以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の実施形態について説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
[実施形態1]
まず、図1を参照して実施形態1に係る画像形成装置100の構成について説明する。図1は、実施形態1に係る画像形成装置100の構成を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置本体1と、画像形成装置本体1に装着される後処理装置2とを備える。以下、画像形成装置本体1を「装置本体1」と記載する。
装置本体1は、シートSに画像を形成する。後処理装置2は、装置本体1によって画像が形成されたシートSに穿孔処理、ステープル処理、及びシフト処理などの後処理を実行する。
続いて、図2を参照して、装置本体1の構成について説明する。図2は、装置本体1の構成を示す図である。装置本体1は、操作部11、読取部12、本体搬送部13、給紙部14、画像形成部15、定着装置16、本体排出部17、及び本体制御部19を備える。操作部11は、通知部の一例である。本体制御部19は、画像形成部15の動作を制御する制御部(第1制御部)の一例である。
操作部11は、ユーザーからの指示を受け付ける。操作部11は、ユーザーからの指示を受け付けると、ユーザーからの指示を示す信号を本体制御部19へ送信する。操作部11は、液晶ディスプレー111及び複数の操作キー112を含む。液晶ディスプレー111は、例えば、各種メッセージ、及び各種処理結果を表示する。操作キー112は、例えば、テンキー、及びスタートキーを含む。装置本体1は、画像形成処理の実行を示す指示が入力されると、画像形成動作を実行する。また、後処理装置2は、後処理の実行を示す指示が入力されると、後処理を実行する。本実施形態において、ユーザーは、操作部11を操作することによって、穿孔処理の実行を指示することができる。
読取部12は、原稿台に載置された原稿の画像を読み取り、画像データを生成する。生成された画像データは、本体制御部19へ送信される。読取部12は、例えばスキャナーである。
本体搬送部13は、ローラー及びガイド部材を備える。本体搬送部13は、給紙部14から本体排出部17まで延在し、シートSを搬送する。
給紙部14は、シートSを1枚ずつ本体搬送部13へ給紙する。給紙部14は、第1給紙部141、及び第2給紙部142を含む。
第1給紙部141は、4つの第1給紙ローラー群141b及び4つの給紙カセット141aを備える。各給紙カセット141aは、複数枚のシートSを収容可能である。各第1給紙ローラー群141bは、対応する給紙カセット141aに設けられる。各第1給紙ローラー群141bは、対応する給紙カセット141aに収容されているシートSを1枚ずつ本体搬送部13へ給紙する。
第2給紙部142は、第2給紙ローラー群142b、及び手差しトレイ142aを備える。手差しトレイ142aには、複数枚のシートSが載置され得る。第2給紙ローラー群142bは、手差しトレイ142aに載置されているシートSを1枚ずつ本体搬送部13へ給紙する。
画像形成部15は、画像データに基づいて、給紙部14から給紙されたシートSに画像を形成する。画像データは、例えば、読取部12によって生成される。
画像形成部15は、露光装置151、現像装置152、感光体ドラム153、及び転写装置154を備える。露光装置151は、画像データに基づいて感光体ドラム153を照射する。これにより、感光体ドラム153の表面に静電潜像が形成される。現像装置152は、感光体ドラム153にトナーを供給して静電潜像を現像する。この結果、感光体ドラム153の表面にトナー像が形成される。
転写装置154は、感光体ドラム153の表面に形成されたトナー像をシートSに転写する。トナー像が転写されたシートSは、本体搬送部13によって定着装置16へ向けて搬送される。
定着装置16は、加熱部材161、及び加圧部材162を備える。加熱部材161、及び加圧部材162は互いに対向して配置され、定着ニップを形成する。画像形成部15から搬送されたシートSは、定着ニップを通過することにより加熱、及び加圧される。この結果、トナー像がシートSに定着する。シートSは、本体搬送部13によって定着装置16から本体排出部17へ向けて搬送される。
本体排出部17は、本体排出ローラー対171を有する。本体排出ローラー対171は、排出口10aを介して後処理装置2へ向けてシートSを搬送する。排出口10aは、装置本体1の筐体側面に形成される。
