、N−234などのファーネスブラック;FT、MTなどのサーマルブラック;アセチレンブラック等が挙げられる。
カーボンブラックの配合量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して、好ましくは15質量部以上、より好ましくは30質量部以上であり、また、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。
尚、カーボンブラックは、水酸基、カルボニル基及びカルボキシル基の少なくとも1つを有していても良い。
補強剤としてはシリカも挙げられる。シリカは、ゾル−ゲル法、湿式法、乾式法等の各種製法により得られたものを用いればよい。特に、補強性、低発熱性の観点から、湿式シリカが好ましい。
シリカの配合量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。
また、シリカを用いる場合には、シランカップリング剤を配合してもよい。シランカップリング剤としては、ビス−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ポリスルフィド(ポリスルフィド部分のS数:2〜8)などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト系、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系、ビニルトリエトキシシラン等のビニル系の通常ゴム用に使用されるシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤は、単一種だけを用いてもよく、また、複数種を混合して用いてもよい。シランカップリング剤の添加量は、ゴム成分100質量部に対して0.5質量部〜15質量部とすることが好ましい。後で説明する超臨界流体を用いた混練を行う場合には、シランカップリング剤を添加することにより、ポリマーとフィラーとの相互作用をより高めるという効果も得られる。
オイルとしては、例えば、石油系軟化剤、パラフィンワックスなどの鉱物油系オイル、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落下生油、木ろう、ロジン、パインオイルなどの植物油系オイル等が挙げられる。オイルは、これらのうち1種又は2種以上であることが好ましい。オイルの含有量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば5〜15質量部である。
架橋剤としては、有機過酸化物及び硫黄が挙げられる。架橋剤として、有機過酸化物が配合されていてもよく、また、硫黄が配合されていてもよく、更には、それらの両方が併用されていてもよい。架橋剤の配合量は、有機過酸化物の場合、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば1〜5質量部であり、硫黄の場合、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば1〜5質量部である。
(ゴム組成物の製造)
ゴム組成物を製造するにあたっては、まず、素練りしているゴム成分にセルロース系微細繊維を投入して混練することにより分散させる。
ここで、ゴム成分へのセルロース系微細繊維の分散方法としては、例えば、セルロース系微細繊維を水に分散させた分散体(ゲル)を、オープンロールで素練りしているゴム成分に投入し、それらを混練しながら水分を気化させる方法、セルロース系微細繊維を水に分散させた分散体(ゲル)とゴムラテックスとを混合して水分を気化させて得られたセルロース系微細繊維/ゴムのマスターバッチを、素練りしているゴム成分に投入する方法、セルロース系微細繊維を溶剤に分散させた分散液とゴム成分を溶剤に溶解させた溶液とを混合して溶剤を気化させて得られたセルロース系微細繊維/ゴムのマスターバッチを、素練りしているゴム成分に投入する方法、セルロース系微細繊維を水に分散させた分散体(ゲル)を凍結乾燥させて粉砕したものを、素練りしているゴム成分に投入する方法、疎水化したセルロース系微細繊維を素練りしているゴム成分に投入する方法等が挙げられる。
次いで、ゴム成分とセルロース系微細繊維とを混練しながら、前述の各種ゴム配合剤を投入して混練を継続する。このためには、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いることができる。
混練工程により得られた未架橋ゴム組成物を、通常通りの成形架橋工程によって成形及び架橋することにより、架橋済みゴム組成物が得られる。
成形架橋工程については、例えばプレス、加硫缶、連続加硫機等を用いてもよいし、高周波架橋、放射線架橋又は電子線架橋により架橋する特殊架橋基等を用いても良い。
温度、圧力、及び時間等の成形架橋条件については、フィラー含有未架橋ゴムの組成、ゴム成形品の要求品質等に基づいて適宜設定する。成形架橋工程により、未架橋ゴム組成物に含まれるポリマーの分子間が架橋剤により架橋されてネットワーク構造が形成される。これにより、架橋済みゴム組成物が得られる。
