JP2020086278A - 加熱装置、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】潤滑剤の温度を精度良く検知する。【解決手段】ニップ部に特定幅の加熱対象部材P1を通過させて加熱対象部材P1を加熱する際に、発熱部60Aにおける一部の領域が、加熱対象部材P1が通過する通過領域W1となり、その他の領域が、加熱対象部材P1が通過しない非通過領域となる加熱装置であって、発熱部60Aの非通過領域に対応する領域で、ベルト部材の温度を検知する非通過領域温度検知手段27を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、加熱装置、定着装置及び画像形成装置に関する。
複写機、プリンタなどの画像形成装置に用いられる加熱装置として、用紙上のトナーを熱により定着させる定着装置や、用紙上のインクを乾燥させる乾燥装置などが知られている。
例えば、特許文献1(特許第6336026号公報)には、面状ヒータを備える定着装置が開示されている。この定着装置においては、温度検知素子としてのサーミスタをヒータ基板の裏面側に接触させて、ヒータの温度を検出するようにしている。
ところで、面状ヒータを回転するベルト部材に接触させてベルト部材を加熱する加熱装置においては、ベルト部材の回転に伴ってベルト部材がヒータに対して摺動する。そのため、斯かる加熱装置においては、ベルト部材が円滑に回転できるように、ベルト部材と面状ヒータとの間に耐熱性を有するグリースなどの潤滑剤を介在させる手法が採用されている。
しかしながら、加熱対象部材が通過しない非通過領域においては、ヒータやベルト部材の熱が加熱対象部材に吸収されにくいため、温度が過度に上昇する場合がある。このような場合、サーミスタなどの温度検知手段によって潤滑剤の温度を精度良く検知することができなければ、潤滑剤の温度がその耐熱温度を越えて、潤滑性能が低下する虞があった。
上記課題を解決するため、本発明は、互いに独立して発熱制御可能な複数の発熱部を有する面状の加熱部材と、回転可能に設けられた無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の外周面に接触してニップ部を形成する加圧回転体と、前記ベルト部材と前記加熱部材との間に介在する潤滑剤と、を備え、前記ニップ部に特定幅の加熱対象部材を通過させて前記加熱対象部材を加熱する際に、前記発熱部における一部の領域が、前記加熱対象部材が通過する通過領域となり、その他の領域が、前記加熱対象部材が通過しない非通過領域となる加熱装置であって、前記発熱部の前記非通過領域に対応する領域で、前記ベルト部材の温度を検知する非通過領域温度検知手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、非通過領域温度検知手段が、発熱部の非通過領域に対応する領域で、ベルト部材の温度を検知するように配置されていることで、非通過領域温度検知手段によって潤滑剤の温度を精度良く検知することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 本実施形態に係る定着装置の概略構成図である。 ヒータの平面図である。 ヒータの分解斜視図である。 ヒータ及びヒータホルダにコネクタを装着した状態を示す図である。 サーミスタと、発熱部と、通紙領域と、の位置関係を示す図である。 第1サーミスタ及び第2サーミスタの構成の一例を示す図である。 第3サーミスタの構成の一例を示す図である。 第3サーミスタを定着ベルトの内周面に対して直接接触させた例を示す図である。 ヒータの裏面と、ベルト内周面及びベルト外周面の各温度を測定したグラフである。 接触式サーミスタの構成の一例を示す図である。 絶縁シートの取付方法を説明するための図である。 絶縁シートの接着面の範囲を示す図である。 ヒータの他の例を示す図である。 ヒータの別の例を示す図である。 ヒータのさらに別の例を示す図である。 第4サーミスタを備える構成を示す図である。 第4サーミスタを備える構成を示す図である。 誤セット用紙通紙時の非通紙領域の温度を検知可能な構成を示す図である。 サーモスタットを備える構成を示す図である。 他の定着装置の構成を示す図である。 別の定着装置の構成を示す図である。 さらに別の定着装置の構成を示す図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品などの構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。なお、画像形成装置としては、プリンタのほか、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機などであってもよい。
図1に示す画像形成装置100は、画像形成部である4つの作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkを備える。各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、画像形成装置本体103に対して着脱可能に構成され、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。具体的には、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電する帯電装置3と、感光体2の表面に現像剤としてのトナーを供給してトナー画像を形成する現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするクリーニング装置5と、を備える。
また、画像形成装置100は、各感光体2の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置6と、記録媒体としての用紙Pを供給する給紙装置7と、各感光体2に形成されたトナー画像を用紙Pに転写する転写装置8と、用紙Pに転写されたトナー画像を定着する定着装置9と、用紙Pを装置外に排出する排紙装置10と、を備える。
転写装置8は、複数のローラによって張架された中間転写体としての無端状の中間転写ベルト11と、各感光体2上のトナー画像を中間転写ベルト11へ転写する一次転写部材としての4つの一次転写ローラ12と、中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像を用紙Pへ転写する二次転写部材としての二次転写ローラ13と、を有する。複数の一次転写ローラ12は、それぞれ、中間転写ベルト11を介して感光体2に接触している。これにより、中間転写ベルト11と各感光体2とが互いに接触し、これらの間に一次転写ニップが形成されている。一方、二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11を介して中間転写ベルト11を張架するローラの1つに接触している。これにより、二次転写ローラ13と中間転写ベルト11との間には二次転写ニップが形成されている。
また、画像形成装置100内には、給紙装置7から送り出された用紙Pが搬送される用紙搬送路14が形成されている。この用紙搬送路14における給紙装置7から二次転写ニップ(二次転写ローラ13)に至るまでの途中には、一対のタイミングローラ15が設けられている。
次に、図1を参照して上記画像形成装置の印刷動作について説明する。
