JP2011127617A - ベルト式無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ベルト式の無段変速機の制御装置に関し、とりわけ、駆動ベルトの減速時に行うベルト挟圧の上昇制御を減速度に応じて変化させることが可能な無段変速機の制御装置を提供するものである。
【解決手段】本発明のベルト式無段変速機の制御装置では、車速検出手段と減速度検出手段とフットブレーキのオンオフ検出手段とを備え、さらに、車両の速度が所定車速以下でありフットブレーキのオン状態であるときには第一の挟圧値まで増圧させ、第一の挟圧値から所定時間後の減速度に応じて前記複数の挟圧制御工程を選択し、第二の挟圧値及び/又はそれ以降の挟圧値に増圧、維持あるいは減圧させる制御を実行する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ベルト式の無段変速機の制御装置に関し、とりわけ、駆動ベルトの減速時に行うベルト挟圧の上昇制御を減速度に応じて変化させることが可能な無段変速機の制御装置に関する。
一般に自動車の動力伝達装置に適用されるベルト式の無段変速機(以下、単に「無段変速機」とも称する)の場合、減速時には所謂「Low戻し」と呼ばれる変速比制御が行われている。これは、減速時に減速前のHi側の変速比のまま停止するとその後、発進不能になるという弊害を防止するための制御構成である。具体的には減速されると油圧を用いて従動側プーリのベルト挟圧(以下、単に「挟圧」とも称する)を通常設定よりも上昇させるという制御を行っている。ベルト式無段変速機は、減速時の「Low戻し」が必須である以上、挟圧を上昇させることも必須の制御構成である。
一方、この減速時における挟圧上昇(増圧)は、油圧制御の特性上、一旦、目標とする設定圧(目標圧)以上に挟圧が上昇した後に自然に設定圧まで減衰していくものであり、この設定圧以上に挟圧が上昇する現象、広くは必要以上に圧力が上昇する(又は上昇させる)現象は「オーバーシュート」と言われている。
しかしながら、オーバーシュート、すなわち挟圧の過大な上昇は、ベルトの滑りの防止や「Low戻り」の迅速化には良好であるが、ベルト音(ノイズ)の増加には不要な挟圧増加は回避すべきと考えられる(詳細には後述)。
実際に特許文献1では、「Low戻し」を速める従動側プーリの挟圧を最大に一気増加させる無段変速機の制御構成が開示されているが、このような挟圧を一気に増加させる工程では実油圧のオーバーシュートが発生し、ベルト音の増加が予測される。また、特許文献2では、所定車速以下の減速走行でのベルトスリップ防止のために減速度が所定値よりも大きいときには通常減速モードを急減速モードに切り替えて挟圧を増加させる制御構成が開示されているが、この場合も特許文献1と同様に通常減速モードから急減速モードに切り替える過渡期での挟圧増加により実油圧のオーバーシュートの発生やベルト音の増加の問題が残される。
特開平01−98747号公報 特開2002−327835号公報
本発明は上記課題および発明創作における知得情報に鑑みてなされたものであり、減速時の所謂「Low戻し」の際に実行されるベルト挟圧の増圧制御において、実油圧のオーバーシュートの発生を低減しつつベルト滑りの防止も企図できるように適正な挟圧の油圧制御構成を有する、ベルト式の無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
本発明のベルト式無段変速機の制御装置は、固定シーブと可動シーブとで構成される駆動側プーリと従動側プーリとにベルトを掛け渡し、少なくとも前記従動側プーリの可動シーブの作動用油圧をベルト挟圧制御して所望の変速比を構成可能としている。また、本ベルト式無段変速機の制御装置は、少なくとも車両の速度を検出可能な車速検出手段と、車両の減速度を検出可能な減速度検出手段と、フットブレーキのオンオフ状態を検出可能なオンオフ検出手段とを備えている。
また、本ベルト式無段変速機の制御装置は、まず、前記車速検出手段により検出された車両の速度が所定車速(例えば、実施形態における「設定車速」参照)以下であり、前記オンオフ検出手段が前記フットブレーキのオン状態であることを検出した場合に、ベルト挟圧を急減速での増圧値より所定値小さくなるように予め設定された第一の挟圧値(例えば、実施形態における「設定中間圧」を参照)まで増圧させる。