本体制御部19は、装置本体1が備える各部の動作を制御する。
続いて、図3を参照して、後処理装置2の構成について説明する。図3は、後処理装置2の構成を示す図である。
図3に示すように、後処理装置2は、シート検知センサー20、後処理搬送部21、穿孔装置22、退避部23、ステープル処理部24、第1後処理排出部25、第2後処理排出部26、及び後処理制御部28を備える。
シート検知センサー20は、例えば、シートSの先端を検知する。本実施形態において、シート検知センサー20は、透過型センサーである。シート検知センサー20は、発光部及び発光部に対向する受光部を有する。発光部から出射された出射光がシートSによって遮光されると、受光部は、出射光を受光できなくなる。これにより、シート検知センサー20がシートSの先端を検知する。シート検知センサー20は、シートSの先端を検知すると、シートSの先端を検知したことを示す信号を後処理制御部28に送信する。
後処理搬送部21は、装置本体1から搬送されたシートSを、穿孔装置22を経由して第1後処理排出部25、又は第2後処理排出部26へ向けて搬送する。本実施形態において、後処理搬送部21は、ステープル処理部24によるステープル処理が実行される予定ではないシートSを第1後処理排出部25へ向けて搬送する。また、後処理搬送部21は、ステープル処理部24によるステープル処理が実行される予定のシートSを、第2後処理排出部26へ向けて搬送する。
後処理搬送部21は、搬送ローラー対211を有する。搬送ローラー対211は、装置本体1から搬送されたシートSを間欠的に穿孔装置22へ搬送する。なお、搬送ローラー対211は、搬送部の一例である。
穿孔装置22は、搬送ローラー対211によるシートSの間欠的な搬送に応じてシートSを穿孔する。穿孔装置22は、穿孔パターンに応じて1枚のシートSに対する穿孔処理を行う。穿孔パターンは、1枚のシートSに対して形成されるパンチ穴の数を示す。穿孔パターンは、操作部11が操作されることによって決定される。本実施形態では、3つのパンチ穴がシートSに形成される場合を例に説明する。なお、シートSに形成されるパンチ穴の数は、3つに限定されない。例えば、1つ又は2つのパンチ穴がシートSに形成されてもよい。あるいは、4つ以上のパンチ穴がシートSに形成されてもよい。
退避部23は、ステープル処理が実行される予定のシートSを一時的に退避させる。退避部23は、ステープル処理部24へのシートSの搬送タイミングを制御する。
ステープル処理部24は、退避部23から搬送された複数枚のシートSの束にステープル処理を実行する。
第1後処理排出部25は、第1排出ローラー対251及び第1排出トレイ252を備える。第1排出ローラー対251は、シートSを第1排出トレイ252へ排出する。
第2後処理排出部26は、第2排出ローラー対261及び第2排出トレイ262を備える。第2排出ローラー対261は、ステープル処理部24によってステープル処理が実行された複数枚のシートSの束を第2排出トレイ262へ排出する。
後処理制御部28は、後処理装置2の各部の動作を制御する。
次に、図4を参照して、穿孔装置22の構成について説明する。図4は、穿孔装置22の構成を示す図である。
図4に示すように、穿孔装置22は、モーター221、支持部材222、第1端検知センサー223、及び第1穿孔刃224を備える。モーター221は、駆動部の一例である。第1端検知センサー223は、第1検知部の一例である。第1穿孔刃224は、第1穿孔部の一例である。
図4に示す例では、穿孔装置22は、待機状態である。待機状態において、第1端検知センサー223は、第1センサー待機位置SB1に位置し、第1穿孔刃224は、第1穿孔待機位置HB1に位置する。なお、第1センサー待機位置SB1、及び第1穿孔待機位置HB1は、シートSのサイズによって変更され得る。
シートSは、搬送ローラー対211によって搬送方向D1に向けて間欠的に搬送される。搬送方向D1は、第1方向の一例である。シートSは、選択された穿孔パターンに応じた回数、所定の位置で停止する。なお、図4に示す例では、文字Aを示す画像がシートSに形成されている。
支持部材222は、モーター221の正逆回転に応じて第2方向D2及び第3方向D3に移動する。第2方向D2は、搬送方向D1と直交する方向である。第3方向D3は、第2方向D2とは反対の方向である。本実施形態において、支持部材222は、第1端検知センサー223、及び第1穿孔刃224を支持する。