印刷動作開始の指示があると、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkにおいては、感光体2が図1の時計回りに回転駆動され、帯電装置3によって感光体2の表面が均一な高電位に帯電される。次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント情報に基づいて、露光装置6が各感光体2の表面を露光することで、露光された部分の電位が低下して静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置4からトナーが供給され、各感光体2上にトナー画像が形成される。
各感光体2上に形成されたトナー画像は、各感光体2の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達すると、図1の反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト11に順次重なり合うように転写される。そして、中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送され、二次転写ニップにおいて搬送されてきた用紙Pに転写される。この用紙Pは、給紙装置7から供給されたものである。給紙装置7から供給された用紙Pは、タイミングローラ15によって一旦停止された後、中間転写ベルト11上のトナー画像が二次転写ニップに至るタイミングに合わせて二次転写ニップへ搬送される。かくして、用紙P上にフルカラーのトナー画像が担持される。また、トナー画像が転写された後、各感光体2上に残留するトナーは各クリーニング装置5によって除去される。
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置9へと搬送され、定着装置9によって用紙Pにトナー画像が定着される。その後、用紙Pは排紙装置10によって装置外に排出されて、一連の印刷動作が完了する。
続いて、定着装置9の構成について説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る定着装置9は、定着部材としての無端状のベルト部材から成る定着ベルト20と、定着ベルト20の外周面に接触してニップ部Nを形成する加圧回転体としての加圧ローラ21と、定着ベルト20を加熱する加熱装置19と、を備えている。加熱装置19は、加熱部材としての面状のヒータ22と、ヒータ22を保持する保持部材としてのヒータホルダ23と、ヒータホルダ23を長手方向に渡って補強する補強部材としてのステー24と、温度検知手段としての複数のサーミスタ25,26,27と、を備えている。
定着ベルト20は、例えば外径が25mmで厚みが40〜120μmのポリイミド(PI)製の筒状基体を有している。定着ベルト20の最表層には、耐久性を高めて離型性を確保するために、PFAやPTFEなどのフッ素系樹脂による厚みが5〜50μmの離型層が形成される。基体と離型層の間に厚さ50〜500μmのゴムなどからなる弾性層を設けてもよい。また、定着ベルト20の基体はポリイミドに限らず、PEEKなどの耐熱性樹脂やニッケル(Ni)、SUSなどの金属基体であってもよい。定着ベルト20の内周面に摺動層としてポリイミドやPTFEなどをコートしてもよい。
加圧ローラ21は、例えば外径が25mmであり、中実の鉄製芯金21aと、この芯金21aの表面に形成された弾性層21bと、弾性層21bの外側に形成された離型層21cとで構成されている。弾性層21bはシリコーンゴムで形成されており、厚みは例えば3.5mmである。弾性層21bの表面は離型性を高めるために、厚みが例えば40μm程度のフッ素樹脂層による離型層21cを形成するのが望ましい。なお、定着ベルト20に加圧される加圧回転体として、加圧ローラ21に代えて無端状の加圧ベルトなどの部材を適用することも可能である。
ヒータ22は、定着ベルト20の幅方向に渡って長手状に設けられ、定着ベルト20の内周面に接触するように配置されている。ヒータ22は、定着ベルト20に対して非接触、あるいは低摩擦シートなどを介して間接的に接触する場合であってもよいが、ヒータ22を定着ベルト20に対して直接接触させる方が定着ベルト20への熱伝達効率がよくなる。また、ヒータ22を定着ベルト20の外周面に接触させることもできるが、定着ベルト20の外周面がヒータ22との接触により傷付くと定着品質が低下する虞があるため、ヒータ22は定着ベルト20の内周面に接触している方がよい。ヒータ22は、基材層50と、発熱部60を有する導体層51と、絶縁層52と、がヒータホルダ23側からニップ部N側に向かって順次積層されて構成されている。
ヒータホルダ23及びステー24は、定着ベルト20の内周側に配置されている。ステー24は、金属製のチャンネル材で構成され、その両端部分が定着装置9の両側壁部に支持されている。ステー24によってヒータホルダ23のヒータ22側とは反対側の面が支持されていることで、ヒータ22及びヒータホルダ23は加圧ローラ21の加圧力に対して大きく撓むことなく保たれ、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。
ヒータホルダ23は、ヒータ22の熱によって高温になりやすいため、耐熱性の材料で形成されることが望ましい。例えば、ヒータホルダ23をLCPやPEEKなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂で形成した場合は、ヒータ22からヒータホルダ23への伝熱が抑制され効率的に定着ベルト20を加熱することが可能である。
加圧ローラ21と定着ベルト20は、付勢部材としてのバネによって互いに圧接されている。これにより、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。また、加圧ローラ21は、画像形成装置本体103に設けられた駆動手段から駆動力が伝達されて回転駆動する駆動ローラとして機能する。一方、定着ベルト20は、加圧ローラ21の回転に伴って従動回転するように構成されている。回転時、定着ベルト20はヒータ22に対して摺動するので、定着ベルト20の摺動性を高めるため、ヒータ22と定着ベルト20との間にオイルやグリースなどの潤滑剤を介在させている。潤滑剤としては、フッ素グリース、シリコーングリース、フッ素オイル、シリコーンオイルなどがよい。特に、フッ素グリースは、耐熱温度が高く、高温になっても粘性を維持することができるため、定着ベルト20の端部からの潤滑剤の流出を抑制できる。
印刷動作が開始されると、加圧ローラ21が回転駆動され、定着ベルト20が従動回転を開始する。また、ヒータ22に電力が供給されることで、定着ベルト20が加熱される。そして、定着ベルト20の温度が所定の目標温度(定着温度)に到達した状態で、図2に示すように、未定着トナー画像が担持された用紙Pが、定着ベルト20と加圧ローラ21との間(ニップ部N)に搬送されることで、未定着トナー画像が加熱及び加圧されて用紙Pに定着される。
図3は、ヒータ22の平面図、図4は、その分解斜視図である。
なお、以下の説明において、ヒータ22に対する、定着ベルト20側(ニップ部N側)を「表側」と称し、ヒータホルダ23側を「裏側」と称して説明する。
