JP2020075996A - 伝動ベルト用ゴム組成物及びその製造方法、並びにそれを用いた伝動ベルト - Google Patents

伝動ベルト用ゴム組成物及びその製造方法、並びにそれを用いた伝動ベルト Download PDF

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Abstract

【課題】セルロース系微細繊維の分散性が優れる伝動ベルト用ゴム組成物を提供する。【解決手段】伝動ベルト用ゴム組成物は、エチレン−α−オレフィンエラストマーを主体として有するゴム成分と、セルロース系微細繊維と、カルボキシ変性ポリオレフィンとを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、伝動ベルト用ゴム組成物及びその製造方法、並びにそれを用いた伝動ベルトに関する。
セルロース系微細繊維を含有する伝動ベルト用ゴム組成物が知られている。例えば、特許文献1には、ゴム成分、セルロース系微細繊維、メチレンアクセプター化合物、及びメチレンドナー化合物を含有するゴム組成物を伝動ベルト用途に用いることが開示されている。
特開2018−062657号公報
本発明の課題は、セルロース系微細繊維の分散性が優れる伝動ベルト用ゴム組成物を提供することである。
本発明は、エチレン−α−オレフィンエラストマーを主体として有するゴム成分と、セルロース系微細繊維と、カルボキシ変性ポリオレフィンとを含有する伝動ベルト用ゴム組成物である。
本発明は、本発明の伝動ベルト用ゴム組成物の前記ゴム成分が架橋された架橋ゴム組成物が用いられた伝動ベルト。
本発明は、セルロース系微細繊維の水分散体とカルボキシ変性ポリオレフィンの水分散体とを混合して混合水分散体を調製し、前記混合水分散体から水分を除去して得た固形物を、エチレン−α−オレフィンエラストマーを主体として有するゴム成分と混練する伝動ベルト用ゴム組成物の製造方法である。
本発明によれば、カルボキシ変性ポリオレフィンを含有することにより、セルロース系微細繊維の優れた分散性を得ることができる。
Vリブドベルトの一片の斜視図である。 ローエッジVベルトの一片の斜視図である。 ラップドVベルトの一片の斜視図である。 平ベルトの一片の斜視図である。 歯付ベルトの一片の斜視図である。 ベルト本体と表面補強布との界面構造を示す断面図である。
以下、実施形態について詳細に説明する。
実施形態に係る伝動ベルト用ゴム組成物は、ゴム成分と、セルロース系微細繊維と、カルボキシ変性ポリオレフィンとを含有する。ゴム成分は、エチレン−α−オレフィンエラストマーを主体として有する。ゴム成分とカルボキシ変性ポリオレフィンとは相溶しており、それらの相溶物にセルロース系微細繊維が分散している。
疎水性で且つ非極性のエチレン−α−オレフィンエラストマーと、親水性で且つ極性の高いセルロース系微細繊維とをそのまま混合して均一化させることは困難である。しかしながら、実施形態に係る伝動ベルト用ゴム組成物によれば、カルボキシ変性ポリオレフィンを含有することにより、セルロース系微細繊維の優れた分散性を得ることができる。これは、エチレン−α−オレフィンエラストマーとセルロース系微細繊維との間にカルボキシ変性ポリオレフィンが介在し、それらの親和性を高めるためであると考えられる。また、実施形態に係る伝動ベルト用ゴム組成物によれば、優れた混練加工性を得ることもでき、更に加えて、架橋後には、温度上昇に伴う弾性率の低下が小さいという特性を得ることもできる。
ここで、ゴム成分は、エチレン−α−オレフィンエラストマーを主体として有するので、その含有量が50質量%よりも多い。ゴム成分におけるエチレン−α−オレフィンエラストマーの含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%である。なお、ゴム成分は、エチレン−α−オレフィンエラストマー以外に、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)等を有していてもよい。
