JP2014134273A - 車両用無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用無段変速機の変速制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014134273A
JP2014134273A JP2013003909A JP2013003909A JP2014134273A JP 2014134273 A JP2014134273 A JP 2014134273A JP 2013003909 A JP2013003909 A JP 2013003909A JP 2013003909 A JP2013003909 A JP 2013003909A JP 2014134273 A JP2014134273 A JP 2014134273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
continuously variable
variable transmission
vehicle
ratio
transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013003909A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Hara
雅宏 原
Koji Yotsuya
恒治 四ツ谷
Daisuke Yasutomi
大祐 安富
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2013003909A priority Critical patent/JP2014134273A/ja
Publication of JP2014134273A publication Critical patent/JP2014134273A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

【課題】無段変速機が搭載された車両の減速時に、駆動輪の減速スリップが過大になることを防止せんとする場合、車両の加速性能の低下をできるだけ抑制しつつ、駆動輪の減速スリップが過大になる虞れを低減する。
【解決手段】駆動源としてのエンジンの回転駆動力が無段変速機を介して駆動輪としての前輪へ伝達される車両において、車速が低下すると無段変速機の変速比を増大させる車両用無段変速機の変速制御装置を備え、何れかの前輪の減速スリップが過大になる状況、例えばアンチスキッド制御中であるとき(S20)には、路面の摩擦係数の推定値μhを演算し(S40)、車速が低下するにつれて大きくなると共に、推定値μhが低いほど小さくなるよう、無段変速機の目標変速比γtを演算する(S50)。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両の変速制御装置に係り、更に詳細には無段変速機の変速制御装置に係る。
自動車等の車両においては、自動変速機が急激にシフトダウンされたり、低速段での走行中にアクセルペダルの踏み込みが急激に解放されたりすると、エンジンブレーキが強く作用し、非制動中であっても駆動輪の減速スリップが過大になることがある。そのため、例えば特許文献1に記載されている如く、アンチスキッド制御が行われない非制動時に駆動輪の減速スリップが過大になると、自動変速機をアップシフトさせるよう構成された自動変速機の変速制御装置が既に知られている。
また、自動車等の車両の変速機として、ベルト式無段変速機の如き摩擦式の無段変速機(CVT)が広く使用されている。無段変速機においては、車両の加速性能を確保すべく、車速の低下につれて無段変速機の変速比が大きくなるよう制御される。そのため、例えば路面の摩擦係数が非常に低い走行路にて車両が減速されるような状況において、無段変速機の変速比が大きくなるよう制御されると、エンジンブレーキが作用することに起因して駆動輪の減速スリップが過大になる。
特開平11−20514号公報
〔発明が解決しようとする課題〕
無段変速機が搭載された車両の減速時に、駆動輪の減速スリップが過大になることを防止すべく、上記公開公報に記載された技術を適用することが考えられる。即ち、駆動輪の減速スリップが大きくなったことが検出されると、無段変速機の変速比を予め設定された一定の修正量小さくする(シフトアップする)ことが考えられる。
しかし、無段変速機の変速比を小さくするための修正量が一定である場合には、修正量が大きい値に設定されると、無段変速機の変速比が過剰に小さくされることに起因して、車両の加速性能が悪化することが避けられない。逆に、修正量が小さい値に設定されると、無段変速機の変速比の低下が不十分になることに起因して、駆動輪の減速スリップが過大になることを効果的に防止することができない。
特に、無段変速機の目標変速比も車速によって変化するが、自動変速機の目標変速比とは異なり、車速の変化に対する無段変速機の目標変速比の変化は連続的である。また、車速に対する無段変速機の目標変速比の変化の比は、全車速域にわたり一定ではなく、車速が低下するほど非線形に大きくなる。そのため、車速に関係なく最適な一定の修正量を設定することはできない。
また、修正量が大きい値に設定され、無段変速機の変速比を小さくする時間が長くなると、駆動輪の減速スリップが小さくなった後の無段変速機の変速比が非常に小さくなってしまい、車両の加速性能が著しく低下することが避けられない。即ち、車両の加速性能の悪化の問題は、無段変速機の変速比が小さくされたまま車速が低下する時間が長いほど顕著になる。
本発明は、無段変速機が搭載された車両の減速時に、上記公開公報に記載された技術を適用して駆動輪の減速スリップが過大になることを防止せんとする場合における上述の如き問題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の主要な課題は、車両の加速性能の低下をできるだけ抑制しつつ、車両が減速し車速が低下している状況において駆動輪の減速スリップが過大になる虞れを低減することである。
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
上述の主要な課題は、本発明によれば、駆動源の回転駆動力が無段変速機を介して駆動輪へ伝達される車両に適用され、車速が低下すると前記無段変速機の変速比を増大させる車両用無段変速機の変速制御装置に於いて、何れかの駆動輪の減速スリップが過大になる状況であるときには、何れかの駆動輪の減速スリップが過大になる状況ではないときに比して、車速の低下に伴う前記無段変速機の変速比の増大を抑制することを特徴とする車両用無段変速機の変速制御装置(請求項1の構成)によって達成される。