具体的な工程は製造するゴム成形品の種類に応じて行えば良いが、例えば、図1に示すようなラップドVベルトを製造する場合、以下のようにしても良い。
図1に例示するラップドVベルトBは、例えば、農業機械や産業機械に使用されるものであり、その寸法は、例えば、ベルト周長700〜5000mm、ベルト幅16〜17mm、及びベルト厚さ8〜10mmである。
ラップドVベルトBは、ベルト内周側(プーリ接触側)の底部ゴム層11と、中間の接着ゴム層12と、ベルト外周側の伸張ゴム層13との三重の層に構成された断面形状が台形のベルト本体10を備える。接着ゴム層12には、ベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように配された心線14が埋設されている。ベルト本体10は、全体が補強布15によって覆われている。
圧縮ゴム層11、接着ゴム層12及び伸張ゴム層13は、架橋したゴム組成物で構成されている。そして、圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び伸張ゴム層13のうち少なくとも1つは、ゴム成分に、セルロース系微細繊維と、各種のゴム配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物が加熱及び加圧されて架橋剤により架橋したゴム組成物で形成されている。
心線14は、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維、パラ系アラミド繊維、ビニロン繊維等の撚り糸や組紐等の線材で構成されている。心線14は、Vリブドベルト本体10に対する接着性を付与するために、成形前にRFL水溶液に浸漬した後に加熱する接着処理及び/又はゴム糊に浸漬した後に乾燥させる接着処理が施されている。当該処理の前に、必要に応じてエポキシ樹脂やポリイソシアネート樹脂等の溶液からなる接着剤溶液に浸漬した後に加熱する接着処理が施されていてもよい。心線14の外径は例えば0.1〜2mmである。
補強布15は、例えば、綿、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の糸で形成された織布、編物、不織布等によって構成されている。補強布15は、ベルト本体10に対する接着性を付与するために、成形加工前にRFL水溶液に浸漬して加熱する接着処理、及び/又は、ベルト本体10側となる表面にゴム糊をコーティングして乾燥させる接着処理が施されている。
次に、図2(a)〜図2(g)を参照して、実施形態1に係るラップドVベルトBの製造方法を説明する。
まず、圧縮ゴム層用のゴムシート11’、接着ゴム層用のゴムシート12’、及び伸張ゴム層用のゴムシート13’、並びに心線用の撚り糸14’及び補強布用の布15’を準備する。このとき、圧縮ゴム層用のゴムシート11’、接着ゴム層用のゴムシート12’、及び伸張ゴム層用のゴムシート13’のうち実施形態1に係る再生ゴムを含めるものは、実施形態1に係る再生ゴムとゴム配合剤とを混練した未架橋ゴム組成物を、カレンダロール等を用いてシート状に加工することにより得る。また心線用の撚り糸14’及び補強布用の布15’には接着処理を施す。
次いで、図2(a)に示すように、マントル21に、圧縮ゴム層用のゴムシート11’を複数回巻き付け、その上に、接着ゴム層用のゴムシート12’を巻き付ける。その上に、図2(b)に示すように、撚り糸14’を螺旋状に巻き付ける。更にその上に、図2(c)に示すように、接着ゴム層用のゴムシート12’及び伸張ゴム層用のゴムシート13’を順に巻き付けて円筒状の積層構造体10’を作製する。
次いで、図2(d)に示すように、円筒状の積層構造体10’をマントル21上で所定幅に輪切りにした後、それらをマントル21から取り外す。
次いで、環状の積層構造体10’を、圧縮ゴム層用のゴムシート11’側を外側にして一対のプーリ間に巻き掛けて回転させながら、図2(e)に示すように、圧縮ゴム層用のゴムシート11’の積層部分の両側をV型に斜めに切除して体積を調整する。
続いて、図2(f)に示すように、環状の積層構造体10’の外周を布15’で被覆する。
そして、図2(g)に示すように、ラッピングした環状の積層構造体10’を円筒金型22の溝23に嵌め入れ、それを加硫缶に入れて加熱及び加圧する。このとき、環状の積層構造体10’のゴム成分が架橋してベルト本体10を形成し、且つ撚り糸14’がベルト本体10に接着一体化して心線14となると共に、布15’がベルト本体10に接着一体化して補強布15となって実施形態1に係るラップドVベルトBが製造される。
尚、本発明のゴム組成物は、Vベルトの他に、Vリブドベルト、歯付ベルト、平ベルト等の伝動ベルト、コンベヤベルト、タイヤ等、種々の部品及び製品に用いることができる。
実施例のゴム組成物について、以下に説明する。各実施例については、表1にも記載している。
<実施例1>