エチレン−α−オレフィンエラストマーとしては、例えば、エチレン・プロピレン共重合体(EPR)、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体(以下「EPDM」という。)、エチレン・オクテン共重合体、エチレン・ブテン共重合体等が挙げられる。ゴム成分は、エチレン−α−オレフィンエラストマーとして、これらのうちの1種又は2種以上を有することが好ましく、EPDMを有することがより好ましい。
エチレン−α−オレフィンエラストマーのエチレン含量は、好ましくは50質量%以上70質量%以下、より好ましくは52質量%以上58質量%である。エチレン−α−オレフィンエラストマーがEPDMを含む場合、そのジエン成分としては、例えば、エチリデンノボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等が挙げられる。ジエン成分は、これらのうちのエチリデンノボルネン(ENB)が好ましい。この場合、EPDMのENB含量は、好ましくは4.0質量%以上6.0質量%以下、より好ましくは4.1質量%以上5.0質量%である。
セルロース系微細繊維は、植物繊維を細かくほぐすことで得られる植物細胞壁の骨格成分で構成されたセルロース微細繊維を由来とする繊維材料である。セルロース系微細繊維の原料植物としては、例えば、木、竹、稲(稲わら)、じゃがいも、サトウキビ(バガス)、水草、海藻等が挙げられる。これらのうち木が好ましい。
セルロース系微細繊維は、無処理のセルロース微細繊維自体を含んでもよい。また、セルロース系微細繊維は、疎水化処理された疎水化セルロース微細繊維を含んでもよい。さらに、セルロース系微細繊維は、それらの両方を含んでもよい。セルロース系微細繊維は、その分散性を高める観点から、疎水化セルロース微細繊維を含むことが好ましい。疎水化セルロース微細繊維としては、セルロースの水酸基の一部又は全部が疎水性基に置換されたセルロース微細繊維、及び表面処理剤によって疎水化表面処理されたセルロース微細繊維が挙げられる。
セルロースの水酸基の一部又は全部が疎水性基に置換されたセルロース微細繊維を得るための疎水化としては、例えば、エステル化(アシル化)(アルキルエステル化、複合エステル化、β−ケトエステル化など)、アルキル化、トシル化、エポキシ化、アリール化等が挙げられる。これらのうちエステル化が好ましい。具体的には、エステル化された疎水化セルロース微細繊維は、セルロースの水酸基の一部又は全部が、酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、酪酸等のカルボン酸、若しくは、そのハロゲン化物(特に塩化物)によりアシル化されたセルロース微細繊維である。表面処理剤によって疎水化表面処理されたセルロース微細繊維を得るための表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。
セルロース系微細繊維は、機械解繊処理されたセルロース系微細繊維を含んでもよい。また、セルロース系微細繊維は、化学解繊処理されたセルロース系微細繊維を含んでもよい。さらに、セルロース系微細繊維は、それらの両方を含んでもよい。
本願における「機械解繊処理されたセルロース系微細繊維」とは、パルプ状の未解繊セルロースに対し、高圧ホモジナイザーやグラインダーやビーズミル等による機械的処理を施して解繊させたセルロース系微細繊維である。
本願における「化学解繊処理されたセルロース系微細繊維」とは、まず、化学処理にてパルプ状の未解繊セルロースの水酸基の一部がカルボキシル基の負イオンに置換され、負イオン同志による静電反発力を利用して、小さな解繊エネルギーにて解繊させた微細繊維である。化学処理としては、例えば、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシラジカル)触媒を用いた酸化処理、リン酸エステル化処理、カルボキシメチル化処理等が挙げられる。したがって、かかる化学処理を行ったパルプ状の未解繊セルロースに対して機械的処理を施して解繊させたセルロース系微細繊維も、機械的処理を施すものの、本願における「化学解繊処理されたセルロース系微細繊維」に含まれる。その一方、上記のような化学処理を行わず、すなわち、負イオンによる静電反発力を利用せず、単に機械的処理のみを施して解繊させたセルロース系微細繊維は、本願における「化学解繊処理されたセルロース系微細繊維」には含まれない。
