JP6071645B2 - 定着装置、画像形成装置及び電力供給制御方法 - Google Patents

定着装置、画像形成装置及び電力供給制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、トナー像を記録紙上に定着させる定着装置の発熱体の電力供給制御方法を用いた画像形成装置に関する。
従来、複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置において、記録紙上に形成されたトナー像を加熱して定着させる定着装置として、熱ローラ式の熱定着装置やフィルム加熱式の熱定着装置が用いられている。フィルム加熱式の熱定着装置は、セラミックヒータを熱源としており、ヒータは、双方向サイリスタ(以降、トライアックという)等のスイッチング素子を介して交流電源に接続され、交流電源によりヒータに電力が供給される。定着装置には温度検出素子、例えばサーミスタ感温素子が設けられており、温度検出素子により定着装置の温度が検出され、検出された温度情報に基づいて、CPUがスイッチング素子をオン/オフ制御する。これにより、ヒータへの電力供給をオン/オフし、定着装置の温度が目標温度になるよう制御される。また、定着装置のヒータには、記録紙の中央部を主に温めるヒータと、記録紙の端部を主に温めるヒータというように、複数のヒータを組み合わせたものがある。複数のヒータを組み合わせた定着装置では、それぞれのヒータへの電力供給の比率を変えて、いろいろな記録紙サイズに対応できるようにしている。
ヒータへのオン/オフ制御は、位相制御又は波数制御により行われる。位相制御は、交流電源の1半波内の任意の位相角でヒータをオンすることで、ヒータに電力を供給する電力制御方式である。一方、波数制御は、ヒータのオン/オフを交流電源の半波単位で行う電力制御方式である。また、ヒータの制御をどちらか一方に固定せずに、位相制御と波数制御を組み合わせた方式(以下、位相波数組み合わせ制御という)を用いるものもある。例えば特許文献1では、複数半波を一制御周期とするうちの一部の半波を位相制御し、残りを波数制御している。これにより、位相制御だけの場合に比べて高調波電流やスイッチングノイズの発生を抑えることができ、波数制御だけの場合に比べてフリッカを低減することができ、ヒータへの電力制御をより多段階に制御可能としている。
特開2003−123941号公報
昨今のプリント速度の高速化により、ヒータに供給される電力は増加する傾向にあるため、定着装置の電流値も増える傾向にあり、規格上限は超えないが規格上限に近い値を使用するようになってきている。また、昨今の画像形成装置の高速化に伴い、記録紙の搬送速度が速くなり定着装置の加熱温度の高温化や加熱温度の精度の厳密化が求められるようになってきている。そのため、より細かな電力制御を行う必要性が高まり、前述した位相波数組み合わせ制御を採用することが多くなってきている。更に、高調波抑制を目的とするイミニティ規格IEC61000−3−2の6.1項“非対称制御の禁止”という要請が出てきている。この規格を満たすために、一制御周期単位内での正半波の電力供給量と負半波の電力供給量が同じになるように制御パターンを設定することが必要である。
このように、一制御周期の単位で非対称となる制御をしないような制御パターンでヒータ制御を行うようになったため、以下のような課題も存在する。定着装置の温度変化又は記録紙の通紙状態に応じて、ヒータの電力供給の比率や投入電力の割合を切り替えるために制御パターンを切り替える場合、次のような課題が発生する。即ち、対称性を保つため制御パターンの一制御周期の出力が完了するまで、異なる制御パターンに切り替えることができず、制御パターンの切り替えまでの時間が長くなってしまう。更に、複数のヒータを組み合わせて、それぞれのヒータへの電力供給の比率を制御パターンごとに固定にしている場合に制御パターンを切り替える場合にも、同様の課題が発生する。即ち、複数のヒータを組み合わせている場合においても、制御パターンの一制御周期の出力が完了するまで、制御パターンの切り替えを待たなければならない。このため、例えば幅広の記録紙を通紙した後に制御パターンを切り替えて端部を温めるヒータの電力供給を停止させたい場合でも、記録紙が定着装置を通過した後であって一制御周期が終わってから制御パターンを切り替えることとなる。このような場合、端部を温めるヒータへの電力供給が停止するまでに時間がかかってしまい、定着装置の端部を過剰に温めてしまうという課題がある。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、ヒータの制御パターンを切り替える際に、一制御周期の途中であっても、正半波と負半波の電力供給量を同じにしつつ制御パターンの切り替えを行うことを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
(1)商用交流電源から供給される電力によって発熱する複数の発熱体と、前記複数の発熱体の温度を検出する温度検出素子と、前記温度検出素子の検出温度に応じて前記商用交流電源から前記複数の発熱体へ供給する電力を制御する際に、前記商用交流電源の交流波形における連続する所定数の半波を一制御周期として、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように、且つ、所定の比率で所定の電力を前記複数の発熱体の各々に供給するように制御する制御手段と、を備え、記録紙に形成された未定着トナー像を記録紙に定着させる定着装置であって、前記制御手段は、前記所定の比率及び/又は前記所定の電力を切り替える際に、前記一制御周期の中で既に電力を供給した半波について、正半波と負半波とで供給する電力が等しくならない半波がある場合には、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるような半波を出力して、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように制御し、その後、前記一制御周期の中で既に供給した半波についての電力の平均値が、前記一制御周期にわたって供給される電力の平均値と等しくならない場合には、更に正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるような2半波を連続して出力し、前記一制御周期にわたって供給される電力の平均値と等しくなるように制御することを特徴とする定着装置。
(2)商用交流電源から供給される電力によって発熱する複数の発熱体を有し、記録紙に形成された未定着トナー像を記録紙に定着させる定着手段と、前記複数の発熱体の温度を検出する温度検出素子と、前記温度検出素子の検出温度に応じて前記商用交流電源から前記複数の発熱体へ供給する電力を制御する際に、前記商用交流電源の交流波形における連続する所定数の半波を一制御周期として、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように、且つ、所定の比率で所定の電力を前記複数の発熱体の各々に供給するように制御する制御手段と、を備える画像形成装置であって、前記制御手段は、前記所定の比率及び/又は前記所定の電力を切り替える際に、前記一制御周期の中で既に電力を供給した半波について、正半波と負半波とで供給する電力が等しくならない半波がある場合には、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるような半波を出力して、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように制御し、その後、前記一制御周期の中で既に供給した半波についての電力の平均値が、前記一制御周期にわたって供給される電力の平均値と等しくならない場合には、更に正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるような2半波を連続して出力し、前記一制御周期にわたって供給される電力の平均値と等しくなるように制御することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、ヒータの制御パターンを切り替える際に、一制御周期の途中であっても、正半波と負半波の電力供給量を同じにしつつ制御パターンの切り替えを行うことができる。
実施例1、2の画像形成装置の構成を示す断面図、ブロック図 実施例1、2の定着器及びヒータの構成を示す図 実施例1、2の定着器の回路構成を示す図 実施例1、2のヒータの電力制御方式の制御を説明する図 実施例1、2のメインヒータとサブヒータに電力投入する際の制御を説明する図 実施例1のヒータの電力制御及び制御パターン切り替え制御の処理を示すフローチャート
以下、本発明を実施するための形態を、実施例により図面を参照しながら詳しく説明する。
