JP6583083B2 - 油圧制御装置 - Google Patents

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本発明は、油圧制御装置に関する。
一般に、車両用の変速装置には、油圧駆動式の複数の変速用係合装置が備えられている。かかる変速装置では、複数の変速用係合装置のうちの例えば2つが選択的に係合されることによって、複数の変速段が選択的に形成される。この場合、複数の変速用係合装置のそれぞれに供給される油圧を制御するために、油圧制御装置が用いられる。
例えば特開2014−20442号公報(特許文献1)には、第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39の回転を一方向にのみ許容するワンウェイクラッチF1を備えた変速装置の各係合装置に対する供給油圧を制御する油圧制御装置が開示されている。特許文献1の油圧制御装置は、基本的に係合状態となるワンウェイクラッチF1と協働して、クラッチC1を係合状態として第1速段を形成する(特許文献1の図3を参照)。また、油圧制御装置は、クラッチC1及びクラッチC3を係合状態として第3速段を形成し、クラッチC3及びブレーキB2を係合状態として後進段を形成する。
ところで、変速装置の仕様によっては、ワンウェイクラッチF1が具備されずに、第1速段を形成するためにクラッチC1とブレーキB2とが係合状態とされる場合がある。このような場合には、例えば第1速段と第3速段との間の変速中に後進段を形成する2つの係合装置(クラッチC3及びブレーキB2)が何らかの理由により同時に係合してしまうと、車両の乗員が意図しないような大きな減速が生じる可能性がある。
上記のような不測の減速が生じないようにするためには、前進走行時に後進段を形成する2つの係合装置が同時に係合することを防止するフェールセーフ機能を、油圧制御装置に組み込むことが考えられる。かかる場合には、フェールセーフ機能を、通常の後進段の形成を妨げないように組み込む必要が当然にあるだけでなく、ガレージシフト時の応答性を損なわないように組み込むことが好ましい。しかしながら、このような課題に対して、特許文献1では何ら認識がされていなかった。
特開2014−20442号公報
第一係合装置と第二係合装置とを係合状態とすることで変速装置が後進段を形成し、第一係合装置と第三係合装置とを係合状態とすることで変速装置が第一前進段を形成し、第二係合装置と第三係合装置とを係合状態とすることで変速装置が第二前進段を形成するように構成された油圧制御装置において、前進走行時における不測の減速の発生を防止し、しかもガレージシフト時の応答性を良好に維持することが望まれる。
本開示に係る油圧制御装置は、
第一係合装置、第二係合装置、及び第三係合装置を含む油圧駆動式の複数の変速用係合装置を有する変速装置に供給する油圧を制御する油圧制御装置であって、
前記第一係合装置と前記第二係合装置とを係合状態とすることで前記変速装置が後進段を形成し、前記第一係合装置と前記第三係合装置とを係合状態とすることで前記変速装置が第一前進段を形成し、前記第二係合装置と前記第三係合装置とを係合状態とすることで前記変速装置が第二前進段を形成するように構成され、
前記第二前進段の形成時に、前記第二係合装置への供給油圧又はそれに比例する油圧が第一駆動圧として入力されることによって前記第一係合装置が係合状態となることを阻止するフェールセーフ弁と、
前記後進段の形成時に、前記フェールセーフ弁に対して前記第一駆動圧とは反対向きに作用する第二駆動圧を入力させることによって前記フェールセーフ弁のフェールセーフ機能を機能停止させる規制回路と、を備え、
前記後進段から前記第一前進段への切替時に、前記第二駆動圧の低下が前記第一駆動圧の低下に比べて遅くなるように制御する。
この構成によれば、第二前進段の形成時に、フェールセーフ弁により、当該第二前進段を形成するための第二係合装置への供給油圧に由来する第一駆動圧を利用して、第一係合装置が係合状態となることを阻止することができる。よって、第二前進段から第一前進段への変速時に、第一係合装置と第二係合装置とが同時に係合状態となることが回避されるので、車両の乗員が意図しないような大きな減速が生じることを防止できる。
油圧制御装置は、フェールセーフ弁と共に規制回路を備え、後進段の形成時には第二駆動圧の入力によってフェールセーフ機能を機能停止させるので、第一係合装置と第二係合装置との同時係合が許容されて後進段を適切に形成することができる。
さらに、後進段から第一前進段への切替時には、第二駆動圧に比べて第一駆動圧が先に低下するので、後進段の形成時の第一係合装置への油圧供給が継続されて、それと第三係合装置への油圧供給とによって迅速に第一前進段を形成することができる。よって、後進段から前進段へと切り替えるいわゆるガレージシフト時の応答性を良好に維持することができる。
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
第1の実施形態に係る変速装置の模式図 自動変速機構の作動表 油圧制御装置の回路図 第2の実施形態に係る油圧制御装置の回路図 ガレージシフト時の各係合装置への供給油圧を示すタイムチャート 別態様の油圧制御装置の回路図
〔第1の実施形態〕
