JP5959944B2 - 画像加熱装置 - Google Patents

画像加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5959944B2
JP5959944B2 JP2012127964A JP2012127964A JP5959944B2 JP 5959944 B2 JP5959944 B2 JP 5959944B2 JP 2012127964 A JP2012127964 A JP 2012127964A JP 2012127964 A JP2012127964 A JP 2012127964A JP 5959944 B2 JP5959944 B2 JP 5959944B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
longitudinal direction
heater
electrode
heating element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012127964A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013254018A (ja
Inventor
理久 矢後
理久 矢後
中山 敏則
敏則 中山
太一 竹村
太一 竹村
有元 孝太
孝太 有元
良 鈴木
良 鈴木
光一 覚張
光一 覚張
長谷川 和弘
和弘 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2012127964A priority Critical patent/JP5959944B2/ja
Priority to US13/905,596 priority patent/US20130322897A1/en
Publication of JP2013254018A publication Critical patent/JP2013254018A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5959944B2 publication Critical patent/JP5959944B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2039Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat with means for controlling the fixing temperature
    • G03G15/205Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat with means for controlling the fixing temperature specially for the mode of operation, e.g. standby, warming-up, error
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2053Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2039Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat with means for controlling the fixing temperature
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/80Details relating to power supplies, circuits boards, electrical connections
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/20Details of the fixing device or porcess
    • G03G2215/2003Structural features of the fixing device
    • G03G2215/2016Heating belt
    • G03G2215/2035Heating belt the fixing nip having a stationary belt support member opposing a pressure member

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、もしくはこれらの機能を複数備えた複合機などの画像形成装置に用いられる画像加熱装置に関する。本発明に係る画像加熱装置としては、シート上の未定着トナー像を定着する定着装置や、シートに定着されたトナー像を加熱することにより画像の光沢度を向上させる光沢向上装置を挙げることができる。
従来、画像形成装置に用いられる画像加熱装置としては、熱ローラ方式が多く用いられていた。また近年、クイックスタートや省エネルギーの観点からフィルム加熱方式の画像加熱装置が実用化されている。フィルム加熱方式の定着装置としては、セラミックス製の基板上に抵抗発熱体を有するヒータと、ヒータに接触しつつ移動する可撓性部材(フィルム)と、可撓性部材を介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有するものが知られる。
そして、未定着トナー画像を担持する記録紙は、定着装置のニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録紙上の画像は記録紙に加熱定着される。このような定着装置は、ヒータへの通電を開始し定着可能温度まで昇温するのに要する時間が短いというメリットを有する。
従って、この定着装置を搭載するプリンタは、プリンタ指令の入力後、一枚目の画像を出力するまでの時間を短くできる。またこのタイプの定着装置は、プリント指令を待つ待機中の消費電力が少ないというメリットもある。
しかし、フィルム加熱方式の定着装置においては、熱ローラ方式の定着装置に比べ、加熱部材となるフィルムの熱容量が小さいので、最大通紙幅の記録紙(最大サイズ紙)よりも幅の小さい記録紙(小サイズ紙)の連続通紙時の非通紙部昇温という課題がある。即ち、上記フィルム加熱式の定着装置を搭載するプリンタで、小サイズ紙を最大サイズ紙と同じプリント間隔で連続プリントすると、ヒータの記録紙が通過しない領域(非通紙領域)が過度に昇温する現象が起きる(いわゆる非通紙部昇温)。ヒータの非通紙領域が過昇温すると、ヒータを保持するホルダや加圧ローラが熱により損傷する場合がある。
この様な定着装置の非通紙部昇温に対し、以下に挙げる対策法が知られている。先ず、フィルムの移動方向と直交する方向を長手方向とするとき、抵抗発熱体の両方の側部(抵抗発熱体の上流側および下流側)において、抵抗発熱体の給電電極が、それぞれ抵抗発熱体の長手方向に沿って設ける方法が知られている(特許文献1)。そして、抵抗発熱体の長手方向の一端部に給電部を設け、この給電部より電力が供給される。非通紙部に対応する発熱体部分は、所定温度以上になることから、非通紙部に対応する発熱体部分で抵抗値の急激上昇が生じ、電流が小さくなるために昇温が緩和される。
また、特許文献1のような抵抗発熱体の給電電極が、それぞれ抵抗発熱体の長手方向に沿って設けられている定着装置において、記録紙を通紙していないにも拘わらず基板の長手方向において発熱抵抗体に発熱分布ムラが発生する。その理由は、長手方向に沿って設けた二本の電極は導電性は高いが抵抗値はゼロではなく、電極にも自身の抵抗による電圧降下が生じるため、給電コネクタと接触する給電領域に近い側が給電領域から遠い側に対して発熱量が大きくなるからである。
その対策として、抵抗発熱体の長手方向の一端部に給電部を設け、この給電部より電力が供給される前提で、抵抗発熱体への給電電極の抵抗値を抵抗発熱体の長手方向において連続的に変化する方法が知られている(特許文献2)。
特開平5−19652号公報 特開2009−103881号公報
しかしながら、特許文献1では、記録紙を通紙していない状態であるにも拘わらず、抵抗発熱体の長手方向の一端部に設けられる給電部(図25)に近い側の発熱量が大きく、給電部から遠い側の発熱量が小さくなって、長手方向の温度ムラを生じてしまう。
また、特許文献2では、長手方向の温度ムラが解消されても、小サイズ紙を連続通紙した場合の非通紙部昇温が解消されない。つまり、特許文献2に記載の構成では電極への給電部位置の抵抗の比率が大きく、結局は給電位置近傍に電流が流れ易くなり、連続通紙中は温度差が顕著となり温度ムラが生じる。