[画像形成装置の構成]
図1(a)は、実施例1の画像形成装置の構成を示す概略図である。プリンタ100は、プリンタ100に着脱可能なトナーカートリッジ101、静電担持体である感光ドラム102、感光ドラム102上を走査するレーザビーム106を照射する光源としての半導体レーザ103を備えている。また、プリンタ100は、スキャナモータ104により回転される回転多面鏡105、感光ドラム102上を一様に帯電するための帯電ローラ107、感光ドラム102上に形成された静電潜像をトナーにより現像するための現像器108を備えている。更に、プリンタ100は、現像器108により現像されたトナー像を所定の記録紙に転写するための転写ローラ109、定着器110を備えている。記録紙に転写されたトナーを熱により融着するための定着器110は、定着ヒータ111と、定着フィルム123と、加圧ローラ124とを有している。定着器110は、定着フィルム123と加圧ローラ124の定着ニップ部に記録紙を搬送しながら、記録紙上のトナーを記録紙に加熱加圧し、定着させる。
記録紙を格納する給紙カセット112は、図1(a)の矢印Aの方向からプリンタ100に装着する。ピックアップローラ113は、1回転することにより、給紙カセット112から記録紙を給紙し、搬送路に送り出す。フィードローラ114、リタードローラ115は、ピックアップローラ113によりピックアップされた記録紙が束となっている場合に、記録紙を1枚ずつ分離して搬送路に送り出すためのローラ対である。中間ローラ116は、給紙カセット112から給紙された記録紙を、画像形成部へ搬送する。転写前ローラ117は、搬送された記録紙を感光ドラム102へ送り込む。トップセンサ118は、給紙された記録紙に対し、感光ドラム102への画像書き込み(記録/印字)と記録紙搬送の同期を取るとともに、給紙された記録紙の搬送方向の長さを測定する。定着センサ119は、定着後の記録紙の有無を検出する。搬送ローラ120は、定着後の記録紙を排紙搬送路へ排出する。排紙ローラ121は、画像形成が完了した記録紙を積載する排紙トレイ122へ記録紙を排紙する。
[画像形成装置のブロック図]
図1(b)は、本実施例の画像形成装置の回路構成のブロック図である。プリンタコントローラ201は、不図示のホストコンピュータ等の外部機器から送られる画像コードデータをプリンタの印字に必要なビットデータに展開する。また、プリンタコントローラ201は、プリンタ内部情報を読み取り、不図示の表示部や外部機器の表示部等に読み取った情報を表示する。エンジンコントローラ202は、プリンタ100の各部をプリンタコントローラ201の指示に従ってプリント動作の制御を行うとともに、プリンタコントローラ201へプリンタ内部情報を報知する。エンジンコントローラ202は、CPU208を有し、各制御部に対する指示を行う。CPU208は、ROM、RAM、後述する半波カウンタ等を備えたマイクロコントローラである。
高圧制御部203は、帯電、現像、転写等各工程における各高圧出力制御をエンジンコントローラ202の指示に従って行う。光学系制御部204は、スキャナモータ104の駆動/停止、レーザビーム106を照射するための半導体レーザ103の点灯をエンジンコントローラ202の指示に従って制御する。定着器制御部205は、定着ヒータ111への電力の供給/停止を、エンジンコントローラ202の指示に従って行う。センサ入力部206は、トップセンサ118、定着センサ119、不図示の紙面位置センサの紙有無状態、後述する温度検出素子により検出される温度状態を、エンジンコントローラ202へ報知する。用紙搬送制御部207は、エンジンコントローラ202の指示に従い、記録紙搬送のためにモータ/ローラ等の駆動/停止を行う。用紙搬送制御部207は、図1(a)のピックアップローラ113、フィードローラ114、リタードローラ115、中間ローラ116、転写前ローラ117の駆動/停止の制御を行う。更に、用紙搬送制御部207は、感光ドラム102、定着フィルム123、加圧ローラ124、搬送ローラ120、排紙ローラ121の駆動/停止の制御を行う。
[定着器の構成]
図2は、本実施例の定着器110の構成図である。図2(a)は、定着器110の断面図である。定着器110は、エンドレスフィルム(円筒状フィルム)を用いた、加圧ローラ駆動タイプのフィルム加熱方式の加熱装置である。定着器110は、加熱手段である定着ヒータ111と、定着ヒータ111を固定保持させた半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有するヒータホルダ303とを有する。また、定着器110は、定着ヒータ111を取り付けたヒータホルダ303に、ルーズに外嵌した円筒状の薄耐熱フィルムである定着フィルム123を有する。更に、定着器110は、定着フィルム123を挟んで定着ヒータ111と相互圧接して定着ニップ部Nを形成する回転自在な加圧体である加圧ローラ124等を有する。
加圧ローラ124は、駆動手段である不図示のモータ等により、図中矢印方向(反時計回り方向)に所定の周速度で回転駆動される。加圧ローラ124の外面と定着フィルム123とにより形成される定着ニップ部Nでは、加圧ローラ124の回転によって圧接摩擦力により定着フィルム123に回転力が作用する。これにより、定着フィルム123は、定着フィルム123の内面が定着ヒータ111の下向き面に密着し、摺動しながらヒータホルダ303の外回りを、図中矢印方向(時計回り方向)に従動回転状態になる。尚、定着フィルム123と定着ヒータ111との界面に摺動性のグリースを塗布してもよい。
定着ヒータ111は、セラミックヒータ(セラミック面発ヒータ)である。尚、定着ヒータ111については後述する。加圧ローラ124が回転駆動され、それに伴って定着フィルム123が従動回転状態になる。また、定着ヒータ111に電力が供給され、定着ヒータ111が昇温して所定の温度に立ち上がり温度制御されている状態で、定着ニップ部Nに未定着トナー像Tを担持した記録紙Sが搬送される。記録紙Sは、定着ニップ部Nにおいて、記録紙Sのトナー像担持面側が定着フィルム123の外面に密着し、定着フィルム123と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。記録紙Sが挟持搬送されていく過程において、定着ヒータ111の熱が定着フィルム123を介して記録紙Sに付与され、記録紙S上の未定着トナー像Tが記録紙S上に加熱及び加圧されて溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録紙Sは、定着フィルム123から曲率分離される。
(定着ヒータの構成)
図2(b)は、定着ヒータ111の拡大断面図、図2(c)は、定着ヒータ111をヒータがある側(上側)から見た平面図である。定着ヒータ111は、裏面加熱型のセラミック面発ヒータである。絶縁基板305は、電気絶縁性・良熱伝導性・低熱容量のセラミック系絶縁基板である。絶縁基板305の裏面側に2本の発熱体であるヒータ301、302が形成されており、ヒータ301、302は、給電用電極部(以下、単に電極部と記す)306、307、308から導電部材により接続される。保護層320は、ヒータ301、302と導電部材を覆わせて形成したガラス等の保護層である。
図2(c)において、記録紙Sは、上流側から下流側へと搬送されており、この方向を記録材Sの搬送方向とする。Bは記録紙Sの中央搬送基準線(一点鎖線)、L1は通紙可能な最大サイズ紙の通紙幅領域、L2は通紙可能な最小サイズ紙の通紙幅領域である。尚、通紙幅とは、記録紙Sの搬送方向に直交する方向である幅方向の、記録紙Sの長さのことである。不図示の給電用コネクタ309は、二点鎖線枠部に示す箇所、即ち、定着ヒータ111の電極部306、307側に装着されて、電極部306、307とヒータ駆動回路側とを電気的に接続する。不図示の給電用コネクタ310は、二点鎖線枠部に示す箇所、即ち、定着ヒータ111の電極部308側に装着されて、電極部308とヒータ駆動回路側とを電気的に接続する。電極部308は、2本のヒータ301、302に対する共通電極であり、ヒータ301、302の各一端部に対してそれぞれ分岐導電部材を介して導通させてある。