上記請求項の構成によれば、何れかの駆動輪の減速スリップが過大になる状況であるときには、何れかの駆動輪の減速スリップが過大になる状況ではないときに比して、車速の低下に伴う無段変速機の変速比の増大が抑制される。よって、何れかの駆動輪の減速スリップが過大になる状況であるときには、無段変速機の変速比が予め設定された一定の修正量低下される(シフトアップされる)場合に比して、車両の加速性能が低下する虞れを低減することができる。また、車速の低下に伴って無段変速機の変速比の増大が抑制されることなく増大される場合に比して、エンジンブレーキに起因して駆動輪の減速スリップが過大になる虞れを低減することができる。
また、本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成において、前記変速制御装置は、車速が低いほど目標変速比が高くなると共に、駆動輪の減速スリップが過大になる虞れが高いほど目標変速比が低くなるよう、車速及び駆動輪の減速スリップが過大になる虞れに応じて目標変速比を演算し、目標変速比に基づいて前記無段変速機の変速比を制御するよう構成される(請求項2の構成)。
上記請求項2の構成によれば、無段変速機の変速比は、車速が低いほど高くなると共に、駆動輪の減速スリップが過大になる虞れが高いほど低くなるよう、車速及び駆動輪の減速スリップが過大になる虞れに応じて演算される。よって、駆動輪の減速スリップが過大になる虞れが高い場合にも、駆動輪の減速スリップが過大になる虞れを効果的に低減することができる。逆に、駆動輪の減速スリップが過大になる虞れがそれほど高くない場合に、無段変速機の変速比が過剰に低下されることを防止し、車両の加速性能が低下する虞れを効果的に低減することができる。
また、本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成において、前記変速制御装置は、全ての駆動輪の減速スリップが過大ではないときには、車速が低いほど高くなるよう設定された通常時の目標変速比に基づいて前記無段変速機の変速比を制御し、何れかの駆動輪の減速スリップが過大であるときには、減速スリップが大きいほど前記通常時の目標変速比との差が大きくなるよう前記通常時の目標変速比よりも低い値に可変設定される非通常時の目標変速比に基づいて前記無段変速機の変速比を制御するよう構成される(請求項3の構成)。
上記請求項3の構成によれば、全ての駆動輪の減速スリップが過大ではないときには、車速が低いほど高くなるよう設定された通常時の目標変速比に基づいて無段変速機の変速比が制御される。よって、駆動輪の減速スリップが過大になる虞れがない状況に於いては、車速が低いほど高くなるよう無段変速機の変速比を増大させて、車両の良好な加速性能を確保することができる。
また、何れかの駆動輪の減速スリップが過大であるときには、減速スリップが大きいほど通常時の目標変速比との差が大きくなるよう通常時の目標変速比よりも低い値に可変設定される非通常時の目標変速比に基づいて無段変速機の変速比が制御される。よって、非通常時の目標変速比を減速スリップに応じて通常時の目標変速比よりも小さくすることができ、これにより駆動輪の減速スリップが過大になる虞れに応じた適正な値に無段変速機の変速比を制御することができる。
更に、駆動輪の減速スリップが減少すると、それに応じて通常時の目標変速比との差が小さくなるよう非通常時の目標変速比を可変設定し、無段変速機の変速比を通常時の目標変速比に近づくよう漸次増大させることができる。また、過大であった駆動輪の減速スリップが過大ではなくなると、非通常時の目標変速比に基づく無段変速機の変速比の制御を終了し、通常時の目標変速比に基づいて無段変速機の変速比を制御することができる。換言すれば、無段変速機の変速比が段差的に変化することを防止し、実質的に連続的に無段変速機の変速比を変化させることができる。
また、本発明によれば、上記請求項1の構成において、前記変速制御装置は、車速が低下する状況に於いて何れかの駆動輪の減速スリップが過大であるときには、前記無段変速機の変速比の増大率を低減するよう構成される(請求項4の構成)。
上記請求項4の構成によれば、車速が低下する状況に於いて何れかの駆動輪の減速スリップが過大であるときには、無段変速機の変速比の増大率が低減される。よって、駆動輪の減速スリップが過大になる虞れを低減しつつ、何れかの駆動輪の減速スリップが過大になった段階の値よりも無段変速機の変速比が小さくなることを確実に防止して、良好な車両の加速性能を確保することができる。
また、本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項4の構成において、前記変速制御装置は、前記無段変速機の変速比の増大率を低減している状況に於いて減速スリップが過大であった駆動輪の減速スリップが過大ではなくなったときには、前記変速比の増大率の低減を解除するよう構成される(請求項5の構成)。
上記請求項5の構成によれば、減速スリップが過大であった駆動輪の減速スリップが過大ではなくなったときには、変速比の増大率の低減が解除される。よって、減速スリップが過大であった駆動輪の減速スリップが過大ではなくなった段階で、変速比の増大を再開させて、できるだけ良好な車両の加速性を確保することができる。
〔課題解決手段の好ましい態様〕
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記の構成において、無段変速機は、摩擦式の無段変速機であり、ベルト式無段変速機、チェーン式無段変速機、トロイダル無段変速機の何れかであるよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記の構成において、何れかの駆動輪についてアンチスキッド制御が実行され、かつ、当該車輪の減速スリップが基準値よりも高いときに、駆動輪の減速スリップが過大であると判定されるよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記の構成において、減速スリップが大きいほど大きくなるよう、1以下の正の補正係数が演算され、何れかの駆動輪の減速スリップが過大になったときの無段変速機の目標変速比を基準目標変速比として、無段変速機の目標変速比と基準目標変速比との差に補正係数が乗算された値が補正量として演算され、無段変速機の目標変速比より補正量が減算された値が補正後の目標変速比として演算されるよう構成される(好ましい態様3)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記の構成において、車速が低下する状況に於いて何れかの駆動輪の減速スリップが過大であるときには、無段変速機の変速比の増大を禁止するよう構成される(好ましい態様4)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記の構成において、無段変速機の変速比の増大を抑制している状況に於いて減速スリップが過大であった駆動輪の減速スリップが過大ではなくなったときには、変速比の増大率の低減を解除すると共に、変速比を漸次増大させるよう構成される(好ましい態様5)。
