JP2009025365A - 画像加熱用ヒータ及び画像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】PTC素子を用いた、画像加熱用の加熱体、及びこの加熱体を用いた画像加熱装置として、長期間の使用に際しての電気的接続の信頼性に優れている構成を提供する。加熱体及び画像加熱装置の非通紙部昇温を抑制して、小サイズ記録材の通紙時にプリントスピードを落としたり、記録材の通紙間隔を空けて搬送するなどパフォーマンスを落すことの無い装置を提供する。
【解決手段】記録材上に形成された画像を加熱する画像加熱装置に用いられる加熱体35であり、細長い基材41と、この基材に長手方向に沿って配置された複数個の正特性サーミスタ素子43〜4310と、その各素子に対する給電用電路と、を有し、前記素子の配列の端部側の素子43・43,43・4310は、中央部の素子43〜43とよもキュリー温度が低いこと。加熱体の温度を検知し端部側の素子43・43,43・4310のキュリー温度と同じかそれ以下で加熱体35を温度制御する。
【選択図】図10

Description

本発明は、画像加熱用ヒータ及び画像加熱装置に関する。
特に、発熱源として正特性発熱素子を用いた画像加熱用ヒータ、及びこのヒータを用いた画像加熱装置に関する。
画像加熱装置としては、例えば、電子写真方式や静電記録方式等を採用した画像形成装置において、記録材上の未定着画像を定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢度増大化装置を挙げることができる。
正特性発熱素子(正特性サーミスタ)は、温度が上がると抵抗値が上昇する素子(Positive Temperature Coefficient:以下、PTC素子と記す)である。このPTC素子は、通電すると、素子自身が有している性質(キュリー温度:キュリー点:抵抗変態点:自己平衡作用)により一定温度で発熱する。
特許文献1・2には、このようなPTC素子を発熱源として用いた複写機用ロールヒータが提案されている。これは、円筒状の回転ロール内にPTC装置を一体的に組み込むことにより構成されている。この構造では、円筒ロールとPTC素子とは一体化されているため、伝熱性に優れ、複写可能となるまでの待ち時間を短縮することが可能とされている。
実公昭64−6514号公報 実公昭64−6516号公報
しかしながら、このような従来のPTC素子を用いた画像定着装置では、PTC素子が円筒ロールに一体的に組み込まれており、円筒ロールの回転に伴って発熱源であるPTC素子も回転される。従って、PTC素子に電流を供給するための電気的接続部も回転するため、長期間の使用に際しても信頼性が充分でなく、且つ電気的接続構造が複雑化し、定着装置の大型化及び重量の増大を招くという問題があった。また、その構造が複雑であるため、組み立ても容易に行うことができないという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、PTC素子を用いた、画像加熱用ヒータ、及びこのヒータを用いた画像加熱装置として、長期間の使用に際しての電気的接続の信頼性に優れている構成を提供することにある。
さらには、ヒータ及び画像加熱装置の非通紙部昇温を抑制して、小サイズ記録材の通紙時にプリントスピードを落としたり、記録材の通紙間隔を空けて搬送するなどパフォーマンスを落すことの無い装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱用ヒータの代表的な構成は、基材と、この基材の長手方向に沿って配列された複数の正特性発熱素子と、を有する画像加熱用ヒータにおいて、基板の長手方向端部側に位置する正特性発熱素子のキュリー温度を中央部に位置する正特性発熱素子のキュリー温度よりも低く設定したことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、基板とこの基板の長手方向に沿って配列された複数の正特性発熱素子を備えたヒータと、このヒータにより加熱され記録材上のトナー画像をニップ部にて加熱する第1の回転体と、この第1の回転体に圧接してニップ部を形成する第2の回転体と、を有する画像加熱装置において、基板の長手方向端部側に位置する正特性発熱素子のキュリー温度を中央部に位置する正特性発熱素子のキュリー温度よりも低く設定したことを特徴とする。
本発明によれば、長期間の使用に際しての電気的接続の信頼性を確保できる。さらには、画像加熱用ヒータ及び画像加熱装置の非通紙部昇温を抑制して、小サイズ記録材の通紙時にプリントスピードを落としたり、記録材の通紙間隔を空けて搬送するなどパフォーマンスを落すことの無い装置が可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
