JP6589124B2 - 樹脂構造体とその構造体を用いた電子部品、電子機器 - Google Patents

樹脂構造体とその構造体を用いた電子部品、電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、発熱体の熱を熱放射により外部へ放熱する効果がある樹脂構造体とその構造体を用いた電子部品、電子機器に関するものである。
近年のスマートホンやタブレット端末に代表される携帯型電子モバイル機器は、CPUの高速化に伴い発熱し易くなっている。発熱する電子機器の冷却は、通常、ファンを廻して風を送り、ヒートシンクから熱を対流によって放出する方法が取られている。
その場合、発熱デバイスとヒートシンクを繋ぐ部分には熱伝導性の良いシリコーングリースなどが用いられている。しかしながら、小型軽量で薄型のスマートホンやタブレット端末では、その薄型軽量という構造のため、ファンやヒートシンクを設置することは難しいため、放熱が大きな問題として、近年、クローズアップされてきている。
図7は、特許文献1に記載された放熱体15と発熱デバイス5を示す断面図である(特許文献1)。放熱体15は、発熱デバイス5の表面に塗られ、発熱デバイス5の熱を放熱する働きをするものである。放熱体15は、樹脂16とフィラー17から構成される。
図8は、特許文献2に記載の放熱体15である放熱シートの断面図である。放熱体15は、樹脂16とフィラー17から構成される。図7と異なり、放熱体15の表面にフィラー17が存在する。
特開平6−252572号公報 特開2003−133769号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、放熱体15表面にフィラー17が存在せず、フィラー17からの熱放射による放熱が阻害されている。結果、フィラー17を高充填させても、フィラー17からの熱放射の効率は上がらない。
一方、特許文献2の構成では、フィラー17が放熱体15の外部に出ている。しかし、フィラー17が小さく、フィラー17への熱伝達が十分でない。結果、特許文献2の構成では、放熱性が十分でない。
本発明は、従来の課題を解決するもので、放熱性の優れた樹脂構造体を提供することと、その構造体を用いた電子部品、電子機器を提供するものである。
上記目的を達成するために、樹脂と、錐体または多面体の形状のフィラーと、からなり、フィラーの最大辺の長さは、樹脂の厚み以上である樹脂構造体を用いる。上記フィラーの一部は、上記樹脂の厚さの1.5倍以上外部へ飛び出している樹脂構造体を用いる。発熱デバイスと、上記発熱デバイスの表面に位置する樹脂構造体と、を含む電子部品を用いる。上記電子部品を有する電子機器を用いる。
本願発明の樹脂構造体は、フィラーを樹脂層の外部に吐出させるので、放熱性が高い。
また、この樹脂構造体を発熱体に設けることで、発熱体から発生した熱を効率良く、空気中に放射する。このことで、発熱体の熱エネルギーを減らし、発熱デバイスの温度上昇を抑制することが可能となる。
この構造により、ファンやヒートシンクを設置することなく、優れた昇温抑制効果が得られた。
(a)本発明の実施の形態における樹脂構造体の断面図、(b)〜(d)フィラーの形状を示す図、(e)フィラーの方向がそろっていない樹脂構造体の断面図 本発明の実施の形態を作製する際に用いる放熱性評価素子を示す図 (a)本発明の実施の形態を作製する際に用いるフィラー吸引用金属板を示す図、(b)(a)にフィラーが配置された図 実施例1、2、比較例2、3の形態における放熱性評価ジグの断面図 比較例1の形態における放熱性評価ジグの断面図 本発明の実施例1の適用例を示す図 特許文献1の形態における従来の放熱体の断面図 特許文献2の形態における従来の放熱体の断面図
以下、本発明の実施の形態に係る構造体について説明する。図1(a)に、樹脂構造体1および電子部品2の断面図を示す。樹脂構造体1には、樹脂層3とフィラー4とが含まれる。電子部品2は樹脂構造体1と発熱デバイス5から構成される。点線矢印は、フィラー4の向いている方向を示す。
