JP2007111943A - 熱伝導シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱伝導、耐発塵性および熱放射に優れた熱伝導シートを提供する。
【解決手段】 膨張黒鉛シートの少なくとも片面にセラミック粉末を含むコーティング層を有する熱伝導シート。コーティング層の厚さが50μm以下が好ましい。また、膨張黒鉛シートの面方向の熱伝導率が100W/mK以上、厚さ方向の熱伝導率が2W/mK以上であると好ましい。さらに、60℃におけるコーティング層表面の放射率が0.7以上であると好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子機器、各種ディスプレイ、太陽電池、その他の機器、装置に使用する伝熱性に優れたシート状部材である熱伝導シートに関する。
近年、電子機器あるいは各種ディスプレイ分野を初めとして、放熱あるいは伝熱に優れたシート状部材が注目されている。例えば、パソコン等の電子機器においては、近年CPU(中央演算処理装置)の動作周波数の増加により、その発熱量も増大の一途を辿っており、CPU以外の部品についても消費電力は増加傾向に有る。一方装置自体は、ますます小型、軽量化が求められており、これに加えて静音化、消費電力低減の要求もあることから、ファンによる空冷によらない放熱システムが求められている。
ディスプレイの分野においても、例えばプラズマディスプレイでは発熱による温度上昇を抑えることが大きな問題であり、その他有機ELや液晶等のディスプレイにおいても放熱に関する対策が必要となってきている。また、太陽電池の分野でも、発電セルの温度上昇は変換効率の低下を引き起こすことから、高放熱の材料が求められている。
このような分野において、従来伝熱シートとして、アルミナ、シリカ等の無機フィラーとシリコンゴムやアクリルゴムを複合化した熱伝導シートと呼ばれる部材が使用されている。
この材料は、発熱部材とヒートシンクや筺体との間に配置されて熱を伝える働きをするが、柔らかく密着が良いことに特徴があり、部材間の接触熱抵抗を低く抑えることが出来る。しかしながら熱伝導率は一般的なもので2〜5W/mK程度であり、さらに放熱効率を上げるために、高熱伝導化が求められている。
そこで、特許文献1、2等に示されるように、膨張黒鉛シートを熱伝導シートとして使用することが期待されている。膨張黒鉛シートとは、膨張黒鉛粉を圧縮してシート化したものであり、厚さ方向で2〜10W/mK、面方向で50〜500W/mKという高い熱伝導率を有し、可とう性があり、軽量(かさ密度0.5〜1.5g/cm)で、耐熱性に優れる(空気中で400℃以上まで安定)という特徴をもつ材料である。
特開平11−058591号公報
しかしながら膨張黒鉛シートは、膨張させた黒鉛粒子を機械的に圧縮して固めたシートであるため、表面から黒鉛粉が脱離しやすく、摩擦や振動によってこの導電性の発塵(黒鉛粉)が顕著となる場合には、電子機器の内部でショートを引き起こす可能性がある。また、この膨張黒鉛シートの片面を熱源に接触させ、反対面の空気に熱を逃がす部材として使用する場合、膨張黒鉛の熱放射率は表面状態により変化するが概ね0.3〜0.5程度とあまり高くないため、放熱の効率が悪いという問題があった。
本発明は、上記問題を解決して熱伝導、耐発塵性および熱放射に優れた熱伝導シートを提供することを目的とする。
本発明は、次のものに関する。
[1] 膨張黒鉛シートの少なくとも片面にセラミック粉末を含むコーティング層を有する熱伝導シート。
[2] コーティング層の厚さが50μm以下である上記[1]に記載の熱伝導シート。
[3] 膨張黒鉛シートの面方向の熱伝導率が100W/mK以上、厚さ方向の熱伝導率が2W/mK以上である上記[1]又は上記[2]に記載の熱伝導シート。
[4] 60℃におけるコーティング層表面の放射率が0.7以上である上記[1]ないし上記[3]のいずれかに記載の熱伝導シート。
[5] セラミック粉末が樹脂で結合されている上記[1]ないし上記[4]のいずれかに記載の熱伝導シート。
[6] コーティング層の反対面に粘着層を有する上記[1]ないし上記[5]のいずれかに記載の熱伝導シート。
[7] 粘着層が、中央の支持体の両面に粘着材を有する粘着フィルムである上記[6]に記載の熱伝導シート。
[8] 粘着層の厚さが30μm以下である上記[6]または上記[7]に記載の熱伝導シート。