(1)画像形成部
図1は画像形成装置の一例の概略構成図である。この画像形成装置は、タンデム型−中間転写ベルト方式の4色フルカラー電子写真プリンタ(カラー画像形成装置)である。
まず、記録材に画像を形成する画像形成手段である画像形成部(エンジン部)の概略を説明する。
このプリンタには、コンピュータ(パソコン)・ワークステーション・イメージリーダー等の外部装置300が接続されており、プリンタのコントローラ部(制御ユニット)100に対して外部装置300から画像処理部200を介して電気的画像情報が入力する。そして、プリンタは、その入力画像情報に応じて作像動作して、記録材P上にフルカラー画像を形成して出力することができる。
1Y・1M・1C・1Bkはプリンタ内の第1〜第4の4つの画像形成部であり、図面上、左側から右側に順に水平に対して右下がりに所定の間隔をおいて一列に配置されている。1Yはイエロー色(Y色)の画像を形成する画像形成部、1Mはマゼンタ色(M色)の画像を形成する画像形成部、1Cはシアン色(C色)の画像を形成する画像形成部、1Bkはブラック色(Bk色)の画像を形成する画像形成部である。
各画像形成部はレーザ露光方式の電子写真プロセス機構であり、それぞれ、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと略記する)2を有する。各感光ドラム2は、負帯電性のOPC感光体であり、アルミニウム製のドラム基体上に光導電層を有しており、駆動装置(不図示)によって矢印の時計方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。各感光ドラム2の周囲には、一次帯電器3、現像装置4、一次転写ローラ5、ドラムクリーナ装置6が配置されている。一次帯電器3は、電源部(不図示)から所定の帯電バイアスが印加され、感光ドラム2の表面を負極性の所定電位に均一に帯電する。
上記の各画像形成部1Y・1M・1C・1Bkの上側には中間転写ベルトユニット7が配設されている。このユニット7は、各画像形成部の感光ドラム1の上面に接触する中間転写体としての、可撓性を有するエンドレスベルト(中間転写ベルト:以下、ベルトと記す)8を有する。このベルト8は、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィルム等のような誘電体樹脂によって構成されている。そして、このベルト8は、右側の駆動ローラ9と左側のテンションローラ10との間に懸回張設されており、駆動ローラ9により、矢印の反時計方向(感光ドラム1の回転に順方向)に、感光ドラム1の速度に対応した速度で循環移動駆動される。各画像形成部1Y・1M・1C・1Bkの感光ドラム1は、その上面が、駆動ローラ9とテンションローラ10との間の下行側ベルト部分の下面に接している。また、ベルト8の内側には、下行側ベルト部分を介して各画像形成部の感光ドラム1に対向させて4個の一次転写ローラ5が配設されている。各画像形成部の感光ドラム1とベルト8との当接部が各画像形成部における一次転写部である。また、駆動ローラ9には、このローラ9を二次転写対向ローラとしてベルト8を介して二次転写ローラ20が接触している。このベルト8と二次転写ローラ20との当接部が二次転写部である。テンションローラ10のベルト懸回部には、ベルトクリーナ装置12が配設されている。
また、第1〜第4の画像形成部1Y・1M・1C・1Bkの下側にはレーザ露光装置(レーザユニット)13が配設されている。このレーザ露光装置13は、各画像形成部の感光ドラム2に対する像露光手段であり、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザ発光手段、ポリゴンミラー、反射ミラー等で構成されている。レーザ露光装置13は、各画像形成部の感光ドラム2の均一帯電面を露光することによって各色の画像情報に応じた静電潜像を形成する。各画像形成部の現像装置4には、それぞれ、Y色トナー、C色トナー、M色トナー、Bk色トナーが収納されていて、各画像形成部の各感光ドラム上に形成される各静電潜像に各色のトナーを付着させてトナー画像として現像(可視像化)する。イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