第1端検知センサー223は、搬送方向D1と直交する方向におけるシートSの端を検知する。第1端検知センサー223は、シートSの端を検知すると、シートSの端を検知したことを示す信号を後処理制御部28へ送信する。第1端検知センサー223は、例えば、透過型のセンサーである。
第1端検知センサー223は、シートSの第1シート端E1を検知する。以下では、第1端検知センサー223が第1シート端E1を検知する位置SP1を「第1検知位置SP1」と記載する場合がある。また、第1端検知センサー223が第1センサー待機位置SB1から第1検知位置SP1まで移動した距離Rを「移動距離R」と記載する場合がある。更に、第1端検知センサー223によって第1シート端E1が検知される動作を「第1検知動作」と記載する場合がある。
第1穿孔刃224は、昇降することによってシートSの所定の位置を穿孔する。詳しくは、第1穿孔刃224は、第1端検知センサー223によって検知された第1シート端E1から第2方向D2へ所定の距離だけ離れた位置を穿孔する。第1穿孔刃224が1回昇降すると、シートSに1つのパンチ穴H1が形成される。以下、第1穿孔刃224による穿孔動作を「第1穿孔動作」と記載する場合がある。また、第1検知動作と第1穿孔動作とを併せて「第1穿孔処理」と記載する場合がある。
続いて、穿孔装置22による第1穿孔処理について説明する。搬送ローラー対211は、シート検知センサー20によってシートSの先端が検知されると、シートSを間欠的に搬送する。本実施形態では、搬送ローラー対211は、シートSを3回停止させる。シートSの1回目の停止時に、後処理制御部28は、第1端検知センサー223による第1検知動作を開始させる。詳しくは、後処理制御部28は、モーター221を駆動させて支持部材222を第2方向D2へ移動させる。この結果、第1端検知センサー223が第1シート端E1を検知する。
第1端検知センサー223が第1シート端E1を検知すると、後処理制御部28は、支持部材222を第2方向D2へ向けて更に移動させる。詳しくは、後処理制御部28は、第1検知位置SP1から所定の距離だけ離れた位置に第1穿孔刃224が到達するまで支持部材222を第2方向D2へ移動させる。第1穿孔刃224が第1検知位置SP1から所定の距離だけ離れた位置に到達すると、後処理制御部28は、第1穿孔刃224を昇降させる。この結果、シートSに1つ目のパンチ穴H1が形成される。その後、後処理制御部28は、シートSの間欠的な搬送に応じて第1穿孔刃224を2回昇降させる。この結果、1つ目のパンチ穴H1と同様に2つ目のパンチ穴H1及び3つ目のパンチ穴H1がシートSに形成される。3つのパンチ穴H1がシートSに形成されると、後処理制御部28は、支持部材222を第3方向D3に移動させる。この結果、第1端検知センサー223が第1センサー待機位置SB1に移動する。なお、第1端検知センサー223は、パンチ穴H1がシートSに形成される度に第1検知動作を実行してもよい。
第1穿孔処理において、シートSが搬送方向D1と直交する方向(以下、幅方向と記載する)にずれた状態、又はシートSが搬送方向D1に対して傾斜した姿勢で穿孔装置22まで搬送されると、第1端検知センサー223が第1センサー待機位置SB1又は位置Kを越えた位置において第1シート端E1を検知する場合がある。第1端検知センサー223が第1センサー待機位置SB1において第1シート端E1を検知すると、シートSの穿孔される位置が所望の位置からずれる可能性がある。また、第1端検知センサー223が位置Kを越えた位置において第1シート端E1を検知すると、シートSの穿孔される位置が所望の位置からずれる可能性がある。以下、穿孔される位置を「穿孔位置」と記載し、穿孔位置が所望の位置からずれることを「穿孔位置ずれ」と記載する場合がある。
続いて、図4、及び図5を参照して、画像形成装置100の構成について詳細に説明する。図5は、画像形成装置100の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、装置本体1は、通信部18、及び本体記憶装置19aを更に備える。
通信部18は、例えば、LAN(Local Area Network)ボードによって構成されるネットワークインターフェースである。通信部18は、ネットワークNWを介して通信可能に管理サーバー200と接続する。管理サーバー200は、外部装置の一例である。管理サーバー200は、例えば、サービスセンターなどに設置される。サービスセンターでは、オペレーターが管理サーバー200と接続した複数の画像形成装置の状態を監視する。オペレーターは、各画像形成装置の状態に応じて画像形成装置に対する修理作業の実施をサービスマンに指示する。