図4に示すように、ヒータ22は、板状の基材層50と、基材層50の表側に設けられた導体層51と、導体層51の表側を被覆する絶縁層52との、複数の構成層が積層されて構成されている。導体層51は、面状の抵抗発熱体で構成された複数の発熱部60と、基材層50の長手方向両端部側に設けられた複数の電極部61と、電極部61と発熱部60とを接続する複数の給電線62と、で構成されている。また、図3に示すように、各電極部61は、後述のコネクタとの接続を確保するため、少なくとも一部が絶縁層52によって被覆されておらず露出した状態となっている。
基材層50は、アルミナや窒化アルミナなどのセラミック、ガラスなど絶縁材料で構成されている。また、基材層50を、ステンレス(SUS)や鉄、銅、アルミニウムなどの金属材料で構成し、基材層50と導体層51との間に別途絶縁層を設けて絶縁性を確保してもよい。金属材料は、急速加熱に対する耐久性に優れ、加工もしやすいため、低コスト化を図るのに好適である。中でも、アルミニウムや銅は熱伝導性が高く、温度ムラが発生しにくい点で好ましい。また、ステンレスはこれらに比べて安価に製造できる利点がある。
絶縁層52は、耐熱性ガラスで構成されている。その他に、絶縁層52の材料として、セラミックあるいはポリイミド(PI)などを用いることも可能である。
各発熱部60は、例えば、銀パラジウム(AgPd)やガラス粉末などを調合したペーストをスクリーン印刷などにより基材層50に塗工し、その後、当該基材層50を焼成することによって形成することができる。発熱部60の材料として、これら以外に、銀合金(AgPt)や酸化ルテニウム(RuO2)の抵抗材料を用いてもよい。
給電線62は、発熱部60よりも小さい抵抗値の導体で構成されている。給電線62や電極部61の材料としては、銀(Ag)もしくは銀パラジウム(AgPd)などを用いることができる。このような材料をスクリーン印刷するなどによって給電線62や電極部61を形成することが可能である。
本実施形態では、発熱部60や電極部61及び給電線62に銀やパラジウムなどの合金を用い、PTC特性(正の抵抗温度係数)を有するものとした。PTC特性とは、温度が高くなると抵抗値が高くなる(一定電圧をかけた場合に、ヒータ出力が下がる)特性である。PTC特性を有する発熱部60とすることで、低温では高出力によって高速で立ち上がり、高温では低出力により過昇温を抑制することができる。例えば、PTC特性のTCR係数を300〜4000ppm/度程度にすれば、ヒータに必要な抵抗値を確保しながら、低コスト化を図れる。より好ましくは、TCR係数を500〜2000ppm/度とするのがよい。TCR係数は、25度と125度とで抵抗値を測定することにより算出することができる。例えば、100度温度上昇して抵抗値が10%上昇していれば、TCR係数は1000ppm/度である。
また、本実施形態では、発熱部60が、基材層50の長手方向に渡って3つ設けられている。3つの発熱部60のうちの1つは、基材層50の長手方向中央に配置された第1発熱部としての中央発熱部60Aであり、残りの2つは、中央発熱部60Aの長手方向両側に配置された第2発熱部としての端部発熱部60Bである。中央発熱部60Aと端部発熱部60Bとは、互いに独立して発熱制御可能に構成されている。
図3において、複数の電極部61を、左から順に、第1電極部61A、第2電極部61B、第3電極部61C、第4電極部61Dとすると、第2電極部61B及び第4電極部61Dに電圧を印加した場合、中央発熱部60Aのみが発熱する。また、第1電極部61A及び第2電極部61Bに電圧を印加した場合は、図3の左側の端部発熱部60Bのみが発熱し、第2電極部61Bと第3電極部61Cに電圧を印加した場合は、図3の右側の端部発熱部60Bのみが発熱する。また、第1電極部61Aと第3電極部61Cとを外部で並列に接続し同時に電圧を印加できるようにしておけば、これらの電極部61A,61Cと第2電極部61Bとに電圧を印加することで、両方の端部発熱部60Bを同時に発熱させることが可能である。なお、図3中の矢印は、各発熱部60A,60Bの長手方向に流れる電流の方向を示す。
通紙する用紙の幅が、中央発熱部60Aの幅L1以下である場合は、中央発熱部60Aのみ発熱させ、また、通紙する用紙の幅が、中央発熱部60の幅L1よりも大きい幅である場合は、中央発熱部60Aに加えて各端部発熱部60Bをそれぞれ発熱させることで、通紙領域の大きさに応じて発熱領域の大きさを変更することができる。さらに、中央発熱部60Aの幅L1を、小サイズの用紙幅(例えば、A4紙幅:215mm)に合わせ、一方の端部発熱部60Bから他方の端部発熱部60Bまでを含む発熱領域の幅L2を、大サイズの用紙幅(例えば、A3紙幅:301mm)に合わせることで、これらの用紙を通紙する際は、非通紙領域における過度な温度上昇が生じにくくなるので(発熱部60A,60B上の非通紙領域がほとんど生じないので)、印刷生産性を高めることができる。
また、図3に示すように、本実施形態において、各発熱部60A,60Bは、それぞれの両端部において、通紙方向(図3の上下方向)に対して傾斜する傾斜部601を有している。また、互いに隣り合う傾斜部601の少なくとも一部は、ヒータ22の長手方向(図3の左右方向)に渡って互いにオーバーラップしており、長手方向の同じ領域A(図3の拡大図参照)内に配置されている。このように、傾斜部601同士がオーバーラップして配置されていることで、発熱部60A,60B同士の間での温度の低下を抑制でき、紙幅方向の定着ムラを低減できる。
図5は、ヒータ22及びヒータホルダ23にコネクタ70を装着した状態を示す斜視図である。
図5に示すように、コネクタ70は、樹脂製のハウジング71と、ハウジング71に固定された板バネのコンタクト端子72と、を有している。コンタクト端子72はヒータ22の各電極部61に接触する一対の接点部72aを有する。また、コネクタ70(コンタクト端子72)には、給電用の配線(ハーネス)73が接続されている。
図5に示すように、コネクタ70は、ヒータ22とヒータホルダ23とを表側と裏側とから一緒に挟むようにして取り付けられる。これにより、コンタクト端子72の各接点部72aがヒータ22の電極部61に対して弾性的に接触(圧接)することで、コネクタ70を介して発熱部60と画像形成装置に設けられた電源とが電気的に接続され、電源から発熱部60へ電力が供給可能な状態となる。なお、図5に示すヒータ22の端部側とは反対の端部側にも、同様にコネクタ70が装着される。
図6は、サーミスタ25,26,27と、発熱部60A,60Bと、通紙領域W1,W2と、の位置関係を示す図である。
図6中の、W1で示される通紙領域は、中央発熱部60Aの幅L1よりも小さい幅サイズの用紙P1がニップ部Nを通過する際の幅方向の通過領域であり、同図中のW2で示される通紙領域は、中央発熱部60Aの幅L1よりも大きい幅サイズの用紙P2がニップ部Nを通過する際の幅方向の通過領域である。
ここで、サーミスタ25、サーミスタ26、サーミスタ27を、以下便宜的に、第1サーミスタ25、第2サーミスタ26、第3サーミスタ27と称すると、第1サーミスタ25の温度検知部25aは、中央発熱部60Aの幅L1内であって、さらに、小サイズ通紙領域W1内に配置されている。このように、第1サーミスタ25の温度検知部25aが、中央発熱部60Aの幅L1内で、さらに、小サイズ通紙領域W1内に配置されていることで、小サイズの用紙P1やこれより幅の大きい各幅の用紙を通紙した際の、中央発熱部60Aにおける通紙領域の温度を第1サーミスタ25によって検知することができる。また、中央発熱部60Aの幅L1よりも小さい幅サイズの用紙が複数種類ある場合は、その中でも最小幅用紙の通紙領域内に、第1サーミスタ25の温度検知部25aを配置することで、中央発熱部60A上を通過するあらゆるサイズの通紙領域の温度を第1サーミスタ25によって検知することができるようになる。