コントローラ部100は外部装置300から画像処理部200を介して入力したカラー色分解画像信号に基づいて、各画像形成部1Y・1M・1C・1Bkを作像動作させる。これにより、第1〜第4の画像形成部1Y・1M・1C・1Bkにおいて、それぞれ、回転する感光ドラム2の面に対して所定の制御タイミングで、Y色、M色、C色、Bk色の色トナー画像が形成される。
各画像形成部の感光ドラム2の面に形成される上記の色トナー画像はそれぞれ一次転写部にて、各感光ドラム2の回転方向と順方向に、且つ各感光ドラム2の回転速度に対応した速度で回転駆動されているベルト8の外面に対して順次に重畳転写される。これにより、ベルト8の面に上記の4つの色トナー画像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。各画像形成部の一次転写ローラ5には、所定の制御タイミングにて電源部(不図示)から、トナーの帯電極性とは逆極性の所定の一次転写バイアスが印加される。これにより、感光ドラム表面のトナー画像がベルト8の外面に対して静電転写される。各画像形成部のドラムクリーナ装置6は、クリーニングブレード等で構成され、感光ドラム2上の一次転写残トナーを感光ドラム表面から掻き落とし感光ドラム表面を清掃する。
即ち、プリンタに接続されたパソコンなどの外部装置300から画像形成開始信号が発せられると、コントローラ部100は、各画像形成部1Y・1M・1C・1Bkを動作させて、各感光ドラム上に静電潜像を形成させる。副走査方向の画像形成タイミングは、ベルト8の回転方向において一番上流にある第1の画像形成部、本実施例ではY色画像形成部1Yの感光ドラム2から順に、各画像形成部間の距離に応じて決定され、制御される。また、各画像形成部の感光ドラム2の主走査方向の書き出しタイミングについては図示しない回路動作により1つのBDセンサ信号(本実施例では、第4の画像形成部1Bkに配置されている)を用いて、擬似BDセンサ信号を生成し制御する。形成された静電潜像は、前述したプロセスにより現像される。そして前記一番上流にある第1の画像形成部1Yの感光ドラム2上に形成されたY色トナー画像が一次転写部において一次転写ローラ5によりベルト8に一次転写される。一次転写されたY色トナー画像は次の第2の画像形成部1Mの一次転写部まで搬送される。第2の画像形成部1Mでは前記したタイミング信号により、各画像形成部間をトナー画像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われており、前画像の上にレジストを合わせて次のM色トナー画像が転写される事になる。以下も同様の工程が繰り返され、結局、Y色・M色・C色・Bk色の4色のトナー画像がベルト8上に順次に重畳されて一次転写される。
一方、所定の給紙タイミングにて、記録材Pを積載収容させた給紙カセット14のピックアップローラ(不図示)が駆動されて、給紙カセット14に積載収納されている記録材Pが1枚分離給紙される。そして、その記録材Pが給紙ローラ15によって縦搬送パス18を通ってレジストローラ19に搬送される。また、手差し給紙が選択されているときには、ピックアップローラ(不図示)が駆動されて、手差しトレイ(マルチ・パーパス・トレイ)16上に積載セットされている記録材が1枚分離給紙される。そして、その記録材Pが給紙ローラ17によって縦搬送パス(給紙ガイド)18を通ってレジストローラ19に搬送される。
レジストローラ19は、前記の画像形成部の画像形成タイミングに合わせて記録材Pを二次転写部に送り出す。即ち、回転するベルト8上に形成された上記のフルカラートナー画像の先端が二次転写部に到達するタイミングに合わせて記録材Pの先端部が二次転写部に到達するように記録材Pをタイミング搬送する。これにより、二次転写部において、ベルト8上のフルカラーのトナー画像が一括して記録材Pの面に順次に二次転写されていく。二次転写ローラ20には、所定の制御タイミングにて電源(不図示)から、トナーの帯電極性とは逆極性の所定の二次転写バイアスが印加される。これにより、ベルト8の表面のトナー画像が記録材Pに対して静電転写される。
即ち、プリンタに接続されたパソコンなどの外部装置300から画像形成開始信号が発せられると、コントローラ部100は、選択された給紙カセット14もしくは手差しトレイ16から給紙動作を開始する。たとえば、給紙カセット14から給紙された場合について説明すると、まずピックアップローラにより、給紙カセット14から記録材Pが一枚ずつ送り出される。そして、その記録材Pが縦搬送パス18で案内されてレジストローラ19まで搬送される。その時、レジストローラ19は停止されており、記録材先端はニップ部に突き当たる。その後、画像形成部が画像の形成を開始するタイミング信号に基づいてレジストローラ19は回転を始める。そして、レジストローラ19により搬送された記録材Pが二次転写部に進入しベルト8に接触すると、記録材Pの通過タイミングに合わせて二次転写ローラ20に二次転写バイアスが印加される。これにより、前述したプロセスによりベルト8上に形成された4色のトナー画像が記録材Pの表面に二次転写転写される。