セルロース系微細繊維は、その分散性を高める観点から、化学解繊処理されたセルロース系微細繊維を含むことが好ましく、TEMPO触媒を用いて酸化処理されたセルロース系微細繊維を含むことがより好ましい。
セルロース系微細繊維の平均繊維径は、好ましくは10nm以下、より好ましくは5nm以下である。セルロース系微細繊維の平均繊維径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したとき、任意に選択した50本のセルロース系微細繊維の繊維径の数平均として求められる。
実施形態に係る伝動ベルト用ゴム組成物におけるセルロース系微細繊維の含有量Xは、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上60質量部以下、より好ましくは5質量部以上20質量部以下である。
カルボキシ変性ポリオレフィンとしては、ポリオレフィンの末端にカルボキシル基含有化合物を付加したポリマー、ポリオレフィンとカルボキシル基含有化合物モノマーとを交互又はランダムに共重合したポリマー、ポリオレフィンにカルボキシル基含有化合物の側鎖を設けたポリマーが挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等が挙げられる。カルボキシル基含有化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などのエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。カルボキシ変性ポリオレフィンは、これらの組み合わせのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを含むことがより好ましく、無水マレイン酸変性ポリエチレンを含むことが更に好ましい。
実施形態に係る伝動ベルト用ゴム組成物におけるカルボキシ変性ポリオレフィンの含有量Yは、セルロース系微細繊維の分散性を高める観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上50質量部以下、より好ましくは10質量部以上30質量部以下である。
カルボキシ変性ポリオレフィンの含有量Yは、セルロース系微細繊維の分散性を高める観点から、セルロース系微細繊維の含有量Xと同一又はそれよりも多いことが好ましい。カルボキシ変性ポリオレフィンの含有量Yのセルロース系微細繊維の含有量Xに対する質量比(Y/X)は、セルロース系微細繊維の分散性を高める観点から、好ましくは1.0以上10以下、より好ましくは1.0以上5.0以下である。
実施形態に係る伝動ベルト用ゴム組成物は、セルロース系微細繊維の分散性を高める観点から、多価アルコールを更に含有することが好ましい。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどの2価アルコール;グリセリン、ジグリセリンなどの3価以上のアルコール等が挙げられる。多価アルコールは、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、2価アルコールを含むことがより好ましく、ジエチレングリコールを含むことが更に好ましい。
実施形態に係る伝動ベルト用ゴム組成物における多価アルコールの含有量Zは、セルロース系微細繊維の分散性を高める観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上120質量部以下、より好ましくは10質量部以上40質量部以下である。
多価アルコールの含有量Zは、セルロース系微細繊維の分散性を高める観点から、セルロース系微細繊維の含有量Xよりも多いことが好ましい。多価アルコールの含有量Zのセルロース系微細繊維の含有量Xに対する質量比(Z/X)は、セルロース系微細繊維の分散性を高める観点から、好ましくは1.5以上5.0以下、より好ましくは1.5以上2.5以下である。
