JPH11354256A - ヒータ、加熱装置、及び画像形成装置 - Google Patents

ヒータ、加熱装置、及び画像形成装置

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JPH11354256A
JPH11354256A JP17537098A JP17537098A JPH11354256A JP H11354256 A JPH11354256 A JP H11354256A JP 17537098 A JP17537098 A JP 17537098A JP 17537098 A JP17537098 A JP 17537098A JP H11354256 A JPH11354256 A JP H11354256A
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heating
heater
substrate
heating element
power supply
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JP17537098A
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Masami Takeda
正美 竹田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックヒータの抵抗発熱体端部から給電
電極部までのヒータ基板部分による加熱に寄与しない余
分な熱容量の付与やこの部分からのヒータホルダー側へ
の余分なヒートリークによってヒータの加熱効率が抑制
され、これがオンデマンド加熱装置の更なる高速化を実
現する上でネックとなっている点を解消する。 【解決手段】 ヒータ11の絶縁基板11aの被加熱材
を加熱する側の面を加熱面とし、その裏面を反加熱面と
したとき、給電電極11d・11dは絶縁基板の反加熱
面側に設けられ、絶縁基板11aの長手方向長さA′
は、抵抗発熱体11bの長手方向長さBに少なくとも給
電電極11d・11dの形成に必要な幅を加えた長さよ
り長くないことを特徴とするヒータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁基板と、この
絶縁基板上に設けられた、通電により発熱する抵抗発熱
体と、この抵抗発熱体に通電するための給電電極と、を
有するヒータに関する。
【0002】また、該ヒータを具備した加熱装置、及び
該加熱装置を像加熱装置として用いた画像形成装置に関
する。
【0003】
【従来の技術】従来、プリンター、複写機、ファクシミ
リなどの画像形成装置において、電子写真方式・静電記
録方式等の適宜の作像手段にて記録材(転写材・感光紙
・静電記録紙・印字用紙等)上に転写(間接)方式もし
くは直接方式で形成担持させた未定着画像を熱定着する
加熱装置(加熱定着装置)としては、ヒートローラ(熱
ローラ)方式などの、熱効率、安全性が良好な接触加熱
型の装置が広く知られている。
【0004】特に、近年では、省エネルギー推進の観点
から、熱伝達効率が高く、装置の立上りも速い方式(オ
ンデマンド)として、熱容量の小さなフィルムを介して
被加熱材を加熱するフィルム加熱方式の加熱装置(特開
昭63−313182号公報、特開平2−15787
8、4−44075〜44083、4−204980〜
204984号公報等)が注目されており、実用化され
ている。
【0005】このフィルム加熱方式の加熱装置は、ヒー
タ(加熱体)と、一方の面がこのヒータと摺動し、他方
面が被加熱材と接して共に移動するフィルム(伝熱部
材)と、を有し、前記フィルムを介したヒータからの熱
により被加熱材を加熱する構成を基本的構成とするもの
であり、画像形成装置において未定着画像を形成担持さ
せた記録材の面に該画像を永久固着画像として熱定着す
る加熱定着装置(フィルム加熱定着器)等として使用で
きる。
【0006】このようなフィルム加熱方式の加熱装置
は、ヒートローラ方式等の他の接触加熱型の加熱装置に
との対比において、昇温の速い低熱容量のヒータや伝熱
部材として薄膜のフィルムを用いることができるため短
時間に加熱部の温度が所定に上昇するので、待機中にヒ
ータへの通電加熱(予熱)を行なう必要がなく、被加熱
材をすぐに通紙しても該被加熱材が加熱部に到達するま
でに加熱体を所定温度まで十分に昇温させることがで
き、省電力化やウエイトタイムの短縮化(クイックスタ
ート性、オンデマンド)が可能となる、画像形成装置等
の本機の機内昇温を低めることができる等の有利点があ
る。
【0007】図12はフィルム加熱方式の加熱装置の一
例の横断面模型図である。本例の加熱装置は、特開平4
−44075〜44083号公報等に開示の、円筒状の
定着フィルムを用いたフィルム加熱方式・加圧ローラ駆
動式・テンションレスタイプの加熱装置である。
【0008】10と20は互いに当接させて加熱ニップ
部(定着ニップ部)Nを形成させた加熱部材(定着部
材)と加圧部材である。
【0009】加熱部材10は、ヒータ11、ヒータホル
ダー12、円筒状定着フィルム13、フランジ部材14
等から構成されている。
【0010】加圧部材20は弾性加圧ローラであり、芯
金21と、その外側に設けたシリコンゴム等の耐熱性の
弾性離型層22からなる。
【0011】加熱部材10において、ヒータ11は所謂
セラミックヒータである。このヒータについては後述す
る。
【0012】ヒータホルダー12は、ヒータ11を保持
し、加熱ニップ部Nと反対方向への放熱を防ぐ部材であ
り、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK
等により形成されている。本例のヒータホルダー12は
横断面略半円状樋型の横長で、耐熱性、電気絶縁性で、
高い加重に耐えられる部材であり、ヒータ11はこのヒ
ータホルダー12の下面のほぼ中央部に部材長手に沿っ
て設けた溝部に表面側(加熱面側)を下向きに露呈させ
て嵌入して固定支持させてある。
【0013】定着フィルム13は円筒状の耐熱性フィル
ムであり、ヒータ11を含むヒータホルダー12に対し
て周長に余裕を持たせた形でルーズに外嵌させてある。
ヒータホルダー12はこの外嵌させた定着フィルム13
を内面から支え、フィルムガイド部材を兼ねる。
【0014】定着フィルム13は、熱容量を小さくして
クイックスタート性を向上するために、膜厚を100μ
m以下、より好ましくは40μm以下20μm以上の耐
熱性、離型性、耐久性を兼ねたPTFE、PFA、PP
