JP6579798B2 - ヒータ、及びこれを備えた画像加熱装置 - Google Patents

ヒータ、及びこれを備えた画像加熱装置 Download PDF

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Description

本発明はシート上の画像を加熱するヒータ、及びこれを備えた画像加熱装置に関する。この画像加熱装置は、例えば、複写機、プリンタ、ファックス、及びこれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置に用いられる。
従来より、画像形成装置では、シート上にトナーの画像を形成して、これを定着装置により加熱、加圧することでシートに画像を定着させている。このようにして用いる定着装置としては、可撓性を有する薄肉のベルトの内面に発熱体(ヒータ)を当接させてベルトに熱を与える方式の定着装置が提案されている(特許文献1)。このような定着装置は構成が低熱容量であるため、定着処理のための温度の立ち上げを素早く行うことができる。
また、特許文献1には、基板の長手方向に沿って延びる発熱体に接続されるように基板の長手方向に並ぶ複数の電極を備えたヒータの構成が開示されている。このヒータは極性の異なる電極が発熱体上に交互に並ぶため、隣り合う電極間において発熱体に電流が流れる。詳細には、一方の極側の電極は、発熱体よりも基板の短手方向の一端側に設けられた配線に接続されており、他方の極側の電極は、発熱体よりも基板の短手方向の他端側に設けられた配線に接続されている。そのため、これらの配線間に電圧が印加されると、発熱体は長手方向の全域において発熱する。
特開平6−250539号公報
しかしながら、特許文献1に記載の定着装置は、発熱体の発熱に発熱ムラについて改善の余地がある。上述したように、この定着装置では、ヒータの長手方向の一端側(外側)から配線間に電圧を印加している。ところが、このような配線は少なからず抵抗を有しており、配線間に印加された電圧は基板の他端側に向かうにつれて降下してしまう。つまり、この発熱体は長手方向の一端側に比べて他端側の発熱量が低下する。したがって、このヒータを備えた定着装置を用いてシート上の画像に定着処理を施した場合、画像にグロスむら等の画像不良が発生する虞がある。そのため、配線間に電圧を印加して発熱体を発熱させるヒータは、発熱ムラの発生が抑制可能な構成のヒータであることが望ましい。
本発明の目的は、発熱ムラの発生が抑制されたヒータを提供することである。
発明の他の目的は、ヒータの発熱ムラの発生が抑制された画像加熱装置を提供することである。
本発明は、一方の端子と他方の端子を備えた給電部と接続可能なヒータであって、基板と、前記基板上に設けられ、前記一方の端子側に電気的に接続可能な第1の接点部と、前記基板上に設けられ、前記他方の端子側に電気的に接続可能な第2の接点部と、前記基板上に設けられ、前記他方の端子側に電気的に接続可能な第3の接点部と、前記基板の長手方向に延びて設けられ、前記第1の接点部と電気的に接続される第1の配線と、前記基板の長手方向に延びて設けられ、前記第2の接点部と電気的に接続される第2の配線と、前記基板の長手方向に延びて設けられ、前記第3の接点部と電気的に接続される第3の配線と、前記第1の配線を介して前記第1の接点部と電気的に接続される複数の電極である第1の電極群と、前記基板の長手方向に関して間隔を空けて前記第1の電極群の電極と交互に並ぶように配置された複数の電極であって、前記第2の配線を介して前記第2の接点部と電気的に接続される電極と前記第3の配線を介して前記第3の接点部と電気的に接続される電極とを含む複数の電極である第2の電極群と、隣り合う前記第1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極の間を電気的に接続し、隣り合う前記第1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極の間において前記基板の長手方向に電流が流れるように、隣り合う前記第1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極の間に設けられ、隣り合う前記第1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極の間での電流により発熱する複数の発熱部と、を有し、前記第1の接点部は、前記複数の発熱部よりも前記基板の長手方向の一端側に近い領域に設けられ、前記第2の接点部及び前記第3の接点部は、前記複数の発熱部よりも前記基板の長手方向の他端側に近い領域に設けられ、前記第1の配線は、前記複数の発熱部よりも前記基板の短手方向の一端側に近い領域に設けられており、前記第2の配線および前記第3の配線は、前記複数の発熱部よりも前記基板の短手方向の他端側に近い領域に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、発熱ムラの発生が抑制されたヒータを提供できる。
本発明によれば、ヒータの発熱ムラの発生が抑制された画像加熱装置を提供できる。
実施例1における画像形成装置の断面図である。 実施例1における画像加熱装置の断面図である。 実施例1における画像加熱装置の正面図である。 実施例1におけるヒータの構成図である。 実施例1における画像加熱装置の構成関係を説明する説明図である。 コネクタについて説明する説明図である。 コネクタについて説明する説明図である。 実施例1における電気接点の配置図である。 実施例2における画像加熱装置の構成関係を説明する説明図である。 実施例2における電気接点の配置図である。 実施例3における画像加熱装置の構成関係を説明する説明図である。 実施例3における電気接点の配置図である。 (a)は、ヒータ600に用いる発熱方式を説明する説明図であり、(b)は、ヒータ600に用いる発熱領域の切り替え方式を説明する説明図である。 比較例のヒータの構成図である。 比較試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明に係る実施の形態について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、以下の実施例では、画像形成装置について、電子写真プロセスを利用したレーザービームプリンタを例に説明する。以降の説明において、このレーザービームプリンタをプリンタ1と呼ぶ。
[画像形成部]
図1は、本実施例の画像形成装置であるプリンタ1の断面図である。プリンタ1は、画像形成部10において感光ドラム11に形成したトナー画像をシートPに転写して、定着装置40でシートPに画像を定着させて、シートPに画像を形成する画像形成装置である。以下、図1を用いてその構成を詳細に説明する。
図1に示すように、プリンタ1は、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色のトナー画像を形成する画像形成部(画像形成ステーション)10を備えている。画像形成部10は図1の左側から順にY、M、C、Bkの各色に対応した4つの感光ドラム11(11Y、11M、11C、11Bk)を備えている。また、各感光ドラム11の周囲には同様の構成として以下が配置されている。帯電器12(12Y、12M、12C、12Bk)。露光装置13(13Y、13M、13C、13Bk)。現像装置14(14Y、14M、14C、14Bk)。一次転写ブレード17(17Y、17M、17C、17Bk)。クリーナ15(15Y、15M、15C、15Bk)。以後、Bk色のトナー画像を形成する構成について代表して説明し、他色に対応した構成については同一の記号を用いて記載してその説明を省略する。したがって、特に区別のない場合には上述した構成を次のように表記する。つまり、単に感光ドラム11、帯電器12、露光装置13、現像装置14、一次転写ブレード17、クリーナ15と称する。
電子写真感光体としての感光ドラム11は駆動源(不図示)によって矢印方向(図1中の反時計回り方向)に回転駆動する。感光ドラム11の周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電器12、露光装置13、現像装置14、一次転写ブレード17、クリーナ15が配置されている。
感光ドラム11は、帯電器12によってその表面をあらかじめ帯電される。その後、感光ドラム11は、画像情報に応じてレーザ光を照射する露光装置13によって露光され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置14によってBk色のトナー画像になる。このとき他の色についても同様の工程がおこなわれる。そして、各感光ドラム11上のトナー画像は、一次転写ブレード17によって、中間転写ベルト31に順次一次転写される。一次転写後、感光ドラム11に転写されず残ったトナーは、クリーナ15によって除去される。こうして、感光ドラム11の表面は清浄になり、次の画像形成が可能な状態となる。