ベルト式無段変速機が搭載された車両に適用された本発明による車両用無段変速機の変速制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。 第一の実施形態における変速比制御ルーチンを示すフローチャートである。 推定車体速度Vbおよび路面の摩擦係数の推定値μhに基づいて無段変速機の目標変速比γtを演算するためのマップである。 本発明による車両用無段変速機の変速制御装置の第二の実施形態における深スリップ判定ルーチンを示すフローチャートである。 第二の実施形態における変速比制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による車両用無段変速機の変速制御装置の第三の実施形態における深スリップ判定ルーチンを示すフローチャートである。 前輪の減速スリップ率Rsに基づいて補正係数Ksを演算するためのマップである。 推定車体速度VbがVb1よりも高い値より漸次低下する状況について、第一の実施形態における無段変速機の目標変速比γtの変化の例を示す説明図である。 推定車体速度VbがVb1よりも高い値より漸次低下する状況について、第二の実施形態における無段変速機の目標変速比γtの変化の例を示す説明図である。 推定車体速度VbがVb1よりも高い値より漸次低下する状況について、第三の実施形態における無段変速機の目標変速比γtの変化の例を示す説明図である。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。
[第一の実施形態]
図1はベルト式無段変速機が搭載された車両に適用された本発明による車両の変速制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。
図1において、10は変速制御装置を示しており、変速制御装置10は、駆動源であるエンジン12の回転駆動力がベルト式無段変速機(CVT)14を介して駆動輪である前輪16L及び16Rへ伝達される車両の変速制御装置として構成されている。図示の実施形態においては、エンジン12の回転駆動力は、トルクコンバータ18、前後進切換装置20、ベルト式無段変速機14、減速歯車装置22を介して差動歯車装置24へ伝達される。更に、回転駆動力は、差動歯車装置24より図1には示されていない一対のユニバーサルジョイントを介して左右の前輪16L及び16Rへ伝達される。
図1には詳細に示されていないが、トルクコンバータ18は、ポンプインペラ18Pとタービンインペラ18Tとステータ18Sとを有する一般的な構成のものであり、流体を介してエンジン12の回転駆動力を前後進切換装置20へ伝達する。ポンプインペラ18Pはエンジン12のクランク軸26に連結されており、タービンインペラ18Tはタービン軸28を介して前後進切換装置20に連結されている。
前後進切換装置20は、例えばダブルピニオン型の遊星歯車装置にて構成されており、図には示されていないシフトレバーがD、2、Lレンジなどの前進走行レンジに設定されると、前進方向の回転駆動力をベルト式無段変速機14の入力軸30へ伝達する。これに対し、シフトレバーがRレンジである後進走行レンジに設定されると、前後進切換装置16は、後進方向の回転駆動力を無段変速機14の入力軸30へ伝達する。
ベルト式無段変速機14は、入力軸30に設けられた有効径が可変の入力側プーリ装置32と、出力軸34に設けられた有効径が可変の出力側プーリ装置36と、それらのプーリ装置32及び36のV溝に巻き掛けられた伝動ベルト38とを有している。そして、無段変速機14は、動力伝達部材として機能する伝動ベルト38とプーリ装置32及び36のV溝の壁面との間の摩擦力を介して入力軸30と出力軸34との間に回転駆動力を伝達するようになっている。
入力側プーリ装置32はそのV溝幅、即ち伝動ベルト38の巻き掛かり径(有効径)を変更するための入力側油圧シリンダ40を有し、油圧シリンダ40に対し給排される作動油の油圧は油圧制御回路42によって制御される。これにより入力側プーリ装置32のV溝幅が変化して伝動ベルト38の巻き掛かり径が変更され、変速比γ(=入力側回転速度Nin/出力側回転速度Nout)が無段階に連続的に変化せしめられる。
同様に、出力側プーリ装置36はそのV溝幅を変更するための出力側油圧シリンダ44を有し、油圧シリンダ44内の油圧も油圧制御回路42により調圧される。伝動ベルト38に対する出力側プーリ装置36の挟圧力が調節されることによって伝動ベルト38の張力が調節され、これにより伝動ベルト38がプーリ装置32及び36に対し滑ることが防止される。
前後進切換装置20及び油圧制御回路42は、電子制御装置50により制御される。電子制御装置50には、エンジン12を制御するエンジン制御装置52より車速Vを示す信号が入力される。また、電子制御装置50には、車輪の制動力を制御する制動力制御装置54より、車輪速度に基づいて演算される推定車体速度Vbを示す信号、及びマスタシリンダ圧力Pmを示す信号が入力される。さらに、電子制御装置50には、制動力制御装置54より、前輪16L及び16Rの少なくとも一方がアンチスキッド制御(ABS制御)中であるか否かを示す信号が入力される。
電子制御装置50は、図2に示されたフローチャートに従って無段変速機14の目標変速比γtを演算し、無段変速機14の変速比γが目標変速比γtになるよう油圧制御回路42を制御する。かくして、変速制御装置10は、ベルト式無段変速機14、入力側油圧シリンダ40、出力側油圧シリンダ44、油圧制御回路42、及び電子制御装置50を含み、車速Vが低いほど高く、車速Vが高いほど低くなるよう、無段変速機14の変速比γを制御する。
次に、図2に示されたフローチャートを参照して第一の実施形態における変速比制御ルーチンについて説明する。なお、図2に示されたフローチャートによる制御は、図には示されていないイグニッションスイッチがオンになることにより開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