Sの単層フィルムまたはポリイミド、ポリアミドイミ
ド、PEEK、PES等のフィルム表面にPTFE、P
FA、FEPを離型性層としてコーティングした複合層
フィルムで構成されている。
【0015】加圧ローラ20は、不図示の軸受部材に保
持させ、ヒータホルダー12の下面側に固定支持させた
ヒータ11の下向き加熱面に対して定着フィルム13を
挟ませて、不図示の加圧手段により長手方向両端部から
加熱定着に必要な加熱ニップ部Nを形成するべく加圧
(総圧4〜15kgf程度)されている。
【0016】加圧ローラ20は不図示の駆動系により矢
印の反時計方向に回転駆動される(加圧ローラ駆動
型)。この加圧ローラ20の回転駆動による該ローラ2
0の外面と定着フィルム13の外面との、加熱ニップ部
Nにおける圧接摩擦力で定着フィルム13に回転力が作
用して、該定着フィルム13はその内面が加熱ニップ部
Nにおいてヒータ11の下向き加熱面に密着して摺動し
ながら矢印の時計方向に加圧ローラ20の回転周速度に
ほぼ対応した周速度をもってヒータホルダー12の外回
りを従動回転状態になる。
【0017】この場合、ヒータホルダー12の外回りを
従動回転する円筒状の定着フィルム13はその周長の加
熱ニップ部Nとその近傍部の定着フィルム部分以外の定
着フィルム部分はテンションフリー(テンションが加わ
らない状態)の状態にある。また、定着フィルム13の
回転に伴なって生じる、ヒータホルダー12の長手に沿
う寄り移動はヒータホルダー12の端部側に設けたフラ
ンジ部材14の内側面に定着フィルム13の端部が受け
止められて規制される。
【0018】定着フィルム13はその内面側がヒータ1
1およびヒータホルダー12の外面の一部に摺擦しなが
ら回転するため、ヒータ11およびヒータホルダー12
と定着フィルム13の間の摩擦抵抗を小さく抑える必要
がある。このためヒータ11およびヒータホルダー12
の表面に耐熱性グリース等の潤滑剤を少量介在させるこ
とができる。これにより定着フィルム13はスムーズに
回転することが可能となる。
【0019】而して、加圧ローラ20が回転駆動され、
それに伴って円筒状の定着フィルム13がヒータホルダ
ー12の外回りを従動回転状態になり、ヒータ11に通
電がなされて該ヒータ11の発熱で定着ニップ部Nの温
度が所定に立ち上がって温調された状態において、加熱
ニップ部Nに、未定着トナー像tを形成担持させた記録
材Pが導入され、加熱ニップ部Nにおいて記録材Pの未
定着トナー像担持面側が定着フィルム13の外面に密着
して定着フィルム13と一緒に加熱ニップ部Nを挟持搬
送されていく。
【0020】この記録材Pの挟持搬送過程において、ヒ
ータ11の熱が定着フィルム13を介して記録材Pに付
与され、該記録材P上の未定着トナー像tが加熱加圧さ
れ定着されて行く。
【0021】記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると定
着フィルム13の外面から曲率分離して排紙部へ搬送さ
れる。
【0022】ヒータ11としてのセラミックヒータは、
本例のものは、図13の(a)の途中部分省略・一部切
欠きの平面模型図、(b)の拡大横断面模型図のよう
に、 .アルミナ(Al23 )等の電気絶縁性・耐熱性・
良熱伝導性の横長・薄肉のセラミック基板(絶縁基板、
以下、ヒータ基板と記す)11a、 .このヒータ基板11aの一面側に基板長手に沿って
細帯状パターンに、銀−パラジウム(Ag/Pd)、R
uO2 、Ta2 N等の通電発熱材料のペーストを印刷等
して形成具備させた抵抗発熱体11b、 .この抵抗発熱体11bの両端部側にそれぞれ導通さ
せて銀白金(Ag/Pt)等の導電材料のペーストを印
刷等して形成具備させた配線部と給電電極部11c・1
1d、11c・11d、 .抵抗発熱体11bの表面保護と絶縁性を確保するた
めに、該抵抗発熱体11b部分をオーバーコートさせた
表面保護層(絶縁材層)としてのガラスコート層11
e、 .ヒータ基板11aの他面側に取り付けた検温素子と
してのサーミスタ11f、 .ヒータ基板11aの端部寄に設けた貫通孔11g、 等からなる。
【0023】本例の加熱装置は、最大通紙幅をA4縦送
りとしてあり、ヒータ基板11aとして、長さAが27
0mm、厚さが650μm、幅が10mmのアルミナ基
板を用い、抵抗発熱体11bは有効発熱長さ(最大通紙
幅)Bを210+αmmに設定してある。αは例えば3
mm程度である。
【0024】また、上記ヒータ11のヒータ基板11a
の抵抗発熱体11bを設けた面側を被加熱材としての定
着フィルム13・記録材Pを加熱する加熱面側とし、そ
の裏面のサーミスタ11fを設けた面側を反加熱面側と
している。
【0025】図14は上記加熱装置の一端部側の縦断面
図を示しており、ヒータ11は加熱面側が加熱ニップ部
Nに対面するようにヒータホルダー12の溝部に加熱面
側を下向きに露呈させて嵌入して接着固定支持させてあ
る。ヒータホルダー12の両端部側にはそれぞれ定着フ
ィルム13の寄り移動を規制するフランジ部材14を嵌
着させてある。
【0026】15は給電用コネクタであり、ヒータホル
ダー12の両端部側にそれぞれ嵌着させてある。該給電
用コネクタ15をヒータホルダー12の両端部側にそれ
ぞれ所定に嵌着させることで、ヒータ11の両端部側の
給電電極部11dに対してそれぞれその側に嵌着の給電
用コネクタ15のばね板接点15aが圧接して電気的に
接続した状態になる。15bは給電用コネクタ15の電
源ケーブルであり、ばね板接点15aと電気的に接続さ
れている。
【0027】この時の装置長手方向の各構成要素の位置
関係は、ヒータ11の抵抗発熱体11bの端部を基準と
して、その外側に、まず、加圧ローラ20の弾性離型層
22の端部が位置し、更に外側に定着フィルム13の端
部、その外に定着フィルム13の偏りを規制するための
フランジ部材14が設けられ、このフランジ部材14の
外側で電源ケーブル15bにつながれた給電用コネクタ
15がばね板接点15aを介してヒータ基板下面端部に
引き回された給電電極部11dと接続されている。
【0028】上記ヒータ11の抵抗発熱体両端部側の給
電電極部11c・11c間に給電用コネクタ15を介し
て不図示の電源部から給電されることで抵抗発熱体11
bがその有効発熱長さ(最大通紙幅)Bにわたって発熱
し、この発熱でヒータ基板11aが全体的に迅速に加熱
昇温する。そしてこのヒータ基板11a即ちヒータ11
の温度が検温素子としてのサーミスタ11fで検知さ
れ、そのヒータ温度検知情報が不図示の制御部に入力