油圧制御装置の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、車両用の変速装置100に備えられる油圧制御装置1を例として説明する。本実施形態の油圧制御装置1は、変速装置100(具体的には自動変速機構TM)に備えられる油圧駆動式の係合装置C1〜C4,B1,B2に供給される油圧を制御するために設けられている。
図1に示すように、変速装置100は、入力部材Iと、流体継手TCと、自動変速機構TMと、出力部材Oとを備えている。入力部材Iは、内燃機関(図示せず)に駆動力を伝達可能に連結(以下、単に「駆動連結」と言う。)されている。流体継手TCは、入力部材Iと自動変速機構TMとに駆動連結されている。本実施形態の流体継手TCは、例えば入力部材Iに駆動連結されたポンプインペラと、自動変速機構TMに駆動連結されたタービンランナと、これらの間に配置されたステータとを備えるトルクコンバータである。なお、流体継手TCは、ポンプインペラとタービンランナとだけを備えるフルードカップリングであっても良い。
本実施形態では、変速装置100は、係合状態で入力部材Iとタービンランナとを一体回転させるロックアップクラッチLUをさらに備えている。このロックアップクラッチLUの解放状態では、入力部材Iに入力される内燃機関のトルクが流体継手TCを介して自動変速機構TMに伝達される。ロックアップクラッチLUの係合状態では、入力部材Iに入力される内燃機関のトルクがそのまま自動変速機構TMに伝達される。また、変速装置100は、入力部材I及びポンプインペラに駆動連結された機械式のオイルポンプOPを備えている。オイルポンプOPは、入力部材Iに駆動連結された内燃機関のトルクによって駆動されて、ケース(駆動装置ケース)における鉛直下側に設けられたオイルパンから油(作動油、ATF;Automatic transmission fluid)を吸引して、所定圧に高めて吐出する。
本実施形態では、自動変速機構TMは、第一遊星歯車機構PG1と第二遊星歯車機構PG2とを含む。第一遊星歯車機構PG1は、本例ではダブルピニオン型の3要素(サンギヤ、キャリヤ、リングギヤ)の遊星歯車機構で構成されている。第二遊星歯車機構PG2は、本例ではラビニヨ型の4要素(第一サンギヤ、第二サンギヤ、共通キャリヤ、リングギヤ)の遊星歯車機構で構成されている。第一遊星歯車機構PG1及び第二遊星歯車機構PG2の各回転要素は、他の回転要素と一体回転し、或いは、クラッチ(変速用係合装置の一例)C1〜C4により他の回転要素と選択的に駆動連結され、或いは、ブレーキ(変速用係合装置の他の一例)B1,B2により非回転部材としてのケースに選択的に固定される。クラッチC1〜C4,ブレーキB1,B2の係合の状態(係合状態/解放状態)をそれぞれ個別に制御することにより、自動変速機構TMは、少なくとも、6つの前進段と1つの後進段と中立段とを形成可能となっている(図2を参照)。
ここで、一般的な自動変速機構TMにおいては、第二遊星歯車機構PG2の共通キャリヤが負回転することを規制するワンウェイクラッチが設けられていることが多い。これに対して、本実施形態の自動変速機構TMには、そのようなワンウェイクラッチが備えられていない。すなわち、本実施形態の変速装置100は、ワンウェイクラッチレスの自動変速機構TMを備えた変速装置として構成されている。
図2に示すように、後進段は第三クラッチC3と第二ブレーキB2との係合状態で形成される。中立段は、全てのクラッチC1〜C4,ブレーキB1,B2の解放状態、又は、第二ブレーキB2だけの係合状態で形成される。前進第1速段は第一クラッチC1と第二ブレーキB2との係合状態で形成される。前進第2速段は第一クラッチC1と第一ブレーキB1との係合状態で形成される。前進第3速段は第一クラッチC1と第三クラッチC3との係合状態で形成される。前進第4速段は第一クラッチC1と第四クラッチC4との係合状態で形成される。前進第5速段は第一クラッチC1と第二クラッチC2との係合状態で形成される。前進第6速段は第二クラッチC2と第四クラッチC4との係合状態で形成される。前進第1速段から前進第6速段は、記載の順に変速比(出力回転速度に対する入力回転速度の比)が段階的に小さくなるように設定されている。
なお、前進段/中立段/後進段は、車両に設けられた操作部(例えばシフトレバー等)に対する運転者の手動操作に基づいて切り替えられる。前進段における6つの変速段は、例えば予め記憶された変速マップと実際の車速及びアクセル開度とに応じて、自動で切り替えられる。
第二遊星歯車機構PG2のリングギヤに、出力部材Oが駆動連結されている。本実施形態では、出力部材Oは、図示が省略されたカウンタギヤ機構及び出力用差動歯車装置を介して、左右一対の車輪に駆動連結されている。
変速用係合装置であるクラッチC1〜C4,ブレーキB1,B2の係合の状態を個別に制御して特定の変速段(目標変速段)を形成可能とするため、油圧制御装置1が用いられている。油圧制御装置1は、オイルポンプOPから吐出される油を所定油圧に調整して、その調圧後の油圧を目標変速段に応じた変速用係合装置に供給する。なお、油圧を「調整する」とは、入力される油圧を低下させて出力する態様のみならず、入力される油圧をそのままの圧で出力する態様をも含む概念として用いる。