本体記憶装置19aは、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)によって構成される。本体記憶装置19aは、装置本体1の各部の動作を制御するための本体制御プログラムを記憶する。
本体制御部19は、CPU(Central Processing Unit)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成される。本体制御部19は、本体制御プログラムを実行することによって、装置本体1の各部の動作を制御する。
本体制御部19は、穿孔処理の実行を示す指示を操作部11が受け付けると、穿孔指令を後処理制御部28へ送信する。穿孔指令は、穿孔パターンを示す情報及び穿孔処理が実行されるシートSの枚数を示す情報を含む。
後処理装置2は、後処理記憶装置28aを更に備える。後処理記憶装置28aは、HDD、RAM、及びROMによって構成される。後処理記憶装置28aは、後処理装置2を制御するための後処理制御プログラムを記憶する。本実施形態において、後処理記憶装置28aは、第1閾値281、及び第2閾値282を記憶する。
第1閾値281及び第2閾値282は、第1端検知センサー223の移動距離Rに対して設定される閾値である。本実施形態において、第1閾値281は、「0」の値を示す。すなわち、第1閾値281は、第1センサー待機位置SB1に対応する。第2閾値282は、例えば30mmの値を示す。第2閾値282は、位置Kと第1センサー待機位置SB1との間の距離の値を示す。すなわち、第2閾値282は、位置Kに対応する。
なお、第1閾値281及び第2閾値282は、適宜変更可能である。第1閾値281は、例えば、第3方向D3における第1センサー待機位置SB1と異常位置との間の位置に対応する値に設定される。同様に、第2閾値282は、例えば、第2方向D2における第1センサー待機位置SB1と異常位置との間の位置に対応する値に設定される。異常位置は、ジャムが発生する可能性が高い位置である。つまり、異常位置において第1シート端E1が検知されると、ジャムが発生する可能性がある。異常位置は、例えば、第1端検知センサー223の移動限界位置(メカロック位置)を示す。
後処理制御部28は、CPU等によって構成される。後処理制御部28は、後処理制御プログラムを実行することによって、後処理装置2の各部の動作を制御する。なお、後処理制御部28は、モーター221の駆動を制御する制御部(第2制御部)の一例である。
本実施形態において、画像形成装置100は、「メンテナンス要否判定処理」、及び「穿孔位置ずれ発生判定処理」を実行する。メンテナンス要否判定処理は、移動距離Rに基づいて画像形成装置100に対するメンテナンスが必要であるか否かを判定する処理を含む。メンテナンス要否判定処理では、後処理制御部28は、第1穿孔処理の実行中に移動距離Rを取得する。移動距離Rは、例えば、第1端検知センサー223が第1センサー待機位置SB1から第1検知位置SP1に移動するまでのモーター221の駆動時間に基づいて算出される。
次に図4〜図6を参照して、画像形成装置100によるメンテナンス要否判定処理について説明する。図6は、メンテナンス要否判定処理を示すフローチャートである。
図6に示すように、第1端検知センサー223が第1シート端E1を検知すると、後処理制御部28は、移動距離Rを取得する(ステップS102)。後処理制御部28は、移動距離Rを取得すると、取得した移動距離Rに基づいてメンテナンスが必要であるか否かを判定する。詳しくは、後処理制御部28は、移動距離Rが第1閾値281以下又は第2閾値282以上であるか否かを判定する(ステップS104)。第1端検知センサー223が第1センサー待機位置SB1において第1シート端E1を検知した場合、後処理制御部28は、移動距離Rが第1閾値281以下であると判定する。また、第1端検知センサー223が位置Kを越えた位置で第1シート端E1を検知した場合、後処理制御部28は、移動距離Rが第2閾値282以上であると判定する。移動距離Rが第1閾値281以下又は第2閾値282以上である場合、後処理制御部28は、第1穿孔処理によって形成されるパンチ穴H1の位置が所望の位置からずれる(穿孔位置ずれが発生する)可能性があると判定する。すなわち、後処理制御部28は、画像形成装置100に対するメンテナンスが必要であると判定する。