二次転写部を出た記録材は、ベルト8の面から分離され、縦搬送ガイド21によって、画像加熱装置としての定着装置(定着ユニット)22の定着ニップ部に正確に案内される。そして、この定着装置22により、上記の複数色のトナー画像が溶融混色されて記録材表面に固着像として定着される。定着装置22を出た記録材Pはフルカラー画像形成物として搬送パス23を通って外排紙ローラ24により排紙トレイ25上に送り出される。これにより、一連の画像形成動作を終了する。
二次転写部にて記録材分離後のベルト8の面はベルトクリーナ装置12により二次転写残トナー等の残留付着物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。
モノ黒プリントモードの場合には、ブラックトナー画像を形成する第4の画像形成部Bkのみが作像動作制御される。また、両面プリントモードが選択されている場合には、第1面プリント済みの記録材が排紙ローラ24により排紙トレイ25上に送り出されていき、後端部が排紙ローラ24を通過する直前時点で排紙ローラ24の回転が逆転に変換される。これにより、記録材Pはスイッチバックされて再搬送パス26に導入される。そして、表裏反転状態になって再びレジストローラ19に搬送される。以後は、第1面プリント時と同様に、二次転写部、定着装置22に搬送されて、両面プリント画像形成物として排紙トレイ25上に送り出される。
本実施例のプリンタは、第1〜第4の画像形成部1Y・1M・1C・1Bkを中間転写ベルト8の回転方向において、上流側からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に配置したが、これは装置の特性で決定されるもので、この色順に限られない。
(2)コントローラ部100
コントローラ部(制御ユニット)100は、プリンタを統括制御する制御手段としての制御回路部であり、外部装置300との電気的信号の授受、プリンタのエンジン部の各種プロセス機器との電気的信号の授受をして、作像シーケンンス制御を行う。コントローラ部100は、プリンタエンジン部の機構の動作を制御するための制御基板やモータドライバ基板(不図示)などから成る。
図2はコントローラ部100・画像処理部200・外部装置300のブロック図である。コントローラ部100において、101はプリンタ全体の制御を行うCPUであり、プリンタ本体の制御手順(制御プログラム)を記憶した読み取り専用メモリ(ROM)103からプログラムを順次読み取り、実行する。CPU101のアドレスバス及びデータバスは、バスドライバ回路及びアドレスデコーダ回路102を経て各負荷に接続されている。また、104は入力データの記憶や作業用記憶領域等として用いる主記憶装置であるところのランダムアクセスメモリ(RAM)である。
106はI/Oインターフェースであり、操作者がキー入力を行い、プリンタの状態等を液晶、LEDを用いて表示する操作パネル151に接続される。また、I/Oインターフェース106は、プリンタの給紙系・記録材搬送系・光学系の駆動を行うモータ類107、クラッチ類108、ソレノイド類109、また、搬送される記録材Pを検知するための紙検知センサ類110等のプリンタの各負荷に接続される。
また、各画像形成部1Y・1M・1C・1Bkの現像装置4には、現像器内のトナー量を検知するのトナー残検センサ(トナーセンサ)111が配置されており、その出力信号がI/Oポート106に入力される。さらに、各負荷のホームポジション、ドアの開閉状態等を検知するためのスイッチ類112の信号もI/Oポート206に入力される。
113は高圧ユニット(電源部)であり、CPU101の指示に従って、一次帯電器2、現像装置4、転写前帯電器、一次転写ローラ5、二次転写ローラ20、分離帯電器等へ所定のバイアスを出力する。
35は後述する定着装置22における、PTC素子を配列した基材で形成される加熱体(ヒータ)であり、オン・オフ信号によってAC電圧が供給される。
200は画像処理部であり、この画像処理部にもCPU等を搭載している。そして、画像処理部200は、コントローラ部100の前記CPU101とシリアル信号などで接続されており、通信を行い、プリンタエンジン部への出力タイミング等のやり取りを行う。また、接続されたパソコンなどの外部装置300から出力された画像信号が入力されると、画像処理を行い、エンジン部へ画像データを出力する。
