JP2014228684A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】非通紙部昇温を対策しつつ、ピンチ効果の発生を抑え、PTC抵抗体の材料特性に制限を受けることなく所望のヒーターの抵抗値を有する定着装置を提供する。
【解決手段】回転体650と、前記回転体650と接触して、記録材を挟持搬送しつつ加熱するニップ部Nを形成する加圧体70と、前記回転体650を加熱する加熱部600と、を有し、前記加熱部600は、夫々が記録材搬送方向と交差する長手方向に伸びた、抵抗発熱体622、キュリー点で抵抗変化率を変えるPTC素子620、給電部621を備え、前記抵抗発熱体622と前記PTC素子620を記録材搬送方向に電気的に直列接続する。
【選択図】図1
【解決手段】回転体650と、前記回転体650と接触して、記録材を挟持搬送しつつ加熱するニップ部Nを形成する加圧体70と、前記回転体650を加熱する加熱部600と、を有し、前記加熱部600は、夫々が記録材搬送方向と交差する長手方向に伸びた、抵抗発熱体622、キュリー点で抵抗変化率を変えるPTC素子620、給電部621を備え、前記抵抗発熱体622と前記PTC素子620を記録材搬送方向に電気的に直列接続する。
【選択図】図1
Description
本発明は、記録材(シート)上のトナー像を定着する定着装置に関する。この定着装置は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはそれらの複合機等に代表される、電子写真プロセスや静電記録プロセス等を採用した画像形成装置において使用され得る。
従来、画像形成装置における画像加熱装置としての定着装置では、熱ローラ方式が多く用いられていた。また近年、クイックスタートや省エネルギーの観点からフィルム加熱方式の定着装置が実用化されている。フィルム加熱方式の定着装置においては、熱ローラ方式の定着装置に比べ、加熱部材となるフィルムの熱容量が小さい。そのため、最大通紙幅の記録材(以下、最大サイズ紙と記す)よりも幅の小さい記録材(以下、小サイズ紙と記す)の連続通紙時の非通紙部昇温という問題がある。
この様な定着装置の非通紙部昇温の対策として、以下に挙げるものが知られている。先ず、長手方向の発熱分布が互いに異なる2つの湾曲した形状の抵抗発熱体の通電比率を切り替えられるように設定された制御手段を備えるものが知られる(特許文献1)。
また、発熱体としてPTC発熱体(PTC素子)を用い、通電方向を短手方向(記録材搬送方向)とすることで、非通紙部昇温時に、キュリー点以上になると自己温調により昇温を抑制する方法が知られている(特許文献2、特許文献3)。
また、PTC発熱体(PTC素子)内部に温度分布を生じると、温度の高い部分の抵抗値が高いために、電流量が制限され発熱量が低下してしまうこと(ピンチ効果)に対する対策を施すことが知られる。即ち、厚さ方向において、PTC発熱体チツプの全面電極の面を熱伝導性と潤滑性の良いジルコニア強化アルミナセラミクス放熱板に熱伝導性の良い接着剤により接着する方法が知られている(特許文献4)。
また、PTC発熱体(PTC素子)と、直列に接続された小発熱体を有する抵抗発熱体と、が複数個定着ベルトの移動方向と直交する長手方向に互いに並列接続されて配置される構成も知られている(特許文献5)。
しかしながら、上記のような定着装置においても以下のような問題があった。即ち、特許文献1では、様々な紙サイズに対応することができず、これに対応する特許文献2および特許文献3では、厚み方向での熱分布が発生しやすい。このため、ピンチ効果が発生してしまうと、定着不良や生産性の低下を引き起こすので、大電力を必要とする高速機やフルカラープリンターなどには不向きである。
また、特許文献4では、定着部材としてフィルムの表面にシリコンゴムや離型性の良いフッ素樹脂層(これらは熱伝導性が低い)を数十μmから数百μm被覆した複層フィルムを用いる必要があり、厚さ方向で定着部材表面と発熱体との間に温度差が生じやすい。そのため、発熱体を熱伝導性の高い放熱板に接着すると、ピンチ効果の発生は抑制されるが、発熱体の長手方向の均熱化も起こり、定着部材の表面では長手方向の温度分布が顕著となり、結果として非通紙部昇温の対策の効果が無くなってしまう。
また特許文献5では、定着部材の低熱容量化が進むと、定着部材長手方向の熱伝導が下がるので、必要な紙サイズに応じて発熱体の分割数が多くなる。分割数が多くなると、PTC抵抗体チップと発熱体の数が増えて構成が複雑になってしまう。
本発明の目的は、簡便な構成で、非通紙部昇温を抑えると共に、ピンチ効果の発生を抑えることができる定着装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、回転体と、前記回転体と接触して、記録材を挟持搬送しつつ加熱するニップ部を形成する加圧体と、前記回転体を加熱する加熱部と、を有し、前記加熱部は、夫々が記録材搬送方向と交差する長手方向に伸びた、抵抗発熱体、キュリー点で抵抗変化率を変えるPTC素子、給電部を備え、前記抵抗発熱体と前記PTC素子を記録材搬送方向に電気的に直列接続したことを特徴とする。
本発明によれば、簡便な構成で、非通紙部昇温を抑えると共に、ピンチ効果の発生を抑えることができる定着装置を提供できる。
