JP6584321B2 - 接着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、接着性が損なわれることなく、耐熱性が向上したポリエステル樹脂組成物に関する。
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂は、機械的強度、熱安定性、疎水性、耐薬品性などに優れるため、繊維、フィルムやシートなどの成形体の材料として、各種分野で広く利用されている。
ポリエステル樹脂は、構成成分である多価カルボン酸成分とグリコール成分の種類や数を適宜選択して構造を変化させることで、種々の特性を有するポリエステル樹脂や共重合ポリエステル樹脂を得ることが可能である。
例えば、共重合ポリエステル樹脂は、各種基材にコーティングされた場合、基材との接着性に優れた樹脂層が得られる。さらに、この基材上の樹脂層は、他の基材に対する接着性にも優れている。上記基材として、一般に、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂またはポリ塩化ビニル樹脂などからなるフィルムやシート、あるいはアルミニウムまたは銅などの金属箔などが用いられている。
このような優れた接着性を活かして、共重合ポリエステル樹脂は、接着剤、コーティング剤、インキバインダーあるいは塗料などの用途において広く使用されている。例えば、共重合ポリエステル樹脂を用いた接着剤は、家電製品用や自動車用の配線材として広く利用されるフレキシブルフラットケーブルや光学パネルの接着剤等に広く用いられている。
近年、フラットパネル、タッチパネルなどの光学パネルは、薄型化、小型化が進行しているため、液晶画面におけるバックライトやCPU(中央演算処理装置)などからの放熱の影響が大きくなってきている。そのため、光学パネルやそれに接続されるフレキシブルフラットケーブルなどの製造に使用される接着剤には、耐熱性向上の要求が高まってきている。
このような問題を解決するために、ガラス転移温度の低いポリエステル樹脂に対して、ガラス転移温度の高いポリエステル樹脂をブレンドすることにより、耐熱性を向上させることが検討されている(例えば、特許文献1)。
また、ポリエステル樹脂の構成成分として、特定のグリコール成分やジカルボン酸成分含有させて結晶性を高めることにより、耐熱性を向上させることが検討されている(例えば、特許文献2、3)。
特開2008−19375号公報 特開2009−249472号公報 特開2008−150442号公報
しかしながら、特許文献1〜3の方法によって、すなわち、ガラス転移温度の高いポリエステル樹脂をブレンドすることによって、また結晶性を有するポリエステル樹脂を用いることによって、ポリエステル樹脂の耐熱性を向上させることはできるが、同時に、ポリエステル樹脂は、基材に対する接着性が低下することがあった。
本発明は、ポリエステル樹脂が本来有する接着性を損なうことなく、耐熱性を向上させたポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)ポリエステル樹脂組成物と有機溶剤とを含有する接着剤であって、
ポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)と、テルペン系樹脂(Q)および/またはロジン系樹脂(R)からなる樹脂(B)とを含有し、
前記ポリエステル樹脂(A)を構成する多価カルボン酸成分における、テレフタル酸の含有量が30〜80モル%であり、イソフタル酸の含有量が20〜70モル%であり、
前記ポリエステル樹脂(A)は、多価カルボン酸成分として、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ドコサン二酸からなる群から選ばれる多価カルボン酸(X)を含有するか、または、グリコール成分として、ポリテトラメチレングリコールを含有し、多価カルボン酸成分における多価カルボン酸(X)の含有量またはグリコール成分におけるポリテトラメチレングリコールの含有量が3〜45モル%であり、
前記ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が−40〜70℃であり、
前記樹脂(B)の軟化点が90120℃であり、
ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)との質量比(A/B)が60/4090/10であることを特徴とする接着剤
(2)ポリエステル樹脂組成物がさらに硬化剤(C)を含有することを特徴とする(1)記載の接着剤。
)上記(1)または(2)記載の接着剤にて形成されてなる樹脂層。
)上記()記載の樹脂層を含有する積層体。
)上記()の積層体を用いてなるフレキシブルフラットケーブル。
本発明によれば、接着性を損なうことなく、耐熱性を向上させたポリエステル樹脂組成物が得られる。本発明のポリエステル樹脂組成物より得られる接着剤は、各種用途の接着剤として用いることができ、特に、耐熱性が要求されるフレキシブルフラットケーブル等の製造用の接着剤として適用可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)とを含有するものであり、前記ポリエステル樹脂(A)はガラス転移温度が−40〜70℃であり、前記樹脂(B)は、テルペン系樹脂(Q)および/またはロジン系樹脂(R)からなり、軟化点が80〜145℃であり、質量比(A/B)が50/50〜95/5である。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)は、多価カルボン酸成分とグリコール成分とから構成されるものである。ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が−40〜70℃であれば、ポリエステル樹脂(A)を構成する多価カルボン酸成分やグリコール成分は、特に限定はされない。
