JP6128892B2 - 定着装置、画像形成装置及び電力供給制御方法 - Google Patents

定着装置、画像形成装置及び電力供給制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、トナー像を記録紙上に定着させる定着装置の発熱体の電力供給制御方法を用いた画像形成装置に関する。
従来、複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置において、記録紙上に形成されたトナー像を加熱して定着させる定着装置として、熱ローラ式の熱定着装置やフィルム加熱式の熱定着装置が用いられている。フィルム加熱式の熱定着装置は、セラミックヒータを熱源としており、ヒータは、双方向サイリスタ(以降、トライアックという)等のスイッチング素子を介して交流電源に接続され、交流電源によりヒータに電力が供給される。定着装置には温度検出素子、例えばサーミスタ感温素子が設けられており、温度検出素子により定着装置の温度が検出され、検出された温度情報に基づいて、CPUがスイッチング素子をオン/オフ制御する。これにより、ヒータへの電力供給をオン/オフし、定着装置の温度が目標温度になるよう制御される。また、定着装置のヒータには、記録紙の中央部を主に温めるヒータと、記録紙の端部を主に温めるヒータというように、複数のヒータを組み合わせたものがある。複数のヒータを組み合わせた定着装置では、それぞれのヒータへの電力供給の比率を変えて、いろいろな記録紙サイズに対応できるようにしている。
ヒータへのオン/オフ制御は、位相制御又は波数制御により行われる。位相制御は、交流電源の1半波内の任意の位相角でヒータをオンすることで、ヒータに電力を供給する電力制御方式である。一方、波数制御は、ヒータのオン/オフを交流電源の半波単位で行う電力制御方式である。また、ヒータの制御をどちらか一方に固定せずに、位相制御と波数制御を組み合わせた方式(以下、位相波数組み合わせ制御という)を用いるものもある。例えば特許文献1では、複数半波を一制御周期とするうちの一部の半波を位相制御し、残りを波数制御している。これにより、位相制御だけの場合に比べて高調波電流やスイッチングノイズの発生を抑えることができ、波数制御だけの場合に比べてフリッカを低減することができ、ヒータへの電力制御をより多段階に制御可能としている。
定着装置の温度制御を行う際には、温度検出素子により検出される温度と、予め設定されている目標温度とを比較して、上述したヒータに供給する電力(投入電力ともいう)を算出する。そして、その投入電力に相当する位相角又は波数を決定し、その位相条件又は波数条件で、ヒータを駆動しているスイッチング素子をオン/オフ制御する。ここで商用電源から定着装置に供給される電流は、定着装置の定格電流(保護回路)及び、UL規格や電気用品安全法によって定められる上限の電流値以下に制御する必要がある。そのため、定着装置に流れる電流を検出し、供給可能な上限電流値以下に制御する。例えば、特許文献2では、電流検出トランスで電圧変換した波形を、抵抗を介して電流検出回路に入力することで、半波ごとの電流の実効値を検出する方法が提案されている。
特開2003−123941号公報 特開2004−226557号公報
昨今のプリント速度の高速化により、ヒータに供給される電力は増加する傾向にあるため、定着装置の電流値も増える傾向にあり、規格上限は超えないが規格上限に近い値を使用するようになってきている。また、昨今の画像形成装置の高速化に伴い、記録紙の搬送速度が速くなり定着装置の加熱温度の高温化や加熱温度の精度の厳密化が求められるようになってきている。そのため、より細かな電力制御を行う必要性が高まり、前述した位相波数組み合わせ制御を採用することが多くなってきている。更に、高調波抑制を目的とするイミニティ規格IEC61000−3−2の6.1項“非対称制御の禁止”という要請が出てきている。この規格を満たすために、一制御周期単位内での正半波の電力供給量と負半波の電力供給量が同じになるように制御パターンを設定することが必要である。
このように、一制御周期の単位で非対称となる制御をしないような制御パターンでヒータ制御を行うようになったため、以下のような課題も存在する。定着装置の温度変化又は記録紙の通紙状態に応じて、ヒータの電力供給の比率や投入電力の割合を切り替えるために制御パターンを切り替える場合、次のような課題が発生する。即ち、対称性を保つため制御パターンの一制御周期の出力が完了するまで、異なる制御パターンに切り替えることができず、制御パターンの切り替えまでの時間が長くなってしまう。更に、複数のヒータを組み合わせて、それぞれのヒータへの電力供給の比率を制御パターンごとに固定にしている場合に制御パターンを切り替える場合にも、同様の課題が発生する。即ち、複数のヒータを組み合わせている場合においても、制御パターンの一制御周期の出力が完了するまで、制御パターンの切り替えを待たなければならない。このため、例えば幅広の記録紙を通紙した後に制御パターンを切り替えて端部を温めるヒータの電力供給を停止させたい場合でも、記録紙が定着装置を通過した後であって一制御周期が終わってから制御パターンを切り替えることとなる。このような場合、端部を温めるヒータへの電力供給が停止するまでに時間がかかってしまい、定着装置の端部を過剰に温めてしまうという課題がある。
このように、一制御周期の単位で非対称となる制御をしないような制御パターンで規格上限を超えない電流制限制御をするようなヒータ制御を行うようになったため、以下のような課題が生じている。電源電圧又は電源周波数の変動によって電流が増えたことを検出して電流制限を行う場合に、非対称となる制御をしないように一制御周期が終了した後、次の一制御周期から電流制限制御を実施する。このように、制御パターンの一制御周期の出力が完了してから電流制限制御を実施すると、一制御周期の大きさ(波数の数)が増えるほど、電流制限制御を実施するまでの時間が延びてしまう。逆に、電流が増えたことを検知してからすぐに電流制限制御を実施すると、対称となるような制御を行っている制御パターンの途中で切り替わってしまい、非対称となる制御になってしまう。
更に、記録紙の中央部を主に温めるヒータと、記録紙の端部を主に温めるヒータというように、複数のヒータを組み合わせて、それぞれのヒータへの電力供給の比率を記録紙サイズごとに固定にしている場合にも、同様の課題が発生する。即ち、複数のヒータを組み合わせている場合においても、制御パターンの一制御周期の出力が完了する前に電流制限制御を実施してしまうと、非対称制御になるだけでなく、ヒータの電力供給比率も変わってしまう。このため、ヒータの中央部と端部の温度差が大きくなって、この温度差を解消するために紙間を広げてスループットを落とす必要が生じる。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、電流制限制御を実施する必要が生じた場合に、一制御周期の途中であっても、スループットを落とすことなく、且つ、正半波と負半波の電力供給量を同じにしつつ、電流制限制御を実施することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
(1)商用交流電源から供給される電力によって発熱する複数の発熱体と、前記商用交流電源の交流波形における連続する所定数の半波を一制御周期として、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように、且つ、所定の比率で所定の電力を前記複数の発熱体の各々に供給するように制御する制御手段と、前記所定の電力が前記複数の発熱体に供給された際に前記商用交流電源から供給される電流を検出する電流検出手段と、を備え、記録紙に形成された未定着トナー像を記録紙に定着させる定着装置であって、前記制御手段は、前記一制御周期の中で既に電力を供給した半波について、前記電流検出手段の検出結果に基づき電流制限制御を実施する必要があると判断した場合には、前記一制御周期の中でこれから電力を供給する半波についての電力の平均値が所定値となるように、且つ、前記所定の比率となるように、前記複数の発熱体の各々に電力を供給するよう制御することを特徴とする定着装置。
(2)商用交流電源から供給される電力によって発熱する複数の発熱体を有し、記録紙に形成された未定着トナー像を記録紙に定着させる定着手段と、前記商用交流電源の交流波形における連続する所定数の半波を一制御周期として、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように、且つ、所定の比率で所定の電力を前記複数の発熱体の各々に供給するように制御する制御手段と、前記所定の電力が前記複数の発熱体に供給された際に前記商用交流電源から供給される電流を検出する電流検出手段と、を備える画像形成装置であって、前記制御手段は、前記一制御周期の中で既に電力を供給した半波について、前記電流検出手段の検出結果に基づき電流制限制御を実施する必要があると判断した場合には、前記一制御周期の中でこれから電力を供給する半波についての電力の平均値が所定値となるように、且つ、前記所定の比率となるように、前記複数の発熱体の各々に電力を供給するよう制御することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、電流制限制御を実施する必要が生じた場合に、一制御周期の途中であっても、スループットを落とすことなく、且つ、正半波と負半波の電力供給量を同じにしつつ、電流制限制御を実施することができる。