第2サーミスタ26の温度検知部26aは、中央発熱部60Aの幅L1よりも外側で、大サイズ通紙領域W2内に配置されている。すなわち、第2サーミスタ26の温度検知部26aは、大サイズの用紙P2を通紙する際に、当該用紙P2が端部発熱部60B上を通過する通紙領域に対応して配置されている。このように、第2サーミスタ26の温度検知部26aが、中央発熱部60Aの幅L1よりも外側で、大サイズ通紙領域W2内に配置されていることで、大サイズの用紙P2を通紙した際の、端部発熱部60Bにおける通紙領域の温度を第2サーミスタ26によって検知することができる。また、端部発熱部60B上を通過する用紙が複数種類ある場合は、その中でも最小幅用紙の通紙領域内に、第2サーミスタ26の温度検知部26aを配置することで、端部発熱部60B上を通過するあらゆるサイズの通紙領域の温度を第2サーミスタ26によって検知することができるようになる。
第3サーミスタ27の温度検知部27aは、小サイズ通紙領域W1の外側で、中央発熱部60Aの幅L1内に配置されている。すなわち、第3サーミスタ27の温度検知部27aは、小サイズの用紙P1を通紙する際に、当該用紙P1が中央発熱部60A上を通過しない非通紙領域(非通過領域)に対応して配置されている。このように、第3サーミスタ27の温度検知部27aが、小サイズ通紙領域W1の外側で、中央発熱部60Aの幅L1内に配置されていることで、小サイズの用紙P1を通紙した際の、中央発熱部60Aにおける非通紙領域の温度を第3サーミスタ27によって検知することが可能である。
各サーミスタ25,26,27によって検知された温度情報は、各発熱部60A,60Bの発熱を制御する制御部へ送られ、送られた温度情報に基づき各発熱部60A,60Bが個別に制御される。これにより、ニップ部Nの温度が予め設定された目標の温度(定着温度)となるように制御される。しかしながら、小サイズの用紙を続けて通紙した場合など、非通紙領域におけるヒータ22の熱があまり消費されない場合は、温度が過剰に上昇することがある。このような場合、非通紙領域における温度が所定の温度以上となったことを第3サーミスタ27が検知することで、ヒータ22の発熱量を低下させる制御がなされる。さらに、用紙の搬送速度を下げる、用紙の搬送間隔を広げる、あるいは画像形成を停止することで、非通紙領域における温度上昇が抑制される。
本実施形態では、中央発熱部60A及び端部発熱部60が、それぞれの長手方向端部側に、傾斜部601を有しているが、傾斜部601では、それ以外の部分(各発熱部60A,60Bの長手方向中央側)に比べて発熱量が低下する。従って、傾斜部601に対応する領域に第2サーミスタ26や第3サーミスタ27の各温度検知部26a,27aが配置されていると、温度の検知精度が低下する可能性がある。そのため、図6に示すように、第2サーミスタ26及び第3サーミスタ27の各温度検知部26a,27aは、中央発熱部60Aの傾斜部601又は端部発熱部60Bの傾斜部601以外の部分(例えば、発熱部60A,60Bの長手方向中央側)に配置されることが好ましい。これにより、第2サーミスタ26及び第3サーミスタ27の温度検知精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、第2サーミスタ26が一方の端部発熱部60B側だけに配置されているが、他方の端部発熱部60B側にも第2サーミスタ26を配置してもよい。ただし、本実施形態のように、各サイズの用紙P1,P2がそれぞれの幅方向中央位置Mを揃えて搬送される、いわゆる中央搬送基準方式の画像形成装置の場合は、定着ベルトの温度分布が基本的に用紙の幅方向中央位置Mを基準に左右対称になるので、一方の端部発熱部60B側だけに第2サーミスタ26を配置すれば、他方の端部発熱部60Bの制御も同様に行うことができる。
ところで、通紙領域に対応して配置される通紙領域センサ(通過領域温度検知手段)としての、第1サーミスタ25及び第2サーミスタ26は、通紙領域の温度を適正な値に制御するため、ニップ部Nにおける温度推移を応答性良く正確に検知できることが望ましい。そのため、図2に示すように、第1サーミスタ25及び第2サーミスタ26は、ヒータ22の裏面(ニップ部N側とは反対側の面)に接触するように配置されている。このように、第1サーミスタ25及び第2サーミスタ26がヒータ22の裏面に接触するように配置されていることで、発熱源であってニップ部Nに近いヒータ22の温度を直接検知することができ、その検知結果に基づいて通紙領域の温度を適正な温度に制御することができる。
一方、非通紙領域に対応して配置される非通紙領域センサ(非通過領域温度検知手段)としての、第3サーミスタ27は、潤滑剤の温度を精度良く検知するため、図2に示すように、定着ベルト20の外周面に対向するように配置されている。潤滑剤の温度は、ヒータ22の温度よりも定着ベルト20の温度に近いため、第3サーミスタ27によって定着ベルト20の外周面の温度を検知することで、潤滑剤の温度を精度良く検知することができるようになる。これにより、非通紙領域において過昇温が生じた場合(例えば、定着ベルト20の温度が220℃を超えた場合)に、第3サーミスタ27の検知結果に基づき、ヒータの発熱量を低下させたり、印刷生産性を低下させたりするなどの、非通紙領域における温度上昇を抑制する制御がなされることで、熱による潤滑剤の劣化を高度に抑制することができ、ひいては潤滑機能を長期に亘って良好に維持することができるようになる。
また、第3サーミスタ27は、発熱源であるヒータ22から離れた定着ベルト20の近傍に配置されていることで、第3サーミスタ27自体の温度上昇を、第1サーミスタ25や第2サーミスタ26に比べて抑制することができる。このため、第3サーミスタ27の熱による劣化や破損を抑制することができるようになる。また、第3サーミスタ27がヒータ22の熱に曝されにくいことで、第3サーミスタ27として、第1サーミスタ25や第2サーミスタ26よりも耐熱性の低い安価なサーミスタを用いることができるようになる。
図7に、第1サーミスタ25及び第2サーミスタ26の構成の一例を示し、図8に、第3サーミスタ27の構成の一例を示す。
図7に示すように、第1サーミスタ25及び第2サーミスタ26は、ホルダ30と、弾性部材31と、温度検知部25a,26aとしての温度検知素子32と、付勢部材としてのバネ33と、絶縁シート34と、を有している。ホルダ30は、LCPなどの樹脂材料で構成されており、ヒータ22側の面に弾性部材31を介して温度検知素子32が設けられている。弾性部材31は、ホルダ30よりも熱伝導率及び剛性の低い材料で構成されており、弾性を有すると共に断熱性も有する。絶縁シート34は、PI(ポリイミド)などの絶縁材料で構成され、ホルダ30、弾性部材31、及び温度検知素子32を覆うように設けられている。ホルダ30はバネ33によってヒータ22側に付勢されており、これによって、温度検知素子32が絶縁シート34を介してヒータ22に接触している。また、ホルダ30からは、温度検知素子32に接続されている配線(リード線)35が2本伸びており、各配線35は絶縁性の被膜で被覆されている。配線35の被膜は、耐熱性を考慮し、厚さが例えば0.4mm以上であることが望ましい。また、被膜の厚さが0.4mm以下の場合は、被膜を複数枚重ねてもよい。