本発明の目的は、抵抗発熱体における記録紙搬送方向と交差する方向(長手方向)での温度ムラを軽減する画像加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像加熱装置は、長手方向に伸びた抵抗発熱体に第1の電極対および第2の電極対を介して電圧を印加することにより発熱させる加熱体と、前記加熱体に密着して前記長手方向と交差する方向に搬送されるベルト部材と、前記ベルト部材の前記加熱体とは反対側に対向する加圧部材と、を有し、画像を担持した記録紙を前記加圧部材と前記ベルト部材で挟持搬送して前記画像を加熱する画像加熱装置であって、前記第1の電極対は、前記抵抗発熱体に対し記録紙搬送方向の上流側、下流側に前記長手方向に沿って夫々設けられる第1電極領域と、電源側から前記第1電極領域までを夫々接続する第2電極領域と、を有し、前記第1電極領域と第2電極領域との接続位置として前記上流側の接続位置と、前記下流側の接続位置と、を前記長手方向で互いに変位させ、前記第2の電極対は、前記第1電極領域を共通に備え、前記電源側から前記第1電極領域までを前記第1の電極対の前記上流側の接続位置、前記下流側の接続位置と夫々異なる接続位置で接続する第2の第2電極領域を備え、前記第2の電極対の前記上流側の接続位置と前記下流側の接続位置とを前記長手方向の中央部で一致させ、前記長手方向の温度分布に応じて前記第1の電極対、前記第2の電極対の一方への通電、他方への非通電となるように通電と非通電を切り換えることを特徴とする。
(作用)
従来の中央給電のような上流側、下流側の接続位置の座標が、記録紙搬送方向と交差する方向(長手方向)で揃っている構成では、抵抗発熱体に流れる電流が1対の電極間に集中し、接続位置に流れる電流量が多いため、温度が上昇し、中央部近傍で温度ムラが生じる。これに対し、上流側、下流側の接続位置の座標を記録紙搬送方向と交差する方向(長手方向)で変位させ、かつ、通電と非通電を切り換え上流側の接続位置および下流側の接続位置への通電を行う。これにより、抵抗発熱体に流れる電流が1対の電極間に集中することがなく、長手方向に電流が分散して流れるので温度ムラが軽減される。更には非通紙部昇温が軽減される。
本発明によれば、抵抗発熱体における記録紙搬送方向と交差する方向(長手方向)での温度ムラを軽減できる。
本発明の第1の実施形態に係る画像加熱装置における加熱体としてのヒータの上面図である。 本発明の実施形態に係る画像加熱装置を搭載した画像形成装置の一例である電子写真フルカラープリンタの構成模型を示す縦断面模式図である。 本発明の実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置の構成模型図である。 本発明の実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置のブロック図である。 第1の実施形態に係るヒータのサーミスタ配置図である。 本発明の実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置の温度制御方式を説明する図である。 第1の実施形態に係るヒータの中央給電について説明するための上面図と、温度分布図である。 第1の実施形態に係るヒータの端部給電について説明するための上面図と、温度分布図である。 第1の実施形態において、端部の温度が上昇した場合の目標温度を補正する制御のフローチャートである。 第1の実施形態において、中央給電と端部給電を切り換える温度制御のフローチャートである。 本実施形態に対する比較例1の短手方向通電ヒータに関する図である。 通電したときの比較例1の各ヒータにおける温度分布図である。 比較例2として実際に記録紙を通紙した場合の比較例1の各ヒータにおける温度分布図である。 第1の実施形態でヒータの中央給電を長時間動作させる場合のムラが生じた温度分布図である。 参考例1の実施形態のヒータについて説明するための上面図である。 参考例1のヒータについて本体での効果の説明図である。 参考例1の変形例で、第1の実施形態における端部給電と組み合わせたヒータについての説明図である。 参考例2のヒータについて説明するための上面図である。 参考例2の実施形態の変形例で、第1の実施形態における端部給電と組み合わせたヒータについての説明図である。 参考例2の実施形態の異なる変形例の説明図である。 参考例3の実施形態のヒータについて説明するための上面図である。 参考例3に係る第2電極領域としての配線パターンおよび接続パターンにおける抵抗の影響を示す説明図である。 第2電極領域としての配線パターンおよび接続パターンの厚さ・幅を夫々半分にした場合との温度分布を比較説明するための回路図である。 第2の実施形態のヒータで、ヒータに備わる異常発熱時の対策素子の説明図である。 従来の短手方向通電ヒータに関する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に則して詳細に説明する。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図2は、本発明の実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置20を搭載した画像形成装置の一例である電子写真フルカラープリンタの構成模型を示す縦断面模式図である。本実施形態に示す画像形成装置は、使用可能な最大サイズの記録紙はA3サイズ(297mm×420mm)であり、A3サイズの記録紙の長辺(420mm)を搬送方向と平行にして搬送できる。また、記録材としての記録紙の搬送基準は、後に詳述する定着装置20内の抵抗発熱体の長手方向中央になっている。なお、本実施形態ではA3サイズを最大サイズの記録紙とするが、A3以外の記録紙を最大サイズ紙とした場合でも適応可能である。
このプリンタは、制御回路部(制御基板:CPU)(不図示)と通信可能に接続した外部ホスト装置(不図示)からの入力画像情報に応じて作像動作して、記録紙上にフルカラー画像を形成して出力することができる。外部ホスト装置は、コンピュータ、イメージリーダー等である。制御回路部は、外部ホスト装置と信号の授受をすると共に、各種作像機器と信号の授受をし、作像シーケンス制御を司る。
8は無端状でフレキシブルな中間転写ベルト(以下、ベルトと略記する)である。ベルト8は、二次転写部としての二次転写対向ローラ9とテンションローラ10との間に張架されていて、ローラ9が駆動されることにより矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。11は二次転写ローラであり、二次転写対向ローラ9に対してベルト8を介して圧接させてある。ベルト8と二次転写ローラ11との当接部が二次転写部である。
1Y・1M・1C・1Bkは第1乃至第4の4つの画像形成部であり、ベルト8の下側においてベルト移動方向に沿って所定の間隔をおいて一列に配置されている。各画像形成部はレーザ露光方式の電子写真プロセス機構であり、夫々、矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと略記する)2を有する。各ドラム2の周囲には、一次帯電器3、現像装置4、転写手段としての転写ローラ5、ドラムクリーナ装置6が配置されている。
各転写ローラ5は、ベルト8の内側に配置してあり、ベルト8の下行き側ベルト部分を介して対応するドラム2に対して圧接させてある。各ドラム2とベルト8との当接部が、一次転写部である。7は各画像形成部のドラム2に対するレーザ露光装置であり、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザ発光手段、ポリゴンミラー、反射ミラー等で構成されている。
制御回路部としてのCPUは、外部ホスト装置から入力されたカラー色分解画像信号に基づいて、各画像形成部を作像動作させる。これにより、第1乃至第4の画像形成部1Y・1M・1C・1Bkにおいて、夫々回転するドラム2の面に対して所定の制御タイミングで、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色トナー像が形成される。なお、ドラム2にトナー像を形成する電子写真作像原理・プロセスは公知に属するから、その説明は省略する。
各画像形成部のドラム2の面に形成される上記のトナー像は、夫々一次転写部にて、各ドラム2の回転方向と順方向に、かつ各ドラム2の回転速度に対応した速度で回転駆動されているベルト8の外面に対して順次に重畳転写される。これにより、ベルト8の面に上記の4つのトナー像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー像が合成形成される。
一方、所定の給紙タイミングにて、大小各種幅サイズの記録紙Pを積載収容させた上下多段のカセット給紙部13A・13B・13Cの内の選択された段位の給紙カセットの給紙ローラ14が駆動される。これにより、その段位の給紙カセットに積載収納されている記録紙Pが、1枚分離給紙されて、縦搬送パス15を通ってレジストローラ16に搬送される。手差し給紙が選択されているときには、給紙ローラ18が駆動される。これにより、手差しトレイ(マルチ・パーパス・トレイ)17上に積載セットされている記録紙が1枚分離給紙されて、縦搬送パス15を通ってレジストローラ16に搬送される。
レジストローラ16は、回転するベルト8上の上記のフルカラートナー像の先端が二次転写部に到達するタイミングに合わせて、記録紙Pの先端部が二次転写部に到達するように、記録紙Pをタイミング搬送する。これにより、二次転写部において、ベルト8上のフルカラーのトナー像が一括して記録紙Pの面に順次に二次転写されていく。二次転写部を出た記録紙は、ベルト8の面から分離され、縦ガイド19に案内されて、定着装置(定着器)20に導入される。この定着装置20により、上記の複数色のトナー像が溶融混色されて記録紙表面に固着像として定着される。
