以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るパンチ処理装置を含む画像形成システムの構成を示す断面図である。この画像形成システムは、画像形成装置10、操作表示装置600、イメージリーダ400、パンチ処理装置としてのパンチャ200、フィニッシャ500から構成される。なお、画像形成装置10、操作表示装置600及びイメージリーダ400が一体となって画像形成装置として構成されてもよい。パンチャ200は、画像形成装置10と通信可能に画像形成装置10の下流に接続される。フィニッシャ500はパンチャ200の下流に接続される。パンチャ200、フィニッシャ500はいずれも、後処理を実施する後処理装置である。
原稿給送装置100は、原稿トレイ101に上向きにセットされた原稿を先頭頁から順に1枚ずつ、図中左方向へ給紙し、湾曲したパスを介してプラテンガラス102上を左から所定の読み取り位置を経て右方へ搬送する。その後、原稿給送装置100は、原稿を外部の排紙トレイ112に向けて排出する。
イメージリーダ400は、原稿給送装置により搬送される原稿の画像をイメージセンサ109により読み取る。光学的に読み取られた原稿の画像は、画像形成装置10の露光部110にビデオ信号として入力される。
画像形成装置10の露光部110は、イメージリーダ400から入力されたビデオ信号に基づきレーザ光により感光ドラム111を走査する。感光ドラム111には、走査されたレーザ光に応じた静電潜像が形成される。この感光ドラム111上の静電潜像は、現像器113から供給される現像剤によって現像剤像として可視像化される。
一方、画像形成装置10内に装備されている上カセット114あるいは下カセット115からピックアップローラ127、128により給紙されたシートは、給紙ローラ129、給紙ローラ130によりレジストレーションローラ126まで搬送される。
感光ドラム111に形成された現像剤像は、レジストレーションローラ126から搬送されたシート上に転写部116により転写される。現像剤像が転写されたシートは定着部117に搬送される。定着部117は、シートを加熱及び加圧することによって現像剤像をシート上に定着させる。
ここで、画像形成装置10は、シートをその画像形成面が下向きになる状態(フェイスダウン)で排出する場合、定着部117を通過したシートをフラッパ121の切換動作により一旦、反転パス122内に導く。そして、画像形成装置10は、そのシートの後端がフラッパ121を通過した後、シートをスイッチバックさせて排出ローラ118により画像形成装置10から外部へ排出する。
また、シートの両面に画像形成を行う両面記録が設定されている場合、画像形成装置10は、フラッパ121の切換動作によりシートを反転パス122に導いた後に両面搬送パス124へ搬送する。そして、両面搬送パス124に導かれたシートを前述したタイミングで感光ドラム111と転写部116との間に再度給紙する制御が行われる。
図2は、画像形成システム全体の制御機構のブロック図である。画像形成システム全体の制御を司るコントローラCPU回路部900が画像形成装置10に設けられる。コントローラCPU回路部900は、CPU901、ROM902、RAM903を内蔵する。CPU901は本画像形成システム全体の基本制御を司るCPUである。制御プログラムが書き込まれたROM902と、CPU901による処理に用いられるRAM903とが、アドレスバス、データバスにより接続されている。CPU901は、ROM902に格納されている制御プログラムにより、制御部911、921、922、931、941、951、971を総括的に制御する。RAM903は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
原稿給送装置制御部911は、原稿給送装置100をコントローラCPU回路部900からの指示に基づき駆動制御する。イメージリーダ制御部921は、スキャナユニット104、イメージセンサ109等に対する駆動制御を行い、イメージセンサ109から出力された画像信号を画像信号制御部922に転送する。画像信号制御部922は、イメージセンサ109から入力されたアナログ画像信号をデジタル信号に変換した後に各処理を施し、このデジタル信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部931に出力する。画像信号制御部922はまた、コンピュータ905から外部I/F904を介して入力されたデジタル画像信号に各種処理を施し、このデジタル画像信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部931に出力する。この画像信号制御部922による処理動作は、コントローラCPU回路部900により制御される。プリンタ制御部931は、入力されたビデオ信号に基づき、露光部110、画像形成装置10を制御し、画像形成、シート搬送を行う。
パンチャ制御部971はパンチャ200に搭載され、コントローラCPU回路部900と情報のやり取りによってパンチャ200全体を駆動制御する。この制御内容については後述する。フィニッシャ制御部951はフィニッシャ500に搭載され、コントローラCPU回路部900と情報のやり取りによってフィニッシャ全体を駆動制御する。
操作表示装置制御部941は、操作表示装置600とコントローラCPU回路部900との間で情報をやり取りする。操作表示装置600は、画像形成に関する各種機能を設定する複数のキー、設定状態を示す情報を表示するための表示部等を有する。操作表示装置制御部941は、操作表示装置600の各キーの操作に対応するキー信号をコントローラCPU回路部900に出力するとともに、コントローラCPU回路部900からの信号に基づき対応する情報を操作表示装置600に表示させる。