一方、図8に示すように、第3サーミスタ27は、ホルダ36と、温度検知部27aとしての温度検知素子37と、絶縁シート38と、を有している。温度検知素子37は、ホルダ36に設けられ、絶縁シート38を介して定着ベルト20の外周面と対向している。また、ホルダ36からは、温度検知素子37に接続されている配線(リード線)39が2本伸びており、各配線39は絶縁性の被膜で被覆されている。
第3サーミスタ27は、第1サーミスタ25や第2サーミスタ26に比べて耐熱性が低くてもよいので、断熱効果を有する弾性部材を有していない。また、第3サーミスタ27においては耐熱性を低くできるため、ホルダ36を、第1サーミスタ25及び第2サーミスタ26のホルダ30よりも耐熱性の低い材料で構成することもできる。また、第3サーミスタ27の配線39の被膜も、第1サーミスタ25及び第2サーミスタ26の配線35の被膜に比べて、耐熱性の低い材料で構成したり、薄くしたり、膜数を少なくしたりすることが可能である。さらに、この例では、第3サーミスタ27が定着ベルト20に対して非接触で温度検知するタイプであるので、第1サーミスタ25及び第2サーミスタ26が有する付勢部材を備える必要が無く、安価に構成できる。
上述の実施形態では、第1サーミスタ25及び第2サーミスタ26として、ヒータ22に接触する接触式のサーミスタを用いているが、ヒータ22に対して非接触で温度検知する非接触式のサーミスタを用いてもよい。また、第1サーミスタ25及び第2サーミスタ26を、ヒータ22に対して部材を介して接触させてもよい。例えば、ヒータ22の裏面(ヒータホルダ23側の面)に、ヒータホルダ23より熱伝導率の小さい断熱部材を設け、この断熱部材を介して第1サーミスタ25及び第2サーミスタ26をヒータ22に接触させてもよい。このような断熱部材を設けることで、ヒータ22からヒータホルダ23への不要な熱伝達が抑制されるので、定着ベルト20を効果的に加熱できるようになり、省エネを図れる。反対に、ヒータ22の裏面に、ヒータ22の基材層50よりも熱伝導率のよい高熱伝導部材を設け、この熱伝導部材を介して第1サーミスタ25及び第2サーミスタ26をヒータ22に接触させてもよい。このような高熱伝導部材を設けることで、ヒータ22の長手方向や短手方向における温度ムラを抑制できる。特に、ヒータ22の長手方向における温度ムラを抑制できることで、小サイズ用紙を通紙した際の非通紙領域における温度上昇が緩和されるため、小サイズ用紙の印刷生産性を向上させることができる。また、ヒータ22の短手方向の温度ムラを抑制できることで、ヒータ22の裏面の温度上昇のピーク値を低くすることができ、第1サーミスタ25や第2サーミスタ26に安価で耐熱性の低いサーミスタを用いることができるようになる。
ただし、第1サーミスタ25及び第2サーミスタ26を、ヒータ22に対して非接触又は部材を介して間接的に接触させる構成では、これらをヒータ22に対して直接接触させる構成に比べて、各サーミスタ25,26で検知される温度と実際の定着ベルト20の温度との差が大きくなるので、熱による潤滑剤の劣化が懸念される。従って、このような構成においては、本発明の構成を適用し、第3サーミスタ27によって定着ベルト20の非通紙領域の温度を検知することで、潤滑剤の劣化を高度に抑制することができるようになる。
本実施形態では、図2に示すように、第3サーミスタ27が、定着ベルト20の外周面に対して非接触に配置されている。さらに、第3サーミスタ27は、定着ベルト20の外周面上の、定着ベルト20の回転方向におけるニップ部Nよりも上流側(以下、「ニップ入口側」という。)に配置されている。
これに対して、図9に示す例のように、第3サーミスタ27を、定着ベルト20の内周面に対して直接(潤滑剤以外の部材を介することなく)接触させ、さらに、定着ベルト20の回転方向におけるニップ部Nよりも下流側(以下、「ニップ出口側」という。)に配置してもよい。
ここで、図10に基づき、第3サーミスタ27の配置と、第3サーミスタ27によって検知される温度との関係について説明する。図10において、T1は、第3サーミスタ27がヒータ22の裏面に接触するように配置された場合のヒータ裏面の検知温度、T2は、第3サーミスタ27が図9に示す位置に配置された場合のベルト内周面の検知温度、T3は、第3サーミスタ27が図2に示す位置に配置された場合のベルト外周面の検知温度である。なお、いずれの場合も、ヒータ22の長手方向における第3サーミスタ27の位置は、全て同じ位置(図6に示す小サイズ通紙領域W1の外側で、中央発熱部60Aの幅L1内の位置)である。
第3サーミスタ27によって温度を検知するにあたって、いずれの場合も、ヒータ22の長手方向中央側に配置された第1サーミスタ25の検知温度のピーク値が200℃となるように制御し、A6サイズの普通紙を、1分あたり30枚、縦方向に通紙して定着処理を行った。図10において、αは、ヒータ加熱開始から通紙開始までの立ち上げ時間、βは、通紙中の時間、γは、通紙が終了しヒータ22の発熱が停止された後の時間を示す。
図10に示すように、ヒータ裏面の検知温度T1は、ベルト内周面の検知温度T2やベルト外周面の検知温度T3に比べて全体的に高くなった。これは、定着ベルト20はその回転によって空気中への放熱が促進されるのに対し、ヒータ22はそのような回転に伴う放熱の促進はないため温度が高いまま維持されたからである。また、通紙中は、ヒータ裏面の検知温度T1が、通紙時間βの半分程度で温度が飽和しているのに対して、ベルト内周面の検知温度T2やベルト外周面の検知温度T3は、ヒータ裏面の検知温度T1が飽和した後も徐々に温度上昇している。これは、定着ベルト20がヒータ22よりも熱容量が大きいため、温度が飽和するまでに時間を要したからである。また、通紙終了後は、いずれの場合も時間の経過に伴って次第に温度が低下するが、ヒータ裏面の検知温度T1は、ベルト内周面の検知温度T2やベルト外周面の検知温度T3に比べて温度低下の勾配が緩やかであった。これは、ヒータ22は定着ベルト20を介して熱容量の大きい加圧ローラ21と対向しているため、加圧ローラ21に蓄積された熱によりヒータ裏面の検知温度T1は低下しにくいからである。一方、ベルト内周面の検知温度T2やベルト外周面の検知温度T3の検知箇所では加圧ローラ21のような蓄熱された対向部材はないため、これらの検知温度T2,T3の低下はヒータ裏面の検知温度T1に比べて早くなった。
このように、ヒータ裏面の検知温度T1は、ベルト内周面の検知温度T2やベルト外周面の検知温度T3に比べて、温度の絶対値が異なることに加えて、通紙中の温度飽和までの時間や通紙終了後の温度低下速度も異なる。従って、従来のようなヒータの裏面に配置されたサーミスタの検知温度だけでは、潤滑剤の温度に近い定着ベルト20の内周面温度を正確に予測することは困難である。これに対して、本発明に係る実施形態においては、図2や図9に示すように、第3サーミスタ27によって定着ベルト20の温度を検知することで、潤滑剤の温度により近い温度及びその推移を把握することができ、熱による潤滑剤の劣化を高度に抑制することができるようになる。
また、ベルト内周面の検知温度T2とベルト外周面の検知温度T3とを比べた場合、ベルト外周面の検知温度T3は、ベルト内周面の検知温度T2よりも全体的に低い温度となっている。これは、定着ベルト20の熱が内周面から外周面に熱伝達される際の定着ベルト20の熱抵抗に加えて、図2に示す例では第3サーミスタ27が定着ベルト20の外周面に対して非接触に配置されているためである。また、定着ベルト20の温度は、ヒータ22による加熱直後のニップ出口側で高くなり、その後、加熱箇所がニップ入口側に至るまでに定着ベルト20の回転に伴う放熱により温度低下が生じるため、図9に示すニップ出口側での検知温度T2よりは、図2に示すニップ入口側の検知温度T3の方が低くなる。このように、ベルト外周面の検知温度T3は、ベルト内周面の検知温度T2に比べて、全体的に低く、温度推移のタイミングも若干遅れ傾向にある。