次に、上記ベルト式無段変速機の制御装置では、前記第一の挟圧値まで増圧した後所定時間における減速度に応じて増減圧させる第二の挟圧値及び/又はそれ以降の挟圧値を予め複数の挟圧制御工程に分類して設定しておき、前記減速度検出手段により検出された前記第一の挟圧値から所定時間後の減速度に応じて前記複数の挟圧制御工程を選択し、第二の挟圧値及び/又はそれ以降の挟圧値に増圧あるいは減圧させる制御を実行する(例えば、挟圧制御工程として複数個の第二の挟圧値への増減圧のみを考えている実施形態における「設定圧」、「中間圧維持」、「通常圧戻し」参照)。
本発明のベルト式無段変速機の制御装置によれば、減速時の所謂Low戻しの際に実行されるベルト挟圧の増圧制御において、一気に目標値まで増圧せずに段階的、少なくとも2段階で増圧される。まず一段階目に目標値より小さい中間的な増圧値(第一の挟圧値)までベルト挟圧は所定時間で増圧し、この間の減速度を検出する。その後、ベルト挟圧が目標値まで増圧またはさらに段階的に増圧していく(挟圧制御工程のうちの基本態様)。このような増圧工程を経由すると前述してきた過大な増圧「オーバーシュート」やベルト音の増加の問題を低減することができる。
さらに、本ベルト式無段変速機の制御装置によれば、中間的な増圧(第一の挟圧値までの増圧)以降、そのまま増圧しないことや、むしろ減圧するような制御構成も含まれる。このような場合、従来のようなブレーキの踏み方などと関係なく自動的に挟圧増加させてしまい必要以上のベルト挟圧によりノイズを発生させてしまう愚を回避できる。
本発明に使用するベルト式無段変速機の基本構成を示したスケルトン図である。 従来の無段変速機における減速時の車速とブレーキON/OFFとベルト挟圧制御との関係を示すグラフ図である。 無段減速機における加速時、ブレーキOFFの状態の減速時、ブレーキONの状態の減速時それぞれの場合で実車ユニット上部の近接音を検出した棒グラフ図である。 ベルト狭圧と音圧変化の関係を無段変速機の近接音で立証したグラフ図である。 本発明で実行される無段変速機の減速時の車速とブレーキON/OFFとベルト挟圧制御との関係を示すグラフ図である。 図5(3)の制御構成と類似した制御を実際に行ったときのデータを示したグラフ図である。 本発明のベルト式無段変速機の制御装置における制御構成の一例を示したフロー図である。
まず、本発明の
無段変速機の制御装置の説明の前提として図1に本発明にかかる無段変速機の基本構成の一例のスケルトン図が示されている。
この実施例の無段変速機TはFF横置き式の自動車用変速機であり、大略、エンジン出力軸1によりトルクコンバータ2を介して駆動される入力軸3、入力軸3の回転を正逆切り替えて駆動軸10に伝達する前後進切替装置4、駆動プーリ11と従動プーリ21と両プーリ間に巻き掛けられたVベルト15とからなる無段変速装置A、従動軸20の動力を出力軸32に伝達するデファレンシャル装置30などで構成されている。入力軸3と駆動軸10とは同一軸線上に配置され、従動軸20とデファレンシャル装置30の出力軸32とが入力軸3に対して平行でかつ非同軸に配置されている。したがって、この無段変速機は全体として3軸構成とされている。
この実施例で用いられるVベルト15は、一対の無端状張力帯と、これら張力帯に支持された多数のブロックとで構成された公知の金属ベルトである。
無段変速機を構成する各部品は変速機ケース5の中に収容されている。トルクコンバータ2と前後進切替装置4との間には、オイルポンプ6が配置されている。このオイルポンプ6は、図1では示さないが、変速機ケース5に固定されたオイルポンプボデーと、オイルポンプボデーに対して固定されたオイルポンプカバーと、オイルポンプボデーとオイルポンプカバーとの間に収容されたポンプギヤとで構成されている。そして、ポンプギヤはトルクコンバータ2のポンプインペラ2aにより駆動される。なお、トルクコンバータ2のタービンランナ2bは入力軸3に連結され、ステータ2cはワンウエイクラッチ2dを介して変速機ケース5により支持されている。
前後進切替装置4は、遊星歯車機構40と逆転ブレーキ50と直結クラッチ51とで構成され、遊星歯車機構40のサンギヤ41が入力回転部材である入力軸3に連結され、リングギヤ42が出力回転部材である駆動軸10に連結されている。遊星歯車機構40はシングルピニオン方式であり、逆転ブレーキ50はピニオンギヤ43を支えるキャリア44と変速機ケース5との間に設けられ、直結クラッチ51はキャリア44とサンギヤ41との間に設けられている。直結クラッチ51を解放して逆転ブレーキ50を締結すると、入力軸3の回転が逆転され、かつ減速されて駆動軸10へ伝えられる。逆に、逆転ブレーキ50を解放して直結クラッチ51を締結すると、遊星歯車機構40のキャリア44とサンギヤ41とが一体に回転するので、入力軸3と駆動軸10とが直結される。