次に図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
本発明の実施形態に係る定着装置を搭載した画像形成装置の一例である電子写真フルカラープリンタについて、図2を主に用いて説明する。このプリンタは、図1(a)に示した制御回路部(制御基板:CPU)100と通信可能に接続した外部ホスト装置(不図示)からの入力画像情報に応じて作像動作して、記録材上にフルカラー画像を形成して出力することができる。
(画像形成装置)
本発明の実施形態に係る定着装置を搭載した画像形成装置の一例である電子写真フルカラープリンタについて、図2を主に用いて説明する。このプリンタは、図1(a)に示した制御回路部(制御基板:CPU)100と通信可能に接続した外部ホスト装置(不図示)からの入力画像情報に応じて作像動作して、記録材上にフルカラー画像を形成して出力することができる。
ここで、外部ホスト装置は、コンピュータ、イメージリーダー等である。制御回路部100は、外部ホスト装置と信号の授受をし、また各種作像機器と信号の授受をし、作像シーケンス制御を司る。
図2において、8は無端状でフレキシブルな中間転写ベルト(以下、ベルトと略記する)であり、二次転写対向ローラ9とテンションロ−ラ10との間に張架されていて、ローラ9が駆動されることにより矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。11は二次転写ローラであり、上記の二次転写対向ローラ9に対してベルト8を介して圧接させてある。ベルト8と二次転写ローラ11との当接部が二次転写部である。
1Y・1M・1C・1Bkは第1〜第4の4つの画像形成部であり、ベルト8の下側においてベルト移動方向に沿って所定の間隔をおいて一列に配置されている。各画像形成部はレーザ露光方式の電子写真プロセス機構であり、それぞれ、矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと略記する)2を有する。
各ドラム2の周囲には、一次帯電器3、現像装置4、転写手段としての転写ローラ5、ドラムクリーナ装置6が配置されている。各転写ローラ5はベルト8の内側に配置してあり、ベルト8の下行き側ベルト部分を介して対応するドラム2に対して圧接させてある。ここで、各ドラム2とベルト8との当接部が、一次転写部である。7は各画像形成部のドラム2に対するレーザ露光装置であり、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザ発光手段、ポリゴンミラー、反射ミラー等で構成されている。
図1(a)に示した制御回路部100は、外部ホスト装置から入力されたカラー色分解画像信号に基づいて、各画像形成部を作像動作させる。これにより、第1〜第4の画像形成部1Y・1M・1C・1Bkにおいて、それぞれ回転するドラム2の面に対して所定の制御タイミングで、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色トナー像が形成される。なお、ドラム2にトナー像を形成する電子写真作像原理・プロセスは公知に属するからその説明は省略する。
各画像形成部のドラム2の面に形成される上記のトナー像は、それぞれ一次転写部にて、各ドラム2の回転方向と順方向に、かつ各ドラム2の回転速度に対応した速度で回転駆動されているベルト8の外面に対して、順次に重畳転写される。これにより、ベルト8の面に上記の4つのトナー像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー像が、合成形成される。
一方、所定の給紙タイミングにて、それぞれ大小各種幅サイズの記録材Pを積載収容させた上下多段のカセット給紙部13A・13B・13Cのうちの選択された段位の給紙カセットの給紙ローラ14が駆動される。これにより、その段位の給紙カセットに積載収納されている記録材Pが、1枚分離給紙されて縦搬送パス15を通ってレジストローラ16に搬送される。手差し給紙が選択されているときには、給紙ローラ18が駆動される。これにより、手差しトレイ(マルチ・パーパス・トレイ)17上に積載セットされている記録材が1枚分離給紙されて縦搬送パス15を通ってレジストローラ16に搬送される。
レジストローラ16は、回転するベルト8上の上記のフルカラートナー像の先端が二次転写部に到達するタイミングに合わせて、記録材Pの先端部が二次転写部に到達するように記録材Pをタイミング搬送する。これにより、二次転写部において、ベルト8上のフルカラーのトナー像が一括して記録材Pの面に順次に二次転写されていく。二次転写部を出た記録材は、ベルト8の面から分離され、縦ガイド19に案内されて、定着装置(定着器)20に導入される。この定着装置20により、上記の複数色のトナー像が溶融混色されて記録材表面に固着像として定着される。
定着装置20を出た記録材は、フルカラー画像形成物として搬送パス21を通って排紙ローラ22により排紙トレイ23上に送り出される。また、二次転写部にて記録材分離後のベルト8の面は、ベルトクリーニング装置12により二次転写残トナー等の残留付着物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。
モノ黒プリントモードの場合には、ブラックトナー像を形成する第4の画像形成部Bkのみが作像動作制御される。