図3に、油圧制御装置1の油圧回路(具体的には、不図示のバルブボディに形成されている油圧回路)を、本開示に係る技術の要部に関わる部分のみを抜き出して模式的に示す。この図に示すように、油圧制御装置1は、レギュレータバルブ11と、マニュアルバルブ12と、リニアソレノイドバルブSL1〜SL6とを基本的な構成要素として備えている。また、本実施形態の油圧制御装置1は、これらの基本構成要素に加え、フェールセーフ弁20と、規制回路30と、電磁開閉弁40とをさらに備えている。
レギュレータバルブ11は、リリーフ形式の減圧弁で構成されており、オイルポンプOPから供給される油圧を調整してライン圧PLを生成する。レギュレータバルブ11は、例えばアクセル開度やスロットルバルブの開度等に応じてライン圧調整用リニアソレノイドバルブ(図示せず)で生成される信号圧に基づいて駆動され、車両の走行に好適な圧のライン圧PLを生成する。
マニュアルバルブ12は、運転者による操作部を通じた指令操作に応じて、レギュレータバルブ11から供給されるライン圧PLの供給経路を切り替える。マニュアルバルブ12は、例えば運転者によりDレンジ(ドライブレンジ)が選択されている場合には、入力ポート12aに供給されるライン圧PLを第一出力ポート12bからドライブレンジ圧PDとして出力する。また、マニュアルバルブ12は、例えば運転者によりRレンジ(リバースレンジ)が選択されている場合には、入力ポート12aに供給されるライン圧PLを第二出力ポート12cからリバースレンジ圧PRとして出力する。また、マニュアルバルブ12は、例えば運転者によりNレンジ(ニュートラルレンジ)が選択された場合には、第一出力ポート12bや第二出力ポート12cをドレンポート12dと連通させる。
なお、本実施形態では、DレンジとRレンジとを切り替える際には、必ずNレンジを経るように構成されている。このため、マニュアルバルブ12からドライブレンジ圧PDが出力されるDレンジとマニュアルバルブ12からリバースレンジ圧PRが出力されるRレンジとの切り替えに際しては、ドライブレンジ圧PDやリバースレンジ圧PRが少なくとも部分的にドレンされて一旦低下する状態を経ることになる。
第一リニアソレノイドバルブSL1は、ソレノイド部に印加される電流に応じて元圧としてのドライブレンジ圧PD(本例ではライン圧PLに等しい)を調整して、第一クラッチC1への供給油圧Psl1を生成する。同様に、第二リニアソレノイドバルブSL2は、元圧としてのドライブレンジ圧PDを調整して、第二クラッチC2への供給油圧Psl2を生成する。第三リニアソレノイドバルブSL3は、元圧としてのドライブレンジ圧PD又はリバースレンジ圧PR(本例ではライン圧PLに等しい)を調整して、第三クラッチC3への供給油圧Psl3を生成する。第四リニアソレノイドバルブSL4は、元圧としてのドライブレンジ圧PDを調整して、第四クラッチC4への供給油圧Psl4を生成する。第五リニアソレノイドバルブSL5は、元圧としてのドライブレンジ圧PDを調整して、第一ブレーキB1への供給油圧Psl5を生成する。第六リニアソレノイドバルブSL6は、元圧としてのライン圧PLを調整して、第二ブレーキB2への供給油圧Psl6を生成する。
本実施形態では、リニアソレノイドバルブSL1〜SL6で生成された供給油圧Psl1〜Psl6は、それぞれ対応するクラッチC1〜C4,ブレーキB1,B2に対して直接供給されるように構成されている。つまり、第一リニアソレノイドバルブSL1で生成された供給油圧Psl1が第一クラッチC1に直接供給され、第二リニアソレノイドバルブSL2で生成された供給油圧Psl2が第二クラッチC2に直接供給される。同様に、第三リニアソレノイドバルブSL3で生成された供給油圧Psl3が第三クラッチC3に直接供給され、第四リニアソレノイドバルブSL4で生成された供給油圧Psl4が第四クラッチC4に直接供給され、第五リニアソレノイドバルブSL5で生成された供給油圧Psl5が第一ブレーキB1に直接供給される。第六リニアソレノイドバルブSL6で生成された供給油圧Psl6は、基本的には、フェールセーフ弁20をそのまま通過して第二ブレーキB2に直接供給される。
別の観点から言及すると、本実施形態の油圧制御装置1は、例えば第三リニアソレノイドバルブSL3で生成された供給油圧Psl3の供給先を第三クラッチC3と第二ブレーキB2とのいずれかに切り替えるための切替バルブを備えていない。そしてそのような構成に代えて、第三クラッチC3への供給油圧Psl3を生成するための専用の第三リニアソレノイドバルブSL3と、第二ブレーキB2への供給油圧Psl6を生成するための専用の第六リニアソレノイドバルブSL6とが、個別に設けられている。
このようにリニアソレノイドバルブSL1〜SL6で生成された供給油圧Psl1〜Psl6がそれぞれ対応するクラッチC1〜C4,ブレーキB1,B2に直接供給される構成では、変速段の切り替えに際して3つの変速用係合装置が同時に係合する可能性がある。一例として、前進第3速段から前進第1速段への変速時には、第一クラッチC1を係合状態に維持したまま、第三クラッチC3を解放させて第二ブレーキB2を係合させる必要があるが、例えば第二ブレーキB2の係合に比べて第三クラッチC3の解放が遅れると、第一クラッチC1、第三クラッチC3、及び第二ブレーキB2が同時に係合する状態となる。