定着装置20を出た記録紙は、フルカラー画像形成物として搬送パス21を通って、排紙ローラ22により排紙トレイ23上に送り出される。また、二次転写部にて記録紙分離後のベルト8の面は、ベルトクリーニング装置12により、二次転写残トナー等の残留付着物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。
モノクロのプリントモードの場合には、ブラックトナー像を形成する第4の画像形成部Bkのみが作像動作制御される。両面プリントモードが選択されている場合には、第1面プリント済みの記録紙が、排紙ローラ22により排紙トレイ23上に送り出されていき、後端部が排紙ローラ22を通過する直前時点で、排紙ローラ22の回転が逆転に変換される。
これにより、記録紙はスイッチバックされて再搬送パス24に導入される。そして、表裏反転状態になって、再びレジストローラ16に搬送される。以後は、第1面プリント時と同様に、二次転写部、定着装置20に搬送されて、両面プリント画像形成物として排紙トレイ23上に送り出される。
(画像加熱装置)
以下の説明において、画像加熱装置としての定着装置、または定着装置を構成している部材に関し、長手方向とは記録紙の面において記録紙搬送方向と直交する方向をいい、短手方向とは、記録紙の面において記録紙搬送方向と平行な方向をいう。また、厚み方向とは、長手方向及び短手方向と直交する方向をいう。また、長さとは長手方向の寸法をいい、幅とは短手方向の寸法をいい、厚さとは厚み方向の寸法をいう。
図3は、本発明の実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置20の概略構成模型図である。定着装置20は、長手方向に伸びた抵抗発熱体に電極対を介して電圧を印加することにより発熱させる加熱体と、加熱体に密着して記録紙搬送方向に搬送されるベルト部材と、ベルト部材の加熱体とは反対側に対向する加圧部材と、を有する。そして、定着装置20は、画像を担持した記録紙を加圧部材とベルト部材で挟持搬送して画像を加熱する。
1)加熱体
加熱体としてのヒータユニット60は、加熱体としてのヒータ600と、該ヒータ600を支持する支持体としての横断面半円弧桶形のヒータホルダ660(ヒータステー)を備える。更に、ヒータユニット60が、後述する加圧部材としての加圧ローラ70により加圧された際に、変形しないために設けられた逆U字形の補給板金670を備える。
ヒータ600は、記録紙Pの搬送方向に直交する方向を長手とする絶縁性、耐熱性、低熱容量の基板610と、抵抗発熱体620、温度検知素子としてのサーミスタ630とを備える。そして、ヒータホルダ660に抵抗発熱体620を露呈させ、かつ断熱、固定的にヒータホルダ660に固定して支持される。更に、定着ベルト650との接触面(加熱面)側には、摺動層として厚さ10μm程度のポリイミド層が設けられている。このポリイミド層により、定着ベルト650とヒータ600との摺擦抵抗を低減することで、駆動トルクの低減および定着ベルト650内面の磨耗を防止している。
2)ベルト部材
円筒形状の耐熱性フィルムからなる定着ベルト650は、ステンレスを厚み30μmの円筒状に形成した円筒状の基材上に、厚み約300μmのシリコーンゴム層(弾性層)をリングコート法により形成されている。更に、その上に、厚み20μmのPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂チューブが最表面層に被覆された構造となっている。そして、定着ベルト650は、ヒータホルダ660にルーズに外嵌されている。
ヒータホルダ660は、耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で形成されており、ヒータ600を保持すると共に、定着ベルト650をガイドする役割を果たしている。本実施形態では、液晶ポリマーとして、デュポン社のゼナイト7755(商品名)を使用した。
ヒータホルダ660の長手方向の両端部は、不図示の加圧機構によりその一端側が156.8N(16kgf)、総圧313.6N(32kgf)の力で、加圧ローラ70の軸線方向に付勢されている。その結果、ヒータ600の下面(加熱面)を、定着ベルト650を介して、加圧ローラ70の弾性層に抗して所定の押圧力をもって圧接させ、定着に必要な所定幅の定着ニップ部Nが形成されている。
3)加圧部材
ヒータユニット60の下方には、加圧部材としての加圧ローラ70が平行に配設されており、該加圧ローラ70は、芯金71と、厚み約3mmのシリコーンゴムからなる弾性層72と、厚み約40μmのPFA樹脂チューブからなる表層73とで構成される。この加圧ローラ70は、記録紙の搬送方向に、駆動系(図示せず)により回転駆動(反時計回り)され、これにより、円筒形定着ベルト650がヒータ600の発熱体表面に密着摺動して、ヒータホルダ660の周囲を回動する。
このように、加圧ローラ70は、矢印の方向に所定の周速度で回転駆動され、これと圧接された関係にある定着ベルト650は、加圧ローラ70に従動して所定の速度で回転する。このとき、定着ベルト650の内面がヒータ600の下面に密着して、定着ベルト650は摺動しながらヒータホルダ660の外回りを矢印の方向に従動回転可能な状態となる。定着ベルト650内面にはグリスが塗布され、ヒータホルダ660と定着ベルト650内面との摺動性を確保している。
加圧ローラ70が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト650が従動回転可能な状態になると、ヒータ600に通電が行われる。そして、ヒータ600の温度が設定温度に立ち上がり温調された状態のとき、定着ニップ部Nに未定着トナー像を担持したシートである記録紙Pが、入り口ガイドに沿って案内されて導入される。そして、定着ニップ部Nにおいて、シートのトナー像担持面側が定着ベルト650の外面に密着し、シートが定着ベルト650と共に移動する。
記録紙Pが定着ニップ部Nで挟持搬送される過程において、ヒータ600からの熱が定着ベルト650を介して記録紙Pに付与され、未定着トナー像が記録紙P上に溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録紙Pは、定着ベルト650から分離され排出される。
630はサーミスタで、熱源であるヒータ600の裏面(加熱面とは反対側の面)に設置され、ヒータ600の温度を検知する機能を担っている。サーミスタ630は、A/Dコンバータを介して制御手段としての制御回路部であるCPU100に接続されている。この制御回路部100は、夫々のサーミスタからの出力を所定の周期でサンプリングしており、得られた温度情報を温度制御に反映させる構成となっている。即ち、制御回路部100は、サーミスタ630の出力を基に、ヒータ600の温調制御内容を決定し、電力供給部であるヒータ駆動回路部51によってヒータ600への通電を制御する。
(ヒータ)
図1は、本実施形態に係る加熱体としてのヒータ600の一例を表す図であり、ヒータ600を基板610の表面側から見た図である。ヒータ600は、長手方向に伸びた抵抗発熱体620に第1の電極対を介して電圧を印加することにより発熱させるものである。第1の電極対は、抵抗発熱体620に対し、記録紙搬送方向の上流側、下流側に長手方向に沿って夫々設けられる第1電極領域(640a、640b)と、電源側から第1電極領域までを夫々接続する第2電極領域(640d、640f)と、を有する。
図1において、ヒータ600は、厚さ1.0mmの耐熱・電気絶縁材料で、高い熱伝導を有するアルミナ(Al2O3)などの平板短冊状の高剛性絶縁基板610を有する。そして、この上に、基板610の長手方向に沿って平行に比較的抵抗値の高い酸化ルテニウム(RuO2)などの導電ペーストを、スクリーン印刷法によって均一に10μm程度の厚さの膜状に塗布した。
そして、体積抵抗としては1000Ω/□となる抵抗発熱体620を焼成することにより、絶縁基板上610に固着させた。なお、抵抗発熱体620は、チタン酸バリウムなどの正の抵抗温度特性(PTC特性)をもつ自己温調制御型の焼成成形体などでも良い。基板610は、長手方向の長さが約330mm、短手方向の幅が約10mmの大きさのものを使用した。また、抵抗発熱体620の長手方向の長さは約300mmであり、短手方向の幅は約4.0mmとし、中心位置が記録紙Pの搬送中心となるよう基板610上に配設した。
(第1電極領域としての配線パターン、第2電極領域としての接続パターン)
1)第1の電極対
抵抗発熱体620に対し、記録紙搬送方向の上流側、下流側に長手方向に沿って夫々設けられる第1電極領域としての配線パターン640a・640bが設けられる。また、電源側から第1電極領域までを夫々接続する第2電極領域としての接続パターン640d・640fが設けられる。第2電極領域としては、接続パターン640d・640fに加え、第1電極領域と接続する接続位置640p、640qへの接続パターンを含む。接続位置640p、640qは、長手方向に変位しており、本実施形態では抵抗発熱体620の中心と点対称の関係となるように配置される。