まず、ステップ10においては、エンジン制御装置52より入力される車速Vを示す信号等の読み込みが行われる。ステップ20においては、制動力制御装置54よりの信号に基づいて前輪16L及び16Rの少なくとも一方がアンチスキッド制御中であるか否かの判別が行われる。そして肯定判別が行われたときにはステップ40へ進み、否定判別が行われたときにはステップ30へ進む。
ステップ30においては、図3において実線にて示されたマップ、即ち、路面の摩擦係数μが通常の値であるときのマップより推定車体速度Vbに基づいて無段変速機14の目標変速比γtが演算される。なお、図3に示されている如く、目標変速比γtは、推定車体速度Vbが低いほど大きくなると共に、推定車体速度Vbが低いほど推定車体速度の低下に伴う目標変速比の増大率が大きくなるよう演算される。
ステップ40においては、推定車体速度Vbの時間微分値が推定車体加速度Vbdとして演算され、制動力制御装置54より入力されるマスタシリンダ圧力Pmに基づいて車両の推定前後加速度Gxhが演算される。そして、車両の推定前後加速度Gxhに対する推定車体加速度Vbdの比に基づいて、路面の摩擦係数の推定値μhが演算される。
ステップ50においては、図3において破線にて示されたマップ、即ち、路面の摩擦係数μが通常の値よりも低いときのマップより、推定車体速度Vb及び路面の摩擦係数の推定値μhに基づいて無段変速機14の目標変速比γtが演算される。なお、図3に示されている如く、目標変速比γtは、推定車体速度Vbに対し実線の場合と同様に変化すると共に、路面の摩擦係数の推定値μhが低いほど小さくなるよう演算される。
ステップ60においては、無段変速機14の変速比γが目標変速比γtになるよう油圧制御回路42が制御されることにより、変速比の制御が実行される。
次に、左右前輪の少なくとも一方がアンチスキッド制御中であるか否かの場合に分けて、第一の実施形態の作動について説明する。
(A1)左右前輪の何れもアンチスキッド制御中ではない場合
路面の摩擦係数が高く、前輪16L及び16Rの何れもアンチスキッド制御中ではない場合には、ステップ20において否定判別が行われる。そして、ステップ30において、図3の実線にて示されたマップより推定車体速度Vbに基づいて無段変速機14の目標変速比γtが演算される。
なお、路面の摩擦係数が高い状況であるので、車両が減速され、無段変速機14の変速比γが増大されても、エンジンブレーキに起因して左右前輪の減速スリップが過大になることはない。
(A2)左右前輪の少なくとも一方がアンチスキッド制御中である場合
路面の摩擦係数が低く、前輪16L及び16Rの少なくとも一方がアンチスキッド制御中である場合には、ステップ20において肯定判別が行われる。そして、ステップ40において、車両の推定前後加速度Gxhに対する推定車体加速度Vbdの比に基づいて、路面の摩擦係数の推定値μhが演算される。また、ステップ50において、図3において破線にて示されたマップより、推定車体速度Vb及び路面の摩擦係数の推定値μhに基づいて無段変速機14の目標変速比γtが演算される。
例えば、図8に示されている如く、推定車体速度VbがVb1よりも高い値より漸次低下する状況を考える。推定車体速度VbがVb1になったときに左右前輪の少なくとも一方についてアンチスキッド制御が開始され、推定車体速度VbがVb1よりも低いVb2になったときにアンチスキッド制御が終了するとする。
図8に示されている如く、推定車体速度VbがVb1になる前及び推定車体速度VbがVb2になった後は、無段変速機14の目標変速比γtは図3の実線のマップより演算される。しかし、推定車体速度VbがVb1になった後Vb2になるまでは、無段変速機14の目標変速比γtは図3の破線のマップより演算される。従って、車両が減速している状況において左右前輪の少なくとも一方についてアンチスキッド制御が行われる場合に、目標変速比γtが高い値になることが効果的に防止される。
かくして、路面の摩擦係数が低く、左右前輪の少なくとも一方についてアンチスキッド制御が行われるときには、路面の摩擦係数に応じた無段変速機14の目標変速比γtが演算される。従って、車両が減速され、無段変速機14の変速比γが増大されるべき状況において、エンジンブレーキに起因して左右前輪の減速スリップが過大になる虞れを効果的に低減することができる。
また、推定車体速度VbがVb1になった段階で低下される無段変速機14の目標変速比γtの低下量は、路面の摩擦係数の推定値μhが低いほど大きくなるよう、路面の摩擦係数の推定値μhに応じて可変設定される。よって、目標変速比γの低下量が不足したり過剰になったりすることを防止することができる。
また、推定車体速度VbがVb1になった後で推定車体速度VbがVb2になるまでの間も、推定車体速度Vbの低下につれて無段変速機14の目標変速比γtが漸次増大される。よって、推定車体速度VbがVb1になった後Vb2になるまでの間、推定車体速度Vbが低下しても無段変速機14の目標変速比γtが一定に維持される場合に比して、推定車体速度VbがVb2になった段階における目標変速比γtを高くすることができる。従って、目標変速比γtが一定に維持される場合に比して、車両の加速性能を高くすることができると共に、推定車体速度VbがVb2になった後の目標変速比γtの急激な増大変化量を低減することができる。
また、アンチスキッド制御が終了すると、無段変速機14の目標変速比γtは図3の実線のマップより演算されるようになる。従って、車速の低下に伴って無段変速機14の変速比γを確実に増大させて、車両の良好な加速性能を確保することができる。
なお、第一の実施形態においては、アンチスキッド制御の開始時及び終了時に目標変速比γtが段差的に変化する。よって、図8において仮想線にて示されている如く、アンチスキッド制御の開始及び終了に伴う目標変速比γtの変化が穏やかになるよう目標変速比γtが修正されてもよい。
また、路面の摩擦係数の推定値μhは、車両の推定前後加速度Gxhに対する推定車体加速度Vbdの比に基づいて演算されるようになっているが、推定車体加速度Vbdに基づいて演算されてもよい。
[第二の実施形態]
図4及び図5は、それぞれ本発明による車両の変速制御装置の第二の実施形態における深スリップ判定ルーチン及び変速比制御ルーチンを示すフローチャートである。