後処理制御部28は、画像形成装置100に対するメンテナンスが必要であると判定すると(ステップS104:Yes)、本体制御部19にメンテナンス要求指令を送信する(ステップS106)。このとき、後処理制御部28は、メンテナンスが必要であることを示す第1フラグをONにして後処理記憶装置28aに記憶させる。本体制御部19は、メンテナンス要求指令を受信すると、メンテナンスの要求を管理サーバー200へ通信部18を介して送信する(ステップS108)。更に、本体制御部19は、メンテナンスの要求を管理サーバー200へ送信したことを示す送信完了通知を後処理制御部28へ送信する。後処理制御部28は、送信完了通知を本体制御部19から受信すると(ステップS110)、メンテナンス要求済みであることを示す第2フラグをONにして後処理記憶装置28aに記憶させる(ステップS112)。これにより、メンテナンス要否判定処理が終了する。
本実施形態では、本体制御部19は、画像形成装置100に対するメンテナンスの要求として、ローラー(例えば、第1給紙ローラー群141b、又は第2給紙ローラー群142b)に対するメンテナンスの要求を送信する。
一方、後処理制御部28によって移動距離Rが第1閾値281以下又は第2閾値282以上ではない、すなわち、画像形成装置100に対するメンテナンスが必要ではないと判定されると(ステップS104:No)、メンテナンス要否判定処理が終了する。
なお、メンテナンス要否判定処理は、第1フラグ及び第2フラグがONになるまで第1穿孔処理が実行される度に実行される。なお、第1フラグ及び第2フラグは、サービスマンによるメンテナンスが完了した後にOFFになる。
続いて、図4〜図8を参照して、画像形成装置100による穿孔位置ずれ発生判定処理について説明する。図7は、穿孔位置ずれ発生判定処理を示すフローチャートである。図8は、液晶ディスプレー111に表示される画面Mを示す図である。
図7に示すように、後処理制御部28は、本体制御部19から穿孔指令を受信すると、後処理記憶装置28aに記憶された第1フラグがONであるか否かを判定する(ステップS202)。すなわち、後処理制御部28は、穿孔位置ずれが発生する可能性があるか否かを判定する。後処理制御部28によって第1フラグがONではない、すなわち、穿孔位置ずれが発生する可能性がないと判定されると(ステップS202:No)、穿孔装置22による第1穿孔処理が実行される(ステップS204)。一方、後処理制御部28によって第1フラグがONである、すなわち、穿孔位置ずれが発生する可能性があると判定されると(ステップS202:Yes)、図8に示す画面Mが液晶ディスプレー111に表示される(ステップS206)。
図8に示すように、画面Mは、穿孔位置がずれる(穿孔される位置が所望の位置からずれる)可能性があることを示すメッセージを含む。また、画面Mは、穿孔処理を実行するか否かをユーザーに選択させる選択ボタン(「はい」、及び「いいえ」)を含む。
ユーザーが「はい」を選択すると(ステップS208:Yes)、本体制御部19から穿孔実行指令が後処理制御部28へ送信される。後処理制御部28が穿孔実行指令を受信すると、第1穿孔処理が実行される(ステップS204)。一方、ユーザーが「いいえ」を選択すると(ステップS208:No)、穿孔位置ずれ発生判定処理が終了する。この結果、シートSは、穿孔処理が実行されることなく、図3を参照して説明した第1後処理排出部25へ向けて、搬送ローラー対211によって搬送される。その後、シートSは、第1排出ローラー対251によって第1排出トレイ252へ排出される。
以上、実施形態1について説明した。本実施形態によれば、画像形成装置100は、第1検知位置SP1に基づいて、画像形成装置100に対するメンテナンスが必要であるか否かを判定する。詳しくは、画像形成装置100は、第1端検知センサー223の移動距離Rが第1閾値281以下又は第2閾値282以上である場合に、メンテナンスが必要であると判定する。第1閾値281は、第3方向D3における第1センサー待機位置SB1から異常位置までの距離よりも小さい値に設定されている。第2閾値282は、第2方向D2における第1センサー待機位置SB1から異常位置までの距離よりも小さい値に設定されている。換言すれば、第1閾値281及び第2閾値282は、画像形成装置100に異常が発生する予兆を判定できる値に設定されている。したがって、本実施形態によれば、ジャムが発生する前にメンテナンスを要求することができる。よって、ジャムの発生を抑制することができる。