コントローラ部100は画像処理部300からの画像データに従ってレーザ露光装置(レーザユニット)13を制御してレーザ光を出力させ、感光ドラム2を照射して露光する。これととともに、非画像領域において受光センサであるところのビーム検知センサ13aによって発光状態が検知され、その出力信号がI/Oポート106に入力される。
(3)定着装置22
以下の説明において、定着装置(画像加熱装置)22又はこれを構成している部材について長手方向とは記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向に並行な方向である。短手方向とはその長手方向に直交する方向である。また、定着装置22に関して、正面とは記録材導入側の面、左右とは装置を正面から見て左又は右である。記録材の幅とは記録材面において記録材搬送方向に直交する方向の記録材寸法である。
図2は図1における定着装置22部分の拡大横断面模式図である。図3の(a)と(b)は定着装置22の正面図と縦断正面図である。
この定着装置22は、基本的には特開平4−44075〜44083、4−204980〜204984号公報等に開示のフィルム(ベルト)加熱方式・加圧回転体駆動方式(テンションレスタイプ)のオンデマンド定着装置である。
31は加熱部材(定着部材)としてのフィルムアセンブリ、32は加圧部材としての弾性加圧ローラ(第2の回転体:加圧回転体)である。このフィルムアセンブリ31と加圧ローラ32の両者の圧接によりニップ部(定着ニップ部)Nが形成されている。
フィルムアセンブリ31において、33は円筒状(エンドレスベルト状、スリーブ状)で、可撓性を有する定着フィルム(第1の回転体:可撓性部材)である。34は横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有するフィルムガイド部材(バックアップ部材、ヒータホルダ:以下、ガイド部材と略記する)である。35は画像加熱用ヒータ(加熱体:以下、ヒータと記す)であり、ガイド部材34の外面に、該部材の長手に沿って設けた凹溝部に嵌め入れて固定して配設してある。ヒータ35は、定着フィルム33・記録材Pの移動方向に直交する方向を長手とする、全体に低熱容量で熱応答性の高い、横長・肉薄の線状加熱体(面発ヒータ)である。このヒータ35の構成については後述する。
定着フィルム33はヒータ35を取り付けたガイド部材34に対してルーズに外嵌させてある。36は横断面コ字型の剛性加圧ステイ(コの字板金:以下、ステイと略記する)であり、ガイド部材34の内側に配設してある。37はステイ36の左右両端部の外方突出腕部36aにそれぞれ嵌着した端部ホルダ、37aはこの端部ホルダ37と一体のフランジ部である。
定着フィルム33は、通常、耐熱性樹脂フィルムや金属フィルムをベース層にして、これに、弾性層、離型層等を付加した複合層構造体であり、肉薄で、可撓性を有し、全体的に高熱伝導率・低熱容量の部材である。本実施例では、この定着フィルム33は、金属を基材とし、その上に300μmほどのゴム層、さらにフッ素表面処理を施したフィルムを積層した複合層構造である。この定着フィルム33は、熱容量が極めて小さく、定着ニップ部Nのみでヒータ35の熱を記録材Pに伝える。
加圧ローラ32は定着フィルム33を摩擦駆動するローラであり、芯金32aに、シリコーンゴム等の弾性層32bを設けて硬度を60°程度に下げたものである。表面性を向上させるために、さらに外周に、PTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂層32cを設けてもよい。加圧ローラ32は、芯金32aの左右両端部を装置フレーム38の左右の側板38L・38R間に軸受部材39を介して回転自由に軸受保持させて配設してある。この加圧ローラ32に該ローラを加熱するための熱源を備える場合もある。
上記の加圧ローラ32に対して、フィルムアセンブリ31を、ヒータ35側を対向させて並行に配列する。そして、左右の端部ホルダ37を、それぞれ、不図示の加圧機構により所定の力Fで加圧ローラ32の軸線方向に附勢する。加圧力は180N程度である。これにより、ヒータ35の面を定着フィルム33を介して加圧ローラ32に対して弾性層32bの弾性に抗して圧接させて、画像定着に必要な、記録材搬送方向に関して所定幅の定着ニップ部Nを形成させてある。即ち、第2の回転体としての加圧ローラ32との間で第1の回転体としての定着フィルム33を挟み込むようにヒータ35を設置している。加圧機構は、圧解除機構を有し、ジャム処理時等に加圧を解除して、定着ニップ部Nに挟み込まれている記録材Pの除去が容易な構成となっている。