保護層320上の中央部には、定着ヒータ111の中央温度を検出する温度検出素子311と過昇温防止部材304が、記録紙Sの中央搬送基準線Bに対して、左右対称になる位置に配設されている。温度検出素子311と過昇温防止部材304は、更に、通紙可能な最小サイズ紙の通紙幅領域L2よりも内側に位置するように配設されている。また、保護層320上の端部には、定着ヒータ111の端部温度を検出する温度検出素子312、313が、記録紙Sの中央搬送基準線Bに対して、左右対称な位置であり、且つ通紙可能な最大サイズ紙の通紙幅領域L1よりも内側に位置するように配設されている。定着ヒータ111は、絶縁基板305のヒータ301、302等を設けた側とは反対面側を表面側(定着フルム摺動面側)として、この表面側を図2(a)のように下向きにして外部に露呈させ、ヒータホルダ303の下面に固定支持させて配設してある。また、図2(a)のように、過昇温防止部材304(例えば、ヒューズやサーモスタット)が、定着ヒータ111の保護層320面上に当接されている。定着ヒータ111は、ヒータホルダ303に位置を矯正され、過昇温防止部材304の感熱面が定着ヒータ111の面上にバネで当接されている。図2(a)には図示していないが、温度検出素子311、312、313も同様に、定着ヒータ111の保護層320面上に当接されている。
図2(c)に示すように、ヒータ301は主に記録紙Sの幅方向における中央部を温めるのに用いられ、ヒータ302は主に記録紙Sの幅方向における端部を温めるのに用いられる。以下、ヒータ301をメインヒータ、ヒータ302をサブヒータともいう。記録紙Sの紙幅に応じて、例えば通紙幅領域L2の最小幅の記録紙であれば、メインヒータ301のみに電力を供給する。即ち、メインヒータ301とサブヒータ302への電力供給比率を、メインヒータ301:サブヒータ302(以下、メイン:サブ、とも記す)=100:0とする。一方、通紙幅領域L1の最大幅の記録紙であれば、メインヒータ301とサブヒータ302への電力の供給が同等となるように、即ち、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率を、メイン:サブ=100:100とする。このように、記録紙Sの紙幅に応じて、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率を所定の比率に変える。本実施例では、定型サイズは記録紙サイズ(紙幅)に応じて、具体的には、表1のようにメインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率を決めている。尚、エンジンコントローラ202は、例えばROM等に表1のようなテーブルを保持しているものとし、以降説明する表についても同様とする。
ここで、表1は、記録紙サイズとメインヒータ301、サブヒータ302(メインサブと記載)の電力供給比率の対応表であり、左側に記録紙サイズ、右側にメイン−サブ電力供給比率が記載されている。例えば、記録紙サイズ(紙幅)がA4横やA3縦の場合は、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率は、メイン:サブ=100:100である。また、記録紙サイズ(紙幅)がA4縦やA5横、A6縦の場合は、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率は、メイン:サブ=100:0である。尚、記録紙Sのサイズ(紙幅)に応じて、更に細かく電力供給比率を設定しても良い。更に、非定型サイズではユーザから指定される紙幅の値又は図示しない紙幅検知手段で測定した紙幅の値に応じて、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率を設定しても良い。
Figure 0006071645
[定着ヒータの駆動制御回路図]
図3は、定着ヒータ111の駆動制御回路図である。ヒータ301、302は、商用交流電源(以下、単に交流電源)401からACフィルタ402、リレー418を介して定着器110の定着ヒータ111に電力が供給されることにより発熱する。メインヒータ301への電力の供給は、双方向サイリスタ(以降、トライアックという)403を接続、遮断することにより行う。抵抗404、405は、トライアック403のためのバイアス抵抗であり、フォトトライアックカプラ406は、一次、二次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。トライアック403は、フォトトライアックカプラ406の発光ダイオードに電流を流すことによりオンされる。抵抗407はフォトトライアックカプラ406の発光ダイオードに流れる電流を制限するための抵抗であり、フォトトライアックカプラ406は、トランジスタ408によりオン/オフされる。トランジスタ408は、抵抗409を介してエンジンコントローラ202から出力されるヒータ駆動信号であるON1信号が、ベース端子に入力されることによって動作する。
一方、サブヒータ302への電力の供給は、トライアック410を接続、遮断することにより行う。抵抗411、412は、トライアック410のためのバイアス抵抗であり、フォトトライアックカプラ413は、一次、二次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。トライアック410は、フォトトライアックカプラ413の発光ダイオードに電流を流すことによりオンされる。抵抗414はフォトトライアックカプラ413の発光ダイオードに流れる電流を制限するための抵抗であり、フォトトライアックカプラ413は、トランジスタ415によりオン/オフされる。トランジスタ415は、抵抗416を介してエンジンコントローラ202から出力されるヒータ駆動信号であるON2信号が、ベース端子に入力されることによって動作する。
また、ACフィルタ402を介して交流電源401は、ゼロクロス検出回路417に入力される。ゼロクロス検出回路417は、商用電源電圧がある閾値以下の電圧になっていることを、エンジンコントローラ202及び電流検出回路428に対してパルス信号として出力することで報知する。以降、ゼロクロス検出回路417が出力するパルス信号を、ゼロクロス信号という(ZEROX信号と図示)。エンジンコントローラ202は、ゼロクロス検出回路417から出力されたゼロクロス信号のエッジを検知し、位相制御又は波数制御によりトライアック403又はトライアック410をオン/オフする。
温度検出素子(例えば、サーミスタ感温素子)311、312、313は、ヒータ301、302に対して絶縁距離を確保できるように絶縁耐圧を有する保護層320を介して、定着ヒータ111上に配置されている。温度検出素子311によって検出される温度は、抵抗423と、温度検出素子311との分圧として検出され、エンジンコントローラ202にTH1信号として入力され、A/D変換される。また、温度検出素子312によって検出される温度は、抵抗424と、温度検出素子312との分圧として検出され、エンジンコントローラ202にTH2信号として入力され、A/D変換される。同様に、温度検出素子313によって検出される温度は、抵抗425と、温度検出素子313との分圧として検出され、エンジンコントローラ202にTH3信号として入力され、A/D変換される。このように、定着ヒータ111の温度は、TH1信号、TH2信号、TH3信号としてエンジンコントローラ202において監視され、エンジンコントローラ202の内部で設定されている定着ヒータ111の設定温度と比較される。エンジンコントローラ202は、検出温度と設定温度との比較結果に基づいて、ヒータ301、302に供給するべき電力を算出する。そして、エンジンコントローラ202は、算出した供給するべき電力に対応した位相角(位相制御)又は波数(波数制御)に換算し、その制御条件によりトランジスタ408にON1信号を、又はトランジスタ415にON2信号を出力する。
温度検出素子311、312、313やトライアック403、410等が故障して、エンジンコントローラ202が温度検出又はヒータ駆動回路の故障と判断した場合は、エンジンコントローラ202は、RLD信号をオフにする。これによりリレー418がオフし、ヒータ301、302への電力の供給が遮断される。リレー418は、トランジスタ419によりオン/オフされる。トランジスタ419は、エンジンコントローラ202から抵抗420を介してベース端子に入力されたRLD信号に従って動作する。抵抗421は、トランジスタ419を保護するための抵抗である。ダイオード422は、リレー418をオフにしたときに発生する逆起電圧を吸収するための素子である。通常、リレー418は、エンジンコントローラ202からのON1信号、ON2信号によりヒータ301、302への電力制御を開始する前にRLD信号によりオン状態にされる。そして、リレー418は、ヒータ301、302への電力供給の制御を終了させた後に、RLD信号によりオフ状態に制御される。