図3は、操作表示装置600を示す図である。操作表示装置600には、画像形成動作を開始するためのスタートキー602、画像形成動作を中断するためのストップキー603、置数設定等を行うためのテンキー604〜612、614が配置される。操作表示装置600にはさらに、IDキー613、クリアキー615、リセットキー616等が配置される。また、操作表示装置600の上部には、タッチパネル機能を有する表示部620が配置されており、画面上には、仕上げキー621等のソフトキーが作成可能となっている。
画像形成装置10では、後処理モードとして、ノンソート、ソート、シフトソート、ステイプルソート(綴じモード)、パンチモードなどの各処理モードを有する。このような処理モード等の設定は、ユーザによる操作表示装置600からの入力操作により行われる。
図4は、パンチャ200の構成を示す断面図である。パンチャ制御部971により制御されて、パンチャ200は、画像形成装置10から排出されたシートを順に取り込み、取り込んだシートにパンチ処理を行う。パンチ処理を実施するか否か(パンチモードの設定があるか否か)は、画像形成装置10から通知される紙情報から判断される。
パンチ処理を行わないスルー搬送モードが設定されている場合、取り込まれたシートは搬送ローラ対221、フラッパ220によりスルーパス219に導かれ、搬送ローラ対209、208を介してフィニッシャ500へ搬送される。一方、パンチ処理を行うパンチモードが設定されている場合、シートは搬送ローラ対221、フラッパ220によりパンチパス216に取り込まれる。シートは搬送ローラ対201、202、203によってパンチパス216上を搬送され、突き当て部材223に突き当たった状態でパンチユニット280によって穿孔が実施される。パンチユニット280は本発明におけるパンチ手段に該当する。図5に、パンチ処理により複数のパンチ穴が形成されたシートの例を示す。なお、本実施の形態では、シートを停止させるための部材として突き当て部材223を例示するが、代わりにローラを配置して、ローラにより形成されるニップ部でシートを停止させてもよい。
パンチ処理が施されたシートは、搬送ローラ対204、205、206、207、208を介してパンチャ200から外部に排出され、フィニッシャ500へ出力される。パンチパス216には搬送センサ212が設けられ、スルーパス219には搬送センサ211、213が設けられ、搬送センサ211、212、213はそれぞれにおいてシートの通過を検出する。
ところで、パンチユニット280には、着脱により交換可能なパンチダイ283が装着(セット)されている。パンチユニット280は、複数が用意され、それらのうち1つがユーザによって選択的にパンチユニット280に装着されて、パンチ処理が実施される。複数のパンチダイ283はそれぞれ種類が異なり、例えば、形状やパンチ穴の数がパンチダイ283ごとに異なっている。別のパンチダイ283に取り換えることで、図5に示したパンチ穴以外のパンチ穴を生成することができる。なお、用意する複数のパンチダイ283に同一種類のものが存在してもよいが、パンチダイ283の個々を特定する特定情報となるシリアル番号は、各パンチダイ283にユニークな情報として各々に付随しているとする。
次に、パンチャ200を駆動制御するパンチャ制御部971の構成について図6を参照しながら説明する。
図6は、パンチャ200の機能構成を示すブロック図である。パンチャ200のパンチャ制御部971は、図示しない通信ICを介して、画像形成装置10のコントローラCPU回路部900と通信する。パンチャ制御部971は、CPU972、ROM973、RAM974等を有する。パンチャ制御部971は、コントローラCPU回路部900と通信して、ジョブの情報通知やシートの受け渡し通知などのデータ交換を行う。そしてパンチャ制御部971は、コントローラCPU回路部900からの指示に基づき、ROM973に格納されている各種プログラムを実行してパンチャ200を駆動制御する。
パンチダイ283の各々には、ダイメモリ282が備えられている。ダイメモリ282は例えば、書き換え可能な不揮発メモリである。CPU972は、メモリ通信部281を介して、パンチユニット280にセットされているパンチダイ283のダイメモリ282と通信する。CPU972は、ダイメモリ282に記憶されたダイ情報の読み出しや書き込みが正しく行えた場合に、パンチダイ283がセットされていると認識する。
パンチャ200に備えられた各種入出力に関して説明する。パンチャ200は、シートの搬送に関連する構成要素として、スルーパス搬送モータM21、パンチパス搬送モータM22、ソレノイドSL1、ソレノイドSL2、搬送センサ211〜213及びパンチモータM25を有する。スルーパス搬送モータM21は搬送ローラ対208、209、221を駆動する。パンチパス搬送モータM22は搬送ローラ対201〜207を駆動する。ソレノイドSL1は、用紙の搬送先としてスルーパス219とパンチパス216とを切り替えるためのフラッパ220を駆動する。ソレノイドSL2は突き当て部材223を駆動する。パンチユニット280は不図示の刃部を有し、刃部は、装着されているパンチダイ283と協働して搬送されたシートにパンチ穴を開ける。パンチモータM25は、穿孔するためにパンチユニット280の刃部を駆動する。
図7は、フィニッシャ500の構成を示す断面図である。フィニッシャ制御部951に制御されて、フィニッシャ500は、パンチャ200から排出されたシートを搬送ローラ対511により搬送パス520に取り込む。搬送ローラ対511により内部に取り込まれたシートは、搬送ローラ対512、513、514を介して搬送される。搬送パス520には、搬送センサ570、571、572、573、574が設けられており、各センサの位置においてシートの通過が検出される。