無段変速装置Aの駆動プーリ11は、駆動軸(プーリ軸)10上に一体に形成された固定シーブ11aと、駆動軸10上にローラスプライン部を介して軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ11bと、可動シーブ11bの背後に設けられた油圧サーボ12とを備えている。可動シーブ11bの外周部には、背面側へ延びるピストン部が一体に形成され(図示せず)、このピストン部の外周部が駆動軸10に固定されたシリンダ(図示せず)の内周部に摺接している。可動シーブ11bとシリンダとの間に油圧サーボ12の作動油室12aが形成され、この作動油室12への油圧を制御することにより、変速制御が実施される。
従動プーリ21は、従動軸(プーリ軸)20上に一体に形成された固定シーブ21aと、従動軸20上にローラスプライン部(図示せず)を介して軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ21bと、可動シーブ21bの背後に設けられた油圧サーボ22とを備えている。可動シーブ21bの外周部には、背面側へ延びるシリンダ部(図示せず)が一体に形成され、シリンダ部の内周部に従動軸20に固定されたピストン(図示せず)が摺接している。可動シーブ21bとピストンとの間に油圧サーボ22の作動油室22aが形成され、この作動油室22aの油圧を制御することにより、トルク伝達に必要なベルト推力が与えられる。なお、作動油室22aには初期推力を与えるスプリング24が配置されている。
従動軸20の一端部はエンジン側に向かって延び、この一端部に出力ギヤ27が固定されている。出力ギヤ27はデファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合っており、デファレンシャル装置30から左右に延びる出力軸32に動力が伝達され、車輪が駆動される。
以上、図1を参照しつつ無段変速機の構造の一例について概要を説明したが、本発明の無段変速機の制御装置の制御構成について説明する。まず、ここでは理解を助けるために既に簡単に説明してきた従来の無段変速機の制御装置の制御構成について再び詳述する。
従来の制御構成例
図2は従来の無段変速機における減速時のベルト挟圧制御を示すグラフである。まず前述してきたように減速時は変速比がHi側なので停止時にはその後の発進を可能とするために変速比をLow側に戻す必要がある。これを一般に「Low戻し」と称している。しかしながら、ブレーキをかけて急減速する場合には、変速比の変化が減速度に追い付かないことも考えられる。そこで、従来からブレーキで減速する場合には、ブレーキの踏み方とは無関係に、所定速度以下では車両停止前と判断してブレーキがオンになったことを条件にベルト挟圧を通常の設定圧より高くするという制御を行っている。
具体的に図2(a)では、ブレーキ車速が減速していく様子を示しており、図2(b)はブレーキのON/OFFの様子を示しており、図2(c)ではベルト挟圧の上昇の様子を示しており、図2(a)〜(c)は左右方向に時間軸を共通としている。時間t0で車速S1(例えば60km/h)のときにブレーキをONにするとブレーキによる減速が開始されるとする。次に予め定められた車速S0が設定されており、車速が減速され、設定速度S0(例えば、50km/h)に達した時点でブレーキがONであることが検知されると挟圧の上昇制御が実行される(時間t1時点での(a)〜(c)を参照)。このとき油圧を速やかに立ち上げるために図2(c)の実線はステップ状の挟圧上昇線を示しているが、上述したように挟圧上昇が油圧制御に基づくものであるため必然的にオーバーシュート(図2(c)の一点鎖線参照)が発生し、時間t1の直後に通常設定圧P0から目標挟圧P1まで以上の過大な挟圧が発生している。なお、挟圧上昇はオーバーシュートの発生後、減衰し目標挟圧P1に収束する。
ベルト挟圧とノイズとの関係
ここで、無段変速において上記のような従来一般の挟圧制御の構成の場合、ブレーキをかけないアクセルOFF状態での減速よりブレーキをかけた減速の方が音圧(ノイズ)が上がっていることが判っている。図3を参照すれば実車ユニット上部での近接音をそれぞれ左から加速時、ブレーキOFFでの減速時、ブレーキONでの減速時の実測値を示しており、ブレーキONでの減速時の方が音圧が上がっていることが理解される。この現象は、既に説明してきたベルト挟圧の上昇制御を原因とすることが推察された。図4を参照すればこの推察を立証し得るグラフ図が示されており、実車ユニット上部の近接音の実測音圧(dB)を縦軸に、そのときのベルト挟圧を横軸に示している。具体的にこの図では各ベルト挟圧に対する音圧値をプロットし、関係を直線グラフ化したものである。図4のグラフ図からは、ベルト挟圧を0.5MPaを上昇させると音圧が5dB程度上昇することが理解される。これにより音圧の上昇、すなわちノイズの発生は、ベルト挟圧の上昇に比例して上昇することが知得される。