まず、トルエンに粉末セルロース(日本製紙社製 商品名:KCフロック W−GK)を分散させた分散液を調製し、高圧ホモジナイザーを用い、その分散液同士を衝突させて粉末セルロースをセルロース微細繊維に解繊して、トルエンにセルロース微細繊維が分散した分散液を得た。従って、セルロース微細繊維は、機械的解繊手段によって製造され、また、疎水化処理されていないものである。
次いで、そのトルエンにセルロース微細繊維が分散した分散体と、トルエンにH−NBR(日本ゼオン社製 商品名:Zetpol 2020)を溶解させると共に可塑剤(DIC社製 商品名:W−260)を添加した溶液とを混合し、トルエン及び可塑剤を気化させてセルロース微細繊維/H−NBRのマスターバッチを作製した。なお、マスターバッチにおける各成分の含有量は、セルロース系微細繊維が25質量%、可塑剤が25質量%、及びH−NBRが50質量%であった。
続いて、EPDMを素練りすると共に、そこにマスターバッチを投入して混練した。マスターバッチの投入量は、トータルのEPDM100質量部に対してセルロース系微細繊維の含有量が5質量部となる量とした。
そして、EPDMとセルロース系微細繊維とを混練すると共に、そこに、EPDM100質量部に対し、補強材のカーボンブラックFEF(東海カーボン社製、商品名:シーストSO)を30質量部、オイル(日本サン石油株式会社製、商品名:サンパー2280)を8質量部、架橋剤(日油株式会社製、商品名:ペロキシモンF-40)を5質量部それぞれ投入して混練を続けることにより未架橋ゴム組成物を作製した。
<実施例2>
実施例1と同様にして、セルロース系微細繊維/EPDMマスターバッチを作製した。続いて、EPDMを素練りすると共に、そこにマスターバッチを投入して混練した。マスターバッチの投入量は、トータルのEPDM100質量部に対してセルロース系微細繊維の含有量が5質量部となる量とした。
そして、EPDMとセルロース系微細繊維とを混練すると共に、そこに、EPDM100質量部に対し、補強材のカーボンブラックFEFを30質量部及びシリカ(デグッサ社製、商品名:ウルトラジルVN3)を10質量部、オイルを8質量部、架橋剤を5質量部それぞれ投入して混練を続けることにより未架橋ゴム組成物を作製した。つまり、実施例1の配合に対し、シリカ10質量部を更に配合している。
<実施例3>
実施例1と同様にして、セルロース系微細繊維/EPDMマスターバッチを作製した。続いて、EPDMを素練りすると共に、そこにマスターバッチを投入して混練した。マスターバッチの投入量は、トータルのEPDM100質量部に対してセルロース系微細繊維の含有量が5質量部となる量とした。
そして、EPDMとセルロース系微細繊維とを混練すると共に、そこに、EPDM100質量部に対し、オイルを8質量部、架橋剤を5質量部それぞれ投入して混練を続けることにより未架橋ゴム組成物を作製した。実施例1と比較すると、カーボンブラックを含まない配合となっている。
<実施例4>
実施例1と同様にして、セルロース系微細繊維/EPDMマスターバッチを作製した。続いて、EPDMを素練りすると共に、そこにマスターバッチを投入して混練した。マスターバッチの投入量は、トータルのEPDM100質量部に対してセルロース系微細繊維の含有量が10質量部となる量とした。
そして、EPDMとセルロース系微細繊維とを混練すると共に、そこに、EPDM100質量部に対し、オイルを8質量部、架橋剤を5質量部それぞれ投入して混練を続けることにより未架橋ゴム組成物を作製した。実施例1と比較すると、セルロース系微細繊維の配合量が5質量部多く、且つ、カーボンブラックを含まない配合となっている。
<比較例1>
EPDMを素練りすると共に、そこに、EPDM100質量部に対し、オイルを8質量部、架橋剤を5質量部それぞれ投入して混練を続けることにより未架橋ゴム組成物を作製した。実施例1と比較すると、セルロース系微細繊維及びカーボンブラックを含まない配合となっている。
<比較例2>
EPDMを素練りすると共に、そこに、EPDM100質量部に対し、補強材のカーボンブラックFEFを30質量部、オイルを8質量部、架橋剤を5質量部それぞれ投入して混練を続けることにより未架橋ゴム組成物を作製した。実施例1と比較すると、セルロース系微細繊維を含まない配合となっている。
Figure 2019143166
(試験評価方法)
<平均繊維径・繊維径分布>
実施例1〜4のそれぞれのプレス成形により架橋したゴム組成物について採取した試料を凍結粉砕した後、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると共に、50本の繊維を任意に選択して繊維径を測定し、その数平均を求めて平均繊維径とした。また、50本のセルロース微細繊維のうち繊維径の最大値及び最小値を求めた。
<耐摩耗特性・摩擦係数評価試験>
実施例1〜4及び比較例1〜2のそれぞれについて、プレス成形により架橋したゴム組成物の試験片を作製した。試験片の寸法は、5mm角、長さ10mmである。
