JP6339380B2 - ポリエステル樹脂組成物およびその積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、初期接着性を損なうことなく、湿熱耐久性を向上させたポリエステル樹脂組成物に関する。
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂は、機械的強度、熱安定性、疎水性、耐薬品性などに優れるため、繊維、フィルムやシートなどの成形体の材料として、各種分野で広く利用されている。
ポリエステル樹脂においては、構成成分である多価カルボン酸およびグリコールの種類の組み合わせを適宜に選択することで、種々の構造および特性を得ることが可能である。このようなポリエステル樹脂は、各種基材にコーティングされた場合の該基材との密着性に優れている。さらに、そのコーティング被膜は、他の基材に対する接着性にも優れている。このような優れた密着性および接着性を活かして、ポリエステル樹脂は、接着剤、コーティング剤、インキバインダーあるいは塗料などの用途において広く使用されている。ポリエステル樹脂がコーティングされる基材として、一般に、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂またはポリ塩化ビニル樹脂などからなるフィルムやシート、あるいはアルミニウムまたは銅などの金属箔などが用いられている。
また、ポリエステル樹脂を用いた接着剤は、例えば、光エネルギーを電力に変換する発電装置として広く利用される太陽電池のバックシート層間接着剤等に、広く用いられている。
こうした用途において、従来、耐久年数は10年程度とされてきたが、さらにその要求が高まり20〜30年程度の耐久年数が求められるようになってきている。それに伴い各層の構成部材に対する耐久年数もさらに長いものが要求されている。
太陽電池のバックシートには、ポリエステル系フィルム、フッ素系樹脂フィルムが多く用いられてきた。しかし、近年の要求性能の高まりから、より耐候性の高いフィルムが適用されてきている。これらの材料フィルムの変化により、従来のポリエステル系接着剤では初期の接着強度が不足してきており、接着強度を向上させた接着剤が求められている。
さらに、ポリエステル系の接着剤は加水分解することが問題であり、初期の接着強度を向上させるだけではなく、耐湿熱性試験後の接着強度、また初期の接着強度に対する保持率も同時に向上させる必要がある。
かかる問題を解決するために、変性ゴムと粘着付与剤と架橋剤をブレンドすることにより初期の接着性、耐湿熱性を向上させる検討がされている(例えば、特許文献1)。
また、ポリエステル系接着剤の樹脂組成を最適化することで耐湿熱性を高める検討もされている(例えば、特許文献2、3)。
さらに、ポリエステル系接着剤に加水分解抑制剤を混合することで耐湿熱性を高める検討もされている(例えば、特許文献4)。
特開2011−233750号公報 特開2001−200041号公報 特開2012−1688号公報 特開2012−227384号公報
本発明者らは、特許文献1〜4のような方法において、以下のような問題点を見出した。すなわち、特許文献1の方法では、ゴム系の接着剤を使用することで湿熱耐久性を高めることはできたが、ポリエステルフィルムとの接着性は十分ではなかった。また、耐熱性、接着性を高めるために用いるロジン系樹脂は、必ずしも耐加水分解性を高めることはできなかった。特許文献2〜4の方法では、耐熱性、湿熱耐久性を高めることができたが、初期接着性が劣った。なお、初期接着性とは、積層体の製造工程におけるフィルムとフィルムの貼り合せ時での、貼り合せ直後の接着性のことを言う。初期接着性が十分でないと貼り合せ直後に、フィルム/フィルム間でズレを生じたり、浮きを生じたりすることがある。このような初期接着性が不十分な接着剤を用いて貼り合せを行った場合、接着剤の硬化が進み接着が完了したとしても、結果的に得られた積層体としてのフィルム/フィルム間の接着性は不十分なものとなる。そのような接着性が不十分な積層体を用いた、例えば太陽電池では湿熱耐久性を高めることができるかもしれないが、バックシートとしての封止性が不十分となり、太陽電池用セル内への水分の侵入等により太陽電池が破損する懸念が高まる。
つまり、要求性能の高まりによる耐候性フィルムへの移行に伴い、ポリエステル樹脂の初期接着性のさらなる向上、また同時に耐湿熱性も向上させることが強く求められている。
本発明は、初期接着性を損なうことなく、湿熱耐久性を向上させたポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)ポリエステル樹脂(A)、テルペン系樹脂(B)およびイソシアネート系硬化剤(C)を含有するポリエステル樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分100モル%中、数平均分子量が200〜2000であるポリアルキレングリコールを1〜30モル%含有し、テルペン系樹脂(B)の軟化点が80〜160℃であり、(A)/(B)=50/50〜95/5(質量比)であり、イソシアネート系硬化剤(C)の含有量が、ポリエステル樹脂(A)とテルペン系樹脂(B)の合計100質量部に対し0.1〜15質量部であるポリエステル樹脂組成物。
(2)ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量が5000〜35000であることを特徴とする(1)のポリエステル樹脂組成物。