過昇温防止部材304は、例えば温度ヒューズやサーモスイッチであり、ヒータ301、302に電力を供給しており、制御回路が故障し、ヒータ301、302が熱暴走に至った場合、過昇温を防止する。電力を供給する制御回路の故障により、ヒータ301、302が熱暴走に至り過昇温防止部材304が所定の温度以上になると、過昇温防止部材304がオープンになり、ヒータ301、302への電力の供給が遮断される。共通電極である電極部308は、交流電源401のHot端子から過昇温防止部材304を介して接続される。電極部306は、メインヒータ301を制御するトライアック403に接続され、交流電源401のNeutral端子に接続される。電極部307は、サブヒータ302を制御するトライアック410に電気的に接続され、交流電源401のNeutral端子に接続される。また、トライアック403、410により制御されてヒータ301、302に流れる電流は、カレントトランス426によって電圧に変換され、ブリューダ抵抗427を介して電流検出回路428に入力される。電流検出回路428は、電圧変換されたヒータ電流の波形を、ゼロクロス検出回路417から入力されたゼロクロス信号と同期をとって、半波ごとに平均値又は実効値に変換し、HCRRT信号としてエンジンコントローラ202に出力する。エンジンコントローラ202は、電流検出回路428から入力されたHCRRT信号をA/D変換する。
[ヒータの電力制御(メインヒータのみの場合)]
図4は、ヒータの電力制御方式である位相制御と波数制御、及び位相波数組み合わせ制御について説明する制御説明図である。本実施例では、交流電源401の交流波形における連続する所定数の半波を一制御周期として、ヒータに供給する電力を制御する。ここでは、一制御周期を8半波とし、説明を簡単にするため、メインヒータ301のみ投入電力75%で電力供給する場合の制御例を示す。表2のように、出力したい75%の投入電力に対して、8半波ごとに投入電力を決定し、一制御周期8半波全体の平均電力として75%の電力を出力する。一制御周期8半波の各半波への投入電力を決定している制御パターンは、制御方式によって異なるため、それぞれ、図を用いて説明する。
Figure 0006071645
図4(a)には、交流電源401の電源電圧の波形を、図4(b)には、ゼロクロス検出回路417が出力するゼロクロス信号の波形を、図4(c)には、一制御周期内の半波の番号(半波No)を、それぞれ示す。尚、一制御周期の8つの半波には、1つ目の半波にNo.1、2つ目の半波にNo.2、・・・、8つ目の半波にNo.8、と番号を付している。また、図4の区間ABが1半波目、区間BCが2半波目、・・・、区間HIが8半波目となっている。
(位相制御)
図4(d)は、位相制御の場合の例である。図4(d−1)には、エンジンコントローラ202が出力するON1信号の波形を、図4(d−2)には、メインヒータ301に流れる電流の波形を、それぞれ示す。尚、後述する図4(e)〜図4(g)についても同様とする。
ゼロクロス信号は、交流電源401の正から負(例えば、タイミングB)、又は、負から正(例えばタイミングC)に切り替わるエッジ(以下、ゼロクロスポイントという)でオン・オフ状態が切り替わる。図4(d−1)に示すように、エンジンコントローラ202は、ゼロクロス信号の立ち上がり及び立ち下がりエッジから所定時間後に、ヒータ駆動信号であるON1信号をハイレベルにする。これにより、図4(d−2)の斜線で示した部分でメインヒータ301に電流が流れ、電力が供給される。以降、メインヒータ301に電流を流し電力の供給を開始することを、メインヒータ301をオンするといい、後述するサブヒータ302についても同様とする。
尚、メインヒータ301をオンした後、次のゼロクロスポイント(例えば、タイミングB)でメインヒータ301への電力の供給は遮断される、即ち、メインヒータ301はオフされる。このため、再びゼロクロス信号のエッジから所定時間後にON1信号をオンすることにより、次の半波以降でも、メインヒータ301に同じ電力が供給される。このON1信号をオンする時間(位相角とも言い換えられる)を変化させると、メインヒータ301への電力供給時間が変わるため、メインヒータ301への供給電力を制御することができる。本実施例では、例えば、表3のような投入電力D(デューティ(duty)%)と位相角α(°)の変換データを、エンジンコントローラ202内に有しており、エンジンコントローラ202は、表3の制御表に基づき位相角を決定し制御を行う。表2及び図4(d)では、投入電力Dは75%であり、表3の変換表から位相角αは66.17°と決定される。位相制御では、どの8半波も75%の投入電力とするため、一制御周期8半波の投入電力の平均(表2には、平均電力(%)と記載)も75%である。
Figure 0006071645
(波数制御)
図4(e)は、波数制御の場合の例である。波数制御では、交流電源401の半波単位でオン/オフ制御を行う。メインヒータ301に電力を供給する場合には、エンジンコントローラ202は、ゼロクロス信号のエッジの検出とともにON1信号をオンし、この半波では100%電力を供給することとなる。メインヒータ301に電力を供給しない場合には、ON1信号をオフしたままとし、例えば図4(e−2)に示す4半波目のように、この半波は0%となる。表2と図4(e)で示した波数制御の例としては、半波ごとに100%、100%、100%、0%、100%、100%、0%、100%と電力を投入し、一制御周期8半波の平均電力としては75%となる。
(位相波数組み合わせ制御)
図4(f)、図4(g)には、位相波数組み合わせ制御の例を2つ示している。一制御周期内で、一部の半波を位相制御とし、一部の半波を波数制御として、組み合わせた制御を行う。図4(f)は、位相波数組み合わせ制御の1つ目の例である。図4(f)では、半波ごとに100%、47.5%、47.5%、100%、52.5%、100%、100%、52.5%と投入し、一制御周期8半波の平均電力としては75%となる。一方、図4(g)は、位相波数組み合わせ制御の2つ目の例で、半波ごとに55%、100%、100%、55%、100%、45%、45%、100%と投入し、一制御周期8半波の平均電力としては75%となる。この位相波数組み合わせ制御方式では、位相制御が毎半波行われなくなるので流れる高調波電流を低減させることができ、波数制御に比べて一制御周期を短くできるので電流の変動周期が短くなり、フリッカを低減させることができる。
図4(d)〜(g)のいずれも、奇数番目の正半波と、偶数番目の負半波で、一制御周期内に同じ投入電力が対になるようにパターン化したことによって、正負対称になっており、上述した非対称制御の禁止要請を満たすようにしている。例えば、図4(f)に示す位相波数組み合わせ制御1では、1半波目(正半波)と4半波目(負半波)が、また、3半波目(正半波)と2半波目(負半波)が、それぞれ投入電力が等しい正負対称のペアとなるようになっている。
[ヒータの電力制御(メインヒータとサブヒータの場合)]
図5は、位相波数組み合わせ制御にて、メインヒータ301とサブヒータ302の両方に電力投入する際の制御例である。図5(a)〜図5(c)は、図4(a)〜図4(c)と同じ波形等を示しており、説明は省略する。図5(d)には、エンジンコントローラ202が出力するヒータ駆動信号であるON1信号の波形を、図5(e)には、メインヒータ301に流れる電流の波形を、それぞれ示す。また、図5(f)には、エンジンコントローラ202が出力するヒータ駆動信号であるON2信号の波形を、図5(g)には、サブヒータ302に流れる電流の波形を、それぞれ示す。更に、図5(h)には、メインヒータ301とサブヒータ302に流れる電流の和である合成電流の波形を示す。
また、投入電力は、表4に示したように、メインヒータ301に供給する電力とサブヒータ302に供給する電力との比率(メインサブ電力供給比率ともいう)を、メイン:サブ=100:50の比率としている。具体的には、メインヒータ301に100%、サブヒータ302に50%の電力を供給する例としている。本実施例では、説明を簡単にするため、メインヒータ301とサブヒータ302は同じ抵抗値で、両方合わせた場合の平均電力は、単純にそれぞれの投入電力の平均値になるような例とする。しかし、メインヒータ301とサブヒータ302の抵抗値を異なるように設定してもよく、その場合には、抵抗比で重み付けし、抵抗比から平均電力を求める方法としてもよい。
Figure 0006071645
表4及び図5の例では、一制御周期8半波の平均電力は75%となる。表4のように、半波ごとにメインヒータ301とサブヒータ302を位相波数組み合わせ制御にて出力する。図5(d)に示すように、エンジンコントローラ202はON1信号を出力し、図5(e)に示すように、斜線で示した部分でメインヒータ301に電流を流すことによって電力を供給する。一方、図5(f)に示すように、エンジンコントローラ202はON2信号を出力し、図5(g)に示すように、斜線で示した部分でサブヒータ302に電流を流すことによって電力を供給する。尚、メインヒータ301又はサブヒータ302の一制御周期内の8半波への投入電力のパターン(以下、制御パターンという)は、定着ニップ部Nに搬送される記録紙S等に応じて、電力供給比率や投入電力を随時変更することにより切り替えられる。即ち、制御パターンは、記録紙Sのサイズや種類(普通紙、厚紙等)、記録紙Sの搬送状態、記録紙の含水量、温度や湿度等の環境、定着ヒータ111の定着温度等に応じて、電力供給比率や投入電力を随時変更することにより切り替えられる。