Gは加圧ローラ32の芯金32aの一端部に固着したドライブギアである。このギアGに定着モータM1の回転力が不図示の動力伝達機構を介して伝達されることで、加圧ローラ32が図2において矢印の時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ32の回転駆動により、加圧ローラ32と定着フィルム33の外面との定着ニップ部Nにおける摩擦力で定着フィルム33に回転力が作用する。これにより、定着フィルム33が、その内面が定着ニップ部Nにおいて、不動のガイド部材34に固定して支持されている不動のヒータ35の表面に密着して摺動しながら矢印の反時計方向にガイド部材34の外回りを回転する。定着フィルム33は加圧ローラ32の回転周速度にほぼ対応した周速度をもって回転する。即ち、定着フィルム33が固定のヒータ35の表面に接触しつつ移動する。左右のフランジ部37aは、回転する定着フィルム33がガイド部材34の長手に沿って左方又は右方に寄り移動したとき寄り側のフィルム端部を受け止めて移動を規制する役目をする。定着フィルム33の内面にはグリス(潤滑剤)を塗布して、ヒータ35・ガイド部材34に対する定着フィルム33の摺動性を確保している。ヒータ35の定着フィルム摺動面に対してフッ素樹脂層などの滑性部材層を設けることもできる。
定着ニップ部Nに導入された記録材Pは、加圧ローラ32と定着フィルム33の回転により挟持搬送される。本実施例では、記録材Pの搬送は記録材中心の、いわゆる中央基準搬送で行われる。すなわち、装置に通紙使用可能な大小いかなる幅の記録材も、記録材幅方向中央部が定着フィルム33の長手方向中央部を通過することになる。Sはその記録材中央通紙基準線(仮想線)である。
THはヒータ35の温度を検知する温度検出手段としてのサーミスタであり、定着温度制御のための温度を検知している。このサーミスタTHは、大小いかなる幅の記録材も通紙部となるヒータ部分の温度を検出するように、ヒータ長手方向のほぼ中央部位置においてヒータ裏面側(ヒータの定着フィルム摺動面側とは反対面側)に対して接触させて配設してある。
ヒータ35の左右両端部にはそれぞれ給電用コネクタ40L・40Rが嵌着される。これにより、各コネクタ40L・40R側の給電用接点40L−a・40R−a(図5)が、ヒータ35の左右両端部側に具備させた受電用電極部46L・46Rに電気的に接触する。この接触により、ヒータ35と、後述する電力供給部としてのヒータ駆動回路700(図9)とがコネクタ40L・40Rを介して連絡している。そして、ヒータ駆動回路700からヒータ35に通電がなされると、ヒータ35がその長手方向の有効発熱幅W(図11)の全域において急速に昇温する。そのヒータ温度がサーミスタTHにより検出され、ヒータ温度に関する電気的情報がコントローラ部100に入力する。コントローラ部100はサーミスタTHで検出されるヒータ温度が所定の定着温度に維持されるようにヒータ駆動回路700を制御してヒータ35を温調する。コントローラ部100とヒータ駆動回路700が、温度検出手段であるサーミスタTHにより検出された温度情報に基づいて、加熱体であるヒータ35を所定温度に保つように、後述するPTC素子43〜4310に対する通電を制御する通電制御手段である。
コントローラ部100は、外部ホスト装置300からのプリント信号あるいは他の制御信号に基づいて、定着モータ駆動回路を制御して、加圧ローラ32の回転駆動を開始させる。また、ヒータ駆動回路700を制御して、ヒータ35のヒートアップを開始させる。定着フィルム33の回転速度が定常化し、ヒータ35の温度が所定に立ち上がった状態において、二次転写部側から定着ニップ部Nに未定着トナー画像を担持した記録材Pが導入される。記録材Pのトナー画像担持面側が定着フィルム33に対面する。記録材Pは定着ニップ部Nにおいて定着フィルム33を介してヒータ35に密着して定着ニップ部Nを定着フィルム33と一緒に移動通過していく。その移動通過過程においてヒータ35で加熱される定着フィルム33により記録材Pに熱が付与されて記録材上に形成されたトナー画像が加熱されて定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着フィルム33の面から分離されて排出搬送される。
即ち、この定着装置22は、ヒータ35と、このヒータにより加熱され記録材上のトナー画像をニップ部Nにて加熱する定着フィルム(第1の回転体)33と、この定着フィルムに圧接してニップ部を形成する加圧ローラ(第2の回転体)32と、を有する。
(3)ヒータ35
