JP6586284B2 - インクジェット光造形法における光造形品形成用モデル材及び光造形品の製造方法 - Google Patents
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Description
近年、インクジェット方式による光造形法が提案され、従来法に比べ、インクジェットノズルから吐出した液状の光硬化性樹脂を硬化させ、積層して光造形することが可能となり、従来のように大型の樹脂液槽や暗室の設置が不要となる等の利点がある。光造形機がコンパクトで小型化できる他、CAD(Computer Aided Design)システムを用いることにより、自由に立体モデルを作製できる3DCADとして注目されている(例えば特許文献7参照)。
更に、インクジェット方式を用いた光造形において、特定のモデル材とサポート材を使用して、光造形品を作製する方法も提示されている(例えば特許文献10〜12参照)。
ウレタン基を有しない単官能エチレン性不飽和単量体(A)は、エチレン性不飽和基[(メタ)アクリロイル基及びビニル基等]を1個有する化合物であり、そのホモポリマーのTgが80℃以上であり、ウレタン基を有しない単官能エチレン性不飽和単量体である。
本発明のモデル材は、そのホモポリマーのTgが80℃以上であり、ウレタン基を有しない単官能エチレン性不飽和単量体(A)を必須成分として含有する。
ウレタン基を有しない多官能エチレン性不飽和単量体(B)は、ウレタン基を有さず、2個又はそれ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物であり、そのホモポリマーのTgが200℃以上であり、ウレタン基を有しない多官能エチレン性不飽和単量体(B)である。
[ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等]
炭素数10〜30の脂環式骨格を有するジ(メタ)アクリレートの内、そのホモポリマーのTgが200℃以上の化合物;[ジメチロール−トリシクロデカンジメタクリレート等]及び炭素数10〜40の芳香環を有するジ(メタ)アクリレートの内、そのホモポリマーのTgが200℃以上の化合物[ビスフェノキシフルオレンジ(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
また、(B)を、上述した脂環式骨格及び/又は芳香環を有する構成にすることによって、更に、造形物の反りを抑えた上で、高い耐熱性を発現するという効果がある。
ウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C)は、1個又はそれ以上のエチレン性不飽和基を有し、ウレタン基を有する単量体である。本発明のモデル材に(C)を含有させることにより、光硬化物の耐熱性を更に向上させることができる。
(γ1)のε−カプロラクトン付加物(化学式量又はMnが230〜5,000)(γ2)としては、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル−ε−カプロラクトン2モル付加物等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸とジオール(Mn300〜5,000)との反応生成物(γ3)としては、ジオール[Mn300〜5,000、例えばポリカーボネートジオール、PEG及びポリエステルジオール]のモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸と3官能以上のポリオール(化学式量又はMnが92〜5,000)との反応生成物(γ5)としては、グリセリンモノ−又はジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ−又はジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ−、ジ−又はトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンモノ−、ジ−又はトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−又はペンタ(メタ)アクリレート及びこれらのAO付加物(水酸基1個あたりAO付加数1〜100)等が挙げられる。
光重合開始剤(D)としては、
ベンゾイン化合物[炭素数14〜18の化合物、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル];
アセトフェノン化合物〔炭素数8〜18の化合物、例えばアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン〕;
アントラキノン化合物[炭素数14〜19の化合物、例えば2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン];