[一制御周期内での制御パターンの切り替え動作]
図6に本実施例の電力供給制御方法における制御パターンの切り替え動作のフローチャートを示す。印刷が開始されると、ステップ(以下、Sとする)701で、エンジンコントローラ202は、印刷する記録紙のサイズ情報や定着ヒータ111の定着温度等から、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率及び投入電力を決定する。これにより、エンジンコントローラ202は、制御パターンを決定する。S702でエンジンコントローラ202は、一制御周期8半波の最初の1半波を出力するため、半波カウンタNに1を代入し、S703で、S701で決定した制御パターンに従い、1半波目の電力を投入する。尚、後述するS706の処理からS703の処理に戻った場合には、エンジンコントローラ202は、N半波目の電力を投入する。
S704でエンジンコントローラ202は、温度検出素子311、312、313等の検出結果からヒータの温度など定着制御状態を確認し、制御パターンの切り替えの要求があるか否かを判断する。S704でエンジンコントローラ202は、制御パターンの切り替えの要求がないと判断した場合、S705の処理に進む。S705でエンジンコントローラ202は、半波カウンタNを参照することにより、一制御周期である8半波の出力が完了したか否かを判断し、完了していないと判断した場合は、S706の処理に進む。S706でエンジンコントローラ202は、次の半波、例えば2半波目を出力するために、半波カウンタNに1を加算して(即ち、N=N+1とする)、半波カウンタを1増やし、S703の処理に戻る。このように、エンジンコントローラ202は、S704で制御パターンの切り替え要求がないと判断している間は、S703の処理に戻り、2半波目(N=2)、3半波目(N=3)・・・と、制御パターンに従って、繰り返し電力を投入していく。
S705でエンジンコントローラ202は、半波カウンタNを参照することにより、8半波目まで出力が完了したと判断した場合、S707で印刷終了であるか否かを判断する。S707でエンジンコントローラ202は、印刷終了ではないと判断した場合には、制御パターンを決定するS701の処理に戻り、次の一制御周期の電力供給を開始する。S707でエンジンコントローラ202は、印刷終了であると判断した場合には、全体の処理を終了する。
S704でエンジンコントローラ202は、制御パターンの切り替え要求があると判断した場合、S708で半波カウンタNに1を加算(N=N+1)し、S709の処理に進む。S709でエンジンコントローラ202は、まず出力が完了している1半波目からN−1半波目で正負対称となっていない半波が存在するか否かを判断する。即ち、エンジンコントローラ202は、1〜N−1半波の中に、正負対称のペアがないパターンが存在するか否かを判断する。S709でエンジンコントローラ202は、1〜N−1半波の中に、正負対称となっていない半波があると判断した場合、S710の処理に進む。S710でエンジンコントローラ202は、まだ正負対称となっていない半波と正負が対称となる投入電力を選択して、選択した投入電力をN半波目で出力する。尚、正負の対称性を保つために出力した半波を対称パターンという。これにより、まだ正負対称となっていなかった半波について、その半波と正負が対称となるペアの半波が出力され、正負対称の要請を満たすこととなる。S711でエンジンコントローラ202は、半波カウンタNに1を加算(N=N+1)し、S709の処理に戻る。
このように、エンジンコントローラ202がS709の処理を繰り返すことによって、1〜N−1半波の中で正負対称となっていなかった全ての半波について正負対称の要請を満たすこととなる。S709でエンジンコントローラ202は、1〜N−1半波で、正負対称のペアがない半波が存在しないと判断した場合、S712の処理に進む。S712でエンジンコントローラ202は、投入電力が所望の平均電力となるよう調整するため、1〜N−1半波までの投入電力の平均値(以降、投入電力平均という)と一制御周期の投入電力平均を全てのヒータで比較する。尚、全てのヒータとは、複数のヒータの全てを指しており、本実施例の場合は、メインヒータ301及びサブヒータ302のことである。
S712でエンジンコントローラ202は、全てのヒータで1〜N−1半波までの投入電力平均が、一制御周期での投入電力平均と等しいか否かを判断し、等しくないと判断した場合は、S713の処理に進む。S713でエンジンコントローラ202は、正負対称となる、即ち正負対称のペアとなっている2半波(以降、この2半波を調整パターンという)を出力し、S714で半波カウンタNに2を加算(N=N+2)し、S712の処理に戻る。S712でエンジンコントローラ202は、1〜N−1半波までの投入電力平均と一制御周期の投入電力平均が等しいと判断した場合、制御パターンの切り替えが可能となるので、S707の処理に進む。
[具体例]
上述したエンジンコントローラ202による位相波数組み合わせ制御にて、メインヒータ301及びサブヒータ302の両方に電力投入した場合について、表5に具体例を示す。表5は、電力供給比率をメイン:サブ=100:50とし、投入電力平均を48.75%で出力する場合の、制御パターン切り替え動作を示した表である。以降、上述した図6のフローチャートの処理と対応する箇所にかっこ書きでステップ番号を付すこととする。例えば、エンジンコントローラ202は、表5の「通常時」に示したNo.1〜No.8の一制御周期8半波を、制御パターンとして決定するものとする(S701に相当)。この一制御周期では、トータルの投入電力平均は48.75%であり、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率は100:50となっている。エンジンコントローラ202は、制御パターンの切り替え要求がない場合は(S704 NOに相当)、表5の「通常時」の制御パターンの一制御周期を繰り返し出力することとなる。
Figure 0006071645
ここで、画像形成装置の搬送路を搬送されている記録紙の後端が、定着ニップ部Nを通過した場合や、所定の記録紙と、所定の記録紙に続いて搬送されている記録紙との間で、記録紙幅が変化した場合について説明する。このような場合には、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率や投入電力平均を変更する必要がある。このように電力供給比率や投入電力平均を変更する必要が発生した場合、従来の通り、一制御周期8半波の単位で変更する場合は、次のような処理を行うこととなる。例えば、最初の1半波目で制御パターンの切り替え要求があった場合には、一制御周期の残り7半波は、制御パターンを切り替えることなく、そのまま出力し続けることになる。ここで、交流電源401の周波数が50Hzである場合、7半波では70msec(ミリ秒)程度となる。そこで、本実施例では、一制御周期8半波の単位を待たずに、次の所望の制御パターンに切り替えて出力を行うよう制御する。一制御周期で切り替え可能か否かの判断は、それまで出力した投入電力平均と、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率が、一制御周期分を出力した場合と同等になる場合である。即ち、図6で説明したエンジンコントローラ202が判断するS712の処理に相当する。
(1−1の例)
表5の1−1に示した例は、1半波(No.1)目出力中に、エンジンコントローラ202が、制御パターンの切り替え要求があったと判断した場合(S704 YESに相当)の切り替え例を示す。この場合、エンジンコントローラ202は、1半波目が正負対称となっていないと判断する(S709 YESに相当)。エンジンコントローラ202は、正負の対称性を保つために、2半波(No.2)目では1半波(No.1)と同等の出力を負側で行うことで、正負の対称性を満たすようにする(S710に相当)。そして、エンジンコントローラ202は、2半波目まででは投入電力平均と一制御周期での投入電力平均が等しくないと判断する(S712 NOに相当)。エンジンコントローラ202は、3半波(No.3)目及び4半波(No.4)目で、電力投入平均とメインサブの電力供給比率の調整のための調整パターンを出力する(S713に相当)。このように、エンジンコントローラ202は、表5の1−1の通りに2半波目以降を出力し、4半波(No.4)目の出力が完了した時点で、電力投入平均が48.75%、メインサブの電力供給比率が100:50となったと判断する(S712 YESに相当)。これにより、エンジンコントローラ202は、5半波(No.5)目から制御パターンを切り替えることが可能となる。