また、両面プリントモードが選択されている場合には、第1面プリント済みの記録材が排紙ローラ22により排紙トレイ23上に送り出されていき、後端部が排紙ローラ22を通過する直前時点で排紙ローラ22の回転が逆転に変換される。これにより、記録材はスイッチバックされて再搬送パス24に導入される。そして、表裏反転状態になって再びレジストローラ16に搬送される。以後は、第1面プリント時と同様に、二次転写部、定着装置20に搬送されて、両面プリント画像形成物として排紙トレイ23上に送り出される。
(定着装置)
図1(a)は、図2で示した本発明の実施形態に係る定着装置20の概略構成模型図である。定着装置20は、回転体としての定着ベルト650と、定着ベルト650と接触して、記録材を挟持搬送しつつ加熱するニップ部を形成する加圧体としての加圧ローラー70と、定着ベルト650を加熱する加熱部としてのヒーターユニット60を備える。そして、加圧ローラ70の上側に、ヒーターユニット60を備えた定着ユニットが設置される。この定着ユニットは、ヒーター部600側を下向きにして加圧ローラ70に平行に設置されている。
図1(a)は、図2で示した本発明の実施形態に係る定着装置20の概略構成模型図である。定着装置20は、回転体としての定着ベルト650と、定着ベルト650と接触して、記録材を挟持搬送しつつ加熱するニップ部を形成する加圧体としての加圧ローラー70と、定着ベルト650を加熱する加熱部としてのヒーターユニット60を備える。そして、加圧ローラ70の上側に、ヒーターユニット60を備えた定着ユニットが設置される。この定着ユニットは、ヒーター部600側を下向きにして加圧ローラ70に平行に設置されている。
1)回転体
回転体としてのエンドレスベルトである定着ベルト650は、ステンレスを厚み30μmの円筒状に形成した円筒状の基材上に、厚み約300μmのシリコーンゴム層(弾性層)をリングコート法により形成されている。さらに、その上に、厚み20μmのPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂チューブが最表面層に被覆された構造となっている。
回転体としてのエンドレスベルトである定着ベルト650は、ステンレスを厚み30μmの円筒状に形成した円筒状の基材上に、厚み約300μmのシリコーンゴム層(弾性層)をリングコート法により形成されている。さらに、その上に、厚み20μmのPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂チューブが最表面層に被覆された構造となっている。
2)加圧体
定着ベルト650の下方には、加圧体としての加圧ローラー70が配設されており、該加圧ローラー70は、芯金71と、シリコーンゴムからなる弾性層72と、フッ素系の樹脂からなる表層73とで構成される。この加圧ローラー70は、ヒーターユニット60に対し、加圧手段(図示せず)により総圧90〜320Nの圧力で加圧されており、記録材Pの搬送方向に、駆動系(図示せず)により回転駆動(反時計回り)される。
定着ベルト650の下方には、加圧体としての加圧ローラー70が配設されており、該加圧ローラー70は、芯金71と、シリコーンゴムからなる弾性層72と、フッ素系の樹脂からなる表層73とで構成される。この加圧ローラー70は、ヒーターユニット60に対し、加圧手段(図示せず)により総圧90〜320Nの圧力で加圧されており、記録材Pの搬送方向に、駆動系(図示せず)により回転駆動(反時計回り)される。
そして、加圧ローラ70が図1(a)の矢印方向に所定の周速度で回転駆動されると、これと圧接された関係にある定着ベルト650が、加圧ローラ70によって従動してヒーターホルダー660の周囲を所定の速度で回転する。このとき、定着ベルト650の内面が、ヒーター部600の下面に密着して摺動するが、定着ベルト650内面にはグリスが塗布され、ヒーターホルダー660と定着ベルト650内面との摺動性を確保している。
加圧ローラ70は、具体的には、ステンレス製の芯金71の上に、厚み約3mmのシリコーンゴム層(弾性層)72、さら、フッ素系の樹脂からなる表層73に厚み約40μmのPFA樹脂チューブ73が順に積層された多層構造とされている。この加圧ローラ70の芯金71の両端部が、装置フレームの不図示の奥側と手前側の側板間に回転可能に軸受保持されている。
3)加熱部
定着ベルト650を加熱する加熱部としてのヒーターユニット60は、加熱体としてのヒーター部600と、該ヒーター部600を支持する支持体としての横断面半円弧桶形の保持部材としてのヒーターホルダー660(ヒーターステー)を備える。また、ヒーターユニット60は、加圧ローラー70により加圧された際に変形しないために設けられた逆U字形の補給板金670を備える。なお、本実施形態では、円筒形状の耐熱性フィルムからなる回転体としての定着ベルト650も加熱部としてのヒーターユニット60の構成要素とされている。
定着ベルト650を加熱する加熱部としてのヒーターユニット60は、加熱体としてのヒーター部600と、該ヒーター部600を支持する支持体としての横断面半円弧桶形の保持部材としてのヒーターホルダー660(ヒーターステー)を備える。また、ヒーターユニット60は、加圧ローラー70により加圧された際に変形しないために設けられた逆U字形の補給板金670を備える。なお、本実施形態では、円筒形状の耐熱性フィルムからなる回転体としての定着ベルト650も加熱部としてのヒーターユニット60の構成要素とされている。