夫々のパターンは、例えばAgやAg/Pt等の電気導電材料にガラス粉末を混ぜたペーストを基板上にスクリーン印刷をしたものであり、電気導電材料へのガラス粉末の配合を変えることで、体積抵抗の調整を可能とした。本実施形態では、上記パターンとして、厚みを10μm、体積抵抗を10mΩ/□になるよう調整を行った。そして、上記電気導電材料を、抵抗発熱体620の長手方向に沿って、配線パターン640a・640bに配設した。
2)第2の電極対
抵抗発熱体620に対し、記録紙搬送方向の上流側、下流側に長手方向に沿って夫々設けられる第1電極領域としての配線パターン640a・640bが、第1の電極対と共通に設けられる。また、電源側から第1電極領域までを夫々接続する第2電極領域としての接続パターン640c・640eが設けられる。第2電極領域としては、接続パターン640c・640eに加え、第1電極領域と接続する接続位置640m、640nへの接続パターンを含む。
配線パターン640aの記録紙Pの搬送中心位置である長手中心部に接続パターン640cの一端640mを一体的に接続し、接続パターン640cの他端を電極640gに一体的に接続した。一方、配線パターン640bの記録紙Pの搬送中心位置である長手中心部に接続パターン640eの一端640n(長手方向中央部で640mと一致)を一体的に接続し、接続パターン640eの他端を電極640iに一体的に接続した。
配線パターン640a・bは、抵抗発熱体620の長手方向に沿って約1.0mm幅で長手方向の全域を囲うように配設されている。また、接続パターン640c・640d・640e・640fは、長手方向に約3.0mm幅で配線パターン640a・640bと一体的に接続される。そして、長手方向に平行に約1.0mmの幅で電極640g・640h・640i・640jに一体的に接続されている。また、夫々の配線・接続パターン間の短手方向間隔は1.0mm以上の間隔になるように這い回しされている。
なお、図示しないが、配線パターン640aと抵抗発熱体620、および配線パターン640bと抵抗発熱体620は、長手方向にそれぞれ一部が重層形成される。この場合の重層部分は、抵抗発熱体620を配線パターン640a・640bに対して上側に配置する関係にしているが、この関係は逆でも構わない。
本実施形態のヒータ600は、基板610上の抵抗発熱体620や配線パターン・接続パターンに耐圧ガラスによるガラスコート(不図示)が施されたセラミックヒータとされている。コートの厚みが20μm〜100μm程度、熱伝導率が例えば2W/m・K以上となるように、アルミナなどの熱伝導に優れた無機酸化物フィラーを25〜35wt%加えることで、摺動性を向上させたオーバーコート層となる。このガラスコートにより、抵抗発熱体及び配線パターン、接続パターンを機械的、化学的、電気的に保護することができる。
電極640g・h・i・jは、厚さ10μm、長手長さ2.0mm、短手幅2.0mmでそれぞれ形成され、制御回路CPU100へは給電用コネクタにより接続できるようになっている。そこで、CPUでは、以下に説明するように、用紙サイズやサーミスタ温度により、電極間の電源をスイッチで選択的に切り換えて電力を供給するようにする。
本実施形態では、制御回路部100により、電極640gと電極640i間で電力を供給する機構(以下、中央給電)と、電極640hと電極640j間で電力を供給する機構(以下、端部給電)を切り換えるスイッチを内蔵している。即ち、中央給電と端部給電の内、一方への通電を行うときに他方への非通電を行うように、通電と非通電とを切り換える。
(加熱定着動作)
図4に本実施形態におけるブロック図を示す。定着装置及び画像形成部は、CPUとメモリーからなる制御回路部によって、動作を制御されている。ユーザーは、不図示の汎用的なインターフェースを用いて、プリントデータを画像形成装置に転送し、画像出力命令を行う。画像出力命令があると、制御部は画像形成部に画像形成命令と画像データを転送し、定着部に加熱定着動作の命令を送る。加熱定着動作として、制御回路部100は、通電制御手段としてのトライアック51をオンする。
これにより、交流電源30からヒータ600の電極640g・640i間、若しくは、電極640h・640j間を通じて、抵抗発熱体620に通電される。そして、抵抗発熱体620が発熱し、基板610が加熱され、ヒータ600全体が急速昇温する。その昇温に応じて加熱されるヒータ600の温度を、サーミスタ630が検知する。制御回路部100は、サーミスタ630の出力(検知温度)をA/D変換して取り込む。
そして、サーミスタ630からの出力に基づいて、トライアック51によりヒータ600に通電する電力を位相制御或いは波数制御等により制御して、ヒータ600の温度制御を行う。即ち、制御回路部100は、記録紙P上のトナー像を加熱定着する工程中、サーミスタ630の検知温度が、設定温度(目標温度)を維持するように、ヒータ600への通電を制御する。即ち、サーミスタ630の検知温度が所定の設定温度より低い場合にはヒータ600が昇温するように、高い場合にはヒータ600が降温するように、通電を制御することによって、ヒータ600を設定温度に温調している。
定着時の設定温度は、加圧ローラ70の温まり具合(連続プリント時のプリント枚数をカウントしたり、連続プリント時の時間をカウントしたりして推測できる)や、記録紙Pの種類(普通紙、厚紙、樹脂シート等)等に応じて制御回路部100により設定される。従って、本実施形態のプリンタは、記録紙Pの種類に応じた複数の設定温度を有するものである。
このように、加圧ローラ70及び定着ベルト650の回転と、ヒータ600への通電を行わせた状態において、未定着トナー像を担持した記録紙Pがニップ部Nにトナー像担持面を上向きにして導入される。その記録紙Pは、定着ベルト650と一緒にニップ部Nで挟持搬送され、該ニップ部Nにおいて定着ベルト650内面に接しているヒータ600の熱エネルギーが定着ベルト650を介して記録紙Pに付与される。そして、ニップ部Nにおける加圧力によって、トナー像の熱圧定着がなされる。
本実施形態では、サーミスタ630を図5に示すような位置に配置し、中央部・端部の温度を検知し、ヒータ600への通電制御を行った。即ち、抵抗発熱体620の中央部の温度を検知するために、抵抗発熱体620長手中央部の位置に抵抗発熱体620に接するようにメインサーミスタ630aを配設した。また、抵抗発熱体620の長手端部の温度を検知するために、抵抗発熱体620長手端部の位置に抵抗発熱体620に接するようにサブサーミスタ630bを配設した。夫々のサーミスタは、制御回路部100と接続されて温度を検知し、所望の設定温度になるよう温調制御を行う。
(定着装置の温調制御)
次に、制御回路100による定着装置の温調制御(加熱ヒータへの通電制御)について説明する。本実施形態では、抵抗発熱体620の裏面に設置されたサーミスタ630の温度検出結果を基に、定着ベルト650の温度制御を行っている。即ち、図6に示すように、サーミスタ630の検知温度と、その目標温度との偏差(温度差)に比例した電力を、ヒータ600に印加する制御を行っている。なお、この制御方式を比例制御方式と呼ぶが、制御方式としてはこのような方式に限らず、所謂PID制御方式等他の方式を採用可能である。
ところで、本実施形態で用いたトナーは、坪量が64g/mの記録紙を用いる場合、定着ベルトの温度が220℃以上となると、所謂ホットオフセットが発生してしまう。また、坪量が105g/mの記録紙を用いる場合、定着ベルトの温度が180℃以下となると、所謂コールドオフセットが発生し、画像品質が著しく損なわれてしまう。従って、定着ベルトの温度が上述した温度とならないように、後述する温度制御を行っている。
(長手方向の温度分布)
ここで、上記説明した本実施形態の構成で、中央給電(電極640g・640i間)と端部給電(電極640h・640j間)に電力を供給した場合の夫々の温度分布を示す。図7は、中央給電(電極640g・640i間)に電力を供給し、メインサーミスタ630aの温度検知が200℃を維持するよう設定した場合の長手方向の温度分布をサーモグラフィーで測定した結果を示す。また、図7の下部に中央給電の抵抗発熱体620に流れる電流を説明するため模式的に描いた回路図を示す。
図7の下部に示すモデルは、ヒータ600を7分割して夫々同上図と位置関係を同じくし、配線・接続パターン・抵抗発熱体の抵抗を示したものである。図の斜線部は抵抗発熱体である。ここで、図7のエリアDにおける抵抗発熱体の抵抗値をR1、エリアGにおける抵抗発熱体をR2とする。抵抗値R1とR2は略等しいと考える。更に配線パターンの抵抗値をrとした。
中央給電の場合、図7の温度分布結果に示すように、抵抗発熱体620へ流れる電流は接続パターン640c・eの配線パターン640a・bとの接続位置近傍に電流が流れ易い(図7の破線枠部)。即ち、中央近傍部が両端部に比べ発熱量が大きくなり、中央部の温度分布が高くなっていることが分かる。回路図で説明すると、分岐点aから分岐点bに向かって抵抗R1に流れる電流I1は、配線パターンの抵抗rを通過せず、抵抗R1に電流が流れる。一方、抵抗R2には配線パターンの抵抗rを3回通過した後、抵抗R2に電流I2が流れる。