実施例1、2の画像形成装置の構成を示す断面図、ブロック図 実施例1、2の定着器及びヒータの構成を示す図 実施例1、2の定着器の回路構成を示す図 実施例1、2のヒータの電力制御方式の制御を説明する図 実施例1、2のメインヒータとサブヒータに電力投入する際の制御を説明する図 実施例1の一制御周期単位の電力供給制御を示すフローチャート 実施例2の一制御周期単位の電力供給制御を示すフローチャート
以下、本発明を実施するための形態を、実施例により図面を参照しながら詳しく説明する。
[画像形成装置の構成]
図1(a)は、実施例1の画像形成装置の構成を示す概略図である。プリンタ100は、プリンタ100に着脱可能なトナーカートリッジ101、静電担持体である感光ドラム102、感光ドラム102上を走査するレーザビーム106を照射する光源としての半導体レーザ103を備えている。また、プリンタ100は、スキャナモータ104により回転される回転多面鏡105、感光ドラム102上を一様に帯電するための帯電ローラ107、感光ドラム102上に形成された静電潜像をトナーにより現像するための現像器108を備えている。更に、プリンタ100は、現像器108により現像されたトナー像を所定の記録紙に転写するための転写ローラ109、定着器110を備えている。記録紙に転写されたトナーを熱により融着するための定着器110は、定着ヒータ111と、定着フィルム123と、加圧ローラ124とを有している。定着器110は、定着フィルム123と加圧ローラ124の定着ニップ部に記録紙を搬送しながら、記録紙上のトナーを記録紙に加熱加圧定着させる。
記録紙を格納する給紙カセット112は、図1(a)の矢印Aの方向からプリンタ100に装着する。ピックアップローラ113は、1回転することにより、給紙カセット112から記録紙を給紙し、搬送路に送り出す。フィードローラ114、リタードローラ115は、ピックアップローラ113によりピックアップされた記録紙が束となっている場合に、記録紙を1枚ずつ分離して搬送路に送り出すためのローラ対である。中間ローラ116は、給紙カセット112から給紙された記録紙を、画像形成部へ搬送する。転写前ローラ117は、搬送された記録紙を感光ドラム102へ送り込む。トップセンサ118は、給紙された記録紙に対し、感光ドラム102への画像書き込み(記録/印字)と記録紙搬送の同期を取るとともに、給紙された記録紙の搬送方向の長さを測定する。定着センサ119は、定着後の記録紙の有無を検出する。搬送ローラ120は、定着後の記録紙を排紙搬送路へ排出する。排紙ローラ121は、画像形成が完了した記録紙を積載する排紙トレイ122へ記録紙を排紙する。
[画像形成装置のブロック図]
図1(b)は、本実施例の画像形成装置の回路構成のブロック図である。プリンタコントローラ201は、不図示のホストコンピュータ等の外部機器から送られる画像コードデータをプリンタの印字に必要なビットデータに展開する。また、プリンタコントローラ201は、プリンタ内部情報を読み取り、不図示の表示部や外部機器の表示部等に読み取った情報を表示する。制御手段であるエンジンコントローラ202は、プリンタ100の各部をプリンタコントローラ201の指示に従ってプリント動作の制御を行うとともに、プリンタコントローラ201へプリンタ内部情報を報知する。尚、エンジンコントローラ202は、後述する半波カウンタを有している。
高圧制御部203は、帯電、現像、転写等各工程における各高圧出力制御をエンジンコントローラ202の指示に従って行う。光学系制御部204は、スキャナモータ104の駆動/停止、レーザビーム106を照射するための半導体レーザ103の点灯をエンジンコントローラ202の指示に従って制御する。定着器制御部205は、定着ヒータ111への電力の供給/停止を、エンジンコントローラ202の指示に従って行う。センサ入力部206は、トップセンサ118、定着センサ119、不図示の紙面位置センサの紙有無状態、後述する温度検出素子により検出される温度状態を、エンジンコントローラ202へ報知する。用紙搬送制御部207は、エンジンコントローラ202の指示に従い、記録紙搬送のためにモータ/ローラ等の駆動/停止を行う。用紙搬送制御部207は、図1(a)のピックアップローラ113、フィードローラ114、リタードローラ115、中間ローラ116、転写前ローラ117の駆動/停止の制御を行う。更に、用紙搬送制御部207は、感光ドラム102、定着フィルム123、加圧ローラ124、搬送ローラ120、排紙ローラ121の駆動/停止の制御を行う。
[定着器の構成]
図2は、本実施例の定着器110の構成図である。図2(a)は、定着器110の断面図である。定着器110は、エンドレスフィルム(円筒状フィルム)を用いた、加圧ローラ駆動タイプのフィルム加熱方式の加熱装置である。定着器110は、加熱手段である定着ヒータ111と、定着ヒータ111を固定保持させた半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有するヒータホルダ303とを有する。また、定着器110は、定着ヒータ111を取り付けたヒータホルダ303に、ルーズに外嵌した円筒状の薄耐熱フィルムである定着フィルム123を有する。更に、定着器110は、定着フィルム123を挟んで定着ヒータ111と相互圧接して定着ニップ部Nを形成する回転自在な加圧体である加圧ローラ124等を有する。
加圧ローラ124は、駆動手段である不図示のモータ等により、図中矢印方向(反時計回り方向)に所定の周速度で回転駆動される。加圧ローラ124の外面と定着フィルム123とにより形成される定着ニップ部Nでは、加圧ローラ124の回転によって圧接摩擦力により定着フィルム123に回転力が作用する。これにより、定着フィルム123は、定着フィルム123の内面が定着ヒータ111の下向き面に密着し、摺動しながらヒータホルダ303の外回りを、図中矢印方向(時計回り方向)に従動回転状態になる。尚、定着フィルム123と定着ヒータ111との界面に摺動性のグリースを塗布してもよい。
定着ヒータ111は、セラミックヒータ(セラミック面発ヒータ)である。尚、定着ヒータ111については後述する。加圧ローラ124が回転駆動され、それに伴って定着フィルム123が従動回転状態になる。また、定着ヒータ111に電力が供給され、定着ヒータ111が昇温して所定の温度に立ち上がり温度制御されている状態で、定着ニップ部Nに未定着トナー像Tを担持した記録紙Sが搬送される。記録紙Sは、定着ニップ部Nにおいて、記録紙Sのトナー像担持面側が定着フィルム123の外面に密着し、定着フィルム123と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。記録紙Sが挟持搬送されていく過程において、定着ヒータ111の熱が定着フィルム123を介して記録紙Sに付与され、記録紙S上の未定着トナー像Tが記録紙S上に加熱及び加圧されて溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録紙Sは、定着フィルム123から曲率分離される。
(定着ヒータの構成)
図2(b)は、定着ヒータ111の拡大断面図、図2(c)は、定着ヒータ111をヒータがある側(上側)から見た平面図である。定着ヒータ111は、裏面加熱型のセラミック面発ヒータである。絶縁基板305は、電気絶縁性・良熱伝導性・低熱容量のセラミック系絶縁基板である。絶縁基板305の裏面側に2本の発熱体であるヒータ301、302が形成されており、ヒータ301、302は、給電用電極部(以下、単に電極部と記す)306、307、308から導電部材により接続される。保護層320は、ヒータ301、302と導電部材を覆わせて形成したガラス等の保護層である。
図2(c)において、記録紙Sは、上流側から下流側へと搬送されており、この方向を記録材Sの搬送方向とする。Bは記録紙Sの中央搬送基準線(一点鎖線)、L1は通紙可能な最大サイズ紙の通紙幅領域、L2は通紙可能な最小サイズ紙の通紙幅領域である。尚、通紙幅とは、記録紙Sの搬送方向に直交する方向である幅方向の、記録紙Sの長さのことである。不図示の給電用コネクタ309は、二点鎖線枠部に示す箇所、即ち、定着ヒータ111の電極部306、307側に装着されて、電極部306、307とヒータ駆動回路側とを電気的に接続する。不図示の給電用コネクタ310は、二点鎖線枠部に示す箇所、即ち、定着ヒータ111の電極部308側に装着されて、電極部308とヒータ駆動回路側とを電気的に接続する。電極部308は、2本のヒータ301、302に対する共通電極であり、ヒータ301、302の各一端部に対してそれぞれ分岐導電部材を介して導通させてある。