尚、表5には、エンジンコントローラ202が、正負の対称性を保つために出力した対称パターンとしての半波のマスを薄いグレーで表示している。また、表5には、エンジンコントローラ202が、投入電力平均を一制御周期での投入電力平均と等しくするために出力した調整パターンとしての2半波のマスを濃いグレーで表示している。この表示は、以下の表でも同様とする。
(1−2の例)
表5の1−2に示した例は、2半波(No.2)目出力中に、エンジンコントローラ202が、制御パターンの切り替え要求があったと判断した場合(S704 YESに相当)の切り替え例を示す。この場合、エンジンコントローラ202は、1半波目と2半波目が正負対称となっていないと判断する(S709 YESに相当)。エンジンコントローラ202は、正負の対称性を保つために、3半波(No.3)目は2半波(No.2)目と同等の出力を、4半波(No.4)目は1半波(No.1)目と同等の出力を行うことで、正負の対称性を満たすようにする(S710に相当)。そして、エンジンコントローラ202は、4半波目まででは投入電力平均と一制御周期での投入電力平均が等しくないと判断する(S712 NOに相当)。エンジンコントローラ202は、5半波(No.5)目及び6半波(No.6)目で、電力投入平均とメインサブの電力供給比率の調整のための調整パターンを出力する(S713に相当)。このように、エンジンコントローラ202は、表5の1−2の通りに3半波目以降を出力し、6半波(No.6)目の出力が完了した時点で、電力投入平均が48.75%、メインサブの電力供給比率が100:50となったと判断する(S712 YESに相当)。これにより、エンジンコントローラ202は、7半波(No.7)目から制御パターンを切り替えることが可能となる。
(1−3の例)
表5の1−3に示した例は、3半波(No.3)目出力中に、エンジンコントローラ202が、制御パターンの切り替え要求があったと判断した場合(S704 YESに相当)の切り替え例を示す。この場合、エンジンコントローラ202は、1半波目〜3半波目が正負対称となっていないと判断する(S709 YESに相当)。エンジンコントローラ202は、正負の対称性を保つために、4半波(No.4)目から6半波(No.6)目で、1半波(No.1)目から3半波(No.3)目の各々と正負対称となるように出力する(S710に相当)。そして、エンジンコントローラ202は、6半波目まででは投入電力平均と一制御周期での投入電力平均が等しくないと判断する(S712 NOに相当)。エンジンコントローラ202は、7半波(No.7)目及び8半波(No.8)目で、電力投入平均とメインサブの電力供給比率の調整のための調整パターンを出力する。尚、1−3の例では、制御パターンの切り替え要求から、制御パターンの切り替えを実行するまでに、5半波の出力を要する。
(1−4の例)
表5の1−4に示した例は、4半波(No.4)目出力中に、エンジンコントローラ202が、制御パターンの切り替え要求があったと判断した場合(S704 YESに相当)の切り替え例を示す。この場合、エンジンコントローラ202は、1半波目〜4半波目が正負対称となっていないと判断する(S709 YESに相当)。エンジンコントローラ202は、正負の対称性を保つために、5半波(No.5)目から8半波(No.8)目で、1半波(No.1)目から4半波(No.4)目の各々と正負対称となるように出力する(S710に相当)。更に、1−4の例では、エンジンコントローラ202は、8半波を出力した時点で、投入電力平均が通常の一制御周期の投入電力平均と等しくなったと判断し(S712 YESに相当)、制御パターンの切り替えが可能となる。
尚、上述したように、本実施例の制御パターンの切り替え動作処理では、通常の一制御周期と同様に8半波を出力してから制御パターンの切り替え動作を行う場合もある。例えば、上述した1−3や1−4の場合のように、エンジンコントローラ202が3半波目以降に切り替え要求が発生したと判断した場合である。しかし、上述した1−1や1−2のような場合は、一制御周期8半波の出力を待たずに、一制御周期の途中で、制御パターンを切り替えることが可能となる。
以上、本実施例によれば、一制御周期の途中で制御パターンの切り替え要求が発生した場合に、まず、既に出力している半波と正負対称になる半波を出力し、更に投入電力平均の調整パターンを出力する構成とする。これにより、一制御周期の途中で、制御パターンの切り替え動作が可能となる。このとき、既に出力した半波のうち、正負対称となる半波があれば、正負対称の半波を出力する必要がない。また、調整パターンは正負対称の対となる2つの半波である必要がある。
以上、本実施例によれば、ヒータの制御パターンを切り替える際に、一制御周期の途中であっても、正半波と負半波の電力供給量を同じにしつつ制御パターンの切り替えを行うことができる。
実施例1では、例えば、表5の1−3の例のように、一制御周期8半波に対して、3半波出力時の制御パターンの切り替え要求に対し、5半波の出力、即ち一制御周期の出力が完了するまで待ってから、制御パターンの切り替えを行う場合がある。また、表6に示すように、既に出力した制御パターンによっては、2半波の正負対称の調整パターンだけではトータルの投入電力平均を、一制御周期の投入電力平均と同等にすることができない場合がある。
Figure 0006071645
表6は、1半波目に制御パターンの切り替え要求があった場合の切り替え例を示している。1半波目で制御パターンの切り替え要求があった場合、2半波目は1半波目と正負対称となるように、1半波目と同等の投入電力で出力する。そして、3、4半波目の調整パターンでは、電力を全く投入しない状態(0%)でも、1〜4半波でのメイン側の投入電力平均が17.5%(=(35+35+0+0)/4)となる。このため、電力を全く投入しない状態でも、一制御周期でのメインヒータ301の投入電力平均の15%に対して出力しすぎてしまう。このため、更に、2半波(5、6半波目)の調整パターンが必要になってしまう。
本実施例では、この点を鑑みて、制御パターンの切り替え要求から、対称性を保つ半波が最大2半波、投入電力平均を合わせるための調整パターンがないか正側と負側対称の2半波で、制御パターンの切り替えを可能とする例を示す。尚、画像形成装置の構成等については実施例1と同様であり、説明は省略する。
[制御パターン]
表7〜表10は、本実施例で用いたメインサブ電力供給比率ごとに制御する投入電力表である。尚、例えば表7は、所定の電力としての電力レベル0から電力レベル10を表7−1とし、電力レベル11から電力レベル20を表7−2として分けて示しており、表8〜表10についても同様である。実施例1の表1で説明したように、記録紙のサイズごとに決定されたメインサブ電力供給比率に従って、表7〜表10のいずれかを選択する。そして、選択した投入電力表をもとに、PI制御によって投入する電力レベルを決定し、一制御周期8半波単位で、表に記載された半波ごとのメインヒータ301とサブヒータ302の投入電力を出力する。尚、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率は、表7では、メイン:サブ=100:100、表8では、メイン:サブ=100:50、表9では、メイン:サブ=100:10、表10では、メイン:サブ=100:0である。ここで、メイン:サブ=100:100の表7が、記録材の通紙幅が最大の場合に用いられる制御パターンである。記録紙の通紙幅が狭くなるに従って、表8、表9が用いられることとなり、表10のメイン:サブ=100:0の場合が、記録材の通紙幅が最小の場合に用いられる制御パターンとなる。
Figure 0006071645
Figure 0006071645
Figure 0006071645
Figure 0006071645
Figure 0006071645
Figure 0006071645
Figure 0006071645
Figure 0006071645
表7〜表10に示した制御パターンは、以下の特徴を有している。制御パターンの一制御周期の8半波に対して、あるヒータの一制御周期の平均電力がP%であるとき、n半波目の投入電力Xn%を以下のように設定する。
1半波目の投入電力X1%は、
2×P−100≦X1≦2×P
の範囲内になるように1半波目の投入電力を設定する。ここで、上述した式において、1半波目の投入電力X1%は、1半波目までの平均電力P1と等しい(X1=P1)ため、
2×P−100≦P1≦2×P
でもある。例えば、表8−1の電力供給比率がメイン:サブ=100:50の場合に、電力レベル8では、メインヒータ301の一制御周期の平均電力Pは40%である。このため、上述した式に従って、1半波目の投入電力X1%は、「2×40−100≦X1≦2×40」即ち「−20≦X1≦80」であり、後述するように、負になった数値を0に置き換えて「0≦X1≦80」の範囲内の値とする。例えば、表8−1の電力レベル8のメインヒータ301の1半波目の投入電力X1%は、この条件式を満たすように、X1=77.5%に設定している。