ここで、加熱体としてのヒーター部600は、記録材Pの搬送方向に交差する(直交する)方向を長手方向とする絶縁性、耐熱性、低熱容量の基板610と、抵抗発熱体としてのヒーター620、温度検知素子としてのサーミスター630とを備えている。そして、ヒーター部600は、ヒーターホルダー660の下面に該ヒータホルダ660の長手方向に沿って、固定的に支持されている。
更に、基板610には、定着ベルト650との接触面側の摺動層として厚さ10μm程度のポリイミド層が設けられている。このポリイミド層により、定着ベルト650とヒーター部600との摺擦抵抗を低減することで、駆動トルクの低減および定着ベルト650内面の磨耗を防止している。
定着ベルト650を介して加圧ローラ−70と対向配置されるヒータホルダー660は、耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で形成されており、ヒーター部600を保持するとともに定着ベルト650をルーズに外嵌してガイドする役割を果たしている。本例では、液晶ポリマーとして、デュポン社のゼナイト7755(商品名)を使用した。
ヒータホルダ660の両端部は、不図示の加圧機構により、その一端側が156.8N(16kgf)、総圧313.6N(32kgf)の力で加圧ローラ70の軸線方向に付勢されている。その結果、ヒーター部600の下面(加熱面)を、定着ベルト650を介して加圧ローラ70の弾性層に抗して所定の押圧力をもって圧接させ、定着に必要な所定幅の定着ニップ部Nが形成されている。
温度検知手段としてのサーミスタ630(ヒータ温度センサ、第1の温度検知素子)は、熱源であるヒータ600の裏面(加熱面とは反対側の面)に設置され、ヒーター部600の温度を検知する機能を担っている。サーミスタ630は、それぞれA/Dコンバータを介して制御手段としての制御回路部(CPU)100に接続されている。この制御回路部100は、サーミスタ630からの出力を所定の周期でサンプリングしており、このように得られた温度情報を温度制御に反映させる構成となっている。
つまり、CPU100は、サーミスタ630の出力を基に、ヒーター部600の温調制御内容を決定し、電力供給部であるヒータ駆動回路部51によってヒーター部600への通電を制御する。
ここで、加圧ローラ70が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト650が従動回転状態になると、ヒーター部600に通電が行われる。そして、ヒーター部600の温度が設定温度に立ち上がって温調された状態のとき、定着ニップ部Nに未定着トナー像を担持した記録材(シート)Pが入り口ガイドに沿って案内されて導入される。
そして、定着ニップ部Nにおいて、記録材(シート)Pのトナー像担持面側が定着ベルト650の外面に密着し、記録材(シート)Pが定着ベルト650と共に移動する。記録材(シート)Pの定着ニップ部Nでの挟持搬送過程において、ヒーター部600からの熱が定着ベルト650を介してシートPに付与され、未定着トナー像がシートP上に溶融定着される。定着ニップ部Nを通過したシートPは、定着ベルト650から分離され排出される。
4)PTC抵抗体と抵抗発熱体の電気的な直列接続
図1(b)に、記録材搬送方向における定着ニップ部Nの拡大断面図を示す。ヒーター部600は、基板610と、この上に、PTC特性を有するPTC素子としてのPTC抵抗体620、および銀パラジウムなどの所望の抵抗特性を持つ抵抗発熱体622を有している。PTC特性とは、特許文献3に記載のように、正の抵抗温度特性をもつ自己温度制御型の発熱体(特にチタン酸バリウム等の焼成成形体など)で、特異温度であるキュリー点から10℃温度上昇すると抵抗値が5倍以上上昇する特性をいう。
図1(b)に、記録材搬送方向における定着ニップ部Nの拡大断面図を示す。ヒーター部600は、基板610と、この上に、PTC特性を有するPTC素子としてのPTC抵抗体620、および銀パラジウムなどの所望の抵抗特性を持つ抵抗発熱体622を有している。PTC特性とは、特許文献3に記載のように、正の抵抗温度特性をもつ自己温度制御型の発熱体(特にチタン酸バリウム等の焼成成形体など)で、特異温度であるキュリー点から10℃温度上昇すると抵抗値が5倍以上上昇する特性をいう。
この急激な抵抗値変化によって、定着部材の部分的過昇温によって発熱体の温度が上昇すると、その部分の抵抗値が急激に上昇し、その結果電力が印加できなくなることで、自己温調的にキュリー点付近の温度で維持される。
ここで、本実施形態では、夫々が記録材搬送方向と交差する長手方向に伸びた、抵抗発熱体、キュリー点で抵抗変化率を変えるPTC素子、給電部を備え、抵抗発熱体とPTC素子を記録材搬送方向に電気的に直列接続している。即ち、PTC抵抗体620と抵抗発熱体622を挟むように、電力を供給する給電部621が接合されており、定着ニップ部Nに対して記録材搬送方向に通電可能な構成となっている。なお、給電部621は、前記長手方向において通紙幅以上の幅を有する。