[9] 端面がコーティング材で覆われている上記[1]ないし上記[8]のいずれかに記載の熱伝導シート。
[10] 片面にコーティング層を有する膨張黒鉛シートの他面に、前記膨張黒鉛シート外形よりも大きな寸法の粘着層が貼り合わされ、前記膨張黒鉛シート端面より外側の粘着層が折り返されて、前記膨張黒鉛シートの端面を覆う上記[6]ないし上記[9]のいずれかに記載の熱伝導シート。
本発明によれば、放熱特性に優れ、電子回路等に有害な導電性の発塵を抑えた熱伝導シートを得ることができる。
本発明の熱伝導シートに使用する膨張黒鉛シートは公知の方法で得ることができる。すなわち、天然黒鉛、キッシュ黒鉛等の結晶の発達した黒鉛を、濃硫酸等の酸性物質と硝酸、過マンガン酸カリウム等の酸化剤の混合溶液に浸漬して黒鉛層間化合物を生成させ、水洗する工程、前記黒鉛層間化合物を急速加熱して黒鉛結晶のC軸方向を膨張させて膨張黒鉛とする工程、得られた膨張黒鉛を圧縮してシート形状に成形する工程により得ることができる。
本発明に使用する膨張黒鉛シートは、厚さ0.05〜2.0mmの範囲で成形されることが好ましく、0.1〜1.8mmであることがより好ましく、0.25〜1.5mmであることがさらに好ましい。厚さ0.05mm未満では強度が低く、ハンドリング性が悪く破損しやすい傾向がある。また厚さ2.0mmを超えると熱抵抗が大きくなり、熱伝導シートとしての特性が低下する傾向がある。
膨張黒鉛シートのかさ密度は、0.3〜1.7g/cmの範囲であることが好ましく、0.5〜1.6g/cmであることがより好ましく、0.7〜1.5g/cmであることがさらに好ましい。熱伝導シートとして重要な特性である熱伝導率は、材料のかさ密度に比例する。このため、かさ密度が0.3g/cm未満では、十分な熱伝導率が得られない傾向がある。また、かさ密度が1.7g/cmを超えると、膨張黒鉛シートの特徴である可とう性、柔軟性が失われ、やはり熱伝導シートとしては不適当な材料となる傾向がある。
本発明の熱伝導シートは、膨張黒鉛シートの少なくとも片面にセラミック粉末を含むコーティング層を有することを特徴とする。コーティング層に含まれるセラミック粉は、酸化物系、窒化物系等の一般のセラミック粉であれば特に制限はなく、例えば、シリカ、アルミナ、カオリン、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、窒化アルミ、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。また、セラミック粉の粒径は0.05〜50μmの範囲であることが好ましく、0.1〜30μmの範囲であることがより好ましく、0.2〜20μmの範囲であることがさらに好ましい。セラミック粉の粒径が0.05μm未満であると、複合化する樹脂への分散性が悪くなる傾向があり、30μmを超えるとコーティングで均一な層が出来にくくなる傾向がある。セラミック粉末を含むコーティング層を有する熱伝導シートは、放射率が高いため表面からの熱放射が高い熱伝導シートとなる。また、セラミック粉末同士の接触によりコーティング層の熱伝導率も高いため、セラミック粉を含まないコーティング層に比べより高い放熱効率が得られる。なお、本発明のセラミック粉の粒径は、レーザー回折粒度分布測定装置で測定した平均粒径とする。
また、本発明の熱伝導シートは、用いる膨張黒鉛シートの面方向の熱伝導率が100W/mK以上、厚さ方向の熱伝導率が2W/mK以上であることが好ましい。膨張黒鉛シートの面方向の熱伝導率が100W/mK未満であると、本来膨張黒鉛シートの特徴である面方向への高い伝熱効果が得られず、ヒートスポットの解消等に問題が生じる傾向がある。また、膨張黒鉛シート厚さ方向の熱伝導率が2W/mK未満であると、熱源からの熱を反対面からの熱輻射も利用して放散するという本発明の目的が果たせなくなる傾向がある。より高い放熱特性を与えるためには、面方向の熱伝導率は150W/mK以上、厚さ方向の熱伝導率は4W/mK以上であることが望ましい。
なお、膨張黒鉛シートの熱伝導率は、厚さ方向については、例えば、レーザーフラッシュ、キセノンフラッシュ等によるハーフタイム法により熱拡散率を測定し、レーザーフラッシュ、キセノンフラッシュ等で求めた比熱とかさ密度の積から算出することができる。また、温度傾斜法により直接熱伝導率を算出することも可能である。この測定には、例えば、真空理工株式会社製熱定数測定装置TC−3000型、TC−7000型や、NETZSCH社製NanoflashLFA447などを使用することが出来る。また、面方向の熱伝導率に関しては、ラメラー法と呼ばれる、試料を細裁し積み重ねて面を作り、この面に垂直にレーザーフラッシュや、キセノンフラッシュを当てハーフタイム法により厚さ方向と同様に算出する方法、あるいは、試料を細裁し積み重ねて面を作り、この面に垂直に温度差を付けて温度傾斜法により測定しても良い。