よって、抵抗R2は配線パターンrの電圧降下により、抵抗R1に流れる電流よりも低い電流量(I1>I2)となり、結果として抵抗発熱体の発熱量(I1×R1>I2×R2)が減少する結果となることが分かる。従って、中央給電は、中央部近傍の温度を高くしたい、或いは、端部の温度を下げたい場合に適しており、小サイズ紙の連続通紙に起きる非通紙部昇温時に効果が現れる。同様に、図8に端部給電(電極640h・j間)に電力を供給した場合の長手方向の温度分布を上記方法で測定した結果を示す。
また、図8の下部に、端部給電の抵抗発熱体620に流れる電流を説明するために模式的に描いた回路図を示す。エリアDにおける抵抗発熱体の抵抗値をR1’、エリアGにおける抵抗発熱体をR2’とする。抵抗値R1’とR2’は略等しいと考える。更に配線パターンの抵抗値をr’とした。端部給電の場合、図8に示すように、抵抗発熱体620へ流れる電流は接続パターン640d・f間で電流が流れる(図8の破線枠部)。即ち、全域に電流が流れるが、接続位置近傍の温度が高くなり、中央部と比べて長手方向の温度分布として端部が高くなっている。
回路図で説明すると、分岐点a’から分岐点b’に向かって抵抗R1’に流れる電流I1’は、配線パターンの抵抗r’を3回通過した後、抵抗R1’に電流が流れる。抵抗R2’には配線パターンの抵抗r’を通過せず、抵抗R2’に電流I2’が流れる。よって、抵抗R1’は配線パターンr’の電圧降下により、抵抗R2’に流れる電流よりも低い電流量(I1’<I2’)となり、結果として抵抗発熱体の発熱量(I1’×R1’<I2’×R2’)が減少する結果となることが分かる。
従って、端部給電では端部の温度を高くしたい場合に適しており、最大サイズ紙を通紙する場合の端部温度ダレ時に効果が現れる。端部温度ダレとは、加圧ローラ70の温度が低い状態で動作を開始する時、ヒータ600より発熱された熱が定着ベルト650を介し、加圧ローラ70に一部吸収され、加圧ローラ70の長手端部へと流れてしまい、温度分布として端部が低い状態のことをいう。端部温度ダレが起きると、最大サイズ紙を通紙した場合、端部の温度が低いために定着不良(コールドオフセット・光沢ムラなど)として、出力される画像に影響が生じてしまう。
(中央給電と端部給電の切り換え)
次に、制御回路100において中央給電と端部給電を切り換えるタイミングの例を示す。
a)非通紙部昇温対策を行う場合
図9に、長手端部の温度を検知するサブサーミスタ630bにより、端部の温度が上昇したことが検出される場合(即ち、非通紙部昇温が起き易い小サイズ紙の連続通紙時)における温調制御のフローチャートを示す。ここで、メインサーミスタ630aの目標温度をT1、検知した温度をT1’、サブサーミスタ630bの目標温度をT2、検知した温度をT2’、とした。
本実施形態では、サブサーミスタ630bの検知温度T2’と、サブサーミスタ630bに設定されている目標温度T2の差分値に応じて、中央給電(電極640g・i間)と端部給電(電極640h・j間)の電力供給を切り換える温調制御としている。なお、メインサーミスタ630a、および、サブサーミスタ630bの目標温度T1・T2は、記憶手段としての不揮発性メモリに格納されており、制御回路部が必要に応じてこれらのデータを読み出す構成となっている。
動作ジョブの信号を受けると、複写モードの設定が行われる。この複写モードの設定工程では、画像形成に用いられる記録紙の種類やサイズの設定が行われる。本実施形態では、ペーパーモードが普通紙の場合を説明する。記録紙の設定が行われると、ペーパーモードに応じてメインサーミスタ用の目標温度T1および、サブサーミスタ用の目標温度T2が設定される。このように設定された目標温度に基づき、ヒータ600への通電が開始される。本実施形態では、通電開始時はヒータ600全域の温度を上げる為、端部給電により温度制御を行っている。
ここで、メインサーミスタ630aの検知温度T1’が目標温度T1を越えると、画像形成動作が開始される。この場合、メインサーミスタ630aの検知温度T1’が目標温度T1に達するタイミングで、シートが定着ニップに達するように各種タイミングが設定されている。画像形成動作が開始されると、記録紙が搬送される通紙領域の温度は目標のT1温度近傍を推移するが、通紙領域外の非通紙部は温度上昇が起こる。
そこで、通紙中サブサーミスタ630bの温度を検知し、サブサーミスタ630bの目標温度T2に達した場合、通電を端部給電を中央給電に切り換えるように、制御回路100によりスイッチを切り換える。この切り換え動作を、入力されたジョブの信号である画像形成動作が終了するまで、各サーミスタの検知により給電を切り換える。そして、後述するように、上記温調制御を行うことで、小サイズ通紙を行ったとき端部の温度が上がってしまった場合、中央給電に切り換えることで、非通紙部昇温を低減させることが可能となる。
b)長手方向の温度ムラを軽減させる場合
本実施形態では、長手方向の温度分布に応じて、例えばメインサーミスタ630aとサブサーミスタ630bの検知温度の差分値に応じて、中央給電(電極640g・i間)と端部給電(電極640h・j間)の電力供給を切り換える。このような温調制御のフローチャートを図10に示す。
本実施形態では、画像形成開始までは上記a)の説明と同じである。本実施形態では、通紙中のメインサーミスタ630aの検知温度T1’とサブサーミスタ620bの検知温度T2’の差分を常時読み、制御回路100より中央給電と端部給電を判断し、電力切り換えを行う。T1’>T2’の場合は端部給電、T1’<T2’の場合は中央給電を行う動作をする。後述するように、上記温調制御により、異なるサイズを連続通紙する場合などは長手の温度ムラが低減され、長手方向の温度ムラによる画像不良を低減することができる。
また、本実施形態では2つのサーミスタによる温調制御を例に挙げたが、3つ以上でも良く、上記サーミスタ(温度検知手段)を複数配置することで、様々な異なる紙サイズを通紙した場合の長手の温度ムラを防止することが可能となる。
(比較例1)
本実施形態の構成で上記温調制御を用いた場合の、ヒータの長手方向での抵抗発熱体の温度分布を、従来の短手方向通電ヒータを比較例として比較した実験結果を、以下に説明する。図11に、比較例として従来の短手方向通電の構成を示す。本実施形態と、抵抗発熱体620の形状(幅・長さ・厚さ)は同じ形状、配線パターンの形状も同じとし、接続パターンの位置を変更した構成としている。
従来例1は、接続パターンを発熱抵抗体片側端部に接続した場合の構成である。従来例2は、接続パターンを記録紙Pの搬送方向中心に接続した場合の構成である。従来例3は、接続パターンは抵抗発熱体中心に対し、対称端部に接続を設けている構成である。夫々のヒータに対し、温度が200℃になるよう120Vで通電したときの、長手方向の温度ムラをサーモグラフィーで測定した時の結果を示す。中心部のメインサーミスタの検知温度が200℃を維持するよう温調制御を行った。なお、図11では、記録紙の通紙は行っていない。
上記の実験結果を図12に示す。従来例1では接続部である片側の発熱量が大きく、接続部から逆側端部に向かって温度が下がっていることが分かる。従来例2は、中央部が主に発熱し、端部は殆ど発熱していない結果となった。従来例3は、両端部の温度が高くなっている。以上、従来例と比較して、本実施形態では中央部・端部共に温度ムラが小さく、長手で均一な温度を保っていることが分かる。
(比較例2)
本実施形態と従来例において、実際に記録紙を通紙した場合についての比較を行った。小サイズ紙(B5R送り・画像は白画像)を1000枚連続通紙した直後の温度分布をサーモグラフィーで測定したときの、長手方向の温度分布の結果を図13に示す。また、表1に連続通紙時の不都合を確認した状態を示す。
非通紙部昇温の判定として、通紙中の非通紙部の温度をサーモグラフィーで測定し、240℃を超えていた場合を×としている。△は片側のみ超えた場合。画像判定として、1000枚連続通紙した直後、最大サイズ紙(A3サイズ)にベタ画像を通紙し、記録紙に載せたトナー画像を目視で判断し、定着不良(コールドオフセット・ホットオフセット・光沢ムラなど)の発生により評価を行った。上記結果で、○は特に問題がない場合を意味する。
以上の結果をまとめると、従来例1は、接続部側の温度上昇が顕著であり、機械故障温度近傍まで上昇してしまった。また、接続部と逆側では温度低下を起こし、コールドオフセットが発生した。従来例2は、非通紙部の温度は低く収まっているが、最大サイズ紙を通紙した時、中央部と記録紙端部の温度差が生じ、端部の画像劣化(コールドオフセット・濃度ムラ・光沢ムラ)が生じた。
従来例3は、両端部の温度上昇が顕著に表れ、いわゆる非通紙部昇温が発生し、定着装置を故障させる結果となってしまった。また、非通紙部の温度が高いため、最大サイズ紙を通紙した場合、B5R幅内とその外側とでベタ画像に濃度・グロス差が大きくなり、画像劣化が著しく生じた。以上、従来例と比較して、本実施形態では通紙中も長手全域でほぼ均一な温度分布となり、安定した画像を出力することが可能であることを確認した。
なお、本実施形態で使用しているトナーでは、本構成の定着器では200±20℃の条件を満たすことで、良好な画像を出力できることが分かっており、本実施形態による構成では用紙サイズに関わらず上記条件で長手方向全域に対し達成できた。
参考例1