保護層320上の中央部には、定着ヒータ111の中央温度を検出する温度検出素子311と過昇温防止部材304が、記録紙Sの中央搬送基準線Bに対して、左右対称になる位置に配設されている。温度検出素子311と過昇温防止部材304は、更に、通紙可能な最小サイズ紙の通紙幅領域L2よりも内側に位置するように配設されている。また、保護層320上の端部には、定着ヒータ111の端部温度を検出する温度検出素子312、313が、記録紙Sの中央搬送基準線Bに対して、左右対称な位置であり、且つ通紙可能な最大サイズ紙の通紙幅領域L1よりも内側に位置するように配設されている。定着ヒータ111は、絶縁基板305のヒータ301、302等を設けた側とは反対面側を表面側(定着フルム摺動面側)として、この表面側を図2(a)のように下向きにして外部に露呈させ、ヒータホルダ303の下面に固定支持させて配設してある。また、図2(a)のように、過昇温防止部材304(例えば、ヒューズやサーモスタット)が、定着ヒータ111の保護層320面上に当接されている。定着ヒータ111は、ヒータホルダ303に位置を矯正され、過昇温防止部材304の感熱面が定着ヒータ111の面上にバネで当接されている。図2(a)には図示していないが、温度検出素子311、312、313も同様に、定着ヒータ111の保護層320面上に当接されている。
図2(c)に示すように、ヒータ301は主に記録紙Sの幅方向における中央部を温めるのに用いられ、ヒータ302は主に記録紙Sの幅方向における端部を温めるのに用いられる。以下、ヒータ301をメインヒータ、ヒータ302をサブヒータともいう。記録紙Sの紙幅に応じて、例えば通紙幅領域L2の最小幅の記録紙であれば、メインヒータ301のみに電力を供給する。即ち、メインヒータ301とサブヒータ302への電力供給比率を、メインヒータ301:サブヒータ302(以下、メイン:サブ、とも記す)=100:0とする。一方、通紙幅領域L1の最大幅の記録紙であれば、メインヒータ301とサブヒータ302への電力の供給が同等となるように、即ち、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率を、メイン:サブ=100:100とする。このように、記録紙Sの紙幅に応じて、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率を所定の比率に変える。本実施例では、定型サイズは記録紙サイズ(紙幅)に応じて、具体的には、表1のようにメインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率を決めている。尚、エンジンコントローラ202は、例えばROM等に表1のようなテーブルを保持しているものとし、以降説明する表についても同様とする。
ここで、表1は、記録紙サイズとメインヒータ301、サブヒータ302(メインサブと記載)の電力供給比率の対応表であり、左側に記録紙サイズ、右側にメイン−サブ電力供給比率が記載されている。例えば、記録紙サイズ(紙幅)がA4横やA3縦の場合は、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率は、メイン:サブ=100:100である。また、記録紙サイズ(紙幅)がA4縦やA5横、A6縦の場合は、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率は、メイン:サブ=100:0である。尚、記録紙Sのサイズ(紙幅)に応じて、更に細かく電力供給比率を設定しても良い。更に、非定型サイズではユーザから指定される紙幅の値又は図示しない紙幅検知手段で測定した紙幅の値に応じて、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率を設定しても良い。
Figure 0006128892
[定着ヒータの駆動制御回路図]
図3は、定着ヒータ111の駆動制御回路図である。ヒータ301、302は、商用交流電源(以下、単に交流電源)401からACフィルタ402、リレー418を介して定着器110の定着ヒータ111に電力が供給されることにより発熱する。メインヒータ301への電力の供給は、双方向サイリスタ(以降、トライアックという)403を接続、遮断することにより行う。抵抗404、405は、トライアック403のためのバイアス抵抗であり、フォトトライアックカプラ406は、一次、二次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。トライアック403は、フォトトライアックカプラ406の発光ダイオードに電流を流すことによりオンされる。抵抗407はフォトトライアックカプラ406の発光ダイオードに流れる電流を制限するための抵抗であり、フォトトライアックカプラ406は、トランジスタ408によりオン/オフされる。トランジスタ408は、抵抗409を介してエンジンコントローラ202から出力されるヒータ駆動信号であるON1信号が、ベース端子に入力されることによって動作する。
一方、サブヒータ302への電力の供給は、トライアック410を接続、遮断することにより行う。抵抗411、412は、トライアック410のためのバイアス抵抗であり、フォトトライアックカプラ413は、一次、二次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。トライアック410は、フォトトライアックカプラ413の発光ダイオードに電流を流すことによりオンされる。抵抗414はフォトトライアックカプラ413の発光ダイオードに流れる電流を制限するための抵抗であり、フォトトライアックカプラ413は、トランジスタ415によりオン/オフされる。トランジスタ415は、抵抗416を介してエンジンコントローラ202から出力されるヒータ駆動信号であるON2信号が、ベース端子に入力されることによって動作する。
また、ACフィルタ402を介して交流電源401は、ゼロクロス検出回路417に入力される。ゼロクロス検出回路417は、商用電源電圧がある閾値以下の電圧になっていることを、エンジンコントローラ202及び電流検出回路428に対してパルス信号として出力することで報知する。以降、ゼロクロス検出回路417が出力するパルス信号を、ゼロクロス信号という(ZEROX信号と図示)。エンジンコントローラ202は、ゼロクロス検出回路417から出力されたゼロクロス信号のエッジを検知し、位相制御又は波数制御によりトライアック403又はトライアック410をオン/オフする。
温度検出素子(例えば、サーミスタ感温素子)311、312、313は、ヒータ301、302に対して絶縁距離を確保できるように絶縁耐圧を有する保護層320を介して、定着ヒータ111上に配置されている。温度検出素子311によって検出される温度は、抵抗423と、温度検出素子311との分圧として検出され、エンジンコントローラ202にTH1信号として入力され、A/D変換される。また、温度検出素子312によって検出される温度は、抵抗424と、温度検出素子312との分圧として検出され、エンジンコントローラ202にTH2信号として入力され、A/D変換される。同様に、温度検出素子313によって検出される温度は、抵抗425と、温度検出素子313との分圧として検出され、エンジンコントローラ202にTH3信号として入力され、A/D変換される。このように、定着ヒータ111の温度は、TH1信号、TH2信号、TH3信号としてエンジンコントローラ202において監視され、エンジンコントローラ202の内部で設定されている定着ヒータ111の設定温度と比較される。エンジンコントローラ202は、検出温度と設定温度との比較結果に基づいて、ヒータ301、302に供給するべき電力を算出する。そして、エンジンコントローラ202は、算出した供給するべき電力に対応した位相角(位相制御)又は波数(波数制御)に換算し、その制御条件によりトランジスタ408にON1信号を、又はトランジスタ415にON2信号を出力する。
温度検出素子311、312、313やトライアック403、410等が故障して、エンジンコントローラ202が温度検出又はヒータ駆動回路の故障と判断した場合は、エンジンコントローラ202は、RLD信号をオフにする。これによりリレー418がオフし、ヒータ301、302への電力の供給が遮断される。リレー418は、トランジスタ419によりオン/オフされる。トランジスタ419は、エンジンコントローラ202から抵抗420を介してベース端子に入力されたRLD信号に従って動作する。抵抗421は、トランジスタ419を保護するための抵抗である。ダイオード422は、リレー418をオフにしたときに発生する逆起電圧を吸収するための素子である。通常、リレー418は、エンジンコントローラ202からのON1信号、ON2信号によりヒータ301、302への電力制御を開始する前にRLD信号によりオン状態にされる。そして、リレー418は、ヒータ301、302への電力供給の制御を終了させた後に、RLD信号によりオフ状態に制御される。