図5の(a)はヒータ35の表面側の平面図である。(b)はヒータ35の裏面側の平面部、(c)はヒータ35の長手方向の側面図、(d)は(b)におけるd−d線に沿う拡大横断面図である。図6はヒータ35の分解斜視図である。ヒータ35の表面側とは、定着フィルム33の内面が摺動移動する側の面である。
このヒータ35は、基本的には、細長い基材と、この基材に長手方向に沿って配列された、発熱源としての、複数個の正特性発熱素子(以下、PTC素子と記す)と、その各PTC素子に対する給電用電路と、を有している。そして、基板の長手方向端部側に位置するPTC素子のキュリー温度を中央部に位置するPTC素子のキュリー温度よりも低く設定したことを特徴としている。
図5・図6に示したヒータ35は、第1と第2の2枚の細長い基材41と42の間に、基材の長手方向に沿って複数個のPTC素子43を所定の間隔で配列して、サンドイッチに挟み込んだ構成である。第1と第2の基材41と42は、熱伝導率の高い、耐熱性、電気絶縁性を有する部材で構成してある。例えば、窒化アルミニウム・アルミナなどのセラミックである。絶縁層をコートした金属部材を用いることもできる。PTC素子43の数は3個以上にすることができる。本実施例では10個のPTC素子43〜4310を図面上左から右に所定の間隔を空けて配列してある。この10個のPTC素子43〜4310は一例であり、配置されるPTC素子43の数はヒータ35の長手方向の長さ、すなわち、搬送される記録材等のサイズで決定される。
本実施例のヒータ35は、第1の基材41側をヒータ表面側とし、第2の基材42側をヒータ裏面側としている。表面側である第1の基材41の外面が定着フィルム33の内面が摺動移動する面である。裏面側である第2の基材42の外面の長手中央部にはヒータ35の温度を検知する温度検出手段としてのサーミスタTHを接触させて配設してある。44・45はサーミスタTHと電気的に導通させたリード電路であり、第2の基材42の外面に圧膜印刷によって導体パターンとして形成してある。44a・45bはリード電路44・45の端部の電極部である。
図7の(a)は、1つのPTC素子43の平面図・正面図・右側面図であり、(b)は外観斜視図である。各PTC素子43は、例えばチタン酸バリウム系のPTC材料を矩形板状に成形して焼成した主体43aと、その表裏両面側に形成した銀などの電極層43b・43bと、を有している。
図8により、上記ヒータ35の作成要領を説明する。
(a):第1の基材41の内面側に、短手方向中央部に長手に沿って、給電用電路としての、所定幅の帯状の電極パターン46を形成する。
(b):その電極パターン46上に、接着ペースト層47を施す。この場合、第1の基材41の内面に配置される各PTC素子43〜4310の電極層43bに対応する電極パターン部分にはペーストをかけないように、接着ペースト層47をパターン形成する。また、電極パターン46の左端部は受電用電極部46Lとしてペーストをかけないように、接着ペースト層47をパターン形成する。
(c):この第1の基材41の内面に、長手に沿って各PTC素子43〜4310を配列して接着ペースト層47を介して接着させる。この場合、各PTC素子43〜4310の第1の基材41に対向する側の面の電極層43bが、パターン形成されている接着ペースト層47から露出している電極パターン部分に電気的に接触するように配置される。
(d):第2の基材42の内面側にも、第1の基材41の(a)と(b)の場合と同様に、給電用電路として、所定幅の帯状の電極パターン46を形成し、更に接着ペースト層47をパターン形成する。この場合、電極パターン46の右端部は受電用電極部46Rとしてペーストをかけないようにしている。
(e):その第2の基材42を、PTC素子43〜4310を配置した第1の基材41の上に位置合わせして重ねて押圧する。これにより、各PTC素子43〜4310が接着ペースト層47を介して第2の基材42の内面側に接着される。この場合、各PTC素子43〜4310の第2の基材42に対向する側の面の電極層43bが接着ペースト層47から露出している電極パターン46の部分に電気的に接触する。
上記の(a)〜(e)の手順により、第1と第2の2枚の基材41と42の間に、基材の長手方向に沿って複数個、本実施例では10個のPTC素子43〜4310を所定の間隔で配列して、サンドイッチに挟み込んだ形態のヒータ35が形成される。
(f):このヒータ35の等価回路図である。第1の基材41側の給電用電路である電極パターン46と、第2の基材42側の給電用電路である電極パターン46は各43〜4310を電気的に並列に接続している。