2半波目の投入電力X2%は、2半波目までの平均電力P2が、
3/2×P−100/2≦P2≦3/2×P
の範囲内になるように、2半波目の投入電力X2%を設定する。例えば、表8−1の電力レベル8では、メインヒータ301の一制御周期の平均電力Pは40%である。このため、上述した式に従って、2半波目の投入電力X2%は、2半波目までの平均電力P2が、「3/2×40−100/2≦P2≦3/2×40」即ち「10≦P2≦60」の範囲内になるように設定される。例えば、表8−1の電力レベル8のメインヒータ301の2半波目までの平均電力P2は、「(77.5+0)/2=38.75」であり、2半波目の投入電力X2=0%としたことで、上述した条件式を満たしている。
3半波目の投入電力X3%は2半波目と同等の投入電力に設定する。例えば、表8−1の電力レベル8の場合、3半波目の投入電力X3%は、2半波目の投入電力X2=0%と同じ値に設定する。尚、2半波目は負半波であり、3半波目は正半波であるため、正負対称となっている。
4半波目の投入電力X4%は1半波目と同等の投入電力に設定する。例えば、表8−1の電力レベル8の場合、4半波目の投入電力X4%は、1半波目の投入電力X1=77.5%と同じ値に設定する。尚、1半波目は正半波であり、4半波目は負半波であるため、正負対称となっている。
5半波目の投入電力X5%は、5半波目までの平均電力P5が、
4/3×P−100/3≦P5≦4/3×P
の範囲内になるように、5半波目の投入電力X5%を設定する。例えば、表8−1の電力レベル8では、メインヒータ301の一制御周期の平均電力Pは40%である。このため、上述した式に従って、5半波目の投入電力X5%は、5半波目までの平均電力P5が、「4/3×40−100/3≦P5≦4/3×40」即ち「20≦P5≦53.3」の範囲内になるように設定される。例えば、表8−1の電力レベル8のメインヒータ301の5半波目までの平均電力P5は、「(77.5+0+0+77.5+82.5)/5=47.5」であり、5半波目の投入電力X5=82.5%としたことで、上述した条件式を満たしている。
6半波目の投入電力X6%は、6半波目までの平均電力P6が、
5/4×P−100/4≦P6≦5/4×P
の範囲内になるように、6半波目の投入電力を設定する。例えば、表8−1の電力レベル8では、メインヒータ301の一制御周期の平均電力Pは40%である。このため、上述した式に従って、6半波目の投入電力X6%は、6半波目までの平均電力P6が、「5/4×40−100/4≦P6≦5/4×40」即ち「25≦P6≦50」の範囲内になるように設定される。例えば、表8−1の電力レベル8のメインヒータ301の6半波目までの平均電力P6は、「(77.5+0+0+77.5+82.5+0)/6≒40」であり、6半波目の投入電力X6=0%としたことで、上述した条件式を満たしている。
7半波目の投入電力X7%は6半波目と同等の投入電力に設定する。例えば、表8−1の電力レベル8の場合、7半波目の投入電力X7%は、6半波目の投入電力X6=0%と同じ値に設定する。尚、6半波目は負半波であり、7半波目は正半波であるため、正負対称となっている。
8半波目の投入電力X8%は5半波目と同等の投入電力に設定する。例えば、表8−1の電力レベル8の場合、8半波目の投入電力X8%は、5半波目の投入電力X5=82.5%と同じ値に設定する。尚、5半波目は正半波であり、8半波目は負半波であるため、正負対称となっている。
負又は100%を超える電力を1半波で出力することはできないので、上述した条件に加えて、各半波の投入電力Xn、平均電力Pn共に0%以上且つ100%以下である。
以上のように投入電力を設定することで、制御パターンは4半波ごとに正側と負側の電力供給量が対称となり、制御パターンのどのタイミングでも、最大2半波を追加出力することで対称性を保つことが可能となる。また、平均投入電力に対して更に2半波の正側と負側が対称な調整パターンを出力することで、一制御周期と同等の平均投入電力を得ることが可能となる。即ち、制御パターンの切り替え要求から、現在出力中の1半波出力とあわせて、最大5半波以内にパターン切り替えが可能となる。
表11は、メインサブの電力供給比率がメイン:サブ=100:50の場合で、電力レベル16のときの制御パターン切り替え例を示したものである(表8−2の電力レベル16)。表11の16−1から16−7までは、それぞれ1半波〜7半波出力時に制御パターンの切り替え要求が発生した場合に対応している。
Figure 0006071645
例えば、表11の16−3の例は、3半波(No.3)目出力中に、エンジンコントローラ202が、制御パターンの切り替え要求があったと判断した場合の切り替え例を示す。この場合、エンジンコントローラ202は、1半波目が正負対称となっていないと判断する。エンジンコントローラ202は、正負の対称性を保つために、4半波(No.4)目では1半波(No.1)と同等の出力を負側で行うことで、正負の対称性を満たすようにする。そして、エンジンコントローラ202は、4半波目まででは投入電力平均と一制御周期での投入電力平均が等しくないと判断し、5半波(No.5)目及び6半波(No.6)目で、電力投入割合とメインサブの電力供給比率の調整のための調整パターンを出力する。このようにして、エンジンコントローラ202は、表11の16−3の通りに4半波目以降を出力すると、6半波(No.6)出力完了時点で、電力投入割合の平均が60%、メインサブの電力供給比率がメイン:サブ=100:50となる。これにより、エンジンコントローラ202は、6半波目までの投入電力平均と一制御周期での投入電力平均が等しいと判断し、7半波目(No.5)から制御パターンを切り替えることが可能となる。
本実施例では、いずれの切り替えタイミングにおいても、対称パターン2半波以下(表11の薄いグレーの部分)と、調整パターン2半波以下(濃いグレーの部分)で切り替えが可能となっていることがわかる。尚、本実施例では、表11の16−5〜16−7に示すように、5半波出力以降の切り替え要求に対しては一制御周期の8半波まで必要となっている。この場合、対称パターンと調整パターンの順番で出力するように制御パターンを示したが、通常の制御パターンの一制御周期どおりに出力しても良い。
[一制御周期がn(nは4の倍数)半波の場合]
本実施例では、一制御周期が8半波である場合を示したが、4半波ごとに正側と負側の制御パターンが対称となるよう設定可能な、一制御周期がn半波(nは4の倍数:n=4,8,12,16,・・・)である場合にも適用可能である。この場合、本実施例の制御を行うことにより、いかなるタイミングの制御パターンの切り替え要求に対しても、対称パターンを2半波以下、そして調整パターンを2半波以下のあわせて4半波以下の追加のパターンを出力することで切り替えが可能となる。
一制御周期の平均電力がP%であるとき、一制御周期に対するN半波目の投入電力X%を以下の通りに設定する。その際、4半波サイクルで投入電力を決定する。
4半波サイクルの1半波目(N=1,5,9,13,・・・)のとき、N半波までの平均投入電力P%が、
Figure 0006071645
を満たすように投入電力X%を設定する。
4半波サイクルの2半波目(N=2,6,10,14,・・・)のとき、N半波までの平均投入電力P%が、
Figure 0006071645
を満たすように投入電力X%を設定する。
4半波サイクルの3半波目(N=3,7,11,15,・・・)のとき、直前の2半波目(N=2,6,10,14,・・・)と同等の投入電力に設定する。
4半波サイクルの4半波目(N=4,8,12,16,・・・)のとき、3半波前の1半波目(N=1,5,9,13,・・・)と同等の投入電力に設定する。
以上、本実施例によれば、ヒータの制御パターンを切り替える際に、一制御周期の途中であっても、正半波と負半波の電力供給量を同じにしつつ制御パターンの切り替えを行うことができる。
110 定着器
111 定着ヒータ
202 エンジンコントローラ
301 メインヒータ
302 サブヒータ
311〜313 温度検出素子

Claims (12)

  1. 商用交流電源から供給される電力によって発熱する複数の発熱体と、
    前記複数の発熱体の温度を検出する温度検出素子と、
    前記温度検出素子の検出温度に応じて前記商用交流電源から前記複数の発熱体へ供給する電力を制御する際に、前記商用交流電源の交流波形における連続する所定数の半波を一制御周期として、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように、且つ、所定の比率で所定の電力を前記複数の発熱体の各々に供給するように制御する制御手段と、