過昇温防止部材304は、例えば温度ヒューズやサーモスイッチであり、ヒータ301、302に電力を供給しており、制御回路が故障し、ヒータ301、302が熱暴走に至った場合、過昇温を防止する。電力を供給する制御回路の故障により、ヒータ301、302が熱暴走に至り過昇温防止部材304が所定の温度以上になると、過昇温防止部材304がオープンになり、ヒータ301、302への電力の供給が遮断される。共通電極である電極部308は、交流電源401のHot端子から過昇温防止部材304を介して接続される。電極部306は、メインヒータ301を制御するトライアック403に接続され、交流電源401のNeutral端子に接続される。電極部307は、サブヒータ302を制御するトライアック410に電気的に接続され、交流電源401のNeutral端子に接続される。また、トライアック403、410により制御されてヒータ301、302に流れる電流は、カレントトランス426によって電圧に変換され、ブリューダ抵抗427を介して電流検出回路428に入力される。電流検出手段である電流検出回路428は、電圧変換されたヒータ電流の波形を、ゼロクロス検出回路417から入力されたゼロクロス信号と同期をとって、半波ごとに平均値又は実効値に変換し、HCRRT信号としてエンジンコントローラ202に出力する。エンジンコントローラ202は、電流検出回路428から入力されたHCRRT信号をA/D変換する。
[ヒータの電力制御(メインヒータのみの場合)]
図4は、ヒータの電力制御方式である位相制御と波数制御、及び位相波数組み合わせ制御について説明する制御説明図である。本実施例では、交流電源401の交流波形における連続する所定数の半波を一制御周期として、ヒータに供給する電力を制御する。ここでは、一制御周期を8半波とし、説明を簡単にするため、メインヒータ301のみ投入電力75%で電力供給する場合の制御例を示す。表2のように、出力したい75%の投入電力に対して、8半波ごとに投入電力を決定し、一制御周期8半波全体の平均電力として75%の電力を出力する。一制御周期8半波の各半波への投入電力を決定している制御パターンは、制御方式によって異なるため、それぞれ、図を用いて説明する。
Figure 0006128892
図4(a)には、交流電源401の電源電圧の波形を、図4(b)には、ゼロクロス検出回路417が出力するゼロクロス信号の波形を、図4(c)には、一制御周期内の半波の番号(半波No)を、それぞれ示す。尚、一制御周期の8つの半波には、1つ目の半波にNo.1、2つ目の半波にNo.2、・・・、8つ目の半波にNo.8、と番号を付している。また、図4の区間ABが1半波目、区間BCが2半波目、・・・、区間HIが8半波目となっている。
(位相制御)
図4(d)は、位相制御の場合の例である。図4(d−1)には、エンジンコントローラ202が出力するON1信号の波形を、図4(d−2)には、メインヒータ301に流れる電流の波形を、それぞれ示す。尚、後述する図4(e)〜図4(g)についても同様とする。
ゼロクロス信号は、交流電源401の正から負(例えば、タイミングB)、又は、負から正(例えばタイミングC)に切り替わるエッジ(以下、ゼロクロスポイントという)でオン・オフの状態が切り替わる。図4(d−1)に示すように、エンジンコントローラ202は、ゼロクロス信号の立ち上がり及び立ち下がりエッジから所定時間後に、ヒータ駆動信号であるON1信号をハイレベルにする。これにより、図4(d−2)の斜線で示した部分でメインヒータ301に電流が流れ、電力が供給される。以降、メインヒータ301に電流を流し電力の供給を開始することを、メインヒータ301をオンするといい、後述するサブヒータ302についても同様とする。
尚、メインヒータ301をオンした後、次のゼロクロスポイント(例えば、タイミングB)でメインヒータ301への電力の供給は遮断される、即ち、メインヒータ301はオフされる。このため、再びゼロクロス信号のエッジから所定時間後にON1信号をオンすることにより、次の半波以降でも、メインヒータ301に同じ電力が供給される。このON1信号をオンする時間(位相角とも言い換えられる)を変化させると、メインヒータ301への電力供給時間が変わるため、メインヒータ301への供給電力を制御することができる。本実施例では、例えば、表3のような投入電力D(デューティ(duty)%)と位相角α(°)の変換データを、エンジンコントローラ202内に有しており、エンジンコントローラ202は、表3の制御表に基づき位相角を決定し制御を行う。表2及び図4(d)では、投入電力Dは75%であり、表3の変換表から位相角αは66.17°と決定される。位相制御では、どの8半波も75%の投入電力とするため、一制御周期8半波の投入電力の平均(表2には、平均電力(%)と記載)も75%である。
Figure 0006128892
(波数制御)
図4(e)は、波数制御の場合の例である。波数制御では、交流電源401の半波単位でオン/オフ制御を行う。メインヒータ301に電力を供給する場合には、エンジンコントローラ202は、ゼロクロス信号のエッジの検出とともにON1信号をオンし、この半波では100%電力を供給することとなる。メインヒータ301に電力を供給しない場合には、ON1信号をオフしたままとし、例えば図4(e−2)に示す4半波目のように、この半波は0%となる。表2と図4(e)で示した波数制御の例としては、半波ごとに100%、100%、100%、0%、100%、100%、0%、100%と電力を投入し、一制御周期8半波の平均電力としては75%となる。
(位相波数組み合わせ制御)
図4(f)、図4(g)には、位相波数組み合わせ制御の例を2つ示している。一制御周期内で、一部の半波を位相制御とし、一部の半波を波数制御として、組み合わせた制御を行う。図4(f)は、位相波数組み合わせ制御の1つ目の例である。図4(f)では、半波ごとに100%、47.5%、47.5%、100%、52.5%、100%、100%、52.5%と投入し、一制御周期8半波の平均電力としては75%となる。一方、図4(g)は、位相波数組み合わせ制御の2つ目の例で、半波ごとに55%、100%、100%、55%、100%、45%、45%、100%と投入し、一制御周期8半波の平均電力としては75%となる。この位相波数組み合わせ制御方式では、位相制御が毎半波行われなくなるので流れる高調波電流を低減させることができ、波数制御に比べて一制御周期を短くできるので電流の変動周期が短くなり、フリッカを低減させることができる。
図4(d)〜(g)のいずれも、奇数番目の正半波と、偶数番目の負半波で、一制御周期内に同じ投入電力が対になるようにパターン化したことによって、正負対称になっており、上述した非対称制御の禁止要請を満たすようにしている。例えば、図4(f)に示す位相波数組み合わせ制御1では、1半波目(正半波)と4半波目(負半波)が、また、3半波目(正半波)と2半波目(負半波)が、それぞれ投入電力が等しい正負対称のペアとなるようになっている。
[ヒータの電力制御(メインヒータとサブヒータの場合)]
図5は、位相波数組み合わせ制御にて、メインヒータ301とサブヒータ302の両方に電力投入する際の制御例である。図5(a)〜図5(c)は、図4(a)〜図4(c)と同じ波形等を示しており、説明は省略する。図4(d)には、エンジンコントローラ202が出力するヒータ駆動信号であるON1信号の波形を、図4(e)には、メインヒータ301に流れる電流の波形を、それぞれ示す。また、図4(f)には、エンジンコントローラ202が出力するヒータ駆動信号であるON2信号の波形を、図4(g)には、サブヒータ302に流れる電流の波形を、それぞれ示す。更に、図5(h)には、メインヒータ301とサブヒータ302に流れる電流の和である合成電流の波形を示す。
また、投入電力は、表4に示したように、メインヒータ301に供給する電力とサブヒータ302に供給する電力との比率(メインサブ電力供給比率ともいう)を、メイン:サブ=100:50の比率としている。具体的には、メインヒータ301に100%、サブヒータ302に50%の電力を供給する例としている。本実施例では、説明を簡単にするため、メインヒータ301とサブヒータ302は同じ抵抗値で、両方合わせた場合の平均電力は、単純にそれぞれの投入電力の平均値になるような例とする。しかし、メインヒータ301とサブヒータ302の抵抗値を異なるように設定してもよく、その場合には、抵抗比で重み付けし、抵抗比から平均電力を求める方法としてもよい。
Figure 0006128892
表4及び図5の例では、一制御周期8半波の平均電力は75%となる。表4のように、半波ごとにメインヒータ301とサブヒータ302を位相波数組み合わせ制御にて出力する。図5(d)に示すように、エンジンコントローラ202はON1信号を出力し、図5(e)に示すように、斜線で示した部分でメインヒータ301に電流を流すことによって電力を供給する。一方、図5(f)に示すように、エンジンコントローラ202はON2信号を出力し、図5(g)に示すように、斜線で示した部分でサブヒータ302に電流を流すことによって電力を供給する。
また、電流検出回路428は、メインヒータ301とサブヒータ302の合成電流(図5(h)の黒塗り部分)を、ゼロクロス信号と同期をとって、半波ごとに平均値又は実効値に変換する。そして、電流検出回路428は、変換した平均値又は実効値をHCRRT信号としてエンジンコントローラ202に出力する。エンジンコントローラ202は、電流検出回路428から出力されるHCRRT信号を監視して、エンジンコントローラ202の制御によって出力した投入電力に対する電流を検知する。そして、エンジンコントローラ202は、検知した電流値に基づいて、規格を満たすように必要に応じて出力に制限を設ける。