ここで前記ノイズの発生について、以下の(1)〜(2)の問題がある。
(1)従来のベルト挟圧の上昇制御は、上記減速時の「Low戻し」に必須であるが、車間調整程度の軽いブレーキング、すなわち急激な「Low戻し」を要しないような場合でもブレーキの踏み方に関係なく単にブレーキONを条件に自動的に挟圧が上昇してしまうためノイズの発生の弊害を回避できない。
(2)挟圧制御は、プーリの可動シーブへの油圧制御に基づくものである以上、前記「オーバーシュート」も必然的に発生し、ノイズの発生を防止し難い。
本発明の実施形態
本発明では、上記ノイズの発生を防止することが可能となる。以下、本発明の実施形態について説明する。
図5を参照すれば、図5(a)では、ブレーキ車速が減速していく様子を示しており、図5(b)はブレーキのON/OFFの様子を示しており、図5(c)ではベルト挟圧の上昇の様子を示しており、図5(a)〜(c)は前述の図2(a)〜(c)と同様に左右方向に時間軸を共通としている。時間t10で車速S11(例えば60km/h)のときにブレーキをONにするとブレーキによる減速が開始されるとする。次に、車速が減速され続けt10より所定時間δtの経過した時間t11の時点で所定の設定速度S10(例えば、50km/h)以下であり且つブレーキがONであることが検知されると挟圧の上昇制御が実行される(時間t11時点での(a)〜(c)を参照)。
この挟圧上昇は、図5(c)に示すように従来より最高圧として所望していた設定圧P12より小さい設定中間圧P11まで増圧するように制御される。すなわち一気に最高圧(設定圧P12)まで挟圧を増加させるのではなく、第一段階として設定中間圧を第一の挟圧値としてこの挟圧値まで一律に増圧する。このように挟圧をいきなり最高圧まで自動的に上昇させるのではく所定時間Δtをかけて設定中間圧くらいまで上昇させるためオーバーシュートを低減しやすい。
次に、ベルト挟圧を設定中間圧P11までの上昇するまでの減速度を検出する。図5の場合、一般的な減速度算出の方法としてt11〜t12間の時間Δtとその間の車速データから微分演算を行いΔtの時間内での平均値を算出することで減速度を検出することが考えられる。その結果、減速度に応じてその後の挟圧の増減制御が決定される。例えば、図5を参照すれば、(1)小と示すように減速度が小さい場合にはこれ以上挟圧を上げる必要がないと判断し、挟圧値を通常のベース値としての通常設定圧P10に戻す。また、(2)中と示すように減速度が所定以上である程度挟圧値を上げている必要があると判断した場合は設定中間圧P11を維持していく制御を行う。さらに、(3)に示すように減速度が大きく急減速していると判断したときには設定圧P12まで上げる制御を行う。
すなわち、上記図5の制御構成では、ベルト挟圧を設定中間圧P11まで増圧した後、(1)小のケース:ほとんど減速していないのであれば、挟圧を上げる必要なしと判断し、挟圧値を通常ベースとしての通常設定圧P10に戻し、(2)中のケース:減速度が一定以上であり、既に十分な挟圧値の増加を確保していると判断した場合には設定中間圧P11の挟圧のまま維持し、(3)大のケース:減速度が高く急減速していると判断したときには設定圧P12まで増圧していることとなる。
(1)小、(2)中、(3)大までの制御構成により、減速レベルに応じて無駄なノイズ発生を防止することができる。すなわち、減速レベルを3段階に分類し、減速度に応じて挟圧を調整する制御構成が採用されている。一方、ベルト挟圧の上昇を回避できないような急減速時すなわち減速度が高いときにはノイズの問題領域を通過する時間もそもそも短くあまり問題とはならない。一般に人間は官能的には、急減速時のノイズはそれほど気にならず、むしろ軽減速程度で長時間ノイズ発生する場合に不快感を得る。本実施形態の制御装置の場合、この人間の官能レベルに合わせたノイズ防止をしているとも言える。
さらに、図5では2段階で増圧させる構成を示しているが、3段階以上で増圧させる構成も考えられる。