これらPTC抵抗体620、抵抗発熱体622、給電部621は、ガラスコートなどからなる絶縁コート層623によって覆われており、絶縁性を保たれている。そして、記録材搬送方向で、ヒーターの中央部の絶縁コート層623の上に、サーミスタ630が配置されている。記録材搬送方向に関し、図1(b)の給電部621で挟まれた部分L0が発熱部分の幅であり、基板610と定着ベルト650が接触し加圧ローラとの間にニップ部を形成している幅がNである。
定着ニップ部では、発熱部で発熱した熱が放熱される箇所があると良いため、発熱部の幅L0は定着ニップ部の幅Nよりも小さい方が好ましい。もしL0≧Nの場合には、発熱部で異常昇温する場合があり、後に詳述するピンチ効果(PTC発熱体内部に温度分布が生じると、電流が流れにくくなり発熱量が低下する現象)の原因となり得る。
(実施例)
次に、図5を用いて、本実施形態で用いたヒーター部600を実際に製造した実施例につき、その製造方法を示す。先ず、図5(a)に示す工程では、良絶縁性のアルミナやチッ化アルミなどのセラミックス製の基板610上に、チタン酸バリウムを主成分とするPTC特性を有するPTC抵抗体620を焼成する。具体的には、厚みt1=0.05(mm)、短手幅L1=0.5(mm)、長手幅W=300(mm)のサイズで焼成した。また、PTC抵抗体620には、抵抗率ρ1=15(Ω・cm)の材料を用い、PTC抵抗体部の設計上の抵抗R1を以下に示す。
次に、図5を用いて、本実施形態で用いたヒーター部600を実際に製造した実施例につき、その製造方法を示す。先ず、図5(a)に示す工程では、良絶縁性のアルミナやチッ化アルミなどのセラミックス製の基板610上に、チタン酸バリウムを主成分とするPTC特性を有するPTC抵抗体620を焼成する。具体的には、厚みt1=0.05(mm)、短手幅L1=0.5(mm)、長手幅W=300(mm)のサイズで焼成した。また、PTC抵抗体620には、抵抗率ρ1=15(Ω・cm)の材料を用い、PTC抵抗体部の設計上の抵抗R1を以下に示す。
R1=ρ1L1/Wt1=15/100×0.5/(300×0.05×0.001)=5(Ω)
次に図5(b)に示す工程では、PTC抵抗体620に接するように、銀‐パラジウムからなる抵抗発熱体622を、同じく厚みt1=0.05(mm)、短手幅L2=5.5(mm)、長手幅W=300mmで厚膜印刷によって形成する。抵抗発体部622は、抵抗率ρ2=0.0227(Ω・cm)となるように抵抗率を調整している。抵抗発熱体620の抵抗R2を以下に示す。
次に図5(b)に示す工程では、PTC抵抗体620に接するように、銀‐パラジウムからなる抵抗発熱体622を、同じく厚みt1=0.05(mm)、短手幅L2=5.5(mm)、長手幅W=300mmで厚膜印刷によって形成する。抵抗発体部622は、抵抗率ρ2=0.0227(Ω・cm)となるように抵抗率を調整している。抵抗発熱体620の抵抗R2を以下に示す。
R2=ρ2L2/Wt1=0.0227/100×5.5/(300×0.05×0.001)=5(Ω)
更に、図5(c)に示す工程では、同じく厚膜印刷によって、PTC抵抗体620と抵抗発熱体620の両側に、給電部621を形成する。例えば、銀(Ag)、銀・プラチナ合金(Ag/Pt)、金(Au)、プラチナ(Pt)などの良導電性金属を混練したペーストをスクリーン印刷して銀などの良電気伝導性からなる給電部621を形成する。そして、図5(d)に示す工程では、ガラス質の絶縁コート層623を、PTC抵抗体620、抵抗発熱体622、給電部621すべてを覆うように形成する。
更に、図5(c)に示す工程では、同じく厚膜印刷によって、PTC抵抗体620と抵抗発熱体620の両側に、給電部621を形成する。例えば、銀(Ag)、銀・プラチナ合金(Ag/Pt)、金(Au)、プラチナ(Pt)などの良導電性金属を混練したペーストをスクリーン印刷して銀などの良電気伝導性からなる給電部621を形成する。そして、図5(d)に示す工程では、ガラス質の絶縁コート層623を、PTC抵抗体620、抵抗発熱体622、給電部621すべてを覆うように形成する。
図3はヒーター部の長手方向(記録材搬送方向に交差する方向)の詳細図である。図3で示すように、抵抗発熱体622とPTC抵抗体620の両端に給電部621を有している。同じく、PTC抵抗体620にも短手通電方式によって、記録材(シート)Pの搬送方向と同じ方向(以下短手通電方式と記載)に電流が通電される。
ここで、図4に本実施形態で用いたPTC抵抗体の温度−抵抗変化率の一例として、25℃における抵抗値を1とした時の、温度上昇に伴う比抵抗を抵抗変化率して示している。図4で示されるように、所定の温度(スイッチング温度)でその抵抗値が急激に上昇する性質をもっている。この特性を利用し、被加熱材(記録材)の通紙部の発熱体の温度をスイッチング温度とほぼ同じに設定すれば、発熱体の温度が部分的に上昇しても、温度上量した箇所の発熱体の抵抗が急激に上昇する。このため、発熱体の非通紙領域のみ発熱量が急激に下がり、結果として非通紙部の昇温が押えられることになる。
また、図4のA、B、Cで複数の特性が示されているように、PTC特性はチタン酸バリウムに添加する微少量の希土類を調整することで、所定の温度(スイッチング温度)でその抵抗値が急激に上昇する温度(キュリー温度)が変化することを示している。本実施形態では、図4の線Bで示す特性の材料を用いており、キュリー温度は約220℃程度になる。