参考例では、基本的な画像形成部および定着器の構成は第1の実施形態と同じで、抵抗発熱体620に接続された配線パターン・接続パターンの構成が異なっている。第1の実施形態では、抵抗発熱体620の中央給電と端部給電の給電を切り換えることで長手方向の温度ムラを抑制する構成であった。
参考例では、第1の実施形態の中央給電を長時間動作を行う場合に温度ムラが生じることが考慮されている。即ち、接続パターンの配線パターンへの接続位置を長手方向の座標を揃えてしまう(短手方向に直列に並ぶ)と、図14の破線枠部のように、接続部に電流が少なくとも他の部分と比べ多く流れてしまい、接続部近傍における温度が長手で若干の温度ムラが生じる。これは、配線パターンと接続パターンの接続部における導体の抵抗が他と比べ低く、接続部に電流が流れ易いからである。
また、この温度ムラとしては数℃(数%)程度の変化であるが、高画質が求められる昨今では、この温度ムラが画像劣化として現れる可能性がある。そこで、本参考例では配線パターンと接続パターンの接続箇所での温度上昇を抑制し、さらに均一な温度分布が得られる構成を説明する。
(ヒータ)
図15に、本参考例のヒータ構成と、従来の中央給電とを比較する図を示す。本参考例では、配線パターン640a、640bに対し、接続パターン640c、640dを長手方向に変位した接続位置640m、640nで接続している。また、接続位置640m、640nは、それぞれ搬送中心に対し略同一距離の位置であって、長手方向の変位の量が最小通紙幅より小さいように配置されている。例えば、本体として最小通紙サイズが葉書サイズとした場合は、葉書サイズ幅内に接続位置が長手方向で互いにずれた位置に配置される。
なお、接続位置640m、640nは、搬送中心に対し対称でなくても良く、抵抗発熱体の長手方向の範囲内でずれていれば良い。
(本参考例と従来の中央給電との温度分布の比較)
図15に、本参考例と、従来の中央給電と、において、中央メインサーミスタ検知温度が200℃を維持するように長時間(今回は1時間)温度制御した直後の温度分布をサーモグラフィーで測定した結果を示す。
図15に示すように、従来の中央給電のような接続位置の座標が揃っている構成では、接続位置に流れる電流量が多いため、温度が上昇し、中央部近傍で温度ムラが生じる結果となった。しかし、本参考例のように、接続位置の座標を抵抗発熱体の長手方向の範囲内でずらす場合は、抵抗発熱体620に流れる電流が1対の電極間に集中することがなく、長手方向に電流が分散して流れるので、温度ムラが軽減されていることが分かる。
(接続位置と最小通紙幅との関係)
図16に、接続位置640m、640nを最小通紙幅内に設定した本参考例のヒータ、従来の中央給電のヒータ、そして、接続位置640m、640nを最小通紙幅外に設定したヒータの3種類のヒータで、本体動作確認を行った結果を示す。本体動作確認としては、本参考例の画像形成装置で、通紙可能最小サイズ紙である葉書を1000枚通紙した後の温度分布をサーモグラフィーで測定する。
図16に示すように、本参考例では、画像形成動作中は最小通紙幅内に接続位置を配置することで、少なくとも接続位置を記録紙が通過するので、記録紙に温度が吸収・均一化されることで記録紙幅内の温度ムラはより軽減される。しかし、最小通紙幅外に接続位置を配置すると、最小サイズ紙を通紙した場合、非通紙部は記録紙と触れず、温度上昇が起きてしまうので長手方向の温度ムラが生じ、最大サイズ紙などを直後に通紙すると光沢ムラなどが起きてしまう。また、本参考例では、接続位置を搬送中心に対し対称配置することで、対称的な温度分布となり、効率的にヒータ600を加熱することが可能となる。
以上の結果より、配線パターンと接続パターンの接続位置640m、640nの長手方向の座標をずらし、且つ、最小通紙幅内に配置することで、長手方向の温度ムラを低減することができる。
(本参考例の変形例)
図17に示すヒータは、第1の実施形態の接続位置640m、640nを本参考例の構成に置き換えたものである。第1の電極対については、第1の実施形態と同じである。
第2の電極対については、先ず抵抗発熱体620に対し、記録紙搬送方向の上流側、下流側に長手方向に沿って夫々設けられる第1電極領域としての配線パターン640a・640bが、第1の電極対と共通に設けられる。
そして、電源側から第1電極領域までを夫々接続する第2の第2電極領域としての接続パターン640c・640eが設けられる。なお、第2の第2電極領域としては、接続パターン640c・640eに加え、第1電極領域と接続する接続位置640m、640nへの接続パターンを含む。
そして、第1の実施形態に記載した温調制御系を用いることで、長手方向の全域に渡り均一な温度分布を維持することができる。そして、本参考例では、最小サイズ紙として葉書のような比較的小さい紙を設定でき、またA3サイズなど幅の広い紙を通紙する場合にも温度ムラの軽減が実現可能である。
なお、本参考例のヒータを搭載した定着器では200±20℃の条件を満たすことで、良好な画像を出力できることが分かっているが、本参考例で使用しているトナーでは、用紙サイズに関わらず上記条件で長手方向全域に対し達成できた。
参考例2
参考例は、基本的な画像形成部および定着器の構成が前述した参考例と同じであり、抵抗発熱体620に接続された配線パターン・接続パターンの構成が異なっている。
(9)本参考例の加熱ヒータ
図18に、本参考例参考例1のヒータ構成を比較する図を示す。本参考例では、第1電極領域としての配線パターン640a、640bに対し、第2電極領域としての接続パターン640c、640d、を長手方向に変位した接続位置640r、640sで接続する。また、第1電極領域を共通、かつ第2電極領域も共通となるように、配線パターン640a、640bに対し、接続パターン640c、640dを長手方向に変位した接続位置640m、640nで接続する。
接続位置640mと640r、接続位置640sと640nは搬送中心に対し略線対称の位置で接続されている。さらに、接続位置640m、640n、640r、640sは、最小通紙幅内になるように接続されている。例えば、最小通紙幅を葉書サイズとした場合は、葉書サイズ幅内に接続位置640m、640n、640r、640sを配置する。なお、最小通紙幅内で長手方向にずれた位置にあれば、その位置については任意である。
(本参考例と従来の中央給電との温度分布の比較)
図18に、本参考例と、参考例1とで、中央メインサーミスタ検知温度が200℃を維持するように長時間(今回は1時間)温度制御した直後の温度分布をサーモグラフィーで測定した結果を示す。図18に示すように、参考例1と比較して、本参考例は接続位置を複数対持つことで、抵抗発熱体620に流れる電流が長手方向でより分散され、接続位置近傍の温度ムラがほぼ解消される結果となった。
さらに、参考例1と同様に、画像形成動作中は最小通紙幅内に接続位置を配置することで、少なくとも接続位置を記録紙が通過するので、記録紙に温度が吸収・均一化されることで記録紙幅内の温度ムラはより軽減される。最小通紙幅外に接続位置を配置すると、最小サイズ紙を通紙した場合、記録紙と触れず温度上昇が起きてしまうので適応できない。以上の結果より、配線パターンと接続パターンの接続位置を最小通紙幅内に複数配置することで、温度ムラを低減することができる。
(本参考例の変形例)
さらに、図19に示すように、第1の実施形態の中央給電を、本参考例のように接続位置が最小通紙幅内に複数配置されるものに置き換えることができ、これにより更なる温度ムラの低減が可能となる。即ち、図19の構成は、第1の実施形態の接続位置640m、640nを複数対に置き換え、参考例1のように長手方向の座標をずらした位置に配置する。第1の実施形態に記載の温調制御を用いることで、接続位置近傍および長手方向の温度ムラが低減される。
このように、少なくとも記録紙搬送方向の中央付近に存在する2組以上の複数中央電極対が、記録紙の最小通紙幅内に存在していれば、記録紙内温度ムラの発生を防止することが可能となる。なお、本構成の定着器では200±20℃の条件を満たすことで、良好な画像を出力できることが分かっており、本参考例で使用しているトナーでは、用紙サイズに関わらず上記条件で長手方向全域に対し達成できた。
(本参考例の更なる変形例)
また、図20に示すように、本参考例で説明した最小サイズ紙幅内に複数接続位置を配置した例をいくつか示す。図20のどの構成も、上述した本参考例の効果を同様に備える。
参考例3
図21に示す本参考例は、基本的な画像形成部および定着器の構成が上述した参考例と同じで、抵抗発熱体620に接続された接続パターンについての構成が異なっている。本参考例では、抵抗発熱体620に対して配線パターンが長手方向に沿って平行に接続され、1つの配線パターンに対し複数の接続パターンを有している。しかし、前述したように、制御回路部と接続された接続パターンも導電性は高いが抵抗値はゼロではない。
例えば、図22の構成を例に挙げると、電極640g・iから夫々の接続位置640m・n・r・sまでの距離を接続−電極間距離d1・d2・d3・d4とすると、接続−電極間距離はd1>d2、d3<d4の関係になっている。図22の構成では配線パターン・接続パターンは、夫々厚み10μm、幅約1.0mmで体積抵抗10mΩ/□の材料を用いている。図22の構成では長手方向の温度ムラに対し、所望の効果が得られるが、複数の接続位置を這い回す場合、ヒータ全体としての幅を広めなければいけない。