ここで、エンジンコントローラ202が同じ位相角で電力投入しても、入力電圧の変動や、電力供給によるヒータの抵抗値の変化、電源周波数の変動等に応じて電流が増減する。この場合、エンジンコントローラ202は、予め予想されている入力電圧範囲やヒータの抵抗値を考慮して、許容電流を超えない設定とする。つまり、エンジンコントローラ202は、入力電圧が最大値、抵抗値が最小値の場合を想定して、許容可能な投入電力を算出する。平均投入電力Dduty(%)で電力を供給したときに、HCRRT信号として検出した電流値を実効値Idctとした場合、許容される一制御周期における平均の電力供給量、即ち、供給可能な上限の平均投入電力Dlimitは、以下のように算出される。ここで、電流値Ilimitは、接続される商用電源の定格電流に対して、メインヒータ301及びサブヒータ302以外の部分に供給する電流を差し引いて、メインヒータ301及びサブヒータ302に供給可能な許容される電流値となるように設定される。
Dlimit=(Ilimit/Idct)×(Ilimit/Idct)
×Dduty
尚、供給可能な上限の平均投入電力Dlimitの最大値は100%とする。エンジンコントローラ202は、上述した式から算出した上限の平均投入電力Dlimitが100%未満となった場合に、後述する電流制限制御を実施する必要があると判断する。
また、エンジンコントローラ202は、定着温度が定着させる目標温度になるように、温度検出素子311〜313から出力されるTH1〜TH3信号に基づいて、PI制御によってメインヒータ301とサブヒータ302への投入電力を制御する。本実施例では、メインヒータ301及びサブヒータ302への電力供給について、後述する表5〜表8のように、投入電力の電力レベルを20分割して、電力レベル0〜20の21段階としている。本実施例の説明では、表が大きくなってしまうため20分割の簡単な例としたが、更に細かく分割して、例えば40分割としても良い。尚、例えば表5は、所定の電力としての電力レベル0から電力レベル10を表5−1とし、電力レベル11から電力レベル20を表5−2として分けて示しており、表6〜表8についても同様である。
本実施例では、平均投入電力としてDduty(%)を設定し、前述の計算式によって算出した供給可能な上限の平均投入電力Dlimitを超えないように、次に出力する平均電力を制限する制御を行うこととし、以降、この制御を電流制限制御ともいう。電源事情が良くない状況で商用電源の入力電圧が変動して同じ投入電力でも電流が増加してしまう場合に、このような電流制限制御を実施する。また、プリント中に予想以上の厚紙が搬送されて、温度検出素子311〜313から出力されるTH1〜TH3信号により示される温度が急減して投入電力を増やして電流が増加してしまう場合にも、電流制限制御を実施する。更に、エンジンコントローラ202は、温度検出素子311により出力されるTH1信号で検出するヒータの中央部の温度と、温度検出素子312及び313により出力されるTH2及びTH3信号で検出するヒータの端部の温度と比較する。そして、エンジンコントローラ202は、比較の結果、これらの温度差が所定温度(たとえば10℃)の範囲内であればプリントをそのまま継続し、温度差が範囲外になった場合には紙間を広げてスループットを落として画像形成処理を行う。これにより、エンジンコントローラ202は、紙間を広げてスループットを落とすことにより、ヒータの中央部と端部の温度差が所定温度の範囲内となるような制御を行う。
[制御パターン]
表5〜表8は、本実施例で用いたメインサブ電力供給比率ごとに電力供給制御を行う際の投入電力表である。表1で説明したように、記録紙のサイズごとに決定されたメインサブ電力供給比率に従って、表5〜表8のいずれかを選択する。そして、選択した投入電力表をもとに、PI制御によって投入する電力レベルを決定し、一制御周期8半波単位で、表に記載された半波ごとのメインヒータ301とサブヒータ302の投入電力を出力する。尚、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率は、表5では、メイン:サブ=100:100、表6では、メイン:サブ=100:50、表7では、メイン:サブ=100:10、表8では、メイン:サブ=100:0である。
Figure 0006128892
Figure 0006128892
Figure 0006128892
Figure 0006128892
Figure 0006128892
Figure 0006128892
Figure 0006128892
Figure 0006128892
ここで、前述したような電圧変動等に起因する電流値の変動によって、電流検出回路428による電流測定結果に基づき電流制限制御を実施する場合、エンジンコントローラ202は、次のような制御を行う。即ち、エンジンコントローラ202は、算出した上限の平均投入電力Dlimit(以下、許容値ともいう)を超えないように電力レベルを下げる。ここで、エンジンコントローラ202は、一制御周期を8半波とすると、最初の1半波目に電流測定結果から電流制限制御が必要であると判断した場合、従来の電流制限制御においては、電力レベルを下げる場合、次のように制御していた。即ち、エンジンコントローラ202は、一制御周期の残り7半波は、制御パターンを切り替えることなくそのまま出力し続け、一制御周期が完了した後で電力レベルを下げる制御をしていた。
ここで、交流電源401の周波数が50Hzである場合、7半波では70msec(ミリ秒)程度となる。そこで、本実施例では、一制御周期8半波の出力が完了するのを待たずに、許容値以下に制限できるよう、一制御周期の途中で上限の平均投入電力Dlimit以下となるよう電流制限制御を行う構成としている。本実施例では、予め想定される入力電圧やヒータ抵抗、電流検出回路428等のばらつきを含め、次のようにして切り替える構成としている。例えば、平均投入電力60%以下であれば、常に算出した上限の平均投入電力Dlimit以下となるようにすることができる(これを、許容電流値を満たす、ともいう)。従って、このことから、エンジンコントローラ202は、一制御周期の途中で電流制限制御の実施が必要と判断した場合には、一制御周期の途中から平均投入電力60%とする。そして、一制御周期の電力投入が完了した後で、本来許容される制限、即ち算出された上限の平均投入電力Dlimit(例えば投入電力80%等)に切り替えるようにする。
本実施例では、表5及び表6において、平均投入電力60%を超える電力レベルでは、4半波ごとに正負対称となるように、メインヒータ301とサブヒータ302の半波ごとの制御パターンを配置している。そして、一制御周期8半波の途中である4半波と5半波の間で、平均投入電力を60%以下に制限した制御パターン(表9及び表10)に切り替えるようにしている。
[電力投入例1]
表9は、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率がメイン:サブ=100:50の場合に、平均投入電力を60%以下に制限する場合の電力投入例1である。上述した表6−2では、電力レベル16までが平均投入電力が60%となっており、電力レベル17からは平均投入電力が60%を超えている。エンジンコントローラ202が表6−2の電力レベル17〜20のいずれかを選択してヒータに電力を供給している場合に、前半の4半波(1半波目〜4半波目)のいずれかの半波で、電流制限制御の実施が必要と判断した場合、次のように制御する。この場合、エンジンコントローラ202は、一制御周期8半波のうちの後半の4半波(5半波目〜8半波目)を、表9の灰色背景色のマスに示すように制御する。即ち、エンジンコントローラ202は、後半の4半波の平均投入電力が60%以下となるように、且つ、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率がメイン:サブ=100:50となるように、制御パターンを差し替える。このように制御することで、本実施例では、一制御周期8半波の全ての出力が完了するのを待たずに、一制御周期中の4半波区切りの後半から、平均投入電力を60%以下に制限した電流制限制御を実施することができる。交流電源401の周波数が50Hzである場合、1半波目から4半波目で電流制限制御の実施が必要であると判断した場合、5半波目から電流制限制御を実施することができるため、最大3半波の30ms(ミリ秒)程度で切り替えることができる。同様に、一制御周期中の5半波目から8半波目で電流制限制御の実施が必要であると判断した場合、一制御周期の最後の半波である8半波目の次、即ち、次の一制御周期の1半波目で電流制限制御を実施することができる。このため、この場合も最大3半波の30ms程度で切り替えることができる。
Figure 0006128892
[電力投入例2]