多価アルコールの含有量Zは、カルボキシ変性ポリオレフィンの含有量Yよりも少なくても、多くても、また、同一であっても、いずれでもよい。多価アルコールの含有量Zのカルボキシ変性ポリオレフィンの含有量Yに対する質量比(Z/Y)は、好ましくは0.20以上5.0以下、より好ましくは0.40以上2.0以下である。
実施形態に係る伝動ベルト用ゴム組成物におけるカルボキシ変性ポリオレフィンの含有量Yと多価アルコールの含有量Zとの和(Y+Z)は、セルロース系微細繊維の分散性を高める観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは25質量部以上200質量部以下、より好ましくは30質量部以上150質量部以下である。
カルボキシ変性ポリオレフィンの含有量Yと多価アルコールの含有量Zとの和(Y+Z)のセルロース系微細繊維の含有量Xに対する質量比((Y+Z)/X)は、セルロース系微細繊維の分散性を高める観点から、好ましくは2.0以上10以下、より好ましくは3.0以上7.0以下である。
実施形態に係る伝動ベルト用ゴム組成物は、その他に、例えば、カーボンブラックや短繊維などの補強材、有機過酸化物や硫黄等の架橋剤、可塑剤、老化防止剤、加工助剤、加硫促進助剤、加硫促進剤等のゴム配合剤を含有していてもよい。特に、セルロース系微細繊維に併用して、補強材として短繊維を含有する場合には、低永久歪、摩擦係数安定性、耐摩耗性、耐粘着摩耗性、及び耐クラック性について、優れた特性を得ることができる。
以上の実施形態に係る伝動ベルト用ゴム組成物は、そのゴム成分が架橋された架橋ゴム組成物が、図1Aに示すVリブドベルトB、図1Bに示すローエッジVベルトB、及び図1Cに示すラップドVベルトBにおけるベルト本体10の少なくとも一部を形成する材料、図2Aに示す平ベルトB及び図2Bに示す歯付ベルトBにおけるベルト本体10の少なくとも一部を形成する材料、並びにこれらの表面補強布20の図3に示すゴム糊接着層30を形成する材料として用いることができる。
次に、実施形態に係る伝動ベルト用ゴム組成物の製造方法について説明する。
実施形態に係る伝動ベルト用ゴム組成物の製造では、まず、セルロース系微細繊維の水分散体とカルボキシ変性ポリオレフィンの水分散体とを準備する。セルロース系微細繊維の水分散体における固形分含有量は、例えば1.0質量%以上5.0質量%以下である。カルボキシ変性ポリオレフィンの水分散体おける固形分含有量は、例えば15質量%以上30質量%以下である。
次いで、セルロース系微細繊維の水分散体とカルボキシ変性ポリオレフィンの水分散体とを混合して混合水分散体を調製する。多価アルコールを含有させる場合には、セルロース系微細繊維の水分散体及びカルボキシ変性ポリオレフィンの水分散体に加えて、更に多価アルコールを混合して混合水分散体を調製する。この混合水分散体を調製するとき、セルロース系微細繊維の分散性を高める観点から、セルロース系微細繊維の水分散体とカルボキシ変性ポリオレフィンの水分散体とを混合した後、多価アルコールを混合することが好ましい。
続いて、混合水分散体から水分を除去して固形物を得る。このとき、混合水分散体が多価アルコールを含有している場合、高沸点の多価アルコールによりセルロース系微細繊維の絶乾燥が回避され、それによってセルロース系微細繊維の乾燥過程における凝集を抑制することができる。
そして、得られた固形物を、エチレン−α−オレフィンエラストマーを主体として有するゴム成分及びゴム配合剤と混練して伝動ベルト用ゴム組成物を得る。
(伝動ベルト用ゴム組成物)
実施例1〜7及び比較例の伝動ベルト用ゴム組成物を作製した。それぞれの組成については表1にも示す。
<実施例1>
TEMPO触媒を用いて酸化処理されたセルロース系微細繊維の水分散体(レオクリスタ 第一工業製薬社製、固形分濃度2質量%)と、無水マレイン酸変性ポリエチレンの水分散体(アローベース ユニチカ社製、固形分濃度25質量%)と、ジエチレングリコール(ナカライテスク社製)とを準備した。
セルロース系微細繊維の水分散体と、無水マレイン酸変性ポリプロピレンの水分散体と、ジエチレングリコールとを、それらの固形分比が1:5:2となるように、自転公転型攪拌機(泡取り練太郎 シンキー社製)に投入して1000rpmの回転数で10分間攪拌混合を行うことにより混合水分散体を調製した。このとき、まず、TEMPO触媒を用いて酸化処理されたセルロース系微細繊維の水分散体と無水マレイン酸変性ポリプロピレンの水分散体とを先ず混合して撹拌しておいた後、そこにジエチレングリコールを追加混合した。