チオキサントン化合物[炭素数13〜17の化合物、例えば2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン及び2−クロロチオキサントン];
ケタール化合物[炭素数16〜17の化合物、例えばアセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール];
ベンゾフェノン化合物[炭素数13〜21の化合物、例えばベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド及び4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン];
ホスフィンオキシド[炭素数22〜28の化合物、例えば1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド];
及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの(D)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
モデル材には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により添加剤(E)を含有させることができる。
(E)には、重合禁止剤、界面活性剤、着色剤、酸化防止剤、連鎖移動剤及び充填剤等が含まれ、目的に応じて種々選択することができ、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
重合禁止剤の使用量は、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量に基づいて、通常5重量%以下、単量体の安定性及び重合速度の観点から好ましくは0.05〜3重量%である。
界面活性剤の使用量は、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量に基づいて、通常3重量%以下、添加効果及び光硬化物の物性の観点から好ましくは0.05〜2重量%である。
(1)アゾ顔料
不溶性モノアゾ顔料(トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB及びファストイエローG等)、不溶性ジスアゾ顔料(ジスアゾイエローAAA及びジスアゾオレンジPMP等)、アゾレーキ(溶性アゾ顔料)(レーキレッドC及びブリリアントカーミン6B等)、縮合アゾ顔料及びキレートアゾ顔料等;
(2)多環式顔料
フタロシアニンブルー、インダントロンブルー、キナクリドンレッド及びジオキサジンバイオレット等;
(3)染つけレーキ
塩基性染料(ビクトリアピュアブルーBOレーキ等)及び酸性染料(アルカリブルートーナー等)等;
(4)その他
アジン顔料(アニリンブラック等)、昼光蛍光顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料及び天然顔料等。
酸化防止剤の使用量は、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量に基づいて、通常3重量%以下、酸化防止効果及び光硬化物の物性の観点から好ましくは0.1〜2重量%である。
連鎖移動剤の使用量は、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量に基づいて、通常10重量%以下、単量体の重合性及び単量体と連鎖移動剤との相溶性の観点から好ましくは0.05〜5重量%である。
充填剤の使用量は、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量に基づいて、通常30重量%以下、充填効果及びインクジェット吐出可能粘度及び光硬化物の物性の観点から好ましくは3〜20重量%である。
(1)試験片の作製方法
ガラス板[商品名「GLASS PLATE」、アズワン(株)製、200mm×200mm×厚さ5mm]の上面四辺に厚さ1mmのスペーサーを配し、10cm×10cmの正方形に仕切る。正方形内にモデル材を注型した後、同様の別のガラス板を重ねて載せる。紫外線照射装置[型番「ECS301G1」、アイグラフィックス(株)製]により、紫外線を1000mJ/cm2照射した後、光硬化物をガラス板から離型し、カッターで幅5mm、長さ40mmの形状に切り出して試験片を得る。
(2)Tgの測定方法
(1)で得られた試験片を使用し、動的粘弾性測定(DMA)装置[型番「Rheogel−E4000」、(株)ユービーエム製]を用いて、DMA法により、引張モード、10Hzで測定する。
本発明において好ましく用いられるサポート材は、水溶性単官能エチレン性不飽和単量体(F)、オキシプロピレン基を含むAO付加物及び/又は水(G)、並びに光重合開始剤(H)を含有してなる。
水溶性単官能エチレン性不飽和単量体(F)は、光造形後にサポート材の硬化物をすばやく水に溶解させるために、サポート材の構成成分として用いられる。