このことから鑑みれば、潤滑剤の温度をより正確に検知するには、図2に示す例のような定着ベルト20の外周側に第3サーミスタ27を配置するよりも、図9に示す例のような定着ベルト20の内周側に第3サーミスタ27を配置する方が好ましいと言える。特に、定着ベルト20が、基材と、基材の外周に設けられた弾性層と、を有する場合は、弾性層があることで、定着ベルト20の内周面と外周面との温度差が大きくなるので、定着ベルト20の内周面の温度を検知することで、潤滑剤の温度を精度良く検知することができるようになる。また、潤滑剤の温度推移をより応答性良く検知するには、第3サーミスタ27が定着ベルト20に対して非接触に配置されている例(図2)よりは、第3サーミスタ27が定着ベルト20に対して直接接触して配置されている例(図9)の方が好ましい。さらに好ましくは、図9に示す例のように、定着ベルト20の温度がより高くなるニップ出口側の温度を検知するのがよいと言える。
なお、第3サーミスタ27の配置は、定着装置5を構成する他の部材との関係やレイアウト上の都合などに応じて適宜変更可能である。従って、第3サーミスタ27の配置は、定着ベルト20の内周又は外周、ニップ入口側又はニップ出口側あるいはそれ以外の箇所、さらに、定着ベルト20に対して接触するか非接触かのいずれか、を適宜組み合せて決定すればよい。
図9に示す接触式の第3サーミスタ27としては、例えば、図11に示すような構成を採用することができる。
図11に示すサーミスタは、弾性を有する一対の導体44と、導体44の間に電気的に接続された温度検知素子45と、温度検知素子45及び導体44を被覆する絶縁シート46と、導体44を保持するホルダ47と、ホルダ47内で導体44に対して電気的に接続された配線(リード線)48と、を有している。温度検知素子45及び導体44は、絶縁シート46を介して定着ベルト20の内周面に接触する。ホルダ47は、上記ヒータホルダ23などに対して位置決め可能な形状に形成されていてもよい。また、ホルダ47の材料としては、LCPなどの耐熱性樹脂が好ましい。
絶縁シート46は、耐熱性を有し、かつ、摺動性に優れるポリイミドやPTFEなどで構成されることが好ましい。特に、潤滑剤に導電材料が含まれる場合は、温度検知素子45や導体44に潤滑剤が付着すると、絶縁状態が維持できなくなる(絶縁破壊を起こす)虞があるため、このような絶縁シート46によって温度検知素子45や各導体44を覆うことが望ましい。また、潤滑剤に導電材料が含まれない場合であっても、定着ベルト20の内周面やこれに接触するヒータ22の表面を形成する材料に導電材料が含まれる場合は、定着ベルト20がヒータ22に対して摺動する際に導電性の摩耗粉が発生し、それが潤滑剤中に混入する可能性が考えられる。そのため、この場合も同様に、温度検知素子45や各導体44は絶縁シート46に被覆されていることが望ましい。
絶縁シート46は、例えば、図12に示すように、半分に折り曲げられて、温度検知素子45と各導体44とを挟むようにして取り付けられる。この場合、絶縁シート46の合わせ面同士の間に導電性の潤滑剤や摩耗粉が侵入しないように、合わせ面同士を耐熱性の接着剤で接着しておくのがよい。また、図13に示すように、絶縁シート46の接着面49(図中の斜線で示す部分)は、少なくとも温度検知素子45の周囲2mm以上の範囲、さらに望ましくは導体44の周囲2mm以上の範囲(図中の距離Eが2mm以上)であるのがよい。
本発明が適用されるヒータ22の構成は、上述の例のほか、図14、図15、又は図16に示す構成であってもよい。
図14に示す例では、中央発熱部60Aが、その長手方向に渡って複数の発熱ブロック59に分割されている。このように、中央発熱部60Aを、1つの長い発熱ブロックではなく、複数の短い発熱ブロック59に分割することで、発熱ブロック59と端部発熱部60Bとのそれぞれの幅がほぼ同じとなり、これらの抵抗値をほぼ同じにすることができる。例えば、中央発熱部60Aの幅L1がA4紙幅(215mm)で、両端部発熱部60Bを含む発熱領域の幅L2がA3紙幅(301mm)である場合は、中央発熱部60Aを5つの発熱ブロック59に分割することで、発熱ブロック59と端部発熱部60Bとのそれぞれの幅を同じ幅(43mm)にすることができる。これにより、各発熱ブロック59と各端部発熱部60Bとのそれぞれの抵抗値がほぼ同じとなり、定着ベルト20を幅方向に渡って均一に加熱することができるようになる。
さらに、図15に示す例では、中央発熱部60Aの各発熱ブロック59と、各端部発熱部60Bとが、それぞれ折り返しパターンに形成されている。この場合、折り返しパターンに沿って電流が流れる。
また、図16に示す例では、各発熱部60A,60Bが、それぞれの短手方向の端部にて給電線62と接続されている。この場合、図16中の矢印で示すように、各発熱部60A,60Bの長手方向及び短手方向(斜め方向)に電流が流れるようになる。
以下、上述の実施形態とは異なる実施形態について説明する。主に異なる部分について説明し、それ以外の部分は基本的に上述の実施形態と同様であるので説明を省略する。
図17に示す実施形態では、定着装置9が、第1サーミスタ25、第2サーミスタ26、及び第3サーミスタ27に加え、端部発熱部60Bの非通紙領域(非通過領域)の温度を検知する非通紙領域センサ(非通過領域温度検知手段)として、第4サーミスタ28を備えている。第4サーミスタ28の温度検知部28aは、大サイズ通紙領域W2の外側で、端部発熱部60Bの幅内(両方の端部発熱部60Bを含む幅L2内)に配置されている。これにより、第4サーミスタ28によって、大サイズの用紙P2を通紙した際の、端部発熱部60Bの非通紙領域の温度を検知することができる。また、第4サーミスタ28の温度検知精度を向上させるため、第2サーミスタ26や第3サーミスタ27と同様に、第4サーミスタ28の温度検知部28aは、端部発熱部60Bの傾斜部601以外の部分(端部発熱部60Bの長手方向中央側)に対応して配置されていることが望ましい。
このような非通紙領域の温度を検知する第4サーミスタ28は、第3サーミスタ27と同様、潤滑剤の温度を精度良く検知するため、図18に示すように、定着ベルト20の外周面に対向して配置されている。これにより、端部発熱部60Bの非通紙領域において過昇温が生じた場合でも、そのときの温度を第4サーミスタ28が検知することで、熱による潤滑剤の劣化を高度に抑制することが可能となる。
図18に示す例では、第4サーミスタ28が定着ベルト20に対して非接触に配置されているが、図9に示す第3サーミスタ27と同様に、第4サーミスタ28も、定着ベルト20の内周面に対して直接接触して配置されてもよい。また、第4サーミスタ28を、ニップ入口側に配置するほか、ニップ出口側に配置することも可能である。
