以下、図面を参照して、本発明に係る後処理装置及び後処理装置を備えた画像形成装置の実施形態について説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
まず、図1を参照して実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。図1は、実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置本体1と、画像形成装置本体1に装着される後処理装置2とを備える。
画像形成装置本体1は、シートSに画像を形成する。後処理装置2は、画像形成装置本体1によって画像が形成されたシートSに穿孔処理、ステープル処理、及びシフト処理などの後処理を実行する。
続いて、図2を参照して、画像形成装置本体1の構成について説明する。図2は、画像形成装置本体1の構成を示す図である。画像形成装置本体1は、操作部11、読取部12、本体搬送部13、給紙部14、画像形成部15、定着装置16、本体排出部17、メディアセンサー18、及び本体制御部19を備える。本体搬送部13は、画像が形成されたシートSを後処理装置2へ向けて搬送する搬送部(第2搬送部)の一例である。本体制御部19は、本体搬送部13の動作を制御する制御部(第2制御部)の一例である。
操作部11は、ユーザーからの指示を受け付ける。操作部11は、液晶ディスプレー111及び複数の操作キー112を含む。液晶ディスプレー111は、各種処理結果を表示する。操作キー112は、例えば、テンキー、及びスタートキーを含む。画像形成装置本体1は、画像形成処理の実行を示す指示が入力されると、画像形成動作を実行する。また、後処理装置2は、後処理の実行を示す指示が入力されると、後処理を実行する。本実施形態において、ユーザーは、操作部11を操作することによって、穿孔処理の実行を指示することができる。
読取部12は、原稿台に載置された原稿の画像を読み取り、画像データを生成する。生成された画像データは、本体制御部19へ送信される。読取部12は、例えばスキャナーである。
本体搬送部13は、給紙部14から本体排出部17まで延在し、シートSを搬送する。
給紙部14は、シートSを1枚ずつ本体搬送部13へ給紙する。給紙部14は、第1給紙部141、及び第2給紙部142を含む。
第1給紙部141は、4つの第1給紙ローラー群141b及び4つの給紙カセット141aを備える。各給紙カセット141aは、複数枚のシートSを収容可能である。各第1給紙ローラー群141bは、対応する給紙カセット141aに設けられる。各第1給紙ローラー群141bは、対応する給紙カセット141aに収容されているシートSを1枚ずつ本体搬送部13へ給紙する。
第2給紙部142は、第2給紙ローラー群142b、及び手差しトレイ142aを備える。手差しトレイ142aには、複数枚のシートSが載置され得る。第2給紙ローラー群142bは、手差しトレイ142aに載置されているシートSを1枚ずつ本体搬送部13へ給紙する。
画像形成部15は、画像データに基づいて、給紙部14から給紙されたシートSに画像を形成する。画像データは、例えば、読取部12によって生成される。
画像形成部15は、露光装置151、現像装置152、感光体ドラム153、及び転写装置154を備える。露光装置151は、画像データに基づいて感光体ドラム153を照射する。これにより、感光体ドラム153の表面に静電潜像が形成される。現像装置152は、感光体ドラム153にトナーを供給して静電潜像を現像する。この結果、感光体ドラム153の表面にトナー像が形成される。
転写装置154は、感光体ドラム153の表面に形成されたトナー像をシートSに転写する。トナー像が転写されたシートSは、本体搬送部13によって定着装置16へ向けて搬送される。
定着装置16は、加熱部材161及び加圧部材162を備える。加熱部材161及び加圧部材162は互いに対向して配置され、定着ニップを形成する。画像形成部15から搬送されたシートSは、定着ニップを通過することにより加熱及び加圧される。この結果、トナー像がシートSに定着する。シートSは、本体搬送部13によって本体排出部17へ向けて搬送される。
本体排出部17は、本体排出ローラー対171を有する。本体排出ローラー対171は、排出口10aを介して後処理装置2へ向けてシートSを搬送する。排出口10aは、画像形成装置本体1の筐体側面に形成される。
メディアセンサー18は、シートSの種別を検知するためのセンサーである。メディアセンサー18は、例えば、シートSの色味、厚み、及び輝度等の属性を検知し、シートSの属性を示す信号を本体制御部19へ送信する。メディアセンサー18は、例えば、各給紙カセット141a及び手差しトレイ142aに対して設けられる。
本体制御部19は、画像形成装置本体1が備える各部の動作を制御する。
続いて、図3を参照して、後処理装置2の構成について説明する。図3は、後処理装置2の構成を示す図である。
図3に示すように、後処理装置2は、シート検知センサー20、後処理搬送部21、穿孔装置22、退避部23、ステープル処理部24、第1後処理排出部25、第2後処理排出部26、及び後処理制御部28を備える。
シート検知センサー20は、例えば、シートSの先端を検知する。本実施形態において、シート検知センサー20は、透過型センサーである。シート検知センサー20は、発光部及び発光部に対向する受光部を有する。発光部から出射された出射光がシートSによって遮光されると、受光部は、出射光を受光できなくなる。これにより、シート検知センサー20がシートSの先端を検知する。シート検知センサー20は、シートSの先端を検知すると、シートSの先端を検知したことを示す信号を後処理制御部28に送信する。
後処理搬送部21は、画像形成装置本体1から搬送されたシートSを、穿孔装置22を経由して第1後処理排出部25、又は第2後処理排出部26へ向けて搬送する。本実施形態において、後処理搬送部21は、ステープル処理部24によるステープル処理が実行される予定ではないシートSを第1後処理排出部25へ向けて搬送する。また、後処理搬送部21は、ステープル処理部24によるステープル処理が実行される予定のシートSを第2後処理排出部26へ向けて搬送する。
後処理搬送部21は、搬送ローラー対211を有する。搬送ローラー対211は、画像形成装置本体1から搬送されたシートSを間欠的に穿孔装置22へ搬送する。なお、搬送ローラー対211は、シートを間欠的に搬送する搬送部(第1搬送部)の一例である。
穿孔装置22は、搬送ローラー対211によるシートSの間欠的な搬送に応じてシートSを穿孔する。穿孔装置22は、穿孔パターンに応じて1枚のシートSに対する穿孔処理を行う。穿孔パターンは、1枚のシートSに対して実行する穿孔動作の回数(シートSに形成されるパンチ穴の数)を示す。穿孔パターンは、操作部11が操作されることによって決定される。本実施形態において、穿孔パターンは、第1穿孔パターン、第2穿孔パターン、第3穿孔パターン、及び第4穿孔パターンを含む。第1穿孔パターンでは、穿孔動作が1回実行されて、1つのパンチ穴がシートSに形成される。第2穿孔パターンでは、穿孔動作が2回実行されて、2つのパンチ穴がシートSに形成される。第3穿孔パターンでは、穿孔動作が3回実行されて、3つのパンチ穴がシートSに形成される。第4穿孔パターンでは、穿孔動作が4回実行されて、4つのパンチ穴がシートSに形成される。
退避部23は、ステープル処理部24によってステープル処理が実行される予定のシートSを一時的に退避させる。退避部23は、ステープル処理部24へのシートSの搬送タイミングを制御する。
ステープル処理部24は、退避部23から搬送された複数枚のシートSの束にステープル処理を実行する。
第1後処理排出部25は、第1排出ローラー対251及び第1排出トレイ252を備える。第1排出ローラー対251は、シートSを第1排出トレイ252へ排出する。
第2後処理排出部26は、第2排出ローラー対261及び第2排出トレイ262を備える。第2排出ローラー対261は、ステープル処理部24によってステープル処理が実行された複数枚のシートSの束を第2排出トレイ262へ排出する。
後処理制御部28は、後処理装置2の各部の動作を制御する。
次に、図4を参照して、穿孔装置22の構成について説明する。図4は、穿孔装置22の構成を示す図である。
図4に示すように、穿孔装置22は、モーター221、支持部材222、端検知センサー223、及び穿孔刃224を備える。モーター221は、駆動部の一例である。端検知センサー223は、検知部の一例である。穿孔刃224は、穿孔部の一例である。図4に示す例では、穿孔装置22は、待機状態である。待機状態において、端検知センサー223は、センサー待機位置B1に位置し、穿孔刃224は、穿孔待機位置B2に位置する。なお、センサー待機位置、及び穿孔待機位置はシートSのサイズによって変更され得る。
シートSは、搬送ローラー対211によって搬送方向D1に向けて間欠的に搬送される。シートSは、選択された穿孔パターンに応じた回数、所定の位置で停止する。なお、搬送方向D1は、第1方向の一例である。
支持部材222は、モーター221の正逆回転に応じて第2方向D2及び第3方向D3に移動する。第2方向D2は、搬送方向D1と直交する方向である。第3方向D3は、第2方向D2とは反対の方向である。本実施形態において、支持部材222は、端検知センサー223及び穿孔刃224を支持する。
端検知センサー223は、検知パターンに応じて第2方向D2におけるシートSの端を検知する。検知パターンは、後処理制御部28によって選択される。以下、端検知センサー223によって第2方向D2におけるシートSの端を検知する動作を「検知動作」と記載する場合がある。本実施形態において、端検知センサー223は、例えば、透過型のセンサーである。端検知センサー223は、第2方向D2におけるシートSの端を検知すると、シートSの端を検知したことを示す信号を後処理制御部28へ送信する。
穿孔刃224は、昇降することによってシートSの所定の位置を穿孔する。穿孔刃224が1回昇降することによって、シートSに1つのパンチ穴Hが形成される。パンチ穴Hは、端検知センサー223によって検知されたシートSの端から所定の距離だけ離れた位置に形成される。
続いて、図4及び図5を参照して、画像形成装置100の構成について詳細に説明する。図5は、画像形成装置100の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、画像形成装置本体1は、本体記憶装置19aを更に備える。本体記憶装置19aは、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)によって構成される。本体記憶装置19aは、画像形成装置本体1の各部の動作を制御するための本体制御プログラムを記憶する。
本体制御部19は、CPU(Central Processing Unit)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成される。本体制御部19は、本体制御プログラムを実行することによって、画像形成装置本体1の各部の動作を制御する。
本体制御部19は、穿孔処理の実行を示す指示を操作部11が受け付けると、穿孔指令を後処理制御部28へ送信する。穿孔指令は、穿孔パターンを示す情報及び穿孔処理が実行されるシートSの枚数を示す情報を含む。
本体制御部19は、メディアセンサー18から送信された信号に基づいてシートSの種別を識別する。シートSの種別は、例えば、コピー紙、再生紙、及び光沢紙である。本体制御部19は、シートSの種別を示す種別情報を後処理制御部28に送信する。
後処理装置2は、後処理記憶装置28a、及びカウンター28bを更に備える。後処理記憶装置28aは、HDD、RAM、及びROMによって構成される。後処理記憶装置28aは、後処理装置2を制御するための後処理制御プログラムを記憶する。本実施形態において、後処理記憶装置28aは、第1閾値281、第2閾値282、及び速度閾値283を記憶する。第1閾値281、第2閾値282及び速度閾値283は、穿孔パターンごとに記憶される。
カウンター28bは、穿孔装置22によって穿孔処理が実行されたシートSの枚数を計数する。計数結果は、後処理記憶装置28aに記憶される。
後処理制御部28は、CPU等によって構成される。後処理制御部28は、後処理制御プログラムを実行することによって、後処理装置2の各部の動作を制御する。なお、後処理制御部28は、モーター221の駆動を制御する制御部(第1制御部)の一例である。
本実施形態において、後処理制御部28は、本体制御部19から穿孔指令を受信すると、穿孔パターンに対応する検知パターンが選択されているか否かを判定する。詳しくは、後処理制御部28は、第1検知パターン又は第2検知パターンのうちのいずれか一方が選択されたことを示す情報が後処理記憶装置28aに記憶されているか否かを判定する。検知パターンが選択されていると判定した場合、後処理制御部28は、選択された検知パターンに応じて穿孔処理を実行する。穿孔処理は、穿孔指令が示す穿孔パターンに基づいて実行される。
後処理制御部28は、検知パターンが選択されていないと判定した場合、第1検知パターンを参照して、穿孔パターンに基づく穿孔処理を実行する。第1検知パターンでは、端検知センサー223は、穿孔動作の度にシートSの端を検知する。後処理制御部28は、端検知センサー223から第2方向D2におけるシートSの端を検知したことを示す信号を受信すると、離間距離を取得する。離間距離は、穿孔処理が実行された回数(カウンター28bによる計数結果)が例えば100回となるまで取得される。離間距離は、センサー待機位置B1からシートSの端までの距離を示す。離間距離は、例えば、端検知センサー223がセンサー待機位置B1からシートSの端を検知するまでのモーター221の駆動時間に基づいて算出される。以下、後処理制御部28が離間距離を取得する処理を「サンプリング処理」と記載する場合がある。
後処理制御部28によって取得された離間距離は、後処理記憶装置28aに順次記憶される。後処理制御部28は、サンプリング処理が実行されたシートSの枚数が100枚に到達すると、サンプリング処理の結果に基づいて選択処理を実行する。
選択処理では、穿孔パターンごとの検知パターンが選択される。詳しくは、後処理制御部28は、サンプリング結果に基づいて第1検知パターンと第2検知パターンとのうちのいずれか一方を選択する。具体的には、後処理制御部28は、後処理記憶装置28aに記憶された離間距離のすべてが第1閾値281以上第2閾値282未満であるか否かを判定する。取得した離間距離のうち少なくとも1つが第1閾値281以上第2閾値282未満ではないと判定した場合、後処理制御部28は、検知パターンとして第1検知パターンを選択する。一方、取得した離間距離のすべてが第1閾値281以上第2閾値282未満であると判定した場合、後処理制御部28は、検知パターンとして第2検知パターンを選択する。第2検知パターンは、第1検知パターンよりも少ない回数でシートSの端を検知する検知パターンである。
選択した検知パターンは、後処理記憶装置28aに記憶される。以下、選択した検知パターンを「選択パターン」と記載する場合がある。なお、後処理制御部28は、サンプリング処理が実行されたシートSの枚数が100枚に到達する前であっても、取得した離間距離の1つが第1閾値281以上第2閾値282未満ではないと判定した場合、サンプリング処理を完了させてもよい。
後処理制御部28は、選択処理が完了した後、穿孔指令を受信すると、後処理記憶装置28aに記憶されている選択パターンを参照して穿孔処理を実行する。
後処理制御部28は、第1検知パターンを選択した場合、本体制御部19を介して本体搬送部13によるシートSの搬送速度を取得する。後処理制御部28は、取得した搬送速度が速度閾値283以上である場合、搬送速度が速度閾値283未満になるように本体制御部19に減速指令を送信する。本体制御部19は、減速指令を受信すると、搬送速度が速度閾値283未満になるように本体搬送部13の動作を制御する。
続いて、図6〜図9を参照して、端検知センサー223の検知パターンについて説明する。図6〜図9に示す例では、穿孔装置22は、第3穿孔パターン(3つのパンチ穴HがシートSに形成されるパターン)で穿孔処理を実行する。シートSは、先端が第1シート先端位置SP1(図6参照)、第2シート先端位置SP2(図7参照)、及び第3シート先端位置SP3(図8参照)に到達すると停止する。シートSの先端が第1シート先端位置SP1、第2シート先端位置SP2、及び第3シート先端位置SP3に到達したか否かは、例えば、透過型センサー等のセンサーによって検知され得る。
まず、図6〜図8を参照して、第1検知パターンによってシートSの端が検知される場合の穿孔処理について説明する。図6〜図8は、第1検知パターンに応じた穿孔処理を示す図である。
図6に示すように、シートSの先端が第1シート先端位置SP1に到達すると、後処理制御部28は、端検知センサー223による検知動作を開始させる。詳しくは、後処理制御部28は、モーター221を駆動させて支持部材222を第2方向D2へ移動させる。この結果、端検知センサー223がシートSの端を検知することができる。図6に示す例では、位置P1においてシートSの端が検知される。以下、位置P1を「検知位置P1」と記載する場合がある。
端検知センサー223がシートSの端を検知すると、後処理制御部28は、支持部材222を第2方向D2へ向けて更に移動させる。詳しくは、後処理制御部28は、穿孔刃224が穿孔位置P2に到達するまで支持部材222を第2方向D2へ移動させる。穿孔位置P2は、検知位置P1から所定の距離だけ離れた位置である。その後、後処理制御部28は、穿孔刃224を昇降させる(穿孔動作が実行される)。これにより、シートSの所定の位置に1つ目のパンチ穴Hが形成される。穿孔刃224の昇降動作が終了すると、後処理制御部28は、支持部材222を第3方向D3に移動させて端検知センサー223をセンサー待機位置B1に移動させる。
次いで、図7に示すように、シートSが更に搬送方向D1へ進み、シートSの先端が第2シート先端位置SP2に到達すると、図6を参照して説明した場合と同様に、後処理制御部28は、モーター221を駆動させて支持部材222を第2方向D2へ移動させる。端検知センサー223が位置P1においてシートSの端を検知すると、後処理制御部28は、穿孔刃224が穿孔位置P2に到達するまで支持部材222を第2方向D2へ移動させる。その後、後処理制御部28は、穿孔刃224を昇降させる。これにより、シートSの所定の位置に2つ目のパンチ穴Hが形成される。穿孔刃224の昇降動作が終了すると、後処理制御部28は、モーター221を駆動させて端検知センサー223をセンサー待機位置B1に移動させる。