    を備え、記録紙に形成された未定着トナー像を記録紙に定着させる定着装置であって、
    前記制御手段は、前記所定の比率及び/又は前記所定の電力を切り替える際に、
    前記一制御周期の中で既に電力を供給した半波について、正半波と負半波とで供給する電力が等しくならない半波がある場合には、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるような半波を出力して、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように制御し、
    その後、前記一制御周期の中で既に供給した半波についての電力の平均値が、前記一制御周期にわたって供給される電力の平均値と等しくならない場合には、更に正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるような2半波を連続して出力し、前記一制御周期にわたって供給される電力の平均値と等しくなるように制御することを特徴とする定着装置。
  2. 前記制御手段は、前記所定の比率及び/又は前記所定の電力を切り替える際に、
    n(nは4の倍数:n=4,8,12,16,・・・)半波を一制御周期とする場合に、前記一制御周期にわたり供給される電力の平均値をP、N半波目までに供給される電力の平均値をPとすると、4半波ごとに、
    前記4半波の1半波目(N=1,5,9,13,・・・)では、
    Figure 0006071645
    を満たす電力を供給し、
    前記4半波の2半波目(N=2,6,10,14,・・・)では、
    Figure 0006071645
    を満たす電力を供給し、
    前記4半波の3半波目(N=3,7,11,15,・・・)では、前記2半波目と等しい電力を供給し、
    前記4半波の4半波目(N=4,8,12,16,・・・)では、前記1半波目と等しい電力を供給するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記制御手段は、記録紙のサイズに応じて前記所定の比率を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記制御手段は、前記一制御周期内において、位相制御と波数制御の組み合わせにより電力の供給を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 商用交流電源から供給される電力によって発熱する複数の発熱体を有し、記録紙に形成された未定着トナー像を記録紙に定着させる定着手段と、
    前記複数の発熱体の温度を検出する温度検出素子と、
    前記温度検出素子の検出温度に応じて前記商用交流電源から前記複数の発熱体へ供給する電力を制御する際に、前記商用交流電源の交流波形における連続する所定数の半波を一制御周期として、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように、且つ、所定の比率で所定の電力を前記複数の発熱体の各々に供給するように制御する制御手段と、
    を備える画像形成装置であって、
    前記制御手段は、前記所定の比率及び/又は前記所定の電力を切り替える際に、
    前記一制御周期の中で既に電力を供給した半波について、正半波と負半波とで供給する電力が等しくならない半波がある場合には、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるような半波を出力して、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように制御し、
    その後、前記一制御周期の中で既に供給した半波についての電力の平均値が、前記一制御周期にわたって供給される電力の平均値と等しくならない場合には、更に正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるような2半波を連続して出力し、前記一制御周期にわたって供給される電力の平均値と等しくなるように制御することを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記所定の比率及び/又は前記所定の電力を切り替える際に、
    n(nは4の倍数:n=4,8,12,16,・・・)半波を一制御周期とする場合に、前記一制御周期にわたり供給される電力の平均値をP、N半波目までに供給される電力の平均値をPとすると、4半波ごとに、
    前記4半波の1半波目(N=1,5,9,13,・・・)では、
    Figure 0006071645
    を満たす電力を供給し、
    前記4半波の2半波目(N=2,6,10,14,・・・)では、
    Figure 0006071645
    を満たす電力を供給し、
    前記4半波の3半波目(N=3,7,11,15,・・・)では、前記2半波目と等しい電力を供給し、
    前記4半波の4半波目(N=4,8,12,16,・・・)では、前記1半波目と等しい電力を供給するよう制御することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、記録紙のサイズに応じて前記所定の比率を決定することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、前記一制御周期内において、位相制御と波数制御の組み合わせにより電力の供給を制御することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 商用交流電源から供給される電力によって発熱する複数の発熱体と、前記複数の発熱体の温度を検出する温度検出素子と、を備え、記録紙に形成された未定着トナー像を記録紙に定着させる定着装置について、前記温度検出素子の検出温度に応じて前記商用交流電源から前記複数の発熱体へ供給する電力を制御する際に、前記商用交流電源の交流波形における連続する所定数の半波を一制御周期として、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように、且つ、所定の比率で所定の電力を前記複数の発熱体の各々に供給するように制御する電力供給制御方法であって、
    前記所定の比率及び/又は前記所定の電力を切り替える際に、
    前記一制御周期の中で既に電力を供給した半波について、正半波と負半波とで供給する電力が等しくならない半波がある場合には、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるような半波を出力して、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように制御し、
    その後、前記一制御周期の中で既に供給した半波についての電力の平均値が、前記一制御周期にわたって供給される電力の平均値と等しくならない場合には、更に正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるような2半波を連続して出力し、前記一制御周期にわたって供給される電力の平均値と等しくなるように制御することを特徴とする電力供給制御方法。
  10. 前記所定の比率及び/又は前記所定の電力を切り替える際に、
    n(nは4の倍数:n=4,8,12,16,・・・)半波を一制御周期とする場合に、前記一制御周期にわたり供給される電力の平均値をP、N半波目までに供給される電力の平均値をPとすると、4半波ごとに、
    前記4半波の1半波目(N=1,5,9,13,・・・)では、
    Figure 0006071645
    を満たす電力を供給し、
    前記4半波の2半波目(N=2,6,10,14,・・・)では、
    Figure 0006071645
    を満たす電力を供給し、
    前記4半波の3半波目(N=3,7,11,15,・・・)では、前記2半波目と等しい電力を供給し、
    前記4半波の4半波目(N=4,8,12,16,・・・)では、前記1半波目と等しい電力を供給するよう制御することを特徴とする請求項9に記載の電力供給制御方法。
  11. 前記所定の比率は、記録紙のサイズに応じて決定されることを特徴とする請求項9又は10に記載の電力供給制御方法。
  12. 前記一制御周期内において、位相制御と波数制御の組み合わせにより電力の供給を制御することを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の電力供給制御方法。
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