(3)ポリエステル樹脂(A)の水酸基価が50〜720当量/トンであることを特徴とする(1)または(2)のポリエステル樹脂組成物。
(4)テルペン系樹脂(B)が芳香族変性テルペン樹脂またはテルペンフェノール樹脂であること特徴とする(1)〜(3)のポリエステル樹脂組成物。
(5)(1)〜(4)のポリエステル樹脂組成物を、有機溶剤に溶解してなる接着剤。
(6)(5)の接着剤からなる塗膜。
(7)(6)の塗膜を形成してなる積層体。
(8)(7)の積層体を用いた太陽電池バックシート。
本発明によれば、初期接着性を損なうことなく、湿熱耐久性を向上させたポリエステル樹脂組成物が得られる。このようなポリエステル樹脂組成物より得られる接着剤は、太陽電池バックシート等に適用可能な接着剤として用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)、テルペン系樹脂(B)およびイソシアネート系硬化剤(C)を含有するものであり、前記ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分100モル%中、数平均分子量が200〜2000であるポリアルキレングリコールを1〜30モル%含有し、前記テルペン系樹脂(B)の軟化点が80〜160℃であり、(A)/(B)=50/50〜95/5(質量比)である。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)は、多価カルボン酸成分とグリコール成分とから構成されるものである。ポリエステル樹脂(A)は、結晶性であってもよいし、非晶性であってもよい。
ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分100モル%中、数平均分子量が200〜2000であるポリアルキレングリコールを1〜30モル%含有することを必要とし、3〜20モル%であることが好ましく、5〜15モル%であることがより好ましい。ポリアルキレングリコールの含有量が、1モル%未満では耐湿熱性が劣るものとなり、30モル%を超えると、得られるポリエステル樹脂組成物の粘着性が高くなり取扱性が劣る。
また、ポリアルキレングリコールの数平均分子量が200未満では、耐湿熱性が劣るものとなり問題であり、2000を超えると、得られるポリエステル樹脂組成物の粘着性が高くなり取扱性が劣ることとなり問題である。
本発明で用いることのできるポリオキシアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリヘキシレングリコール、ポリノナンジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンタン)ジオール等が挙げられる。
ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分として、ポリアルキレングリコール以外に用いることのできるグリコール成分としては、特に制限はされないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、スピログリコール、ダイマージオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ブチルエチルプロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3プロパンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールなどが挙げられる。中でも、溶剤溶解性の観点から、ネオペンチルグリコール、2,2−ブチルエチルプロパンジオール、1,2−プロパンジオール、または2−メチル−1,3プロパンジオールを含有することが好ましい。
ポリエステル樹脂(A)を構成する多価カルボン酸成分としては、特に制限はないが、多価カルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸を60モル%以上含有することが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、基材への初期接着性、耐熱性の観点からテレフタル酸が好ましく、また、溶剤溶解性の観点からイソフタル酸が好ましい。
ポリエステル樹脂(A)を構成する多価カルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸以外に用いることのできる多価カルボン酸成分としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ドコサン二酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4、4’−ジカルボキシビフェニル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−ヒドロキシ-イソフタル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、1,3,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、シュウ酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などや、またはその無水物が挙げられる。なかでも、耐湿熱性の観点から、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を含有することが好ましい。