搬送ローラ対512は、搬送センサ571とともにシフトユニット580に備えられており、シフトユニット580は、シフトモータM4(図8)により駆動されて、シート搬送方向に直交するシート幅方向へ移動することが可能である。フィニッシャ500は、シフトユニット580にシートが搬送されてきたら、横位置センサ577(図8)によって、シート幅方向における基準位置に対するシートの位置ずれ量を検知する。フィニッシャ500は、位置ずれ量が考慮された値分だけシフトユニット580をオフセットしながらシートを下流へ搬送する。シフト指定がない場合は、シフトユニット580をオフセットせずにシートをそのまま下流へ搬送する。フィニッシャ500は、搬送センサ571の入力によりシートがシフトユニット580を通過したことを検知すると、シフトユニット580をオフセットしていた場合にはシフトモータM4を駆動して初期位置へと戻す。シフトユニット580を経たシートは、搬送ローラ対513、514、515により積載トレイ700へと排出される。積載トレイ700にはトレイ紙有無検知センサ740が備えられている。
図8は、フィニッシャ500の機能構成を示すブロック図である。フィニッシャ制御部951は、CPU952、ROM953及びRAM954を有する。フィニッシャ制御部951は、図示しない通信ICを介して画像形成装置10のコントローラCPU回路部900と通信し、ジョブの情報通知やシートの受け渡し通知等のデータ交換を行う。フィニッシャ制御部951は、コントローラCPU回路部900からの指示に基づき、ROM953に格納されている各種プログラムを実行してフィニッシャ500を駆動制御する。
フィニッシャ500に備えられた各種入出力部に関して説明する。フィニッシャ500は、入口モータM1、バッファモータM2、排紙モータM3、搬送センサ570〜574、シフトモータM4、トレイ昇降モータM5、トレイ紙有無検知センサ740及び横位置センサ577を備える。入口モータM1は搬送ローラ対511を駆動する。バッファモータM2は搬送ローラ対512、513、514を駆動する。排紙モータM3は搬送ローラ対515を駆動する。シフトモータM4はシフトユニット580を駆動する。トレイ昇降モータM5は積載トレイ700を昇降させる。
次に、操作表示装置600からパンチジョブを設定する手順について図3、図9、図10を用いて説明する。パンチジョブは、パンチモードが設定されたジョブである。
図9は、操作表示装置600の表示部620に表示される仕上げ選択画面の例を示す図である。ユーザは、パンチジョブを設定するために、スタンバイ状態において図3に示す表示部620の初期画面で仕上げキー621を押下する。CPU901は、操作表示装置制御部941からの出力情報により仕上げキー621が押下されたと判断すると、表示部620の表示を図9に示す仕上げ選択画面に遷移させる。仕上げ選択画面においてパンチキーが押下され、OKキーが押下されるとパンチモードがジョブに設定され、初期画面へ遷移する。仕上げ選択画面において、パンチ以外の仕上げ(ソート、グループ)が押下され、OKキーが押下された場合は、その仕上げのモードがジョブに設定される。その後、ジョブがスタートされると、紙情報(図10)がパンチャ200に通知される。
図10(a)、(b)は、紙情報の概念図である。図10(a)はパンチモードが設定された場合に画像形成装置10から通知される紙情報を示し、図10(b)はパンチモードが設定されなかった場合に通知される紙情報を示す。パンチモードが設定された紙情報(図10(a))においては、「パンチ設定」が有りとなっている。
次に、パンチャ200においてパンチ処理を行う際のCPU972の動作について図4、図11〜図13を用いて説明する。なお、紙情報はジョブの情報に含まれる。紙情報はシートごとに設定される。
図11は、パンチ処理を示すフローチャートである。この処理は、パンチ設定を含むジョブが投入されると開始される。この処理において、今回の処理対象となるシートをシートNと呼称する。図12(a)、(b)は、フラッパ220及びその近傍の拡大図である。図13(a)、(b)は、パンチユニット280及びその近傍の拡大図である。
まずCPU972は、画像形成装置10からシートNの紙情報の受信を待ち(ステップS101)、シートNの紙情報を受信したら、その紙情報を取得してRAM974に保存すると共にフィニッシャ500に紙情報を送信する(ステップS102)。次にCPU972は、紙情報に応じた搬送パスへシートNを導くために、パンチ設定の有無によってフラッパ220の動作を決定する(ステップS103)。
ステップS103の判別の結果、パンチ設定が無しの場合はスルー搬送モードとなるので、CPU972は、図12(b)に示すようにソレノイドSL1をオフにし、フラッパ220をスルーパス219側へ切り替える(ステップS113)。次にスルーパス219上のシートNを搬送するために、スルーパス搬送モータM21を駆動し、搬送ローラ対208、209、221を回転させる(ステップS114)。その後、CPU972は処理をステップS112に進める。
一方、ステップS103の判別の結果、パンチ設定が有りの場合はパンチモードが設定されることとなるので、CPU972は、ソレノイドSL1をオンにし、図12(a)に示すようにフラッパ220をパンチパス216側へ切り替える(ステップS104)。次にCPU972は、パンチパス216上のシートNを搬送するために、スルーパス搬送モータM21及びパンチパス搬送モータM22を駆動し、搬送ローラ対201〜209、221を回転させる(ステップS105)。
次にCPU972は、クラッチオン時間Tを所定時間に設定する(ステップS106)。ここでクラッチオン時間Tは、搬送センサ212のオンからパンチ開始までの時間であり、この時間により、突き当て部材223によるシートNの停止時間が規定される。クラッチオン時間Tは、適切なパンチ処理に要するシートNの停止時間を十分に確保できる値に設定され、例えば100msecとされる。
次にCPU972は、搬送センサ212がオンになるまで待ち(ステップS107)、搬送センサ212がオンになったら、ソレノイドSL2を駆動して突き当て部材223のクラッチをオンにすることで、シートNを停止させる。クラッチがオンになっている間は、図13(a)に示すように、突き当て部材223にシートNが突き当たり、シートNが停止した状態が維持される。