まず、試験片の初期の質量を測定した。その後、ピン・オン・ディスク型摩擦摩耗試験機を用い、上記試験片の5mm角の面を摺動面として、ねずみ鋳鉄(FC200)製のディスク状の相手材の表面に当接させた。試験片に上から0.8MPaの圧力を印加し、すべり速度が0.25m/秒となるように相手材を回転させて、四時間後の試験片の質量を測定した。初期の質量からの変化を摩耗質量とした。摩耗性の指標として、mg単位の摩耗質量の十倍の値を表1に示している。
尚、この測定は、乾燥状態にて行った。また、相手材の温度は60℃に設定した。
また、上記と同様に、試験片の5mm角の面を摺動面として、ねずみ鋳鉄製の相手材の表面に当接させて、試験片に上から0.8MPaの圧力を印加し、すべり速度が0.25m/秒となるように相手材を回転させて、力を測定することにより摩擦係数を測定した。
このような摩擦係数の測定を、乾燥時、湿潤時及び乾き際について行った。乾燥時とは、試験片及び相手材が十分に乾燥している状態である。湿潤時とは、ディスク状の相手材表面に水を滴下し、試験片と相手材との間にも水が存在する状態である。また、湿潤な状態から水の滴下を停止した後、乾いていく途中において摩擦係数にピークが発生する。乾き際とは、そのようなピークが生じている時点を意味する。
(試験評価結果)
試験結果を表1に示す。
表1によると、実施例1〜4のセルロース微細繊維は、いずれも繊維径の分布が広いことが分かる。また、セルロース系微細繊維及びカーボンブラックを併用する実施例1及び2の方が、セルロース系微細繊維を用いるがカーボンブラックを用いない実施例3及び4よりも、平均繊維径が小さい。シリカを用いる実施例2は、シリカを用いない実施例1と比べて、平均、最大、最小の繊維径がいずれも小さい。
また、実施例1及び2において、セルロース系微細繊維の径5μm以上の凝集物は見られないのに対し、実施例3及び4ではその存在が確認される。つまり、実施例1及び2ではセルロース系微細繊維の分散性が実施例3及び4よりも優れている。
摩耗量について見ると、セルロース系微細繊維及びカーボンブラックを含まない比較例1では798である。これに対し、カーボンブラックのみを含む比較例2では174、セルロース系微細繊維のみを用いる実施例3及び4では198及び163である。従って、セルロース系微細繊維により、カーボンブラックと同程度の耐摩耗性は実現できる。補強材としてセルロース系微細繊維及びカーボンブラックを併用する実施例1では86、更にシリカを用いる実施例2では94であり、ゴム組成物の耐摩耗性は更に向上している。
摩擦係数について見ると、実施例1及び2の場合、乾燥時、湿潤時及び乾き際の値の変動は0.1である。これに対し、セルロース系微細繊維を用いない比較例1及び2の場合、いずれも湿潤時に摩擦係数は大きく減少し、乾き際には大きく増加しており、変動が大きい(順に1.2及び1.1)。セルロース系微細繊維を用いている実施例3及び4では、変動の幅は0.2であり、実施例1及び2に比べると大きいとしても、比較例1及び2に対しては顕著に改善している。
このように、セルロース系微細繊維及びカーボンブラックを共に配合することにより、被水と乾燥とが起こる条件において、摩擦係数の変動が小さいゴム組成物を得ることができる。従って、このようなゴム組成物からなるゴム部品は、被水条件における挙動が安定する。
以上の通り、ゴム組成物の補強材としてセルロース系微細繊維を用いること、更にカーボンブラックを併用することにより、耐摩耗性が高く且つ被水条件における挙動が安定したゴム部品を得ることができる。
本発明は、ゴム組成物の分野において有用である。
10 ベルト本体
11 底部ゴム層
12 接着ゴム層
13 伸張ゴム層
14 心線
15 補強布
10’ 積層構造体
11’ ゴムシート
12’ ゴムシート
13’ ゴムシート
14’ 糸
15’ 布
21 マントル
22 円筒金型
23 溝

Claims (5)

  1. ゴム成分と、セルロース系微細繊維と、フィラーとしてのカーボンブラックとを含むゴム組成物において、
    前記セルロース系微細繊維の繊維径の分布範囲が、50〜500nmの範囲を含むことを特徴とするゴム組成物。
  2. 請求項1のゴム組成物において、
    前記カーボンブラックは、水酸基、カルボニル基及びカルボキシル基の少なくとも1つを有することを特徴とするゴム組成物。
  3. 請求項1又は2のゴム組成物において、
    フィラーとして、シリカを更に含むことを特徴とするゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つのゴム組成物において、
    前記ゴム成分は、エチレン−α−オレフィン系エラストマーであることを特徴とするゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つのゴム組成物において、
    前記セルロース系微細繊維の繊維径の分布範囲が、50〜1000nmの範囲を含むことを特徴とするゴム組成物。
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