また、第1閾値281及び第2閾値282は、穿孔位置ずれが発生する可能性がある位置に対応して設定される。したがって、画像形成装置100は、穿孔位置がずれる可能性があることをユーザーに通知することができる。よって、ユーザーは、穿孔位置がずれる可能性があることを認識した上で、穿孔処理を実行するか否かを選択することができる。この結果、ユーザーの利便性が向上する。
一般的に、ローラーが劣化又は摩耗すると、シートSは、幅方向にずれた状態又は搬送方向に対して傾斜した姿勢で画像形成装置100の内部を搬送される。特に、第1給紙ローラー群141b、又は第2給紙ローラー群142bが劣化又は摩耗すると、ピックアップされる際(給紙される際)にシートSが幅方向にずれる又はシートSが搬送方向に対して傾斜する可能性が高い。しかしながら、本実施形態によれば、後処理制御部28は、移動距離Rが第1閾値281以上又は第2閾値282以上である場合に第1給紙ローラー群141b、又は第2給紙ローラー群142bに対するメンテナンスが必要であると判定する。したがって、ジャムの発生をより抑制することができる。
なお、本実施形態では、後処理制御部28が、第1穿孔処理の実行中に、移動距離Rを取得し、取得した移動距離Rに基づいてメンテナンスが必要であるか否かを判定したが、後処理制御部28は、第1穿孔処理の実行後にメンテナンスが必要であるか否かを判定してもよい。
また、本実施形態において、後処理制御部28によってメンテナンスが必要であるか否かが判定されたが、本体制御部19によってメンテナンスが必要であるか否かが判定されてもよい。
また、本実施形態において、支持部材222は、1つの第1穿孔刃224を支持したが、支持部材222は、2つ以上の穿孔刃を支持し得る。
また、本実施形態において、支持部材222が1つの第1端検知センサー223を支持する構成を例に説明したが、支持部材222が支持する端検知センサーの数は1つに限定されない。例えば、支持部材222は、2つ以上の端検知センサーを支持してもよい。
また、本実施形態において、シート検知センサー20及び第1端検知センサー223が透過型のセンサーである場合を例に説明したが、シート検知センサー20及び第1端検知センサー223は、反射型のセンサーであってもよい。
[実施形態2]
続いて、図9、及び図10を参照して、本発明の実施形態2に係る画像形成装置について説明する。実施形態2では、後処理制御部28は、メンテナンスが必要であると判定した後に穿孔指令を受信すると、第2穿孔処理を穿孔装置22に実行させる。以下、実施形態2について実施形態1と異なる事項を説明し、実施形態1と重複する事項の説明は割愛する。図9は、実施形態2に係る穿孔装置22の構成を示す図である。なお、図9に示す例では、図4を参照して説明した文字Aを示す画像が180度回転してシートSに形成されている。
図9に示すように、穿孔装置22は、モーター221、支持部材222、第1端検知センサー223、及び第1穿孔刃224に加え、第2端検知センサー225、及び第2穿孔刃226を備える。第2端検知センサー225は、第2検知部の一例である。第2穿孔刃226は、第2穿孔部の一例である。
図9に示す例では、穿孔装置22は、待機状態である。待機状態において、第2端検知センサー225は、第2センサー待機位置SB2に位置し、第2穿孔刃226は、第2穿孔待機位置HB2に位置する。なお、第2センサー待機位置SB2、及び第2穿孔待機位置HB2は、シートSのサイズによって変更され得る。
支持部材222は、第1端検知センサー223、及び第1穿孔刃224に加え、第2端検知センサー225、及び第2穿孔刃226を支持する。
第2端検知センサー225は、搬送方向D1と直交する方向におけるシートSの端を検知する。第2端検知センサー225は、シートSの端を検知すると、シートSの端を検知したことを示す信号を後処理制御部28へ送信する。第2端検知センサー225は、例えば、透過型のセンサー又は反射型のセンサーである。
第2端検知センサー225は、シートSの第2シート端E2を検知する。第2シート端E2は、搬送方向D1と直交する方向において第1シート端E1と対向する。第2端検知センサー225が第2シート端E2を検知する位置SP2を「第2検知位置SP2」と記載する。以下、第2端検知センサー225によって第2シート端E2が検知される動作を「第2検知動作」と記載する場合がある。
第2穿孔刃226は、昇降することによってシートSの所定の位置を穿孔する。詳しくは、第2穿孔刃226は、第2端検知センサー225によって検知された第2シート端E2から第3方向D3へ所定の距離だけ離れた位置を穿孔する。第2穿孔刃226が1回昇降すると、シートSに1つのパンチ穴H2が形成される。以下、第2穿孔刃226による穿孔動作を「第2穿孔動作」と記載する場合がある。また、第2検知動作と第2穿孔動作とを併せて「第2穿孔処理」と記載する場合がある。