次にCPU972は、搬送センサ212がオンになってからクラッチオン時間Tが経過するのを待ち(ステップS109)、クラッチオン時間Tが経過したら、パンチモータM25を駆動してパンチユニット280による穿孔動作を開始する(ステップS110)。穿孔動作終了後、CPU972は、ソレノイドSL2の駆動を解除して、突き当て部材223のクラッチをオフにする(ステップS111)。クラッチがオフになっている間は、図13(b)に示すように、突き当て部材223はパンチパス216から退避するので、シートNは停止を解除される。従って、シートNは下流のフィニッシャ500へ搬送される。
次に、ステップS112では、CPU972は、シートNの紙情報の最終紙フラグを参照し、今回のシートNがジョブの最終紙であるか否かを判別する。その判別の結果、CPU972は、今回のシートNがジョブの最終紙でない場合は、処理をステップS101に戻す一方、最終紙である場合は、図11の処理を終了させる。
図14は、パンチダイ通信処理を示すフローチャートである。この処理はパンチダイ283との通信処理においてパンチャ200のCPU972により実行される。この処理は、パンチャ200の電源投入、または、電源投入後のパンチユニット280へのパンチダイ283の装着により開始され、一定時間間隔で繰り返し実行される。
まず、CPU972は、パンチダイ283に備えられたダイメモリ282との通信が可能か否かを判別する(ステップS201)。その判別の結果、CPU972は、ダイメモリ282との通信が不可能である場合はパンチダイ283が非装着であると判断し、ダイ非装着の旨をコントローラCPU回路部900へ通知して(ステップS204)、処理をステップS201に戻す。一方、CPU972は、ダイメモリ282との通信が可能である場合はパンチダイ283が装着済みであると判断し、そのダイメモリ282に記憶されているダイ情報を読み出す(ステップS202)。ダイメモリ282に記憶されているダイ情報(図17(a))については後述する。
なお、パンチダイ283の装着を判断する観点からは、ダイメモリ282との通信可否の代わりに、パンチダイ283が装着されたことを検知するためのセンサをパンチャ200に設け、そのセンサの検知結果から装着を判断するようにしても良い。ステップS201において、CPU972は本発明における検知手段としての役割を果たす。
次に、CPU972は、パンチダイ283が装着されていることをコントローラCPU回路部900へ通知する(ステップS203)。次に、CPU972は、コントローラCPU回路部900からダイ情報の送信要求があるか否かを判別する(ステップS205)。その判別の結果、ダイ情報の送信要求が無い場合は、CPU972は処理をステップS207に進める。一方、ダイ情報の送信要求がある場合は、CPU972は、ステップS202で読み出したダイ情報をコントローラCPU回路部900へ送信してから(ステップS206)、処理をステップS207に進める。
ステップS207では、CPU972は、コントローラCPU回路部900からダイ情報の更新要求があるか否かを判別する(ステップS207)。ここでダイ情報の更新要求は、ダイメモリ282に記憶されたダイ情報の更新を、パンチダイを指定して要求する「更新要求」に該当する。その判別の結果、ダイ情報の更新要求がある場合は、CPU972は、更新するダイ情報をコントローラCPU回路部900から受信する(ステップS208)。ここで、受信するダイ情報は、後述する図15のステップS306または図18のステップS405で送信されてきたものであり、このダイ情報の受信が、更新要求の受け付けに該当する。ここでは、CPU972は、本発明における受け付け手段としての役割を果たす。そしてCPU972は、受信したダイ情報をダイメモリ282へ書き込むことでダイ情報を更新する(ステップS209)。ここではCPU972は、本発明における更新手段としての役割を果たす。その後、図14の処理は終了する。一方、ダイ情報の更新要求が無い場合は、CPU972は、ダイ情報を受信することなく図14の処理を終了させる。
図15は、画像形成装置10におけるパンチダイ注油時処理を示すフローチャートである。この処理は、例えば操作表示装置600における不図示の注油開始ボタンのオンにより開始され、CPU901により実行される。ユーザが取り外したパンチダイ283に注油を実施した際にこの処理が実行されることが想定される。ここでまず、ダイ情報について説明する。
図16(a)、(b)、(c)は、操作表示装置600の表示部620にパンチダイカウンタとしてリスト表示されるダイ情報の例を示す図である。図17(a)は、ダイメモリ282に記憶されるダイ情報の概念図である。図17(b)、(d)、(f)、(h)は、ダイメモリ282に記憶されるダイ情報の具体例を示す図である。図17(c)、(e)、(g)、(i)は、画像形成装置10のRAM903に保持されるダイ情報の具体例を示す図である。
図17(a)等に示すように、ダイ情報には、ダイID、ダイ番号(ダイNo.と称す)、トータルカウンタ、注油実施時カウンタがある。ダイIDは例えば、各々のパンチダイ283の種別を表す番号である。パンチダイの種別は、例えば、丸穴4穴、丸穴30穴、四角穴30穴などである。ダイNo.は例えば、各々のパンチダイ283のシリアル番号である。これら管理番号であるダイID、ダイNo.は、パンチダイ283の各々に対応付けられた番号情報(特定情報)であり、これらのいずれかを用いてパンチダイ283の各々が一意に特定される。但し、同じ種別のパンチダイが複数ある場合は、ダイNo.で区別する必要がある。トータルカウンタは、パンチダイ283の使用開始からの使用回数(穿孔の回数)の総数であり、別のパンチャ200に装着されて使用された場合の回数も総計された値である。注油実施時カウンタは、パンチダイ283の使用開始から最後(前回)の注油実施までの使用回数である。すなわち、注油実施時カウンタは、最後の注油実施時期を示す情報であり、これが「メンテナンス情報」の一例となる。
パンチダイカウンタとして表示されるダイ情報(図16(a)等)において、注油カウンタは、最後の注油実施からのパンチダイ283の使用回数を示す情報である。注油カウンタの値は、「トータルカウンタ−注油実施時カウンタ」により算出される値である。パンチダイカウンタとして表示されるダイ情報は、パンチダイ283が装着された際、または電源投入時に、図17(a)に示すフォーマットでパンチャ200から画像形成装置10に通知されたものであり、RAM903に保持される。なお、ダイ情報は画像形成装置10に設けられる不図示のハードディスクなどの記憶装置に格納されてもよい。また、一度でもパンチャ200に装着されたパンチダイの情報はRAM903或いは上記の記憶装置に保存される。
まず、図15のステップS301では、CPU901は、表示部620にダイ情報をリスト表示する(ステップS301)。このリスト表示では、これまでにパンチャ200に装着されたことのある全てのパンチダイ283についてダイ情報が表示される(図16(a))。次に、CPU901は、メンテナンス情報の更新対象となるパンチダイ283が選択されたか否かを、いずれかのダイNo.が選択されたかによって判別する(ステップS302)。なお、ダイNo.に代えてダイIDの選択によってパンチダイ283が選択されるようにしてもよい。
その判別の結果、いずれかのダイNo.が選択された場合は、CPU901は、処理をステップS303へ進める。ステップS303では、パンチダイカウンタにおいて、選択されたダイNo.とそれに対応する注油カウンタとを反転表示させると共に(図16(a))、OKボタンが押下されたか否かを判別する。そしてOKボタンが押下された場合は、CPU901は、RAM903に保持されているダイ情報における注油実施時カウンタを更新する(ステップS304)。これにより、図17(c)に示すように、トータルカウンタの値が注油実施時カウンタにコピーされる。またそれと並行して、図16(b)に示すように、パンチダイカウンタの注油カウンタの値は、「トータルカウンタ−注油実施時カウンタ」による算出値である「0」に更新される。
次にCPU901は、今回注油されたパンチダイ283、すなわちメンテナンス情報の更新対象として選択されたパンチダイ283が装着されているか否かを判別する(ステップS305)。その判別の結果、選択されたパンチダイ283が装着されている場合は、CPU901は、更新後の注油実施時カウンタを含むダイ情報を、パンチャ200へ送信する(ステップS306)。このダイ情報の送信が、パンチャ200に対するダイ情報の更新要求となる。パンチャ200では、CPU972によって、受信したダイ情報に基づきダイメモリ282のダイ情報が書き換えられる(図14のステップS207〜S209)。
これにより、ダイメモリ282に記憶されるダイ情報は、図17(b)に示すもののうち注油実施時カウンタが更新されて、図17(d)に示すものへと遷移する。一方、これと並行して、RAM903に保持される図17(c)に示すダイ情報は、図17(e)に示すものとなるが、その内容に変化はない。
一方、ステップS305において、選択されたパンチダイ283が装着されていない場合は、CPU901は、ダイ情報を送信することなく図15の処理を終了させる。これには、選択されたパンチダイ283と装着されているパンチダイ283とが異なる場合や、いずれのパンチダイ283も装着されていない場合が該当する。このとき、ダイメモリ282に記憶されたダイ情報は、図17(b)に示した情報のままとなる。
ステップS302でダイNo.が選択されなかった場合、またはステップS303でOKボタンが押下されなかった場合は、CPU901は、戻るボタンまたは次へボタンが押下されたか否かを判別する(ステップS307)。その判別の結果、CPU901は、戻るボタンまたは次へボタンが押下された場合は、処理をステップS301に戻す一方、いずれのボタンも押下されない場合は、処理をステップS302に戻す。
次に、パンチャ200でパンチダイ283が交換される場合における画像形成装置10での処理について図18で説明する。図18は、ダイ交換時処理を示すフローチャートである。この処理は、画像形成装置10の電源オンにより開始され、CPU901により一定時間間隔で繰り返し実行される。
まず、CPU901は、パンチャ200に新たにパンチダイ283が装着されるのを待つ(ステップS401)。新たにパンチダイ283が装着されたか否かは、図14のステップS203でCPU972から通知される情報から判断される。そして、新たにパンチダイ283が装着されると、CPU901は、パンチャ200から図17(a)に示すフォーマットのダイ情報を取得する(ステップS402)。ここでは、CPU901は、ダイ情報の送信要求を行い、それに応答して、図14のステップS205、S206でパンチャ200のCPU972から送信されるダイ情報を受信することで取得する。
次にCPU901は、取得したダイ情報が、RAM903に保持されているダイ情報のうちダイNo.を同じくするものと一致するか否かを判別する(ステップS403)。その判別の結果、取得したダイ情報と保持されているダイ情報の両者が一致する場合は、これらのダイ情報は最新状態であるので、CPU901は、図18の処理を終了させる。例えば、この状態でのダイメモリ282に記憶されているダイ情報は図17(d)に示すものであり、RAM903に保持されているダイ情報は図17(e)に示すものであり、両者は一致している。一方、取得したダイ情報が保持されているダイ情報と一致しない場合は、取得したダイ情報または保持されているダイ情報のいずれかが最新状態でないので、CPU901は、処理をステップS404以降へ進める。
ステップS404では、CPU901は、取得したダイメモリのダイ情報の注油実施時カウンタと自装置の(RAM903に保持されている)ダイ情報の注油実施時カウンタとを比較し、自装置の注油実施時カウンタの値の方が大きいか否かを判別する。ここで、両ダイ情報における注油実施時カウンタの値の大小関係は、最後の注油時期を示す情報の新しさを決定する要素となり、大きい方が新しい。
その判別の結果、ダイメモリのダイ情報の注油実施時カウンタの値よりも自装置の注油実施時カウンタの値の方が大きい場合は、CPU901は、処理をステップS405に進める。このような状況として、メンテナンス情報の更新対象として選択されたパンチダイ283が、注油実施時には装着されていなかったが(ステップS305でNO)、今回装着された場合が想定される。この場合、自装置の注油実施時カウンタが最新であるので、CPU901は、ステップS405で、自装置の注油実施時カウンタを含むダイ情報をパンチャ200へ送信する。このダイ情報の送信が、パンチャ200に対するダイ情報の更新要求となる。パンチャ200では、CPU972によって、受信したダイ情報に基づきダイメモリ282のダイ情報が書き換えられる(図14のステップS207〜S209)。
これにより、例えば、ダイメモリ282に記憶されるダイ情報は、図17(b)に示すもののうち注油実施時カウンタが更新されて、図17(d)に示すものへと遷移する。あるいは、図17(f)に示すもののうち注油実施時カウンタが更新されて、図17(h)に示すものへと遷移する。
一方、ステップS404の判別の結果、ダイメモリ282のダイ情報の注油実施時カウンタの値が自装置の注油実施時カウンタの値以上であった場合は、CPU901は、処理をステップS407に進める。このような状況として、今回装着されたパンチダイ283が、一旦、他のパンチャ装置で使用された後に、図18の処理実行中の当該パンチャ200に再び装着された場合が想定される。この場合、パンチャ200から取得したダイ情報が新しいかまたは古くないため、CPU901は、RAM903に保持される自装置のダイ情報の注油実施時カウンタを、ダイメモリ282のダイ情報の注油実施時カウンタの値に更新する。
ステップS405またはステップS407の処理後、CPU901は、ステップS406で、RAM903に保持される自装置のダイ情報の、注油実施時カウンタ以外の情報についても最新のものに更新する。例えば、図17(g)に示すもののうちトータルカウンタが更新されて、図17(i)に示すものへと遷移する。この場合、表示部620には図16(c)に示すようなパンチダイカウンタが表示される。
図14、図15、図18の処理からわかるように、メンテナンス情報の更新対象として、装着済みのパンチダイ283が選択された場合は、ダイ情報の更新要求がパンチャ200へ送信される(図15のステップS306)。従って、パンチャ200では、装着状態のパンチダイ283のダイ情報の注油実施時カウンタについては、更新作業により、更新が速やかに反映される(図14のステップS207〜S209)。一方、装着されていないパンチダイ283が選択され且つ、自装置の注油実施時カウンタが最新であれば、そのパンチダイ283が装着されたときに、ダイ情報の更新要求がパンチャ200へ送信される(図18のステップS405)。従って、未装着のパンチダイ283であっても、ユーザは、画像形成装置10においてメンテナンス情報の更新作業を実施しておけば、当該パンチダイ283が装着されたときに自動的にダイ情報の注油実施時カウンタが更新される。
本実施の形態によれば、パンチャ200は、ダイメモリ282に記憶された注油実施時カウンタ(メンテナンス情報)の更新を、パンチダイを指定して要求する更新要求を、画像形成装置10から受け付ける。パンチャ200は、装着されているパンチダイ283を指定する更新要求が受け付けられたときに、ダイメモリ282の注油実施時カウンタを更新要求に基づいて更新する。パンチダイ283が装着されていない状態においては、パンチャ200は、パンチダイ283が装着されたときに、そのパンチダイ283を指定する更新要求を受け付け、ダイメモリ282の注油実施時カウンタを上記更新要求に基づいて更新する。これにより、ユーザにとっては、非装着のパンチダイ283であっても、更新作業をしておけば、そのパンチダイ283が装着されたときに注油実施時カウンタが更新されるようにすることができる。従って、パンチダイ283の装着の有無を問わず、メンテナンス情報の更新作業を行えるようにすることができる。これによって、注油時の煩雑な作業が解消され、注油時における作業時間を短縮することが可能となる。
また、未装着時に選択されたパンチダイ283が再度装着され且つ、パンチダイ283の注油実施時カウンタが最新である場合は、RAM903の注油実施時カウンタが、ダイメモリ282の注油実施時カウンタの値に更新される。これにより、例えば、他の装置で使用されてから再び装着されたパンチダイ283についても画像形成装置10側のメンテナンス情報を最新に更新することができる。
更新要求におけるパンチダイの指定は、パンチダイの各々を特定する管理番号であるダイIDまたはダイNo.を指定することでなされるので、パンチダイ283のメンテナンス情報を個々に管理できる。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、パンチャ200は、パンチダイ283が装着されていない状態においては、パンチダイ283が装着されたときに、そのパンチダイ283を指定する更新要求を受け付けた(S405、S208)。これに対し本発明の第2の実施の形態では、パンチダイ283が装着されていない状態においても、そのパンチダイ283を指定する更新要求を受け付けて保存しておき、パンチダイ283が装着されたときにメンテナンス情報を更新する。
従って、第1の実施の形態に対し、図9に代えて図20(a)を用い、図16に代えて図20(b)(c)(d)を用い、図17に代えて図21を用い、図14、図15、図18に代えて図19、図22を用いて、第2の実施の形態を説明する。システム構成や動作において、第1の実施の形態と同様の部分の説明は省略する。
図19は、画像形成装置10におけるパンチダイ注油時処理を示すフローチャートである。ここでまず、本実施の形態におけるダイ情報について説明する。