一方、給送カセット20又はマルチ給送トレイ25に置かれたシートPは、給送機構(不図示)によって1枚ずつ送り出されてレジストローラ対23に送り込まれる。シートPとは、その表面に画像が形成される部材である。シートPの具体例として、普通紙、厚紙、樹脂製のシート状部材、オーバーヘッドプロジェクター用フィルムなどがある。レジストローラ対23は、シートPを一旦止めて、シートPが搬送方向に対して斜行している場合はその向きを真っ直ぐに直す。そして、レジストローラ対23は、中間転写ベルト31上のトナー画像と同期を取って、シートPを中間転写ベルト31と二次転写ローラ35との間に送り込む。ローラ35は、ベルト31上のカラーのトナー画像をシートPに転写する。その後、シートPは定着装置(画像加熱装置)40に向かって送り込まれる。そして、定着装置40は、シートP上のトナー画像Tを加熱、加圧してシートPに定着する。
[定着装置]
次に、プリンタ1に用いられる画像加熱装置である定着装置40について説明する。図2は、定着装置40の断面図である。図3は、定着装置40の正面図である。図5は、定着装置40の構成関係を説明する説明図である。
定着装置40は、ヒータユニット60(以後、ユニット60と呼ぶ)によってシート上の画像を加熱する画像加熱装置である。ユニット60は、可撓性の薄肉の定着ベルト603を、ベルト603の内面に当接するヒータ600によって加熱する低熱容量な構成となっている。そのため、ベルト603を効率よく加熱することができ、定着開始時の立ち上げ性能に優れている。図2に示すように、ベルト603がヒータ600と加圧ローラ70(以後、ローラ70と呼ぶ)に挟持されるとニップ部Nが形成される。そして、ベルト603は矢印方向(時計回り、図2)に、ローラ70は矢印方向(反時計回り、図2)に回転して、ニップ部Nに給送されたシートPを挟持して搬送する。このとき、ヒータ600の熱がベルト603を介してシートPに付与されるため、シートP上のトナー画像Tはニップ部Nにて加熱・加圧されてシートPに定着される。定着ニップ部Nを通過したシートPはベルト603から分離され排出される。本実施例では、上述のようにして定着処理が行われる。以下、定着装置40の構成について図面を用いて詳細に説明する。
ユニット60は、シートP上の画像を加熱・加圧する為のユニットである。ユニット60は、その長手方向がローラ70の長手方向と平行となるように設けられている。ユニット60は、ヒータ600と、ヒータホルダ601と、支持ステー602と、ベルト603を備えている。
ヒータ600は、ベルト603の内面に摺動可能に当接してベルト603を加熱する加熱部材である。また、ヒータ600は、ニップ部Nの幅が所望の幅となるように、ベルト603をその内面側からローラ70に向けて押圧する。ヒータ600の形状は、幅(図2の左右方向長さ)5〜20mm、長手方向長さ(図2の奥手前方向長さ)350〜450mm、厚み0.5〜2mmの板状の部材である。ヒータ600はシートPの搬送方向に直交する方向(シートPの幅方向)を長手とする基板610と、抵抗発熱体620(以後、発熱体620と呼ぶ)を備えている。
ヒータ600は、ヒータホルダ601の下面にヒータホルダ601の長手方向に沿って固定されている。なお、本実施例では、基板610の裏面側(ベルト603と摺動しない面側)に発熱体620を設けているが、これを基板610の表面側(ベルト603と摺動する面側)に設けてもよい。しかしながら、発熱体620の非発熱部によってベルト603に与える熱にムラが生じないように、基板610の均熱効果が得られる基板610の裏面側に発熱体620を設ける構成が望ましい。ヒータ600の詳細は後述する。
ベルト603は、シート上の画像をニップ部Nにて加熱する円筒状(エンドレス状)のベルト(フィルム)である。ベルト603としては、例えば、基材603a上に弾性層603bを設け、弾性層603b上に離型層603cを設けたものが用いられる。基材603aとしては、ステンレスやニッケル等の金属材料や、ポリイミド等の耐熱樹脂などが用いられる。弾性層603bとしては、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性及び耐熱性を有する材料を用いることができる。離型層603cとしては、フッ素樹脂やシリコーン樹脂を用いることが出来る。
本実施例のベルト603は、外径φ約30mm、長手方向(幅方向、図2中の奥手前方向)の長さは約330mm、厚み約30μmの円筒状のニッケル部材を基材603aとして用いている。そして、この基材603a上に厚み約400μmのシリコーンゴムの弾性層603bを形成し、さらに、厚み約20μmのフッ素樹脂チューブ(離型層603c)を弾性層603b上に被覆している。
なお、ベルト603との接触面側の基板610には摺動層603dとして、厚さ約10μmのポリイミド層を設けてもよい。ポリイミド層を設けた場合、定着ベルト603とヒータ600の間の摺擦抵抗を低減してベルト603内面の磨耗を抑制することができる。さらに摺動性を高める場合は、ベルト内面にグリス等の潤滑剤を塗布するとよい。
ヒータホルダ601(以後、ホルダ601と呼ぶ)は、ヒータ600をベルト603の内面に向かって押圧した状態で保持する部材である。また、ホルダ601は、横断面(図2の面)が半円弧形状であり、ベルト603の回転軌道を規制する機能を備えている。ホルダ601には、耐熱性の樹脂等が用いられる。本例では、デュポン社のゼナイト7755(商品名)を使用した。
支持ステー602は、ホルダ601を介してヒータ600を支持する。支持ステー602は高い圧力を掛けられても撓みにくい材質であることが望ましく、本実施例においてはSUS304(ステンレス鋼)を使用した。
図3に示すように、支持ステー602は、その長手方向の両端部において、左右のフランジ411a、411bに支持されている。以後、フランジ411a、411bを総称してフランジ411と呼ぶ。フランジ411は、ベルト603の長手方向の移動、および周方向の形状を規制している。フランジ411には耐熱性の樹脂等が用いられる。本実施例ではPPS(ポリフェニレンサルファイド)を使用した。
フランジ411aと加圧アーム414aとの間には加圧バネ415aが縮められた状態で設けられている。フランジ411bと加圧アーム414bとの間にも加圧バネ415bが縮められた状態で設けられている。加圧バネ415a、415bを総称して加圧バネ415と呼ぶ。このような構成により、フランジ411、支持ステー602を介して、加圧バネ415の弾性力がヒータ600に伝わる。そして、ベルト603がローラ70の上面に対して所定の押圧力で加圧され、所定幅のニップ部Nが形成される。本実施例に於ける加圧力は一端側が約156.8N、総加圧力が約313.6N(32kgf)である。
図3に示すように、コネクタ部としてのコネクタ700a、700bは、ヒータ600に給電を行うためにヒータ600と電気的に接続する給電部材である。以後、コネクタ700a、700bを総称してコネクタ700と呼ぶ。コネクタ700aは、ヒータ600の長手方向一端側に着脱可能に取り付けられる。コネクタ700bは、ヒータ600の長手方向他端側に着脱可能に取り付けられる。コネクタ700はヒータ600に対して簡便に着脱可能に設けられているため、定着装置40の組立や、ベルト603やヒータ600が破損した際の交換を容易に行うことができ、メンテナンス性に優れている。コネクタ700の詳細は後述する。
図2に示すように、ローラ70は、ベルト603の外面に当接することでベルト603と協働してニップ部Nを形成するニップ形成部材である。ローラ70には、金属製の芯金71上に弾性層72が、弾性層72上に離型層73が順に積層した多層構造となっている。芯金71の材料の例としてはSUS(ステンレス鋼)、SUM(硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材)、Al(アルミニウム)等が挙げられる。弾性層72の材料の例としては弾性ソリッドゴム層、弾性スポンジゴム層、あるいは弾性気泡ゴム層が挙げられる。離型層73の材料の例としてはフッ素樹脂材料が挙げられる。
本実施例のローラ70は、鉄製の芯金71と、芯金71上の発泡シリコーンゴムの弾性層72と、弾性層72上のフッ素樹脂チューブの離型層73とを備えた構成となっている。また、ローラ70の弾性層72及び離型層73を有する部分の寸法は、外径φ約25mm、長さ約330mmである。
サーミスタ630は、ヒータ600の裏面側(摺動面とは反対側)に設置された温度センサである。サーミスタ630は、発熱体620とは絶縁された状態でヒータ600に接着されている。サーミスタ630は、ヒータ600の温度を検知する機能を担っている。図5に示すように、サーミスタ630は、A/Dコンバータ(不図示)を介して制御回路100に接続しており、検知した温度に応じた出力を制御回路100に送信する。
制御回路100は、各種制御に伴う演算を行うCPUと、各種プログラムを記憶したROM等の不揮発媒体を備えた回路である。このROMにはプログラムが記憶されており、CPUがこれを読みだして実行することで、各種制御を実行する。なお、制御回路100としては、同様の機能を果たせばASIC等の集積回路などでもよい。
図5に示すように、制御回路100は、電源110の通電内容を制御するように電源110と電気的に接続されている。また、制御回路100は、サーミスタ630の出力を取得するようにサーミスタ630に電気的に接続されている。
制御回路100はサーミスタ630から取得した温度情報を電源110の通電制御に反映させている。つまり、制御回路100は、サーミスタ630の出力をもとに、電源110を介してヒータ600へ供給する電力を制御している。本実施例では、制御回路100が電源110の出力の波数制御を行うことで、ヒータ600の発熱量を調整する。このような制御をおこなうことで、ヒータ600は定着を行う所定の温度(例えば、約180℃)で一定に維持される。