し、制御部はその入力情報に基づいてヒータ駆動手段を
制御して電源部からヒータ11の抵抗発熱体11bに対
する電力を制御し、ヒータ11の温度を所定に温調制御
する。
【0029】ヒータ基板11aの端部寄に設けた貫通孔
11gはヒータが熱暴走した場合の安全策として設けら
れたものである。即ち、基板温度が過剰な温度領域に達
すると、ヒータ基板11aの熱膨張によって貫通孔11
gのある部分と無い部分の境界部に発生する熱応力差も
大きくなり、基板端部と貫通孔の間の機械的強度の弱い
領域を中心として基板11aにクラックが入り、基板1
1a上に形成された抵抗発熱体11bも断線されてヒー
タ11の熱暴走が停止されるようになっている。
【0030】以上のようなフィルム加熱方式の加熱装置
は、加熱効率の高さや立上りの速さによる待機中の予備
加熱の不要化・待ち時間の解消などの多くの利点を有し
ており、特に円筒形フィルムを加圧ローラの搬送力で駆
動させる方式の装置は低コストに実現できるため、画像
加熱定着装置として画像形成装置の小型低速機への導入
から始まり、今後、大型高速機への導入が期待されるよ
うになっている。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フィルム加
熱方式のような加熱装置について、より高速化を実現す
るためには、加熱ニップ部Nを通過する時間の短くなっ
た被加熱材としての記録材Pに十分な熱エネルギーを供
給するため定着温度を更に高く設定する必要があり、そ
れに伴って、最大通紙幅Bよりも小サイズ記録材を通紙
使用する際、加熱ニップ部Nにおける通紙部と非通紙部
の温度差が拡大されて(非通紙部昇温)、非通紙部の過
剰昇温による周辺部材の耐熱性の改善、ヒータ基板にか
かる熱ストレスの増大に伴う基板強度の改善等の対策も
必要となってくる。
【0032】このため、第1の課題として、定着温度を
なるべく上げずに定着性を改善することが求められ、ヒ
ータ基板11aの抵抗発熱体11bから加熱ニップ部面
側への熱の移動をより素早くさせるか、あるいは加熱ニ
ップ部Nのヒータ基板全面がより均一に昇温するように
して実質的に加熱ニップ部幅を拡げることで、定着時の
熱の供給量を増やすような対策が必要となる。
【0033】第2の課題として、ヒータ基板11aの長
手方向の温度の均一性を高めることも重要である。これ
は前述のとおり、非通紙部昇温の増大に伴う非通紙部周
辺部材の耐熱性条件を緩めて使用可能な材料の範囲を拡
大したり、非通紙部昇温によるヒータ基板割れを防ぐ必
要があるためである。
【0034】第1の課題を満たす方法として、ヒータ1
1のサイズを小型化する方法が考えられる。ヒータ11
のサイズが小さくなれば、ヒータ全体の熱容量を減らす
とともに加熱に関係しない他の部材との接触面積を減ら
すこともできるため、同一電力の投入でもヒータ11の
昇温が速くなり、余分なヒートリークを抑制して効率の
高いヒータを得ることができる。
【0035】しかしながら、ヒータ11の短手方向のヒ
ータ基板幅を狭くすると加熱に必要なニップ部幅も狭く
なりやすいため、現状のヒータ基板幅(6〜12mm)
以下に狭くすることは難しい。
【0036】一方、ヒータ基板11aの長手方向にはま
だ余分なスペースが残されている。即ち前述した図14
の装置長手方向の各構成要素の位置関係からわかるよう
に、ヒータ11の給電電極部11dと給電用コネクタ1
5を接続するためのスぺースを確保する必要があるた
め、実際に加熱に寄与する抵抗発熱体11bの有効発熱
長さ(最大通紙幅)Bに対して、ヒータ基板11aの端
部はこの抵抗発熱体11bの端部から距離Lだけ離れた
位置まで余分に延長されている。
【0037】この距離L分のヒータ基板の面積はヒータ
左右両端側部分併せてヒーター基板全体の約20%を占
めており、したがってヒータ11全体の熱容量も約20
%余分に付与され、更にこの部分のヒータ基板面とヒー
タホルダー12面との間は直接接触しているため、その
分のヒートリークも大きくなっていたが、給電用コネク
タ15の接続という構成の制約により、これ以上ヒータ
基板11aの長さAを縮めてヒータ11の熱容量やヒー
トリークを抑えることは困難であった。
【0038】一方、以上の課題を同時に満たす手段とし
て、ヒータ11の抵抗発熱体11bと加熱ニップ部面と
の間に絶縁性を有しつつ可能な限り熱伝導性の高い部材
を介在させ、ヒータの厚み方向及び横方向の熱の移動度
を高めてやることが有効であり、近年、ヒータ基板11
aとして従来ヒータに用いられていたアルミナ基板より
優れた熱伝導性を有する窒化アルミニウム(以下、Al
Nと略する)基板が開発されている。
【0039】このAlN基板は、従来のアルミナ基板に
比べて主に表1に示すような特性上の利点がある。
【0040】
【表1】 表1からわかるように、アルミナに比べてAlNでは熱
伝導率が11倍程高いため、同じ投入エネルギーでより
速いヒータ基板の昇温や温度分布の均一化が可能であ
り、耐熱衝撃性も約2倍あるため、、抵抗発熱体11b
をより細くして高温で使用しても急加熱によるヒータ基
板破損を生じ難くなるという多くの利点が得られる。
【0041】特に、AlN基板がガラスコート層よりも
高い熱伝導性を有することに着目し、図15の(a)の
加熱面側の途中部分省略の平面模型図、(b)の途中部
分省略・一部切欠きの平面模型図、(C)の拡大横断面
模型図に示すように、ヒータ基板11aとしてAlN基
板を用い、その一方面側に前述図13・図14のアルミ
ナヒータ11と同様に、抵抗発熱体11b、その両端部
側の配線部と電極部11c・11d、11c・11d、
表面保護層としてのガラスコート層11e等を設ける。
検温素子は図には省略したが、ヒータ基板11aのこの
一方面側に配設してある。またヒータ基板11aの他方
面側の両端部側にそれぞれ給電電極としての裏面電極部
11i・11iを設け、それぞれ上記一方面側の電極部
11d・11dとスルーホール11h・11hを介して
導通させる。
【0042】そして、上記ヒータ11の裏面電極部11
i・11iを設けたヒータ基板面側を加熱面側とし、抵
抗発熱体11b、配線部と電極部11c・11d、11
c・11d、表面保護層としてのガラスコート層11e
等を設けたヒータ基板面側を反加熱面側とし、該ヒータ
11をその加熱面側が加熱ニップ部Nに対面するように
ヒータホルダー12の溝部に加熱面側を下向きに露呈さ
せて嵌入して接着固定支持させてある。このヒータ11
を裏面加熱型AlNヒータと称する。
【0043】この裏面加熱型AlNヒータ11を用いる