また、通常の使用時である200℃程度での比抵抗(常温の25℃環境での抵抗値に対する比率)は2×10^‐1程度であるのに対し、キュリー点温度での220℃付近での比抵抗は1程度、キュリー点より10℃温度が高い230℃では、10程度となっている。このようなキュリー点から10℃温度上昇すると、抵抗値が10倍上昇する材料を選択した。
この様な抵抗上昇特性と、短手通電方式の組み合わせによって、発熱体よりも小さいサイズのシートを定着する場合であっても、非通紙部に対応する発熱体部分が所定温度以上になるとスイッチング効果によって、非通紙部の発熱量が抑えられる。その結果、非通紙部昇温の対策に有効である。
一方で、PTC特性を有する発熱体には、ピンチ効果と呼ばれる課題がある。ピンチ効果とは、PTC発熱体内部に温度分布が生じると、電流が流れにくくなり発熱量が低下する現象である。更にピンチ効果に関し、特許文献4の記述を引用すると、以下の通りである。
PTC抵抗体内部に温度分布が生じると、温度の高い部分の抵抗値が高いために、電流量が制限され発熱量が低下してしまう現象である。即ち、記録材通過時にPTC抵抗体の放熱面の温度が急激に低下した場合、PTC抵抗体それ自身の熱伝導性の低さから発熱体内部に温度分布が生じてしまう。その時、放熱面以外の温度はキユリー温度になるので、その部分の抵抗値は増大したままであり電流値を制限してしまう。その結果、発熱量も減少したままとなり、放熱面の温度低下を補うことができず、結果的に十分な熱量を記録材に供給できなくなる。
以下、本実施形態(実施例1)でピンチ効果に対処できることを、比較例と比較しながら説明する。
(比較例1)
ここで、比較例1として、PTC抵抗体だけを発熱体として用いた従来方式のヒーターの拡大断面を図6に示す。PTC発熱体620には、実施例1のPTC抵抗体と同じ抵抗率ρ1=15(Ω・cm)の材料を用いた。また、ヒーターとしての発熱量を同じとするために、ヒーターの抵抗値は10Ωとなるように以下のように設計した。即ち、厚みt3=0.3(mm)、実施例1のL1とL2の和に等しくした短手幅L3=6(mm)、長手幅W=300(mm)とすることで、PTC抵抗体680の抵抗値R3は、10Ωとなった。
R3=ρ1L3/Wt3=15/100×6/(300×0.3×0.001)=10(Ω)
ここで、比較例1として、PTC抵抗体だけを発熱体として用いた従来方式のヒーターの拡大断面を図6に示す。PTC発熱体620には、実施例1のPTC抵抗体と同じ抵抗率ρ1=15(Ω・cm)の材料を用いた。また、ヒーターとしての発熱量を同じとするために、ヒーターの抵抗値は10Ωとなるように以下のように設計した。即ち、厚みt3=0.3(mm)、実施例1のL1とL2の和に等しくした短手幅L3=6(mm)、長手幅W=300(mm)とすることで、PTC抵抗体680の抵抗値R3は、10Ωとなった。
R3=ρ1L3/Wt3=15/100×6/(300×0.3×0.001)=10(Ω)
本比較例においても、実施例1と同様に、PTC抵抗体620の両側に給電部621を形成し、短手通電方式を用いている。ここで、図7に、本実施例1、比較例1、および従来例(抵抗発熱体だけを発熱体とした長手通電方式を用いる)の、構成と定着通紙実験の結果を示す。実験条件を揃えるために、ヒーターの抵抗値はすべて10Ωとなっており、ヒーターの発熱量は1000Wとなっている。定着通紙検討としては、(1)非通紙部昇温効果(PTC特性)を比較した結果と、(2)連続通紙温度維持(ピンチ効果)を比較した結果を示す。
(1)非通紙部昇温効果(PTC特性)は、A4Rの105g紙を、毎分40枚のスピードで500枚連続で通紙した状態での、非通紙部の温度を比較した結果を示す。
(2)連続通紙温度維持(ピンチ効果)は、A4の105g紙を毎分60枚のスピードで1分間連続通紙した場合の定着状態を比較した結果を示す。
本実施例1は、t1=0.05mmと薄く、(1)(2)共に良好な結果であった。一方、比較例1は、PTC抵抗体がt3=0.3mmと厚いので、厚み方向での温度分布が発生し、高温部で抵抗値が上昇したことによるピンチ効果が発生したために、連続通紙時に温度低下が発生し、定着性が劣化した。また、従来例はピンチ効果が発生しないので、連続通紙時の温度維持は良好であったが、A4R連続通紙時の、非通紙部の温度が高温になり不適当であった。
これらについては、以下の数式展開で更に理解が容易となる。即ち、実施例1では、PTC抵抗体の抵抗値R1と、抵抗発熱体の抵抗値R2とが電気的に直列接続されているため、全抵抗値(R1+R2)は以下の式で表わされる。
R1+R2=(ρ1L1/Wt1)+(ρ2L2/Wt1)
一方、比較例1では、全抵抗値R3は以下の式で表わされる。
一方、比較例1では、全抵抗値R3は以下の式で表わされる。
R3=ρ1L3/Wt3=ρ1(L1+L2)/Wt3=(ρ1L1/Wt3)+(ρ1L2/Wt3)
ここで、Ri+R2=R3を条件とすれば、t3に対するt1の比は以下の式で表わされる。
ここで、Ri+R2=R3を条件とすれば、t3に対するt1の比は以下の式で表わされる。
t1/t3=(ρ1L1+ρ2L2)/(ρ1L1+ρ1L2)
すると、ρ1>ρ2であることから、t1/t3<1となり、実施例1の厚さt1が比較例1の厚さt3に対して薄くなり、厚み方向での温度分布が発生することに伴うピンチ効果を抑制できることが分かる。