前進第3速段での走行中に第三クラッチC3と第二ブレーキB2とが同時に係合すると、変速装置100内に後進段の動力伝達経路が部分的に形成され、車両の乗員が意図しないような大きな減速が生じてしまう。そこで、本実施形態の油圧制御装置1は、第一クラッチC1及び第三クラッチC3の係合状態で実現される前進第3速段の形成時に、第二ブレーキB2がさらに係合状態となることを阻止するフェールセーフ弁20を備えている。本実施形態では、第二ブレーキB2が「第一係合装置CL1」に相当し、第三クラッチC3が「第二係合装置CL2」に相当し、第一クラッチC1が「第三係合装置CL3」に相当する。この場合、前進第1速段が「第一前進段」に相当し、前進第3速段が「第二前進段」に相当する。
フェールセーフ弁20は、スプール21と、スプリング22とを備えている。スプール21は、バルブボディ内に軸方向にスライド移動自在に配置されている。スプリング22は、バルブボディ内に配置されてスプール21を軸方向に付勢している。また、フェールセーフ弁20は、第一入力ポート20aと、第二入力ポート20bと、第三入力ポート20cと、出力ポート20dとを備えている。本実施形態において2つ一組の第一入力ポート20aは、油路を介して第六リニアソレノイドバルブSL6の出力ポートに連通している。第二入力ポート20bは、油路を介して第三リニアソレノイドバルブSL3の出力ポート及び第三クラッチC3の油圧サーボに連通している。第三入力ポート20cは、規制回路30に連通しているとともに、油路を介して後述する電磁開閉弁40の出力ポート40bに連通している。出力ポート20dは、油路を介して第二ブレーキB2の油圧サーボに連通している。
本実施形態では、フェールセーフ弁20の初期状態(以下、「第一状態」と言う。)は、スプリング22によってスプール21が図3における上方に付勢された、同図中左側半分の状態とされている。この第一状態では、スプール21により第一入力ポート20aと出力ポート20dとが連通されて、第六リニアソレノイドバルブSL6からの供給油圧Psl6が第二ブレーキB2の油圧サーボに供給可能となる。一方、フェールセーフ弁20は、第三リニアソレノイドバルブSL3からの供給油圧Psl3が信号圧(第一駆動圧)として第二入力ポート20bに入力されると、スプール21が図3における下方に移動し、同図中右側半分の状態(以下、「第二状態」と言う。)となる。この第二状態では、スプール21により第一入力ポート20aと出力ポート20dとの連通が遮断されて、第六リニアソレノイドバルブSL6からの供給油圧Psl6は第二ブレーキB2の油圧サーボに供給されなくなる。
こうしてフェールセーフ弁20は、第三リニアソレノイドバルブSL3からの供給油圧Psl3が第一駆動圧として入力されて実現される第二状態で、第六リニアソレノイドバルブSL6からの供給油圧Psl6を遮断する。そして、フェールセーフ弁20は、第一クラッチC1及び第三クラッチC3の係合状態で実現される前進第3速段の形成時に、第三クラッチC3への供給油圧Psl3によって第二状態となり、追加的に第二ブレーキB2が係合状態となることを阻止する。このようなフェールセーフ弁20を備えていることで、前進第3速段から前進第1速段への変速時に、車両の乗員が意図しないような大きな減速が生じるのを防止することが可能となっている。
ここで、後進段の形成時には、上述したように第三クラッチC3と第二ブレーキB2とが係合状態とされる。このため、後進段の形成時には、前進第3速段での走行中とは異なり、フェールセーフ機能を果たさない状態となるようにフェールセーフ弁20を制御する必要がある。つまり、第三リニアソレノイドバルブSL3からの供給油圧Psl3(具体的にはリバースレンジ圧PR)が入力されていても、第六リニアソレノイドバルブSL6からの供給油圧Psl6が第二ブレーキB2の油圧サーボに供給可能な状態となるように、フェールセーフ弁20を制御する必要がある。
そこで、本実施形態の油圧制御装置1は、後進段の形成時にフェールセーフ弁20のフェールセーフ機能を機能停止させる規制回路(フェールセーフ規制回路)30を備えている。本実施形態では、規制回路30は、フェールセーフ弁20のスプリング室に連通するように形成された第三入力ポート20cに対して、いつでもライン圧PLを供給し或いは遮断できる電磁開閉弁40を備えている。第三入力ポート20cに入力される規制回路30からのライン圧PLは、スプール21に対して、第二入力ポート20bに入力される第一駆動圧(第三リニアソレノイドバルブSL3からの供給油圧Psl3;リバースレンジ圧PR)とは反対向きに作用する。
規制回路30は、後進段の形成時に、第二駆動圧としてのライン圧PLを第三入力ポート20cに供給することで、スプール21を図3における上方に付勢して、フェールセーフ弁20を第一状態とする。こうして、リバースレンジの選択時には、規制回路30を働かせてフェールセーフ弁20のフェールセーフ機能を機能停止させ、第三クラッチC3と第二ブレーキB2とを同時に係合可能とすることで、後進段を適切に形成することができる。本実施形態では、レギュレータバルブ11の出力ポートとフェールセーフ弁20の第三入力ポート20cとを接続する油路(規制油路31)と、当該規制油路31に設けられた電磁開閉弁40とを含んで、規制回路30が構成されている。