次に、図19に示す実施形態では、用紙が誤セットされた場合でも、そのときの非通紙領域における温度上昇を第3サーミスタ27によって検知できるようにしている。具体的には、第3サーミスタ27の温度検知部27aが、中央発熱部60Aの幅L1内であって、さらに、誤セットがあった場合の通紙領域W3´よりも外側に配置されている。この誤セットがあった場合の通紙領域W3´とは、用紙P3が誤って片方の幅方向端部側に寄せられて、正規位置(図19の実線で示す位置)から幅方向にずれてセットされた場合に、その用紙P3がずれ修正されることなくそのまま搬送された際の通紙領域である。このように、本実施形態では、第3サーミスタ27の温度検知部27aが、中央発熱部60Aの幅L1内であって、さらに、誤セットがあった場合の通紙領域W3´よりも外側に配置されていることで、誤セットされた用紙P3が通紙された際の、中央発熱部60Aにおける非通紙領域の温度を第3サーミスタ27によって検知することができるようになる。
また、図19に示す例では、中央発熱部60Aの幅L1が、用紙P3と同じ幅サイズに設定されている。この場合、用紙P3が図19の実線で示される正規位置で通紙されると、第3サーミスタ27は中央発熱部60Aにおける通紙領域の温度を検知する。一方、用紙P3が図19の二点鎖線で示される誤セット位置で通紙されると、第3サーミスタ27は中央発熱部60Aにおける非通紙領域の温度を検知することになる。このように、誤セットがあった場合は、第3サーミスタ27が非通紙領域の温度を検知するようになり、誤セットの無い場合に検知される通紙領域の温度よりも基本的に高い温度が検知されるので、このときの第3サーミスタ27による検知温度の違いを確認することで、誤セットの有無を判別できるようになる。そして、誤セットであると判断された場合は、画像形成を停止し、誤セットであることを音や画面表示などでユーザに知らせることで、誤セット状態を解消することが可能となる。なお、このような誤セットの有無を判別する構成は、用紙P3の幅と中央発熱部60Aの幅L1とが同じサイズである場合に限らない。誤セットの有無に応じて第3サーミスタ27が配置されている領域が通紙領域と非通紙領域とに変化する紙種であれば、同様に第3サーミスタ27による検知温度の違いを確認することで、誤セットの有無を判別することが可能である。
続いて、図20に示す実施形態では、定着装置9が、3つのサーミスタ25,26,27のほかに、2つのサーモスタット41,42を備えている。2つのサーモスタット41,42は、発熱部60A,60Bの温度が所定温度以上であることを検知した場合に発熱部60A,60Bへの通電を遮断する通電遮断手段として機能する。具体的に、各サーモスタット41,42は、いずれもヒータ22の裏面に接触して配置されている。また、一方のサーモスタット41は、中央発熱部60Aに給電する電極部61Dに対して電気的に接続され、他方のサーモスタット42は、端部発熱部60Bに給電する電極部61Aに対して電気的に接続されている。サーモスタット41,42が発熱部60A,60Bにおける過昇温を検知すると、発熱部60A,60Bへの通電を遮断することで、それ以上のヒータ22の発熱が停止される。なお、通電遮断手段として、サーモスタットに代えて、ヒューズを用いてもよい。
また、図20に示す例のように、中央発熱部60Aが互いに並列に接続された複数の発熱ブロック59で構成されている場合、中央発熱部60Aに配置されるサーモスタット41は、第1サーミスタ25が配置される発熱ブロック59と同じ発熱ブロック59に配置されることが望ましい。このように、同じ発熱ブロック59にサーモスタット41と第1サーミスタ25とを配置することで、万が一、この発熱ブロック59が断線して、サーモスタット41では過昇温を検知することができない状況になっても、第1サーミスタ25が断線に起因する異常な温度低下を検知することで、ヒータ22の故障を把握することができるようになる。
図20に示す例では、第3サーミスタ27の温度検知部27aを、これに対して近い方のサーモスタット41から定着ベルト20の幅方向に所定間隔Gあけて配置している。各サーモスタット41,42は、その金属面がヒータ22の裏面に直接接触するように配置されているため、各サーモスタット41,42の接触箇所及びその近傍では、ヒータの22の熱が各サーモスタット41,42に吸収され、温度が低下する。このため、各サーモスタット41,42の接触箇所及びその近傍に第3サーミスタ27が配置されていると、第3サーミスタ27によって非通紙領域における最高温度を検知しにくくなる。
そこで、図20に示す例においては、第3サーミスタ27の温度検知部27aを、これに対して近い方のサーモスタット41から定着ベルト20の幅方向に離して配置し、第3サーミスタ27がサーモスタット41による温度低下の影響を受けにくくなるようにしている。第3サーミスタ27とサーモスタット41との間の距離Gは、温度低下の影響を緩和する観点から10mm以上であることが好ましく、レイアウト上の観点から30mm以下であることが好ましい。また、サーモスタットが定着ベルト20の一端部側のみに配置されている場合、これとは反対の端部側に第3サーミスタ27を配置してもよい。また、サーモスタットが接触することによる温度低下を抑制するため、サーモスタットよりも熱伝導率の小さい部材を介してサーモスタットをヒータに対して接触させてもよい。
また、図20に示す例では、定着ベルト20の内周に、第1サーミスタ25、第2サーミスタ26、第3サーミスタ27に加えて、2つのサーモスタット41,42が収容されるため、定着ベルト20内に配置される配線の数が多くなっている。このような場合、制御部又は電源部などの外部装置80に接続される全ての配線を定着ベルト20の片方の端部から外部に露出させると、特に径の小さい定着ベルト20においては配線作業が行いにくくなり、作業性が低下する虞がある。また、配線を通すスペースを確保しなければならないため、定着ベルト20の小径化を妨げることにもなる。
そのため、図20に示す例では、第1サーミスタ25、第2サーミスタ26、第3サーミスタ27及び各サーモスタット41,42に接続される複数の配線うち、一部の配線k1,k2,k3を、定着ベルト20の一端部21a側から外部に露出させ、その他の配線m1,m2,m3,m4,m5を、定着ベルト20の他端部21b側から外部に露出させている。このように、配線を、定着ベルト20の一端部側と他端部側とに分けて露出させることで、配線が1つの端部に集中することによる配線作業の低下や定着ベルト20の小径化の妨げを回避することが可能となる。
以上のように、上述の各実施形態に係る定着装置においては、ニップ部に特定幅の用紙を通過させた際に、発熱部における一部の領域が通紙領域となり、その他の領域が非通紙領域となる構成において、その非通紙領域の温度を検知するサーミスタ(第3サーミスタ27又は第4サーミスタ28)が定着ベルトの温度を検知することで、潤滑剤の温度を精度良く検知することでき、熱による潤滑剤の劣化を高度に抑制することが可能である。また、サーミスタが定着ベルトの温度を検知する位置に配置されることで、ヒータの温度を検知するように配置されたサーミスタに比べて、サーミスタの温度上昇が抑制され、劣化や破損の虞を低減できるようになる。また、サーミスタの温度上昇が抑制されることで、耐熱性の低いサーミスタを用いることができるようになり、低コスト化も図れるようになる。
また、本発明に係る構成は、PTC特性を有するヒータに適用された場合、より大きな効果を期待できる。すなわち、ヒータがPTC特性を有する場合は、非通紙領域で温度上昇すると、その部分の抵抗値が上昇し、ますます発熱量が多くなるので、温度上昇が顕著となり、潤滑剤が温度上昇しやすくなる。従って、このようなPTC特性を有するヒータを用いる構成においては、非通紙領域の温度を検知するサーミスタによって定着ベルトの温度を検知することで、潤滑剤の温度を正確かつ応答性良く検知することができ、熱による潤滑剤の劣化を高度に抑制することが可能となる。なお、上述のPTC特性に起因する非通紙領域の温度上昇は、図3に示すヒータ22のほか、図14〜図16に示す各ヒータ22など、少なくとも長手方向(用紙幅方向)に電流が流れる構成であれば同様に発生する。