ポリエステル樹脂(A)を構成する多価カルボン酸成分として、得られるポリエステル樹脂(A)の耐熱性、接着性、溶剤溶解性をバランスの良いものとするために、テレフタル酸、イソフタル酸を混合して用いることが好ましい。
テレフタル酸、イソフタル酸を混合して用いる場合、多価カルボン酸成分におけるテレフタル酸の含有量は、30〜80モル%であることが好ましく、35〜75モル%であることがより好ましく、40〜70モル%であることがさらに好ましい。テレフタル酸の含有量が30モル%未満では、ポリエステル樹脂(A)は、耐熱性、基材への接着性がともに劣るものとなり、80モル%を超えると、ポリエステル樹脂(A)は溶剤溶解性が劣ることがある。
一方、イソフタル酸の含有量は、20〜70モル%であることが好ましく、30〜60モル%であることがより好ましく、40〜50モル%であることがさらに好ましい。イソフタル酸の含有量が20モル%未満では、ポリエステル樹脂(A)は溶剤溶解性に劣るものとなり、70モル%を超えると、ポリエステル樹脂(A)は、耐熱性、靱性が劣るものとなることがある。
また、ポリエステル樹脂(A)を構成する多価カルボン酸成分として、得られるポリエステル樹脂組成物の接着性を向上させるために、上記テレフタル酸やイソフタル酸に加えて、多価カルボン酸(X)を含有することが好ましい。
価カルボン酸(X)、アジピン酸(ADA)、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸(AZA)、セバシン酸(SEA)、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ドコサン二酸からなる群から選ばれる多価カルボン酸である。なかでも、基材への接着性向上効果が高い点で、アジピン酸(ADA)、アゼライン酸(AZA)またはセバシン酸(SEA)が好ましい。
ポリエステル樹脂(A)を構成する多価カルボン酸成分における多価カルボン酸(X)の含有量は、3〜45モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることがより好ましい。
ポリエステル樹脂(A)を構成する多価カルボン酸成分として、上記の多価カルボン酸以外に、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジカルボキシビフェニル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、1,3,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などや、またはその無水物が挙げられる。
ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分も、特に限定はされないが、エチレングリコールや、側鎖を持った脂肪族グリコールを含有することが好ましい。
エチレングリコールを含有する場合、その含有量は、グリコール成分の30〜70モル%であることが好ましく、35〜65モル%であることがより好ましく、40〜60モル%であることがさらに好ましい。
側鎖を持った脂肪族グリコールとしては、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ブチルエチルプロパンジオール等が挙げられ、溶剤溶解性の観点から、特にネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオールが好ましい。側鎖を持った脂肪族グリコールを含有する場合、その含有量はグリコール成分の30〜60モル%であることが好ましく、35〜55モル%であることがより好ましく、40〜50モル%であることがさらに好ましい。側鎖を持った脂肪族グリコールの含有量が30モル%未満では、溶剤溶解性に劣ることがあり、含有量が60モル%を超えると、耐熱性に劣ることがある。
また、ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分として、得られるポリエステル樹脂組成物の接着性を向上させるために、グリコール(Y)を含有することが好ましい。
リコール(Y)、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールからなる群から選ばれるグリコールである。なかでも、接着性向上の効果が高い点で、1,6−ヘキサンジオールまたはポリテトラチレングリコールが好ましい。
ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分におけるグリコール(Y)の含有量は、3〜45モル%であることが好ましく、4〜40モル%であることがより好ましい。
ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコールとして、上記のグリコール以外に、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、スピログリコール、ダイマージオール、1,2−プロパンジオールなどが挙げられる。
ポリエステル樹脂(A)には、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、多価カルボン酸成分およびグリコール成分以外の他のモノマー成分が用いられてもよい。他のモノマー成分としては、例えば、テトラヒドロフタル酸;オキシラン;乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸、4−(β−ヒドロキシ)エトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸;β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の脂肪族ラクトン;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸等のモノカルボン酸;オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等のモノアルコール;が挙げられる。これらを含有する場合、ポリエステル樹脂(A)に含まれる全モノマー成分100モル%に対して10モル%未満であることが好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、8000〜40000であることが好ましく、10000〜35000であることがより好ましく、12000〜30000であることがさらに好ましい。数平均分子量が8000未満であると、他の基材への接着性が劣ることがある。一方、40000を超えると、ポリエステル樹脂(A)の溶融粘度、溶液粘度が高くなり、取扱性が劣ることがある。
本発明のポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度は、−40〜70℃であることが必要であり、−10〜60℃であることが好ましく、0〜50℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が−40℃未満であると、得られるポリエステル樹脂組成物は、耐熱性が劣り、耐熱エージング試験等において、基材上に形成された樹脂層が融けて流れ出すことがある。一方、70℃を超えると、基材上に形成された樹脂層は他基材への接着性が劣ったり、耐熱エージング試験を行った際の寸法安定性が不足する。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)とともに、テルペン系樹脂(Q)および/またはロジン系樹脂(R)からなる樹脂(B)を含有するものである。
上記テルペン系樹脂(Q)としては、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテンなどのテルペン単量体をそれぞれ単独で重合したポリテルペン樹脂や、テルペン単量体と芳香族単量体とを共重合した芳香族変性テルペン樹脂や、テルペン単量体とフェノール類とを共重合したテルペンフェノール樹脂や、これらの樹脂に水素添加処理をした水添系のものが挙げられる。上記芳香族単量体としては、スチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられ、フェノール類としては、フェノール、クレゾールなどが挙げられる。テルペン系樹脂(Q)は、中でも、得られるポリエステル樹脂組成物の接着性向上の観点から、ポリテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂が好ましく、芳香族変性テルペン樹脂がより好ましい。市販のテルペン系樹脂として、例えば、ヤスハラケミカル社製の「YSレジン」「クリアロン」「YSポリスター」などが挙げられる。
上記ロジン系樹脂(R)としては、ロジン単量体であるアビエチン酸などを、グリセリンエステルやペンタエリストールエステルなどにエステル化した後、不均化した不均化ロジンエステルや、共重合した重合ロジンエステルや、水素添加処理をした水添ロジンエステルなどが挙げられる。中でも、得られるポリエステル樹脂組成物の接着性向上の観点から、不均化ロジンエステル、重合ロジンエステルが好ましい。市販のロジン系樹脂として、例えば、ハリマ化成社製のものが挙げられる。
本発明において、樹脂(B)の軟化点は、80〜145℃であることが必要であり、85〜130℃であることが好ましく、90〜120℃であることがより好ましく、100〜115℃であることがさらに好ましい。樹脂(B)の軟化点が80℃未満であると、得られるポリエステル樹脂組成物は、耐熱性が劣るものとなる。一方、樹脂(B)の軟化点が145℃より高いと、形成された樹脂層は、他基材への接着性が劣ったり、接着したとしても、耐熱エージング試験等で剥離しやすい傾向がある。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)の質量比(A/B)が、50/50〜95/5であることが必要であり、60/40〜90/10であることが好ましく、70/30〜85/15であることがより好ましい。ポリエステル樹脂(A)の質量比が50質量%未満であると、形成された樹脂層は、他基材への接着性が劣るばかりか、基材から剥がれたり、融けて流れ出すことがある。一方、ポリエステル樹脂(A)の質量比が95質量%を超えると、ポリエステル樹脂組成物は、接着性、耐熱性が劣るものとなり、形成された樹脂層が、基材から剥がれたり、融けて流れ出すことがある。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、結晶性であってもよいし、非晶性であってもよい。なお、結晶性とは、DSC(示差走査熱量計)を用いて、JIS K 7121に準拠して測定した場合において、昇温時に結晶融点(以下、融点という)を有し、融解熱量が0.1J/g以上であるものであり、非晶性とは、結晶融点を有さず、融解熱量が0.1J/g未満であるものを示す。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、さらに硬化剤(C)を含有してもよい。ポリエステル樹脂組成物が硬化剤(C)を含有することで、形成される樹脂層は耐熱性が向上し、とりわけ、耐熱エージング試験等を行った際に、基材からの樹脂層の剥がれを抑制する効果を高めることができる。
硬化剤(C)としては公知のものを挙げることができ、ポリエステル樹脂(A)が有する官能基、またはポリエステル樹脂(A)が反応して形成される官能基(例えば、カルボキシル基やその無水物、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基など)との反応性を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。
硬化剤(C)の具体例としては、フェノール樹脂、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどのホルムアルデヒド付加物;尿素、アクリルアミドなどのグリオキザール付加物;炭素数1〜6のアルコールによるそれら付加物のアルキル化合物などのアミノ樹脂;エポキシ樹脂;酸無水物;イソシアネート化合物およびその各種ブロックイソシアネート化合物;アジリジン化合物;カルボジイミド基含有化合物;オキサゾリン基含有化合物などが挙げられる。これらの中でも、硬化反応性に優れる点で、イソシアネート化合物およびその各種ブロックイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有化合物が好ましい。また、150℃以下という比較的低温における硬化反応性に優れ、基材に与える熱的影響を最小限とすることができる点からは、イソシアネート化合物およびその各種ブロックイソシアネート化合物が好ましい。
イソシアネート化合物としては、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート単量体およびそれらの三量体が挙げられる。なかでも、硬化反応速度が速い点で、芳香族ジイソシアネートが好ましく、MDIが特に好ましい。
また、耐溶剤性、加工性に優れる樹脂層形成が可能なことから、硬化剤としてアミノ樹脂も好ましく用いることができる。
本発明において、硬化剤(C)を用いる場合、その含有量は、ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)の合計100質量部に対し、0.1〜15質量部であることが好ましく、0.3〜12質量部であることがより好ましく、0.5〜10質量部であることがさらに好ましい。硬化剤(C)の含有量が0.1質量部未満では、硬化性が不十分であることがある。一方、硬化剤(C)の含有量が15質量部を超えると、初期の接着性が不十分となることがある。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて、難燃剤を添加することができる。難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、デカブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、テトラブロモビスフェノール、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサブロモベンゼン等のハロゲン化物;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、ポリ燐酸アンモニウム、ポリ燐酸アミド、燐酸グアニジン等の燐化合物;トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート等の含ハロゲン燐酸エステル;赤燐;トリアジン、メラミンイソシアヌレート、エチレンジメラミン等の窒素系難燃剤;二酸化スズ、五酸化アンチモン、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機難燃剤;シリコーンパウダーなどが挙げられる。上記の難燃剤の中でも、環境負荷低減の観点から、非ハロゲン系難燃剤、非燐系難燃剤、脱重金属系難燃剤を選択することが好ましい。
次に、本発明のポリエステル樹脂(A)の製造方法について説明する。
まず、多価カルボン酸およびグリコールなどのモノマーの組み合わせを適宜選択し、これらを公知の重合法で重合して、ポリエステル樹脂(A)を得ることができる。つまり、原料モノマーを反応缶に投入した後、エステル化反応をおこなった後、公知の方法で所望の分子量に達するまで重縮合させることにより、ポリエステル樹脂(A)を製造することができる。
エステル化反応は、例えば、180℃以上の温度において4時間以上おこなわれる。
重縮合反応は、一般的には、130Pa以下の減圧下、220〜280℃の温度下で、重合触媒を用いておこなわれる。重合触媒は、テトラブチルチタネ−トなどのチタン化合物、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛などの金属の酢酸塩、三酸化アンチモン、ヒドロキシブチルスズオキサイド、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物などが挙げられる。なお、重合触媒の使用量は、少量では反応が遅く、過多では得られるポリエステル樹脂(A)の色調が低下するため、酸成分1モルに対し、0.1×10−4〜20×10−4モルであることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)とを混合することによって製造することができる。ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)の混合方法としては、例えば、ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)を溶融混練する方法が挙げられる。
本発明の接着剤は、ポリエステル樹脂(A)および樹脂(B)を含有するポリエステル樹脂組成物と、有機溶剤とを含有するものである。その製造方法としては、[1]ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)の所定量を一括して有機溶剤に溶解する方法や、[2]予めポリエステル樹脂(A)を溶解した有機溶剤溶液と、樹脂(B)を溶解した有機溶剤溶液とを混合する方法や、[3]ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)を一旦溶融混練した後、得られた樹脂組成物を有機溶剤に溶解する方法等が挙げられ、[1]の方法が好ましい。
接着剤を構成する有機溶剤としては、特に限定はされず、例えば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ソルベッソなどの芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールなどのアルコール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ノルマルブチルなどのエステル系溶剤;セロソルブアセテート、メトキシアセテートなどのアセテート系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の接着剤は、固形分濃度が5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。固形分濃度が5質量%未満であると、接着剤を十分な塗工量で基材に塗布できないことがある。一方、固形分濃度が60質量%を超えると、接着剤の粘度が高くなり過ぎるため、基材に塗布して得られた樹脂層は、厚さの精度が低下することがある。
本発明の接着剤には、上記硬化剤(C)の他、必要に応じて、トリエチレンジアミン、オクチル錫などの硬化触媒、二酸化チタン、酸化亜鉛などの顔料などを添加することができる。
本発明の接着剤を、例えば、各種の基材に対して塗布し、必要に応じて乾燥させて有機溶媒の除去をおこない塗膜を形成することで、基材上に本発明の樹脂層を形成することができる。また、本発明のポリエステル樹脂組成物を基材上に溶融押出して、本発明の樹脂層を形成することもできる。
基材としては、特に限定されるものではないが、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂またはポリ塩化ビニル樹脂などの樹脂からなるフィルムやシート;あるいは、アルミニウム箔または銅箔などの金属箔などが挙げられる。このように基材に対し樹脂層を形成することで積層体とすることができる。
本発明の接着剤を基材に塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、リバースロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法またはスプレーコート法などの公知の方法を用いることができる。
本発明の樹脂層の厚みは、用いる用途によって異なるが、3〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましく、7〜30μmであることがさらに好ましい。樹脂層は、厚みが3μm未満であると、必要とする接着性が得られないことがある。一方、厚みが50μmを超えると、経済的でないばかりか、接着性が低下することがある。
本発明の樹脂組成物や接着剤は、基材への接着性に優れているため、各種用途での接着剤やコーティング剤として用いられ、例えば、光学材料分野での接着剤として、電球、LEDを用いた各種照明、表示灯、ディスプレイ等の部品の接着、封止に用いることができる。さらに、本発明の積層体は耐熱性、金属密着性にも優れるため、電気・電子部品の配線用途で好適に用いることができ、フレキシブルフラットケーブルや光学パネルの接着剤等で好適に利用される。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
1.測定方法
(1)ポリエステル樹脂の組成
NMR測定装置(日本電子社製JNM−LA400型)を用い、1H−NMR測定を行って、それぞれの共重合成分の組成を求めた。なお、測定溶媒としては、重水素化トリフルオロ酢酸を用いた。
(2)ポリエステル樹脂の数平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件でポリスチレン換算の数平均分子量を測定した。
送液ユニット:島津製作所社製LC−10ADvp
紫外−可視分光光度計:島津製作所社製SPD−6AV、検出波長:254nm
カラム:Shodex社製KF−803 1本、Shodex社製KF−804 2本を直列に接続して使用
溶媒:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
(3)ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)
JIS−K 7121に従って、入力補償型示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製ダイヤモンドDSC型)を用い、−60℃から120℃まで、昇温速度10℃/分の条件で測定をおこない、得られた昇温曲線中の、低温側ベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大となるような点で引いた接線との交点の温度を求め、ガラス転移温度とした。
(4)ポリエステル樹脂組成物の溶解性
ポリエステル樹脂組成物に、トルエン8質量部とメチルエチルケトン2質量部とからなる混合溶剤を、固形分濃度が30質量%となるように加えて、溶液を調製し、ポリエステル樹脂組成物の溶解性および溶液の外観を目視で判断した。
○:均一で透明であった。
△:白濁するも均一であった。
×:層分離または不溶であり、不均一であった。
(5)ポリエステル樹脂組成物の取扱性
実施例1〜36、比較例1〜7で得られた樹脂組成物を温度150℃で溶融し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)に厚みが20μmになるように押し出して樹脂層を形成し積層体を作製した。
また実施例37〜38で得られた接着剤を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)に塗布し、120℃で60秒間熱処理することで、乾燥時の厚みが20μmである樹脂層を形成して、積層体を作製した。
ポリエステル樹脂組成物の溶融粘度、接着剤の溶液粘度、樹脂層の厚み精度とから、樹脂組成物の取扱性を評価した。
○:溶融粘度または溶液粘度が高過ぎず、取扱性が良好であった。
△:樹脂層の厚みの制御はできたが、溶融粘度または溶液粘度が高く、取扱性が低かった。
×:溶融粘度または溶液粘度が高く、樹脂層の厚みを精度よく制御できなかった。
(6)積層体樹脂層の基材に対する接着性
前記(5)で作製した積層体を2枚用い、樹脂層形成面どうしを重ね合わせ、エアー式プレス機(林機械製作所社製)を用いて、温度180℃、圧力0.2MPaの条件下、60秒間熱圧着して、熱圧着フィルムを得た。
得られた熱圧着フィルムを、短冊状(長さ100×巾15mm)に切り出し、試験片とした。この試験片について、引張試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、引張速度50mm/分、引張角度180度の条件で、剥離強度を測定した。測定は5回おこない、その平均値を剥離強度として、下記の基準で接着性を評価した。
◎:剥離強度が15N/15mm以上である。
○:剥離強度が10N/15mm以上、15N/15mm未満である。
△:剥離強度が5N/15mm以上、10N/15mm未満である。
×:剥離強度が5N/15mm未満である。
また、剥離界面を目視で観察し、剥離界面が樹脂層/フィルム間であるものを「Ad/F」、樹脂層凝集破壊であるものを「Ad凝集」、フィルム切れであるものを「F切れ」と表記した。
(7)積層体樹脂層の銅板に対する接着性
前記(5)で作製した積層体の樹脂層形成面と、銅板(縦150×横100×厚さ0.3mm)とを重ね合わせ、エアー式プレス機(林機械製作所社製)を用い、温度180℃、圧力0.2MPaの条件下、60秒間熱圧着して、熱圧着板を得た。
得られた熱圧着板を、短冊状(長さ100×巾15mm)に切り出し、試験片とした。この試験片について、引張試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、引張速度50mm/分、引張角度180度の条件で、剥離強度を測定した。
測定は5回おこない、その平均値を剥離強度として、下記の基準で接着性を評価した。
◎:剥離強度が15N/15mm以上である。
○:剥離強度が10N/15mm以上、15N/15mm未満である。
△:剥離強度が5N/15mm以上、10N/15mm未満である。
×:剥離強度が5N/15mm未満である。
また、剥離界面を目視で観察し、剥離界面が樹脂層/銅板間であるものを「Ad/Cu」、樹脂層凝集破壊であるものを「Ad凝集」と表記した。
(8)フレキシブルフラットケーブルの耐熱エージング特性
(i)樹脂層の剥がれ
前記(5)で作製した積層体を2枚用い、それぞれの樹脂層形成面で、間隔が1mmとなるよう平行に配置した2本の錫メッキ銅線(巾0.6mm、厚さ30μm)を挟み込んで、エアー式プレス機(林機械製作所社製)を用い、温度180℃、圧力0.2MPaの条件下、60秒間熱圧着し、フレキシブルフラットケーブル(長さ100×巾15mm、厚さ約0.1mm)を得た。
得られたフレキシブルフラットケーブルを、0.1MPaの荷重がかかるようにクランプし、温度が85℃に設定されたオーブン中で240時間熱処理した。室温まで十分に冷却したフレキシブルフラットケーブルを目視で観察し、下記の基準で樹脂層の剥がれを評価した。
◎:積層体の剥がれが見られなかった。
○:積層体全面積の5%未満で剥がれが確認された。
△:積層体全面積の5〜10%の範囲で剥がれが確認された。
×:積層体全面積の10%を超える範囲で剥がれが確認された。
(ii)樹脂流れ
前記(8)−(i)での評価において、2枚の積層体に挟み込まれた樹脂層から、樹脂が融けて流れ出したか否かを目視で観察し判断した。
〇:樹脂の流れ出しが全くない。
△:樹脂の流れ出しがあるが、その量は樹脂全体量の10%未満である。
×:樹脂の流れ出しがあり、その量は樹脂全体量の10%以上である。
(iii)収縮率
前記(8)−(i)で得られたフレキシブルフラットケーブルについて、2本の錫メッキ銅線に囲まれた範囲の長さ方向の長さを、熱処理後に測定し、次式により収縮率を算出した。なお、フレキシブルフラットケーブルの原長は100mmであり、錫メッキ銅線自体は熱処理によっても伸縮しない。また、前記(8)−(i)または(ii)において、評価結果が×のものは、長さの測定を行わなかった。
収縮率(%)=(原長−熱処理後長)/(原長)×100
収縮率が大きいほど、(i)の測定において剥がれ易くなる傾向がある。
2.原料
(1)テルペン系樹脂(Q)
・Q−1:芳香族変性テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSレジンTO105」、軟化点105℃)
・Q−2:テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSポリスターT80」、軟化点80℃)
・Q−3:ポリテルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSレジンPX1000」、軟化点100℃)
・Q−4:芳香族変性テルペン樹脂水素添加品(ヤスハラケミカル社製「クリアロンP105」、軟化点105℃)
・Q−5:芳香族変性テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSレジンTO115」、軟化点115℃)
・Q−6:テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSポリスターT130」、軟化点130℃)
・Q−7:テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSポリスターT145」、軟化点145℃)
・Q−8:テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSポリスターT30」、軟化点30℃)
・Q−9:テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSポリスターT160」、軟化点160℃)
(2)ロジン系樹脂(R)
・R−1:水素添加ロジンエステル(ハリマ化成社製「F105」、軟化点102℃)
・R−2:ロジンエステル(ハリマ化成社製「2520」、軟化点87℃)
・R−3:不均化ロジンエステル(ハリマ化成社製「FK100」、軟化点99℃)
・R−4:重合ロジンエステル(ハリマ化成社製「PCJ」、軟化点123℃)
(3)硬化剤(C)
・S−1:4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート[MDI](三井化学社製汎用ポリメリックMDI)
・S−2:ヘキサメチレンジイソシアネート[HDI](旭化成ケミカルズ社製TPA−100)
(4)ポリエステル樹脂(A)の調製
調製例1
テレフタル酸83g(50モル%)、イソフタル酸83g(50モル%)、エチレングリコール42g(67モル%)、ネオペンチルグリコール66g(63モル%)、ポリテトラメチレングリコール63g(5モル%)および重合触媒としてテトラブチルチタネート0.1gを反応器に仕込み、系内を窒素に置換した。そして、これらの原料を1000rpmで撹拌しながら、反応器を245℃で加熱し、溶融させた。反応器内温度が245℃に到達してから、3時間エステル化反応を進行させた。3時間経過後、系内の温度を240℃にし、系内を減圧した。系内が高真空(圧力:0.1〜10−5Pa)に到達してから、さらに3時間重合反応を行って、ポリエステル樹脂(P−1)を得た。
調製例2〜20
使用するモノマーの種類とその組成および重合反応時間を表1のように変更した以外は、調製例1と同様にし、ポリエステル樹脂(P−2)〜(P−20)を得た。
なお、表1における略語は、それぞれ以下のものを示す。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
ADA:アジピン
ZA:アゼライン
EA:セバシン
UA:コハク
G:エチレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
PTMG:ポリテトラメチレングリコール(分子量:1000)
HD:1,6−ヘキサンジオー
AEO:ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物
ポリエステル樹脂(P−1)〜(P−20)の調製時の仕込組成、最終樹脂組成および特性値を表1に示す。
Figure 0006584321
実施例1
ポリエステル樹脂(P−1)とテルペン系樹脂(Q−1)とを、質量比が(P−1)/(Q−1)=80/20となるように、混練温度140℃、スクリュー回転150rpm、吐出量15kg/hの条件下、溶融混練して樹脂組成物を得た。各種評価を行った結果を表2に示す。
実施例2〜4、6〜13、16〜17、20、23〜25、28〜36、比較例1〜7、参考例1〜
ポリエステル樹脂、テルペン系樹脂およびロジン系樹脂の種類および質量部を表2〜3記載のように変更する以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を得た。なお、実施例35、36は、さらに硬化剤を含有させて樹脂組成物を得た。各種評価を行った結果を表2〜3に示す。
実施例37
実施例1で得られた樹脂組成物を固形分濃度が30質量%となるように、トルエンとメチルエチルケトンの混合溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=8/2、質量比)に溶解させて、接着剤を得た。得られた接着剤を用いて各種評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例38
ポリエステル樹脂(P−1)とテルペン系樹脂(Q−1)とを、質量比が(P−1)/(Q−1)=80/20、固形分濃度が30質量%となるように、トルエンとメチルエチルケトンの混合溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=8/2、質量比)に溶解させて、接着剤を得た。得られた接着剤を用いて各種評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 0006584321
Figure 0006584321
実施例1〜4、6〜13、16〜17、20、23〜25、28〜38のポリエステル樹脂組成物は、本発明で規定する構成を有するため、形成された樹脂層は、接着性に優れ、かつ耐熱性においても優れていた。実施例35、36のポリエステル樹脂組成物は硬化剤を含有するため、実施例23に比べ、樹脂層は、耐熱性に優れ、とりわけ耐熱エージング試験等を行った際に、基材から剥がれにくいものであった。
比較例1、2のポリエステル樹脂組成物は、テルペン系樹脂の含有量が、本発明で規定する下限値未満であったため、形成された樹脂層は、耐熱性が劣り、また、接着性が不十分であった。比較例3のポリエステル樹脂組成物は、テルペン系樹脂の含有量が、本発明で規定する上限値を超えたため、樹脂層は、接着性が劣るものとなり、また、耐熱エージング試験において、樹脂層から樹脂が融けて流れ出し、その結果、基材から剥がれた。
比較例4では、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が、本発明で規定する下限値未満であったため、樹脂層は耐熱性が劣り、耐熱エージング試験において、樹脂層から樹脂が融けて流れ出した。比較例5では、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が、本発明で規定する上限値を超えたため、樹脂層は接着性が劣り、また、耐熱エージング試験を行った際の寸法安定性が不足した。
比較例6では、テルペン系樹脂の軟化点が本発明で規定する下限値未満であったため、樹脂層は耐熱性が劣り、耐熱エージング試験において、樹脂層から樹脂が融けて流れ出し、その結果、基材から剥がれた。比較例7では、テルペン系樹脂の軟化点が本発明で規定する上限値を超えたため、樹脂層は接着性、耐熱性が劣り、特に、耐熱エージング試験において、積層体の全面積の10%以上で剥離が生じた。

Claims (5)

  1. ポリエステル樹脂組成物と有機溶剤とを含有する接着剤であって、
    ポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)と、テルペン系樹脂(Q)および/またはロジン系樹脂(R)からなる樹脂(B)とを含有し、
    前記ポリエステル樹脂(A)を構成する多価カルボン酸成分における、テレフタル酸の含有量が30〜80モル%であり、イソフタル酸の含有量が20〜70モル%であり、
    前記ポリエステル樹脂(A)は、多価カルボン酸成分として、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ドコサン二酸からなる群から選ばれる多価カルボン酸(X)を含有するか、または、グリコール成分として、ポリテトラメチレングリコールを含有し、多価カルボン酸成分における多価カルボン酸(X)の含有量またはグリコール成分におけるポリテトラメチレングリコールの含有量が3〜45モル%であり、
    前記ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が−40〜70℃であり、
    前記樹脂(B)の軟化点が90120℃であり、
    ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)との質量比(A/B)が60/4090/10であることを特徴とする接着剤。
  2. ポリエステル樹脂組成物がさらに硬化剤(C)を含有することを特徴とする請求項1記載の接着剤。
  3. 請求項1または2記載の接着剤にて形成されてなる樹脂層。
  4. 請求項記載の樹脂層を含有する積層体。
  5. 請求項記載の積層体を用いてなるフレキシブルフラットケーブル。
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