樹脂構造体1の基本構成として、熱硬化性樹脂からなる樹脂層3と、遠赤外線放射率0.9以上、粒径40μm以上1000μm以下で、アスペクト比1.2以上12未満の錐体または多面体の形状を有するフィラー4と、を有する。さらに、フィラー4を整列させ搭載させることにより、熱放射性の高い放熱樹脂の樹脂構造体1となる。
<樹脂層3>
実施の形態において使用され得る樹脂層3については、外部からの機械的刺激(突く、削る、裂く等)が及ぶ場合がある。そのため、樹脂がゴムのような柔らかい場合は、薄い膜が壊れる等の問題が発生するため、強固な硬化物であることが望ましい。そのため、樹脂層3は剛性の高く、熱硬化性である樹脂、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコント樹脂などから選ばれる一種または複数が望ましい。特に、液状エポキシ樹脂とイミダゾール硬化系は、薄い膜状の硬化物でも、高い剛性を有しているため、より好ましい。ただし、樹脂層3は、熱硬化性樹脂に限定されない。
<樹脂層3とフィラー4の量>
以下の実施例のところでさらに説明するが、樹脂層3の樹脂量は、樹脂層3の全体に対しての15〜35体積%の範囲とすることが好ましい。
その理由は以下である。この時、フィラー量は、85〜65体積%となる。
樹脂層3の量とフィラー4の量との合計を100体積%とした際に、樹脂層3の量が15体積%以下となると、フィラー4の量は85体積%より大きくなり、樹脂層3にフィラー4を搭載することが困難となる。つまり、取り扱い性が悪くなる。
逆に、樹脂層3の量が、樹脂層3の65体積%以上の場合、フィラー4の量が35体積%より小さくなり、樹脂層3の厚みより突出するフィラー4の表面積が小さくなり、熱放射の効率が不十分となる。よって、フィラー4の量は、65〜85体積%がよい。
樹脂層3は、フィラー4の底面を満たす以上の厚みがあればよい。
<フィラー4>
以下の実施例のところでさらに説明するが、フィラー4としては、遠赤外線放射率0.9以上で、粒径は40μm以上1000μm以下で、かつ、アスペクト比1.2以上12未満であり、錐体または多面体の形状を形成するものを用いることが好ましい。
フィラー4としては、遠赤外線放射率が0.9以上であるフィラーであれば、フィラー組成について特に限定することなく用いることができる。樹脂の遠赤外線放射率は0.6〜0.8であり、樹脂層3とフィラー4の混合物では樹脂層3の遠赤外線放射率が大きく影響するため、フィラー4の遠赤外線放射率は0.9以上であることが好ましい。0.9未満の場合、樹脂層3の遠赤外線放射率の影響を受け、樹脂層3の表面にフィラー4を搭載させても、組成物の遠赤外線放射率は0.9未満となり、熱放射の効率が不十分となる。
好ましくは、窒化アルミニウム、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタンなど酸化物系フィラーや、シリカを主成分としたタルクやカオリン、コージェライトなど鉱物系フィラーを使用することが望ましい。
<フィラー4の粒径>
フィラー4の粒径が、1000μmより大きい場合、整列し搭載する場合に、フィラー4の間に隙間ができてしまい、高充填化できない。
ここで粒径は、球状に近似した場合(同じ体積の球体)の直径である。
フィラー4の粒径が、40μmより小さい場合、寸法が小さいため、樹脂層3にフィラー4を整列し搭載することが困難である。そのため、フィラー4の搭載時の作業性が悪くなる。
特に、粒径が40μm以上1000μm以下の範囲である場合では、放熱性が良くなり、構造体として取り扱い性が良くなる。
また、フィラー4の粒径(最大辺)は、樹脂層3の厚み以上がよい。なぜなら、フィラー4が、樹脂層3の上面と下面を繋ぎ、発熱デバイス5の熱を樹脂層3を介さず、直接受け、放熱できるためである。同時に、樹脂層3へも熱を伝達できる。
<フィラー4のアスペクト比>