また、本発明の熱伝導シートは、60℃におけるコーティング層表面の放射率が0.7以上であることが好ましい。コーティング層表面の放射率は0.8以上であることがさらに好ましく、0.9以上であることがさらに好ましい。放射率が0.7未満であると熱輻射による効果が小さく、充分な放熱が得られない傾向がある。
なお、本発明の熱伝導シートの放射率は、一般にFT−IR法と呼ばれる方法で測定することが出来る。この方法は、黒体炉(異なる温度2点)と試料の分光放射強度を測定し、これらの強度と黒体の分光放射強度理論値から、試料の分光放射率を求め、これから積分放射率を算出するものであり、この積分放射率を本発明では放射率と呼称する。なお、放射率は試料の温度に依存するため、本発明においては60℃での値を使用する。
また、コーティング層の厚さとしては、50μm以下であることが好ましく、1〜40μmの範囲であることがより好ましく、2〜30μmの範囲であることがさらに好ましい。コーティング層の厚さが1μm未満であると、コーティングむらにより下地が露出する傾向があり、50μmを超えると熱抵抗が大きくなり、放熱効果が悪化する傾向がある。
また、本発明の熱伝導シートは、コーティング層に含まれるセラミック粉末が樹脂で結合されていることが好ましい。
樹脂の種類は熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のうち特に制限はされないが、熱伝導シートが使用される温度領域において安定である樹脂であることが好ましい。具体的な樹脂としては、熱硬化性樹脂であれば、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジヒドロベンゾオキサジン環を含む樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂であれば、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。セラミック粉末と樹脂の配合量についても特に制限は無いが、樹脂の体積割合が10〜90%の範囲であることが膨張黒鉛シートへの塗工性、得られたコーティング層の強度、および高い放射率を得るという観点から好ましい。また、セラミック粉末を樹脂で結合する方法としては、セラミック粉末と樹脂を混合、混練しこれを膨張黒鉛シート上に塗工、塗布、印刷、噴霧等の公知の方法で配置し、乾燥、硬化を行えばよい。
また、本発明の熱伝導シートは、コーティング層の反対面に粘着層を有することが好ましい。粘着層に使用される物質には特に制限がなく、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等の公知の粘着材を使用することができる。また、粘着層としては中央の支持体の両面に粘着材を有する粘着フィルムを使用することが作業性、低コスト化の点で好ましい。粘着フィルムとしては、特に制限はなく公知のものを使用できるが、中央の支持体としてはPET(ポリエチレンテレフタレート)等の高分子フィルムを使用し、粘着材としてアクリルゴム等の粘着材を使用するのが好ましい。また、熱伝導率の低下を抑えるために、粘着フィルムの厚さは30μm以下とすることが好ましく、20μm以下とすることがより好ましい。但し、粘着層の強度の点から、下限値は5μm以上であることが好ましい。
また、本発明の熱伝導シートは、端面がコーティング材で覆われていることが好ましい。端面をコーティング材で覆う目的は、端面からの膨張黒鉛粉の発塵防止であり、コーティング材としては、セラミック粉末を含む材料であっても良いし、セラミックを含まない材料であっても良い。セラミックを含む場合は、前述のコーティング層に用いるセラミック粉末と樹脂の混合物であることが好ましい。セラミックを含まない場合は、前述のセラミック粉末同士を結合させる熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を使用することができる。また、端面のコーティング方法としては、例えば、片面にコーティング層を有した膨張黒鉛シートの他面に、該膨張黒鉛シート外形よりも大きな寸法の粘着層が貼り合わされ、該膨張黒鉛シート端面より外側の粘着層を折り返して、該膨張黒鉛シートの端面を覆うことが挙げられる。こうすることにより膨張黒鉛シート端面が、粘着フィルム等の粘着層により覆われることになり、端面からの粉落ちを防止することが可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
