JP2017179024A - 樹脂組成物およびそれを含有する接着剤 - Google Patents

樹脂組成物およびそれを含有する接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリエステル樹脂が有する接着性と、フッ素樹脂が有する耐湿熱性や耐候性とを併せ持つとともに、ポリエステル樹脂層とフッ素樹脂層とが層分離しない樹脂層を形成することが可能な樹脂組成物を提供する。【解決手段】ポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)を含有する樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)との質量比(A/B)が25/75〜95/5であることを特徴とする樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、接着性を有するとともに、耐湿熱性、耐候性が向上した樹脂組成物に関する。
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂は、機械的強度、熱安定性、疎水性、耐薬品性などに優れるため、繊維、フィルムやシートなどの成形体の材料として、各種分野で広く利用されている。
ポリエステル樹脂は、構成成分である多価カルボン酸成分とグリコール成分の種類や数を適宜選択して構造を変化させることで、種々の特性を有するポリエステル樹脂や共重合ポリエステル樹脂を得ることが可能である。
例えば、共重合ポリエステル樹脂は、各種基材にコーティングされた場合、基材との接着性に優れた樹脂層が得られる。さらに、この基材上の樹脂層は、他の基材に対する接着性にも優れている。上記基材として、一般に、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂またはポリ塩化ビニル樹脂などからなるフィルムやシート、あるいはアルミニウムまたは銅などの金属箔などが用いられている。
一方、ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂は、耐湿熱性や耐候性などに優れるため、フィルムやシートなどの成形体の材料として、各種分野で広く利用されている。
したがって、ポリエステル樹脂にフッ素樹脂を混合することにより、耐湿熱性や耐候性が向上した樹脂層を形成することが可能となる。たとえば、特許文献1には、特定の官能基を導入したフッ素樹脂と、特定の官能基を導入したポリエステル樹脂と、硬化剤などを含有した粉体塗料組成物が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示された粉体塗料組成物からは、フッ素樹脂層とポリエステル樹脂層とが層分離した塗膜しか得られず、フッ素樹脂とポリエステル樹脂とが層分離せずに樹脂層を形成することができないものであった。
特開2014−218671号公報
本発明は、ポリエステル樹脂が有する接着性と、フッ素樹脂が有する耐湿熱性や耐候性とを併せ持つとともに、ポリエステル樹脂とフッ素樹脂とが層分離しない樹脂層を形成することが可能な樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)ポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)とを含有する樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)との質量比(A/B)が25/75〜95/5であることを特徴とする樹脂組成物。
(2)ポリエステル樹脂(A)は、ガラス転移温度が−40〜90℃であり、かつ数平均分子量が500〜25000であることを特徴とする(1)記載の樹脂組成物。
(3)フッ素樹脂(B)がポリフッ化ビニリデンであることを特徴とする(1)または(2)記載の樹脂組成物。
(4)さらに硬化剤(C)を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂組成物と有機溶剤とを含有することを特徴とする接着剤。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて形成された樹脂層。
(7)上記(6)記載の樹脂層を含有する積層体。
本発明によれば、接着性を有するとともに、耐湿熱性や耐候性が向上した樹脂組成物が得られる。本発明の樹脂組成物より得られる接着剤は、各種用途の接着剤として用いることができ、ポリエステル樹脂とフッ素樹脂とが層分離しない樹脂層を形成することができ、特に、耐湿熱性や耐候性が要求される太陽電池等の製造用の接着剤として適用可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)とを含有するものであり、質量比(A/B)が25/75〜95/5である。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)は、多価カルボン酸成分とグリコール成分とから構成されるものである。
ポリエステル樹脂(A)を構成する多価カルボン酸成分として、得られるポリエステル樹脂(A)の耐熱性、接着性、溶剤溶解性をバランスの良いものとするために、テレフタル酸、イソフタル酸を混合して用いることが好ましい。