主鎖であるポリエステルポリマーに含まれるモノマーとして、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、多価カルボン酸成分およびグリコール成分以外のモノマー成分(他のモノマー成分)が用いられてもよい。なお、ポリエステルポリマーにおいて、他のモノマー成分の共重合割合は、ポリエステルポリマーに含まれる全モノマー成分に対して50モル%未満であることが好ましい。
他のモノマー成分として、例えば、テトラヒドロフタル酸、乳酸、オキシラン、グリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、4-(β-ヒドロキシ)エトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸;β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどの脂肪族ラクトンなどが挙げられる。
また、他のモノマー成分として、モノカルボン酸、モノアルコールなどが用いられてもよい。モノカルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸などが挙げられる。モノアルコールとしては、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノールなどが挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、5000〜35000であることが好ましく、8000〜30000であることがより好ましく、10000〜25000であることがさらに好ましい。数平均分子量が5000未満であると、初期接着性が劣ることがある。数平均分子量が35000を超えると、得られるポリエステル樹脂組成物の溶融粘度、溶液粘度が高くなり取扱性が劣るものとなる。
本発明においてポリエステル樹脂(A)の分子量を制御する方法としては、重縮合時のポリエステル溶融物を所定の溶融粘度で重合を終了する方法や、一旦分子量の高いポリエステルを製造した後、解重合剤を添加する方法、さらに単官能カルボン酸や単官能アルコールを予め添加する方法などが挙げられる。本発明では、上記のいかなる方法によって分子量を制御してもよいが、3官能以上の成分がポリエステルの末端だけではなく、分子鎖の中に配列していることが好ましい。なお、解重合剤としてアルコール成分を用いる場合は、ポリエステル末端に水酸基を付与することができ、酸成分を用いる場合は、ポリエステル末端に酸価を付与することができる。このような解重合剤としては、エチレングリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパンなどのアルコール成分、セバシン酸、アジピン酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸などの酸成分が挙げられるが、3官能であるトリメチロールプロパンや無水トリメリット酸を好適に用いることができる。
本発明のポリエステル樹脂(A)の水酸基価は、50〜720当量/トンであることが好ましく、70〜630当量/トンであることがより好ましく、90〜540当量/トンであることがさらに好ましい。水酸基価が50当量/トン未満であると硬化が十分でなく、耐湿熱性が劣るものとなる。水酸基価が720当量/トンを超えると、初期接着性が劣るものとなる。
本発明で用いるテルペン系樹脂(B)は、テレピン油から精製された単量体を重合したものである。
テルペン系樹脂(B)としては、精製して得られたテルペン単量体であるα−ピネン、β−ピネン、ジペンテンなどを単独で重合したポリテルペン樹脂、芳香族単量体と共重合した芳香族変性テルペン樹脂、フェノール類と共重合したテルペンフェノール樹脂が挙げられる。芳香族単量体としては、スチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。フェノール類としてはフェノール、クレゾールなどが挙げられる。また、これらの樹脂に水素添加処理をした水添系であってもよい。これらのテルペン系樹脂は例えばヤスハラケミカル(株)より“YSレジン”“クリアロン”“YSポリスター”の商品名で各種のグレードが市販されており容易に入手できる。
上記テルペン系樹脂(B)の中でも、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂がより好ましく、芳香族変性テルペン樹脂が接着性向上の効果が高い点で最も好ましい。
テルペン系樹脂(B)の軟化点は、80〜160℃であることが必要であり、90〜145℃であることが好ましく、100〜130℃であることがより好ましい。軟化点が80℃未満であると、耐湿熱性が劣るものとなる。軟化点が160℃を超えると、初期接着性が劣るものとなる。
本発明において、ポリエステル樹脂(A)とテルペン系樹脂(B)の混合比率は、50/50〜95/5(質量%)である必要があり、60/40〜90/10(質量%)であることが好ましく、70/30〜85/15(質量%)であることがより好ましい。ポリエステル樹脂(A)の混合比率が50質量%未満であると、初期接着性が劣るものとなり、95質量%を超えると、耐湿熱性が劣るものとなる。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、結晶性であってもよいし、非晶性であってもよい。なお、結晶性とは、DSC(示差走査熱量計)を用いて、JIS K 7121に準拠して測定した場合において、昇温時に結晶融点(以下、融点という)を有し、融解熱量が0.1J/g以上であるものであり、非晶性とは、結晶融点を有さず、融解熱量が0.1J/g未満であるものを示す。