例えば、アスペクト比が12以上で、樹脂層3中に存在する粒子の長さが同じ場合、樹脂層3から突出しているフィラー4の表面積は大きくなる。この場合、フィラー4同士の距離が小さいと、フィラー4の突出部間で温度差がないため、熱放射としての効果は相殺され、放熱性は低下する。
ここでアスペクト比は、粒子を直方体で近似した場合に、一番長い辺(最大辺)の長さを一番短い辺(最小辺)で割った値である。
アスペクト比が1.2より小さい場合で、樹脂層3中に存在する粒子の長さが同じ場合、樹脂層3から突出しているフィラー4の表面積は小さくなる。さらに、フィラー4の形状は球状に近くなり、樹脂層3にフィラー4を整列し搭載することが困難である。
形状に関しては、錐体であれば、円錐体、三角錐体、四角錐体、多角錐体を使用することが好ましい。底面を樹脂層3中になるように配置できる。多面体としては、正四面体、正方面体、正14面体を使用することが好ましい。
本実施の形態において、フィラー4が球状の場合は、アスペクト比1.0以上1.1未満が必要である。フィラー4が錐体および多面体の場合は、アスペクト比1.1以上12未満である。まとめると、アスペクト比は、1.0以上、12未満である。
上記形状を有するフィラー4は、通常のフィラーよりも粒径が大きいものを含むため、フィラー4を製造する場合に、上記粒径の条件を満たすフィラー4を選択的に採取するか、もしくは下記のような製法で製造される。円錐体または角錐体などの錐状のフィラー4および多面体のフィラー4は、原料混合物を射出成形し、得られた成形体を焼結して製造される。
<フィラーの整列>
フィラー4を搭載する際、フィラー4のうち70%以上同じ方向を向いており、且つ、フィラー4の隣り合うフィラー4との距離(フィラーの中心間距離)がフィラー4の平均粒径未満となるように整列することが好ましい。この場合、フィラー4が密に配列され、かつ、フィラー4間の距離が確保できるので、放熱性が確保できる。
ここで、フィラー4の方向を図1(a)〜図1(d)の点線矢印で示す。方向とは中心軸の方向であり、先端が細くなっている方向である。フィラー4が、推体の場合、底面から先端の尖った部分へのベクトルである。フィラー4が、円錐台などの錐台の場合は、底面から上面の中心へのベクトルである。フィラー4の方向は、真上方向、つまり、電子部品2の上面に垂直の方向がよい。
逆に、搭載したフィラー4のうち70%以上同じ方向を向いていない場合、もしくは、フィラー4同士の距離がフィラー4の粒径よりも大きい場合、フィラー4が密に配列されず、放熱性が悪くなる。また、樹脂層3の表面が樹脂である割合が大きくなり、樹脂構造体1の遠赤外線放射率は0.9未満になり熱放射の効率が不十分となる。
ここで、70%の根拠は、下記の表1のところでも説明する。
なお、フィラー4の方向が異なる方向のものがある状態を図1(e)に示す。フィラー4間が、狭くなる部分が生じる。この結果、その部分から放熱がされにくくなる。放熱性が悪くなる。
<他のフィラー>
なお、樹脂層3を作製する際に、フィラー4として使用するフィラー4以外に熱伝導性の高いフィラーを樹脂層3に含有させることで樹脂層3の熱伝導率を上げ、熱伝導性および熱放射性の優れた放熱樹脂を構成することもできる。
以下に本発明について、実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例)
表1に、以下の実施例および比較例で使用した樹脂構造体1の組成を示す。
Figure 0006589124
樹脂構造体1の放熱性を評価するために、図2に示す放熱性評価素子7を作製する。
放熱性評価素子7は樹脂構造体1と金属基板6とからなる。
樹脂構造体1は、表1に示す実施例1の成分からなる樹脂層3を、メタルマスクを用いて、金属基板6に膜厚20μmに塗布し、120℃15分で半硬化する。
半硬化させた樹脂層3にフィラー4を搭載する際に、図3(a)に示すフィラー吸引用金属板8が装着された吸引機を使用する。図3(a)は、フィラー吸引用金属板8の斜視図を示す。フィラー吸引用金属板8は、フィラー4の底面部の径の2分の1に相当する複数の穴を有する板からなる。フィラー吸引用金属板8の上方へフィラー4を配置し、下方から吸引することで、フィラー4が穴に固定される。その状態を図3(b)に示す。フィラー吸引用金属板8により、フィラー4の先端部が複数の穴に吸引され、フィラー4が同方向に整列にした状態をつくる。この時、フィラー4の底面は金属基板6の上方へ向いている。