テレフタル酸、イソフタル酸を混合して用いる場合、多価カルボン酸成分におけるテレフタル酸の含有量は、30〜80モル%であることが好ましく、35〜75モル%であることがより好ましく、40〜70モル%であることがさらに好ましい。テレフタル酸の含有量が30モル%未満では、ポリエステル樹脂(A)は、耐熱性、基材への接着性がともに劣るものとなり、80モル%を超えると、ポリエステル樹脂(A)は溶剤溶解性が劣ることがある。
一方、イソフタル酸の含有量は、20〜70モル%であることが好ましく、30〜60モル%であることがより好ましく、40〜50モル%であることがさらに好ましい。イソフタル酸の含有量が20モル%未満では、ポリエステル樹脂(A)は溶剤溶解性に劣るものとなり、70モル%を超えると、ポリエステル樹脂(A)は、耐熱性、靱性が劣るものとなることがある。
ポリエステル樹脂(A)を構成する多価カルボン酸成分として、上記のテレフタル酸やイソフタル酸以外に、例えば、アジピン酸(ADA)、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸(AZA)、セバシン酸(SEA)、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ドコサン二酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジカルボキシビフェニル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、1,3,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などや、またはその無水物が挙げられる。
ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分も、特に限定はされないが、エチレングリコールや、側鎖を持った脂肪族グリコールを含有することが好ましい。
エチレングリコールを含有する場合、その含有量は、グリコール成分の30〜70モル%であることが好ましく、35〜65モル%であることがより好ましく、40〜60モル%であることがさらに好ましい。
側鎖を持った脂肪族グリコールとしては、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ブチルエチルプロパンジオール等が挙げられ、溶剤溶解性の観点から、特にネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオールが好ましい。側鎖を持った脂肪族グリコールを含有する場合、その含有量はグリコール成分の30〜60モル%であることが好ましく、35〜55モル%であることがより好ましく、40〜50モル%であることがさらに好ましい。側鎖を持った脂肪族グリコールの含有量が30モル%未満では、溶剤溶解性に劣ることがあり、含有量が60モル%を超えると、耐熱性に劣ることがある。
また、ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分として、得られる樹脂組成物の接着性を向上させるために、炭素数が6以上である直鎖のグリコールを含有することが好ましい。
主鎖の炭素数が6以上である直鎖のグリコールとしては、特に制限はされないが、例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。なかでも、接着性向上の効果が高い点で、1,6−ヘキサンジオールまたはポリテトラエチレングリコールが好ましい。
ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分における、炭素数が6以上である直鎖のグリコールの含有量は、3〜45モル%であることが好ましく、4〜40モル%であることがより好ましい。
ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコールとして、上記のグリコール以外に、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、スピログリコール、ダイマージオール、1,2−プロパンジオールなどが挙げられる。
ポリエステル樹脂(A)には、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、多価カルボン酸成分およびグリコール成分以外の他のモノマー成分が用いられてもよい。他のモノマー成分としては、例えば、テトラヒドロフタル酸;オキシラン;乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸、4−(β−ヒドロキシ)エトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸;β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の脂肪族ラクトン;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸等のモノカルボン酸;オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等のモノアルコール;が挙げられる。これらを含有する場合、ポリエステル樹脂(A)に含まれる全モノマー成分100モル%に対して10モル%未満であることが好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、500〜25000であることが好ましく、3000〜20000であることがより好ましく、5000〜15000であることがさらに好ましい。数平均分子量が500〜25000の範囲外であると、得られる樹脂組成物は、接着性、耐湿熱性、耐候性が低下することがあり、25000を超えるポリエステル樹脂(A)は、フッ素樹脂(B)との相溶性が低下することがある。