また、本発明は、上述の定着装置のほか、図21〜図23に示すような定着装置にも適用可能である。以下、図21〜図23に示す各定着装置の構成について簡単に説明する。
まず、図21に示す定着装置9は、定着ベルト20に対して加圧ローラ21側とは反対側に、押圧ローラ90が配置されており、この押圧ローラ90とヒータ22とによって定着ベルト20を挟んで加熱するように構成されている。一方、加圧ローラ21側では、定着ベルト20の内周にニップ形成部材91が配置されている。ニップ形成部材91は、ステー24によって支持されており、ニップ形成部材91と加圧ローラ21とによって定着ベルト20を挟んでニップ部Nを形成している。
次に、図22に示す定着装置9では、前述の押圧ローラ90が省略されており、定着ベルト20とヒータ22との周方向接触長さを確保するために、ヒータ22が定着ベルト20の曲率に合わせて円弧状に形成されている。その他は、図21に示す定着装置9と同じ構成である。
最後に、図23に示す定着装置9では、定着ベルト20のほかに加圧ベルト92が設けられ、加熱ニップ(第1ニップ部)N1と定着ニップ(第2ニップ部)N2とを分けて構成している。すなわち、加圧ローラ21に対して定着ベルト20側とは反対側に、ニップ形成部材91とステー93とを配置し、これらニップ形成部材91とステー93を内包するように加圧ベルト92を回転可能に配置している。そして、加圧ベルト92と加圧ローラ21との間の定着ニップN2に用紙Pを通紙して加熱及び加圧して画像を定着する。その他は、図2に示す定着装置9と同じ構成である。
以上、種々の定着装置の構成について説明したが、本発明に係る加熱装置は、定着装置に適用される場合に限らない。例えば、本発明に係る加熱装置は、用紙に塗布されたインクを乾燥させるために、インクジェット方式の画像形成装置に搭載される乾燥装置にも適用可能である。さらに、本発明に係る加熱装置は、用紙を加熱対象部材として加熱する加熱装置に限らない。例えば、シートの表面に被覆部材としてのフィルムを重ねて、これらを加熱して圧着する被覆装置(ラミネータ)にも適用可能である。
9 定着装置
19 加熱装置
20 定着ベルト(ベルト部材)
21 加圧ローラ(加圧回転体)
22 ヒータ(加熱部材)
25 第1サーミスタ(通過領域温度検知手段)
26 第2サーミスタ(通過領域温度検知手段)
27 第3サーミスタ(非通過領域温度検知手段)
28 第4サーミスタ(非通過領域温度検知手段)
41 サーモスタット(通電遮断手段)
42 サーモスタット(通電遮断手段)
45 温度検知素子
46 絶縁シート
49 接着面
60 発熱部
60A 中央発熱部
60B 端部発熱部
P 用紙(記録媒体、加熱対象部材)
N ニップ部
特許第6336026号公報

Claims (17)

  1. 互いに独立して発熱制御可能な複数の発熱部を有する面状の加熱部材と、
    回転可能に設けられた無端状のベルト部材と、
    前記ベルト部材の外周面に接触してニップ部を形成する加圧回転体と、
    前記ベルト部材と前記加熱部材との間に介在する潤滑剤と、
    を備え、
    前記ニップ部に特定幅の加熱対象部材を通過させて前記加熱対象部材を加熱する際に、前記発熱部における一部の領域が、前記加熱対象部材が通過する通過領域となり、その他の領域が、前記加熱対象部材が通過しない非通過領域となる加熱装置であって、
    前記発熱部の前記非通過領域に対応する領域で、前記ベルト部材の温度を検知する非通過領域温度検知手段を備えることを特徴とする加熱装置。
  2. 前記発熱部は、幅方向の中央側よりも端部側で発熱量が低く、
    前記非通過領域温度検知手段は、前記発熱部の幅方向の中央側に対応して配置されている請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記非通過領域温度検知手段は、前記ベルト部材の回転方向における前記ニップ部よりも下流側に配置されている請求項1又は2に記載の加熱装置。
  4. 前記非通過領域温度検知手段は、前記ベルト部材の内周面の温度を検知する請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱装置。
  5. 前記非通過領域温度検知手段は、前記ベルト部材の内周面に接触して温度を検知する請求項4に記載の加熱装置。
  6. 前記ベルト部材は、基材と、前記基材の外周に設けられた弾性層と、を有する請求項4又は5に記載の加熱装置。
  7. 前記非通過領域温度検知手段は、温度を検知する温度検知素子と、前記温度検知素子と前記ベルト部材との間に介在する絶縁シートと、を有する請求項1から6のいずれか1項に記載の加熱装置。
  8. 前記温度検知素子は、前記絶縁シートによって覆われ、
    前記温度検知素子の周囲に渡って前記絶縁シート同士が接着されている請求項7に記載の加熱装置。
  9. 前記加熱部材に直接又は間接的に接触すると共に、前記発熱部の温度が所定温度以上である場合に前記発熱部への通電を遮断する通電遮断手段を備え、
    前記非通過領域温度検知手段の位置は、前記通電遮断手段の位置に対して前記ベルト部材の幅方向に10mm以上離れている請求項1から8のいずれか1項に記載の加熱装置。
  10. 前記加熱部材に直接又は間接的に接触すると共に、前記発熱部の温度が所定温度以上である場合に前記発熱部への通電を遮断する通電遮断手段を備え、
    前記非通過領域温度検知手段と前記通電遮断手段とは、互いに前記ベルト部材の反対の端部側に配置されている請求項1から8のいずれか1項に記載の加熱装置。
  11. 前記特定幅の加熱対象部材は、前記ニップ部を通過する複数種類の幅の加熱対象部材のうち、最小幅の加熱対象部材である請求項1から10のいずれか1項に記載の加熱装置。
  12. 前記非通過領域温度検知手段は、前記特定幅よりも大きい幅の加熱対象部材が正規位置から幅方向にずれて前記ニップ部を通過する際に、前記特定幅よりも大きい幅の加熱対象部材が通過しない非通過領域に対応して配置されている請求項1から11のいずれか1項に記載の加熱装置。
  13. 前記発熱部の前記通過領域に対応する領域で、前記加熱部材の温度を検知する通過領域温度検知手段を備える請求項1から12のいずれか1項に記載の加熱装置。
  14. 前記通過領域温度検知手段は、前記加熱部材に対して非接触又は部材を介して接触して温度を検知する請求項13に記載の加熱装置。
  15. 前記発熱部は、PTC特性を有し、
    前記発熱部の少なくとも一部において前記加熱部材の長手方向に電流が流れるように構成されている請求項1から14のいずれか1項に記載の加熱装置。
  16. 請求項1から15のいずれか1項に記載の加熱装置を用いて、前記加熱対象部材としての記録媒体上の画像を定着することを特徴とする定着装置。
  17. 請求項1から15のいずれか1項に記載の加熱装置、請求項16に定着装置のいずれかと、
    画像を形成する画像形成部と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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