すると、ρ1>ρ2であることから、t1/t3<1となり、実施例1の厚さt1が比較例1の厚さt3に対して薄くなり、厚み方向での温度分布が発生することに伴うピンチ効果を抑制できることが分かる。
なお、従来例では、全抵抗値R4は以下の式で表わされる。
R4=ρ2L3/Wt4=ρ2(L1+L2)/Wt4=(ρ2L1/Wt4)+(ρ2L2/Wt4)
ここで、Ri+R2=R4を条件とすれば、t4に対するt1の比は以下の式で表わされる。
ここで、Ri+R2=R4を条件とすれば、t4に対するt1の比は以下の式で表わされる。
t1/t4=(ρ1L1+ρ2L2)/(ρ2L1+ρ2L2)
すると、ρ1>ρ2であることから、t1/t4>1となり、従来例の厚さt4は実施例1の厚さt1より薄くなるが、このような従来例は、非通紙部昇温を抑制できないため課題が解決できない。
すると、ρ1>ρ2であることから、t1/t4>1となり、従来例の厚さt4は実施例1の厚さt1より薄くなるが、このような従来例は、非通紙部昇温を抑制できないため課題が解決できない。
ところで、本実施例1では、PTC抵抗体620と、抵抗発熱体620の抵抗値は、両方とも5Ωとなるように設計したので、両方が発熱体として動作している。しかし、これに限られず、PTC抵抗体の抵抗率としてもっと小さい値を用いて、かつ抵抗発熱体に抵抗率の高い物を用いることによって、発熱部を抵抗発熱体622とし、PTC抵抗体620をスイッチング部に機能分離しても良い。
《第2の実施形態》
本実施形態は、第1の実施形態と同じ画像形成装置と定着装置を用いて、定着のヒーター部のみ異なる構成(記録材搬送方向でPTC抵抗体の片側ではなく、両側に抵抗発熱体)をとるものであり、この点以外は第1の実施形態と同様である。図8は、本実施形態で用いた記録材搬送方向におけるヒーター部の拡大断面図である。本実施形態では、PTC素子としてのPTC抵抗体620は、記録材搬送方向でヒーター部の中央に配置されており、PTC抵抗体620の両側に抵抗発熱体622が形成されており、その両側に給電部621が形成されている。
本実施形態は、第1の実施形態と同じ画像形成装置と定着装置を用いて、定着のヒーター部のみ異なる構成(記録材搬送方向でPTC抵抗体の片側ではなく、両側に抵抗発熱体)をとるものであり、この点以外は第1の実施形態と同様である。図8は、本実施形態で用いた記録材搬送方向におけるヒーター部の拡大断面図である。本実施形態では、PTC素子としてのPTC抵抗体620は、記録材搬送方向でヒーター部の中央に配置されており、PTC抵抗体620の両側に抵抗発熱体622が形成されており、その両側に給電部621が形成されている。
これにより、一方の抵抗発熱体、PTC抵抗体、他方の抵抗発熱体が、電気的に直列配置されている。そして、夫々が記録材搬送方向に交差する長手方向に伸びた、PTC抵抗体620、抵抗発熱体622、給電部621は、ガラスコートなどからなる絶縁コート層623によって覆われており、絶縁性を保たれている。
図9は、本実施形態におけるヒーター部の長手方向(記録材搬送方向と交差する方向)の詳細図である。図9で示すように、抵抗発熱体622はPTC抵抗体620の両端に形成され、更にその両側に給電部621を有している。本実施形態においても、短手通電方式によってシートPの搬送方向と同じ方向(短手通電方式)に電流が通電される。
そして、本実施形態では、PTC抵抗体620はニップ部中央に配置されているので、放熱部であるニップ部に対して効率よく放熱が可能であり、異常昇温が発生しにくい構成となっている。
なお、本実施形態でも、PTC抵抗体620と抵抗発熱体622は、第1の実施形態と同じ材料を用いた。また、第1の実施形態と同じく、PTC抵抗体620の短手方向幅は0.5mm、厚み0.05mmとし、抵抗発熱体622の幅も2つ合わせて5.5mm、厚み0.05mmとなるようにした。その結果、発熱体部の特性は、第1の実施形態(実施例1)と同じく10Ωの抵抗値を持つヒーターとなり、第1の実施形態と同様な非通紙部昇温効果(PTC特性)と、連続通紙温度維持(ピンチ効果)を示した。
(変形例)
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明はこれに限定されず、同一性の範囲内で種々の変形が可能である。
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明はこれに限定されず、同一性の範囲内で種々の変形が可能である。
(変形例1)
上述した実施形態では、給電部がPTC素子と抵抗発熱体が直列接続される面内で両側に設けられたが、これに限られるものではない。即ち、給電部がPTC素子と抵抗発熱体が直列接続される面外に設けられる(一方の電極がPTC素子の上面または下面、他方の電極が抵抗発熱体の上面または下面)ような構成としても良い。
上述した実施形態では、給電部がPTC素子と抵抗発熱体が直列接続される面内で両側に設けられたが、これに限られるものではない。即ち、給電部がPTC素子と抵抗発熱体が直列接続される面外に設けられる(一方の電極がPTC素子の上面または下面、他方の電極が抵抗発熱体の上面または下面)ような構成としても良い。
(変形例2)
また、上述した実施形態では、記録材搬送方向にPTC素子を1個設け、1個もしくは複数個(2個)の抵抗発熱体と電気的に直列接続したが、記録材搬送方向にPTC素子を複数個設け、1個もしくは複数個(2個)の抵抗発熱体と電気的に直列接続しても良い。