図3に示すように、ローラ70の芯金71は、側板41の奥側と手前側の軸受け41a、41bを介して回転可能に保持されている。また、芯金71の軸線方向の一方側の端部にはギアGが設けられており、モータMの駆動力をローラ70の芯金71に伝達する。図2に示すように、モータMからの駆動力が伝達されたローラ70は矢印方向(時計回り)に回転駆動する。そして、ニップ部Nにてローラ70を介してベルト603に駆動力を伝達することで、ベルト603を矢印方向(反時計回り)に従動回転させる。
モータMは、ギアGを介してローラ70を駆動する駆動手段である。図5に示すように、制御回路100はモータMの通電を制御するためにモータMに電気的に接続されている。制御回路100によって通電が行われると、モータMはギアGの回転(駆動)を開始する。
制御回路100はモータMの回転制御を行っている。制御回路100は、モータMを介してローラ70とベルト603を所定の速度で回転させる。そして、定着処理の実行にともないニップ部Nにて狭持搬送するシートPの速度が、所定のプロセススピード(例えば約200[mm/sec])となるように調整する。
[ヒータ]
次に、定着装置40に用いられるヒータ600についてその構成を詳細に説明する。図4は、実施例1におけるヒータの構成図である。図6は、コネクタ700について説明する説明図である。図13(a)は、ヒータ600に用いる発熱方式を説明する説明図である。図13(b)は、ヒータ600に用いる発熱領域の切り替え方式を説明する説明図である。
本実施例のヒータ600は、図13(a)、(b)に示す発熱方式を用いるヒータである。図13(a)に示すように、A配線には第1電極〜第3電極が接続されており、B配線には第4電極〜第6電極が接続されている。A配線に接続される電極とB配線に接続される電極は長手方向(左右方向、図13(a))に交互に並べて配置されており、各電極の間には通電によって発熱する発熱体が接続されている。A配線とB配線の間に電圧Vが印加されると、隣り合う電極の間には電位差が生じる。そして、図中の矢印で示すように、隣り合う発熱体で流れる電流の向きが互い違いとなるように、各発熱体に電流が流れる。本方式のヒータはこのように発熱を行う。また、図13(b)に示すように、B配線と第6電極の間にスイッチ等を設けてB配線と第6電極の接続を切断したとき、第2電極と第3電極は同電位であるので、その間の発熱体には電流が流れなくなる。本方式では、長手方向に並べられた発熱体のそれぞれに個別に通電が行われるため、このようにして配線の接続の一部を切断することで、複数の発熱体の一部だけを発熱させることができる。つまり本方式では配線間にスイッチ等を設けることで発熱領域を切り替えることができる。ヒータ600は、上述した方式を用いて発熱体620の発熱領域を切り替え可能に構成している。
発熱体は通電が行われるのであれば電流の向きに関係なく発熱するが、本方式のように長手方向に沿った向きに電流が流れるように発熱体と電極を配置することが好ましい。なぜならば、本方式では、発熱体に流れる電流が短手方向(長手方向と直交する方向、図13(a)において上下方向)に沿った向きとなるように電極を配置する構成と比べて次のような利点があるからである。発熱体に通電してジュール発熱をさせる場合、発熱体はその抵抗値に応じた発熱を行うため、発熱体は抵抗値が所望の値となるように流す電流の向きに応じて寸法、材質が設計される。このとき、発熱体を設ける基板の寸法は、長手方向に比べて短手方向が非常に短い。そのため、短手方向に電流を流す場合、低抵抗の材料を用いて発熱体に所望の抵抗値を持たせることは困難である。一方で、長手方向に電流を流す場合、低抵抗の材料を用いて発熱体に所望の抵抗値を持たせることは比較的に容易である。また、発熱体に高抵抗の材料を用いる場合、発熱体の厚みムラにより通電時に温度ムラを招く虞がある。例えば、スクリーン印刷等によって基板の長手方向に沿って発熱体材料を塗布する場合、その短手方向において5%程度の厚みムラを生じることがある。これは、ヘラ状の部材の短手方向の微少な圧力差によって発熱体材料の塗りムラを生じるためである。したがって、本方式のように長手方向に通電するように発熱体と電極を配置する構成が好ましい。
また、長手方向に並べられた発熱体のそれぞれに個別に通電を行う場合、本方式のように隣り合う発熱体で流れる電流の向きが互い違いとなるように発熱体と電極を配置することが好ましい。発熱体と電極の他の配置方法としては、両端が電極に接続された複数の発熱体を、長手方向に並べて配置して、長手の同一方向に通電する方法が考えられる。しかしながらこの方法では隣り合う発熱体間に2つの電極が配置されるため、短絡の虞がある。また、求められる電極の数が増え、隣り合う発熱体間において大きな非発熱部を生じてしまう。そのため、本方式のように隣り合う発熱体で間に位置する電極を兼用するように発熱体と電極を配置することが望ましい。この配置方法により、電極間での短絡の虞を解消し、また、隣り合う発熱体間の非発熱部を小さくすることができる。
なお、本実施例では、図13(a)のA配線に相当するものが共通配線640であり、B配線に相当するものが対向配線650、660a、660bである。また、図13(a)の第1〜第3電極に相当するものが共通電極642a〜642gであり、第4〜第6電極に相当するものが、対向電極652a〜652d、662a、662bである。また、図13(a)の発熱体に相当するものが、発熱体620a〜620lである。以後、共通電極642a〜642gを総称して共通電極642と呼ぶ。対向電極652a〜652eを総称して対向電極652と呼ぶ。対向電極662a〜662bを総称して対向電極662と呼ぶ。対向配線660a、660bを総称して対向配線660と呼ぶ。発熱体620a〜620lを総称して発熱体620と呼ぶ。以下、ヒータ600の構成について図面を用いて詳細に説明する。
図4及び図6に示すように、ヒータ600は、基板610と、基板610上の発熱体620と導体のパターン(配線)と、発熱体620と導体のパターン(配線)を覆う絶縁コート層680を備えている。
基板610は、ヒータ600の寸法や形状を決定する部材であり、ベルト603の長手方向に沿って当接可能な部材である。基板610の材料には、耐熱性・熱伝導性・電気絶縁性などに優れたアルミナ・窒化アルミ等のセラミック材料が用いられる。本実施例ではベルト603の長手方向に実質沿った長手方向(左右方向、図4)長さが約400mm、短手方向(上下方向、図4)長さ約8mm、厚さ約1mmのアルミナの板部材を用いている。
基板610の裏面上(基板上)には、導電厚膜ペーストを用いて厚膜印刷法(スクリーン印刷法)によって発熱体620と導体パターン(配線部)が形成されている。本実施例では、導体パターンには抵抗率が低くなるように銀ペーストが用いられており、発熱体620には抵抗率が高くなるように銀−パラジウム合金のペーストが用いられている。また、発熱体620と導体のパターンは、図6に示すように、耐熱性ガラスからなる絶縁コート層680によって被覆されており、リークやショートが生じないように電気的に保護されている。
図4に示すように、基板610の長手方向の一端側610aには、導体パターンの一部としての電気接点641が設けられている。基板610の長手方向の他端側610bには、導体パターンの一部としての電気接点651、661a、661bが設けられている。基板610の長手方向の中央領域610cには、発熱体620と導体パターンの一部としての共通電極642と対向電極652、662が設けられている。発熱体620よりも基板610の短手方向の一端側610dには、導体パターンの一部としての共通配線640が設けられている。発熱体620よりも基板610の短手方向の他端側610eには、導体パターンの一部としての対向配線650、660が設けられている。
発熱体620(620a〜620l)は、通電によってジュール熱を生じる抵抗体である。発熱体620は、基板610上にその長手方向に沿った1つの発熱体として形成されており、基板610の略中央付近の領域610c(図4)に配置されている。発熱体620は抵抗値が所望の値となるように、幅(基板610の短手方向長さ)1〜4mm、厚み5〜20μmに調整されている。本実施例の発熱体620は、幅約2mm、厚み約10μmである。また、発熱体620の長手方向の総長さは約320mmであり、A4サイズ(幅約297mm)のシートPを加熱可能な長さを十分に有する。
発熱体620上には後述する7本の共通電極642a〜642gが長手方向に間隔をあけて並べて積層されている。換言すると、発熱体620は共通電極642a〜642gによって長手方向に6つの区間に区切られている。基板610の長手方向に沿った各区間の長さは約53.3mmである。さらに、発熱体620の長手方向における各区間の中央部には6本の対向電極652、662(652a〜652d、662a、662b)の1つがそれぞれ積層されている。こうして、発熱体620は合計12の小区間に区切られる。12の小区間に区切られた発熱体620は複数の発熱体620a〜620lとみなすことができる。別の見方をすれば、複数の発熱体620a〜620lは、隣り合う電極同士を電気的に接続しているといえる。なお基板610の長手方向に沿った小区間の長さは約26.7mmである。また、発熱体620の小区間の長手方向の抵抗値は約120Ωである。このような構成により、発熱体620は、その長手方向において部分的に発熱することができる。