表10は、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率がメイン:サブ=100:50の場合に、平均投入電力を60%以下に制限する場合の電力投入例2である。表6の電力レベル17〜20において、一制御周期中の前半の4半波(1半波目〜4半波目)のいずれかで電流制限制御の実施が必要であると判断した場合、次のように制御する。この場合、エンジンコントローラ202は、一制御周期8半波のうちの後半の4半波(5半波目〜8半波目)を、表10の灰色背景色のマスに示すように制御する。即ち、エンジンコントローラ202は、後半の4半波の平均投入電力が60%以下となるように、制御パターンを差し替える。このようにすることで、表10の場合でも、一制御周期8半波の全ての出力が完了するのを待たずに、一制御周期中の4半波区切りの後半から、平均投入電力を60%以下に制限した電流制限制御を実施することができる。例えば、表10の電力レベル17では、電流制限制御を実施した一制御周期中の後半の4半波での平均投入電力が、55.625%(=(48.75+62.5+62.5+48.75)/4)となっており、60%以下に制限できている。
Figure 0006128892
(スループット低下について)
しかしながら、表9に示す例の場合、電力レベル18のとき、一制御周期が完了したときに、メインヒータ301の平均電力が80%で、サブヒータ302の平均電力が45%となっている。即ち、電流制限制御を実施した表9の電力レベル18では、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率が、メイン:サブ=100:56となっている。本来、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率はメイン:サブ=100:50であるのに対し、表9ではサブヒータ302の比率が大きくなっている。このように、サブヒータ302の比率が大きくなることで、定着ヒータ111の中央部と端部の温度について、端部が1〜3℃上昇している。
一方、表10に示す例の場合、電力レベル20のとき、一制御周期が完了したときに、メインヒータ301の平均電力が90.625%で、サブヒータ302の平均電力が40%となっている。即ち、平均投入電力を制限している表10の電力レベル20では、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率が、メイン:サブ=100:44となっている。本来は、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率はメイン:サブ=100:50であるのに対し、サブヒータ302の比率が小さくなっている。このように、サブヒータ302の比率が小さくなることで、定着ヒータ111の中央部と端部の温度について、端部が1〜3℃下降している。前述したように、定着ヒータ111の中央部と端部の温度差が10℃を超えると、搬送している複数の記録紙Sの紙間を広げてスループットを落とす制御を行うことになる。このため、表9のような定着ヒータ111の端部における1〜3℃の温度差拡大は、スループット低下を発生させる可能性を大きくするため好ましくない。
[電力投入例3]
表11は、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率が、メイン:サブ=100:50の場合に、平均投入電力を60%以下に制限する場合の電力投入例3である。表6の電力レベル17〜20において、一制御周期中の前半の4半波(1半波目〜4半波目)のいずれかで電流制限制御の実施が必要であると判断した場合、次のように制御する。この場合、エンジンコントローラ202は、一制御周期8半波のうちの後半の4半波(5半波目〜8半波目)を、表11の灰色背景色のマスに示すように制御する。即ち、エンジンコントローラ202は、後半の4半波の平均投入電力が60%以下となるように、制御パターンを差し替える。表11では、一制御周期が完了したときに、電力供給比率がメイン:サブ=100:50となるようにしたことから、表9のような定着ヒータ111の中央部と端部の温度差拡大を防止することができる。また、表10のように、本来のメインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率(例えば、メイン:サブ=100:50)からずれてしまうこともない。これにより、紙間を広げてスループットを落とす可能性を大きくすることなく、一制御周期の途中から電流制限制御を実行することができる。
Figure 0006128892
[電力投入例(メイン:サブ=100:100の場合)]
表12は、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率が、メイン:サブ=100:100で、平均投入電力を60%以下に制限する場合の電力投入例である。上述した表5−2では、電力レベル12までが平均投入電力が60%となっており、電力レベル13からは平均投入電力が60%を超えている。エンジンコントローラ202が表5−2の電力レベル13〜20のいずれかを選択してヒータに電力を供給している場合に、前半の4半波(1半波目〜4半波目)のいずれかの半波で電流制限制御の実施が必要と判断した場合、次のように制御する。この場合、エンジンコントローラ202は、一制御周期8半波のうちの後半の4半波(5半波目〜8半波目)を、表12の灰色背景色のマスに示すように制御する。即ち、エンジンコントローラ202は、後半の4半波の平均投入電力が60%以下となるように、制御パターンを差し替える。このようにすることで、表11と同様に、定着ヒータ111の中央部と端部の温度差拡大を防止することができ、紙間を広げてスループットを落とす可能性を大きくすることなく、一制御周期の途中から電流制限制御を実行することができる。尚、電力供給比率がメイン:サブ=100:10である表7、及び、電力供給比率がメイン:サブ=100:0である表8では、平均投入電力の最大が60%を超えることがないため、電流制限制御の実施は不要となり、差し替えも不要である。
Figure 0006128892
[制御パターンの差し替え処理]
図6は、エンジンコントローラ202における一制御周期単位の定着ヒータ111の電力供給制御方法を説明するフローチャートである。印刷が開始されると、ステップ(以下、Sとする)701で、エンジンコントローラ202は、印刷する記録紙サイズ情報から、表1に従って、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率を決定する。これにより、決定した電力供給比率から、表5〜表8のいずれかの制御パターンが決定される。S702でエンジンコントローラ202は、定着器110の目標温度と温度検出素子311〜313により出力されたTH1〜TH3信号、即ち検出温度に基づくPI制御から、電力レベル(各表の電力レベル0〜20のいずれか)を決定する。S703でエンジンコントローラ202は、電流検出回路428による前回の電流の検出結果(以下、電流検出結果という)(Idct)と許容電流値(Ilimit)(設定値)から、電流制限制御の実施が必要か否かを判断する。尚、上述したように、エンジンコントローラ202は、算出した上限の平均投入電力Dlimitが100%未満(Dlimit<100)となった場合に、電流制限制御の実施が必要であると判断する。ここで、上限の平均投入電力Dlimitは、電流検出回路428により検出された電流値Idct、許容電流値Ilimit、S702で決定した電力レベルの平均電力Ddutyから、上述した式により算出する。また、前回の電流検出結果は、不図示のRAMや不揮発性メモリ等に記憶されているものとする。
S703でエンジンコントローラ202は、電流制限が必要であると判断した場合、S704で、算出した上限の平均投入電力Dlimitに応じた平均投入電力に相当する電力レベルを選択し決定する。即ち、エンジンコントローラ202は、算出した上限の平均投入電力Dlimit以下となる電力レベルを、S701で決定した表の電力レベル0〜20の中から選択しなおし、決定する。例えば、エンジンコントローラ202は、S703で算出した上限の平均投入電力Dlimitが80%となった場合等に、S704の処理を実行する。
S705でエンジンコントローラ202は、一制御周期8半波の最初の1半波を出力するため、半波カウンタNに1を代入する。S706でエンジンコントローラ202は、メインヒータ301及びサブヒータ302に対して、制御パターンの1半波目の電力を供給する。具体的には、投入される電力は、S701で決定された表5〜表10のいずれかにおいて、S702又はS704で決定された電力レベルの1半波目に記載されたメインヒータ301及びサブヒータ302のそれぞれの投入電力(%)である。尚、後述するS711の処理からS706の処理に戻る場合には、エンジンコントローラ202は、N半波目の制御パターンの投入電力を供給する。