本発明のポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度は、−40〜90℃であることが好ましく、−35〜80℃であることがより好ましく、−30〜70℃であることがさらに好ましい。ガラス転移温度が−40℃未満であると、得られる樹脂組成物は、耐湿熱性や耐候性、耐ブロッキング性が低下することがある。一方、ポリエステル樹脂(A)は、ガラス転移温度が90℃を超えると、フッ素樹脂(B)との相溶性が低下し、得られる樹脂組成物は、密着性や接着性が低下することがある。
本発明の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)とともに、フッ素樹脂(B)を含有するものである。
本発明で用いるフッ素樹脂は、含フッ素モノマーを重合(または共重合)して得られた含フッ素(共)重合体である。
含フッ素モノマーとしては、例えば、フッ化ビニルや、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、(パー)フルオロアルキルトリフルオロビニルエーテル〔(パー)フルオロアルキル基の炭素数は、1〜18個である。〕等が代表的なものとして挙げられる。
フッ素樹脂の具体例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)などが挙げられ、有機溶剤への溶解性から、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。
フッ素樹脂は、上記の含フッ素モノマー以外の重合性モノマーを共重合させたものでもよく、その重合性モノマーとしては、ビニルエーテル類、オレフィン類、アリルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類等が挙げられる。
含フッ素モノマー以外の重合性モノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、シクロヘキセン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のオレフィン類;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー類;メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、オクタン酸ビニル、バーサティック酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル類;プロピオン酸アリル、酢酸アリル等の脂肪酸アリルエステル類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド等の(メタ)アクリル酸アミド類;アクリロニトリル、2,4−ジシアノブテン−1等のシアノ基含有モノマー類;イソプレン、ブタジエン等のジエン類等の重合性モノマーが挙げられる。
フッ素樹脂は、硬化剤等と反応する反応性部位を有していてもよく、上記含フッ素モノマーや重合性モノマーと共に反応性基含有モノマーとの共重合体であってもよい。反応性基としては、水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、ニトリル基、グリシジル基、イソシアネート基等の官能基が挙げられる。反応性基含有モノマーとしては、具体的に以下のような化合物が挙げられる。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、アリルアルコール;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ヒドロキシ酢酸ビニル、ヒドロキシイソ酪酸ビニル、ヒドロキシプロピオン酸ビニル、ヒドロキシ酪酸ビニル、ヒドロキシ吉草酸ビニル、ヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸ビニル等のヒドロキシアルキルカルボン酸とビニルアルコールとのエステル類;ヒドロキシエチルアリルエステル、ヒドロキシプロピルアリルエステル、ヒドロキシブチルアリルエステル、ヒドロキシイソブチルアリルエステル等のヒドロキシアルキルアリルエステル類等が挙げられる。
また、カルボキシル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、カルボキシアルキルアリルエステル等が挙げられる。
アミノ基含有モノマーとしては、アミノアルキルビニルエーテル類、アミノアルキルアリルエーテル類が挙げられる。
アミド基含有モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
ニトリル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。
グリシジル基含有モノマーとしては、グリシジルアリルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
イソシアネート基含有モノマーとしては、ビニルイソシアネート、イソシアネートエチルアクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、水酸基含有モノマーを使用した水酸基含有フッ素樹脂を用いることが樹脂の安定性や溶融粘度の制御等の点から好ましい。
本発明で用いるフッ素樹脂は、フッ素含有量が10〜70質量%のものが好ましく、水酸基価は10〜100mgKOH/gのものが好ましく、更には30〜70mgKOH/gであることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)の質量比(A/B)が、25/75〜95/5であることが必要であり、35/65〜90/10であることが好ましく、50/50〜80/20であることがより好ましい。ポリエステル樹脂(A)の質量比が25質量%未満であると、形成された樹脂層は、密着性が劣り、基材から剥がれることがある。一方、フッ素樹脂(B)の質量比が5質量%未満であると、樹脂組成物は、耐湿熱性、耐候性が劣るものとなり、形成された樹脂層は、耐ブロッキング性が低下することがある。
また、本発明の樹脂組成物は、結晶性であってもよいし、非晶性であってもよい。なお、結晶性とは、DSC(示差走査熱量計)を用いて、JIS K 7121に準拠して測定した場合において、昇温時に結晶融点(以下、融点という)を有し、融解熱量が0.1J/g以上であるものであり、非晶性とは、結晶融点を有さず、融解熱量が0.1J/g未満であるものを示す。
本発明の樹脂組成物は、さらに硬化剤(C)を含有してもよい。樹脂組成物は、硬化剤(C)を含有することで、さらに接着性、耐湿熱性、耐候性を高めることができる。
硬化剤(C)としては公知のものを挙げることができ、ポリエステル樹脂(A)やフッ素樹脂(B)が有する官能基、またはポリエステル樹脂(A)やフッ素樹脂(B)が反応して形成される官能基(例えば、カルボキシル基やその無水物、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基など)との反応性を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。
硬化剤(C)の具体例としては、フェノール樹脂、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどのホルムアルデヒド付加物;尿素、アクリルアミドなどのグリオキザール付加物;炭素数1〜6のアルコールによるそれら付加物のアルキル化合物などのアミノ樹脂;エポキシ樹脂;酸無水物;イソシアネート化合物およびその各種ブロックイソシアネート化合物;アジリジン化合物;カルボジイミド基含有化合物;オキサゾリン基含有化合物などが挙げられる。これらの中でも、硬化反応性に優れる点で、イソシアネート化合物およびその各種ブロックイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有化合物が好ましい。また、150℃以下という比較的低温における硬化反応性に優れ、基材に与える熱的影響を最小限とすることができる点からは、イソシアネート化合物およびその各種ブロックイソシアネート化合物が好ましい。
イソシアネート化合物としては、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート単量体およびそれらの三量体が挙げられる。なかでも、硬化反応速度が速い点で、芳香族ジイソシアネートが好ましく、MDIが特に好ましい。
また、耐溶剤性、加工性に優れる樹脂層形成が可能なことから、硬化剤としてアミノ樹脂も好ましく用いることができる。
本発明において、硬化剤(C)を用いる場合、その含有量は、ポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)の合計100質量部に対し、0.1〜15質量部であることが好ましく、0.3〜12質量部であることがより好ましく、0.5〜10質量部であることがさらに好ましい。硬化剤(C)の含有量が0.1質量部未満では、硬化性が不十分であることがある。一方、硬化剤(C)の含有量が15質量部を超えると、初期の接着性が不十分となることがある。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、架橋剤、酸化防止剤、粘度調整剤、増量剤、染料、顔料、UV吸収剤、空隙形成剤、潤滑剤、ラジカル捕捉剤、熱安定剤、難燃剤、阻害剤、ブロッキング防止剤、表面活性剤、スリップ助剤、光沢向上剤、分解促進剤、粘度調整剤、分散安定剤等が挙げられる。
次に、ポリエステル樹脂(A)の製造方法について説明する。
まず、多価カルボン酸およびグリコールなどのモノマーの組み合わせを適宜選択し、これらを公知の重合法で重合して、ポリエステル樹脂(A)を得ることができる。つまり、原料モノマーを反応缶に投入した後、エステル化反応をおこなった後、公知の方法で所望の分子量に達するまで重縮合させることにより、ポリエステル樹脂(A)を製造することができる。
エステル化反応は、例えば、180℃以上の温度において4時間以上おこなわれる。
重縮合反応は、一般的には、130Pa以下の減圧下、220〜280℃の温度下で、重合触媒を用いておこなわれる。重合触媒は、テトラブチルチタネ−トなどのチタン化合物、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛などの金属の酢酸塩、三酸化アンチモン、ヒドロキシブチルスズオキサイド、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物などが挙げられる。なお、重合触媒の使用量は、少量では反応が遅く、過多では得られるポリエステル樹脂(A)の色調が低下するため、酸成分1モルに対し、0.1×10−4〜20×10−4モルであることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)とを混合することによって製造することができる。ポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)の混合方法としては、例えば、ポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)を溶融混練する方法が挙げられる。
本発明の接着剤は、ポリエステル樹脂(A)およびフッ素樹脂(B)を含有する樹脂組成物を、有機溶剤に溶解または水に分散させたものである。その製造方法としては、[1]ポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)の所定量を一括して有機溶剤に溶解する方法や、[2]予めポリエステル樹脂(A)を溶解した有機溶剤溶液と、フッ素樹脂(B)を溶解した有機溶剤溶液とを混合する方法や、[3]ポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)を一旦溶融混練した後、得られた樹脂組成物を有機溶剤に溶解する方法や、[4]予めポリエステル樹脂(A)を水に分散した液と、フッ素樹脂(B)を水に分散した液とを混合する方法等が挙げられ、[1]の方法が好ましい。
接着剤を構成する有機溶剤としては、特に限定はされず、例えば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ソルベッソなどの芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールなどのアルコール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ノルマルブチルなどのエステル系溶剤;セロソルブアセテート、メトキシアセテートなどのアセテート系溶剤、塩化メチレン、クロロホルムなどの塩素系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の接着剤は、固形分濃度が5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。固形分濃度が5質量%未満であると、接着剤を十分な塗工量で基材に塗布できないことがある。一方、固形分濃度が60質量%を超えると、接着剤の粘度が高くなり過ぎるため、基材に塗布して得られた樹脂層は、厚さの精度が低下することがある。
本発明の接着剤には、上記硬化剤(C)の他、必要に応じて、トリエチレンジアミン、オクチル錫などの硬化触媒、二酸化チタン、酸化亜鉛などの顔料などを添加することができる。
本発明の接着剤を、例えば、各種の基材に対して塗布し、必要に応じて乾燥させて有機溶媒の除去をおこない塗膜を形成することで、基材上に本発明の樹脂層を形成することができる。また、本発明の樹脂組成物を基材上に溶融押出して、本発明の樹脂層を形成することもできる。
基材としては、特に限定されるものではないが、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂またはポリ塩化ビニル樹脂などの樹脂からなるフィルムやシート;あるいは、アルミニウム箔または銅箔などの金属箔などが挙げられる。このように基材に対し樹脂層を形成することで積層体とすることができる。
本発明の接着剤を基材に塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、リバースロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法またはスプレーコート法などの公知の方法を用いることができる。
本発明の樹脂層の厚みは、用いる用途によって異なるが、3〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましく、7〜30μmであることがさらに好ましい。樹脂層は、厚みが3μm未満であると、必要とする接着性が得られないことがある。一方、厚みが50μmを超えると、経済的でないばかりか、接着性が低下することがある。
本発明の樹脂組成物や接着剤は、基材への接着性に優れているため、各種用途での接着剤やコーティング剤として用いられ、例えば、光学材料分野での接着剤として、電球、LEDを用いた各種照明、表示灯、ディスプレイ等の部品の接着、封止に用いることができる。さらに、本発明の樹脂組成物は耐湿熱性、耐候性にも優れるため、電気・電子部品の配線用途で好適に用いることができ、太陽電池、フレキシブルフラットケーブル、光学パネル用途の接着剤等で好適に利用される。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
1.測定方法
(1)ポリエステル樹脂の組成
NMR測定装置(日本電子社製JNM−LA400型)を用い、1H−NMR測定を行って、それぞれの共重合成分の組成を求めた。なお、測定溶媒としては、重水素化トリフルオロ酢酸を用いた。
(2)ポリエステル樹脂の数平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件でポリスチレン換算の数平均分子量を測定した。
送液ユニット:島津製作所社製LC−10ADvp
紫外−可視分光光度計:島津製作所社製SPD−6AV、検出波長:254nm
カラム:Shodex社製KF−803 1本、Shodex社製KF−804 2本を直列に接続して使用
溶媒:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
(3)ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)
JIS−K 7121に従って、入力補償型示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製ダイヤモンドDSC型)を用い、−60℃から120℃まで、昇温速度10℃/分の条件で測定をおこない、得られた昇温曲線中の、低温側ベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大となるような点で引いた接線との交点の温度を求め、ガラス転移温度とした。
(4)相溶性
ポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)とを含有する樹脂組成物30質量部に、有機溶剤としてテトラヒドロフラン70質量部を加えて接着剤を調製し、この接着剤におけるポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)の相溶性を下記の基準で評価した。
○:透明または白濁した状態で均一に溶解した。
△:溶液は均一であるが少しの不溶解物が発生した。
×:相分離した。
(5)塗膜の状態
上記(4)の方法で調製した接着剤をポリエチレンテレフタレートフィルム(75μm)に乾燥後の厚みが10μmになるように、バーコーターで塗工し、120℃で1分乾燥して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に接着剤の塗膜を形成した。塗膜の状態を下記の基準で評価した。
○:透明または少し白濁した状態で均一な塗膜が得られた。
△:白濁した状態で均一な塗膜が得られた。
×:斑模様の塗膜が得られた。
(6)耐ブロッキング性
上記(5)の方法で形成したポリエチレンテレフタレートフィルム上の塗膜にポリエチレンテレフタレートフィルム(75μm)を重ね合わせ、均一に荷重0.1MPaをかけて、温度30℃条件下、24時間静置した後、23℃×50%RHの雰囲気下で24時間放置した。塗膜と塗膜上に重ね合わせたフィルムとの間を手でT型剥離することにより、塗膜の耐ブロッキング性を下記の基準で評価した。
○:塗膜と重ね合わせたフィルム間できれいに分離した。
△:塗膜の一部が重ね合わせたフィルムに転写し凝集破壊が生じた。
×:塗膜面積の30%以上が重ね合わせたフィルムに転写し凝集破壊が生じた。
(7)PET基材密着性
上記(5)の方法で形成したポリエチレンテレフタレートフィルム(PET基材)上の塗膜に、セロハンテープ(ニチバン社製CT−18)を貼り付けた後、セロハンテープを剥離して、塗膜のPET基材密着性を評価した。
○:塗膜はPET基材から剥離しなかった。
△:塗膜の一部がPET基材から剥離した。
×:塗膜面積の30%以上がPET基材から剥離した。
(8)積層体の初期接着性
上記(4)の方法で作製した接着剤をポリエチレンテレフタレートフィルム(75μm)に乾燥後の厚みが10μmになるように、バーコーターで塗工し、120℃で1分乾燥して、樹脂層がポリエチレンテレフタレートフィルムに積層された積層体を作製した。作製した積層体を2枚用い、樹脂層形成面どうしを重ね合わせ、エアー式プレス機(林機械製作所社製)を用いて、温度180℃、圧力0.2MPa/cmの条件下、60秒間熱圧着して、熱圧着フィルムを得た。
得られた熱圧着フィルムを、短冊状(長さ100×巾15mm)に切り出し、試験片とした。この試験片について、引張試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、引張速度50mm/分、引張角度180度の条件で、剥離強度を測定した。測定は5回おこない、その平均値を接着強度として、下記の基準で積層体の初期接着性を評価した。
◎:接着強度が8N/15mm以上である。
○:接着強度が5N/15mm以上、8N/15mm未満である。
△:接着強度が2N/15mm以上、5N/15mm未満である。
×:接着強度が2N/15mm未満である。
(9)積層体の湿熱試験後の接着性
上記(8)に記載された方法で作製した熱圧着フィルムを、85℃、85%、1000時間の条件で湿熱試験を実施した後、(8)に記載された方法で接着強度を測定し、下記の基準で耐湿熱性を評価した。
◎:接着強度が8N/15mm以上である。
○:接着強度が5N/15mm以上、8N/15mm未満である。
△:接着強度が2N/15mm以上、5N/15mm未満である。
×:接着強度が2N/15mm未満である。
(10)耐候性
接着剤をポリエチレンテレフタレートフィルムにディップコートし、80℃で2分乾燥して、樹脂層がポリエチレンテレフタレートフィルムに積層された積層体を作製した。積層体を、121℃、100%RH、24時間の条件でプレッシャークッカー試験(PCT試験)を実施した。
PCT試験を実施していない積層体と、PCT試験を実施した積層体を、それぞれ短冊状(長さ100×巾10mm)に切り出し、試験片とした。この試験片について、引張試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、引張速度500mm/分の条件で、引張強度を測定した。
PCT試験を実施していない積層体から得られた試験片の引張強度に対する、PCT試験を実施した積層体から得られた試験片の引張強度から、引張強度保持率を算出して、下記の基準で耐候性を評価した。測定は5回おこない、その平均値を引張強度とした。
◎:引張強度保持率が90%以上である。
○:引張強度保持率が70%以上、90%未満である。
△:引張強度保持率が50%以上、70%未満である。
×:引張強度保持率が50%未満である。
2.原料
(1)フッ素樹脂(B)
・R−1:ポリフッ化ビニリデン(アルケマ社製「KynarADS2」)
・R−2:ポリフッ化ビニリデン(アルケマ社製「Kynar500」)
(2)硬化剤(C)
・ヘキサメチレンジイソシアネート[HDI](旭化成ケミカルズ社製TPA−100)
(3)ポリエステル樹脂(A)の調製
調製例1
テレフタル酸83g(50モル%)、イソフタル酸75g(45モル%)、アゼライン酸9g(5モル%)、エチレングリコール44g(70モル%)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物158g(50モル%)、ポリテトラメチレングリコール150g(15モル%)および重合触媒としてテトラブチルチタネート0.1gを反応器に仕込み、系内を窒素に置換した。そして、これらの原料を1000rpmで撹拌しながら、反応器を245℃で加熱し、溶融させた。反応器内温度が245℃に到達してから、3時間エステル化反応を進行させた。3時間経過後、系内の温度を240℃にし、系内を減圧した。系内が高真空(圧力:0.1〜10−5Pa)に到達してから、さらに2時間重合反応を行って、ポリエステル樹脂(P−1)を得た。
調製例2〜12
使用するモノマーの種類とその組成および重合反応時間を表1のように変更した以外は、調製例1と同様にし、ポリエステル樹脂(P−2)〜(P−12)を得た。
なお、表1における略語は、それぞれ以下のものを示す。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
SEA:セバシン酸
AZA:アゼライン酸
ADA:アジピン酸
EG:エチレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
BAEO:ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物
TCD:トリシクロデカンジメタノール
PG:1,2−プロパンジオール
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール
PTMG:ポリテトラメチレングリコール(分子量:1000、炭素数が約54)
ポリエステル樹脂(P−1)〜(P−12)の調製時の仕込組成、最終樹脂組成および特性値を表1に示す。
Figure 2017179024
実施例1
ポリエステル樹脂(P−1)とフッ素樹脂(R−1)とを、質量比が(P−1)/(R−1)=60/40となるように、混練温度140℃、スクリュー回転150rpm、吐出量15kg/hの条件下、溶融混練して樹脂組成物を得た。各種評価を行った結果を表2に示す。
実施例2〜34、比較例1〜5
ポリエステル樹脂、フッ素樹脂の種類および質量部を表2記載のように変更する以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を得た。なお、実施例24〜34は、さらに硬化剤ををポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)の合計100質量部に対して、2質量部含有させて樹脂組成物を得た。各種評価を行った結果を表2に示す。
Figure 2017179024
実施例1〜34の樹脂組成物は、本発明で規定する構成を有するため、形成された樹脂層は、接着性に優れ、かつ耐湿熱性、耐候性においても優れていた。実施例24〜34の樹脂組成物は硬化剤を含有するため、接着性、耐湿熱性、耐候性にさらに優れたものであった。
比較例1、2の樹脂組成物は、フッ素樹脂の含有量が、本発明で規定する下限値未満であったため、形成された樹脂層は、耐湿熱性、耐候性が劣るものであった。比較例3〜5の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂の含有量が、本発明で規定する下限値未満であったため、樹脂層は基材との密着性が劣るものとなり、積層体を作製することができなかった。

Claims (7)

  1. ポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)とを含有する樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂(A)とフッ素樹脂(B)との質量比(A/B)が25/75〜95/5であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. ポリエステル樹脂(A)は、ガラス転移温度が−40〜90℃であり、かつ数平均分子量が500〜25000であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. フッ素樹脂(B)がポリフッ化ビニリデンであることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. さらに硬化剤(C)を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物と有機溶剤とを含有することを特徴とする接着剤。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて形成された樹脂層。
  7. 請求項6記載の樹脂層を含有する積層体。

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