ことで、アルミナ基板のヒータより素早く立上るうえ、
熱伝導性が高いためにヒータ基板全体で均一に幅広く加
熱することが可能となり、高速化しても高い定着性を維
持できるようになる。また、長手方向の温度分布も均一
化され易くなるため、小サイズ紙を連続通紙した場合に
問題となる非通紙部の過剰昇温も緩和する作用がある。
【0044】しかしながら、以上のように多くの利点を
有する裏面加熱型AlNヒータ11を用いても、図16
のように、電源側の給電用コネクタ15との接続のため
に電極部11dにスルーホール11hを設けて給電電極
としての裏面電極部11iを介してヒータ基板端部下面
で給電用コネクタ15と接続するような、前記図14の
アルミナ基板のヒータと同様の接続方法のままでは、加
熱に寄与しない余分な基板部分Lの熱容量の分だけ投入
される熱量が余分に消費されることは変わりなく、むし
ろヒータ基板11aの熱伝導性が高い分だけこの部分L
への熱の移動が速くなり、その分、抵抗発熱体端部の熱
が奪われて抵抗発熱体端部周辺の温度がヒータ中央部よ
り低下し、さらにこのヒータ基板端部と接するヒータホ
ルダー12への熱の移動も高くなるため、アルミナ基板
のヒータよりもヒートリーク量が増大するという悪影響
が助長され、結果として逆に画像左右端部の定着性が劣
化しやすくなるという悪影響が生じてしまう。
【0045】そこで本発明の目的は、この種のヒータ
(セラミックヒータ)の抵抗発熱体端部から給電電極部
までのヒータ基板部分による加熱に寄与しない余分な熱
容量の付与やこの部分からのヒータホルダー側への余分
なヒートリークによってヒータの加熱効率が抑制され、
これがオンデマンド加熱装置の更なる高速化を実現する
上でネックとなっている点を解消して、熱容量及びヒー
トリーク量の少ないヒータ、該ヒータを用いた高速オン
デマンドな加熱装置、及び該加熱装置を像加熱装置とし
て用いた画像形成装置を実現することにある。
【0046】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とするヒータ、該ヒータを具備した加熱装置、及び該
加熱装置を像加熱装置として用いた画像形成装置であ
る。。
【0047】(1)絶縁基板と、この絶縁基板上に設け
られた、通電により発熱する抵抗発熱体と、この抵抗発
熱体に通電するための給電電極と、を有するヒータにお
いて、前記絶縁基板の被加熱材を加熱する側の面を加熱
面とし、その裏面を反加熱面としたとき、前記給電電極
は前記絶縁基板の反加熱面側に設けられ、前記絶縁基板
の長手方向長さは、前記抵抗発熱体の長手方向長さに少
なくとも前記給電電極の形成に必要な幅を加えた長さよ
り長くないことを特徴とするヒータ。
【0048】(2)前記(1)のヒータにおいて、前記
抵抗発熱体は前記絶縁基板の前記加熱面側に設けられ、
前記給電電極はスルーホールを介し、前記抵抗発熱体の
端部から前記絶縁基板の前記反加熱面側に接続されてい
ることを特徴とするヒータ。
【0049】(3)前記(2)のヒータにおいて、前記
絶縁基板がアルミナ基板であることを特徴とするヒー
タ。
【0050】(4)前記(1)のヒータにおいて、前記
抵抗発熱体は前記絶縁基板の前記反加熱面側に設けら
れ、前記給電電極は前記抵抗発熱体の端部に隣接して設
けられていることを特徴とするヒータ。
【0051】(5)前記(1)のヒータにおいて、前記
抵抗発熱体は前記絶縁基板の前記反加熱面側に設けら
れ、前記給電電極は、前記抵抗発熱体の端部上に設けた
絶縁材層上に設けられ、前記絶縁材層に設けたスルーホ
ールを介して前記抵抗発熱体の端部と導通していること
を特徴とするヒータ。
【0052】(6)前記(1)のヒータにおいて、前記
抵抗発熱体は前記絶縁基板の前記反加熱面側に設けら
れ、前記給電電極は、前記抵抗発熱体の端部の上の絶縁
材層に設けたスルーホールを介して該絶縁材層の表面に
設けられた配線部を引き回してヒータ中央部に設けられ
ていることを特徴とするヒータ。
【0053】(7)前記(4)ないし(6)の何れか1
つのヒータにおいて、前記絶縁基板が窒化アルミニウム
基板であることを特徴とするヒータ。
【0054】(8)前記(5)または(6)のヒータに
おいて、前記絶縁材層がガラスコート層であることを特
徴とするヒータ。
【0055】(9)前記(1)ないし(8)の何れか1
つのヒータにおいて、前記絶縁基板に設けた前記抵抗発
熱体の表面保護層を有していることを特徴とするヒー
タ。
【0056】(10)前記(9)のヒータにおいて、前
記表面保護層がガラスコート層であることを特徴とする
ヒータ。
【0057】(11)前記(1)ないし(8)の何れか
1つのヒータにおいて、前記絶縁基板の前記加熱面側に
当接させた加熱板を有し、前記絶縁基板の長さを前記加
熱板の長さより短くしたことを特徴とするヒータ。
【0058】(12)前記(1)ないし(11)の何れ
か1つのヒータを備えることを特徴とする加熱装置。
【0059】(13)保持部材に保持させた加熱体と、
一方の面が前記加熱体と摺動し他方の面が被加熱材と接
して共に移動する伝熱部材と、を有し、前記伝熱部材を
介した前記加熱体からの熱により被加熱材を加熱する加
熱装置であり、前記加熱体が前記(1)ないし(11)
の何れか1つのヒータであることを特徴とする加熱装
置。
【0060】(14)前記(13)の加熱装置におい
て、前記伝熱部材を挟んで前記加熱体に圧接して加熱ニ
ップ部を形成する加圧部材を有し、前記加熱ニップ部の
前記伝熱部材と前記加圧部材との間で被加熱材を挟持搬
送して被加熱材を加熱することを特徴とする加熱装置。
【0061】(15)前記(13)または(14)の加
熱装置において、前記伝熱部材が回転体であることを特
徴とする加熱装置。
【0062】(16)前記(13)ないし(15)の何
れか1つの加熱装置において、前記伝熱部材がフィルム
材であることを特徴とする加熱装置。
【0063】(17)前記(15)の加熱装置におい
て、前記加圧部材が回転体であることを特徴とする加熱
装置。
【0064】(18)前記(13)ないし(17)の何
れか1つの加熱装置において、前記被加熱材が加熱処理
すべき画像を担持した記録材であることを特徴とする加
熱装置。
【0065】(19)前記(12)ないし(18)の何
れか1つの加熱装置を加熱処理すべき画像を担持した記
録材を加熱する像加熱装置として具備することを特徴と
する画像形成装置。
【0066】〈作 用〉即ち本発明によれば、ヒータ基
板(絶縁基板)の長手方向長さを、抵抗発熱体の長手方
向長さに少なくとも該抵抗発熱体に対する給電電極の形