そこで、同材料で小型化を試みた場合の一例を参考例3’として挙げる。参考例3’では配線パターン・接続パターンの厚さ・幅を夫々半分(厚さ5μm・幅0.5mm)とした。この場合の温度分布と、本参考例の温度分布を比較した結果を図22に示す(ここで、図は配線パターンの厚さ・幅を変えただけで、図面としてはほぼ等しいので不図示)。図の結果より、厚み・幅を小さくしたことで、各接続位置近傍の温度差が顕著になった。
この結果を図23を用いて説明する。図は、参考例3’のヒータ600を回路図で表した図である。図23は、図22でヒータ600を7分割(A・B・C・D・E・F)にした時のそれぞれ抵抗発熱体・パターンの抵抗を模式的に表している。各抵抗値R1・R2・R3・R4・R(1+2)・R(3+4)・ΔR12・ΔR34は、夫々厚み・幅を狭くすることで抵抗値が上昇し、接続−電極間距離の合成抵抗値は長さd1・d2・d3・d4に比例して大きくなっている。
従って、電極から発熱抵抗体600に到達するまでの電圧降下により、接続−電極間距離が大きければ大きいほど発熱抵抗体600に流れる電流が低下し、ヒータの長手温度ムラが顕著に現れる。また、接続パターンが薄く・狭いほど、距離に対する感度が大きくなってしまう。
そこで、本参考例は図21に示すように、接続−電極間の合成抵抗値を等しくすることで、発熱抵抗体に流れる電流量にムラを生じさせない構成である。具体的には、接続−電極間の距離d1=d2、またd3=d4の関係式を満たす条件にすることで実現が可能である。例えば、電極640gから接続位置640m・rに向かう経路で、分岐点640tまでは同一接続パターンを通り、接続位置640m・640rに向かう経路の距離を等しく設定している(d1=d2)。
また、電極640iを電極640gとは長手方向で逆側に配置し、接続位置640s・640nに向かう経路で、分岐点640uまでは同一接続パターンを通り、接続位置640s・640n向かう経路の距離を等しく設定している(d3=d4)。
この結果、図23に記載の夫々合成抵抗を変えているΔR12・ΔR34を除く、即ち、給電電極640g・iから抵抗発熱体600までパターンを通る経路を等しくする。これにより、経路d1・d2・d3・d4の夫々の電極からの合成抵抗Rd1=Rd2、また合成抵抗Rd3=Rd4が等しくなり、抵抗発熱体の長手方向の温度ムラが軽減される。
参考例では、同一パターン内の接続−電極間距離を等しくすることで、配線・接続パターンの電圧降下による電流ムラを防止することができた。これとは別に、接続パターンの接続−電極間の合成抵抗が等しければ良く、材料や形状(例えば断面積など)等で調整しても良い。なお、本参考例で使用しているトナーでは、本構成の定着器では200±20℃の条件を満たすことで、良好な画像を出力できることが分かっており、本参考例による構成では用紙サイズに関わらず上記条件で長手方向全域に対し達成できた。
第2の実施形態》
図24は、異常発熱時の対策素子を配置した本実施形態を示す。図24において、抵抗発熱体に電流が供給される電極近傍には、異常発熱時の対策素子としての1本の温度ヒューズ635が配線されている。この温度ヒューズ635には様々な種類のものがあるが、画像加熱装置には応答の速い感温ペレットタイプのものが一般的に使用されている。温度ヒューズ635は、電極640、電力供給源、抵抗発熱体の電気回路に対して直列に接続されており、定着動作の異常発熱時には温度ヒューズ635が短絡することによって、電力供給源から発熱体への回路を遮断し、発熱を抑制する。
また、本実施形態では、抵抗発熱体の給電状態に応じて温度ヒューズを2箇所(長手方向と交差する記録紙搬送方向の下流側の中央部位置および左側の端部位置)配置しており、各々の通電状態において対応可能であり有効的である。温度ヒューズ635の配置位置は、図24に示した位置に限らず、上流側の接続位置または下流側の接続位置の少なくとも1箇所であれば良い。
なお、温度ヒューズ635は、電極640と、接続線636で溶接されて接続されている。本実施形態では、給電部近傍に温度ヒューズ635を配置するので、異常状態となりヒーターの通電制御が遅れるような状況になったとしても、最も温度が高くなる電極付近に温度ヒューズを配置しているので、迅速に回路を短絡することが可能となる。
同様に両端部に配置されている温度ヒューズは、両端部の電極から給電される状態で有効的に作動することを目的としている。両端の給電部から給電される場合は、両端部の温度が高くなるので、両端の電極部付近に温度ヒューズ635を配置することによって、迅速に回路を短絡することが可能であり、信頼性をさらに向上することができる。なお、本実施形態では、異常発熱時の対策素子として温度ヒューズを用いたが、バイメタルを用いたサーモスイッチを用いても良い。
70・・加圧ローラ、600・・ヒータ、620・・抵抗発熱体、640a、640b・・配線パターン(第1電極領域)、640d、640f・・接続パターン(第2電極領域)、640p・640q・・接続位置、650・・定着ベルト

Claims (2)

  1. 長手方向に伸びた抵抗発熱体に第1の電極対および第2の電極対を介して電圧を印加することにより発熱させる加熱体と、
    前記加熱体に密着して前記長手方向と交差する方向に搬送されるベルト部材と、
    前記ベルト部材の前記加熱体とは反対側に対向する加圧部材と、
    を有し、
    画像を担持した記録紙を前記加圧部材と前記ベルト部材で挟持搬送して前記画像を加熱する画像加熱装置であって、
    前記第1の電極対は、
    前記抵抗発熱体に対し記録紙搬送方向の上流側、下流側に前記長手方向に沿って夫々設けられる第1電極領域と、電源側から前記第1電極領域までを夫々接続する第2電極領域と、
    を有し、
    前記第1電極領域と第2電極領域との接続位置として前記上流側の接続位置と、前記下流側の接続位置と、を前記長手方向で互いに変位させ、
    前記第2の電極対は、
    前記第1電極領域を共通に備え、前記電源側から前記第1電極領域までを前記第1の電極対の前記上流側の接続位置、前記下流側の接続位置と夫々異なる接続位置で接続する第2の第2電極領域を備え、
    前記第2の電極対の前記上流側の接続位置と前記下流側の接続位置とを前記長手方向の中央部で一致させ、
    前記長手方向の温度分布に応じて前記第1の電極対、前記第2の電極対の一方への通電、他方への非通電となるように通電と非通電を切り換えることを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記上流側の接続位置または前記下流側の接続位置の少なくとも1箇所に異常発熱時の対策素子を設け、前記異常発熱時の対策素子を介して前記接続位置に接続させることを特徴とする請求項に記載の画像加熱装置。
JP2012127964A 2012-06-05 2012-06-05 画像加熱装置 Expired - Fee Related JP5959944B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012127964A JP5959944B2 (ja) 2012-06-05 2012-06-05 画像加熱装置
US13/905,596 US20130322897A1 (en) 2012-06-05 2013-05-30 Image heating apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012127964A JP5959944B2 (ja) 2012-06-05 2012-06-05 画像加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013254018A JP2013254018A (ja) 2013-12-19
JP5959944B2 true JP5959944B2 (ja) 2016-08-02

Family

ID=49670392

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012127964A Expired - Fee Related JP5959944B2 (ja) 2012-06-05 2012-06-05 画像加熱装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20130322897A1 (ja)
JP (1) JP5959944B2 (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10025244B2 (en) 2010-12-17 2018-07-17 Lexmark International, Inc. Circuit and method for a hybrid heater with dual function heating capability
JP6261221B2 (ja) 2012-08-22 2018-01-17 キヤノン株式会社 像加熱装置及び画像形成装置