図20(a)は、表示部620に表示される仕上げ選択画面の例を示す図である。図20(b)、(c)、(d)は、操作表示装置600の表示部620にパンチダイ注油情報としてリスト表示されるダイ情報の例を示す図である。図21(a)、及び図21(c)、(e)はそれぞれ、ダイメモリ282に記憶されるダイ情報の概念図、及び具体例を示す図である。図21(b)、及び図21(d)、(f)はそれぞれ、パンチャ200のRAM974に保持されるダイ情報の概念図、及び具体例を示す図である。
図21(a)に示すように、ダイメモリ282に記憶されるダイ情報には、ダイID、ダイNo.、トータルカウンタ、注油カウンタがある。ここで、ダイID、ダイNo.及びトータルカウンタは、図17(a)で説明したのと同じである。注油カウンタは、図16(a)等で説明したのと同じであるが、本実施の形態では注油カウンタが「メンテナンス情報」に該当する。また、図21(b)に示すように、パンチャ200のRAM974に保持されるダイ情報には、ダイメモリ282に記憶されるダイ情報に加えて、注油カウンタクリア情報がある。このクリア情報には、「クリア実施あり」と「クリア実施なし」とがあり、「クリア実施あり」のクリア情報は、注油実施を実施して且つ注油カウンタを0に初期化すべきことを示す情報となる。図20(b)、(c)、(d)に示すパンチダイ注油情報における、注油実施(クリア)は、注油実施の要否を入力するためのクリアチェックボタンである。
なお、新品のパンチダイ283が最初にパンチャ200に装着されたときに、ダイID及びダイNo.とこれらに対応する各カウンタ値に初期値である0が設定されたものとが、図21(a)に示すダイ情報としてダイメモリ282に記憶される。それと共に、図21(a)に示すダイ情報が画像形成装置10に送信されて、画像形成装置10のRAM903でも、図21(b)に示すダイ情報として記憶される。注油カウンタクリア情報の初期設定は「クリア実施なし」となっている。
図20(a)の仕上げ選択画面において、パンチキーが選択されることで「すぐに実施ボタン」が表示される。「すぐに実施ボタン」は、パンチャ200に装着されているパンチダイ283に注油が必要である場合には、注油を促すメッセージとともに表示される。注油を促すメッセージは、例えば、RAM974に保持されるダイ情報における注油カウンタの値が所定以上である場合に表示される。
図19の処理は、「すぐに実施ボタン」が押下されることにより開始され、CPU901により実行される。まず、図19のステップS501では、CPU901は、表示部620にパンチダイ注油情報をリスト表示する。例えば、図20(b)に示すように、これまでにパンチャ200に装着されたことのある全てのパンチダイ283に関する情報がリスト表示され、現在装着されているパンチダイ283のダイNo.は反転表示される。これらの情報は、パンチダイ283が装着された際、または、電源投入時に、パンチャ200から画像形成装置10へ通知されたものであるが、ステップS505を経た場合は、ステップS505で取得された最新のものである。
次にCPU901は、パンチダイ注油情報のリスト表示(図20(b))において、クリアチェックボタンが選択されたか否かを判別する(ステップS502)。その判別の結果、クリアチェックボタンが選択された場合は、CPU901は、図20(c)に例示するように、そのクリアチェックボタンを反転表示させると共に、OKボタンが押下されたか否かを判別する(ステップS503)。その判別の結果、OKボタンが押下された場合は、CPU901は、「クリア実施あり」のクリア情報を、クリアチェックボタンが選択されたダイNo.と対応付けてパンチャ200へ送信する(ステップS504)。これにより、パンチダイ283を指定したダイ情報の更新要求がパンチャ200に与えられる。
次にCPU901は、パンチャ200から最新のダイ情報を取得し(ステップS505)、処理をステップS501に戻す。このとき、図20(d)に例示するように、パンチダイ注油情報において、受信したダイ情報に対応するダイNo.に対応する注油カウンタは0に初期化(クリア)され、仕上げ選択画面(図20(a))における注油実施要のメッセージも消去される。
一方、ステップS502において、クリアチェックボタンが選択されなかった場合、または、ステップS503においてOKボタンが押下されなかった場合は、CPU901は処理をステップS506に進める。ステップS506では、CPU901は、仕上げ選択画面において「次へボタン」が押下されたか否かを判別し、押下された場合は処理をステップS501に戻す。一方、「次へボタン」が押下されていない場合は、CPU901は、仕上げ選択画面において「戻るボタン」が押下されたか否かを判別し(ステップS507)、押下されていない場合は処理をステップS502に戻す。「戻るボタン」が押下された場合は、CPU901は、図19の処理を終了させる。
ところで、図19の処理において、装着されているパンチダイ283以外のパンチダイ283についても、クリアチェックボタンをチェックして、注油カウンタをクリアすることが可能である。例えば、図20(b)における「CCCCC」以外のパンチダイ283においても同様にクリア処理が可能である。
図22は、パンチダイ制御の処理を示すフローチャートである。この処理はパンチャ200の電源投入により開始され、CPU972により実行される。
まず、CPU972は、パンチユニット280にパンチダイ283が装着されているか否かを判別する(ステップS601)。これは、ダイメモリ282との通信可否によって判別され、通信が可能である場合にパンチダイ283が装着済みであると判別される。なお、パンチダイ283が装着されたことを検知するためのセンサをパンチャ200に設け、そのセンサの検知結果から判断するようにしても良い。