成に必要な幅を加えた長さより長くないように構成する
ので、抵抗発熱体端部から給電電極部までのヒータ基板
部分の面積を大幅に減少して、この部分による加熱に寄
与しない余分な熱容量の付与やこの部分からのヒーター
ホルダー側への余分なヒートリークによってヒータの加
熱効率が抑制される割合が大幅に改善され、ヒータの加
熱効率を高めることができ、加熱装置の高速化、そして
例えば画像加熱定着装置として画像形成装置の大型高速
機への導入を実現できる。また加熱装置の高速化のため
に高価なヒータ基板材料を用いる場合にも該材料の使用
量を低く抑えられるようになるのでコストダウンに寄与
できる。
【0067】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に基づいて説明する。
【0068】〈実施例1〉(図1〜図4) 図1は本発明に従う画像形成装置の一例の概略構成図で
ある。本実施例の画像形成装置は転写式電子写真プロセ
ス利用のレーザビームプリンターである。
【0069】31は像担持体としての回転ドラム型の電
子写真感光体(以下、感光体ドラムと記す)であり、矢
印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をも
って回転駆動される。
【0070】感光体ドラム31はその回転過程におい
て、まず、帯電装置としての帯電ローラ32によって所
定の極性・電位に一様に帯電される。
【0071】次に、露光装置としてのレーザ光学系(レ
ーザスキャナ)33による、目的の画像情報パターンに
対応したレーザビーム走査露光34を受ける。これによ
り感光体ドラム31面に目的の画像情報パターンに対応
した静電潜像が形成される。
【0072】感光体ドラム31面に形成された静電潜像
は現像装置35でトナー現像されて可視化される。現像
方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法等が
用いられ、イメージ露光と反転現像との組み合わせで用
いられることが多い。
【0073】感光体ドラム31面に形成されたトナー像
は、感光体ドラム31と転写ローラ36とで形成される
転写ニップ部Tにおいて、給紙部から該転写ニップ部T
に所定の制御タイミングにて給送された記録材(転写
材)Pに対して順次に転写される。感光体ドラム31上
のトナー像は転写ローラ36にトナーの帯電極性とは逆
の極性の電圧が印加されることで記録材P上に順次に転
写される。
【0074】本実施例の画像形成装置において給紙部は
カセット給紙部であり、給紙カセット37内に積載収納
させた記録材Pが給紙ローラ38と不図示の1枚分離部
材とによって1枚分離給送され、搬送ローラ対39、ト
ップセンサー40を含むシートパス41を通って転写ニ
ップ部Tに所定の制御タイミングにて給送される。
【0075】カセット給紙部37からシートパス41を
通って転写ニップ部Tに給送される記録材Pはシートパ
ス41の途中に設けたトップセンサー40で記録材Pの
先端が認識され、これに同期して感光体ドラム31上に
画像が形成される。
【0076】転写ニップ部Tにてトナー像の転写を受け
た記録材Pは感光体ドラム31面から順次に分離されて
ガイド42を通って加熱装置(画像加熱定着装置)43
へ搬送され、該加熱装置43でトナー像の定着処理を受
ける。
【0077】加熱装置43をでた画像定着済みの記録材
Pは搬送ローラ対44を含むシートパス45を通って排
出ローラ対46で排紙トレイ部47に排出される。
【0078】一方、記録材Pに対するトナー像転写後
(紙分離後)に感光体ドラム31上に残留する転写残留
トナーや紙粉等の汚染付着物はクリーナー48により感
光体ドラム31表面より除去され、清掃された感光体ド
ラム31表面は繰り返して作像に供される。
【0079】図2は本実施例における画像加熱定着装置
としての加熱装置43の拡大横断面模型図である。
【0080】本実施例の加熱装置43は、前述図12〜
14の加熱装置と同様に、アルミナヒータを用い、円筒
状の定着フィルムを用いたフィルム加熱方式・加圧ロー
ラ駆動式・テンションレスタイプ、最大通紙幅A4縦送
りの加熱装置である。
【0081】図3は本実施例におけるヒータ11の構成
を示すもので、(a)は該ヒータの加熱面側の途中部分
省略・一部切欠きの平面模型図、(b)は反加熱面側の
途中部分省略の平面模型図、(c)は拡大横断面模型図
である。
【0082】前述図12〜14の加熱装置・ヒータと共
通する構成部材・部分には同一の符号を付して構成・動
作等の再度の説明を省略する。
【0083】本実施例のヒータ11は短縮型アルミナヒ
ータであり、ヒータ基板11aは、長さA′が226m
m、厚さが650μm、幅が10mmのアルミナ基板で
ある。即ち本実施例におけるヒータ基板11aの長さ
A′は、前述図12〜14の加熱装置のヒータ11のヒ
ータ基板11aの長さA=270mm(図3の2点鎖線
の位置)から左右両端部を22mmずつ短くしたもので
ある。
【0084】該ヒータ基板11aの一方面側に基板長手
に沿って抵抗発熱体11bを形成具備させてある。該抵
抗発熱体11bの有効発熱長さ(最大通紙幅)Bは21
0+αmmに設定してある。この抵抗発熱体11bの両
端部の横にそれぞれ抵抗発熱体11bと導通させて端部
電極部11j・11jを設けてある。上記抵抗発熱体1
1bは端部電極部11j・11jも含めて、表面保護層
としてのガラスコート層11eで被覆してある。
【0085】また、ヒータ基板11aの他方面側の両端
部側にそれぞれ給電電極部としての裏面電極部11d・
11dを設け、それぞれ上記一方面側の端部電極部11
j・11jとスルーホール11h・11hを介して導通
させてある。
【0086】そして、上記ヒータ11のヒータ基板11
aの抵抗発熱体11bを設けた面側を被加熱材としての
定着フィルム13・記録材Pを加熱する加熱面とし、そ
の裏面の給電電極部としての裏面電極部11d・11
d、サーミスタ11fを設けた面側を反加熱面としてい
る。
【0087】図4は上記加熱装置の一端部側の縦断面図
を示しており、ヒータ11は加熱面側が加熱ニップ部N
に対面するようにヒータホルダー12の溝部に加熱面側
を下向きに露呈させて嵌入して接着固定支持させてあ
る。そしてヒータ11の反加熱面側(ヒータ裏面側)の
給電電極部としての裏面電極部11d・11dにそれぞ
れ給電用コネクタ15を接続させている。
【0088】上記のように本実施例は、ヒータ基板11
aとしてのアルミナ基板の長さA′を従来ヒータのA=
270mmから左右両端部を22mmずつ短くし、抵抗