アルミナ粉末(住友化学工業株式会社製;普通ソーダ易焼結アルミナAMS−2、平均粒径1.2μm)20重量部、シリカ粉末(電気化学工業株式会社製;破砕シリカFSグレード、FS−20、平均粒径4.9μm)10重量部の混合粉に、アクリル樹脂(日立化成工業株式会社製;ヒタロイド1470)70重量部を加え、さらに酢酸ブチルで希釈して、ペースト状の混合物を得た。この混合物を厚さ1.0mm、かさ密度1.0g/cmの膨張黒鉛シート(日立化成工業株式会社製;カーボフィット、熱伝導率;面方向200W/mK、厚さ方向6W/mK)の表面に、スクリーン印刷機を用いて塗工を行い、80℃の乾燥機に30分保持して乾燥させ、厚さ20μmのアクリル樹脂で結合されたセラミック粉末を含むコーティング層を形成した。なお、コーティング層厚さは、印刷機のスキージとシートの間隔を変化させることにより調整した。得られたコーティング層表面の放射率は日本電子株式会社製JIR−5500型フーリエ変換赤外分光光度計及び放射測定ユニットJRR−200を使用し、FT−IR法で測定した。得られた60℃における放射率(積分放射率)は、0.78であった。
上記により得られた膨張黒鉛シートのコーティング層の無い面に、厚さ5μmのPETフィルムを支持体とし、PETフィルムの両側に5μmのアクリルゴム粘着層を有する厚さ15μmの粘着フィルム(日立化成ポリマー株式会社製;商品名:ハイボン)を貼り付け、熱伝導シートを得た。得られたシートから50mm角の試験片を切り出し、以下の評価を実施した。
10mm角のセラミックヒーターを用意し、セラミックヒーター単独で電流を流して80℃の一定温度となる電力を求めた。次に、上記で得られた熱伝導シートをこのセラミックヒーターの上に貼り付けて、同じ電力を与えたところ、セラミックヒーターの温度は65℃となり、シート貼り付けによる放熱効果が確認された。また、目視によるこのシートからの膨張黒鉛粉、セラミック粉の発塵性は認められなかった。
(実施例2)
実施例1と同じペーストを使用して塗工条件を変更し、厚さ40μmのコーティング層を得た。実施例1と同様の評価を行ったところ、ヒーターの温度は70℃であった。また、このシートからの膨張黒鉛粉、セラミック粉の発塵は認められなかった。
(実施例3)
実施例1、2と同じペーストを使用して塗工条件を変更し、厚さ60μmのコーティング層を得た。実施例1、2と同様の評価を行ったところ、ヒーターの温度は74℃であった。
(比較例1)
実施例1で使用したものと同仕様の膨張黒鉛シートに同じ粘着フィルムを貼り付けたセラミックコーティングのない熱伝導シートを作製した。このシートについて実施例1と同じ方法で評価を行ったところ、セラミックヒーターの温度は77℃であった。また、このシートからは膨張黒鉛粉の発塵が認められた。
(実施例4)
アルミナ粉末(住友化学工業株式会社製、普通ソーダ易焼結アルミナAMS−2、平均粒径1.2μm)10重量部、酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業株式会社製、EP酸化ジルコニウム、平均粒径1μm)5重量部、炭酸カルシウム粉末(日東粉化工業株式会社製、NCCシリーズ、NITOREX #23PS、平均粒径0.97μm)10重量部の混合粉に、日立化成工業株式会社製ポリイミド樹脂(SN−9000)75重量部を加え、さらにγ−ブチロラクトンで希釈して、ペースト状の混合物を得た。この混合物を厚さ0.5mm、かさ密度1.5g/cmの膨張黒鉛シート(日立化成工業株式会社製;商品名カーボフィット、熱伝導率;面方向300W/mK、厚さ方向5W/mK)の表面に塗工機を用いて塗工し、150℃のトンネル炉を通過させて溶媒分を飛ばし、樹脂を硬化させて、厚さ15μmのポリイミド樹脂で結合されたセラミック粉末を含むコーティング層を形成した。コーティング層表面の60℃における放射率は0.8であった。