(G)におけるオキシプロピレン基を含むAO付加物としては、活性水素化合物に少なくともPOを単独又はPOとその他のAOを付加したものである。これらのうち好ましいのは活性水素化合物にPOを単独で付加した物(例えば、PPG)である。活性水素化合物としては、1〜4価のアルコール、アミン化合物及び水等が挙げられ、これらのうち好ましいのは2価アルコール及び水である。
サポート材に用いる光重合開始剤は、基本的にモデル材における光重合開始剤(D)と同じものを使用するが、(G)が水の場合は、水溶性の光重合開始剤が使用される。
(H)のうちの水溶性光重合開始剤としては、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられるが、水溶性のものであれば特に限定されることはない。
サポート材には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により添加剤(E)を含有させることができる。
サポート材にもモデル材における添加剤(E)と同様のものが使用できる。
(E)には、重合禁止剤、界面活性剤、着色剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、充填剤等が含まれ、目的に応じて種々選択することができ、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(F)、(G)及び(H)の合計重量に基づく各(E)の使用量(重量%)は、モデル材における、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量に基づく各(E)の使用量(重量%)と同様であり、また(F)、(G)及び(H)の合計重量に基づく(E)の合計の使用量(重量%)についても、前記(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量に基づく(E)の合計の使用量(重量%)と同様である。
本発明の光造形品は、後述する光造形装置を用いて通常以下の手順で製造される。
(1)モデル材及びサポート材の製造
(1−1)モデル材の製造
(A)、(B)、(C)及び(D)並びに必要により加えられる添加剤(E)を、混合撹拌装置等を用いて均一混合し、モデル材を製造する。
(1−2)サポート材の製造
(F)、(G)及び(H)並びに必要により加えられる添加剤(E)を、混合撹拌装置等を用いて均一混合し、サポート材を製造する。
図1は、インクジェット方式の三次元造形システムの概略図である。図1に示すように、このシステムは、パーソナルコンピュータ(パソコン)1と、このパソコン1と接続される三次元造形装置2とから構成されている。パソコン1は、造形すべき物体の三次元CADデータの入力を受け付け、この入力されたCADデータを三次元造形用のデータとして、例えばSTL(Stereo Lithographyの略)データに変換し、更に、この三次元STLデータから、Z方向にスライスした各レイヤ(層)のデータを生成する。
図2及び図3に示すように、三次元造形装置2は、Z方向に移動可能な造形テーブル21と、この造形テーブル上にモデル材を吐出するためのモデル材用のプリンタヘッド22と、この造形テーブル上にサポート材を吐出するためのサポート材用のプリンタヘッド23と、プリンタヘッド22及び23から吐出され、造形テーブル21上に形成された層の上面を平滑にするために、余分なモデル材及びサポート材を除去するためのローラ24と、塗布された少なくともモデル材を光硬化させるためのUV光源25とを有する。
言い換えれば、ローラ24が作用する時点のプリンタヘッドモジュール26が走査する方向と、ローラ24の下部が回転する方向(図2に示す矢印方向)とが同じ向きに回転するように制御されることが好ましい。
また、UV光源25としては、光硬化型の樹脂を硬化させるために一般的によく用いられるUVランプ又はLEDを用いることが好ましい。
また、造形テーブル21は、図示しない駆動手段によって、各レイヤ(層)に対応する各スライスデータに基づいて各レイヤ(層)を形成する毎に、次のレイヤの形成に先だって、各レイヤの厚み分だけ、下方(Z方向)に移動する。
各プリンタヘッド22及び23に対しては、モデル材及びサポート材のカートリッジ27及び28が各々接続され、その接続経路途中に各々供給用ポンプ29及び30が設けられている。各カートリッジ27及び28は、内部のモデル材又はサポート材がなくなると、交換可能となっている。
三次元造形のためのCADデータが1に入力されると、STLデータに変換されるとともに、上述した画面上にて、三次元造形装置2の保有する造形空間内における三次元的なデータ(モデル)の姿勢を決定した後、1からZ方向の各スライスデータが三次元造形装置2に送られる。
三次元造形装置2は、プリンタヘッドモジュール26を主走査方向に往復動作させるとともに、その往復動作中に、受け取った各スライスデータに基づき適切な位置にモデル材とサポート材とを各プリンタヘッド22及び23から吐出制御させることにより、各スライスデータに対応する各層を造形テーブル上に積層していく。