発熱体11bの端部の横に端部電極部11j・11jを
形成した短縮型アルミナヒータ11を用い、その端部電
極部11j・11jに設けたスルーホール11h・11
hを介して給電電極部としての裏面電極部11d・11
dを基板裏端部に設けることで、給電用コネクタ15と
のコンタクトスペースをこのサイズの基板上に確保して
いる。
【0089】本構成を用いることで、ヒータ基板11a
の端部と抵抗発熱体11bの端部の距離は従来の約1/
3以下のL′まで減少され、これにより加熱に寄与しな
いヒータ基板の熱容量も基板端部のヒートリークも同時
に減少でき、ヒータの立ち上がり特性及び加熱効率が向
上され、従来の毎分16枚のプリント速度に対し、毎分
20枚まで高速化することが可能となった。
【0090】〈実施例2〉(図5・図6) 図5は本実施例におけるヒータ11の構成を示すもの
で、(a)は該ヒータの加熱面側の途中部分省略の平面
模型図、(b)は反加熱面側の途中部分省略・一部切欠
きの平面模型図である。
【0091】前述図15・図16の加熱装置・ヒータと
共通する構成部材・部分には同一の符号を付して構成・
動作等の再度の説明を省略する。
【0092】本実施例のヒータ11は短縮型・裏面加熱
型AlNヒータであり、ヒータ基板11aは、長さA′
が226mm、厚さが650μm、幅が10mmのAl
N基板である。即ち本実施例におけるヒータ基板11a
の長さA′は、前述図15・図16の加熱装置のヒータ
11のヒータ基板11aの長さA=270mm(図5の
2点鎖線の位置)から左右両端部を22mmずつ短くし
たものである。
【0093】該ヒータ基板11aの一方面側に基板長手
に沿って抵抗発熱体11bを形成具備させてある。該抵
抗発熱体11bの有効発熱長さ(最大通紙幅)Bは21
0+αmmに設定してある。この抵抗発熱体11bの両
端部の横にそれぞれ抵抗発熱体11bと導通させて給電
電極部11d・11dを設けてある。また上記抵抗発熱
体11bは表面保護層としてのガラスコート層11eで
被覆してある。
【0094】そして、上記ヒータ11の抵抗発熱体11
b等を設けたヒータ基板面側とは反対側面を加熱面側と
し、抵抗発熱体11b等を設けたヒータ基板面側を反加
熱面側とし、該ヒータ11を図6のようにその加熱面側
が加熱ニップ部Nに対面するようにヒータホルダー12
の溝部に加熱面側を下向きに露呈させて嵌入して接着固
定支持させて、該ヒータ11の反加熱面側の給電電極部
11d・11dにそれぞれ給電用コネクタ15を接続さ
せている。
【0095】このように本実施例においては、短縮型A
lNヒータ11を用い、そのヒータ基板(AlN基板)
11aの熱伝導性がガラス(ガラスコート層11e)よ
りも高いことを利用するため、抵抗発熱体形成面をヒー
タホルダー12側に固定し、ヒータ基板裏面を加熱面と
して用いている。このため、本実施例では実施例1のよ
うにスルーホールを設けることなく給電電極部11d・
11dをそのままコネクタ15と接続でき、ヒータ製造
の工程を簡略化できる上、コンタクトスペースをこのサ
イズの基板上に確保している。
【0096】本構成を用いることで、ヒータ基板端部と
抵抗発熱体端部の距離は実施例1と同程度まで減少さ
れ、これにより加熱に寄与しないヒータ基板の熱容量も
基板端部のヒートリークも同時に減少でき、特に横方向
にも熱伝導性の高いAlNヒータで生じ易かった基板端
部からのヒートリーク量が大幅に抑えられ、ヒータの立
ち上がり特性及び加熱効率が向上され、従来の毎分16
枚のプリンタ速度に対し、毎分24枚まで高速化するこ
とが可能となった。
【0097】また、同時に基板材料の使用量も約20%
減らすことができるので、材料単価の高いAlNを用い
た場合のコスト削減にも寄与できる。
【0098】〈実施例3〉(図7・図8) 図7は本実施例におけるヒータ11の構成を示すもの
で、(a)は該ヒータの加熱面側の途中部分省略の平面
模型図、(b)は反加熱面側の途中部分省略・一部切欠
きの平面模型図、(c)は途中部分省略の縦断側面模型
図である。
【0099】本実施例のヒータ11も前記実施例2と同
じく短縮型・裏面加熱型AlNヒータであり、ヒータ基
板11aは、長さA′が220mm、厚さが650μ
m、幅が10mmのAlN基板である。即ち本実施例に
おけるヒータ基板11aの長さA′は、前述図15・図
16の加熱装置のヒータ11のヒータ基板11aの長さ
A=270mm(図7の2点鎖線の位置)から左右両端
部を25mmずつ短くしたものである。
【0100】該ヒータ基板11aの一方面側に基板長手
に沿って抵抗発熱体11bを形成具備させてある。該抵
抗発熱体11bの有効発熱長さ(最大通紙幅)Bは21
0+αmmに設定してある。この抵抗発熱体11bは表
面保護層(抵抗材層)としてのガラスコート層11eで
被覆してある。また、そのガラスコート層11eの長手
両端部上に給電電極部11d・11dを形成具備させ、
この給電電極部11d・11dをそれぞれガラスコート
層11eに設けたスルーホール11h・11hを介して
抵抗発熱体11bの端部と導通させてある。
【0101】そして、上記ヒータ11の抵抗発熱体11
b等を設けたヒータ基板面側とは反対側面を加熱面側と
し、抵抗発熱体11b等を設けたヒータ基板面側を反加
熱面側とし、該ヒータ11を図8のようにその加熱面側
が加熱ニップ部Nに対面するようにヒータホルダー12
の溝部に加熱面側を下向きに露呈させて嵌入して接着固
定支持させて、該ヒータ11の反加熱面側の給電電極部
11d・11dにそれぞれ給電用コネクタ15を接続さ
せている。
【0102】本構成を用いることで、ヒータ基板11a
の端部と抵抗発熱体11bの端部の距離は実施例1及び
実施例2のヒータよりも更に短縮でき、ヒータ11の長
さ寸法(ヒータ基板11aの長さA′)を抵抗発熱体1
1bの有効発熱長さ(最大通紙幅)Bと同程度の長さに
収めることが可能となるので、更に熱容量とヒートリー
クの抑制が向上できる。
【0103】特にヒートリークに対しては給電用コネク
タ15と接続する給電電極部11dと抵抗発熱体11b
との間に熱抵抗の大きなガラス層11eを設けることに
なるため、抵抗発熱体11bで生じた熱がガラスよりも
約100倍高い熱伝導性を有するAlN基板11a側に
移動し、給電用コネクタ15側にリークし難くなるため
ヒータ端部の断熱性を高め、より加熱効率の高い構成が
実現でき、ヒータの立ち上がり特性及び加熱効率が向上
され、従来の毎分16枚のプリント速度に対し、毎分2
4枚以上に高速化することが可能となった。
【0104】また、同時にヒータ基板材料の使用量も更