図6は上記図5での制御構成のうち(3)大で示す挟圧制御について近似構成で検証した一例である。縦軸を挟圧値、横軸を時間とするが実線(A)は目標挟圧値の制御信号を示しており、実線(B)が挟圧の実測値である。また、縦軸を車速値として実線(C)で車速実測値を示している。実線(B)からも理解されるようにベルト挟圧をt11で設定中間圧に増圧し、急減速と判断した後にt12で設定圧まで増圧していることがわかる。ただし、本検証では一気に設定圧まで増圧した場合よりは低減しているであろうことが予測されるがオーバーシュートも増圧ごとに発生していることがわかる。この点で、図5(c)のように時間t11〜t12において緩やかに増圧する制御構成を採用する方が好ましいことも理解される。
次に図7は、図5に示す制御構成に関する具体的なフロー図を示している。なお、本フロー図7に示す値を示す記号(例えば、S、S10、δt、P10、P11、P12)については図5で示す記号と同じである。まず、車速Sが設定速度S10かが判定され(ステップ1)、車速が所定速度以下になっているかの条件が判定される。次に、ブレーキのON/OFFのいずれの状態かが判定される(ステップ2)。ブレーキがON状態、すなわちブレーキによる減速である場合、所定時間δt経過すると設定中間圧までの増圧を開始する(ステップ3〜ステップ4)。また、所定時間δt経過までにブレーキがOFFになると車速判定からやり直すこととなる(ステップ3〜ステップ2〜ステップ1)。
また、上記ステップ4で設定中間圧P11までの増圧が開始され、実際に設定中間圧P11までの増圧されると増圧開始から完了までの時間Δtにおける減速度が小さい場合には(1)小の減速度(1)の挟圧制御工程と判定され、通常設定圧P10に減圧される(ステップ6〜ステップ8)。
また、増圧開始から完了までの時間Δtにおける減速度が中程度の場合には(2)中の減速度(2)の挟圧制御工程と判定され、現状の設定中間圧P11に維持される(ステップ7〜ステップ9)。
さらに、増圧開始から完了までの時間Δtにおける減速度が上記(1)小でも(2)中でもないと判断された場合は、急減速の場合として(3)大の減速度のときの増圧工程として設定圧P12に増圧される(ステップ7〜ステップ10)。

通常設定圧P10に減圧される(ステップ6〜ステップ8)。
このフローの場合、第二の挟圧値への増減ステップ(ステップ8、ステップ9、ステップ10)以降の挟圧の増減は記載していないが、最終的な挟圧値への増減過程がさらに複数段階になってもよく(例えば、ステップ8、10の後にさらに増減圧ステップがある)、図5、図7では3つの挟圧制御工程を増減圧を考えているが、さらに他の挟圧制御工程が存在してもよい(例えば、図7のステップ7以降に他の減速度判定がある)。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明のベルト式無段変速機の制御装置はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の精神と教示との範囲を逸脱しない他の変形例と改良例とが存在することは当業者に明白であろう。
S0…設定速度
P10…通常設定圧(第二の挟圧値)
P11…設定中間圧(第一の挟圧値、第二の挟圧値)
P12…設定圧(第二の挟圧値)

Claims (1)

  1. 固定シーブと可動シーブとで構成される駆動側プーリと従動側プーリとにベルトを掛け渡し、少なくともと前記従動側プーリの可動シーブの作動用油圧をベルト挟圧制御して所望の変速比を構成可能とするベルト式無段変速機の制御装置であって、
    少なくとも車両の速度を検出可能な車速検出手段と、車両の減速度を検出可能な減速度検出手段と、フットブレーキのオンオフ状態を検出可能なオンオフ検出手段とを備え、
    さらに、前記車速検出手段により検出された車両の速度が所定車速以下であり、前記オンオフ検出手段が前記フットブレーキのオン状態であることを検出した場合に、ベルト挟圧を急減速での増圧値より所定値小さくなるように予め設定された第一の挟圧値まで増圧させ、
    前記第一の挟圧値まで増圧した後所定時間における減速度に応じて増減圧させる第二の挟圧値及び/又はそれ以降の挟圧値を予め複数の挟圧制御工程に分類して設定しておき、前記減速度検出手段により検出された前記第一の挟圧値から所定時間後の減速度に応じて前記複数の挟圧制御工程を選択し、第二の挟圧値及び/又はそれ以降の挟圧値に増圧、維持あるいは減圧させる制御を実行する、ことを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
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