S707でエンジンコントローラ202は、電流検出回路428によりHCRRT信号として検出した新たな電流の実効値Idctから、上限の平均投入電力Dlimitを算出する。尚、エンジンコントローラ202は、後述するS712で参照するため、算出した上限の平均投入電力Dlimitを、例えば不図示のRAMや不揮発性メモリ等に一時的に記憶しておく。S708でエンジンコントローラ202は、半波カウンタNを参照して4半波目(N=4)であるか否かを判断する。例えば、S705の処理からS708の処理までを実行してきた場合、エンジンコントローラ202は、半波カウンタNから1半波目であり、4半波目ではないと判断し、S709の処理に進む。
S709でエンジンコントローラ202は、半波カウンタNを参照して8半波目(N=8)であるか否かを判断する。例えば、S705の処理からS709の処理までを実行してきた場合、エンジンコントローラ202は、半波カウンタNから1半波目であり、8半波目ではないと判断し、S711の処理に進む。S711でエンジンコントローラ202は、次の半波を出力するために半波カウンタNに1を加算し(N=N+1)、S706の処理に戻る。例えば、S705の処理からS711の処理までを実行してきた場合、エンジンコントローラ202は、半波カウンタNを2とする。このように、エンジンコントローラ202は、S706の処理に戻りながら、2半波目、3半波目、4半波目と、選択した制御パターンに従って電力供給を繰り返す。
S708でエンジンコントローラ202は、半波カウンタNを参照して4半波目であると判断した場合、S712の処理に進む。S712でエンジンコントローラ202は、RAM等を参照し、既に出力した1半波目から4半波目について、S707で算出された上限の平均投入電力Dlimitが100%未満であったか否か、即ち電流制限制御が必要であったか否かを判断する。S712でエンジンコントローラ202は、電流制限制御の実施が必要であると判断した場合、S713で、現在の電力レベルが算出した上限の平均投入電力Dlimitより大きいか否かを判断する。ここで、現在の電力レベルとは、S702又はS704で決定された電力レベルである。S713でエンジンコントローラ202は、現在の電力レベルが上限の平均投入電力Dlimitよりも大きいと判断した場合、S714の処理に進む。S714でエンジンコントローラ202は、電流制限制御を実施する必要が発生したため、メインヒータ301とサブヒータ302の電力供給比率に応じて、表11又は表12を選択する。そして、エンジンコントローラ202は、これから出力する後半4半波専用の電力の平均値(以下、平均投入電力という)が60%(所定値)以下となる制御パターンに差し替えて、S711の処理に進む。例えば、エンジンコントローラ202は、S707で算出した上限の平均投入電力Dlimitが80%であり、現在の電力レベルの平均電力が90%である場合等に、S714の処理を実行する。
このように、エンジンコントローラ202は、制御パターンが4半波目になったら、1半波目から4半波目について、電流制限制御を実施する必要があると判断した場合、表11又は表12の制御パターンに切り替える。そして、エンジンコントローラ202は、表11又は表12の制御パターンに従って、S706以降の処理を繰り返し、5半波目から8半波目の制御パターンで順番に出力していく。
S709でエンジンコントローラ202は、半波カウンタNを参照して8半波目であると判断した場合、S710で印刷終了か否かを判断する。S710でエンジンコントローラ202は、印刷終了でないと判断した場合、S701の処理に戻り、印刷終了したと判断した場合に、全体の制御を終了する。
本実施例では、一制御周期単位を8半波で、1〜4半波目で電流制限制御の実施が必要と判断した場合に、後半4半波(5〜8半波目)について電流制限制御を実施した例である。尚、一制御周期単位を12半波にして、4半波ごとに正負対称となる制御パターンにしておき、1〜4半波目で電流制限制御の実施が必要と判断した場合には後半8半波(5〜12半波目)で電流制限制御を実施する制御パターンに差し替える制御としてもよい。また、一制御周期単位を12半波とした場合で、5〜8半波目で電流制限制御の実施が必要と判断した場合に、後半4半波(9〜12半波目)で電流制限制御を実施する制御パターンに差し替える制御としてもよい。即ち、一制御周期が4n(n=1,2,3,・・・)半波である場合に、4半波の出力が終了するごとに、電流制限制御の実施が必要であるか否かの判断を行う構成とすればよい。更に、本実施例では、メインヒータ301とサブヒータ302の2本のヒータとしているが、3本以上の複数の発熱体であるヒータの組み合わせに拡張しても良い。
以上、本実施例によれば、電流制限制御を実施する必要が生じた場合に、一制御周期の途中であっても、スループットを落とすことなく、且つ、正半波と負半波の電力供給量を同じにしつつ、電流制限制御を実施することができる。
実施例2では、一制御周期の途中で電流制限制御を実施する場合に、上限の平均投入電力Dlimitのぎりぎりまで電力供給できるような構成である。尚、実施例1で説明した図1〜図5は、本実施例においても援用され、説明は省略する。また、表1〜表12も、本実施例において援用され、説明は省略する。
実施例1では、平均投入電力が60%であれば、常に許容電流値を満たすことから、一制御周期の途中で電流制限制御の実施が必要となった場合には、途中から平均投入電力を60%にしている。そして、実施例1では、一制御周期8半波が完了したところで、算出された上限の平均投入電力Dlimit以下となるような制御パターンに切り替える構成である。例えば、エンジンコントローラ202が算出した上限の平均投入電力Dlimitが80%であった場合でも、一度、平均投入電力60%以下となる表11又は表12の制御パターンに従って電力を供給する。そして、エンジンコントローラ202は、一制御周期が完了したところで、算出した上限の平均投入電力Dlimitである80%以下となる制御パターンに切り替えて、電力を供給している。一方、本実施例では、一制限周期の途中で電流制限制御が必要となった場合に、途中から供給する電力を平均投入電力60%に固定せず、算出された上限の平均投入電力Dlimitを超えないように制限する構成としている。
エンジンコントローラ202は、一制御周期8半波の途中で、前半4半波での電流検出結果から上限の平均投入電力Dlimitが60%と算出され、電流制限制御の実施が必要であると判断した場合には、表11又は表12の制御パターンに切り替える。また、エンジンコントローラ202は、例えば上限の平均投入電力Dlimitが65%と算出され、電流制限制御の実施が必要であると判断した場合には、表13又は表14の制御パターンに切り替える。例えば、表13の電力レベル18では、電流制限制御を実施した一制御周期中の後半の4半波での平均投入電力が、64.375%(=(63.75+65+65+63.75)/4)となっており、65%以下に制限できている。
Figure 0006128892
Figure 0006128892
また、エンジンコントローラ202は、例えば上限の平均投入電力Dlimitが70%と算出され、電流制限制御が必要であると判断した場合には、表15又は表16の制御パターンに切り替える。例えば、表15の電力レベル20では、電流制限制御を実施した一制御周期中の後半の4半波での平均投入電力が、69.375%(=(68.75+70+70+68.75)/4)となっており、70%以下に制限できている。また、エンジンコントローラ202は、例えば上限の平均投入電力Dlimitが75%と算出され、電流制限制御の実施が必要であると判断した場合には、表17の電力パターンに切り替える。例えば、表17の電力レベル16では、電流制限制御を実施した一制御周期中の後半の4半波での平均投入電力が、74.375%(=(76.25+72.5+72.5+76.25)/4)となっており、75%以下に制限できている。
Figure 0006128892
Figure 0006128892
Figure 0006128892
また、エンジンコントローラ202は、例えば上限の平均投入電力Dlimitが80%と算出され、電流制限制御の実施が必要であると判断した場合には、表18の電力パターンに切り替える。例えば、表18の電力レベル17では、電流制限制御を実施した一制御周期中の後半の4半波での平均投入電力が、79.375%(=(81.25+77.5+77.5+81.25)/4)となっており、80%以下に制限できている。また、エンジンコントローラ202は、例えば上限の平均投入電力Dlimitが85%と算出され、電流制限制御の実施が必要であると判断した場合には、表19の電力パターンに切り替える。例えば、表19の電力レベル18では、電流制限制御を実施した一制御周期中の後半の4半波での平均投入電力が、84.375%(=(86.25+82.5+82.5+86.25)/4)となっており、85%以下に制限できている。
Figure 0006128892
Figure 0006128892
更に、エンジンコントローラ202は、例えば上限の平均投入電力Dlimitが90%と算出され、電流制限制御の実施が必要であると判断した場合には、表20の電力パターンに切り替える。例えば、表20の電力レベル19では、電流制限制御を実施した一制御周期中の後半の4半波での平均投入電力が、89.375%(=(91.25+87.5+87.5+91.25)/4)となっており、90%以下に制限できている。そして、エンジンコントローラ202は、例えば上限の平均投入電力Dlimitが95%と算出され、電流制限制御の実施が必要であると判断した場合には、表21の電力パターンに切り替える。
