JP2004363310A - Cpu用放熱器 - Google Patents
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Abstract
【課題】設備的に大きく手を加えることなく、低コストで、放熱性効果の大きいCPU用放熱器を提供する。電子機器の小型化、CPUの信頼性向上を可能にするものである。
【解決手段】アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜、珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムの水溶液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末並びにカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜又はシリコーン樹脂を含むエマルジョン、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜を備えたコンピュータCPU用放熱器である。フィンから構成されるヒートシンク本体にファンモータを配置するための取り付けカバーの外表面及び/又はヒートシンク最外側に位置するフィンの外面に皮膜を形成せしめるのがよい。皮膜の厚みは、10〜100μmが好ましい。
【選択図】図2
【解決手段】アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜、珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムの水溶液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末並びにカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜又はシリコーン樹脂を含むエマルジョン、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜を備えたコンピュータCPU用放熱器である。フィンから構成されるヒートシンク本体にファンモータを配置するための取り付けカバーの外表面及び/又はヒートシンク最外側に位置するフィンの外面に皮膜を形成せしめるのがよい。皮膜の厚みは、10〜100μmが好ましい。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CPU用放熱器に関する。更に詳しくは、放熱性に優れたCPU用の放熱器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコン、携帯端末PC、プリンタ、FAX器、携帯電話等の電子機器類の高密度化に伴い、機器内部に用いられる各パーツ部品の小型化が必須となってきている。OA機器以外の精密工作機械、産業用小型ロボットといったFA機器関連等の分野においても、電子化技術と半導体集積化技術開発のために部品の小型化が加速している。
【0003】
各種電子機器の小型化に際しては、半導体等の内部素子及び電子回路部の発熱による部品や機器の温度上昇が大きな問題となっている。機器の小型化によって、温度上昇が一段と高くなり、この温度上昇が機器の信頼性や寿命に大きく影響するようになってきている。特に、CPUの発熱量は大きいので、CPUが発生する熱を如何に発散させるかが重要な課題となっている。
【0004】
CPUの発熱問題を解決するために、機器装置内部の温度上昇を抑える工夫が色々為されている。従来、放熱フィン及び冷却フアンを設けて熱を外部に発散させることが広く行われている。しかしながら、最早これだけでは不十分な状況に立ち至っている。
【0005】
CPU冷却装置として、ソケットにおけるCPU取付部の後側に設けられた畝状突出部の上に、吐出し口を前方に向けて配置されたファンを備えたものが、特開2002−190562号公報(特許文献1参照)に記載されている。発熱部品、発熱部品と冷媒とで熱交換を行い発熱部品を冷却する冷却器、冷媒から熱を取り除くファンを設け、冷媒をこららの間を循環させて、発部品を冷却する冷却装置が特開2002−368471号公報(特許文献2参照)に記載されている。また、特開2002−309180号公報(特許文献3参照)には、塗料中に浮力を有する中空体を含有せしめ、素地面から塗膜表面に向かって中空体の密度が粗から密になるようにして、熱伝導率が表面層で最も小さくなるように熱伝導率に勾配を賦与した皮膜を形成せしめ、CPUの発生した熱を効果的に放熱することが記載されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1のようにファンモータやヒートシンクのフィンの構造や設置位置を変えただけでは、CPUの放熱効果は若干は改善されるが、基本的には不十分であり、特許文献2の様に冷媒を循環させる方法は、装置が大型化合物の方向にあり、小型化の潮流に逆行するものである。また、特許文献3の塗膜は、逆に熱伝導量を抑えることになり逆効果になる問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−190562号公報
【特許文献2】
特開2002−368471号公報
【特許文献3】
特開2002−309180号公報
【特許文献4】
特開平1−223191号公報
【特許文献5】
特開昭63−207868号公報
【特許文献6】
特開平3−47883号公報
【特許文献7】
特公昭63−54314号公報
【特許文献8】
特開昭60−213743号公報
【特許文献9】
特開昭59−218844号公報
【特許文献10】
特開昭57−128753号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、設備的にも大きく手を加えることなく、低コストで、放熱性効果の大きいCPU用放熱器を提供しようとするものである。本発明者等は、特定のコーティング材で皮膜を形成することにより、CPU用放熱器の放熱効果が向上することを見出し、本発明を完成させたのである。ここで放熱性というのは、CPUに蓄積した熱をCPU外に放出し、CPU及びそのCPUを使用する電子機器の温度上昇を抑える特性をいう。
【0009】
本発明は、CPU用放熱器に特定の皮膜を形成せしめ、CPUに蓄積された熱を放射することにより、CPU自身の温度上昇を抑えるとともに、そのCPUを使用する機器の温度上昇を抑えるものである。CPU、機器、部品等の温度上昇を抑えることにより、機器の小型化を容易にすることができる。ここでCPU用放熱器というのは、CUPが発生する熱を外部に発散させて、CPUの温度上昇を防止するための装置、機器をいう。放熱器は、一般的には、ヒートシンクとも呼ばれている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜を有する放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器である。そして、アルコキシシランが、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランの少なくとも一種を含有することができる。更に、チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドを更に混合することができる。
【0011】
また、珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムの水溶液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末並びにカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜を有する放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器である。
【0012】
更に、シリコーン樹脂を含むエマルジョン、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜を有する放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器である。
【0013】
放熱器がフィン型ヒートシンクを備え、ヒートシンクの取り付けカバーの外表面及び/又はヒートシンク最外側に位置するフィンの外面に皮膜を形成せしめたことを特徴とする放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器であり、また、放熱器がフィン型ヒートシンク及びファンモータを備え、ファンモータをヒートシンクに取り付ける取り付けカバーの外表面及び/又はヒートシンク最外側に位置するフィンの外面に皮膜を形成せしめたことを特徴とする放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器である。そして、皮膜の厚みは、10〜100μmとするのが好ましい。
【0014】
本発明における皮膜は、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜、珪酸ナトリウムの水溶液、珪酸カリウムの水溶液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜又はシリコーン樹脂を含むエマルジョン、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜である。即ち、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末をアルコキシシランを含むバインダー、珪酸ナトリウム水溶液と珪酸カリウム水溶液を含むバインダー又はシリコーンエマルジョンを含むバインダーに分散させ懸濁液となし、この懸濁液をCPU用放熱器に塗布し形成せしめた皮膜である。
【0015】
皮膜の構成成分として、酸化珪素、酸化アルミニウム及びカオリンの他にも、各種の金属酸化物や窒化物を使用することができる。即ち、金属酸化物としては酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化錫、酸化銅、酸化鉄、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化アンチモン、酸化硼素、酸化バリウム、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム等の金属酸化物の少なくとも1種を含有することができる。金属酸化物以外に、窒化硼素、窒化アルミニウム、窒化ジルコニウム、窒化錫、窒化ストロンチウム、窒化チタン、窒化バリウムや窒化珪素等の窒化物を含有することができる。
【0016】
皮膜中に含有させる金属酸化物、カオリンや窒化物等は、その粒径を15μm〜100nmとするのがよい。より好ましくは、10μm〜80nmの粒径のものを使用する。この粒径のものを使用することにより、皮膜の表面が滑らかで綺麗になるとともに放熱の効率が高まる。
【0017】
カオリンは、重量でアルコキシシラン、珪酸ナトリウムと珪酸カリウムを合わせたもの又はシリコーン樹脂1に対して0.1〜20添加することが好ましい。また、金属酸化物の添加量は、重量でアルコキシシラン、珪酸ナトリウムと珪酸カリウムとを併せたもの又はシリコーン樹脂1に対して0.5〜70添加することが好ましい。これは、皮膜形成性を維持しながら、高い放熱性能を保持するためである。
【0018】
既に述べたように、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末等をアルコキシシランを含むバインダー、珪酸ナトリウム水溶液と珪酸カリウム水溶液を含むバインダー又はシリコーンエマルジョンを含むバインダーに分散させ懸濁液となし、この懸濁液をCPU用放熱器に塗布し皮膜を形成せしめる。このとき、懸濁液の粘度が高くなるようであれば、必要に応じて、溶剤や水を添加して、粘度を調整する。このようにして得た懸濁液を対象物に塗布することにより、皮膜を得ることができる。懸濁液を対象物に筆塗り、スプレー、ローラー、印刷等により塗布し、常温又は加温にて乾燥後、更に、必要に応じて、80℃〜300℃で熱処理することにより、金属表面との密着度の高い皮膜を得ることができる。
【0019】
皮膜は、適度の厚みをもってCPU用放熱器に形成せしめる。図1に示したように、CPU1の上に放熱器3が設けられ、図には示されていないが放熱器の中には放熱用のフィンが設けられている。CUP1と放熱器3とは、熱伝導性のグリス(ジェル)2を介して接続されている。尚、図1にはCPUの温度を測定するための熱電対保持板4がCPU1とジェル2の間に設けられている。また、図2に放熱器の分解図を示した。放熱器3は、放熱器フィンからなるヒートシンク本体7、ファンモータ5、ファンモータ5をヒートシンク本体7に取り付けるための取り付けカバー6とから構成されている。本発明における皮膜は、取り付けカバー6の側面8及び端面9等の取り付けカバー6の外表面に形成せしめる。取り付けカバー6に側面8が無い場合は、最外層に位置するフィン10の外面に皮膜を形成せしめる。CPUで発生する熱は、フィンとファンモータによる空気流によって取り除かれるとともに、取り付けカバー6に形成せしめた皮膜を介しても放熱され、CPUの温度の上昇を抑えることができる。CPUの温度上昇を抑えることにより、CPUを使用する各種電子機器の寿命を延ばすとともに信頼性が高くなる。以上放熱器には、フィンとファンモータとが設けられるとしたが、ファンモータは設けずにフィンのみを設けてもよい。尚、CPU用放熱器3の組立図を図3に示した。
【0020】
本皮膜の膜厚は、或る程度の厚さがないと放熱効果は充分に発現しないが、逆に厚さが大きすぎると皮膜に蓄熱作用が起こり、放熱効果が不十分になる。本発明の実験によると膜厚は100μm以下が好ましく、更に好ましくは10μm〜100μm、特に好ましくは30μm〜80μmである。
【0021】
本発明における皮膜は、優れた抗ヒートショック性等の耐熱性、放熱性、遮熱性等の特性を有する。また、蓄熱したエネルギーを遠赤外線として空気中に放射する能力が高く、放射率0.95という高い数値を示す。内部に蓄積した熱を遠赤外線という電磁波に変換して効率よく放射し、物体の温度上昇を抑えることができる。効率良く遠赤外線を放射するということは、内部に蓄積した熱を遠赤外線という電磁波に変換して効率よく放熱することを意味し、結果として温度上昇を抑える効果をもたらす。これは空気流という手段を用いずに効率よく放熱するという結果を導く。従来遠赤外線の放射能力が高いとされている物質(例えば、ゼオライト、コージェライト、アパタイト、ドロマイト等)の放射特性を見ると、4ミクロン乃至14ミクロンの波長全ての領域にわたって高い遠赤外線の放射特性をもつわけではなく、波長によって放射率に相違がある。多くの場合、9ミクロン波長前後の鎮域で放射率が下がる傾向が見られる。一方、本発明が提供する組成物の放射する遠赤外線は4ミクロン乃至14ミクロン波長の全ての領域にわたって0.9以上の放射率を維持し、非常に放射効率の高いものとなっている。
【0022】
アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液、酸化珪素、酸化アルミニウム、カオリン等の混合物から形成せしめた皮膜は、基本的には、アルコキシシランの加水分解・縮合により形成されるものである。即ち、アルコキシシランが加水分解をしてコロイダルシリカの表面に存在するシラン基とも結合しながら、皮膜を形成する。アルコキシシランの加水分解によって皮膜を形成することは、例えば、特開平1−223191号公報(特許文献4参照)、特開昭63−207868号公報(特許文献5参照)、特開平3−47883号公報(特許文献6参照)等に記載されている。
【0023】
前記特開平1−223191号公報、特開昭63−207868号公報、特開平3−47883号公報等には、遠赤外線放射性に優れたコーティング組成物が記載されている。しかしながら、前記コーティング組成物は、ヒータや加熱器等において、加熱効果を高めることを目的にしており、本発明は、温度の高い物体から熱を放出し、温度上昇を抑えようとするもので、その目的及び効果の点で、前記特許文献記載の発明とは異なるものである。
【0024】
アルコキシシランは水が存在すると加水分解・縮合が起こるので、使用直前までは水の存在しない状態に保つのがよい。即ち、水溶性溶媒の溶液として保存しておくのである。使用時に、アルコキシシランの水溶性溶媒溶液、コロイダルシリカの水分散液、酸化珪素、酸化アルミニウム、カオリン等を混合し、CPU用放熱器に塗布し皮膜を形成せしめる。コロイダルシリカの水分散液に存在する水の作用を受けて、アルコキシシランが加水分解・縮合し皮膜を形成する。
【0025】
アルコキシシラン溶液は、使用直前に、コロイダルシリカの水分散液と金属酸化物粉末等と混合される。アルコキシシラン溶液とコロイダルシリカの水分散液との混合割合は、コロイダルシリカ(固形分)が、アルコキシシランに対して重量比で、0.01〜1となるように混合することが好ましい。コロイダルシリカ水分散液の水は、アルコキシシランの加水分解に寄与する。同時に、アルコキシシランがその加水分解の過程でコロイダルシリカのシラノール基と反応しコロイダルシリカを抱き込んだ形で皮膜を形成することができる。コロイダルシリカは、膜形性、膜の保持性及び放熱性、遮熱性に寄与する。
【0026】
また、チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドを混合させることができる。チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドは、単体として使用してもよいし、溶液として使用することもできる。溶液として使用する場合には、チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドの有機溶媒の溶液状態で使用してもよいし、アルコキシシランの溶液に更にチタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドを混合してもよい。そして、チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドは、アルコキシシランの珪素原子に対してチタン及び/又はアルミニウム原子が0.01〜0.5の割合で添加されることが好ましい。チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドは、水によりアルコキシシランとともに共加水分解し、チタン及び又はアルミニウムを主鎖に含む皮膜を形成する。
【0027】
アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン(モノ有機基置換アルコキシシラン)、ジアルコキシシラン(ジ有機基置換アルコキシシラン)等を使用することができる。これらアルコキシシランを適宜混合して使用することもできる。アルコキシシランは、使用直前までは、水の存在しない状態、即ち、水を含まない溶液の状態に保持する。溶液に使用する溶媒は、水の溶解する水溶性の溶媒を使用する。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホオキシド、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド等の溶媒である。中でも、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、N−メチルピロリドン、メチルフォルムアミド、メチルアセトアミド、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド等の溶媒が好適に使用できる。
【0028】
アルコキシシランの具体的な例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、ジチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、更には、エポキシ基を有する有機基を有していてもよい。チタンアルコキシドの具体的な例としては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、アルミニウムアルコキシドの具体的な例としては、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシド等を使用することができる。但し、これらに限定されるものではない。
【0029】
コロイダルシリカは、周知技術に基づきテトラアルコキシシラン(テトラアルキルシリケート)を加水分解することにより容易に得ることができる。市販もされている。例えば、テトラエチルシリケートを塩酸、硝酸、アンモニア等の触媒の存在するエチルアルコールと水の混合液中に滴下し加水分解し、加水分解後エチルアルコールと触媒を、例えば、真空下に除去することにより、コロイダルシリカの水分散液を得る。このコロイダルシリカの粒径は、ミクロンオーダーないしそれ以下の小さいものである。コロイダルシリカは表面にシラノール基を有している。コロイダルシリカの水分散液中のコロイダルシリカの量は、10〜60重量%程度である。この量は、加水分解時に使用する水の量で適宜調製することができる。シリケートの加水分解後、水を加えて調製することもできる。
【0030】
アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等との混合物をCPU用放熱器に塗布し皮膜を形成せしめる。被膜を形成する直前に、アルコキシシランの溶液とコロイダルシリカの水分散液を先ず混合し、この混合液に金属酸化物粉末等を加えて懸濁液を得る。同時に、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等を混合してもよい。これらの混合物は懸濁液となる。この懸濁液をCPU用放熱器に塗布し皮膜を形成せしめる。
【0031】
皮膜形成のために珪酸のアルカリ金属塩を使用することができる。珪酸のアルカリ金属塩としては、具体的には、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムや珪酸リチウムを使用することができる。珪酸ナトリウム、珪酸カリウムや珪酸リチウム等の珪酸塩は、水溶液として供給されるので、珪酸のアルカリ金属塩の水溶液に金属酸化物、カオリンや窒化物を添加、混合し、更に、必要に応じて水を加えて懸濁液となし、この懸濁液を対象物に塗布することにより、本発明における皮膜を得ることができる。
【0032】
珪酸のアルカリ金属塩は、具体的には、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムや珪酸リチウムを使用しうるが、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムの両者を混合使用するのがよい。混合使用する際、珪酸ナトリウムと珪酸カリウムの割合は重量で、珪酸カリウム1に対して珪酸ナトリウム0.5〜7(固形分ベース)が好ましい。
これは、珪酸ナトリウムの量が多いと、皮膜の水除去、即ち、乾燥が困難で皮膜形成が難しく、また、珪酸カリウムの量が多いと膜形性能が低下するので、適量の珪酸ナトリウムと珪酸カリウムを併用使用するのが好ましい。
【0033】
また、皮膜形成のためにシリコーン樹脂を含むエマルジョンを使用することができる。即ち、シリコーン樹脂を含むエマルジョンに酸化珪素、酸化アルミニウム及びカオリン等を混合し、更に、必要に応じて水を加えて懸濁液となし、この懸濁液をCPU用放熱器に塗布し被膜を形成せしめる。シリコーン樹脂を含むエマルジョンに酸化珪素、酸化アルミニウム及びカオリン等を混合して得た懸濁液において、シリコーン樹脂エマルジョンがこの懸濁液に占める割合は30〜70重量%であることが好ましい。それは、シリコーン樹脂エマルジョンの量が少ないと、皮膜の安定性が低下し、同時に、皮膜のCPU用放熱器への接着性が低くなるからである。シリコーン樹脂エマルジョンの量が多すぎると、金属酸化物等の量が相対的に少なくなり、放熱効果が小さくなる。
【0034】
シリコーン樹脂のエマルジョンは、非水溶性のシリコーン樹脂を主として水に分散させたエマルジョン状態のものである。シリコーン樹脂エマルジョンは、大別すると以下の5方法で得ることができる。即ち、1)アルキルシリケート化合物又はその部分加水分解・縮合物を各種界面活性剤を用いて乳化し、水性エマルジョンとする方法(特開昭58−213046号、特開昭62−197369号、特開平3−115485号、特開平3−200793号公報)。このエマルジョンに、更に重合性ビニルモノマーを乳化重合したエマルジョンを混合することもできる(特開平6−344665号公報)、2)界面活性剤を使用せずにアルキルシリケート化合物を水中で加水分解して得られる水溶性ポリマーの存在下、ラジカル重合可能なビニルモノマーを乳化重合する方法(特開平8−60098号公報)、3)ビニル重合性アルキルシリケートを含有するアルキルシリケート混合物を加水分解・縮合することにより、固形のシリコーン樹脂を含む水性エマルジョンとし、更にラジカル重合性ビニルモノマーを加え、乳化重合することにより、グラフト共重合体微粒子(固形)エマルジョンを得る方法(特開平5−209149号、特開平7−196750号公報)、4)ラジカル重合性官能基を乳化重合したエマルジョンにアルキルシリケート化合物を添加し、加水分解・縮合させ、エマルジョン粒子中にシリコーン樹脂を導入する方法(特開平3−45628号、特開平8−3409号公報)、5)ビニル重合性官能基含有アルキルシリケートを、ラジカル重合性ビニルモノマーと共に乳化重合し、エマルジョンを作成する方法(特開昭61−9463号、特開平8−27347号公報)等の方法で得ることができる。また、市販品として入手することもできる。
【0035】
シリコーン樹脂をバインダーに使用する塗料、皮膜に関しては、アルミナ単独又はアルミナに無機質酸化物を混合したものをシリコーン樹脂バインダーに分散させた遠赤外線放射用塗料が記載された特公昭63−54314号公報(特許文献7参照)、酸化珪素若しくは酸化アルミニウム及びポリシロキサン樹脂の硬化体よりなる被覆を赤外線輻射面に設けることが記載された特開昭60−213743号公報(特許文献8参照)、ポリシロキサン樹脂とマイカ粉末酸化物の硬化体を赤外線輻射面にコーティングすることが記載された特開昭59−218844号公報(特許文献9参照)、遠赤外線輻射物質、シリコーン系樹脂、融剤及び溶剤からなる遠赤外線輻射用塗料が記載された特開昭57−128753号公報(特許文献10参照)が知られているが、これらはいずれも暖房、調理用の加熱に使用するもので、加熱体の加熱効率を高めるためのものであり、本発明は、温度の高い物体から熱を放出し、温度上昇を抑えようとするもので、その目的及び効果の点で、本発明は前記特許文献記載の発明とは異なるものである。
【0036】
エマルジョンにするシリコーン樹脂は、耐熱性、接着性、電気的性質に優れるものである。エマルジョン状態のシリコーン樹脂は、金属酸化物や窒化物のバインダーとなるとともに、これら金属酸化物や窒化物を塗膜面に接着させ、安定した、強固な塗膜を形成する役割を担うものである。
【0037】
上記いずれかの方法で得たシリコーン樹脂を含むエマルジョンに、金属酸化物を含有させる。シリコーン樹脂を含むエマルジョンに金属酸化物等の粉末を添加混合して、エマルジョン性の懸濁液を得る。シリコーン樹脂を含むエマルジョンには、元々水が存在するので、この水に金属酸化物等が懸濁状態で混合され、シリコーン樹脂と金属酸化物等とを含むエマルジョン性の懸濁液を得ることができる。
【0038】
このエマルジョン性懸濁液に加える金属酸化物等の量が相対的に多くなると、エマルジョン性懸濁液の粘度が高くなる場合がある。このような場合には、適宜水を加えてエマルジョン性懸濁液の粘度を調節するのがよい。また、逆に、シリコーン樹脂を含むエマルジョンの水分量が多くて、金属酸化物等を含有させたエマルジョン性懸濁液の粘度が小さい場合もある。このように粘度の小さい場合は、適宜増粘剤を加えて粘度を調整することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をその実施形態に基づいて説明する。図2〜3に示したように、CPU用放熱器3は、フィンから構成されるヒートシンク本体7、ファンモータ5、ファンモータ5をヒートシンク本体7に取り付けるための取り付けカバー6とから構成されている。CPU用放熱器3は、図1に示すように、熱伝導性のグリス(ジェル)2を介してCPU1に接続されている。CPU1の温度を測定するために、熱電対11を保持した熱電対保持板4がCPUとジェル2の間に設けられている。取り付けカバー6はヒートシンク本体7をカバーするとともにファンモータ5をヒートシンク本体7に接続する役割を担っている。取り付けカバー7には、側面8が設けられる。側面8は、ヒートシンク本体7のフィンと平行に配置される。フィンに垂直な面はフィン冷却用の空気の通路となるので、フィンに垂直な面には側面は配置されない。また、取り付けカバー6にはファンモータ5の固定を促すために端面9が配置されている。側面8は設けられない場合もある。また、図1〜3では、側面8には複数の孔があけられているが、これらの孔は必ずしもあける必要はなく、孔をあけてもよいし、あけなくてもよい。放熱器にはフィンとファンモータを設ける旨説明したが、ファンモータは必ずしも設けなくてもよい。フィンのみを設けて、取り付カバーの外表面に皮膜を形成せしめてもよい。この際、取り付けカバーに側面が無い場合には、フィンの最外層に位置するフィンの外面に皮膜を形成せしめることもできる。
【0040】
CPU用放熱器3において、取り付けカバーの外表面に皮膜を形成せしめるのが本発明の特徴である。図2〜3に示したCPU用放熱器3においては、外表面は側面8と端面9である。これらの側面8と端面9に皮膜を形成せしめる。側面8と端面9はそれぞれ二面あるので各2面とも皮膜を形成せしめることは言うまでもない。側面8が設けられない場合には、ヒートシンク本体7のフィンの最外層に位置する2個のフィン10の外面に皮膜を形成せしめる。側面8が存在する場合にも、最外層のフィン10に皮膜を設けてもよいが、この場合は、フィン10に設けた皮膜の効果は大きくはない。皮膜の形成箇所は、側面と端面に限られるものではない。取り付けカバーの形状によって、側面、端面が異なってくるからである。本発明の特徴は、取り付けカバーの外表面、即ち、取り付けカバーが大気と接する面に皮膜を形成せしせしめることにある。
【0041】
図1〜3に示すように、銅製のフィンがヒートシンク本体7を構成し、その周囲を囲うようにアルミニウムやスチール製の取り付けカバー6が配置されるている。取り付けカバー6の上方にはファンモータ5が設けられている。CUP1で発生した熱は、ヒートシンク本体7に伝導され、フィンから放熱される。ファンモータでフィン付近に滞留した温度の高い空気を外部に排出して、CPUの温度上昇を防止する。
【0042】
取り付けカバー6の外表面(8、9)に皮膜を形成することにより、この外表面から同様に熱が放熱されて、CPUの温度上昇を更に防止する。即ち、フィンとファンモータによる冷却効果に加えて、皮膜による冷却効果がプラスされて、大きな放熱効果が発現する。皮膜は、既に述べたように、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜であり、珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムの水溶液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末並びにカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜であり、シリコーン樹脂を含むエマルジョン、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜である。
【0043】
CPU用放熱器における取り付けカバー外表面に皮膜を形成せしめることにより、CPUの温度上昇を防止することができる。これは、皮膜の持つ遠赤外線放射性能を利用し、熱エネルギーを遠赤外線に変換して空気中に放射させることで、熱エネルギーを減少させ結果として放熱性能を高めることになり、大きな放熱効果をもたらすものである。これは、従来放熱対策において用いられた熱伝導や対流という方法だけでなく、熱エネルギーの放射という方法を加えることによって、より効率の高い放熱対策を施すものとなっている。
【0044】
【実施例1】
メチルトリメトキシシラン300重量部、ジメチルジメトキシシラン170重量部、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン30重量部、テトラブトキシチタン15重量部をN−メチルピロリドン485重量部に溶解した溶液、シリカ固形分として20重量%の酸性コロイダルシリカの水分散液1000重量部とを混合した。この混合液の700重量部をとり、カオリン110重量部、酸化珪素粉末435重量部、酸化アルミニウム粉末190重量部及び酸化ジルコニウム粉末120重量部を加え、攪拌混合して、懸濁液を得た。この懸濁液を取り付けカバー6の側面8と端面9の全面に塗布し、大気中で風乾した。皮膜厚は52μmであった。続いて95℃で30分乾燥し、更に、100℃で60分熱処理した。
【0045】
上記皮膜を形成せしめた取り付けカバーを装着したCPU用放熱器を用いて、CPUの温度上昇の程度を測定した。皮膜を形成したのは、図2〜3において取り付けカバー6の側面8と端面9である。いずれも前後の両面に亘って皮膜を形成した。この取り付けカバー6の上にファンモータ5を装着し、CPU用放熱器3を組み立てた。このCPU用放熱器3を、図1に示したように、熱電対保持板4及びジェル2を介してCPU1に接続した。CPU用放熱器3を備えたCPU1を、市販の温度測定用マザーボードに装着し、通常のパソコン筐体に配置した。CPU1には75Wの付加を掛けて、CPU1の温度上昇を追跡した。温度上昇の時間曲線を図4に示した。図4において、記号Aは取り付けカバー6の外表面に皮膜を形成しない場合のCPU温度上昇曲線を示し、記号Bは取り付けカバー6の外表面である側面8と端面9に皮膜を形成した場合のCPUの温度上昇曲線を示す。測定開始後8分で皮膜の有り無しで、15℃程度の温度差が生じ、皮膜を形成した場合のCPUの温度は低く、皮膜の温度上昇防止効果が認められた。30分後には、温度はほぼ平衡状態に達し、この状態で、皮膜を形成した場合のCPUの温度は62℃程度で、皮膜を形成しない場合のCPUの温度は78℃程度で、16℃程度の温度差を生じた。これは、皮膜によるCPUの温度上昇防止効果を示すものである。また、ファンモータを設けない場合について同様に温度を測定したところ、平衡状態における皮膜を形成せしめたときと皮膜を形成せしめないときの温度差は12℃程度であった。
【0046】
【実施例2】
珪酸ナトリウムの54.5重量%水溶液16重量部、珪酸カリウムの30.0重量%水溶液12重量部を混合し、水20重量部を更に添加して希釈した水溶液に、二酸化珪素の微粉末18.0重量部、酸化アルミニウムの微粉末12.0重量部及びカオリン8重量部を添加、混合し懸濁液を得た。実施例1と同様に、この懸濁液を取り付けカバー6の側面8と端面9の全面に塗布し、皮膜を形成せしめた。大気中で風乾した後の皮膜厚は49μmであった。乾燥後、100℃で1時間熱処理した。
【0047】
この取り付けカバーを実施例1と同様にCPUに装着し、CPUの温度上昇の程度を測定した。温度測定結果は、図4に示したものとほぼ同様の結果を得た。30分後の温度が平衡状態に達した時点において、皮膜を形成した場合のCPUの温度は63℃で、皮膜を形成しない場合のCPUの温度は77℃程度で、14℃程度の温度差を生じた。即ち、皮膜を形成した場合のCPUの温度は低く、皮膜の温度上昇防止効果が認められる。
【0048】
【実施例3】
シリコーン樹脂を含むエマルジョンとして信越化学工業株式会社製製品「POLON−MF−56」を使用した。このシリコーン樹脂を含むエマルジョン50.8重量部にカオリン12重量部、酸化珪素8.2重量部、酸化アルミニウム12.3重量部、酸化チタン6.2重量部及び酸化ジルコニウム10.5重量を添加混合し、エマルジョン性懸濁液を得た。このエマルジョン性懸濁液を取り付けカバー6の側面8と端面9の全面に塗布し、皮膜を形成せしめた。大気中で風乾した後の皮膜厚は51μmであった。乾燥後、100℃で1時間熱処理した。同様にして、CPUの温度上昇の程度を測定した。30分後の温度が平衡状態に達した時点において、皮膜を形成した場合のCPUの温度は64℃で、皮膜を形成しない場合のCPUの温度は78℃程度で、14℃程度の温度差を生じた。即ち、皮膜を形成した場合のCPUの温度は低く、皮膜の温度上昇防止効果が認められる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の皮膜は、CPUの温度上昇を抑える効果があることが認められた。CPUの温度上昇を抑えることにより、電子機器の小型化が容易になるとともにCPUの信頼性向上に繋がるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】CPU放熱器の構成を示す図である
【図2】放熱器の分解図である
【図3】放熱器の組立図である
【図4】CPUの温度上昇の状態を示す図である
【符号の説明】
1 CPU
2 ジェル
3 放熱器
4 熱電対保持板
5 ファンモータ
6 取り付けカバー
7 ヒートシンク本体
8 側面
9 端面
10 最外層フィン
11 熱電対
A 皮膜を形成しないCPU用放熱器の場合
B 皮膜を形成したCPU用放熱器の場合
【発明の属する技術分野】
本発明は、CPU用放熱器に関する。更に詳しくは、放熱性に優れたCPU用の放熱器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコン、携帯端末PC、プリンタ、FAX器、携帯電話等の電子機器類の高密度化に伴い、機器内部に用いられる各パーツ部品の小型化が必須となってきている。OA機器以外の精密工作機械、産業用小型ロボットといったFA機器関連等の分野においても、電子化技術と半導体集積化技術開発のために部品の小型化が加速している。
【0003】
各種電子機器の小型化に際しては、半導体等の内部素子及び電子回路部の発熱による部品や機器の温度上昇が大きな問題となっている。機器の小型化によって、温度上昇が一段と高くなり、この温度上昇が機器の信頼性や寿命に大きく影響するようになってきている。特に、CPUの発熱量は大きいので、CPUが発生する熱を如何に発散させるかが重要な課題となっている。
【0004】
CPUの発熱問題を解決するために、機器装置内部の温度上昇を抑える工夫が色々為されている。従来、放熱フィン及び冷却フアンを設けて熱を外部に発散させることが広く行われている。しかしながら、最早これだけでは不十分な状況に立ち至っている。
【0005】
CPU冷却装置として、ソケットにおけるCPU取付部の後側に設けられた畝状突出部の上に、吐出し口を前方に向けて配置されたファンを備えたものが、特開2002−190562号公報(特許文献1参照)に記載されている。発熱部品、発熱部品と冷媒とで熱交換を行い発熱部品を冷却する冷却器、冷媒から熱を取り除くファンを設け、冷媒をこららの間を循環させて、発部品を冷却する冷却装置が特開2002−368471号公報(特許文献2参照)に記載されている。また、特開2002−309180号公報(特許文献3参照)には、塗料中に浮力を有する中空体を含有せしめ、素地面から塗膜表面に向かって中空体の密度が粗から密になるようにして、熱伝導率が表面層で最も小さくなるように熱伝導率に勾配を賦与した皮膜を形成せしめ、CPUの発生した熱を効果的に放熱することが記載されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1のようにファンモータやヒートシンクのフィンの構造や設置位置を変えただけでは、CPUの放熱効果は若干は改善されるが、基本的には不十分であり、特許文献2の様に冷媒を循環させる方法は、装置が大型化合物の方向にあり、小型化の潮流に逆行するものである。また、特許文献3の塗膜は、逆に熱伝導量を抑えることになり逆効果になる問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−190562号公報
【特許文献2】
特開2002−368471号公報
【特許文献3】
特開2002−309180号公報
【特許文献4】
特開平1−223191号公報
【特許文献5】
特開昭63−207868号公報
【特許文献6】
特開平3−47883号公報
【特許文献7】
特公昭63−54314号公報
【特許文献8】
特開昭60−213743号公報
【特許文献9】
特開昭59−218844号公報
【特許文献10】
特開昭57−128753号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、設備的にも大きく手を加えることなく、低コストで、放熱性効果の大きいCPU用放熱器を提供しようとするものである。本発明者等は、特定のコーティング材で皮膜を形成することにより、CPU用放熱器の放熱効果が向上することを見出し、本発明を完成させたのである。ここで放熱性というのは、CPUに蓄積した熱をCPU外に放出し、CPU及びそのCPUを使用する電子機器の温度上昇を抑える特性をいう。
【0009】
本発明は、CPU用放熱器に特定の皮膜を形成せしめ、CPUに蓄積された熱を放射することにより、CPU自身の温度上昇を抑えるとともに、そのCPUを使用する機器の温度上昇を抑えるものである。CPU、機器、部品等の温度上昇を抑えることにより、機器の小型化を容易にすることができる。ここでCPU用放熱器というのは、CUPが発生する熱を外部に発散させて、CPUの温度上昇を防止するための装置、機器をいう。放熱器は、一般的には、ヒートシンクとも呼ばれている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜を有する放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器である。そして、アルコキシシランが、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランの少なくとも一種を含有することができる。更に、チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドを更に混合することができる。
【0011】
また、珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムの水溶液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末並びにカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜を有する放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器である。
【0012】
更に、シリコーン樹脂を含むエマルジョン、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜を有する放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器である。
【0013】
放熱器がフィン型ヒートシンクを備え、ヒートシンクの取り付けカバーの外表面及び/又はヒートシンク最外側に位置するフィンの外面に皮膜を形成せしめたことを特徴とする放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器であり、また、放熱器がフィン型ヒートシンク及びファンモータを備え、ファンモータをヒートシンクに取り付ける取り付けカバーの外表面及び/又はヒートシンク最外側に位置するフィンの外面に皮膜を形成せしめたことを特徴とする放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器である。そして、皮膜の厚みは、10〜100μmとするのが好ましい。
【0014】
本発明における皮膜は、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜、珪酸ナトリウムの水溶液、珪酸カリウムの水溶液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜又はシリコーン樹脂を含むエマルジョン、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜である。即ち、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末をアルコキシシランを含むバインダー、珪酸ナトリウム水溶液と珪酸カリウム水溶液を含むバインダー又はシリコーンエマルジョンを含むバインダーに分散させ懸濁液となし、この懸濁液をCPU用放熱器に塗布し形成せしめた皮膜である。
【0015】
皮膜の構成成分として、酸化珪素、酸化アルミニウム及びカオリンの他にも、各種の金属酸化物や窒化物を使用することができる。即ち、金属酸化物としては酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化錫、酸化銅、酸化鉄、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化アンチモン、酸化硼素、酸化バリウム、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム等の金属酸化物の少なくとも1種を含有することができる。金属酸化物以外に、窒化硼素、窒化アルミニウム、窒化ジルコニウム、窒化錫、窒化ストロンチウム、窒化チタン、窒化バリウムや窒化珪素等の窒化物を含有することができる。
【0016】
皮膜中に含有させる金属酸化物、カオリンや窒化物等は、その粒径を15μm〜100nmとするのがよい。より好ましくは、10μm〜80nmの粒径のものを使用する。この粒径のものを使用することにより、皮膜の表面が滑らかで綺麗になるとともに放熱の効率が高まる。
【0017】
カオリンは、重量でアルコキシシラン、珪酸ナトリウムと珪酸カリウムを合わせたもの又はシリコーン樹脂1に対して0.1〜20添加することが好ましい。また、金属酸化物の添加量は、重量でアルコキシシラン、珪酸ナトリウムと珪酸カリウムとを併せたもの又はシリコーン樹脂1に対して0.5〜70添加することが好ましい。これは、皮膜形成性を維持しながら、高い放熱性能を保持するためである。
【0018】
既に述べたように、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末等をアルコキシシランを含むバインダー、珪酸ナトリウム水溶液と珪酸カリウム水溶液を含むバインダー又はシリコーンエマルジョンを含むバインダーに分散させ懸濁液となし、この懸濁液をCPU用放熱器に塗布し皮膜を形成せしめる。このとき、懸濁液の粘度が高くなるようであれば、必要に応じて、溶剤や水を添加して、粘度を調整する。このようにして得た懸濁液を対象物に塗布することにより、皮膜を得ることができる。懸濁液を対象物に筆塗り、スプレー、ローラー、印刷等により塗布し、常温又は加温にて乾燥後、更に、必要に応じて、80℃〜300℃で熱処理することにより、金属表面との密着度の高い皮膜を得ることができる。
【0019】
皮膜は、適度の厚みをもってCPU用放熱器に形成せしめる。図1に示したように、CPU1の上に放熱器3が設けられ、図には示されていないが放熱器の中には放熱用のフィンが設けられている。CUP1と放熱器3とは、熱伝導性のグリス(ジェル)2を介して接続されている。尚、図1にはCPUの温度を測定するための熱電対保持板4がCPU1とジェル2の間に設けられている。また、図2に放熱器の分解図を示した。放熱器3は、放熱器フィンからなるヒートシンク本体7、ファンモータ5、ファンモータ5をヒートシンク本体7に取り付けるための取り付けカバー6とから構成されている。本発明における皮膜は、取り付けカバー6の側面8及び端面9等の取り付けカバー6の外表面に形成せしめる。取り付けカバー6に側面8が無い場合は、最外層に位置するフィン10の外面に皮膜を形成せしめる。CPUで発生する熱は、フィンとファンモータによる空気流によって取り除かれるとともに、取り付けカバー6に形成せしめた皮膜を介しても放熱され、CPUの温度の上昇を抑えることができる。CPUの温度上昇を抑えることにより、CPUを使用する各種電子機器の寿命を延ばすとともに信頼性が高くなる。以上放熱器には、フィンとファンモータとが設けられるとしたが、ファンモータは設けずにフィンのみを設けてもよい。尚、CPU用放熱器3の組立図を図3に示した。
【0020】
本皮膜の膜厚は、或る程度の厚さがないと放熱効果は充分に発現しないが、逆に厚さが大きすぎると皮膜に蓄熱作用が起こり、放熱効果が不十分になる。本発明の実験によると膜厚は100μm以下が好ましく、更に好ましくは10μm〜100μm、特に好ましくは30μm〜80μmである。
【0021】
本発明における皮膜は、優れた抗ヒートショック性等の耐熱性、放熱性、遮熱性等の特性を有する。また、蓄熱したエネルギーを遠赤外線として空気中に放射する能力が高く、放射率0.95という高い数値を示す。内部に蓄積した熱を遠赤外線という電磁波に変換して効率よく放射し、物体の温度上昇を抑えることができる。効率良く遠赤外線を放射するということは、内部に蓄積した熱を遠赤外線という電磁波に変換して効率よく放熱することを意味し、結果として温度上昇を抑える効果をもたらす。これは空気流という手段を用いずに効率よく放熱するという結果を導く。従来遠赤外線の放射能力が高いとされている物質(例えば、ゼオライト、コージェライト、アパタイト、ドロマイト等)の放射特性を見ると、4ミクロン乃至14ミクロンの波長全ての領域にわたって高い遠赤外線の放射特性をもつわけではなく、波長によって放射率に相違がある。多くの場合、9ミクロン波長前後の鎮域で放射率が下がる傾向が見られる。一方、本発明が提供する組成物の放射する遠赤外線は4ミクロン乃至14ミクロン波長の全ての領域にわたって0.9以上の放射率を維持し、非常に放射効率の高いものとなっている。
【0022】
アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液、酸化珪素、酸化アルミニウム、カオリン等の混合物から形成せしめた皮膜は、基本的には、アルコキシシランの加水分解・縮合により形成されるものである。即ち、アルコキシシランが加水分解をしてコロイダルシリカの表面に存在するシラン基とも結合しながら、皮膜を形成する。アルコキシシランの加水分解によって皮膜を形成することは、例えば、特開平1−223191号公報(特許文献4参照)、特開昭63−207868号公報(特許文献5参照)、特開平3−47883号公報(特許文献6参照)等に記載されている。
【0023】
前記特開平1−223191号公報、特開昭63−207868号公報、特開平3−47883号公報等には、遠赤外線放射性に優れたコーティング組成物が記載されている。しかしながら、前記コーティング組成物は、ヒータや加熱器等において、加熱効果を高めることを目的にしており、本発明は、温度の高い物体から熱を放出し、温度上昇を抑えようとするもので、その目的及び効果の点で、前記特許文献記載の発明とは異なるものである。
【0024】
アルコキシシランは水が存在すると加水分解・縮合が起こるので、使用直前までは水の存在しない状態に保つのがよい。即ち、水溶性溶媒の溶液として保存しておくのである。使用時に、アルコキシシランの水溶性溶媒溶液、コロイダルシリカの水分散液、酸化珪素、酸化アルミニウム、カオリン等を混合し、CPU用放熱器に塗布し皮膜を形成せしめる。コロイダルシリカの水分散液に存在する水の作用を受けて、アルコキシシランが加水分解・縮合し皮膜を形成する。
【0025】
アルコキシシラン溶液は、使用直前に、コロイダルシリカの水分散液と金属酸化物粉末等と混合される。アルコキシシラン溶液とコロイダルシリカの水分散液との混合割合は、コロイダルシリカ(固形分)が、アルコキシシランに対して重量比で、0.01〜1となるように混合することが好ましい。コロイダルシリカ水分散液の水は、アルコキシシランの加水分解に寄与する。同時に、アルコキシシランがその加水分解の過程でコロイダルシリカのシラノール基と反応しコロイダルシリカを抱き込んだ形で皮膜を形成することができる。コロイダルシリカは、膜形性、膜の保持性及び放熱性、遮熱性に寄与する。
【0026】
また、チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドを混合させることができる。チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドは、単体として使用してもよいし、溶液として使用することもできる。溶液として使用する場合には、チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドの有機溶媒の溶液状態で使用してもよいし、アルコキシシランの溶液に更にチタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドを混合してもよい。そして、チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドは、アルコキシシランの珪素原子に対してチタン及び/又はアルミニウム原子が0.01〜0.5の割合で添加されることが好ましい。チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドは、水によりアルコキシシランとともに共加水分解し、チタン及び又はアルミニウムを主鎖に含む皮膜を形成する。
【0027】
アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン(モノ有機基置換アルコキシシラン)、ジアルコキシシラン(ジ有機基置換アルコキシシラン)等を使用することができる。これらアルコキシシランを適宜混合して使用することもできる。アルコキシシランは、使用直前までは、水の存在しない状態、即ち、水を含まない溶液の状態に保持する。溶液に使用する溶媒は、水の溶解する水溶性の溶媒を使用する。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホオキシド、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド等の溶媒である。中でも、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、N−メチルピロリドン、メチルフォルムアミド、メチルアセトアミド、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド等の溶媒が好適に使用できる。
【0028】
アルコキシシランの具体的な例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、ジチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、更には、エポキシ基を有する有機基を有していてもよい。チタンアルコキシドの具体的な例としては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、アルミニウムアルコキシドの具体的な例としては、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシド等を使用することができる。但し、これらに限定されるものではない。
【0029】
コロイダルシリカは、周知技術に基づきテトラアルコキシシラン(テトラアルキルシリケート)を加水分解することにより容易に得ることができる。市販もされている。例えば、テトラエチルシリケートを塩酸、硝酸、アンモニア等の触媒の存在するエチルアルコールと水の混合液中に滴下し加水分解し、加水分解後エチルアルコールと触媒を、例えば、真空下に除去することにより、コロイダルシリカの水分散液を得る。このコロイダルシリカの粒径は、ミクロンオーダーないしそれ以下の小さいものである。コロイダルシリカは表面にシラノール基を有している。コロイダルシリカの水分散液中のコロイダルシリカの量は、10〜60重量%程度である。この量は、加水分解時に使用する水の量で適宜調製することができる。シリケートの加水分解後、水を加えて調製することもできる。
【0030】
アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等との混合物をCPU用放熱器に塗布し皮膜を形成せしめる。被膜を形成する直前に、アルコキシシランの溶液とコロイダルシリカの水分散液を先ず混合し、この混合液に金属酸化物粉末等を加えて懸濁液を得る。同時に、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等を混合してもよい。これらの混合物は懸濁液となる。この懸濁液をCPU用放熱器に塗布し皮膜を形成せしめる。
【0031】
皮膜形成のために珪酸のアルカリ金属塩を使用することができる。珪酸のアルカリ金属塩としては、具体的には、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムや珪酸リチウムを使用することができる。珪酸ナトリウム、珪酸カリウムや珪酸リチウム等の珪酸塩は、水溶液として供給されるので、珪酸のアルカリ金属塩の水溶液に金属酸化物、カオリンや窒化物を添加、混合し、更に、必要に応じて水を加えて懸濁液となし、この懸濁液を対象物に塗布することにより、本発明における皮膜を得ることができる。
【0032】
珪酸のアルカリ金属塩は、具体的には、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムや珪酸リチウムを使用しうるが、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムの両者を混合使用するのがよい。混合使用する際、珪酸ナトリウムと珪酸カリウムの割合は重量で、珪酸カリウム1に対して珪酸ナトリウム0.5〜7(固形分ベース)が好ましい。
これは、珪酸ナトリウムの量が多いと、皮膜の水除去、即ち、乾燥が困難で皮膜形成が難しく、また、珪酸カリウムの量が多いと膜形性能が低下するので、適量の珪酸ナトリウムと珪酸カリウムを併用使用するのが好ましい。
【0033】
また、皮膜形成のためにシリコーン樹脂を含むエマルジョンを使用することができる。即ち、シリコーン樹脂を含むエマルジョンに酸化珪素、酸化アルミニウム及びカオリン等を混合し、更に、必要に応じて水を加えて懸濁液となし、この懸濁液をCPU用放熱器に塗布し被膜を形成せしめる。シリコーン樹脂を含むエマルジョンに酸化珪素、酸化アルミニウム及びカオリン等を混合して得た懸濁液において、シリコーン樹脂エマルジョンがこの懸濁液に占める割合は30〜70重量%であることが好ましい。それは、シリコーン樹脂エマルジョンの量が少ないと、皮膜の安定性が低下し、同時に、皮膜のCPU用放熱器への接着性が低くなるからである。シリコーン樹脂エマルジョンの量が多すぎると、金属酸化物等の量が相対的に少なくなり、放熱効果が小さくなる。
【0034】
シリコーン樹脂のエマルジョンは、非水溶性のシリコーン樹脂を主として水に分散させたエマルジョン状態のものである。シリコーン樹脂エマルジョンは、大別すると以下の5方法で得ることができる。即ち、1)アルキルシリケート化合物又はその部分加水分解・縮合物を各種界面活性剤を用いて乳化し、水性エマルジョンとする方法(特開昭58−213046号、特開昭62−197369号、特開平3−115485号、特開平3−200793号公報)。このエマルジョンに、更に重合性ビニルモノマーを乳化重合したエマルジョンを混合することもできる(特開平6−344665号公報)、2)界面活性剤を使用せずにアルキルシリケート化合物を水中で加水分解して得られる水溶性ポリマーの存在下、ラジカル重合可能なビニルモノマーを乳化重合する方法(特開平8−60098号公報)、3)ビニル重合性アルキルシリケートを含有するアルキルシリケート混合物を加水分解・縮合することにより、固形のシリコーン樹脂を含む水性エマルジョンとし、更にラジカル重合性ビニルモノマーを加え、乳化重合することにより、グラフト共重合体微粒子(固形)エマルジョンを得る方法(特開平5−209149号、特開平7−196750号公報)、4)ラジカル重合性官能基を乳化重合したエマルジョンにアルキルシリケート化合物を添加し、加水分解・縮合させ、エマルジョン粒子中にシリコーン樹脂を導入する方法(特開平3−45628号、特開平8−3409号公報)、5)ビニル重合性官能基含有アルキルシリケートを、ラジカル重合性ビニルモノマーと共に乳化重合し、エマルジョンを作成する方法(特開昭61−9463号、特開平8−27347号公報)等の方法で得ることができる。また、市販品として入手することもできる。
【0035】
シリコーン樹脂をバインダーに使用する塗料、皮膜に関しては、アルミナ単独又はアルミナに無機質酸化物を混合したものをシリコーン樹脂バインダーに分散させた遠赤外線放射用塗料が記載された特公昭63−54314号公報(特許文献7参照)、酸化珪素若しくは酸化アルミニウム及びポリシロキサン樹脂の硬化体よりなる被覆を赤外線輻射面に設けることが記載された特開昭60−213743号公報(特許文献8参照)、ポリシロキサン樹脂とマイカ粉末酸化物の硬化体を赤外線輻射面にコーティングすることが記載された特開昭59−218844号公報(特許文献9参照)、遠赤外線輻射物質、シリコーン系樹脂、融剤及び溶剤からなる遠赤外線輻射用塗料が記載された特開昭57−128753号公報(特許文献10参照)が知られているが、これらはいずれも暖房、調理用の加熱に使用するもので、加熱体の加熱効率を高めるためのものであり、本発明は、温度の高い物体から熱を放出し、温度上昇を抑えようとするもので、その目的及び効果の点で、本発明は前記特許文献記載の発明とは異なるものである。
【0036】
エマルジョンにするシリコーン樹脂は、耐熱性、接着性、電気的性質に優れるものである。エマルジョン状態のシリコーン樹脂は、金属酸化物や窒化物のバインダーとなるとともに、これら金属酸化物や窒化物を塗膜面に接着させ、安定した、強固な塗膜を形成する役割を担うものである。
【0037】
上記いずれかの方法で得たシリコーン樹脂を含むエマルジョンに、金属酸化物を含有させる。シリコーン樹脂を含むエマルジョンに金属酸化物等の粉末を添加混合して、エマルジョン性の懸濁液を得る。シリコーン樹脂を含むエマルジョンには、元々水が存在するので、この水に金属酸化物等が懸濁状態で混合され、シリコーン樹脂と金属酸化物等とを含むエマルジョン性の懸濁液を得ることができる。
【0038】
このエマルジョン性懸濁液に加える金属酸化物等の量が相対的に多くなると、エマルジョン性懸濁液の粘度が高くなる場合がある。このような場合には、適宜水を加えてエマルジョン性懸濁液の粘度を調節するのがよい。また、逆に、シリコーン樹脂を含むエマルジョンの水分量が多くて、金属酸化物等を含有させたエマルジョン性懸濁液の粘度が小さい場合もある。このように粘度の小さい場合は、適宜増粘剤を加えて粘度を調整することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をその実施形態に基づいて説明する。図2〜3に示したように、CPU用放熱器3は、フィンから構成されるヒートシンク本体7、ファンモータ5、ファンモータ5をヒートシンク本体7に取り付けるための取り付けカバー6とから構成されている。CPU用放熱器3は、図1に示すように、熱伝導性のグリス(ジェル)2を介してCPU1に接続されている。CPU1の温度を測定するために、熱電対11を保持した熱電対保持板4がCPUとジェル2の間に設けられている。取り付けカバー6はヒートシンク本体7をカバーするとともにファンモータ5をヒートシンク本体7に接続する役割を担っている。取り付けカバー7には、側面8が設けられる。側面8は、ヒートシンク本体7のフィンと平行に配置される。フィンに垂直な面はフィン冷却用の空気の通路となるので、フィンに垂直な面には側面は配置されない。また、取り付けカバー6にはファンモータ5の固定を促すために端面9が配置されている。側面8は設けられない場合もある。また、図1〜3では、側面8には複数の孔があけられているが、これらの孔は必ずしもあける必要はなく、孔をあけてもよいし、あけなくてもよい。放熱器にはフィンとファンモータを設ける旨説明したが、ファンモータは必ずしも設けなくてもよい。フィンのみを設けて、取り付カバーの外表面に皮膜を形成せしめてもよい。この際、取り付けカバーに側面が無い場合には、フィンの最外層に位置するフィンの外面に皮膜を形成せしめることもできる。
【0040】
CPU用放熱器3において、取り付けカバーの外表面に皮膜を形成せしめるのが本発明の特徴である。図2〜3に示したCPU用放熱器3においては、外表面は側面8と端面9である。これらの側面8と端面9に皮膜を形成せしめる。側面8と端面9はそれぞれ二面あるので各2面とも皮膜を形成せしめることは言うまでもない。側面8が設けられない場合には、ヒートシンク本体7のフィンの最外層に位置する2個のフィン10の外面に皮膜を形成せしめる。側面8が存在する場合にも、最外層のフィン10に皮膜を設けてもよいが、この場合は、フィン10に設けた皮膜の効果は大きくはない。皮膜の形成箇所は、側面と端面に限られるものではない。取り付けカバーの形状によって、側面、端面が異なってくるからである。本発明の特徴は、取り付けカバーの外表面、即ち、取り付けカバーが大気と接する面に皮膜を形成せしせしめることにある。
【0041】
図1〜3に示すように、銅製のフィンがヒートシンク本体7を構成し、その周囲を囲うようにアルミニウムやスチール製の取り付けカバー6が配置されるている。取り付けカバー6の上方にはファンモータ5が設けられている。CUP1で発生した熱は、ヒートシンク本体7に伝導され、フィンから放熱される。ファンモータでフィン付近に滞留した温度の高い空気を外部に排出して、CPUの温度上昇を防止する。
【0042】
取り付けカバー6の外表面(8、9)に皮膜を形成することにより、この外表面から同様に熱が放熱されて、CPUの温度上昇を更に防止する。即ち、フィンとファンモータによる冷却効果に加えて、皮膜による冷却効果がプラスされて、大きな放熱効果が発現する。皮膜は、既に述べたように、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜であり、珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムの水溶液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末並びにカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜であり、シリコーン樹脂を含むエマルジョン、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜である。
【0043】
CPU用放熱器における取り付けカバー外表面に皮膜を形成せしめることにより、CPUの温度上昇を防止することができる。これは、皮膜の持つ遠赤外線放射性能を利用し、熱エネルギーを遠赤外線に変換して空気中に放射させることで、熱エネルギーを減少させ結果として放熱性能を高めることになり、大きな放熱効果をもたらすものである。これは、従来放熱対策において用いられた熱伝導や対流という方法だけでなく、熱エネルギーの放射という方法を加えることによって、より効率の高い放熱対策を施すものとなっている。
【0044】
【実施例1】
メチルトリメトキシシラン300重量部、ジメチルジメトキシシラン170重量部、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン30重量部、テトラブトキシチタン15重量部をN−メチルピロリドン485重量部に溶解した溶液、シリカ固形分として20重量%の酸性コロイダルシリカの水分散液1000重量部とを混合した。この混合液の700重量部をとり、カオリン110重量部、酸化珪素粉末435重量部、酸化アルミニウム粉末190重量部及び酸化ジルコニウム粉末120重量部を加え、攪拌混合して、懸濁液を得た。この懸濁液を取り付けカバー6の側面8と端面9の全面に塗布し、大気中で風乾した。皮膜厚は52μmであった。続いて95℃で30分乾燥し、更に、100℃で60分熱処理した。
【0045】
上記皮膜を形成せしめた取り付けカバーを装着したCPU用放熱器を用いて、CPUの温度上昇の程度を測定した。皮膜を形成したのは、図2〜3において取り付けカバー6の側面8と端面9である。いずれも前後の両面に亘って皮膜を形成した。この取り付けカバー6の上にファンモータ5を装着し、CPU用放熱器3を組み立てた。このCPU用放熱器3を、図1に示したように、熱電対保持板4及びジェル2を介してCPU1に接続した。CPU用放熱器3を備えたCPU1を、市販の温度測定用マザーボードに装着し、通常のパソコン筐体に配置した。CPU1には75Wの付加を掛けて、CPU1の温度上昇を追跡した。温度上昇の時間曲線を図4に示した。図4において、記号Aは取り付けカバー6の外表面に皮膜を形成しない場合のCPU温度上昇曲線を示し、記号Bは取り付けカバー6の外表面である側面8と端面9に皮膜を形成した場合のCPUの温度上昇曲線を示す。測定開始後8分で皮膜の有り無しで、15℃程度の温度差が生じ、皮膜を形成した場合のCPUの温度は低く、皮膜の温度上昇防止効果が認められた。30分後には、温度はほぼ平衡状態に達し、この状態で、皮膜を形成した場合のCPUの温度は62℃程度で、皮膜を形成しない場合のCPUの温度は78℃程度で、16℃程度の温度差を生じた。これは、皮膜によるCPUの温度上昇防止効果を示すものである。また、ファンモータを設けない場合について同様に温度を測定したところ、平衡状態における皮膜を形成せしめたときと皮膜を形成せしめないときの温度差は12℃程度であった。
【0046】
【実施例2】
珪酸ナトリウムの54.5重量%水溶液16重量部、珪酸カリウムの30.0重量%水溶液12重量部を混合し、水20重量部を更に添加して希釈した水溶液に、二酸化珪素の微粉末18.0重量部、酸化アルミニウムの微粉末12.0重量部及びカオリン8重量部を添加、混合し懸濁液を得た。実施例1と同様に、この懸濁液を取り付けカバー6の側面8と端面9の全面に塗布し、皮膜を形成せしめた。大気中で風乾した後の皮膜厚は49μmであった。乾燥後、100℃で1時間熱処理した。
【0047】
この取り付けカバーを実施例1と同様にCPUに装着し、CPUの温度上昇の程度を測定した。温度測定結果は、図4に示したものとほぼ同様の結果を得た。30分後の温度が平衡状態に達した時点において、皮膜を形成した場合のCPUの温度は63℃で、皮膜を形成しない場合のCPUの温度は77℃程度で、14℃程度の温度差を生じた。即ち、皮膜を形成した場合のCPUの温度は低く、皮膜の温度上昇防止効果が認められる。
【0048】
【実施例3】
シリコーン樹脂を含むエマルジョンとして信越化学工業株式会社製製品「POLON−MF−56」を使用した。このシリコーン樹脂を含むエマルジョン50.8重量部にカオリン12重量部、酸化珪素8.2重量部、酸化アルミニウム12.3重量部、酸化チタン6.2重量部及び酸化ジルコニウム10.5重量を添加混合し、エマルジョン性懸濁液を得た。このエマルジョン性懸濁液を取り付けカバー6の側面8と端面9の全面に塗布し、皮膜を形成せしめた。大気中で風乾した後の皮膜厚は51μmであった。乾燥後、100℃で1時間熱処理した。同様にして、CPUの温度上昇の程度を測定した。30分後の温度が平衡状態に達した時点において、皮膜を形成した場合のCPUの温度は64℃で、皮膜を形成しない場合のCPUの温度は78℃程度で、14℃程度の温度差を生じた。即ち、皮膜を形成した場合のCPUの温度は低く、皮膜の温度上昇防止効果が認められる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の皮膜は、CPUの温度上昇を抑える効果があることが認められた。CPUの温度上昇を抑えることにより、電子機器の小型化が容易になるとともにCPUの信頼性向上に繋がるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】CPU放熱器の構成を示す図である
【図2】放熱器の分解図である
【図3】放熱器の組立図である
【図4】CPUの温度上昇の状態を示す図である
【符号の説明】
1 CPU
2 ジェル
3 放熱器
4 熱電対保持板
5 ファンモータ
6 取り付けカバー
7 ヒートシンク本体
8 側面
9 端面
10 最外層フィン
11 熱電対
A 皮膜を形成しないCPU用放熱器の場合
B 皮膜を形成したCPU用放熱器の場合
Claims (8)
- アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜を有する放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器。
- 前記アルコキシシランが、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランの少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1に記載の放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器。
- 前記チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドを更に混合することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器。
- 珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムの水溶液、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末並びにカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜を有する放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器。
- シリコーン樹脂を含むエマルジョン、酸化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及びカオリン粉末との混合物から形成せしめた皮膜を有する放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器。
- 前記放熱器がフィン型ヒートシンクを備え、前記ヒートシンクの取り付けカバーの外表面及び/又はヒートシンク最外側に位置するフィンの外面に皮膜を形成せしめたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器。
- 前記放熱器がフィン型ヒートシンク及びファンモータを備え、ファンモータを前記ヒートシンクに取り付ける取り付けカバーの外表面及び/又はヒートシンク最外側に位置するフィンの外面に皮膜を形成せしめたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器。
- 前記皮膜の厚みが、10〜100μmであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の放熱性に優れたコンピュータCPU用放熱器。
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