US20150086231A1 (en) * 2013-09-26 2015-03-26 Lexmark International, Inc. Fuser Assembly with Automatic Media Width Sensing and Thermal Compensation
JP6579798B2 (ja) 2014-05-26 2019-09-25 キヤノン株式会社 ヒータ、及びこれを備えた画像加熱装置
EP2953422B1 (en) 2014-05-26 2018-11-07 Canon Kabushiki Kaisha Heater and image heating apparatus including the same
JP6594038B2 (ja) * 2014-05-26 2019-10-23 キヤノン株式会社 ヒータ、及びこれを備えた画像加熱装置
JP6335651B2 (ja) 2014-05-26 2018-05-30 キヤノン株式会社 ヒータ、及びこれを備えた画像加熱装置
JP6376868B2 (ja) 2014-07-09 2018-08-22 キヤノン株式会社 画像加熱装置及び加熱器
EP2977824A1 (en) 2014-07-24 2016-01-27 Canon Kabushiki Kaisha Heater and image heating apparatus including the same
EP2977823B1 (en) 2014-07-24 2019-06-26 Canon Kabushiki Kaisha Heater and image heating apparatus including the same
JP6370160B2 (ja) * 2014-08-14 2018-08-08 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP2016057464A (ja) 2014-09-09 2016-04-21 キヤノン株式会社 ヒータ、画像加熱装置、製造方法
JP2016062024A (ja) 2014-09-19 2016-04-25 キヤノン株式会社 ヒータおよび定着装置
US9519250B2 (en) 2015-01-14 2016-12-13 Canon Kabushiki Kaisha Heater and image heating apparatus, the heater having heat generating portions disposed offset from a center line of a substrate
US10274876B2 (en) 2015-07-20 2019-04-30 Lexmark International, Inc. Heater member for the fuser assembly of an electrophotographic imaging device
JP6797562B2 (ja) * 2016-05-27 2020-12-09 キヤノン株式会社 加熱回転体、及びこの加熱回転体を備える画像加熱装置
US9874838B1 (en) * 2016-07-28 2018-01-23 Lexmark International, Inc. System and method for controlling a fuser assembly of an electrophotographic imaging device
WO2018225874A1 (ja) 2017-06-06 2018-12-13 キヤノン株式会社 画像加熱装置
JP6751120B2 (ja) * 2018-09-07 2020-09-02 株式会社東芝 配線構造、定着装置、及び画像形成装置
US11143991B2 (en) * 2019-08-08 2021-10-12 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus including a cooler and a heater
US11163264B2 (en) 2019-08-08 2021-11-02 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus
JP7371462B2 (ja) * 2019-11-29 2023-10-31 株式会社リコー 加熱装置および画像形成装置
US11143996B2 (en) * 2019-12-13 2021-10-12 Ricoh Company, Ltd. Heating device, fixing device and image forming apparatus
JP7434970B2 (ja) * 2020-02-06 2024-02-21 株式会社リコー 画像形成装置及び後処理装置
JP7523749B2 (ja) 2020-09-23 2024-07-29 株式会社リコー 画像形成装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11354256A (ja) * 1998-06-08 1999-12-24 Canon Inc ヒータ、加熱装置、及び画像形成装置
JP4599176B2 (ja) * 2004-01-23 2010-12-15 キヤノン株式会社 像加熱装置及びこの装置に用いられるヒータ
JP4948898B2 (ja) * 2006-05-17 2012-06-06 ハリソン東芝ライティング株式会社 ヒータ、加熱装置、画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013254018A (ja) 2013-12-19
US20130322897A1 (en) 2013-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5959944B2 (ja) 画像加熱装置
US11269274B2 (en) Heating device with a non-conveyance span temperature detector
US11054770B2 (en) Image forming apparatus and image heating apparatus that control heating amounts of a region in which an image is formed and a region in which an image is not formed
JP2023076691A (ja) 画像形成装置
US9772587B2 (en) Heater and image heating apparatus
JP7536944B2 (ja) ヒータ、定着装置及び画像形成装置
JP2015230421A (ja) 画像加熱装置及び画像形成装置
US10649376B2 (en) Image heating apparatus and image forming apparatus
US11392064B2 (en) Image forming apparatus capable of increasing gloss level of toner image without increasing number of processes performed by fixing unit
JP2017122768A (ja) 画像形成装置
JP2014228731A (ja) 画像加熱装置
JP2014145895A (ja) 画像加熱装置及び画像形成装置
JP2023085496A (ja) 画像形成装置
KR102575264B1 (ko) 상 가열 장치 및 화상 형성 장치
JP5984640B2 (ja) 定着装置及び定着装置に用いられるヒータ
US11537070B2 (en) Heater, heating device, fixing device, and image forming apparatus
JP2017173580A (ja) ヒータ、及びこれを備えた画像加熱装置
JP6071645B2 (ja) 定着装置、画像形成装置及び電力供給制御方法
JP2014041232A (ja) 画像加熱装置
JP2014228684A (ja) 定着装置
JP2018014163A (ja) ヒータ、定着装置及び画像形成装置
JP2022066424A (ja) ヒータ、定着装置
JP2019128385A (ja) 画像形成装置
JP2008233367A (ja) 画像形成装置
JP2013250496A (ja) 加熱体、及びその加熱体を用いた画像加熱装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150409

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160622

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5959944

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees