JP6584075B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6584075B2
JP6584075B2 JP2014261303A JP2014261303A JP6584075B2 JP 6584075 B2 JP6584075 B2 JP 6584075B2 JP 2014261303 A JP2014261303 A JP 2014261303A JP 2014261303 A JP2014261303 A JP 2014261303A JP 6584075 B2 JP6584075 B2 JP 6584075B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic pressure
vehicle
deceleration
vehicle speed
belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014261303A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016121737A (ja
Inventor
勝政 今井
勝政 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP2014261303A priority Critical patent/JP6584075B2/ja
Publication of JP2016121737A publication Critical patent/JP2016121737A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6584075B2 publication Critical patent/JP6584075B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

本発明は、無段変速機の制御装置に関する。
車両に搭載される変速機として、CVT(Continuously Variable Transmission:無段変速機)が広く知られている。
CVTは、プライマリプーリとセカンダリプーリとにベルトを巻き掛けた構成を有している。プライマリプーリおよびセカンダリプーリは、いずれも、固定シーブと、固定シーブにベルトを挟んで対向し、その対向方向(軸線方向)に移動可能に設けられた可動シーブとを備えている。CVTでは、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに供給される油圧の制御により、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各可動シーブが移動されて、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各溝幅が変更されることにより、変速比が連続的に無段階で変更される。
一方、CVTは、プライマリプーリおよびセカンダリプーリとベルトとの間の接触摩擦力により、プライマリプーリからセカンダリプーリに動力を伝達する構成であるので、その動力伝達の際、プライマリプーリおよびセカンダリプーリがベルトを挟持する力(推力)は、プライマリプーリおよびセカンダリプーリとベルトとの間で滑りが生じない大きさを必要とする。そのため、入力トルクに応じた推力が得られるよう、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに供給される油圧が制御される。
ところが、CVTの出力を減速させる制動時には、CVTへの入力トルクに加えて、その減速によるイナーシャトルクがベルトに作用するので、推力の不足が生じ、ベルトの滑りが発生するおそれがある。
そこで、ブレーキペダルが踏まれて、ブレーキスイッチがオンになると、セカンダリプーリに供給される油圧が一定量だけ上げられて、セカンダリプーリの推力が増大される。これにより、制動時に、その制動状態によらず、推力に不足が生じることを抑制できる。
特開2004−176890号公報
しかしながら、ブレーキスイッチは、ブレーキペダルが制動力を発生しない程度に軽く踏まれた場合にもオンになるので、制動力が発生していないときや弱い制動力により車両が緩減速しているときにも、セカンダリプーリに供給される油圧が上げられる。その場合、セカンダリプーリの推力が過大となり、ベルトノイズの悪化や不要な油圧の増大によるエネルギー損失などを招く。
本発明の目的は、可動シーブに供給される油圧の増加が必要なときに、その油圧を増加させることができ、油圧の増加が不要なときには、油圧をベルトの滑りが発生しない必要最小限に保つことができる、無段変速機の制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る無段変速機の制御装置は、固定シーブと、固定シーブにベルトを挟んで対向して配置され、その対向方向に移動可能に設けられた可動シーブとを備え、油圧回路から可動シーブに供給される油圧により、ベルトに対する固定シーブおよび可動シーブの推力が変更される構成の無段変速機を搭載した車両に用いられ、無段変速機を制御する制御装置であって、車両のブレーキを作動させるブレーキ液圧を取得するブレーキ液圧取得手段と、ブレーキ液圧取得手段により取得されるブレーキ液圧から車両の減速度を予測する減速度予測手段と、減速度予測手段により予測される減速度に応じた油圧アップ量を設定する油圧アップ量設定手段と、油圧アップ量設定手段により設定される油圧アップ量分、可動シーブに供給される油圧を増加させる油圧制御手段とを含む。
この構成によれば、無段変速機では、可動シーブに供給される油圧により、ベルトに対する固定シーブおよび可動シーブの推力が変更される。この推力は、車両の減速によるイナーシャトルクがベルトに作用するときに、そのイナーシャトルクの大きさに応じて増大され、イナーシャトルクがベルトに作用しないときには、ベルトの滑りが発生しない必要最小限であることが好ましい。
そこで、車両のブレーキを作動させるブレーキ液圧(たとえば、ブレーキマスタシリンダの液圧)が取得され、そのブレーキ液圧から車両の減速度が予測される。そして、予測された減速度に応じた油圧アップ量が設定され、その油圧アップ量分、油圧回路から可動シーブに供給される油圧が増加される。
車両の減速度が大きくなるにつれて、その減速時にベルトに作用するイナーシャトルクが大きくなる。したがって、減速度が大きいほど油圧アップ量が大きく設定されることにより、車両の減速によるイナーシャトルクがベルトに作用するときに、そのイナーシャトルクの大きさに応じて、可動シーブに供給される油圧を増大させることができ、ベルトに対する固定シーブおよび可動シーブの推力を増大させることができる。一方、減速度が小さいほど油圧アップ量が小さく設定されることにより、イナーシャトルクがベルトに作用しないときには、可動シーブに供給される油圧の増加を抑制することができ、その油圧をベルトの滑りが発生しない必要最小限に保つことができる。
よって、可動シーブに供給される油圧の増加が必要なときには、油圧をその必要分増加させることができる。その結果、ベルトに対する固定シーブおよび可動シーブの推力の不足によるベルトの滑りの発生を抑制できる。一方、可動シーブに供給される油圧の増加が不要なときには、油圧をベルトの滑りが発生しない必要最小限に保つことができる。その結果、ベルトの滑りの発生を抑制しつつ、ベルトノイズの悪化などを抑制することができる。
制御装置は、車両の車速を取得する車速取得手段をさらに含み、油圧アップ量設定手段は、減速度予測手段により予測される減速度および車速取得手段により取得される車速に応じた油圧アップ量を設定してもよい。
油圧アップ量の設定に車速が用いられることにより、たとえば、車速が小さいほど油圧アップ量を大きく設定することができる。これにより、車両が停止したときに、変速比をロー側に戻しやすくすることができる。
たとえば、車両の車速および減速度に基づいて、車両が停止するまでに要する時間が予測されて、その時間が短いほど油圧アップ量が大きく設定されてもよい。
車速が取得される構成では、その取得される車速を微分することにより、車両の減速度を求めることができる。しかしながら、その場合、ノイズ除去のためのフィルタ処理などが必要となり、減速度を演算する処理に時間がかかり、演算により求められる減速度と車両に実際に生じている減速度とにずれが生じる。これに対し、ブレーキ液圧から車両の減速度が予測される構成では、フィルタ処理などが不要であるから、予測される減速度が車両に実際に生じている減速度からずれることを抑制できる。その結果、可動シーブに供給される油圧を良好に制御することができる。
本発明によれば、可動シーブに供給される油圧の増加が必要なときには、油圧をその必要分増加させることができ、ベルトに対する固定シーブおよび可動シーブの推力の不足によるベルトの滑りの発生を抑制できる。一方、可動シーブに供給される油圧の増加が不要なときには、油圧をベルトの滑りが発生しない必要最小限に保つことができ、ベルトの滑りの発生を抑制しつつ、ベルトノイズの悪化などを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る制御装置が搭載される車両の要部の構成を示す図である。 車両の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。 車速、減速度および油圧アップ量の関係を示す図である。 図3に示される各状態A,B,C,Dについて、車両が停止するまでの時間およびCVTのベルトに作用するイナーシャトルクの大小関係を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の要部構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る制御装置が搭載される車両1の要部の構成を示す図である。
車両1は、エンジン2を駆動源とする自動車である。エンジン2の出力は、トルクコンバータ3およびCVT(Continuously Variable Transmission:無段変速機)4を介して、車両1の駆動輪(たとえば、左右の前輪)に伝達される。
また、車両1の各車輪(たとえば、左右の前輪および後輪)には、ブレーキ(図示せず)が設けられている。車両1の車室内には、運転者の足で操作されるブレーキペダル(図示せず)が設けられている。ブレーキペダルは、ブレーキマスタシリンダ5と一体的に設けられたブレーキブースタ(図示せず)に連結されている。
ブレーキペダルが踏み込まれると、そのブレーキペダルに入力された踏力がブレーキブースタに伝達される。ブレーキブースタに伝達された踏力は、ブレーキブースタの負圧によって増幅(倍力)され、ブレーキブースタからブレーキマスタシリンダ5に入力される。ブレーキマスタシリンダ5では、ブレーキブースタから入力される力に応じた液圧が発生する。ブレーキマスタシリンダ5の液圧は、ブレーキアクチュエータ6に伝達される。ブレーキアクチュエータ6には、各車輪のブレーキに設けられたホイールシリンダの液圧を制御するためのバルブなどが内蔵されている。ブレーキマスタシリンダ5からブレーキアクチュエータ6に伝達された液圧は、各ブレーキのホイールシリンダに分配されて伝達される。そして、ホイールシリンダの液圧により、ブレーキから車輪にブレーキ力(制動力)が付与される。
車両1には、CPU、ROMおよびRAMなどを含む構成の複数のECU(電子制御ユニット)が備えられている。ECUには、CVTECU11およびブレーキECU12が含まれる。複数のECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。
CVTECU11には、車速センサ13などが接続されている。
車速センサ13は、たとえば、車両1の走行に伴って回転する磁性体からなるロータと、ロータと非接触に設けられた電磁ピックアップとを備えている。ロータが一定角度回転する度に、電磁ピックアップからパルス信号が出力され、そのパルス信号がCVTECU11に入力される。パルス信号の周波数は、車速に対応するので、CVTECU11は、車速センサ13から入力されるパルス信号の周波数を車速に換算する。
なお、車速センサ13は、CVTECU11とは別のECUに接続されていてもよい。その場合、そのECUにより、車速および加速度が演算されて、CVTECU11に車速および加速度が入力されるとよい。
CVTECU11は、各種センサから入力される信号から得られる数値および他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、CVT4の各部に油圧を供給するための油圧回路14に含まれる各種のバルブ(図示せず)などを制御する。
ブレーキECU12には、ブレーキ液圧センサ15などが接続されている。
ブレーキ液圧センサ15は、ブレーキマスタシリンダ5の発生液圧(ブレーキ液圧)に応じた検出信号を出力する。ブレーキECU12は、ブレーキ液圧センサ15の検出信号からブレーキ液圧を取得する。
ブレーキECU12は、車速、ブレーキ液圧および他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、ブレーキアクチュエータ6などを制御し、車両1の姿勢が安定に保たれた状態で車両1が制動されるように、各ブレーキから車輪に付与される制動力を制御する。また、ブレーキECU12は、ブレーキ液圧センサ15の検出信号から取得したブレーキ液圧をCVTECU11に送信する。
<駆動系統の構成>
図2は、車両1の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。
トルクコンバータ3は、トルコン入力軸21、トルコン出力軸22、ポンプインペラ23、タービンランナ24およびロックアップクラッチ25を備えている。トルコン入力軸21およびトルコン出力軸22は、エンジン2の出力軸と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。トルコン入力軸21には、エンジン2の出力軸が直結されている。ポンプインペラ23には、トルコン入力軸21が接続され、ポンプインペラ23は、トルコン入力軸21と一体的に回転可能に設けられている。タービンランナ24には、トルコン出力軸22が接続され、タービンランナ24は、トルコン出力軸22と一体的に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ25が係合されると、ポンプインペラ23とタービンランナ24とが直結され、ロックアップクラッチ25が解放されると、ポンプインペラ23とタービンランナ24とが分離される。
ロックアップクラッチ25が解放された状態において、エンジン2からトルコン入力軸21に動力が入力されると、トルコン入力軸21およびポンプインペラ23が回転する。ポンプインペラ23が回転すると、ポンプインペラ23からタービンランナ24に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ24で受けられて、タービンランナ24が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ24には、トルコン入力軸21に入力される動力(トルク)よりも大きな動力が発生する。そして、そのタービンランナ24の動力がトルコン出力軸22から出力される。
ロックアップクラッチ25が係合された状態では、エンジン2からトルコン入力軸21に動力が入力されると、トルコン入力軸21、ポンプインペラ23およびタービンランナ24が一体となって回転する。そして、タービンランナ24の回転による動力がトルコン出力軸22から出力される。
CVT4は、CVT入力軸31、CVT出力軸32、ベルト伝達機構33および前後進切換機構34を備えている。
CVT入力軸31は、トルコン出力軸22に直結されている。
CVT出力軸32は、CVT入力軸31と平行に設けられている。CVT出力軸32には、ファイナルギヤ35が相対回転不能に支持されている。ファイナルギヤ35は、デファレンシャルギヤ36のリングギヤ37と噛合している。
ベルト伝達機構33は、プライマリ軸41と、CVT出力軸32に直結されたセカンダリ軸42と、プライマリ軸41に相対回転不能に支持されたプライマリプーリ43と、セカンダリ軸42に相対回転不能に支持されたセカンダリプーリ44と、プライマリプーリ43とセカンダリプーリ44とに巻き掛けられたベルト45とを備えている。
プライマリプーリ43は、プライマリ軸41に固定された固定シーブ51と、固定シーブ51にベルト45を挟んで対向配置され、プライマリ軸41にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ52とを備えている。可動シーブ52に対して固定シーブ51と反対側には、プライマリ軸41に固定されたシリンダ53が設けられ、可動シーブ52とシリンダ53との間に、油室54が形成されている。
セカンダリプーリ44は、セカンダリ軸42に固定された固定シーブ55と、固定シーブ55にベルト45を挟んで対向配置され、セカンダリ軸42にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ56とを備えている。可動シーブ56に対して固定シーブ51と反対側には、セカンダリ軸42に固定されたシリンダ57が設けられ、可動シーブ56とシリンダ57との間に、油室58が形成されている。
前後進切換機構34は、CVT入力軸31とベルト伝達機構33のプライマリ軸41との間に介装されている。前後進切換機構34は、遊星歯車機構61、リバースクラッチC1およびフォワードブレーキB1を備えている。
遊星歯車機構61には、キャリア62、サンギヤ63およびリングギヤ64が含まれる。
キャリア62は、CVT入力軸31に相対回転可能に支持されている。キャリア62は、複数のピニオンギヤ65を回転可能に支持している。複数のピニオンギヤ65は、円周上に配置されている。
サンギヤ63は、CVT入力軸31に相対回転不能に支持されて、複数のピニオンギヤ65により取り囲まれる空間に配置されている。サンギヤ63のギヤ歯は、各ピニオンギヤ65のギヤ歯と噛合している。
リングギヤ64は、その回転軸線がプライマリ軸41の軸心と一致するように設けられている。リングギヤ64には、ベルト伝達機構33のプライマリ軸41が連結されている。リングギヤ64のギヤ歯は、複数のピニオンギヤ65を一括して取り囲むように形成され、各ピニオンギヤ65のギヤ歯と噛合している。
リバースクラッチC1は、キャリア62とサンギヤ63との間に設けられている。
フォワードブレーキB1は、キャリア62とトルクコンバータ3およびCVT4を収容するトランスミッションケースとの間に設けられている。
車両1の前進時には、リバースクラッチC1が解放されて、フォワードブレーキB1が係合される。エンジン2の動力がCVT入力軸31に入力されると、キャリア62が静止した状態で、サンギヤ63がCVT入力軸31と一体に回転する。そのため、サンギヤ63の回転は、リングギヤ64に逆転かつ減速されて伝達される。これにより、リングギヤ64が回転し、ベルト伝達機構33のプライマリ軸41およびプライマリプーリ43がリングギヤ64と一体に回転する。プライマリプーリ43の回転は、ベルト45を介して、セカンダリプーリ44に伝達され、セカンダリプーリ44およびセカンダリ軸42を回転させる。そして、セカンダリ軸42と一体に、CVT出力軸32およびファイナルギヤ35が回転する。ファイナルギヤ35の回転がデファレンシャルギヤ36のリングギヤ37に伝達されると、デファレンシャルギヤ36から左右に延びるドライブシャフト71,72が回転し、駆動輪(図示せず)が回転することにより、車両が前進する。
一方、車両1の後進時には、リバースクラッチC1が係合されて、フォワードブレーキB1が解放される。エンジン2の動力がCVT入力軸31に入力されると、キャリア62およびサンギヤ63がCVT入力軸31と一体に回転する。そのため、サンギヤ63の回転は、リングギヤ64に回転方向が逆転されずに伝達される。これにより、リングギヤ64が車両1の前進時と逆方向に回転し、ベルト伝達機構33のプライマリ軸41およびプライマリプーリ43がリングギヤ64と一体に回転する。プライマリプーリ43の回転は、ベルト45を介して、セカンダリプーリ44に伝達され、セカンダリプーリ44およびセカンダリ軸42を回転させる。そして、セカンダリ軸42と一体に、CVT出力軸32およびファイナルギヤ35が回転する。ファイナルギヤ35の回転がデファレンシャルギヤ36のリングギヤ37に伝達されると、デファレンシャルギヤ36から左右に延びるドライブシャフト71,72が前進時と逆方向に回転し、駆動輪(図示せず)が回転することにより、車両が後進する。
<油圧増加制御>
図3は、車速、減速度および油圧アップ量の関係を示す図である。図4は、図3に示される各状態A,B,C,Dについて、車両1が停止するまでの時間およびCVT4のベルト45に作用するイナーシャトルクの大小関係を示す図である。
CVTECU11(図1参照)により、油圧回路14に含まれるバルブが制御されて、油圧回路14からCVT4のプライマリプーリ43の油室54およびセカンダリプーリ44の油室58に供給される油圧が制御されることにより、プライマリプーリ43およびセカンダリプーリ44の各溝幅が変更されることにより、CVT4の変速比が連続的に無段階で変更される。
変速比が下げられるときには、プライマリプーリ43の油室54に供給される油圧が上げられる。これにより、プライマリプーリ43の可動シーブ52が固定シーブ51側に移動し、固定シーブ51と可動シーブ52との間隔(溝幅)が小さくなる。これに伴い、プライマリプーリ43に対するベルト45の巻きかけ径が大きくなり、セカンダリプーリ44の固定シーブ55と可動シーブ56との間隔(溝幅)が大きくなる。その結果、プライマリプーリ43とセカンダリプーリ44とのプーリ比が小さくなり、CVT4の変速比が小さくなる。
変速比が上げられるときには、プライマリプーリ43の油室54に供給される油圧が下げられる。これにより、ベルト45に対するセカンダリプーリ44の推力がベルト45に対するプライマリプーリ43の推力よりも大きくなり、セカンダリプーリ44の固定シーブ55と可動シーブ56との間隔が小さくなるとともに、固定シーブ51と可動シーブ52との間隔が大きくなる。その結果、プライマリプーリ43とセカンダリプーリ44とのプーリ比が大きくなり、CVT4の変速比が大きくなる。
一方、プライマリプーリ43およびセカンダリプーリ44の推力は、プライマリプーリ43およびセカンダリプーリ44とベルト45との間で滑りが生じない大きさを必要とする。そのため、CVT入力軸31に入力されるトルクの大きさに応じた推力が得られるよう、プライマリプーリ43の油室54およびセカンダリプーリ44の油室58に供給される油圧が制御される。
ところが、車両1のブレーキの作動時(制動時)には、CVT出力軸32が減速し、その減速によるイナーシャトルクがベルト45に作用するので、推力の不足が生じ、ベルト45の滑りが発生するおそれがある。そこで、ブレーキの作動時には、CVTECU11により、セカンダリプーリ44の油室58に供給される油圧を通常よりも増加させる油圧増加制御が実行される。
油圧増加制御では、ブレーキECU12からブレーキ液圧が取得される。そして、そのブレーキ液圧から車両1の減速度が予測される。たとえば、CVTECU11のメモリには、ブレーキ液圧と車両1の減速度との関係がマップの形態で格納されており、CVTECU11では、そのマップからブレーキ液圧に応じた減速度が読み出される。
また、油圧増加制御では、車両1の車速が取得される。
そして、車両1の車速および減速度に応じた油圧アップ量が設定(決定)される。たとえば、CVTECU11のメモリには、油圧アップ量が車両1の車速および減速度をパラメータとする三次元マップの形態で格納されており、CVTECU11では、その油圧アップ量マップから車両1の減速度および車速に応じた油圧アップ量が読み出される。油圧アップ量マップは、図3に示されるように、車速が小さいほど、油圧アップ量が大きな値に設定され、また、減速度が大きいほど、油圧アップ量が大きな値に設定されるように作成されている。
図3に示される状態A〜Dにおいて、車速が大きく、かつ、減速度が小さい状態Aでは、図4に示されるように、車両1が停止するまでの時間が最も長く、ベルト45に作用するイナーシャトルクが最も小さい。また、車速が小さく、かつ、減速度が小さい状態Bでは、車両1が停止するまでの時間が最も短く、ベルト45に作用するイナーシャトルクが最も大きい。車速が小さく、かつ、減速度が小さい状態Bと、車速が大きく、かつ、減速度が大きい状態Cとは、車両1が停止するまでの時間が同程度と予測されるが、ベルト45に作用するイナーシャトルクは、状態Cが状態Bよりも大きい。そのため、油圧アップ量マップによれば、油圧アップ量は、状態A,B,C,Dの順に大きくなるように設定される。
油圧アップ量が設定されると、CVTECU11により、油圧回路14に含まれるバルブが制御されて、その設定された油圧アップ量分、油圧回路14からセカンダリプーリ44の油室58に供給される油圧が増加される。
<作用効果>
車両1の減速度が大きくなるにつれて、その減速時にベルト45に作用するイナーシャトルクが大きくなる。したがって、減速度が大きいほど油圧アップ量が大きく設定されることにより、車両1の減速によるイナーシャトルクがベルト45に作用するときに、そのイナーシャトルクの大きさに応じて、セカンダリプーリ44の油室58に供給される油圧を増大させることができ、ベルト45に対するセカンダリプーリ44の推力を増大させることができる。一方、減速度が小さいほど油圧アップ量が小さく設定されることにより、イナーシャトルクがベルト45に作用しないときには、セカンダリプーリ44の油室58に供給される油圧の増加を抑制することができ、その油圧をベルト45の滑りが発生しない必要最小限に保つことができる。
よって、セカンダリプーリ44の油室58に供給される油圧の増加が必要なときには、油圧をその必要分増加させることができる。その結果、ベルト45に対するセカンダリプーリ44の推力の不足によるベルト45の滑りの発生を抑制できる。一方、セカンダリプーリ44の油室58に供給される油圧の増加が不要なときには、油圧をベルト45の滑りが発生しない必要最小限に保つことができる。その結果、ベルト45の滑りの発生を抑制しつつ、ベルトノイズの悪化などを抑制することができる。
また、車両1の車速が小さいほど油圧アップ量が大きく設定されることにより、車両1が停止する場合に、変速を速めて、変速比を最ロー変速比に戻りやすくすることができる。
CVTECU11により車速が取得されるので、その車速を微分することにより、車両1の減速度を求めることができる。しかしながら、その場合、ノイズ除去のためのフィルタ処理などが必要となり、減速度を演算する処理に時間がかかり、演算により求められる減速度と車両1に実際に生じている減速度とにずれが生じる。これに対し、ブレーキ液圧から車両1の減速度が予測される構成では、フィルタ処理などが不要であるから、予測される減速度が車両1に実際に生じている減速度からずれることを抑制できる。その結果、セカンダリプーリ44に供給される油圧を良好に制御することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、CVT4を取り上げたが、本発明に係る制御装置は、CVT4と同様のベルト式の無段変速機構を備える変速機であれば、副変速機付CVTや動力分割式無段変速機に適用することもできる。動力分割式無段変速機は、変速比の変更により動力を無段階に変速するベルト式の無段変速機構と、動力を一定の変速比で変速する一定変速機構と、無段変速機構からの動力と一定変速機構からの動力とを合成する機構とを備え、駆動源の動力を2系統に分割して伝達可能な変速機である。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 車両
11 CVTECU(制御装置、ブレーキ液圧取得手段、減速度予測手段、油圧アップ量設定手段、油圧制御手段、車速取得手段)
12 ブレーキECU(ブレーキ液圧取得手段)
13 車速センサ(車速取得手段)
14 油圧回路
15 ブレーキ液圧センサ(ブレーキ液圧取得手段)
44 セカンダリプーリ
45 ベルト
55 固定シーブ
56 可動シーブ

Claims (1)

  1. 固定シーブと、前記固定シーブにベルトを挟んで対向して配置され、その対向方向に移動可能に設けられた可動シーブとを備え、油圧回路から前記可動シーブに供給される油圧により、前記ベルトに対する前記固定シーブおよび前記可動シーブの推力が変更される構成の無段変速機を搭載した車両に用いられ、前記無段変速機を制御する制御装置であって、
    前記車両の車速を取得する車速取得手段と、
    前記車両のブレーキを作動させるブレーキ液圧を取得するブレーキ液圧取得手段と、
    前記ブレーキ液圧取得手段により取得されるブレーキ液圧から前記車両の減速度を予測する減速度予測手段と、
    前記減速度予測手段により予測される減速度および前記車速取得手段により取得される車速に応じた油圧アップ量を設定する油圧アップ量設定手段と、
    前記油圧回路を制御して、前記油圧アップ量設定手段により設定される油圧アップ量分、前記可動シーブに供給される油圧を増加させる油圧制御手段とを含み、
    前記油圧アップ量設定手段は、前記車速取得手段により取得される車速が小さいほど油圧アップ量を大きく設定し、前記減速度予測手段により予測される減速度が大きいほど油圧アップ量を大きく設定し、前記車両が停止するまでに要すると予測される時間が短いほど油圧アップ量を大きく設定する、制御装置。
JP2014261303A 2014-12-24 2014-12-24 無段変速機の制御装置 Active JP6584075B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014261303A JP6584075B2 (ja) 2014-12-24 2014-12-24 無段変速機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014261303A JP6584075B2 (ja) 2014-12-24 2014-12-24 無段変速機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016121737A JP2016121737A (ja) 2016-07-07
JP6584075B2 true JP6584075B2 (ja) 2019-10-02

Family

ID=56326520

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014261303A Active JP6584075B2 (ja) 2014-12-24 2014-12-24 無段変速機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6584075B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020076447A (ja) * 2018-11-07 2020-05-21 ジヤトコ株式会社 ベルト式無段変速機制御装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4951172B2 (ja) * 2001-04-27 2012-06-13 富士重工業株式会社 無段変速機の制御装置
JP2010169162A (ja) * 2009-01-21 2010-08-05 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP5447274B2 (ja) * 2010-08-05 2014-03-19 トヨタ自動車株式会社 車両用無段変速機の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016121737A (ja) 2016-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4183818B2 (ja) 自動変速機の制御装置
US9915343B2 (en) Pulley pressure control apparatus for belt-driven continuously variable transmission
JP5123864B2 (ja) ベルト式無段変速機の制御装置
JP6142854B2 (ja) 車両制御装置及び車両制御方法
JP2011106655A (ja) 無段変速機の制御装置
JP6584075B2 (ja) 無段変速機の制御装置
US10166990B2 (en) Vehicle
JP2015163811A (ja) 車両用変速装置
JP2018165554A (ja) 自動変速機の制御装置
US20190162304A1 (en) Control device of vehicle
JP5262995B2 (ja) 車両用無段変速装置
JP2011127617A (ja) ベルト式無段変速機の制御装置
JP2016056818A (ja) フライホイールシステム及びその制御方法
JP6440438B2 (ja) 車両用制御装置
JP2019100423A (ja) 車両用制御装置
NL9401747A (nl) Werkwijze en inrichting voor het regelen van de overbrengingsverhouding van een continu variabele transmissie.
JP6586357B2 (ja) 車両制御装置
JP2020085221A (ja) 車両用制御装置
JP6606382B2 (ja) 車両の制御装置、及びその制御方法
JP2016070439A (ja) 動力分割式無段変速機の制御装置
JP2014134273A (ja) 車両用無段変速機の変速制御装置
JP6149694B2 (ja) 無段変速装置
JP4697219B2 (ja) 動力伝達機構の滑り検出装置
JP6497908B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP5669594B2 (ja) 無段変速機を備えた車両の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181030

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190514

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190903

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6584075

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250