図9に示すように、搬送ローラー対211は、シート検知センサー20によってシートSの先端が検知されると、シートSを間欠的に搬送する。本実施形態では、搬送ローラー対211は、シートSを3回停止させる。シートSの1回目の停止時に、後処理制御部28は、第2端検知センサー225による第2検知動作を開始させる。詳しくは、後処理制御部28は、モーター221を駆動させて支持部材222を第3方向D3へ移動させる。この結果、第2端検知センサー225が第2シート端E2を検知する。
第2端検知センサー225が第2シート端E2を検知すると、後処理制御部28は、支持部材222を第3方向D3へ向けて更に移動させる。詳しくは、後処理制御部28は、第2検知位置SP2から所定距離だけ離れた位置に第2穿孔刃226が到達するまで支持部材222を第3方向D3へ移動させる。第2穿孔刃226が第2検知位置SP2から所定距離だけ離れた位置に到達すると、後処理制御部28は、第2穿孔刃226を昇降させる。この結果、シートSに1つ目のパンチ穴H2が形成される。その後、後処理制御部28は、シートSの間欠的な搬送に応じて第2穿孔刃226を2回昇降させる。この結果、1つ目のパンチ穴H2と同様に、2つ目のパンチ穴H2及び3つ目のパンチ穴H2がシートSに形成される。3つのパンチ穴H2がシートSに形成されると、後処理制御部28は、支持部材222を第2方向D2に移動させる。この結果、第2端検知センサー225が第2センサー待機位置SB2に移動する。なお、第2端検知センサー225は、パンチ穴H2がシートSに形成される度に第2検知動作を実行してもよい。
図10は、実施形態2に係る穿孔位置ずれ発生判定処理を示すフローチャートである。なお、図10に示すステップS202及びステップS204は、図7を参照して説明した処理と同様の処理であるため、説明を割愛する。
図10に示すように、後処理制御部28によって第1フラグがONではないと判定されると(ステップS202:No)、穿孔装置22による第1穿孔処理が実行される(ステップS204)。一方、後処理制御部28によって第1フラグがONであると判定されると(ステップS202:Yes)、本体制御部19は、180度回転した画像がシートSに形成されるように、図2を参照して説明した画像形成部15による動作を制御する(ステップS302)。詳しくは、本体制御部19は、メモリー上で画像データを180度回転させる。これにより、180度回転した静電潜像が露光装置151によって感光体ドラム153上に形成される。この結果、180度回転した画像がシートSに形成される。後処理制御部28は、穿孔装置22に第2穿孔処理を実行させる(ステップS304)。
以上、実施形態2について説明した。本実施形態によれば、第1穿孔処理では穿孔位置が所望の位置からずれる可能性がある場合に第2穿孔処理を実行して所望の位置にパンチ穴を形成することができる。この結果、ユーザーの利便性が向上する。
なお、画像形成装置100は、第2穿孔処理の実行に加え、液晶ディスプレー111に図8を参照して説明した画面Mを表示させてもよい。
また、本実施形態において、第1端検知センサー223、第1穿孔刃224、第2端検知センサー225、及び第2穿孔刃226が支持部材222によって支持される形態について説明したが、第1端検知センサー223、第1穿孔刃224、第2端検知センサー225、及び第2穿孔刃226は、それぞれ、異なる支持部材に支持されてもよい。この場合、異なる支持部材を駆動させるモーターは、同一であってもよいし、異なってもよい。
また、本実施形態において、支持部材222は、2つの穿孔刃を支持したが、支持部材222は、3つ以上の穿孔刃を支持し得る。
また、本実施形態において、支持部材222が2つの端検知センサーを支持する構成を例に説明したが、支持部材222が支持する端検知センサーの数は2つに限定されない。例えば、支持部材222は、3つ以上の端検知センサーを支持してもよい。
以上、本発明の実施形態について、図面(図1〜図10)を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
例えば、本発明の実施形態では、電子写真方式によってシートSに画像を形成する画像形成装置に本発明が適用される場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明は、インクジェット方式の画像形成装置にも適用可能である。