本発明における硬化剤としては、公知のものを用いることができる。硬化剤を含有することで、得られる接着剤の耐湿熱性と初期接着性をバランスよく高めることができる。用いることのできる硬化剤は、上記のようなポリエステル樹脂(A)が有する官能基、またはポリエステル樹脂(A)が反応して形成される官能基(例えば、カルボキシル基やその無水物、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基など)との反応性を有する化合物であれば、特に限定されるものではないが、低温での反応性の観点からは、イソシアネート系硬化剤を用いることが特に好ましい。
前記イソシアネート系硬化剤としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。上記イソシアネート系硬化剤中、耐候性の観点から、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートが好ましい。さらに脂肪族ジイソシアネートの中でもヘキサメチレンジイソシアネートやトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートの中でもイソホロンジイソシアネートおよびこれらを2価または3価の多価アルコールと反応させたアダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体が特に好ましい。
イソシアネート系硬化剤(C)の含有量は、ポリエステル樹脂(A)とテルペン系樹脂(B)の合計100質量部に対し0.1〜15質量部である必要があり、0.3〜12質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましい。イソシアネート系硬化剤(C)の含有量が0.1質量部未満では、硬化性が不十分であるため耐湿熱性が劣る。一方、15質量部を超えると初期接着性が不十分となる。


次に、本発明のポリエステル樹脂(A)の製造方法について説明する。
まず、多価カルボン酸およびグリコールなどのモノマーの組み合わせを適宜選択し、これらを公知の重合法で重合して、ポリエステル樹脂(A)を得ることができる。つまり、原料モノマーを反応缶に投入した後、エステル化反応をおこなった後、公知の方法で所望の分子量に達するまで重縮合させることにより、ポリエステル樹脂(A)を製造することができる。エステル化反応は、例えば、180℃以上の温度において4時間以上行なわれる。
重縮合反応は、一般的には、130Pa以下の減圧下、220〜280℃の温度下で、重合触媒を用いて行なわれる。重合触媒は、テトラブチルチタネ−トなどのチタン化合物、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛などの金属の酢酸塩、三酸化アンチモン、ヒドロキシブチルスズオキサイド、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物などが挙げられる。なお、重合触媒の使用量は、少量では反応が遅く、過多では得られるポリエステル樹脂(A)の色調が低下するため、酸成分1モルに対し、0.1〜20×10−4モルであることが好ましい。
ポリエステル樹脂(A)とテルペン系樹脂(B)の混合方法としては、[1]前記(A)、(B)の所定量を一括して有機溶剤に溶解する方法、[2]予め(A)を溶解した有機溶剤溶液と、(B)を溶解した有機溶剤溶液とを混合する方法、[3]前記(A)、(B)を一旦溶融混練した後、得られた樹脂組成物を有機溶剤に溶解する方法等が挙げられるが、[1]が好ましい。前記有機溶剤としては、特に限定はされず、例えば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ソルベッソなどの芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールなどのアルコール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ノルマルブチルなどのエステル系溶剤;セロソルブアセテート、メトキシアセテートなどのアセテート系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上述のように、ポリエステル樹脂(A)とテルペン系樹脂(B)を混合して有機溶剤に溶解することによって接着剤とすることができる。前記接着剤の固形分濃度は、5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。固形分濃度が5質量%未満であると、後述のように基材に接着剤を塗工した際に、十分な塗工量で塗布することができない。一方、60質量%を超えると接着剤の溶液粘度が高くなり過ぎるため、基材に接着剤を塗工した際に、厚さを精度が低下する。