この第二の実施形態においては、深スリップ判定ルーチンが、図4に示されたフローチャートに従って図1に示された制動力制御装置54により達成される。また、変速比制御ルーチンが、図5に示されたフローチャートに従って図1に示された電子制御装置50により達成される。なお、深スリップ判定ルーチンも電子制御装置50により達成されてもよい。
深スリップ判定ルーチンのステップ110においては、図1には示されていない車輪速度センサにより検出された左右前輪の車輪速度VwflおよびVwfrを示す信号等の読み込みが行われる。
ステップ120においては、CaおよびCbを正の定数として、下記の式(1)に従って深スリップ判定の閾値Vwsが演算される。
Vws=Vb−(CaVb+Cb) …(1)
ステップ130においては、右前輪の車輪速度Vwfrが閾値Vwsよりも低いか、又は左前輪の車輪速度Vwflが閾値Vwsよりも低いか否かの判別、即ち、左右前輪の少なくとも一方の減速スリップが深スリップであるか否かの判別が行われる。そして、否定判別が行われたときにはステップ140においてフラグFdsが0にリセットされ、肯定判別が行われたときにはステップ150に於いてフラグFdsが1にセットされる。なお、フラグFdsの0は、減速スリップが深スリップではないことを示し、フラグFdsの1は、減速スリップが深スリップであることを示す。
また、図5に示された変速比制御ルーチンのステップ210においては、制動力制御装置54より入力されるフラグFdsを示す信号等の読み込みが行われる。
ステップ220においては、車両が減速中であるか否かの判別、即ち、ベルト式無段変速機14の変速比γが増大されるべき状況であるか否かの判別が行われる。そして、否定判別が行われたときには制御はステップ250へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ230へ進む。
ステップ230においては、フラグFdsが1であるか否かの判別、即ち、左右前輪の少なくとも一方の減速スリップが深スリップであるか否かの判別が行われる。そして、否定判別が行われたときには制御はステップ250へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ240へ進む。
ステップ240においては、無段変速機14の目標変速比γtが前回値γtfに設定されることにより、目標変速比γtは増減されることなく前回値に維持される。ステップ240が完了すると、制御はステップ290へ進む。
ステップ250においては、図3において実線にて示されたマップ、即ち、路面の摩擦係数μが通常の値であるときのマップより、推定車体速度Vbに基づいて無段変速機14の目標変速比γtが演算される。
ステップ260においては、ステップ250において演算された目標変速比γtと前回値γtfとの差Δγt(=γt−γtf)が演算される。
ステップ270においては、目標変速比の差Δγtが基準値γ0(正の定数)よりも大きいか否かの判別、即ち、目標変速比γtの増大を抑制すべき状況であるか否かの判別が行われる。そして、否定判別が行われたときには制御はステップ290へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ280へ進む。なお、基準値γ0は、フラグFdsが0で車両が減速する場合にはステップ270において否定判別が行われる値に設定されている。
ステップ280においては、目標変速比γtが前回値γtfと基準値γ0との和γtf+γ0に補正される。
ステップ290においては、無段変速機14の変速比γが目標変速比γtになるよう油圧制御回路42が制御されることにより、変速比の制御が実行される。
次に、左右前輪の少なくとも一方の減速スリップが深スリップであるか否かの場合に分けて、第二の実施形態の作動について説明する。
(B1)左右前輪の何れの減速スリップも深スリップではない場合
路面の摩擦係数が高く、車両が減速状態にあるが、前輪16L及び16Rの何れの減速スリップも深スリップではない場合には、ステップ230において否定判別が行われる。そして、ステップ250において、図3において実線にて示されたマップより推定車体速度Vbに基づいて無段変速機14の目標変速比γtが演算される。
また、フラグFdsは0であるので、車両が減速する場合にもステップ270において否定判別が行われる。よって、ステップ280による目標変速比γtの補正は行われず、ステップ290において、無段変速機14の変速比γはステップ250において演算された目標変速比γtになるよう制御される。
なお、路面の摩擦係数が高い状況であるので、車両が減速され、無段変速機14の変速比γが増大されても、エンジンブレーキに起因して左右前輪の減速スリップが過大になることはない。
(B2)左右前輪の少なくとも一方の減速スリップが深スリップである場合
車両が減速中であり、路面の摩擦係数が低く、前輪16L及び16Rの少なくとも一方の減速スリップが深スリップである場合には、ステップ230において肯定判別が行われる。そして、ステップ240において無段変速機14の目標変速比γtが前回値γtfに維持される。
例えば、図9に示されている如く、推定車体速度VbがVb1よりも高い値より漸次低下する状況を考える。推定車体速度VbがVb1になったときに左右前輪の少なくとも一方の減速スリップが深スリップになり、推定車体速度VbがVb1よりも低いVb2になったときに減速スリップが深スリップではなくなったとする。
図9に示されている如く、推定車体速度VbがVb1になる前は、無段変速機14の目標変速比γtは図3の実線のマップより演算される。しかし、推定車体速度VbがVb1になった後Vb2になるまでは、無段変速機14の目標変速比γtは推定車体速度VbがVb1になったときの値γt1に維持され、増大しない。
よって、車両が減速されている状況において左右前輪の少なくとも一方の減速スリップが深スリップである場合には、目標変速比γtが高い値になることが効果的に防止される。従って、車両が減速され、無段変速機14の変速比γが増大されるべき状況において、エンジンブレーキに起因して左右前輪の減速スリップが過大になる虞れを効果的に低減することができる。
また、左右前輪の何れの減速スリップも深スリップではなくなると、無段変速機14の目標変速比γtは図3の実線のマップより演算されるようになる。従って、車速の低下に伴って無段変速機14の変速比γを確実に増大させて、車両の良好な加速性能を確保することができる。
なお、この実施形態によれば、無段変速機14の目標変速比γtは、推定車体速度VbがVb2になった直後に、図3の実線のマップより演算されるのではなく、ステップ270及び280により漸次増大される。よって、推定車体速度VbがVb2になった直後に目標変速比γtがγt1からγt2へ段差的に変化することを防止し、目標変速比γtの増大変化を穏やかにすることができる。