そして、半硬化させた樹脂層3の真上からフィラー4を、フィラー吸引用金属板8を用いて、搭載した後、120℃30分で再硬化する。結果、以下で使用する放熱性評価素子7が作製される。フィラー4の底面は、一部、金属基板6の表面に接している。
<放熱性評価ジグ>
放熱性を評価するために、上記放熱性評価素子7を用いて、図4に示す放熱性評価ジグ71を作製した。図4は、放熱性評価ジグ71の断面図である。放熱性評価ジグ71は、放熱性評価素子7と、熱電対埋め込み型発熱体9と、熱放射吸収部10とからなる。放熱性評価素子7は、上記方法により金属基板6に樹脂構造体1を塗布し作製したものである。
金属基板6として、60×60×1mm厚みのアルミニウム基板を用意した。放熱性評価素子7の裏面に熱電対埋め込み型発熱体9として60×60×10mm厚みのヒーターをシリコーン放熱グリースにより接着させ搭載した。
熱放射吸収部10は、放熱性評価素子7と、水冷ヒートシンク11とからなる。熱放射吸収部10は放熱性評価素子7の裏面に水冷ヒートシンク11として60×60×10mm厚みの水冷ヒートシンク11をシリコーン放熱グリースにより接着させ作製した。水冷ヒートシンク11にチラーを装着させ、25℃の水を循環させることにより、熱放射吸収部10は常時25℃一定とした。
(実施例1〜3)
上記の表1の条件で、放熱性評価素子7、放熱性評価ジグ71を作製した。上記評価をした。
(比較例1)
比較例1については、樹脂構造体1のない放熱性評価素子7を作製した。この場合、放熱性評価ジグ71は、図5のようになる。図5は、比較例1の時の放熱性評価ジグ71の断面図である。
(比較例2、3)
比較例2、3に係る放熱性評価素子7、放熱性評価ジグ71の作製は、実施例と同様、表1の条件下で、作製した。
つぎに、表1に示す成分から構成される放熱性評価素子7の遠赤外線放射率および昇温抑制温度変化の測定を行った。それぞれの評価方法は下記の通りである。
<遠赤外線放射率測定>
比較例1を除く上記の実施例および比較例の工程で得られた放熱性評価素子7に簡易型放射率測定装置(TSS−5X、ジャパンセンサー)を用いて、各サンプルの遠赤外線放射率を測定する。ここでの遠赤外線放射率は、波長域2〜22μmでの分光遠赤外線放射率を平均化した値である。
サンプルの遠赤外線放射率が0.9以上を満たすものは○、満たさないものは×とし、表1に示した。ただし、以下の昇温抑制率が10%以上のものであれば、総合判定として合格とする。
<昇温抑制温度変化測定>
上記の実施例および比較例の工程で得られた放熱性評価素子7を含む図4の放熱性評価ジグ71を25℃に保った恒温槽に設置し、無風状態で、ヒーターに電流を流す。
電圧を上げていき、比較例1に示した熱電対埋め込み型発熱体9の温度が85℃に達した条件で、他の例でも、ヒーターに電流を流す。この時、比較例1と他の例との熱電対埋め込み型発熱体9の温度差ΔTを以下の式1で求めた。
ΔT=〔85℃−他の例の熱電対埋め込み型発熱体9の温度〕・・・・(式1)
実施例1に示した樹脂構造体1で、昇温抑制の効果は、温度差(ΔT)11.9℃となる。
ここで、昇温抑制率を以下の式2とした。
昇温抑制率=(ΔT)÷85℃・・・・(式2)
○△×の判断基準としては、放熱塗料の多くが昇温抑制率10%前後であるため、昇温抑制率が、10%より小さいものを×、10%以上15%未満を△、15%以上を○とした。
昇温抑制率は、より大きいほうが好ましいが、10%以上を合格範囲とした。また使う用途にもよるが、昇温抑制率が、10%より小さい場合は、ペースト塗布等のコストを考慮すると、有効な手段とはいえない。
<放熱性の総合判定>
放熱性の合格基準として、遠赤外線放射率測定、昇温抑制温度変化測定のそれぞれで、両方○は、◎とした。×がどちらかにある場合、×とした。それ以外は○とした。