本発明の接着剤には、必要に応じて、酸化防止剤、加水分解抑制剤、顔料などを添加することができる。酸化防止剤としては、特に限定さればいが、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤が挙げられる。また加水分解抑制剤としては、イソシアネート由来のカルボジイミドが挙げられる。また顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられる。
本発明の接着剤を、例えば、各種の基材に対してコーティングし、必要に応じて乾燥させて有機溶媒の除去をおこなうことで、基材上に本発明の塗膜を形成することができる。
本発明の接着剤がコーティングされる対象である基材としては、特に限定されるものではないが、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンジメタノール−テレフタレート(PCT)から選ばれるポリエステル基材、ポリカーボネート系基材、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ
クロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)から選ばれるフッ素系基材、あるいはアクリル系基材、環状オレフィン(COC)、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系基材、ポリ塩化ビニル系基材、ポリスチレン系基材、ポリ塩化ビニリデン系基材、エチレン−酢酸ビニル共重合体系基材、ポリビニルアルコ−ル系基材、ポリ酢酸ビニル系基材、アセタ−ル系基材、ポリアミド系基材、ポリアリレート系基材から選択され、それらの基材は同一でも異なっていてもよい。また、基材および接着剤層は複数存在してもよいし、バックシートの中間層や外層にガスバリア層などの機能性を有する層を設けてもよい。このように基材に対し塗膜を形成することで積層体とすることができる。
本発明の接着剤を基材にコーティングする方法としては、特に限定されるものではなく、リバースロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法またはスプレーコート法などの公知の方法を用いることができる。
本発明の積層体において、形成される塗膜の厚みは、用いる用途によって異なるが、3〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましく、7〜30μmであることがさらに好ましい。塗膜厚みが3μm未満であると、必要とする接着性が得られないことがある。一方、50μmを超えると、経済的でないばかりか、所定厚みに比べ接着性が劣ることがある。
本発明の接着剤は、基材への初期接着性に優れているため、各種用途での接着剤やコーティング剤として用いられ、例えば、光学材料分野での接着剤として、電球、LEDを用いた各種照明、表示灯、ディスプレイ等の部品の接着、封止に用いることができる。さらに、該接着剤を用いた積層体は湿熱耐久性にも優れるため、電気・電子部品の配線用途で好適に用いることができ、屋内や車載でのフレキシブルフラットケーブル、光学パネル等の接着剤として使用できるばかりでなく、屋外で使用される太陽電池用セルの封止に用いるバックシート用接着剤、各種コネクタ、ソケットの防水、止水用途の接着剤として好適に使用が可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
1.測定方法
(1)ポリエステル樹脂の構成
NMR測定装置(日本電子社製「JNM−LA400型」)を用い、1H−NMR測定を行って、それぞれの共重合成分のピーク強度から樹脂組成を求めた。なお、測定溶媒としては、重水素化トリフルオロ酢酸を用いた。
(2)ポリエステル樹脂の数平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件でポリスチレン換算の数平均分子量を測定した。
[送液ユニット]:島津製作所社製LC−10ADvp
[紫外−可視分光光度計]:島津製作所社製SPD−6AV、検出波長:254nm
[カラム]:Shodex社製KF−803 1本、Shodex社製KF−804 2本を直列に接続して使用
[溶媒]:テトラヒドロフラン
[測定温度]:40℃
(3)ポリエステル樹脂の水酸基価
JIS K−0070に準拠して、試料3gをピリジン50mlに加熱還流溶解し、無水酢酸をアセチル化溶液、クレゾールレッド−チモールブルーを指示薬として0.5Nの水酸化カリウムメタノール溶液で滴定した。その滴定した値を用いて、ポリエステル樹脂1トン中に含まれる当量数を計算し、水酸基価を求めた。
(4)ポリエステル樹脂の酸価
JIS K−0070に準拠して、試料0.5gを25mlのジオキサンに溶解し、クレゾールレッドを指示薬として0.1N−KOHで滴定した。その滴定した値を用いて、ポリエステル樹脂1トン中に含まれる当量数を計算し、酸価を求めた。
(5)接着剤の溶解性
表2記載の混合比率となるように、ポリエステル樹脂とテルペン系樹脂のそれぞれをトルエンとメチルエチルケトンの混合溶剤[(トルエン)/(メチルエチルケトン)=8/2、質量比]に常温で溶解し、固形分濃度が30質量%である接着剤を得た。その際の溶解性および外観を目視で判断した。
○:均一で透明であった。
△:白濁するも均一であった。
×:層分離または不溶であり、不均一であった。
(6)接着剤の取扱性
前記(5)で得た接着剤を用い、卓上型コーティング装置(安田精機社製バーコータ装置、フィルムアプリケータNo.542−AB型)を用いて厚さ100μmである耐候PETフィルム(東レ社製、ルミラーX10S)に塗布し、120℃で60秒間熱処理することで、塗膜厚みが10μm(乾燥時)である積層体を作製した。塗膜形成時のハンドリングの良否、厚み精度を接着剤の取扱性として評価をした。
○:溶液粘度が高過ぎず、取扱性が良好であった。
△:厚みの制御はできたが溶液粘度が高く取扱性が低かった。
×:溶液粘度が高く厚みの制御が精度高くできなかった。
(7)積層体における塗膜の基材に対する初期接着性
前記(6)で得た積層体の塗膜形成面と塗膜形成面を重ね合わせ、エアー式プレス機(林機械製作所社製)を用い、温度100℃、圧力0.2MPa/cmの条件下60秒間熱圧着した。得られた熱圧着フィルムを(長さ100×巾15)mmの短冊状に切り出し試験片とした。この試験片について、引張試験機(インテスコ社製「精密万能材料試験機2020型」)を用い、引張速度200mm/分、引張角度180度の条件で剥離強度を測定した。測定は5回おこない、その平均値を剥離強度とした。下記の基準で評価した。また、剥離界面の確認を行った。表中、剥離界面が接着剤/フィルム間であるものをAd/F、接着剤凝集破壊であるものをAd凝集、フィルム切れであるものをF切れと表記した。
◎:剥離強度が13N/15mm以上である。
○:剥離強度が 8N/15mm以上13N/15mm未満である。
△:剥離強度が 5N/15mm以上8N/15mm未満である。
×:剥離強度が 0N/15mm以上 5N/15mm未満である。
(8)塗膜の耐湿熱性
前記(7)で用いた試験片につき、85℃×85%RH条件下、1000時間および2000時間処理をした。処理後の試験片につき、引張試験機(インテスコ社製「精密万能材料試験機2020型」)を用い、引張速度50mm/分、引張角度180度の条件で剥離強度を測定した。測定は5回おこない、その平均値を剥離強度とした。また、各々につき下記式より接着強度保持率を求め、下記基準で評価した。接着強度保持率(%)=(初期剥離強度−処理後剥離強度)/初期剥離強度×100
<接着強度 1000時間試験後>
◎:接着強度が13N/15mm以上である。
○:接着強度が 8N/15mm以上13N/15mm未満である。
△:接着強度が 5N/15mm以上8N/15mm未満である。
×:接着強度が 0N/15mm以上 5N/15mm未満である。
<接着強度保持率 1000時間試験後>
◎:接着強度が60%以上である。
○:接着強度が50%以上60%未満である。
△:接着強度が40%以上50%未満である。
×:接着強度が40%未満である。
<接着強度 2000時間試験後>
◎:接着強度が12N/15mm以上である。
○:接着強度が 8N/15mm以上12N/15mm未満である。
△:接着強度が 5N/15mm以上 8N/15mm未満である。
×:接着強度が 0N/15mm以上 5N/15mm未満である。
<接着強度保持率 2000時間試験後>
◎:接着強度が60%以上である。
○:接着強度が50%以上60%未満である。
△:接着強度が40%以上50%未満である。
×:接着強度が40%未満である。
2.原料
(1)テルペン系樹脂
・(Q−1):芳香族変性テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSレジンTO105」、軟化点105℃)
・(Q−2):テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSポリスターK125」、軟化点125℃)
・(Q−3):芳香族変性テルペン樹脂水素添加品(ヤスハラケミカル社製「クリアロンP105」、軟化点105℃)
・(Q−4):テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSポリスターT80」、軟化点80℃)
・(Q−5):芳香族変性テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSレジンTO115」、軟化点115℃)
・(Q−6):テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSポリスターT145」、軟化点145℃)
・(Q−7):テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSポリスターT160」、軟化点160℃)
・(Q−8):水添テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製「UH115」、軟化点160℃)
・(Q−9):ポリテルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSレジンPX1000」、軟化点100℃)
(2)硬化剤
・(R−1):ヘキサメチレンジイソシアネート[HDI](旭化成ケミカルズ社製「TPA−100」)
・(R−2):イソホロンジイソシアネート[IPDI](住化バイエルウレタン社製「デスモジュールI」)
(ポリエステル樹脂の調製)
調製例1
テレフタル酸83g(50モル%)、イソフタル酸83g(50モル%)、エチレングリコール42g(67モル%)、ネオペンチルグリコール53g(51モル%)、トリメチロールプロパン27g(2モル%)、分子量が1000であるポリテトラメチレングリコール150g(15モル%)および重合触媒としてテトラブチルチタネート0.1gを反応器に仕込み、系内を窒素に置換した。そして、これらの原料を1000rpmで撹拌しながら、反応器を245℃で加熱し、溶融させた。反応器内温度が245℃に到達してから、3時間エステル化反応を進行させた。3時間経過後、系内の温度を240℃にし、系内を減圧した。系内が高真空(圧力:0.1〜10−5Pa)に到達してから、さらに3時間重合反応を行って、ポリエステル樹脂(P−1)を得た。その結果を表1に示す。