なお、第二の実施形態においては、減速スリップが深スリップである間は無段変速機14の目標変速比γtは推定車体速度VbがVb1になったときの値γt1に維持され、増大しない。しかし、図9において仮想線にて示されている如く、減速スリップが深スリップである間も推定車体速度Vbの低下に伴って無段変速機14の目標変速比γtが漸次増大されてもよい。
この場合、補正係数Kaを0よりも大きく1よりも小さい値として、減速スリップが深スリップである間は無段変速機14の補正後の目標変速比γtaが下記の式(2)に従って演算され、その値が目標変速比γtとされてよい。
γta=γt1+Kaγt …(2)
[第三の実施形態]
図6は、本発明による車両の変速制御装置の第三の実施形態における変速比制御ルーチンを示すフローチャートである。
まず、ステップ310においては、左右前輪の減速スリップ率RsflおよびRsfrを示す信号等の読み込みが行われる。
ステップ320においては、図3において実線にて示されたマップ、即ち、路面の摩擦係数μが通常の値であるときのマップより、推定車体速度Vbに基づいて無段変速機14の目標変速比γtが演算される。
ステップ330においては、車両が減速中であるか否かの判別、即ち、ベルト式無段変速機14の変速比γが増大されるべき状況であるか否かの判別が行われる。そして、否定判別が行われたときには制御はステップ370へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ340へ進む。
ステップ340においては、左右前輪の減速スリップ率RsflおよびRsfrのうち大きい方の値を前輪の減速スリップ率Rsとして、Rsが基準値Rsc(正の定数)よりも大きいか否かの判別、即ち、ベルト式無段変速機14の変速比γの増大が抑制されるべき状況であるか否かの判別が行われる。そして、否定判別が行われたときには制御はステップ370へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ350へ進む。
なお、基準値Rscはアンチスキッド制御の開始基準値と同一であってもよいが、アンチスキッド制御の開始基準値と異なっていてもよい。また、基準値Rscとして、後述のステップ350および360による目標変速比γtの補正を開始するための基準値および目標変速比γtの補正を終了するための基準値が互いに異なる値に設定されてもよい。
ステップ350においては、前輪の減速スリップ率Rsに基づいて図7に示されたマップより補正係数Ks(1以下の正の値)が演算される。なお、補正係数Ksは、前輪の減速スリップ率Rsが基準値Rsc以下であるときには1に演算され、前輪の減速スリップ率Rsが基準値Rscよりも大きいときには、減速スリップ率Rsが大きいほど小さくなるよう演算される。
ステップ360においては、ステップ320において演算された目標変速比γtに補正係数Ksが乗算されることにより、目標変速比γtが積Ksγtに低減補正される。
ステップ370においては、無段変速機14の変速比γが目標変速比γtになるよう油圧制御回路42が制御されることにより、変速比の制御が実行される。
次に、前輪の減速スリップ率Rsが基準値Rscよりも大きいか否かの場合に分けて、第三の実施形態の作動について説明する。
(C1)前輪の減速スリップ率Rsが基準値Rsc以下である場合
路面の摩擦係数が高く、車両が減速状態にあるが、前輪16L及び16Rの減速スリップ率RsflおよびRsfrの何れも基準値Rsc以下である場合には、ステップ340において否定判別が行われる。よって、ステップ370において、無段変速機14の変速比γはステップ320において演算された目標変速比γt、即ち、図3の実線にて示されたマップより演算された目標変速比γtになるよう制御される。
なお、路面の摩擦係数が高い状況であるので、車両が減速され、無段変速機14の変速比γが増大されても、エンジンブレーキに起因して左右前輪の減速スリップが過大になることはない。
(C2)前輪の減速スリップ率Rsが基準値Rscよりも大きい場合
車両が減速中であり、路面の摩擦係数が低く、前輪16L及び16Rの減速スリップ率RsflおよびRsfrのうち大きい方の値Rsが基準値Rscよりも大きい場合には、ステップ340において肯定判別が行われる。そして、ステップ350において、前輪の減速スリップ率Rsに基づいて図7に示されたマップより補正係数Ksが演算され、ステップ360において、ステップ320において演算された目標変速比γtに補正係数Ksが乗算されることにより、目標変速比γtが積Ksγtに低減補正される。
例えば、図10に示されている如く、推定車体速度VbがVb1よりも高い値より漸次低下する状況を考える。推定車体速度VbがVb1になったときに前輪の減速スリップ率Rsが基準値Rscよりも大きくなり、推定車体速度VbがVb1よりも低いVb2になったときに前輪の減速スリップ率Rsが基準値Rsc以下になったとする。
図10に示されている如く、推定車体速度VbがVb1になる前は、無段変速機14の目標変速比γtは図3の実線のマップより演算される。しかし、推定車体速度VbがVb1になった後Vb2になるまでは、無段変速機14の目標変速比γtは図3の実線のマップより演算される値よりも小さい積Ksγtに設定される。
よって、車両が減速されている状況において前輪の減速スリップ率Rsが基準値Rscよりも大きい場合には、目標変速比γtが高い値になることが効果的に防止される。従って、車両が減速され、無段変速機14の変速比γが増大されるべき状況において、エンジンブレーキに起因して左右前輪の減速スリップが過大になる虞れを効果的に低減することができる。
また、この第三の実施形態によれば、推定車体速度VbがVb1になった後Vb2になるまでは、無段変速機14の目標変速比γtは積Ksγtに設定され、補正係数Ksは前輪の減速スリップ率Rsに基づいて図7に示されたマップより演算される。よって、前輪の減速スリップが過大にならないと共に、無段変速機14の目標変速比γtが必要以上に低減されないよう、前輪16L及び16Rの減速スリップ率RsflおよびRsfrのうち大きい方の値Rsに応じて適正に目標変速比γtを低減することができる。
また、この第三の実施形態によれば、アンチスキッド制御によって減速スリップ率Rsfl、Rsfrが低減されると、それに応じて目標変速比γtの低減量を漸次低減することができる。よって、推定車体速度VbがVb2になるときの値γt2に目標変速比γtを漸次近づけることができるので、推定車体速度VbがVb2になった段階で目標変速比γtが段差的に変化することを効果的に防止することができ、目標変速比γtの増大変化をも穏やかにすることができる。