各層には少なくともモデル材がプリンタヘッド22から適切な位置に吐出され、必要に応じて、サポート材もプリンタヘッド23から適切な位置に吐出され各層が造形されることになる。
そして、このローラ24によって平滑化された表面に対して、プリンタヘッドモジュール26に載置されるUV光源25から紫外線を照射することによって、造形テーブル21上に形成されている最上面に位置する層の硬化を行わせる。なお、各層は、少なくともモデル材によって形成され、必要に応じてサポート材を加えて形成されることは言うまでもない。
従って、各層の形成は、各プリンタヘッド22及び23からモデル材とサポート材の吐出により、造形テーブル21上の最上面に位置する層の形成、その層の表面をローラ24による平滑化、平滑化された、造形テーブル21上の最上面に位置する層に対する紫外線の照射による層の硬化によって行われ、これらの工程を繰り返すことにより、三次元のモデルを造形することになる。
上述したように、Mの部分のモデル材がZ方向の下方から上方に略Sの字状になっているため、図6に示すモデル材の左右の湾曲している部分を支持するために、Sの部分にサポート材が設けられるように造形させている。
図7の(イ)に示すように、三次元造形装置2により、三次元のモデルの造形が完了した時点では、このモデルには、造形中のモデル材の支持のためのサポート材が一体的に形成されている。このため、このサポート材は、水溶解性の材料からなっているため、例えば水に浸けることにより、図7の(ロ)に示すようなモデル材のみからなるモデル(光造形品)を得ることができる。このようにして、本発明の光造形品を得ることができる。
反応容器に、2−ヒドロキシエチルアクリレート[商品名「ライトエステルHOA」、共栄社化学(株)製]232部、IPDI222部及びウレタン化触媒[ビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50重量%溶液)以下同じ。]0.3部を仕込み、80℃で12時間反応させ、ウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−1)を得た。ウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−1)のウレタン基濃度は4.4mmol/g、Mnは686であった。
反応容器にPPG[商品名「PPG−400」、三洋化成工業(株)製、Mn=400]400部、水添MDI524部及びウレタン化触媒0.5部を仕込み、80℃で4時間反応させ、その後2−ヒドロキシエチルアクリレート232部を加え、80℃で8時間反応させてウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−2)を得た。得られたウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−2)のウレタン基濃度は3.4mmol/g、Mnは1,388であった。
反応容器にPTMG[商品名「PTMG−1000」、三菱化学(株)製、Mn1,000]1,000部、IPDI333部及びウレタン化触媒0.5部を仕込み、80℃で4時間反応させ、その後2−ヒドロキシエチルアクリレート116部を加え(イソシアネート基/水酸基当量比=1/1)、80℃で8時間反応させてウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−3)を得た。得られたウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−3)のウレタン基濃度は2.1mmol/g、Mnは2,898であった。
表1に示す配合組成(部)で均一混合して、実施例及び比較例の各モデル材を得た後、以下の測定方法で各モデル材の光硬化物のTg、荷重たわみ温度、破断強度及び保管時の変形を測定した。結果を表1に示す。
(A−1):イソボルニルアクリレート[商品名「ライトアクリレートIBXA」、共栄社化学(株)製、官能基数=1]
(A−2):イソボルニルメタクリレート[商品名「ライトエステルIB−X」、共栄社化学(株)製、官能基数=1]
(A−3):メチルメタクリレート「商品名「ライトエステルM」、共栄社化学(株)製、官能基数=1]
(A−4):tert−ブチルメタクリレート「商品名「ライトエステルTB」、共栄社化学(株)製、官能基数=1]
(A’−1):n−ステアリルメタクリレート「商品名「ライトエステルS」、共栄社化学(株)製、官能基数=1]
(A’−2):フェノキシエチルアクリレート「商品名「ライトアクリレートPO−A」、共栄社化学(株)製、官能基数=1]
(B−2):ビスフェノキシフルオレンジアクリレート[商品名「A−BPEF」、新中村化学(株)製、官能基数=2]
(B−3):ビスフェノキシフルオレンジメタクリレート[商品名「BPEF−MA」、新中村化学(株)製、官能基数=2]