調製例2〜11
使用するモノマーの種類とその組成および重合反応時間を表1のように変更した以外は、調製例1と同様にし、ポリエステル樹脂の重合を行った。調製例2〜4については、重合反応が終了後、減圧を解除してから、解重合剤(トリメチロールプロパン)を表1のように投入し、245℃で2時間解重合反応を行いポリエステル樹脂(P−2)〜(P−10)を得た。調整例11については、トリメチロールプロパンに代えて無水トリメリット酸を解重合剤として用いた。その結果を表1に示す。
なお、表1および後述の表2中における略語は、それぞれ以下のものを示す。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
SEA:セバシン酸
EG:エチレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
PEG200:ポリエチレングリコール(分子量:200)
PEG600:ポリエチレングリコール(分子量:600)
PEG1800:ポリエチレングリコール(分子量:1800)
PTMG1000:ポリテトラメチレングリコール(分子量:1000)
PTMG2000:ポリテトラメチレングリコール(分子量:2000)
TMP:トリメチロールプロパン
TMA:無水トリメリット酸
得られたポリエステル樹脂(P−1)〜(P−11)の最終樹脂組成および特性値を表2に示す。
実施例1
ポリエステル樹脂(P−1)とテルペン系樹脂(Q−1)を質量比(P−1)/(Q−1)=80/20となるように、トルエンとメチルエチルケトンの混合溶剤[(トルエン)/(メチルエチルケトン)=8/2、質量比]に溶解させ、さらに前記(P−1)と(Q−1)の合計100質量部に対し、硬化剤(R−1)が2.0質量部となるよう混合し、固形分濃度が30質量%である接着剤を得た。得られた接着剤を用い各種評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例2〜23、比較例1〜6
ポリエステル樹脂、テルペン系樹脂の種類あるいは質量比、硬化剤の種類あるいは含有量を表3、4記載のようにする以外は、実施例1と同様して接着剤を得て、各種評価を行った。その結果を表3、4に示す。
実施例1〜23は、本願所定の配合に従い得られたポリエステル樹脂組成物を接着剤として用いたため、接着性に優れ、かつ湿熱耐久性も有した。
比較例1では、ポリエステル樹脂組成物としてポリエステル樹脂の含有量が所定よりも少ない接着剤を用いたため、耐湿熱性に劣るものとなった。
比較例2では、ポリエステル樹脂組成物としてポリエステル樹脂の含有量が所定よりも多い接着剤を用いたため、特に2000h後の耐湿熱性に劣るものとなった。
比較例3で得られたポリエステル樹脂組成物は、硬化剤が入っていなかったため、耐湿熱性に劣るものとなった。
比較例4で得られたポリエステル樹脂組成物は、硬化剤の添加量が多かったため、初期の接着性に劣るものとなった。
比較例5では、ポリエステル樹脂組成物としてポリアルキレングリコールを含有しないポリエステル樹脂を用いたため、耐湿熱性に劣るものとなった。
比較例6では、ポリエステル樹脂組成物として分子量が200〜2000であるポリアルキレングリコールの含有量が多く、取扱性および耐湿熱性に劣るものとなった。
























Claims (8)

  1. ポリエステル樹脂(A)、テルペン系樹脂(B)およびイソシアネート系硬化剤(C)を含有するポリエステル樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分100モル%中、数平均分子量が200〜2000であるポリアルキレングリコールを1〜30モル%含有し、テルペン系樹脂(B)の軟化点が80〜160℃であり、(A)/(B)=50/50〜95/5(質量比)であり、イソシアネート系硬化剤(C)の含有量が、ポリエステル樹脂(A)とテルペン系樹脂(B)の合計100質量部に対し0.1〜15質量部であるポリエステル樹脂組成物。
  2. ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量が5000〜35000であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. ポリエステル樹脂(A)の水酸基価が50〜720当量/トンであることを特徴とする請求項1または2記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. テルペン系樹脂(B)が芳香族変性テルペン樹脂またはテルペンフェノール樹脂であること特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4いずれか記載のポリエステル樹脂組成物を、有機溶剤に溶解してなる接着剤。
  6. 請求項5記載の接着剤からなる塗膜。
  7. 請求項6記載の塗膜を形成してなる積層体。
  8. 請求項7記載の積層体を用いた太陽電池バックシート。
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