このようにエンジンコントローラ202は、一制御周期8半波の後半4半波で電流制限制御を行う。これにより、一制御周期の途中で電流制限する場合に、算出した上限の平均投入電力Dlimitに応じて制御パターンを切り替える制御ができるようになる。
Figure 0006128892
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図7は、エンジンコントローラ202における一制御周期単位の定着ヒータ111の電力供給制御方法を示すフローチャートである。実施例1の図6のフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付し、説明を省略する。実施例1と異なる部分は、S714をS801に変更した点である。エンジンコントローラ202は、S708で半波カウンタNを参照し4半波目であると判断し、S712の処理に進む。S712でエンジンコントローラ202は、1半波目から4半波目で算出された上限の平均投入電力Dlimitが100%未満であり、電流制限制御の実施が必要であると判断した場合に、S713の処理に進む。エンジンコントローラ202は、S713で現在の電力レベルが、算出した上限の平均投入電力Dlimitより大きいと判断した場合に、S801の処理に進む。S801でエンジンコントローラ202は、上限の平均投入電力Dlimitに応じて、後半4半波専用の新しい制御パターンに差し替える。具体的には、エンジンコントローラ202は、メインヒータ301及びサブヒータ302の電力供給比率と、上限の平均投入電力Dlimitに応じて、表11〜21のいずれかを選択し、制御パターンを差し替える。
以上、本実施例によれば、電流制限制御を実施する必要が生じた場合に、一制御周期の途中であっても、スループットを落とすことなく、且つ、正半波と負半波の電力供給量を同じにしつつ、電流制限制御を実施することができる。
110 定着器
202 エンジンコントローラ
301 メインヒータ
302 サブヒータ
428 電流検出回路

Claims (18)

  1. 商用交流電源から供給される電力によって発熱する複数の発熱体と、
    前記商用交流電源の交流波形における連続する所定数の半波を一制御周期として、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように、且つ、所定の比率で所定の電力を前記複数の発熱体の各々に供給するように制御する制御手段と、
    前記所定の電力が前記複数の発熱体に供給された際に前記商用交流電源から供給される電流を検出する電流検出手段と、
    を備え、記録紙に形成された未定着トナー像を記録紙に定着させる定着装置であって、
    前記制御手段は、前記一制御周期の中で既に電力を供給した半波について、前記電流検出手段の検出結果に基づき電流制限制御を実施する必要があると判断した場合には、前記一制御周期の中でこれから電力を供給する半波についての電力の平均値が所定値となるように、且つ、前記所定の比率となるように、前記複数の発熱体の各々に電力を供給するよう制御することを特徴とする定着装置。
  2. 前記制御手段は、前記所定値を、算出した前記平均の電力供給量に応じた値とすることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  3. 前記制御手段は、前記一制御周期が8半波である場合に、4半波目の出力が終了したときに、前記電流制限制御の実施が必要であるか否かの判断を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記制御手段は、4半波ごとに正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように、前記複数の発熱体の各々に電力を供給することを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  5. 前記制御手段は、記録紙のサイズに応じて前記所定の比率を決定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記制御手段は、前記一制御周期内において、位相制御と波数制御の組み合わせにより電力の供給を制御することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 商用交流電源から供給される電力によって発熱する複数の発熱体を有し、記録紙に形成された未定着トナー像を記録紙に定着させる定着手段と、
    前記商用交流電源の交流波形における連続する所定数の半波を一制御周期として、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように、且つ、所定の比率で所定の電力を前記
    複数の発熱体の各々に供給するように制御する制御手段と、
    前記所定の電力が前記複数の発熱体に供給された際に前記商用交流電源から供給される電流を検出する電流検出手段と、
    を備える画像形成装置であって、
    前記制御手段は、前記一制御周期の中で既に電力を供給した半波について、前記電流検出手段の検出結果に基づき電流制限制御を実施する必要があると判断した場合には、前記一制御周期の中でこれから電力を供給する半波についての電力の平均値が所定値となるように、且つ、前記所定の比率となるように、前記複数の発熱体の各々に電力を供給するよう制御することを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、前記所定値を、算出した前記平均の電力供給量に応じた値とすることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御手段は、前記一制御周期が8半波である場合に、4半波目の出力が終了したときに、前記電流制限制御の実施が必要であるか否かの判断を行うことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御手段は、4半波ごとに正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように、前記複数の発熱体の各々に電力を供給することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御手段は、記録紙のサイズに応じて前記所定の比率を決定することを特徴とする請求項乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記制御手段は、前記一制御周期内において、位相制御と波数制御の組み合わせにより電力の供給を制御することを特徴とする請求項乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 商用交流電源から供給される電力によって発熱する複数の発熱体と、前記商用交流電源の交流波形における連続する所定数の半波を一制御周期として、正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように、且つ、所定の比率で所定の電力を前記複数の発熱体の各々に供給するように制御する制御手段と、前記所定の電力が前記複数の発熱体に供給された際に前記商用交流電源から供給される電流を検出する電流検出手段と、を備え、記録紙に形成された未定着トナー像を記録紙に定着させる定着装置の電力供給制御方法であって、
    前記一制御周期の中で既に電力を供給した半波について、前記電流検出手段の検出結果に基づき電流制限制御を実施する必要があると判断した場合には、前記一制御周期の中でこれから電力を供給する半波についての電力の平均値が所定値となるように、且つ、前記
    所定の比率となるように、前記複数の発熱体の各々に電力を供給するよう制御することを特徴とする電力供給制御方法。
  14. 前記所定値は、算出した前記平均の電力供給量に応じた値とされることを特徴とする請求項13に記載の電力供給制御方法。
  15. 前記一制御周期が8半波である場合に、4半波目の出力が終了したときに、前記電流制限制御の実施が必要であるか否かの判断を行うことを特徴とする請求項13又は14に記載の電力供給制御方法。
  16. 4半波ごとに正半波と負半波とで供給する電力が等しくなるように、前記複数の発熱体の各々に電力を供給することを特徴とする請求項15記載の電力供給制御方法。
  17. 前記所定の比率は、記録紙のサイズに応じて決定されることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載の電力供給制御方法。
  18. 前記一制御周期内において、位相制御と波数制御の組み合わせにより電力の供給を制御することを特徴とする請求項13乃至17のいずれか1項に記載の電力供給制御方法。
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