その判別の結果、パンチダイ283が装着されていない場合は、CPU972は、「クリア実施あり」の注油カウンタクリア情報を受信したか否かを判別する(ステップS613)。この情報は、図19のステップS504で送信されてくるものである。その判別の結果、「クリア実施あり」のクリア情報を受信した場合は、CPU972は、処理をステップS614に進める。ステップS614では、CPU972は、RAM974内のダイ情報のうち、受信したクリア情報に対応するダイNo.を有するものの注油カウンタクリア情報を「クリア実施あり」として保存する。この場合、例えば、ダイ情報は、図21(d)に示すものとなる。これにより、装着されていないパンチダイ283を指定する更新要求を受け付けて保存しておくことができる。その後CPU972は、処理をステップS601に戻す。一方、CPU972は、「クリア実施あり」のクリア情報を受信しなかった場合は、処理をステップS601に戻す。この場合、例えば、ダイ情報は、図21(f)に示す内容のままとなる。
ステップS601の判別の結果、パンチダイ283が装着されている場合は、CPU972は、装着されているパンチダイ283のダイメモリ282から、図21(a)に示すフォーマットのダイ情報を読み出す(ステップS602)。読み出されたダイ情報は、例えば、図21(c)に示すものである。
次にCPU972は、RAM974に保持されるダイ情報において、「クリア実施あり」の注油カウンタクリア情報があるか否かを判別する(ステップS603)。その判別の結果、「クリア実施あり」のクリア情報がある場合は、CPU972は、そのクリア情報における「クリア実施あり」の情報を削除して「クリア実施なし」とする(ステップS604)。さらにCPU972は、RAM974に保持されるダイ情報、ダイメモリ282に記憶されているダイ情報のそれぞれにおける注油カウンタを「0」に初期化する(ステップS605)。これにより、メンテナンス情報である注油カウンタが更新される。これらのダイ情報は、例えば図21(e)、(f)に示すものとなっている。その後、処理はステップS606に進む。
一方、ステップS603の判別の結果、「クリア実施あり」のクリア情報がなかった場合は、CPU972は処理をステップS606に進める。ステップS606では、RAM974に保持されているダイ情報をコントローラCPU回路部900に送信する。これにより、画像形成装置10では、パンチャ200から最新のダイ情報を取得できる(図19のステップS505)。
次にCPU972は、「クリア実施あり」の注油カウンタクリア情報を受信したか否かを判別する(ステップS607)。この情報は、図19のステップS504で送信されてくるものである。なお、この判別時点ではパンチダイ283は装着された状態である。その判別の結果、「クリア実施あり」のクリア情報を受信した場合は、CPU972は、受信したクリア情報に対応するダイNo.が、現在、装着されているパンチダイ283のダイNo.と一致するか否かを判別する(ステップS608)。その判別の結果、両者が一致する場合は、受信したクリア情報は、装着済みのパンチダイ283を指定する更新要求に該当する。そこでCPU972は、処理をステップS605に戻し、注油カウンタの更新処理へ移行する。
一方、両者が一致しない場合は、受信したクリア情報は、装着されていないパンチダイ283を指定する更新要求に該当する。そこでCPU972は、ステップS614と同様に、RAM974内のダイ情報のうち、受信したクリア情報に対応するダイNo.を有するものの注油カウンタクリア情報を「クリア実施あり」として保存する。これにより、装着されていないパンチダイ283を指定する更新要求を受け付けて保存しておくことができる。その後CPU972は、処理をステップS607に戻す。
ステップS607の判別の結果、「クリア実施あり」の注油カウンタクリア情報を受信しなかった場合は、CPU972は、パンチ処理が実行されたか否かを判別する(ステップS610)。そしてCPU972は、パンチ処理が実行された場合は、装着されているパンチダイ283のダイメモリ282に記憶されているダイ情報におけるトータルカウンタを1だけ加算した値に更新する(ステップS611)。その後、処理はステップS607に戻る。一方、パンチ処理が実行されなかった場合は、CPU972は、装着されているパンチダイ283が取り外されたか否かを判別する(ステップS612)。その判別の結果、CPU972は、パンチダイ283が取り外されない場合は、処理をステップS607に戻す一方、パンチダイ283が取り外された場合は、処理をステップS601に戻す。
本実施の形態によれば、パンチャ200は、装着されているパンチダイ283を指定する更新要求が受信されると、ダイメモリ282の注油カウンタを更新要求に基づいて更新する。パンチダイ283が装着されていない状態においては、パンチャ200は、受信した更新要求を保存しておく。そしてパンチャ200は、更新要求により指定されるパンチダイ283が装着されたときに、そのパンチダイ283のダイメモリ282の注油カウンタを、保存された更新要求に基づいて更新する。これにより、パンチダイ283の装着の有無を問わず、メンテナンス情報の更新作業を行えるようにすることに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、メンテナンス情報として、第1の実施の形態では注油実施時カウンタを例示し、第2の実施の形態では注油カウンタを例示したが、これらに限定されるものではない。例えば、パンチダイ283の各々における注油実施時期に関する他の情報であってもよい。
なお、本発明が適用されるパンチ処理装置としてパンチャ200を例示したが、パンチャ200を含む画像形成システムの全体またはシステムの一部をパンチ処理装置として認識して本発明を適用してもよい。あるいは、パンチャ200に画像形成機能を持たせたものをパンチ処理装置として認識して本発明を適用してもよい。従って、本発明が適用される装置またはシステムの呼称は問わず、主要機能としてパンチ処理機能を有すればよく、画像形成装置と呼称されるものであってもよい。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。