上記により得られた膨張黒鉛シートのコーティングの無い面に、実施例1と同じ粘着フィルムを貼り付け、熱伝導シートを得た。得られたシートから50mm角の試験片を切り出し、実施例1と同様の評価を実施したところセラミックヒーターの温度は60℃となり、放熱効果が確認された。また、目視によるこのシートからの膨張黒鉛粉、セラミック粉の発塵は認められなかった。
(比較例2)
実施例4で使用したものと同仕様の膨張黒鉛シートに同じ粘着フィルムを貼り付けたセラミックコーティングのない熱伝導シートを作製した。このシートについて、実施例1と同じ方法で評価を行ったところ、セラミックヒーターの温度は75℃で実施例4に比べ放熱効果はわずかであった。
(実施例5)
アルミナ粉末(住友化学工業株式会社製;普通ソーダ易焼結アルミナAMS−2、平均粒径1.2μm)5重量部、酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業株式会社製、EP酸化ジルコニウム、平均粒径1μm)2重量部、炭酸カルシウム粉末(日東粉化工業株式会社製、NCCシリーズ、NITOREX #23PS、平均粒径0.97μm)5重量部の混合粉に、日立化成工業株式会社製ポリイミド樹脂(SN−9000)88重量部を加え、さらにγ−ブチロラクトンで希釈して、ペースト状の混合物を得た。この混合物を実施例4と同じ膨張黒鉛シートの表面に塗工機を用いて塗工し、150℃のトンネル炉を通過させて溶媒分を飛ばし、樹脂を硬化させて、厚さ15μmのポリイミド樹脂で結合されたセラミックコーティング層を形成した。コーティング層表面の放射率は0.55であった。
上記により得られた膨張黒鉛シートのコーティングの無い面に、実施例1記載と同じ厚さ15μmの粘着フィルムを貼り付け、熱伝導シートを得た。得られたシートから50mm角の試験片を切り出し、実施例1と同様の評価を実施したところセラミックヒーターの温度は70℃であった。
比較例1、2に示したように膨張黒鉛シートの片面にセラミック粉末を含むコーティング層を有さない熱伝導シートは、本発明のセラミック粉末を含むコーティング層を有するものに比べて熱伝導が低く、発塵する。また、実施例3で例示したコーティング層の厚さが50μmを超えて高いと発塵はないが熱伝導が低下する傾向にある。さらに、実施例5に例示したように60℃におけるコーティング層表面の放射率が0.7未満であると発塵はないが熱伝導が低下する傾向にある。
本発明の膨張黒鉛シートの面方向の熱伝導率が100W/mK以上、厚さ方向の熱伝導率が2W/mK以上で、コーティング層の厚さが50μm以下、コーティング層表面の放射率が0.7以上であると熱伝導、耐発塵性および熱放射が良好であり好ましい。



Claims (10)

  1. 膨張黒鉛シートの少なくとも片面にセラミック粉末を含むコーティング層を有する熱伝導シート。
  2. コーティング層の厚さが50μm以下である請求項1に記載の熱伝導シート。
  3. 膨張黒鉛シートの面方向の熱伝導率が100W/mK以上、厚さ方向の熱伝導率が2W/mK以上である請求項1又は請求項2に記載の熱伝導シート。
  4. 60℃におけるコーティング層表面の放射率が0.7以上である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の熱伝導シート。
  5. セラミック粉末が樹脂で結合されている請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の熱伝導シート。
  6. コーティング層の反対面に粘着層を有する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の熱伝導シート。
  7. 粘着層が、中央の支持体の両面に粘着材を有する粘着フィルムである請求項6に記載の熱伝導シート。
  8. 粘着層の厚さが30μm以下である請求項6または請求項7に記載の熱伝導シート。
  9. 端面がコーティング材で覆われている請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の熱伝導シート。
  10. 片面にコーティング層を有する膨張黒鉛シートの他面に、前記膨張黒鉛シート外形よりも大きな寸法の粘着層が貼り合わされ、前記膨張黒鉛シート端面より外側の粘着層が折り返されて、前記膨張黒鉛シートの端面を覆う請求項6ないし請求項9のいずれかに記載の熱伝導シート。

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