また、上述した実施形態では、記録材搬送方向にPTC素子を1個設け、1個もしくは複数個(2個)の抵抗発熱体と電気的に直列接続したが、記録材搬送方向にPTC素子を複数個設け、1個もしくは複数個(2個)の抵抗発熱体と電気的に直列接続しても良い。
(変形例3)
また、上述した実施形態では、加圧体として回動する加圧ローラーを用いたが、固定された加圧パッドを用いることもできる。この場合、エンドレスベルトである定着ベルトが複数のプーリーに懸架され、これらのプーリーの一つを駆動モータに接続して定着ベルトを駆動する構成とすることができる。
また、上述した実施形態では、加圧体として回動する加圧ローラーを用いたが、固定された加圧パッドを用いることもできる。この場合、エンドレスベルトである定着ベルトが複数のプーリーに懸架され、これらのプーリーの一つを駆動モータに接続して定着ベルトを駆動する構成とすることができる。
(変形例4)
また、上述した実施形態では、回転体をエンドレスベルトである定着ベルトとしたが、定着ローラであっても良い。
また、上述した実施形態では、回転体をエンドレスベルトである定着ベルトとしたが、定着ローラであっても良い。
(変形例5)
以上、本発明に係る定着装置として、シート(記録材)上に形成された未定着トナー像を加熱して定着する装置を例に説明したが、次のような装置にも同様に適用することが可能である。例えば、記録材に仮定着されたトナー像を加熱し再定着することにより画像のグロス(光沢度)を増大させる装置(この場合も定着装置と呼ぶことにする)にも本発明を適用することが可能である。
以上、本発明に係る定着装置として、シート(記録材)上に形成された未定着トナー像を加熱して定着する装置を例に説明したが、次のような装置にも同様に適用することが可能である。例えば、記録材に仮定着されたトナー像を加熱し再定着することにより画像のグロス(光沢度)を増大させる装置(この場合も定着装置と呼ぶことにする)にも本発明を適用することが可能である。
70・・加圧ローラ(加圧体)、600・・ヒーター部(加熱部)、620・・PTC抵抗体(PTC素子)、621・・給電部、622・・抵抗発熱体、650・・定着ベルト(回転体)
Claims (12)
- 回転体と、
前記回転体と接触して、記録材を挟持搬送しつつ加熱するニップ部を形成する加圧体と、
前記回転体を加熱する加熱部と、
を有し、
前記加熱部は、夫々が記録材搬送方向と交差する長手方向に伸びた、抵抗発熱体、キュリー点で抵抗変化率を変えるPTC素子、給電部を備え、前記抵抗発熱体と前記PTC素子を記録材搬送方向に電気的に直列接続したことを特徴とする定着装置。 - 前記給電部は、前記長手方向において通紙幅以上の幅を有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記回転体は、エンドレスベルトであることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
- 前記エンドレスベルトを介して前記加圧体と対向配置される保持部材を有することを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
- 前記加圧体は、加圧ローラーもしくは加圧パッドであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記PTC素子は、前記キュリー点から10℃温度上昇すると抵抗値が5倍以上上昇することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の定着装置。
- 記録材搬送方向に関して、前記抵抗発熱体、前記PTC素子、前記給電部で構成される発熱部は前記ニップ部よりも狭いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の定着装置。
- 記録材搬送方向に関して、前記抵抗発熱体は前記PTC素子を挟んで両側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の定着装置。
- 記録材搬送方向に関して、前記PTC素子は前記ニップ部の中央に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
- 記録材搬送方向に関して、前記抵抗発熱体、前記PTC素子の設計上の抵抗値は等しいことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記エンドレスベルトは、複数のプーリーに懸架されることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
- 前記加熱部は、前記エンドレスベルトの内側で接触することにより前記エンドレスベルトを加熱することを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
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-
2013
- 2013-05-22 JP JP2013107916A patent/JP2014228684A/ja active Pending
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