に減らすことができるので、材料単価の高いAlNを用
いた場合のコスト削減にも大きく寄与できる。
【0105】〈実施例4〉(図9) 図9は本実施例におけるヒータ11の途中部分省略の縦
断側面模型図である。本実施例のヒータ11も前記実施
例3と同じく短縮型・裏面加熱型AlNヒータである
が、本実施例のヒータ11の場合は、ガラスコート層1
1eの長手両端部にそれぞれ抵抗発熱体11bの両端部
と導通させて設けたスルーホール11h・11hからそ
れぞれガラスコート層11e上に配線と電極を兼ねるガ
ラスコート上導電パターン11kを引き回して、ヒータ
中央部のガラスコート上に左右の電極をまとめて設け、
その電極と2接点型の給電用コネクタ15と接続したも
のである(中央接点型AlNヒータ)。
【0106】また配線と電極を兼ねるガラスコート上導
電パターン11kの途中にヒータの熱暴走対策としての
温度ヒューズ等の安全装置11mをヒータに直接加圧当
接するとともに電気的に給電回路に直列に接続するた
め、ガラスコート上導電パターン11kを加工して安全
装置11mとの接点を設けている。
【0107】本構成を用いることで、ヒータ基板11a
の電極をヒータの中央部に設けることができ、端部に電
極を設けてコネクタと接続する場合よりも、抵抗発熱体
が電極の両側に存在するため、コネクタに奪われる熱の
補給がよりすばやく行われるようになり、結果として更
にヒートリークに強いヒータを実現でき、より高速で定
着しても画像の左右端部の定着性が劣化しやすくなる傾
向を改善することができるとともに、実施例3と同様
の、ヒータ基板材料費のコスト削減を可能とするととも
にコネクタや安全装置の組み立て性が簡略化され、製造
効率も向上できるのでさらなるコストダウンに寄与でき
る。
【0108】〈実施例5〉(図10・図11) 図10と図11は本実施例の要部の横断面模型図と縦断
面模型図である。
【0109】本実施例におけるヒータ11はヒータの加
熱面側に当接させた加熱板11nを有し、ヒータ基板1
1aの長さを加熱板11nの長さより短くしたものであ
る。
【0110】本実施例においてヒータ自体は前記実施例
4の短縮型・裏面加熱型・中央接点型AlNヒータであ
り、このヒータのヒータ基板の加熱面に厚さ300μm
で幅と長さが従来ヒータとほぼ同一サイズのアルミニウ
ム製加熱板11nを接触熱抵抗を最小限に抑えるように
高熱伝導性接着剤を薄く界面に塗布して隙間を無くして
当接固定しており、加熱板11n自体はヒータホルダー
12の側壁に設けた溝部に差し込むようにして保持され
ている。この時、ヒータのAlN基板11aは幅を半減
し、長さも全体に6mm短くして図11のように従来基
板端部の位置に加熱板端部を設定し、基板端部をこの加
熱板端部から3mmヒータ中央側に寄せている。
【0111】本構成を用いることで加熱板11nの熱容
量が増えた分以上にAlN基板11aの体積減少が大き
くなり、ヒータ全体の熱容量としては減少するので、こ
れにより定着性能を向上させつつAlN基板11aの材
料使用量を半分以下に抑えることが可能となり、大幅な
コストダウンを実現できる。
【0112】また、同時に本構成を用いることで、ヒー
タ基板の反加熱面側に給電用コネクタを加圧当接する際
の基板保持性がより確実になるので、装置の信頼性を向
上することにも貢献できる。
【0113】〈その他〉 1)加圧部材20はローラ体に限らず、回動ベルト体な
どの回転体にすることができる。
【0114】2)フィルム加熱方式の加熱装置の場合に
おいて、フィルム13の駆動方式として、エンドレスベ
ルト状あるいは円筒状のフィルムを用い、該フィルムの
内周面側に駆動ローラを配設し、この駆動ローラを含む
複数本の部材間にフィルムをテンションを加えて懸回張
設して駆動ローラによりフィルムを回転駆動する駆動方
式のものであってもよく、このようにフィルムをテンシ
ョンを加えて駆動する方式はフィルムの搬送性を高くで
きる利点を有する。実施例のようなテンションレスの駆
動方式は構成を簡略化して低コストの加熱装置を実現で
きる利点がある。
【0115】また、ロール巻きの長尺ウエブ状の有端フ
ィルムを用い、これを繰り出し側から巻き取り側に巻き
戻しながら走行させる方式の装置とすることもできる。
【0116】3)本発明において加熱装置には、実施例
の加熱定着装置に限られず、画像を担持した記録材を加
熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着す
る像加熱装置、その他被加熱材の加熱乾燥装置、加熱ラ
ミネート装置など、広く被加熱材を加熱処理する装置が
含まれる。
【0117】4)画像形成装置において記録材に対する
未定着像の形成原理・プロセスは任意である。
【0118】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ヒータの
抵抗発熱体端部から給電電極部までのヒータ基板部分の
面積を大幅に減少して、この部分による加熱に寄与しな
い余分な熱容量の付与やこの部分からのヒータホルダー
側への余分なヒートリークによってヒータの加熱効率が
抑制される割合が大幅に改善されて、ヒータの加熱効率
を高めることができ、加熱装置の高速化を実現できる。
【0119】また、加熱装置の高速化のために高価なヒ
ータ基板材料を用いる場合にも材料使用量を低く抑えら
れるのでコストダウンに寄与でき、より立ち上がりが速
く、小型で、加熱効率の高いヒータが得られ、これを用
いてより高速により安価により小型のオンデマンドな加
熱装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における画像形成装置の概略構成図
【図2】 画像加熱定着装置としての加熱装置の拡大横
断面模型図
【図3】 (a)はヒータの加熱面側の途中部分省略・
一部切欠きの平面模型図、(b)は反加熱面側の途中部
分省略の平面模型図、(c)は拡大横断面模型図
【図4】 加熱装置の一端部側の縦断面図
【図5】 (a)は実施例2におけるヒータの加熱面側
の途中部分省略の平面模型図、(b)は反加熱面側の途
中部分省略・一部切欠きの平面模型図
【図6】 加熱装置の一端部側の縦断面図
【図7】 (a)は実施例3におけるヒータの加熱面側
の途中部分省略の平面模型図、(b)は反加熱面側の途
中部分省略・一部切欠きの平面模型図、(c)は途中部
分省略の縦断側面模型図
【図8】 加熱装置の一端部側の縦断面図
【図9】 実施例4におけるヒータの途中部分省略の縦
断側面模型図
【図10】 実施例5の装置の要部の横断面模型図と縦