なお、発熱体620は長手方向の抵抗率は均一となるように形成されており、各発熱体620a〜620lは略等しい寸法となっている。そのため、各発熱体620a〜620lの抵抗値は実質的に等しい。したがって、給電時に並列に接続される場合、発熱体620の発熱分布は均一となる。しかしながら、各発熱体620a〜620lは必ずしも略等しい寸法、略等しい抵抗率となっていなくてもよい。例えば、発熱体620aと620lの抵抗値を調整して発熱体620の端部での温度ダレを防止してもよい。なお、発熱体620上の共通電極642及び対向電極652、662が形成された位置はほぼ発熱しない。しかしながら、基板610の均熱作用があるため、電極の太さを1mm以下に抑えることで、定着処理への影響は無視できる程度となる。本実施例の各電極の太さは1mm以下となっている。共通電極642(642a〜642g)は、上述した導体パターンの一部である。共通電極642は、発熱体620の長手方向と直交するように基板610の短手方向に沿って設けられる。本実施例では、共通電極642は発熱体620上に積層するように設けられている。共通電極642は、本実施例では、発熱体620に接続すれた電極のうち、発熱体620の長手方向一端から奇数番目に位置する各電極である。共通電極642は、後述する共通配線640等を介して、電源110の一方側の端子110aに接続される。
対向電極652、662は、上述した導体パターンの一部である。対向電極652、662は、発熱体620の長手方向と直交するように基板610の短手方向に沿って設けられる。対向電極652、662は発熱体620上に積層するように設けられている。対向電極652、662は発熱体620に接続された電極のうち、上述した共通電極642以外の電極である。つまり、本実施例では、発熱体620の長手方向一端から偶数番目に位置する各電極である。
つまり、共通電極642と対向電極662、652は発熱体の長手方向に交互に並べて配置されている。対向電極652、662は、後述する対向配線650、660等を介して、電源110の他方側の端子110bに接続される。
共通電極642及び、対向電極652、662は発熱体620に給電する為の電極部として機能を有する。
なおここでは、発熱体620の長手方向一端から奇数番目を共通電極642、発熱体620の長手方向端部から偶数番目を対向電極652、662として説明したが、ヒータ600はこの構成には限られない。例えば、発熱体620の長手方向一端から偶数番目を共通電極642、発熱体620の長手方向端部から奇数番目を対向電極652、662としてもよい。
また、本実施例では、発熱体620に接続された全ての対向電極うちの4つを対向電極652として設けている。また、発熱体620に接続された全ての対向電極うちの2つを対向電極662として設けている。しかしながら、対向電極の割り振りは本実施例の構成には限られず、ヒータ600が対応する発熱幅に応じて適宜変更してよい。例えば、対向電極652を2つ、対向電極662を4つとしてもよい。
共通配線640は、上述した導体パターンの一部である。共通配線640は、基板の一端側610dにおいて基板610の長手方向に沿って基板の一端側610aへと延びている。共通配線640は発熱体620(620a〜620l)に接続された共通電極642(642a〜642g)に接続されている。また、共通配線640は後述する電気接点641に接続されている。本実施例では、絶縁コート層680によって確実に絶縁されるように共通配線640と各対向電極との間に約400μmの間隔を設けている。
対向配線650は、上述した導体パターンの一部である。対向配線650は基板の他端側610eにおいて基板610の長手方向に沿って基板の他端側610bへと延びている。対向配線650は発熱体620(620c〜620j)に接続された対向電極652(652a〜652d)に接続されている。また、対向配線650は後述する電気接点651に接続されている。
対向配線660(660a、660b)は、上述した導体パターンの一部である。対向配線660aは基板の他端側610eにおいて基板610の長手方向に沿って基板の他端側610bへと延びている。対向配線660aは発熱体620(620a、620b)に接続された対向電極662aに接続されている。また、対向配線660aは、後述する電気接点661aに接続されている。対向配線660bは基板の他端側610eにおいて基板610の長手方向に沿って基板の他端側610bへと延びている。対向配線660bは発熱体620(620k、620l)に接続された対向電極662bに接続されている。また、対向配線660bは、後述する電気接点661bに接続されている。本実施例では、絶縁コート層680によって確実に絶縁されるように対向配線660bと共通電極642の間に約400μmの間隔を設けている。また、対向配線660aと650の間及び対向配線600bと650の間には約100μmの間隔が設けられている。
電気接点641、651、661a、661bは、上述した導体パターンの一部である。基板の一端側610aには電気接点641が設けられている。基板の他端側610bには、電気接点651、661a、661bが設けられている。図6に示すように、基板610上において、電気接点641、651、661a、661bのある部位には絶縁コート層680が設けられておらず電気接点641、651、661a、661bは露出した状態となっている。そのため、電気接点641はコネクタ700aと接触してコネクタ700aに電気的に接続可能である。電気接点651、661a、661bは、コネクタ700bと接触してコネクタ700bと電気的に接続可能である。
ヒータ600にコネクタ700が接続されて、電気接点641と電気接点651の間に電圧が印加された場合、共通電極642(642b〜642f)と対向電極652(652a〜652d)の間に電位差が生じる。そのため、発熱体620c、620d、620e、620f、620g、620h、620i、620jにおいて、基板610の長手方向に沿った電流が隣り合う発熱体で互い違いの向き(実質互いに逆向き)に流れる。そして、第1の発熱領域としての発熱体620c、620d、620e、620f、620g、620h、620i、620jがそれぞれ発熱する。
ヒータ600にコネクタ700が接続されて、電気接点641と電気接点661aの間に電圧が印加された場合、共通電極642a、642bと対向電極662aの間に電位差が生じる。そのため、発熱体620a、620bにおいて、基板610の長手方向に沿った電流が隣り合う発熱体で互い違いの向きに流れる。そして、第2の発熱領域としての発熱体620a、620bがそれぞれ発熱する。
ヒータ600にコネクタ700が接続されて、電気接点641と電気接点661bの間に電圧が印加された場合、共通配線640及び対向配線660bを介して、共通電極642f、642gと対向電極662bの間に電位差が生じる。そのため、発熱体620k、620lにおいて、基板610の長手方向に沿った電流が隣り合う発熱体で互い違いの向きに流れる。そして、第3の発熱領域としての発熱体620k、620lがそれぞれ発熱する。
このように、ヒータ600は電圧をかける電気接点を選択することで、発熱体620a〜620lの中から発熱させたい発熱体に選択的に通電することができる。
[コネクタ]
次に、定着装置40に用いられるコネクタ700についてその構成を詳細に説明する。図7は、コンタクト端子710について説明する説明図である。本実施例のコネクタ700a及び700bはヒータ600に取り付けられることでヒータ600に電気的に接続される。詳細には、図6に示すように、コネクタ700aは、電気接点641に接触して電気的に接続が可能なコンタクト端子710を備えている。コンタクト端子710はハウジング750よってその周囲を被われている。コネクタ700bは、電気接点661aに接触して電気的に接続可能なコンタクト端子720aと、電気接点661bに接触して電気的に接続可能なコンタクト端子720bと、電気接点651に接触して電気的に接続可能なコンタクト端子730を備えている。コンタクト端子720a、720b、730はハウジング750bによって一体にまとめられている。そして、ヒータ600の表裏面を挟みこむようにしてコネクタ700a、700bがヒータ600に取り付けられることで、各コンタクト端子が各電気接点に接続される。このような構成である本実施例の定着装置40では、コネクタと電気接点の接続に半田付け等を用いない。そのため、定着処理の実行に伴い温度上昇するヒータ600とコネクタ700との間の接続を高い信頼性で維持することができる。また、本実施例の定着装置40では、コネクタ700がヒータ600に対して着脱可能であるため、ベルト603やヒータ600の交換を容易に行うことが出来る。以下、コネクタ700の構成について図面を用いて詳細に説明する。
図6に示すように、金属製のコンタクト端子710を備えたコネクタ700aは、基板の一端側610aにおいて、基板610に短手方向端部からヒータ600に取り付けられる。コンタクト端子720b、730を備えたコネクタ700bは、基板の他端側610bにおいて、基板610に長手方向端部からヒータ600に取り付けられる。
なお、上述したベルト603やヒータ600の交換は、コネクタ700aを着脱して行うとよい。なぜならば、コネクタ700aはコンタクト端子を一つ(単一)しか持たないため、ヒータ600に対する取り付け位置に多少の誤差が生じても、電気接点641以外の電気接点に接続する(短絡を生じる)虞が無いからである。つまり、本実施例の構成によれば、ヒータ600に対するコネクタ700aの着脱を安全に行うことができる。以下、コネクタ700の構成について図面を用いて詳細に説明する。
各コンタクト端子710、720a、720b、730についてコンタクト端子710を例に説明する。コンタクト端子710は、電気接点641と後述するSW643を電気的につなぐ部材である。図7に示すように、コンタクト端子710は電気接点641に接触するための電気接点711と、SW643に接続するためのケーブル712を備えている。コンタクト端子710はコの字の形状をしており、図6の矢印方向に移動させることでコの字の形状の隙間にヒータ600を差し込むことができる。コンタクト端子710の電気接点641と接触する個所には電気接点711が設けてあり、この電気接点711が電気接点641と接触することで電気接点641とコンタクト端子710が電気的に接続される。電気接点711は板バネ性を有しているため押圧しながら電気接点641と接触する。そのため、コンタクト端子710はヒータ600を挟み込んでその位置を固定することが出来る。
同様に、コンタクト端子720aは、電気接点661aと後述するSW663を電気的につなぐ部材である。コンタクト端子720aは電気接点661aに接触するための電気接点721aと、SW663に接続するためのケーブル722aを備えている。
同様に、コンタクト端子720bは、電気接点661bと後述するSW663を電気的につなぐ部材である。コンタクト端子720bは電気接点661bに接触するための電気接点721bと、SW663に接続するためのケーブル722bを備えている。
同様に、コンタクト端子730は、電気接点651と後述するSW653を電気的につなぐ部材である。コンタクト端子730は電気接点651に接触するための電気接点731と、SW653に接続するためのケーブル732を備えている。
金属製のコンタクト端子710は樹脂製のハウジング750aに一体に保持されている。コンタクト端子710は、コネクタ700aをヒータ600に取り付ける際に、電気接点641に接続可能にハウジング750a内に配置されている。
また、金属製のコンタクト端子720a、720b、730は樹脂製のハウジング750bに一体に保持されている。コンタクト端子720b、720b、730は、コネクタ700bをヒータ600に取り付ける際に、電気接点661a、661b、651にそれぞれ接続されるようにハウジング750b内において間隔をあけて並べて配置されている。各コンタクト端子間には隔壁が設けられており、各コンタクト端子間の電気的な絶縁性が保たれている。
なお、上述した説明では、コネクタ700を基板610の短手方向端部から取り付ける例について説明したが、コネクタ700の基板610への取り付け方はこれのみには限られない。たとえば、コネクタ700を基板の長手方向端部から取り付ける構成であってもよい。
[ヒータへの給電]
次に、ヒータ600への給電方法について説明する。本実施例の定着装置40は、シートPの幅サイズに応じてヒータ600への給電を制御することで、ヒータ600の発熱領域の幅サイズを変更可能である。このような構成により、シートPに効率よく熱を供給することができる。なお、本実施例の定着装置40は、中央基準でシートPを搬送するため、発熱領域も中央を基準して広がっている。以下、ヒータ600への給電について図面を用いて詳細に説明する。
給電部としての電源110は、ヒータ600に電力を供給する機能を有する回路である。本実施例の電源110は、単相交流の実効値約100Vの商用電源(交流電源)を用いた交流回路である。本実施例の電源110は、電位の異なる電源端子110aと電源端子110bとを備えている。なお、ヒータ600に電力を供給する機能を有していれば、電源110は直流電源であってもよい。
図5に示すように、制御回路100は、SW643、SW653、SW663をそれぞれ制御するためにSW643、SW653、SW663にそれぞれ電気的に接続されている。
SW643は、電源端子110aと電気接点641の間に設けられたスイッチ(リレー)である。SW643は、制御回路100からの指示に応じて、電源端子110aと電気接点641を接続するか否か(ON/OFF)の切り替えを行う。SW653は、電源端子110bと電気接点651の間に設けられたスイッチである。SW653は、制御回路100からの指示に応じて、電源端子110bと電気接点651を接続するか否かの切り替えを行う。SW663は、電源端子110bと電気接点661(661a、661b)の間に設けられたスイッチである。SW663は、制御回路100からの指示に応じて、電源端子110bと電気接点661(661a、661b)を接続するか否かの切り替えを行う。
制御回路100は、ジョブの実行指示の受信にともない、定着処理に使用されるシートPの幅サイズ情報を取得する。そして、シートPの幅サイズ情報に応じてSW643、SW653、SW663のON/OFFの組みあわせを制御し、発熱体620の発熱幅が、シートPを加熱処理するのに適した発熱幅となるように制御する。このとき、制御回路100、電源110、SW643、SW653、SW663、コネクタ700は、ヒータ600に給電する給電手段として機能する。
シートPが大サイズ(幅広、装置に使用可能な最大サイズ)の場合、たとえばA3サイズを縦送りするシートPや、A4サイズを横送りするシートPの場合、シートPの幅サイズは約297mmとなる。そのため、制御回路100は、発熱体620を発熱幅B(図5)まで発熱させる制御を行う。したがって、制御回路100はSW643、SW653、SW663のすべてをON状態とする。その結果、ヒータ600には電気接点641、661a、661b、651から給電が行われ、発熱体620の12の小区間全てが発熱する。このときヒータ600は、約320mmの領域が均一に発熱するので、約297mmのシートPを加熱するのに適している。
シートPのサイズが小サイズ(装置に使用可能な最大サイズよりも幅狭なサイズ)の場合、たとえばA4サイズを縦送りするシートPや、A5サイズを横送りするシートPの場合、シートPの幅サイズは約210mmとなる。そのため、制御回路100は、発熱体620を発熱幅A(図5)まで発熱させる制御を行う。したがって、制御回路100はSW643、SW663をON状態にしてSW653をOFF状態にする。その結果、ヒータ600には電気接点641、651から給電が行われ、発熱体620の12の小区間のうち8の小区間が発熱する。このときヒータ600は、約213mm領域が均一に発熱するので、約210mmのシートPを加熱するのに適している。
[電気接点の配置]
次に、本実施例における電気接点の配置について説明する。図8は、本実施例における電気接点の配置図である。本実施例では、電源端子110a側に接続される共通配線640を基板の一端側610dに配置し、電源端子110b側に接続される対向配線650、660a、660bを基板の一端側610bに配置している。このように配線を配置することで配線間の短絡を防止している。また、本実施例では、電源端子110a側に接続される電気接点を基板の一端側610aに配置し、電源端子110b側に接続される電気接点を基板の一端側610bに配置している。具体的には、基板の一端側610aに電気接点641を配置し、基板の一端側610bに電気接点651、661a、661bを配置している。本実施例では、このような構成にすることで、異なる電源端子側に接続される電気接点間に十分な絶縁距離を設けている。また、同じ電源端子側に接続される複数の電気接点間の間隔を狭めて配置することで、電気接点を基板の長手方向に並べて配置したことによる基板の長手方向の拡大を抑制している。さらには、異なる電源端子側に接続される電気接点を、基板の長手方向の両端部に分けて配置することで、配線による電圧降下に起因する発熱体の発熱ムラを抑制している。以下、図面を用いて詳細に説明する。
本実施例では上述したように、基板の一端側610aに電気接点641が設けられ、基板の他端側610bに電気接点651、661a、661bが設けられている。各電気接点は各コンタクト端子からの給電を確実に受けることができるように、基板の短手方向の長さと基板の長手方向の長さが2.5mm×2.5mm以上であり、できるだけ広い面積を持つことが望ましい。本実施例において、電気接点641の寸法は約7mm×約3mmであり、電気接点661aの寸法は約7mm×約3mmであり、電気接点661bの寸法は約5mm×約3mmであり、電気接点651の寸法は約6mm×約3mmとなっている。
上述したように、基板610上において電気接点641、651、661a、661bが設けられた位置には絶縁コート層680が施されていない。つまり、各電気接点は露出した状態であるためリークや短絡を生じる虞がある。特に、異なる電源端子側に接続される電気接点間は沿面放電による短絡が生じやすい。そのため、異なる電源端子側に接続される電気接点間には絶縁の為の距離(絶縁距離)を十分に設けることが望ましい。ところが、絶縁距離を大きく設けると基板610サイズが拡大してしまう虞がある。そのため、基板610の長手方向が拡大しないように電気接点の配置を工夫することが望ましい。
本実施例の定着装置40では、電源端子110a側に接続される電気接点と電源端子110b側に接続される電気接点とがあらかじめ定められている。詳細には、電気接点641aは電源端子110a側に接続され、電気接点651、661a、661bは電源端子110b側に接続される。つまり、電気接点641と電気接点651、661a、661bは異なる電源端子(異極)に接続される関係となり、その間に大きな電位差が生じて沿面放電による短絡を生じやすい。そこで、本実施例では、基板の一端側610aに電気接点641を配置し、基板の他端側610bに電気接点651、661a、661bを配置することで、電気接点641と電気接点651、661a、661bの間に十分な絶縁距離を設けている。
また、基板の他端側610bに配置された電気接点651、661a、661bは同じ電源端子側に接続される接点部同士が隣り合って配置される関係となっている。そのため、各電気接点間では大きな電位差を生じない。つまり、図8に示す電気接点651と661bの間(gapA)と電気接点651と661aの間(gapB)は沿面放電による短絡を生じにくい。したがって、gapA及びgapBには、ヒータ600が正常動作するための機能絶縁が施されていればよく、gapA及びgapBは可能な限り小さく設計することができる。しかしながら、コネクタ700bの取り付け誤差や基板610の熱膨張に起因する短絡を考慮して、本実施例ではgapA及びgapBの大きさを約1.5mmとしている。なお、電気接点651と661bの並びが平行で無いなどの理由によって、電気接点651と661bの間隔が一定に定まらない場合があるが、この場合は間隔の最小値をgapAとする。また、電気接点651と661aの並びが平行で無いなどの理由によって、電気接点651と661aの間隔が一定に定まらない場合があるが、この場合は間隔の最小値をgapBとする。
ここで、異なる電源端子側に接続される電気接点が隣り合って配置される場合について仮定する。電案法別表付表第二の記載によれば、線間電圧が50V−150V、極性の異なる充電部、その他の箇所、を適合条件とした場合、求められる絶縁距離(沿面距離)は約2.5mmである。また、本実施例では、コネクタ700の取り付け誤差や基板610の熱膨張に起因する短絡を考慮するため、電気接点間に求められる間隔の大きさは約4.0mmとなる。
したがって、本実施例のように、異なる電源端子側に接続される電気接点を基板の一端側610aと他端側610bに分けて配置することで、隣り合う電気接点間の間隔を小さく設計できる。詳細には、隣り合う電気接点間の間隔を4.0mm未満(より好ましくは2.5mm未満)に抑えることができる。そのため、電気接点を基板の長手方向に並べて配置することによる基板の長手方向の拡大を抑制することができる。
また、本実施例のように、一方の端子側に電気的に接続される電気接点641と、他方の端子側に電気的に接続される電気接点661a、651、661bを基板の長手方向の逆位置に配置することで、発熱体の長手方向の温度ムラを抑制する効果が得られる。
例えば、基板の長手方向において、発熱体620dは発熱体620cよりも電気接点641から遠くに設けられている。そのため、電気接点641と電極642cを接続する配線640上の経路長さは、電気接点641と電極642bを接続する配線640上の経路長さよりも長い。一方で、電気接点651と電極652aを接続する配線650上の経路長さは、電気接点651と電極652bを接続する配線650上の経路長さよりも長い。
そのため、配線の抵抗による電圧降下を基板の長手方向の左右で相殺することができる。つまり、発熱体620dと発熱体620cの発熱量に差が生じることを抑制できる。なお、このような関係は、発熱体620dと発熱体620c以外の発熱体についても同様である。
図14は、本実施例の効果を検証するために、本実施例のヒータ600の一部を変形した比較例である。本実施例では、電気接点661a、651、661bを基板の他端側610bに設けているが、比較例では、電気接点661a、651、661bを基板の一端側610aに設けている。つまり、比較例では、全ての電気接点を基板の一端側に設けている。ここで、比較例のヒータは、電気接点661a、651、661bの位置と、配線660a、650、660bの経路以外の構成は本実施例と同様に構成されている。
上述した比較例のヒータと本実施例のヒータを用いて発熱体620の発熱部分の状態の比較試験を行った。比較試験は、本実施例のヒータ及び比較例のヒータのそれぞれにおいて、電気接点641と電気接点661a、651、661bの間に100Vの電圧を印加し、数秒後の発熱部620の温度分部の状態をサーモカメラで計測することで行われる。図15に比較試験の結果をグラフにして示す。図15のグラフの横軸は発熱体の長手方向の位置を示しており、数値は長手方向の中央を基準(0)としたときの基準との距離(mm)を示している。便宜上、発熱体の長手方向の一端側をマイナス、発熱体の長手方向の他端側をプラスで示す。図15のグラフの縦軸は発熱体の表面温度(℃)である。
図15に示すように、比較例では発熱体の長手方向の一端側が230℃程度あるのに対して長手方向の他端側が200℃程度となっている。つまり、比較例では発熱体の長手方向の両端で約30℃の温度が生じてしまっている。一方、本実施例のヒータは、発熱体の長手方向の両端でそれぞれ210℃程度になっている。つまり、本実施例では発熱体の長手方向において温度差が生じ難い。そのため、比較例のヒータを備えた定着装置と比べて本実施例のヒータを備えた定着装置は、定着処理時に画像のグロスムラを生じ難く、良好な画像を出力することができる。
次に、実施例2のヒータについて説明する。図9は、本実施例における画像加熱装置の構成関係を説明する説明図である。図10は、本実施例における電気接点の配置図である。実施例1では、対向配線660aに接続される電気接点661aと、対向配線660bに接続される電気接点661bと、がそれぞれ設けられている。実施例2では、対向配線660aと対向配線660bに接続される電気接点661が設けられている。つまり、実施例1で説明した電気接点661a、661bが実施例2では電気接点661としてまとめて配置されている。本実施例ではヒータ600をこのように構成することで、基板の長手方向長さを小型化している。以下、図面を用いて実施例2のヒータ600について詳細に説明する。なお、実施例2の定着装置40の構成は、ヒータ600に関する構成以外は実施例1の基本構成と同様である。そのため、実施例1と同様の構成については同様の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図9に示すように、本実施例のヒータ600は、基板の一端側610aに設けられた電気接点641と、基板の他端側610bに設けられた電気接点651、661から発熱体620に給電を行っている。基板の他端側610bにおいて、電気接点661と電気接点651は基板610の長手方向に並べて設けられている。
本実施例のヒータ600では、対向配線660a及び660bが電気接点651を囲むように配置されている。このような構成により、対向配線660a及び660bは電気接点661に接続される。電気接点661は実施例1における電気接点661aと661bの機能を有する。
本実施例において、電気接点661の寸法は約7mm×約3mmであり、電気接点651の寸法は約6mm×約3mmとなっている。
また、基板の他端側610bに配置された電気接点651、661は同じ電源端子側に接続される電気接点が隣り合って配置される関係となっている。したがって、図10に示す電気接点651、661の間の間隔gapCには、ヒータ600が正常動作するための機能絶縁が施されていればよく、gapCは可能な限り小さく設計することができる。しかしながら、コネクタ700bの取り付け誤差や基板610の熱膨張に起因する短絡を考慮して、本実施例ではgapCの大きさを約1.5mmとしている。なお、電気接点651と661bの並びが平行で無いなどの理由によって、電気接点651と661bの間隔が一定に定まらない場合があるが、この場合は間隔の最小値をgapCとする。
したがって、本実施例のように、異なる電源端子側に接続される電気接点を基板の一端側610aと他端側610bに分けて配置することで、隣り合う電気接点間の間隔を小さく設計できる。詳細には、隣り合う電気接点間の間隔を4.0mm未満(より好ましくは2.5mm未満)に抑えることができる。そのため、電気接点を基板の長手方向に並べて配置することによる基板の長手方向の拡大を抑制することができる。また、本実施例では、1つの電気接点661に複数の対向配線660a、660bを接続させており、実施例1と比べて電気接点の数が1つ少ない構成となっている。そのため、基板610の長手方向の長さを電気接点1つ分(約3mm)と電気接点間の距離1つ分(約1.5mm)だけ削減することができる。
次に、実施例3のヒータについて説明する。図11は、本実施例における画像加熱装置の構成関係を説明する説明図である。図12は、本実施例における電気接点の配置図である。実施例2では、基板の他端側610bにおいて、電気接点651と661を基板の長手方向に並べて配置している。実施例3では、基板の他端側610bにおいて、電気接点651と661を基板の短手方向に並べて配置している。本実施例ではこのように構成することで、基板の長手方向長さを小型化している。以下、図面を用いて実施例3のヒータ600について詳細に説明する。なお、実施例3の定着装置40の構成は、ヒータ600に関する構成以外は実施例2の基本構成と同様である。そのため、実施例2と同様の構成については同様の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図11に示すように、本実施例のヒータ600は、基板610の長手方向の一端側610aに設けられた電気接点641、651、661から発熱体620に給電を行っている。電気接点661は、電気接点641に間隔あけて隣り合うように、基板610の長手方向に並べて設けられている。電気接点651は、電気接点641に間隔あけて隣り合うように、基板の長手方向に並べて設けられている。電気接点661は電気接点651と間隔をあけて隣り合うように基板の短手方向に並べて設けられている。
本実施例のヒータ600では、対向配線660a及び660bが電気接点651を囲むように配置されている。このような構成により、対向配線660a及び660bは電気接点661に接続される。電気接点661は実施例1における電気接点661aと661bの機能を有する。
本実施例において、電気接点661の寸法は約3mm×約3mmであり、電気接点651の寸法は約3mm×約3mmとなっている。
また、基板の他端側610bに配置された電気接点651、661は同じ電源端子側に接続される電気接点が隣り合って配置される関係となっている。したがって、図12に示す電気接点651、661の間の間隔gapDには、ヒータ600が正常動作するための機能絶縁が施されていればよく、gapDは可能な限り小さく設計することができる。しかしながら、コネクタ700bの取り付け誤差や基板610の熱膨張に起因する短絡を考慮して、本実施例ではgapDの大きさを約1.5mmとしている。なお、電気接点651と661の並びが平行で無いなどの理由によって、電気接点651と661の間隔が一定に定まらない場合があるが、この場合は間隔の最小値をgapDとする。このように構成することで、電気接点の短手方向の並び幅を短くすることができる。本実施例では、基板の他端側610bにおける電気接点の短手方向の並び幅は約7.5mmとなり、短手方向長さが約8mmである基板610に収めることができる。
したがって、本実施例のように、異なる電源端子側に接続される電気接点を基板の一端側610aと他端側610bに分けて配置することで、隣り合う電気接点間の間隔を小さく設計できる。詳細には、隣り合う電気接点間の間隔を4.0mm未満(より好ましくは2.5mm未満)に抑えることができる。そのため、電気接点間の間隔を狭めることで、2つの電気接点を短手方向に並べて配置することができる。つまり、本実施例では実施例2と比べて基板610の長手方向に並ぶ電気接点の数が1つ少ない構成となっている。そのため、基板610の長手方向の長さを電気接点1つ分(約3mm)と電気接点間の距離1つ分(約1.5mm)だけ削減することができる。
(その他の実施例)
以上、本発明を適用することができる実施例について説明したが、各実施例で例示した寸法等の数値は一例であって、この数値に限定されるものではない。発明を適用できる範囲において、数値は適宜選択できる。また、発明を適用できる範囲において実施例に記載の構成を適宜変更してもよい。
ヒータ600の発熱領域は中央基準には限られない。例えば、ヒータ600の発熱領域を端部基準にしてもよい。具体的には、発熱領域Aに対応する発熱体が発熱体620c〜620jではなく、発熱体620a〜620eであってもよい。したがって、小サイズの発熱領域を大サイズの発熱領域にするとき、小サイズの両端側の発熱領域が拡大するのではなく。小サイズの発熱領域の一端側の発熱領域が拡大する構成であってもよい。
ヒータ600の発熱領域のパターンは大サイズと小サイズの2パターンのみには限られない。例えば、3パターン以上の発熱領域を有していてもよい。
また、電気接点の数は3つ又は4つには限られない。電源端子110aに接続される電気接点が基板の一端側610aに配置され、電源端子110bに接続される電気接点が基板の他端側610bに配置されていれば5以上の電気接点を有していてもよい。例えば、実施例1において、基板の一端側610aにおいて、電源端子110aに接続される電気接点であって電気接点641とは異なる電気接点が設けられていてもよい。同様に、実施例1において、基板の他端側610bにおいて、電源端子110bに接続される電気接点であって電気接点651、661a、661bとは異なる電気接点が設けられていてもよい。
発熱体620の形成方法は、実施例1、2に記載の方法のみには限られない。詳細には、実施例1では、基板610の長手方向に沿って延びた発熱体620上に共通電極642と対向電極652、662を積層している。しかしながら、基板610の長手方向に電極を並べて形成し、隣り合う各電極間(電極部間)に発熱体620a〜620lをそれぞれ形成する構成であってもよい。
ベルト603は、ヒータ600によってその内面を支持され、ローラ70によって駆動される構成に限られない。例えば、複数のローラに架け渡されてこれらの複数のローラのいずれかによって駆動されるベルトユニット方式であってもよい。しかしながら、低熱容量化の観点から実施例1〜4のような構成が望ましい。
ベルト603とニップ部Nを形成するものは、ローラ70のようなローラ部材には限られない。例えば、複数のローラにベルトを架け渡した加圧ベルトユニットを用いてもよい。
プリンタ1を例に説明した画像形成装置は、フルカラーの画像を形成する画像形成装置に限られず、モノクロの画像を形成する画像形成装置でもよい。また画像形成装置は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、複写機、FAX、及び、これらの機能を複数備えた複合機等、種々の用途で実施できる。
以上の説明における画像加熱装置は、未定着のトナー画像をシートPに定着する装置のみには限られない。例えば、半定着済みのトナー画像をシートPに定着させる装置や、定着済みの画像に対して加熱処理を施す装置であってもよい。したがって、画像加熱装置は、例えば、画像の光沢や表面性を調節する表面加熱装置であってもよい。
40 定着装置
60 ヒータユニット
70 加圧ローラ
100 制御回路
110 電源
110a、110b 電源端子
600 ヒータ
603 定着ベルト
610 基板
620 抵抗体発熱体
640 共通配線
650、660 対向配線
641、651、661 電気接点
642 共通電極
652、662 対向電極

Claims (19)

  1. 一方の端子と他方の端子を備えた給電部と接続可能なヒータであって、
    基板と、
    前記基板上に設けられ、前記一方の端子側に電気的に接続可能な第1の接点部と、前記基板上に設けられ、前記他方の端子側に電気的に接続可能な第2の接点部と、前記基板上に設けられ、前記他方の端子側に電気的に接続可能な第3の接点部と、前記基板の長手方向に延びて設けられ、前記第1の接点部と電気的に接続される第1の配線と、
    前記基板の長手方向に延びて設けられ、前記第2の接点部と電気的に接続される第2の配線と、
    前記基板の長手方向に延びて設けられ、前記第3の接点部と電気的に接続される第3の配線と、
    前記第1の配線を介して前記第1の接点部と電気的に接続される複数の電極である第1の電極群と、
    前記基板の長手方向に関して間隔を空けて前記第1の電極群の電極と交互に並ぶように配置された複数の電極であって、前記第2の配線を介して前記第2の接点部と電気的に接続される電極と前記第3の配線を介して前記第3の接点部と電気的に接続される電極とを含む複数の電極である第2の電極群と、
    隣り合う前記第1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極の間を電気的に接続し、隣り合う前記第1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極の間において前記基板の長手方向に電流が流れるように、隣り合う前記第1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極の間に設けられ、隣り合う前記第1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極の間での電流により発熱する複数の発熱部と、を有し、
    前記第1の接点部は、前記複数の発熱部よりも前記基板の長手方向の一端側に近い領域に設けられ、前記第2の接点部及び前記第3の接点部は、前記複数の発熱部よりも前記基板の長手方向の他端側に近い領域に設けられ、
    前記第1の配線は、前記複数の発熱部よりも前記基板の短手方向の一端側に近い領域に設けられており、前記第2の配線および前記第3の配線は、前記複数の発熱部よりも前記基板の短手方向の他端側に近い領域に設けられていることを特徴とするヒータ。
  2. 前記第2の接点部と前記第3の接点部との間の距離は、前記複数の発熱部の中で前記第1の接点部に最も近い発熱部と前記第1の接点部との間の前記基板の長手方向における距離よりも短いことを特徴とする請求項1に記載のヒータ。
  3. 前記第2の接点部と前記第3の接点部は、前記基板の長手方向に間隔を空けて隣り合って配置されており、
    前記第2の接点部と前記第3の接点部の間の前記基板の長手方向における距離は、2.5mm未満であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のヒータ。
  4. 前記第1の配線と電気的に接続される電極と前記第2の配線と電気的に接続される電極及び前記第3の配線と電気的に接続される電極とを用いて発熱する第1の発熱領域は、前記第1の配線と電気的に接続される電極と前記第2の配線と電気的に接続される電極とを用いて発熱する第2の発熱領域よりも広いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヒータ。
  5. 前記第1の発熱領域は、前記第2の発熱領域にオーバーラップしていることを特徴とする請求項4に記載のヒータ。
  6. 前記第2の電極群の電極と配線を介して電気的に接続している全ての接点部は、前記複数の発熱部よりも前記基板の長手方向の他端側に近い領域に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のヒータ。
  7. 前記複数の発熱部は、第1の発熱部と、前記基板の長手方向に関して前記第1の発熱部よりも前記第1の接点部に近い位置に位置する第2の発熱部と、を有し、
    前記第1の配線は、前記第1の発熱部に電気的に接続されている第1の電極を前記第1の接点部と電気的に接続する第1の配線部と、前記第2の発熱部に電気的に接続されている第2の電極を前記第1の接点部と電気的に接続する第2の配線部と、を有し、前記第2の配線は、前記第1の発熱部に電気的に接続されている第3の電極を前記第2の接点部と電気的に接続する第3の配線部と、前記第2の発熱部に電気的に接続されている第4の電極を前記第2の接点部と電気的に接続する第4の配線部と、を有し、前記第1の配線部は前記第2の配線部よりも長く、前記第4の配線部は前記第3の配線部よりも長いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のヒータ。
  8. 前記複数の発熱部は、第1の発熱部と、前記基板の長手方向に関して前記第1の発熱部よりも前記第1の接点部に近い位置に位置する第2の発熱部と、を有し、
    前記第1の配線は、前記第1の発熱部に電気的に接続されている第1の電極を前記第1の接点部と電気的に接続する第1の配線部と、前記第2の発熱部に電気的に接続されている第2の電極を前記第1の接点部と電気的に接続する第2の配線部と、を有し、前記第2の配線は、前記第1の発熱部に電気的に接続されている第3の電極を前記第2の接点部と電気的に接続する第3の配線部を有し、
    前記第3の配線は、前記第2の発熱部に電気的に接続されている第4の電極を前記第3の接点部と電気的に接続する第4の配線部と、を有し、
    前記第1の配線部は前記第2の配線部よりも長く、前記第4の配線部は前記第3の配線部よりも長いことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のヒータ。
  9. 前記複数の発熱部は、単一の発熱体であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のヒータ。
  10. 一方の端子と他方の端子を備えた給電部と、
    シート上の画像を加熱するエンドレス状のベルト回転体と、
    前記ベルト回転体を加熱するヒータと、
    を有する画像加熱装置であって、
    前記ヒータは、
    基板と、
    前記基板上に設けられ、前記一方の端子側に電気的に接続可能な第1の接点部と、前記基板上に設けられ、前記他方の端子側に電気的に接続可能な第2の接点部と、前記基板上に設けられ、前記他方の端子側に電気的に接続可能な第3の接点部と、前記基板の長手方向に延びて設けられ、前記第1の接点部と電気的に接続される第1の配線と、
    前記基板の長手方向に延びて設けられ、前記第2の接点部と電気的に接続される第2の配線と、
    前記基板の長手方向に延びて設けられ、前記第3の接点部と電気的に接続される第3の配線と、
    前記第1の配線を介して前記第1の接点部と電気的に接続される複数の電極である第1の電極群と、
    前記基板の長手方向に関して間隔を空けて前記第1の電極群の電極と交互に並ぶように配置された複数の電極であって、前記第2の配線を介して前記第2の接点部と電気的に接続される電極と前記第3の配線を介して前記第3の接点部と電気的に接続される電極とを含む複数の電極である第2の電極群と、
    隣り合う前記第1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極の間を電気的に接続し、隣り合う前記第1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極の間において前記基板の長手方向に電流が流れるように、隣り合う前記第1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極の間に設けられ、隣り合う前記第1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極の間での電流により発熱する複数の発熱部と、を有し、
    前記第1の接点部は、前記複数の発熱部よりも前記基板の長手方向の一端側に近い領域に設けられ、前記第2の接点部及び前記第3の接点部は、前記複数の発熱部よりも前記基板の長手方向の他端側に近い領域に設けられ、
    前記ヒータの前記第1の配線は、前記複数の発熱部よりも前記基板の短手方向の一端側に近い領域に設けられており、前記ヒータの前記第2の配線および前記第3の配線は、前記複数の発熱部よりも前記基板の短手方向の他端側に近い領域に設けられていることを特徴とする画像加熱装置。
  11. 前記給電部は、前記第1の接点部に接触して前記一方の端子と前記第1の接点部を電気的に接続する第1のコネクタと、前記第2の接点部に接触して前記他方の端子と前記第2の接点部を電気的に接続する第2のコネクタ部及び前記第3の接点部に接触して前記他方の端子と前記第3の接点部を電気的に接続する第3のコネクタ部を備える第2のコネクタと、を備えることを特徴とする請求項10に記載の画像加熱装置。
  12. 前記ヒータの前記第2の接点部と前記第3の接点部との間の距離は、前記複数の発熱部の中で前記第1の接点部に最も近い発熱部と前記第1の接点部との間の前記基板の長手方向における距離よりも短いことを特徴とする請求項10又は11のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  13. 前記ヒータの前記第2の接点部と前記第3の接点部は、前記基板の長手方向に間隔を空けて隣り合って配置されており、
    前記ヒータの前記第2の接点部と前記第3の接点部の間の前記基板の長手方向における距離は、2.5mm未満であることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  14. 前記ヒータにおいて、前記第1の配線と電気的に接続される電極と前記第2の配線と電気的に接続される電極及び前記第3の配線と電気的に接続される電極とを用いて発熱する第1の発熱領域は、前記第1の配線と電気的に接続される電極と前記第2の配線と電気的に接続される電極とを用いて発熱する第2の発熱領域よりも広いことを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  15. 前記第1の発熱領域は、前記第2の発熱領域にオーバーラップしていることを特徴とする請求項14に記載の画像加熱装置。
  16. 装置に使用可能な最大の幅サイズのシートを加熱する場合、前記給電部は、前記ヒータの前記第1の発熱領域を発熱させるべく、前記第1の接点部及び前記第2の接点部及び前記第3の接点部に給電を行い、
    装置に使用可能な最大の幅サイズのシートよりも幅狭な所定の幅サイズのシートを加熱する場合、前記給電部は、前記ヒータの前記第2の発熱領域を発熱させるべく、前記第1の接点部及び前記第2の接点部に給電を行うことを特徴とする請求項14又は15のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  17. 前記ヒータの前記第2の電極群の電極と配線を介して電気的に接続している全ての接点部は、前記複数の発熱部よりも前記基板の長手方向の他端側に近い領域に設けられていることを特徴とする請求項10乃至16のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  18. 前記複数の発熱部は、単一の発熱体であることを特徴とする請求項10乃至17のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  19. 前記給電部は、交流回路であることを特徴とする請求項10乃至18のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
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