<フィラーの整列>
実施例および比較例に係る樹脂構造体1について、フィラー4が同方向に整列している割合(%)を表1に示す。ここで割合(%)とは放熱性評価素子7について断面観察を行った際、断面に存在するフィラー全てのうち金属基板6に対して垂直方向に整列しているフィラーの割合のことである。
垂直方向に整列とは、垂直方向に対して、±20度以内をいう。つまり、90度±20度以内あれば、整列しているとする。別の表現として、フィラー4の平均方向に対して、±20度以内である。
<表1の考察>
表1からの結果からも明らかなように、実施例に係る樹脂構造体1は、比較例に係るそれらよりも遠赤外線放射率が高く、放熱性(昇温抑制率)に優れている。
<フィラー濃度>
実施例1〜2のフィラー濃度から、フィラー濃度は65体積%以上85体積%以下がよい。
<フィラーの整列>
実施例1〜3と比較例3を比較すると、実施例1〜3についてはフィラーが70%以上同方向を向いているのに対し、比較例2では70%未満であるため、樹脂構造体1の遠赤外線放射率は0.9未満になり熱放射の効率が不十分となった。結果、フィラー4は70%以上同方向を向いていることが好ましい。
なお、比較例2では、フィラー4のアスペクト比1.0であり、球状である。フィラー4の整列性は評価できない。
<アスペクト比>
実施例2と比較例2を比較すると、比較例2で使用したアルミナは球状のものでありアスペクト比が1.2より小さい。実施例2では、1.2である。この差異によって、比較例2では、樹脂層3形成時にフィラー4が沈降してしまい、熱放射に寄与するフィラー4の面積が小さくなった。このため、比較例2でが、遠赤外線放射率、放熱性ともに悪くなった。結果、フィラー4のアスペクト比は、1.2以上がよい。
実施例2、3と比較例3を比較すると、比較例3で使用したグラファイトは板状のものでありアスペクト比が12より大きくなる。アスペクト比が大きすぎるため、樹脂層3から突出する量が増える。フィラー4突出部間で温度差がなくなるため、熱放射としての効果は小さくなり、放熱性は低下する。結果、フィラーのアスペクト比は、1.2以上12未満がよい。
<フィラー4の突出高さ>
また、フィラー4の突出部の高さについて、樹脂層3の膜厚20μmに対して、実施例2で使用するフィラー4の径は、50μmである。このため、フィラー4が金属基板6と接触し搭載されている場合は、フィラー4は樹脂層3よりも30μm突出している。結果、フィラー4の突出部の高さは樹脂膜厚に対して1.5倍となる。フィラー4が樹脂表面と接触し搭載されている場合は、フィラーは樹脂層3よりも50μm突出しているため、フィラー突起部の高さは樹脂膜厚に対して2.5倍となる。
したがって、実施例2ではフィラーの突出部の高さは樹脂層3の膜厚に対して1.5倍以上2.5倍以下となる。
実施例3の場合、フィラー4の粒径は100μmであるため、フィラー4の突出部の高さは樹脂層3の厚みに対して4.0以上5.0倍以下となる。
一方、比較例3で使用したフィラー粒径は150μmであり、フィラー突出部の高さは6.5倍以上となる。
上記フィラーのアスペクト比とフィラー突出部の高さの関係から、比較例3ではフィラー同士の距離が小さくなり、フィラーの突出部で温度差がなくなったため、熱放射としての効果は相殺され、放熱性が悪くなった。
以上の理由から、フィラー突出部の高さは前記樹脂から成る樹脂部3の厚みに比べて少なくとも1.5倍以上5.0倍以下が好ましい。
<全体のまとめ>
以上、説明したように本実施の形態の樹脂構造体は、熱硬化性樹脂と、放射率0.9以上で粒径40μm以上1000μm以下でアスペクト比1.2以上12未満の錐体または多面体の形状を形成するフィラーを用いる。そして、フィラーの突出部の高さが、樹脂から成る樹脂部の厚みに比べて1.5倍以上5倍以下となるように、フィラーを樹脂部表面に整列させ、搭載した構造を有する樹脂構造体とする。