断面模型図
【図11】 同じく縦断面模型図
【図12】 フィルム加熱方式の加熱装置の一例の横断
面模型図
【図13】 (a)はヒータ(アルミナヒータ)途中部
分省略・一部切欠きの平面模型図、(b)は拡大横断面
模型図
【図14】 加熱装置の一端部側の縦断面図
【図15】 (a)はヒータ(裏面加熱型AlNヒー
タ)の加熱面側の途中部分省略・一部切欠きの平面模型
図、(b)は反加熱面側の途中部分省略の平面模型図、
(c)は拡大横断面模型図
【図16】 加熱装置の一端部側の縦断面図
【符号の説明】
10 加熱部材 20 加圧部材(弾性加圧ローラ) 11 ヒータ(セラミックヒータ) 12 ヒータホルダー 13 定着フィルム 14 フランジ部材 15 給電用コネクタ 11a ヒータ基板(絶縁基板) 11b 抵抗発熱体 11d 電極部 11e 抵抗発熱体表面保護層(ガラスコート層) 11f 温度検出素子 11h スルーホール 11n 加熱板

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板と、この絶縁基板上に設けられ
    た、通電により発熱する抵抗発熱体と、この抵抗発熱体
    に通電するための給電電極と、を有するヒータにおい
    て、 前記絶縁基板の被加熱材を加熱する側の面を加熱面と
    し、その裏面を反加熱面としたとき、前記給電電極は前
    記絶縁基板の反加熱面側に設けられ、前記絶縁基板の長
    手方向長さは、前記抵抗発熱体の長手方向長さに少なく
    とも前記給電電極の形成に必要な幅を加えた長さより長
    くないことを特徴とするヒータ。
  2. 【請求項2】 請求項1のヒータにおいて、前記抵抗発
    熱体は前記絶縁基板の前記加熱面側に設けられ、前記給
    電電極はスルーホールを介し、前記抵抗発熱体の端部か
    ら前記絶縁基板の前記反加熱面側に接続されていること
    を特徴とするヒータ。
  3. 【請求項3】 請求項2のヒータにおいて、前記絶縁基
    板がアルミナ基板であることを特徴とするヒータ。
  4. 【請求項4】 請求項1のヒータにおいて、前記抵抗発
    熱体は前記絶縁基板の前記反加熱面側に設けられ、前記
    給電電極は前記抵抗発熱体の端部に隣接して設けられて
    いることを特徴とするヒータ。
  5. 【請求項5】 請求項1のヒータにおいて、前記抵抗発
    熱体は前記絶縁基板の前記反加熱面側に設けられ、前記
    給電電極は、前記抵抗発熱体の端部上に設けた絶縁材層
    上に設けられ、前記絶縁材層に設けたスルーホールを介
    して前記抵抗発熱体の端部と導通していることを特徴と
    するヒータ。
  6. 【請求項6】 請求項1のヒータにおいて、前記抵抗発
    熱体は前記絶縁基板の前記反加熱面側に設けられ、前記
    給電電極は、前記抵抗発熱体の端部の上の絶縁材層に設
    けたスルーホールを介して該絶縁材層の表面に設けられ
    た配線部を引き回してヒータ中央部に設けられているこ
    とを特徴とするヒータ。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし6の何れか1つのヒータ
    において、前記絶縁基板が窒化アルミニウム基板である
    ことを特徴とするヒータ。
  8. 【請求項8】 請求項5または6のヒータにおいて、前
    記絶縁材層がガラスコート層であることを特徴とするヒ
    ータ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8の何れか1つのヒータ
    において、前記絶縁基板に設けた前記抵抗発熱体の表面
    保護層を有していることを特徴とするヒータ。
  10. 【請求項10】 請求項9のヒータにおいて、前記表面
    保護層がガラスコート層であることを特徴とするヒー
    タ。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし8の何れか1つのヒー
    タにおいて、前記絶縁基板の前記加熱面側に当接させた
    加熱板を有し、前記絶縁基板の長さを前記加熱板の長さ
    より短くしたことを特徴とするヒータ。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11の何れか1つのヒ
    ータを備えることを特徴とする加熱装置。
  13. 【請求項13】 保持部材に保持させた加熱体と、一方
    の面が前記加熱体と摺動し他方の面が被加熱材と接して
    共に移動する伝熱部材と、を有し、前記伝熱部材を介し
    た前記加熱体からの熱により被加熱材を加熱する加熱装
    置であり、前記加熱体が請求項1ないし11の何れか1
    つのヒータであることを特徴とする加熱装置。
  14. 【請求項14】 請求項13の加熱装置において、前記
    伝熱部材を挟んで前記加熱体に圧接して加熱ニップ部を
    形成する加圧部材を有し、前記加熱ニップ部の前記伝熱
    部材と前記加圧部材との間で被加熱材を挟持搬送して被
    加熱材を加熱することを特徴とする加熱装置。
  15. 【請求項15】 請求項13または14の加熱装置にお
    いて、前記伝熱部材が回転体であることを特徴とする加
    熱装置。
  16. 【請求項16】 請求項13ないし15の何れか1つの
    加熱装置において、前記伝熱部材がフィルム材であるこ
    とを特徴とする加熱装置。
  17. 【請求項17】 請求項15の加熱装置において、前記
    加圧部材が回転体であることを特徴とする加熱装置。
  18. 【請求項18】 請求項13ないし17の何れか1つの
    加熱装置において、前記被加熱材が加熱処理すべき画像
    を担持した記録材であることを特徴とする加熱装置。
  19. 【請求項19】 請求項12ないし18の何れか1つの
    加熱装置を加熱処理すべき画像を担持した記録材を加熱
    する像加熱装置として具備することを特徴とする画像形
    成装置。
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JP2015069104A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 ブラザー工業株式会社 定着装置

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