また、前輪の減速スリップ率Rsが基準値Rsc以下になると、無段変速機14の目標変速比γtは図3の実線のマップより演算されるようになる。従って、車速の低下に伴って無段変速機14の変速比γを確実に増大させて、車両の良好な加速性能を確保することができる。
なお、基準値Rscがアンチスキッド制御の開始基準値より小さい値に設定されている場合であって、前輪の減速スリップ率Rsが基準値Rscよりも大きいがアンチスキッド制御の開始基準値より小さい場合には、アンチスキッド制御は開始されない。よって、前輪の減速スリップ率Rsはアンチスキッド制御によって低減されないので、前輪の減速スリップ率Rsが基準値Rscよりも大きい限り、目標変速比γtの低減補正が継続される。従って、この場合にも、車両が減速され、無段変速機14の変速比γが増大されるべき状況において、エンジンブレーキに起因して左右前輪の減速スリップが過大になる虞れを効果的に低減することができる。
以上においては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の各実施形態においては、無段変速機14はベルト式無段変速機であるが、無段変速機は摩擦式の無段変速機である限り、チェーン式無段変速機やトロイダル無段変速機であってもよい。
また、上述の各実施形態においては、無段変速機14の目標変速比γtは、推定車体速度Vbに基づいて演算されるようになっているが、例えば車速センサにより検出される車速に基づいて演算されてもよい。
また、上述の各実施形態においては、車両は前輪駆動車であるが、本発明が適用される車両は駆動源の回転駆動力が無段変速機を介して駆動輪へ伝達される限り、後輪駆動車や四輪駆動車であってもよい。
また、上述の第一の実施形態においては、前輪16L及び16Rの少なくとも一方がアンチスキッド制御中であるか否かによって無段変速機14の目標変速比γtを演算するためのマップが切替えられるようになっている。しかし、前輪16L及び16Rの少なくとも一方の減速スリップ率が基準値よりも大きいか否かによってマップが切替えられるよう修正されてもよい。また、路面の摩擦係数の推定値μhが高い値より低い値へ変化したときのマップの切替え、路面の摩擦係数の推定値μhが低い値より高い値へ変化したときのマップの切替えの一方が、減速スリップ率が基準値よりも大きいか否かによって行われてもよい。
また、上述の第二の実施形態においては、ステップ280において目標変速比γtが前回値γtfと基準値γ0との和γtf+γ0に補正される。しかし、左右前輪の何れの減速スリップも深スリップではなくなった直後に目標変速比γtが図3において実線にて示されたマップより演算される値に切り替えられるのではなく、その変化が穏やかにされる限り、目標変速比γtは任意の要領にて補正されてよい。
10…変速制御装置、12…エンジン、14…ベルト式無段変速機、18…トルクコンバータ、20…前後進切換装置、24…差動歯車装置、32…入力側プーリ装置、36…出力側プーリ装置、40…電子制御装置、52…エンジン制御装置、54…制動力制御装置

Claims (5)

  1. 駆動源の回転駆動力が無段変速機を介して駆動輪へ伝達される車両に適用され、車速が低下すると前記無段変速機の変速比を増大させる車両用無段変速機の変速制御装置に於いて、何れかの駆動輪の減速スリップが過大になる状況であるときには、何れかの駆動輪の減速スリップが過大になる状況ではないときに比して、車速の低下に伴う前記無段変速機の変速比の増大を抑制することを特徴とする車両用無段変速機の変速制御装置。
  2. 前記変速制御装置は、車速が低いほど目標変速比が高くなると共に、駆動輪の減速スリップが過大になる虞れが高いほど目標変速比が低くなるよう、車速及び駆動輪の減速スリップが過大になる虞れに応じて目標変速比を演算し、目標変速比に基づいて前記無段変速機の変速比を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用無段変速機の変速制御装置。
  3. 前記変速制御装置は、全ての駆動輪の減速スリップが過大ではないときには、車速が低いほど高くなるよう設定された通常時の目標変速比に基づいて前記無段変速機の変速比を制御し、何れかの駆動輪の減速スリップが過大であるときには、減速スリップが大きいほど前記通常時の目標変速比との差が大きくなるよう前記通常時の目標変速比よりも低い値に可変設定される非通常時の目標変速比に基づいて前記無段変速機の変速比を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用無段変速機の変速制御装置。
  4. 前記変速制御装置は、車速が低下する状況に於いて何れかの駆動輪の減速スリップが過大であるときには、前記無段変速機の変速比の増大率を低減することを特徴とする請求項1に記載の車両用無段変速機の変速制御装置。
  5. 前記変速制御装置は、前記無段変速機の変速比の増大率を低減している状況に於いて減速スリップが過大であった駆動輪の減速スリップが過大ではなくなったときには、前記変速比の増大率の低減を解除することを特徴とする請求項4に記載の車両用無段変速機の変速制御装置。
JP2013003909A 2013-01-11 2013-01-11 車両用無段変速機の変速制御装置 Pending JP2014134273A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013003909A JP2014134273A (ja) 2013-01-11 2013-01-11 車両用無段変速機の変速制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013003909A JP2014134273A (ja) 2013-01-11 2013-01-11 車両用無段変速機の変速制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014134273A true JP2014134273A (ja) 2014-07-24

Family