上記構成により、きわめて高い遠赤外線放射率を有し、かつ取り扱い性に優れた放熱性樹脂を得ることができる。
本実施の形態の高熱放射性放熱樹脂は、きわめて高い遠赤外線放射率を有し、かつ取り扱い性に優れた放熱性を有し、発熱体の熱を熱放射により外部へ放熱し、温度上昇を抑制することができる。
本実施の形態の適用例を図6に示す。図6は、樹脂構造体1と、発熱体12と、基板13と、タブレット筐体14とからなる。このように、タブレット筐体14の内側で、ファンやヒートシンクを設置することができない小型軽量で薄型のスマートホンやタブレット端末の放熱用途にも適用できる。
本発明の樹脂構造体は、発熱部品・発熱部材の放熱として利用できる。パソコンなどの情報機器、携帯電話などの携帯機器中の発熱部品・発熱部材の放熱に利用できる。その他、家電、自動車で使用される発熱部品・発熱部材の放熱に利用できる。
1 樹脂構造体
2 電子部品
3 樹脂層
4 フィラー
5 発熱デバイス
6 金属基板
7 放熱性評価素子
8 フィラー吸引用金属板
9 熱電対埋め込み型発熱体
10 熱放射吸収部
11 水冷ヒートシンク
12 発熱体
13 基板
14 タブレット筐体
15 放熱体
16 樹脂
17 フィラー
71 放熱性評価ジグ

Claims (9)

  1. 樹脂と、
    錐体または多面体の形状のフィラーと、からなり、
    前記フィラーの最大辺の長さは、前記樹脂の厚み以上である樹脂構造体であり、
    前記フィラーの含有率が、前記樹脂の組成中65体積%以上85体積%以下である樹脂構造体。
  2. 発熱デバイスと、
    前記発熱デバイスの表面に位置する樹脂構造体と、
    を含み、
    前記樹脂構造体は、樹脂と、錐体または多面体の形状のフィラーと、からなり、
    前記フィラーの最大辺の長さは、前記樹脂の厚み以上である樹脂構造体であり、
    前記フィラーの含有率が、前記樹脂の組成中65体積%以上85体積%以下である電子部品。
  3. 発熱デバイスと、
    前記発熱デバイスの表面に位置する樹脂構造体と、
    を含み、
    前記樹脂構造体は、樹脂と、錐体または多面体の形状のフィラーと、からなり、
    前記フィラーの最大辺の長さは、前記樹脂の厚み以上である樹脂構造体であり、
    隣り合う前記フィラー間の距離は、前記フィラー粒径未満となるように整列した構造であり、
    前記樹脂構造体の前記フィラーは、
    遠赤外線放射率0.9以上、粒径40μm以上1000μm以下、アスペクト比1.2以上12未満である電子部品。
  4. 発熱デバイスと、
    前記発熱デバイスの表面に位置する樹脂構造体と、
    を含む電子部品であり、
    前記樹脂構造体は、
    樹脂と、
    錐体または多面体の形状のフィラーと、からなり、
    前記フィラーの最大辺の長さは、前記樹脂の厚み以上であり、
    前記フィラーの一部は、前記樹脂の厚さの1.5倍以上、前記発熱デバイスの表面に対向する面から外部へ飛び出し、前記外部へ放熱し、
    前記樹脂構造体は、熱を熱放射により前記外部へ放熱し、
    前記樹脂構造体の前記フィラーは、遠赤外線放射率0.9以上、粒径40μm以上1000μm以下、アスペクト比1.2以上12未満である電子部品。
  5. 前記樹脂構造体の前記フィラーの一部は、前記樹脂の厚みの5倍未満まで外部へ飛び出している請求項2〜4のいずれか1項に記載の電子部品。
  6. 前記樹脂構造体の前記フィラーの中心軸の方向がそろっている請求項のいずれか1項に記載の電子部品。
  7. 前記樹脂構造体の前記フィラーの中心軸の方向は、前記フィラーの中心軸の平均方向に対して、±20度以内である請求項項に記載の電子部品。
  8. 前記フィラーの中心軸の方向は、前記電子部品の表面に垂直方向に対して、20度以内である請求項のいずれか1項に記載の電子部品。
  9. 請求項のいずれか1項に記載の電子部品を有する電子機器。
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