(B’−1):ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート[商品名「ライトアクリレートDCP−A」、共栄社化学(株)製、官能基数=2]
(B’−2):PEG(Mn200)ジアクリレート[商品名「ライトアクリレート4EG−A」、共栄社化学(株)製、官能基数=2]
(D−2):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、チバスペシャルティケミカルズ(株)製]
(D−3):2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン[商品名「イルガキュア907」、チバスペシャルティケミカルズ(株)製]
(E−2):ヒドロキノンモノメチルエーテル[和光純薬工業(株)製](重合禁止剤)
(E−3):カーボンブラック[商品名「MHIブラック#220」、御国色素(株)製](着色剤)
(1)試験片の作製
ガラス板[商品名「GLASS PLATE」、アズワン(株)製、200mm×200mm×厚さ5mm]の上面四辺に厚さ1mmのスペーサーを配し、10cm×10cmの正方形に仕切る。正方形内にモデル材を注型した後、同様の別のガラス板を重ねて載せる。紫外線照射装置[型番「ECS301G1」、アイグラフィックス(株)製]により、紫外線を1000mJ/cm2照射した後、光硬化物をガラス板から離型し、カッターで幅5mm、長さ40mmの形状に切り出して試験片を得た。
(2)Tgの測定
(1)で得られた試験片を使用し、動的粘弾性測定(DMA)装置[型番「Rheogel−E4000」、(株)ユービーエム製]を用いて、DMA法により、引張モード、10HzでTgを測定した。
紫外線を300mJ/cm2照射し、試験片の長さを50mmにする以外はモデル材の光硬化物のTgの試験片の作製方法と同様にして得た試験片について、下記の(1)〜(3)の方法で測定を行った。測定結果は試験片5枚の平均値とした。
荷重たわみ温度測定装置型番「148−HDPC−3」、安田精機(株)製]を用いて、JIS−K7191に準じて荷重たわみ温度を測定した。荷重は高荷重(1.8MPa)とした。
オートグラフ[(株)島津製作所製]を用いて、試験速度50mm/分で引張り、JIS−K7113に準じて引張破断強度を測定し、破断強度とした。
試験片の長さ方向の片端をチャックで掴み(掴み距離5mm)、試験片を水平固定した状態で恒温恒湿器(40℃、10%RH)中で24時間静置後、重力による変形で垂れ下がった試験片の固定端部とは反対側の片端の当初の水平面からの距離を測定し、保管時の変形(mm)とした。
2 三次元造形装置
21 Z方向に移動可能な造形テーブル
22 モデル材用のプリンタヘッド
23 サポート材用のプリンタヘッド
24 ローラ
25 UV光源
26 プリンタヘッドモジュール
27 モデル材のカートリッジ
28 サポート材のカートリッジ
29 供給用ポンプ
30 供給用ポンプ
Claims (9)
- そのホモポリマーのガラス転移温度が80℃以上であり、ウレタン基を有しない単官能エチレン性不飽和単量体(A)、そのホモポリマーのガラス転移温度が200℃以上であり、ウレタン基を有しない多官能エチレン性不飽和単量体(B)、ウレタン基を有し、ウレタン基濃度が2.7〜5.0mmol/gであり、多官能エチレン性不飽和単量体(C1)であるエチレン性不飽和単量体(C)及び光重合開始剤(D)を含有するインクジェット光造形法における光造形品形成用モデル材。
- 前記単官能エチレン性不飽和単量体(A)が、脂環式骨格を有する請求項1に記載のモデル材。
- 前記多官能エチレン性不飽和単量体(B)が、脂環式骨格又は芳香環を有する請求項1又は2に記載のモデル材。
- モデル材の重量に基づいて、前記(A)の含有量が50〜90重量%、前記(B)の含有量が3〜25重量%、前記(C)の含有量が5〜35重量%、前記(D)の含有量が0.1〜10重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のモデル材。
- モデル材の光硬化物のガラス転移温度が、91〜200℃である請求項1〜4のいずれか1項に記載のモデル材。
- インクジェット光造形法において光造形品を形成するための光造形品形成用モデル材と、前記光造形品の光造形時の形状を支えるサポート材を組み合わせてなる二液型光硬化性組成物において、前記モデル材が請求項1〜5のいずれか1項に記載のモデル材であるインクジェット光造形用の二液型光硬化性組成物。
- インクジェット光造形法により請求項6に記載の組成物を光硬化させてなる光造形品。
- インクジェット光造形法による光造形品の製造方法において、請求項7に記載の光造形品を三次元造形システムを用いて製造することを特徴とするインクジェット光造形法による光造形品の製造方法。
- 三次元造形システムが、パーソナルコンピュータと、前記パーソナルコンピュータと接続される三次元造形装置から構成される請求項8に記載の製造方法。
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