ID=51412703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013003909A Pending JP2014134273A (ja) 2013-01-11 2013-01-11 車両用無段変速機の変速制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014134273A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10408286B2 (en) 2017-09-25 2019-09-10 Hyundai Motor Company Method for preventing burst of clutch for vehicle

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61114146U (ja) * 1984-12-27 1986-07-18
JPH01303356A (ja) * 1988-05-31 1989-12-07 Aisin Aw Co Ltd 車輌用自動無段変速機における制御装置
JPH04365645A (ja) * 1991-01-31 1992-12-17 Nissan Motor Co Ltd 無段変速機の変速制御装置
JPH05172228A (ja) * 1991-12-20 1993-07-09 Mitsubishi Motors Corp 無断変速機の変速制御装置
JPH05172229A (ja) * 1991-12-20 1993-07-09 Mitsubishi Motors Corp 無断変速機の変速制御装置
JPH11325206A (ja) * 1998-05-19 1999-11-26 Fuji Heavy Ind Ltd 無段変速機の変速制御装置
JP2007309362A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Toyota Motor Corp 機器の操作装置
JP2010065748A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Nissan Motor Co Ltd 無段変速機の変速制御装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61114146U (ja) * 1984-12-27 1986-07-18
JPH01303356A (ja) * 1988-05-31 1989-12-07 Aisin Aw Co Ltd 車輌用自動無段変速機における制御装置
JPH04365645A (ja) * 1991-01-31 1992-12-17 Nissan Motor Co Ltd 無段変速機の変速制御装置
JPH05172228A (ja) * 1991-12-20 1993-07-09 Mitsubishi Motors Corp 無断変速機の変速制御装置
JPH05172229A (ja) * 1991-12-20 1993-07-09 Mitsubishi Motors Corp 無断変速機の変速制御装置
JPH11325206A (ja) * 1998-05-19 1999-11-26 Fuji Heavy Ind Ltd 無段変速機の変速制御装置
JP2007309362A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Toyota Motor Corp 機器の操作装置
JP2010065748A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Nissan Motor Co Ltd 無段変速機の変速制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10408286B2 (en) 2017-09-25 2019-09-10 Hyundai Motor Company Method for preventing burst of clutch for vehicle

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5712296B2 (ja) コーストストップ車両、及びその制御方法
JP6332196B2 (ja) 動力伝達装置の制御装置
JP5750162B2 (ja) 車両制御装置、及びその制御方法
CN107429828B (zh) 车辆用自动变速器的控制装置
US8948988B2 (en) Speed ratio control device of continuously variable transmission for vehicle
JP5728575B2 (ja) コーストストップ車両、及びその制御方法
JP5937627B2 (ja) 惰性走行制御装置及び惰性走行制御方法
JP6213502B2 (ja) 車両の制御装置
KR101818896B1 (ko) 차량 제어 장치 및 차량의 제어 방법
JP2010216571A (ja) ベルト式無段変速機の制御装置
JP5145407B2 (ja) 巻掛伝動装置における巻掛部材の張力設定のためのシステム
JP2008106896A (ja) ベルト式無段変速機搭載車両の制御装置
JP2014134273A (ja) 車両用無段変速機の変速制御装置
US10436312B2 (en) Control system for automatic transmission
JP2012225465A (ja) 車両制御装置
JP2002327835A (ja) 無段変速機の制御装置
JP5262867B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP6387121B2 (ja) 車両の駆動力制御装置
JP4411858B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP6006636B2 (ja) コーストストップ車両
JP2023170274A (ja) 車両の制御装置
KR102458756B1 (ko) 무단변속기 차량의 제어방법 및 제어장치
JP4284978B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP2009180271A (ja) 車両の変速制御装置及び変速制御方法
JP2016141384A (ja) フライホイール回生システム、及びその制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160906

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170228