得られた混合水分散体を、3本ロール(AIMEX社製)に、ロール間隙400μm及び仕上げロール回転数200rpmとして通過させてバットに回収した。
混合水分散体を回収したバットを、内部温度を45℃に調整したギヤオーブンに3日間入れて混合水分散体から水分を除去することにより固形物を得た。
得られた固形物と、EPDM(EP24 JSR社製、エチレン含量54質量%、ENB含量4.5質量%)と、架橋剤の有機過酸化物(パークミルD 日本油脂社製)とを、セルロース系微細繊維の含有量がEPDM100質量部に対して5質量部及び架橋剤の有機過酸化物の含有量がEPDM100質量部に対して3質量部となるように、接線式密閉型混練機(ミクストロンBB−2 神戸製鋼社製)に投入して混練することにより、実施例1の伝動ベルト用ゴム組成物を作製した。
<実施例2>
固形物とEPDMと架橋剤の有機過酸化物との混練時に、セルロース系微細繊維の含有量がEPDM100質量部に対して10質量部となるようにしたことを除いて実施例1と同様にして作製した伝動ベルト用ゴム組成物を実施例2とした。
<実施例3>
混合水分散体の調製時に、セルロース系微細繊維の水分散体と、無水マレイン酸変性ポリプロピレンの水分散体と、ジエチレングリコールとを、それらの固形分比が1:3:2となるようにしたことを除いて実施例2と同様にして作製した伝動ベルト用ゴム組成物を実施例3とした。
<実施例4>
混合水分散体の調製時に、セルロース系微細繊維の水分散体と、無水マレイン酸変性ポリプロピレンの水分散体と、ジエチレングリコールとを、それらの固形分比が1:1:2となるようにしたことを除いて実施例2と同様にして作製した伝動ベルト用ゴム組成物を実施例4とした。
<実施例5>
固形物とEPDMと架橋剤の有機過酸化物との混練時に、セルロース系微細繊維の含有量がEPDM100質量部に対して20質量部となるようにしたことを除いて実施例4と同様にして作製した伝動ベルト用ゴム組成物を実施例5とした。
<実施例6>
固形物とEPDMと架橋剤の有機過酸化物との混練時に、セルロース系微細繊維の含有量がEPDM100質量部に対して50質量部となるようにしたことを除いて実施例4と同様にして作製した伝動ベルト用ゴム組成物を実施例6とした。
<実施例7>
混合水分散体の調製時に、ジエチレングリコールを混合せず、セルロース系微細繊維の水分散体と、無水マレイン酸変性ポリプロピレンの水分散体とを、それらの固形分比が1:5となるようにしたことを除いて実施例2と同様にして作製した伝動ベルト用ゴム組成物を実施例7とした。
<比較例>
混合水分散体の調製時に、無水マレイン酸変性ポリプロピレンの水分散体を混合せず、セルロース系微細繊維の水分散体と、ジエチレングリコールとを、それらの固形分比が1:2となるようにした。そして、この混合水分散体から得られた固形物とEPDMと架橋剤の有機過酸化物とを混練したが、均一な混練物を得ることができなかった。
Figure 2020075996
(試験方法)
<分散性指標>
実施例1〜7のそれぞれについて、オープンロールにより未架橋ゴムシートにし、それを170℃及び20分の条件でプレス成型して架橋させることにより、シート状の架橋ゴム組成物を得た。このシート状の架橋ゴム組成物から短冊状の試験片を切り出し、JIS K6394:2007に基づく動的粘弾性測定から、25℃におけるtanδを求めた。そして、実施例1のtanδを100としたときの相対値を分散性指標とした。ここで、この分散性指標が小さい程、分散性が優れるということができる。
<混練加工性指標>
実施例1〜7のそれぞれについて、JIS K6300−1:2013に基づいて125℃でのムーニー粘度を測定した。そして、実施例1のムーニー粘度を100としたときの相対値を混練加工性指標とした。ここで、この混練加工性指標が小さい程、混練加工性が優れるということができる。
<弾性率安定性指標>
実施例1〜7のそれぞれについて、オープンロールにより未架橋ゴムシートにし、それを170℃及び20分の条件でプレス成型して架橋させることにより、シート状の架橋ゴム組成物を得た。このシート状の架橋ゴム組成物から短冊状の試験片を切り出し、JIS K6394:2007に基づく動的粘弾性測定により、25℃及び100℃のそれぞれでの貯蔵たて弾性係数E’を求めた。そして、25℃での貯蔵たて弾性係数E’の100℃での貯蔵たて弾性係数E’に対する比を弾性率安定性指標とした。ここで、この弾性率安定性指標が1に近い程、弾性率安定性が優れるということができる。
(試験結果)
試験結果を表1に示す。これによれば、実施例1〜7のように、無水マレイン酸変性ポリプロピレンを含有すれば、セルロース系微細繊維の分散性、混練加工性、及び架橋後の弾性率安定性のいずれもが優れることが分かる。また、実施例1〜6と実施例7との比較から、ジエチレングリコールを含有すれば、セルロース系微細繊維の分散性及び架橋後の弾性率安定性のがより優れることが分かる。
本発明は、伝動ベルト用ゴム組成物及びその製造方法、並びにそれを用いた伝動ベルトの技術分野について有用である。
B Vリブドベルト,ローエッジVベルト,ラップドVベルト,平ベルト,歯付ベルト(伝動ベルト)
10 ベルト本体
20 表面補強布
30 ゴム糊接着層

Claims (11)

  1. エチレン−α−オレフィンエラストマーを主体として有するゴム成分と、セルロース系微細繊維と、カルボキシ変性ポリオレフィンと、を含有する伝動ベルト用ゴム組成物。
  2. 請求項1に記載された伝動ベルト用ゴム組成物において、
    前記エチレン−α−オレフィンエラストマーがエチレン・プロピレン・ジエンターポリマーを含む伝動ベルト用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載された伝動ベルト用ゴム組成物において、
    前記セルロース系微細繊維が化学解繊処理されたセルロース系微細繊維を含む伝動ベルト用ゴム組成物。
  4. 請求項3に記載された伝動ベルト用ゴム組成物において、
    前記セルロース系微細繊維がTEMPO触媒を用いて酸化処理されたセルロース系微細繊維を含む伝動ベルト用ゴム組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された伝動ベルト用ゴム組成物において、
    前記カルボキシ変性ポリオレフィンの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5質量部以上50質量部以下である伝動ベルト用ゴム組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載された伝動ベルト用ゴム組成物において、
    多価アルコールを更に含有する伝動ベルト用ゴム組成物。
  7. 請求項6に記載された伝動ベルト用ゴム組成物において、
    前記多価アルコールが2価アルコールを含む伝動ベルト用ゴム組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載された伝動ベルト用ゴム組成物の前記ゴム成分が架橋された架橋ゴム組成物が用いられた伝動ベルト。
  9. セルロース系微細繊維の水分散体とカルボキシ変性ポリオレフィンの水分散体とを混合して混合水分散体を調製し、前記混合水分散体から水分を除去して得た固形物を、エチレン−α−オレフィンエラストマーを主体として有するゴム成分と混練する伝動ベルト用ゴム組成物の製造方法。
  10. 請求項9に記載された伝動ベルト用ゴム組成物の製造方法において、
    前記セルロース系微細繊維の水分散体及び前記カルボキシ変性ポリオレフィンの水分散体に加えて、更に多価アルコールを混合して前記混合水分散体を調製する伝動ベルト用ゴム組成物の製造方法。
  11. 請求項10に記載された伝動ベルト用ゴム組成物の製造方法において、
    前記混合水分散体を調製するとき、前記セルロース系微細繊維の水分散体と前記カルボキシ変性ポリオレフィンの水分散体とを混合した後、前記多価アルコールを混合する伝動ベルト用ゴム組成物の製造方法。
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