次いで、図8に示すように、シートSが更に搬送方向D1へ進み、シートSの先端が第3シート先端位置SP3に到達すると、図6、及び図7を参照して説明した場合と同様に、後処理制御部28は、モーター221を駆動させて支持部材222を第2方向D2へ移動させる。端検知センサー223が位置P1においてシートSの端を検知すると、後処理制御部28は、穿孔刃224が穿孔位置P2に到達するまで支持部材222を第2方向D2へ移動させる。その後、後処理制御部28は、穿孔刃224を昇降させる。これにより、シートSの所定の位置に3つ目のパンチ穴Hが形成される。穿孔刃224の昇降動作が終了すると、後処理制御部28は、モーター221を駆動させて端検知センサー223をセンサー待機位置B1に移動させる。以上により、3つパンチ穴Hが搬送方向D1に沿ってシートSに形成される。
以上、図6〜図8に参照して説明したように、第1検知パターンでは、穿孔刃224が昇降動作を実行する前に、端検知センサー223がシートSの端を検知する。したがって、搬送方向D1に対してシートSの姿勢が傾斜している場合(スキューが発生している場合)であっても、より確実にシートSの端から所定距離だけ離れた位置(所望の位置)を穿孔することができる。なお、スキューは、例えば、図2を参照して説明した本体搬送部13が有する搬送ローラーの摩耗に起因して発生する。
次に、図9を参照して、第2検知パターンに応じた穿孔処理について説明する。図9は、第2検知パターンに基づく端検知センサー223の軌跡Tを示す。
第2検知パターンでは、端検知センサー223は、第1検知パターンよりも少ない回数でシートSの端を検知する。図9に示す例では、1枚のシートSに対して実行される3回の穿孔動作のうち、初回の穿孔動作時にのみ検知動作が実行される。詳しくは、後処理制御部28は、支持部材222を第2方向D2へ移動させる。端検知センサー223が位置P1においてシートSの端を検知すると、後処理制御部28は、穿孔刃224が穿孔位置P2に到達するまで支持部材222を第2方向D2へ移動させる。穿孔刃224は、穿孔位置P2に到達すると昇降する。この結果、シートSに1つ目のパンチ穴Hが形成される。
後処理制御部28は、搬送方向D1へのシートSの間欠的な搬送に応じて穿孔刃224を昇降させる。この結果、3つのパンチ穴HがシートSに形成される。後処理制御部28は、3つ目のパンチ穴Hが形成されると、モーター221を駆動させて、端検知センサー223がセンサー待機位置B1に到達するまで支持部材222を第3方向D3へ移動させる。この結果、図9の2点鎖線で示す軌跡Tを描くように相対的に端検知センサー223が移動する。換言すると、第2検知パターンでは、後処理制御部28は、所定の回数(3回)の穿孔動作が終了するまで支持部材222(端検知センサー223)を移動させない。すなわち、後処理制御部28は、シートSに3つのパンチ穴Hが形成されるまでモーター221を駆動させる必要がない。したがって、モーター221の駆動による騒音の発生回数が減少する。
以上、実施形態について説明した。本実施形態によれば、画像形成装置100は、検知パターンを選択することができる。したがって、シートSに対する穿孔位置ずれ(所望の位置からずれた位置にパンチ穴が形成される不具合)の発生を抑制しつつ、騒音を発生し難くすることができる。
また、一般的に、穿孔位置ずれは、画像形成装置の設置環境、又は画像形成装置の躯体のサイズに起因して発生する。例えば、画像形成装置の姿勢が不安定となる設置環境の場合、シートSが搬送される過程で躯体が揺れる場合がある。また、画像形成装置の躯体が小さい場合、シートSが搬送される過程で躯体が揺れる場合がある。画像形成装置の躯体が揺れると、シートSが搬送方向D1に対して傾斜する(スキューが発生する)可能性がある。本実施形態では、後処理制御部28は、サンプリング処理を実行し、サンプリング結果に基づいて検知パターンを選択する。つまり、スキューの発生し易さを判定した上で最適な検知パターンを選択することができる。したがって、シートSに対する穿孔位置ずれの発生を抑制しつつ、騒音を発生し難くすることができる。
なお、後処理制御部28は、本体制御部19から送信されるシートSの種別情報に基づいて検知パターンを選択してもよい。一般的に、薄紙及びコーティング紙は、ローラーに対して滑りやすくスキューが発生しやすい。このため、本体制御部19から受信した種別情報が薄紙、又はコーティング紙を示す場合、後処理制御部28は、検知パターンとして第1検知パターンを選択する。一方、種別情報が薄紙、又はコーティング紙以外を示す場合、後処理制御部28は、検知パターンとして第2検知パターンを選択する。この場合、後処理制御部28は、サンプリング処理を省略し得る。
また、後処理制御部28は、ユーザーからの指示に応じて検知パターンを選択してもよい。詳しくは、ユーザーが操作部11を操作することによって第1検知パターン及び第2検知パターンの一方を選択すると、本体制御部19は、操作部11から第1検知パターン及び第2検知パターンの一方が選択されたことを示す信号を受信する。本体制御部19は、第1検知パターン及び第2検知パターンの一方が選択されたことを示す信号を受信すると、検知パターン指令を後処理制御部28に送信する。検知パターン指令は、第1検知パターン及び前記第2検知パターンの一方を選択する旨を示す。後処理制御部28は、検知パターン指令を受信すると、検知パターンとして、第1検知パターン又は第2検知パターンを選択する。具体的には、ユーザーが操作部11を操作して、第1検知パターンの選択を指示した場合、後処理制御部28は、第1検知パターンを選択する。また、ユーザーが操作部11を操作して、第2検知パターンの選択を指示した場合、後処理制御部28は、第2検知パターンを選択する。ユーザーからの指示に応じて後処理制御部28が検知パターンを選択する場合、後処理制御部28は、サンプリング処理を省略し得る。
また、後処理制御部28は、本体搬送部13の搬送速度に応じて検知パターンを選択してもよい。例えば、シートSの種別が厚紙である場合、本体搬送部13の搬送速度は低下する。この場合、後処理制御部28は、第1検知パターンを選択する。これにより、より確実に穿孔位置ずれの発生を抑制することができる。この場合、後処理制御部28は、サンプリング処理を省略し得る。
また、本実施形態において、取得されたすべての離間距離が第1閾値281以上第2閾値282未満である場合に、第2検知パターンが選択される例について説明したが、後処理制御部28は、一部(例えば8割)の離間距離が第1閾値281以上第2閾値282未満である場合に第2検知パターンを選択してもよい。
また、本実施形態において、サンプリング処理が100枚のシートSに対して実行されたが、サンプリング処理が実行されるシートSの枚数は、100枚に限定されない。サンプリング処理は、少なくとも1枚のシートSに対して実行されればよく、例えば、10枚のシートSに対して実行されてもよい。あるいは、1000枚のシートSに対して実行されてもよい。
また、本実施形態では、第2検知パターンにおいて、端検知センサー223は、シートSに対する初回の穿孔動作時にのみシートSの端を検知したが、端検知センサー223は、シートSに対する穿孔動作の回数よりも少ない回数でシートSの端を検知すればよく、例えば、シートSに3つのパンチ穴Hを形成する場合、端検知センサー223は、1回目及び2回目の穿孔動作時にシートSの端を検知してもよい。
また、第2検知パターンにおける検知動作の回数は、例えば、ユーザーが操作部11を操作することによって決定されてもよい。具体的には、ユーザーは、シートSに4つのパンチ穴が形成される場合、1回、2回、及び3回のうちのいずれかを検知動作の回数として選択することができる。
また、本実施形態において、支持部材222は、1つの穿孔刃224を支持したが、支持部材222は、シートSの搬送方向と直交する方向に沿って配置される2つ以上の穿孔刃を支持し得る。
また、本実施形態において、支持部材222は、1つの端検知センサー223を支持する構成を例に説明したが、支持部材222が支持する端検知センサー223の数は1つに限定されない。例えば、支持部材222は、シートSの搬送方向と直交する方向において端検知センサー223と対向する端検知センサーを更に支持してもよい。
また、本実施形態において、端検知センサー223及び穿孔刃224が支持部材222によって支持される形態について説明したが、端検知センサー223及び穿孔刃224は、それぞれ、異なる支持部材に支持されてもよい。この場合、異なる支持部材を駆動させるモーターは、同一であってもよいし、異なってもよい。
また、本実施形態において、シート検知センサー20及び端検知センサー223が透過型のセンサーである場合を例に説明したが、シート検知センサー20及び端検知センサー223は、反射型のセンサーであってもよい。
以上、本発明の実施形態について、図面(図1〜図9)を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
例えば、本発明の実施形態では、電子写真方式によってシートSに画像を形成する画像形成装置に本発明が適用される場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明は、インクジェット方式の画像形成装置にも適用可能である。