ところで、このような電磁開閉弁40を備えず、フェールセーフ弁20の第三入力ポート20cに対して、マニュアルバルブ12の第二出力ポート12cからのリバースレンジ圧PRが供給される構成を想定し、さらにそのような構成において、後進段から前進第1速段へと切り替えるいわゆるガレージシフトの場面を想定する。この場合、フェールセーフ弁20の第二入力ポート20bに入力されていた第一駆動圧としてのリバースレンジ圧PRと、第三入力ポート20cに入力されていた第二駆動圧としてのリバースレンジ圧PRとがいずれもドレンされて低下する。これらの第一駆動圧と第二駆動圧とは競合的に低下し、仮に第二駆動圧の方が先に低下してしまうと、相対的に高圧に維持される第一駆動圧によってスプール21が図3における下方に付勢され、フェールセーフ弁20が第二状態となってしまう。フェールセーフ弁20の第二状態では、上述したように第六リニアソレノイドバルブSL6からの供給油圧Psl6が第二ブレーキB2の油圧サーボに供給されなくなるため、後進段の形成時からの第二ブレーキB2への油圧供給が途絶えてしまう。その結果、前進第1速段の実現が遅延してしまう。
これに対して、本実施形態の油圧制御装置1は、上述したように、規制回路30を構成する規制油路31に電磁開閉弁40を備えている。電磁開閉弁40は、電磁駆動式の開閉弁で構成されている。電磁開閉弁40は、駆動部41(具体的には、固定コアとそれに外装されたコイルとを備えたソレノイド部)と、駆動部41への通電状態に応じて軸方向に移動自在な可動コア42(具体的にはプランジャ)とを備えている。また、電磁開閉弁40は、ライン圧PLが入力される入力ポート40aと、当該ライン圧PLを出力する出力ポート40bとを備えている。入力ポート40aは、油路を介してレギュレータバルブ11の出力ポートに連通している。出力ポート40bは、規制油路31を介してフェールセーフ弁20の第三入力ポート20cに連通している。
電磁開閉弁40は、駆動部41への通電状態に応じてフェールセーフ弁20への第二駆動圧(本例ではライン圧PL)の出力の有無を切り替える。電磁開閉弁40は、例えば常閉型に構成することができ、この場合、駆動部41に通電されている状態でのみ、フェールセーフ弁20への第二駆動圧を出力する。但し、そのような構成に限定されることなく、電磁開閉弁40が常開型に構成され、駆動部41への通電が遮断されている状態でのみフェールセーフ弁20への第二駆動圧が出力されても良い。
本実施形態では、電磁開閉弁40は、後進段から前進第1速段への切り替えに際して、リバースレンジ圧PRの低下とは無関係に、フェールセーフ弁20の第三入力ポート20cに入力される第二駆動圧が所定圧を維持するように、ライン圧PLを出力する。電磁開閉弁40は、後進段から前進第1速段への切替時を含むそれ以後の所定時間、ライン圧PLを出力する。このようにして、電磁開閉弁40は、フェールセーフ弁20の第三入力ポート20cに入力される第二駆動圧の低下を遅延させる。すなわち、本実施形態の油圧制御装置1は、後進段から前進第1速段への切り替えが行われるガレージシフト時に、第二駆動圧(第三入力ポート20cに入力される油圧)の低下が、第一駆動圧(第二入力ポート20bに入力される油圧)の低下に比べて遅くなるように制御する。本実施形態では、電磁開閉弁40が「遅延用制御弁」に相当する。
第二駆動圧に比べて第一駆動圧が先に低下するので、後進段の形成時のフェールセーフ弁20の第一状態が維持され、第六リニアソレノイドバルブSL6からの供給油圧Psl6が第二ブレーキB2に対して継続的に供給される。よって、それと第一リニアソレノイドバルブSL1からの供給油圧Psl1の第一クラッチC1への供給とによって、迅速に前進第1速段を形成することができる。従って、ガレージシフト時の応答性を良好に維持することができる。
このように、本実施形態の油圧制御装置1によれば、後進段を適切に形成可能としつつ、前進走行時における不測の減速の発生を防止し、しかもガレージシフト時の応答性を良好に維持することができる。
〔第2の実施形態〕
油圧制御装置の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、後進段から前進第1速段への切替時に第二駆動圧の低下を第一駆動圧の低下に比べて遅らせるための具体的手法が、上述した第1の実施形態とは異なっている。以下、本実施形態に係る油圧制御装置1について、主に第1の実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、第1の実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図4に示すように、本実施形態の油圧制御装置1では、第三クラッチC3への供給油圧Psl3を制御する第三リニアソレノイドバルブSL3への供給油圧と、フェールセーフ弁20への第二駆動圧とが、いずれもリバースレンジ圧PRのみとなっている。すなわち、第三リニアソレノイドバルブSL3への供給油圧とフェールセーフ弁20への第二駆動圧とが、同じ元圧(リバースレンジ圧PR)から供給されている。本実施形態では、第三リニアソレノイドバルブSL3が「調圧弁」に相当する。
本実施形態では、図5に示すように、第三クラッチC3及び第二ブレーキB2の係合状態で実現される後進段の形成時に、第三クラッチC3への供給油圧Psl3と第二ブレーキB2への供給油圧Psl6とが異なる圧となるように制御される。より具体的には、第六リニアソレノイドバルブSL6から第二ブレーキB2へは、ライン圧PLに等しい供給油圧Psl6が供給される。これに対して、第三リニアソレノイドバルブSL3から第三クラッチC3へは、当該第三クラッチC3が非スリップ係合状態を維持可能な範囲内で、元圧としてのリバースレンジ圧PR(ライン圧PLに等しい)よりも低圧の供給油圧Psl3が供給される。
なお、「非スリップ係合状態」とは、第三クラッチC3において互いに摩擦係合される摩擦プレートどうしが、スリップすることなく(差回転を有することなく)係合する状態を意味する。第三クラッチC3を含む摩擦係合装置は、油圧サーボに供給された油圧に応じた係合圧で摩擦プレートどうしが互いに押し付けられ、係合圧に応じた伝達トルク容量を生じさせる。例えば、「伝達トルク容量=X1」を生じさせている摩擦係合装置に「X1」以下のトルクが伝達されてもその摩擦係合装置はスリップせず「非スリップ係合状態」が維持される。一方、「伝達トルク容量=X1」を超えるトルクが伝達された場合、その摩擦係合装置はスリップする。すなわち、第三クラッチC3が非スリップ係合状態を維持可能な範囲内とは、その時点で第三クラッチC3に伝達される可能性がある最大トルクよりも大きい伝達トルク容量を、第三クラッチC3が生じさせるような供給油圧Psl3の範囲内のことである。
本実施形態では、規制回路30は、第三リニアソレノイドバルブSL3とフェールセーフ弁20とを接続する油路に、アキュムレータ50を備えている。アキュムレータ50は、油圧を蓄えておく装置(蓄圧器)であり、例えば後進段の形成時に、第三リニアソレノイドバルブSL3及びフェールセーフ弁20に供給されるリバースレンジ圧PRを蓄圧する。その後、後進段から前進第1速段への切り替えに際して、元圧としてのリバースレンジ圧PRが低下したときに、アキュムレータ50は、それまでに蓄圧していた油圧を、第三リニアソレノイドバルブSL3に供給するとともに第二駆動圧としてフェールセーフ弁20に入力する。
このため、後進段から前進第1速段への切替時に、元圧としてのリバースレンジ圧PRがそれ自体は低下する場合であっても、アキュムレータ50から補填される油圧により、第三リニアソレノイドバルブSL3への供給油圧及びフェールセーフ弁20への第二駆動圧を高く維持することができる。フェールセーフ弁20への第二駆動圧を高く維持することで、後進段の形成時のフェールセーフ弁20の第一状態が維持され、第六リニアソレノイドバルブSL6から第二ブレーキB2への油圧供給を適切に継続させることができる。
アキュムレータ50からの油圧もその後次第に低下するが、本実施形態では第三クラッチC3への供給油圧Psl3が第三リニアソレノイドバルブSL3によって予めリバースレンジ圧PRよりも低下されている。このため、第三クラッチC3への供給油圧Psl3を前もってリバースレンジ圧PRよりも低下させるというフライング効果によって、第一駆動圧を第二駆動圧に比べて早期に低下させることができる。なお、本実施形態の第三リニアソレノイドバルブSL3は、第一駆動圧として機能する第三クラッチC3への供給油圧Psl3を予め低下させることによって、第二駆動圧の低下を相対的に遅延させる。この意味で、本実施形態では、「調圧弁」としての第三リニアソレノイドバルブSL3は、「遅延用制御弁」を兼用している。
第一駆動圧が先に低下すれば、その後もフェールセーフ弁20の第一状態が維持されるので、第二ブレーキB2への油圧供給を適切に継続させることができる。よって、それと第一リニアソレノイドバルブSL1からの供給油圧Psl1の第一クラッチC1への供給とによって、迅速に前進第1速段を形成することができる。従って、本実施形態でも、ガレージシフト時の応答性を良好に維持することができる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の各実施形態では、リニアソレノイドバルブSL1〜SL6やフェールセーフ弁20に、ライン圧PL又はそれに等しいドライブレンジ圧PD又はリバースレンジ圧PRが供給される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えばライン圧PLよりも低圧のモジュレータ圧又はそれに等しいドライブレンジ圧PD又はリバースレンジ圧PRが、リニアソレノイドバルブSL1〜SL6やフェールセーフ弁20に供給されても良い。この場合、油圧制御装置1は、レギュレータバルブ11とマニュアルバルブ12との間に、レギュレータバルブ11から供給されるライン圧PLを調整してモジュレータ圧を生成するモジュレータバルブを備えると良い。
(2)上記の各実施形態では、第三リニアソレノイドバルブSL3からの供給油圧Psl3がそのまま第一駆動圧としてフェールセーフ弁20の第二入力ポート20bに入力される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば第三リニアソレノイドバルブSL3からの供給油圧Psl3が調圧(減圧)され、当該供給油圧Psl3に比例する油圧が第一駆動圧としてフェールセーフ弁20の第二入力ポート20bに入力されても良い。
(3)上記第1の実施形態では、遅延用制御弁としての電磁開閉弁40が、通電状態に応じてフェールセーフ弁20への第二駆動圧の出力の有無を切り替える構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、電磁開閉弁40に代えて、例えばパイロット圧の入力状態に応じてフェールセーフ弁20への第二駆動圧の出力の有無を切り替える油圧駆動式の開閉弁を用いても良い。
(4)上記の各実施形態では、フェールセーフ弁20が、前進第3速段の形成時に第三クラッチC3への供給油圧Psl3によって第二状態となり、追加的に第二ブレーキB2が係合状態となることを阻止する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図6に示すように、フェールセーフ弁20が、前進第一速段の形成時に第二ブレーキB2への供給油圧Psl6によって第二状態となり、追加的に第三クラッチC3が係合状態となることを阻止するように設けられても良い。
かかる構成では、フェールセーフ弁20は、前進第1速段の形成時に、第二ブレーキB2への供給油圧Psl6又はそれに比例する油圧が第一駆動圧として入力されることによって第三クラッチC3が係合状態となることを阻止する。規制回路30は、後進段の形成時に、フェールセーフ弁20に対して第一駆動圧とは反対向きに作用する第二駆動圧を入力させることによってフェールセーフ弁20のフェールセーフ機能を機能停止させる。油圧制御装置1は、後進段から前進第3速段への切替時に、第二駆動圧の低下が第一駆動圧の低下に比べて遅くなるように制御する。本例では、第三クラッチC3が「第一係合装置CL1」に相当し、第二ブレーキB2が「第二係合装置CL2」に相当し、第一クラッチC1が「第三係合装置CL3」に相当する。また、前進第3速段が「第一前進段」に相当し、前進第1速段が「第二前進段」に相当する。
(5)上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
〔実施形態の概要〕
以上をまとめると、本開示に係る油圧制御装置は、好適には、以下の各構成を備える。
第一係合装置(CL1)、第二係合装置(CL2)、及び第三係合装置(CL3)を含む油圧駆動式の複数の変速用係合装置を有する変速装置(100)に供給する油圧を制御する油圧制御装置(1)であって、
前記第一係合装置(CL1)と前記第二係合装置(CL2)とを係合状態とすることで前記変速装置(100)が後進段(R)を形成し、前記第一係合装置(CL1)と前記第三係合装置(CL3)とを係合状態とすることで前記変速装置(100)が第一前進段(1st,3rd)を形成し、前記第二係合装置(CL2)と前記第三係合装置(CL3)とを係合状態とすることで前記変速装置(100)が第二前進段(3rd,1st)を形成するように構成され、
前記第二前進段(3rd,1st)の形成時に、前記第二係合装置(CL2)への供給油圧(Psl3,Psl6)又はそれに比例する油圧が第一駆動圧として入力されることによって前記第一係合装置(CL1)が係合状態となることを阻止するフェールセーフ弁(20)と、
前記後進段(R)の形成時に、前記フェールセーフ弁(20)に対して前記第一駆動圧とは反対向きに作用する第二駆動圧を入力させることによって前記フェールセーフ弁(20)のフェールセーフ機能を機能停止させる規制回路(30)と、を備え、
前記後進段(R)から前記第一前進段(1st,3rd)への切替時に、前記第二駆動圧の低下が前記第一駆動圧の低下に比べて遅くなるように制御する。
この構成によれば、第二前進段(3rd,1st)の形成時に、フェールセーフ弁(20)により、当該第二前進段(3rd,1st)を形成するための第二係合装置(CL2)への供給油圧(Psl3,Psl6)に由来する第一駆動圧を利用して、第一係合装置(CL1)が係合状態となることを阻止することができる。よって、第二前進段(3rd,1st)から第一前進段(1st,3rd)への変速時に、第一係合装置(CL1)と第二係合装置(CL2)とが同時に係合状態となることが回避されるので、車両の乗員が意図しないような大きな減速が生じることを防止できる。
油圧制御装置(1)は、フェールセーフ弁(20)と共に規制回路(30)を備え、後進段(R)の形成時には第二駆動圧の入力によってフェールセーフ機能を機能停止させるので、第一係合装置(CL1)と第二係合装置(CL2)との同時係合が許容されて後進段(R)を適切に形成することができる。
さらに、後進段(R)から第一前進段(1st,3rd)への切替時には、第二駆動圧に比べて第一駆動圧が先に低下するので、後進段(R)の形成時の第一係合装置(CL1)への油圧供給が継続されて、それと第三係合装置(CL3)への油圧供給とによって迅速に第一前進段(1st,3rd)を形成することができる。よって、後進段(R)から前進段へと切り替えるいわゆるガレージシフト時の応答性を良好に維持することができる。
一態様として、
前記第二駆動圧の低下を相対的に遅延させる遅延用制御弁(40,SL3)を備えることが好ましい。
この構成によれば、後進段(R)から第二前進段(3rd,1st)への切替時に、遅延用制御弁(40,SL3)によって第二駆動圧の低下を相対的に遅延させることで、第一係合装置(CL1)への油圧供給を適切に継続させることができる。よって、遅延用制御弁(40)の追加という油圧制御装置(1)の構造の軽微な改変によって、ガレージシフト時の応答性を良好に維持することができる。或いは、油圧制御装置(1)に通常具備される制御弁の1つ(SL3)を利用して、ガレージシフト時の応答性を良好に維持することができる。
一態様として、
前記遅延用制御弁(40,SL3)は、駆動部への通電状態に応じて前記フェールセーフ弁(20)への前記第二駆動圧の出力の有無を切り替える電磁駆動式の開閉弁(40)であることが好ましい。
この構成によれば、開閉弁(40)の駆動部への通電状態を切り替えるだけで、フェールセーフ弁(20)に対して第二駆動圧を入力する状態と、入力しない状態とを簡単に切り替えることができる。よって、遅延用制御弁(40)に対する簡単な通電制御によって第二駆動圧の低下を容易に遅延させることができ、第一係合装置(CL1)への油圧供給を適切に継続させることができる。
一態様として、
前記第二係合装置(CL2)への供給油圧(Psl3,Psl6)を制御する調圧弁(SL3,SL6)を備え、
前記調圧弁(SL3,SL6)への供給油圧と前記フェールセーフ弁(20)への前記第二駆動圧とが同じ元圧から供給され、
前記規制回路(30)は、前記調圧弁(SL3,SL6)と前記フェールセーフ弁(20)とを接続する油路にアキュムレータ(50)を含み、前記アキュムレータ(50)から供給される油圧を前記第二駆動圧として前記フェールセーフ弁(20)に入力し、
前記後進段(R)の形成時に、前記調圧弁(SL3,SL6)により、前記第二係合装置(CL2)への供給油圧(Psl3,Psl6)を当該第二係合装置(CL2)が非スリップ係合状態を維持可能な範囲内で前記元圧よりも低下させることが好ましい。
この構成によれば、後進段(R)の形成時から第二係合装置(CL2)への供給油圧(Psl3,Psl6)を予め低下させておくことで、その後、第一前進段(1st,3rd)に切り替えられる際に、第二係合装置(CL2)への供給油圧(Psl3,Psl6)に由来する第一駆動圧を早期に低下させることができる。また、調圧弁(SL3,SL6)とフェールセーフ弁(20)とを接続する油路に設けられるアキュムレータ(50)からの供給油圧を第二駆動圧として利用することで、後進段(R)から第一前進段(1st,3rd)への切替時に、元圧が低下する場合であっても第二駆動圧を高く維持することができる。これらの協働により、第一係合装置(CL1)への油圧供給を適切に継続させることができる。よって、第二係合装置(CL2)への供給油圧(Psl3,Psl6)を制御する調圧弁(SL3,SL6)の機能を利用しつつ、アキュムレータ(50)を追加するという油圧制御装置(1)の構造の軽微な改変と第二係合装置(CL2)への供給油圧(Psl3,Psl6)の制御態様の軽微な改変とによって、ガレージシフト時の応答性を良好に維持することができる。
本開示に係る油圧制御装置は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができれば良い。
1 油圧制御装置
20 フェールセーフ弁
30 規制回路
40 電磁開閉弁(電磁駆動式の開閉弁、遅延用制御弁)
41 駆動部
50 アキュムレータ
100 変速装置
C1 第一クラッチ(変速用係合装置)
C2 第二クラッチ(変速用係合装置)
C3 第三クラッチ(変速用係合装置)
C4 第四クラッチ(変速用係合装置)
B1 第一ブレーキ(変速用係合装置)
B2 第二ブレーキ(変速用係合装置)
CL1 第一係合装置
CL2 第二係合装置
CL3 第三係合装置
SL3 第三リニアソレノイドバルブ(調圧弁、遅延用制御弁)

Claims (4)

  1. 第一係合装置、第二係合装置、及び第三係合装置を含む油圧駆動式の複数の変速用係合装置を有する変速装置に供給する油圧を制御する油圧制御装置であって、
    前記第一係合装置と前記第二係合装置とを係合状態とすることで前記変速装置が後進段を形成し、前記第一係合装置と前記第三係合装置とを係合状態とすることで前記変速装置が第一前進段を形成し、前記第二係合装置と前記第三係合装置とを係合状態とすることで前記変速装置が第二前進段を形成するように構成され、
    前記第二前進段の形成時に、前記第二係合装置への供給油圧又はそれに比例する油圧が第一駆動圧として入力されることによって前記第一係合装置が係合状態となることを阻止するフェールセーフ弁と、
    前記後進段の形成時に、前記フェールセーフ弁に対して前記第一駆動圧とは反対向きに作用する第二駆動圧を入力させることによって前記フェールセーフ弁のフェールセーフ機能を機能停止させる規制回路と、を備え、
    前記後進段から前記第一前進段への切替時に、前記第二駆動圧の低下が前記第一駆動圧の低下に比べて遅くなるように制御する油圧制御装置。
  2. 前記第二駆動圧の低下を相対的に遅延させる遅延用制御弁を備える請求項1に記載の油圧制御装置。
  3. 前記遅延用制御弁は、駆動部への通電状態に応じて前記フェールセーフ弁への前記第二駆動圧の出力の有無を切り替える電磁駆動式の開閉弁である請求項2に記載の油圧制御装置。
  4. 前記第二係合装置への供給油圧を制御する調圧弁を備え、
    前記調圧弁への供給油圧と前記フェールセーフ弁への前記第二駆動圧とが同じ元圧から供給され、
    前記規制回路は、前記調圧弁と前記フェールセーフ弁とを接続する油路にアキュムレータを含み、前記アキュムレータから供給される油圧を前記第二駆動圧として前記フェールセーフ弁に入力し、
    前記後進段の形成時に、前記調圧弁により、前記第二係合装置への供給油圧を当該第二係合装置が非スリップ係合状態を維持可能な範囲内で前記元圧よりも低下させる請求項1に記載の油圧制御装置。
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