ヒータ35の左右両端部にはそれぞれ給電用コネクタ40L・40Rが嵌着される(図5)。これにより、各コネクタ40L・40R側の給電用接点40L−a・40R−a(図5)が、ヒータ35の左右両端部側に具備させた受電用接点46L・46Rに電気的に接触する。そして、給電部であるヒータ駆動回路700から各PTC素子43〜4310へのAC通電が可能となる。このAC通電ラインが1次ラインである。また、ヒータ35の右端部に給電用コネクタ40Rが嵌着されることで、このコネクタ40Rに具備させた温調用接点(不図示)が、サーミスタTHのリード電路44・45の端部電極部44a・45aに電気的に接触する。これにより、サーミスタTHとコントローラ部100とが電気的に連絡してDCライン(2次ライン)が構成され、サーミスタTHで検知されるヒータ35の温度に関する情報がコントローラ部100に入力する。
このように、PTC素子を用いたヒータ35は、不動のガイド部材34に固定して支持されている不動の部材であるから、PTC素子に電流を供給するための電気的接続部は非回転・非摺動構造となる。従って、長期間の使用に際して信頼性が高く、且つ電気的接続構造も単純化し、定着装置の大型化及び重量の増大を押えることができる。また、その構造が簡素であるため、組み立ても容易に行うことができる。これにより、PTC素子を用いた、画像加熱用の加熱体、及びこの加熱体を用いた画像加熱装置として、長期間の使用に際しての電気的接続の信頼性に優れている構成を提供することができる。
図10において、P1は装置に通紙使用可能な最大幅の記録材(以下、大サイズ記録材と記す)、P2はそれよりも幅の小さい記録材(以下、小サイズ記録材と記す)である。Wはヒータ35の有効発熱幅である。WP1は大サイズ記録材P1の通紙領域、WP2は小サイズ記録材P2の通紙領域である。W>WP1>WP2の関係である。矢印aはは記録材Pの搬送方向、Sは記録材Pの中央通紙基準線(仮想線)である。
本実施例においては、ヒータ35の上記10個のPTC素子43〜4310の配列において、左端部側の2個のPTC素子素子43・43及び右端部側の2個の素子43・4310と、中央部の素子43〜43とはキュリー点の違うものを用いる。即ち、基材上にキュリー温度の違うPTC素子を並べることでヒータの長手方向に温度分布を持たせる。基材上にキュリー温度の違うPTC素子を並べる際に、中央部に配置するPTC素子よりも端部に配置するPTC素子をキュリー温度が低いものにする。温調温度は端部に配置したPTC素子のキュリー温度と同じかそれ以下で制御を行う。この構成により、小サイズ記録材の通紙時も端部昇温(非通紙部昇温)を防止でき、小サイズ記録材の場合においてプリントスピードを落とすなどの制御を必要としない。
本実施例では、
[端部側の素子43・43,43・4310のキュリー温度]
<「中央部の素子43〜43のキュリー温度]
になるようにPTC素子を選定して配列する。
ヒータ35の温調温度は、端部に配置したPTC素子43・43,43・4310のキュリー温度と同じかそれ以下で制御を行う。
さらに、端部側の素子43・43,43・4310のキュリー温度に関しては、小サイズ記録材P2が搬送された場合においても、定着フィルム33にダメージを与えない温度で設定される。
また中央部の素子43〜43のキュリー温度に関しては、プリント速度、トナー融点、加圧力、定着フィルムの熱伝導率等から必要な熱容量に応じて決定される。
図10は温調制御を行わずに前記構成のヒータ35に給電した時のヒータ長手に沿う熱分布を示した図である。A点はヒータ中央部に配置される素子43〜43のキュリー温度、B点はヒータ端部に配置される素子43・43,43・4310のキュリー温度を示す。素子43〜43のキュリー温度(A点)は例えば235℃程度、素子43・43,43・4310のキュリー温度(B点)は例えば220℃程度の設定である。
ヒータ温調用のサーミスタTHは、ヒータ中央部に配置される。コントローラ部100は、このサーミスタTHで検知された温度に応じてヒータ駆動回路700を制御してヒータ35への通電制御を行なう。
ヒータ35が温調制御されている際に、小サイズ搬送材P2を記録材Pを搬送した場合には、ヒータ35の長手に沿う熱分布は図11のようになる。端部側の素子43・43,43・4310にキュリー温度の低い素子を用いたヒータ構成をとることで、小サイズ記録材P2を搬送させた場合においても、ヒータ端部において昇温(非通紙部昇温)を押さえることができる。ヒータの端部側の素子43・43,43・4310はオフになるが中央部からの熱が伝わる。そのため、制御はされないが、ヒータ端部は図11のような温度分布になる。
図12に、端部と中央部の共に、同じキュリー温度のPTC素子43〜4310を配列したヒータ35Aに小サイズ記録材P2を搬送した場合のヒータ長手に沿う熱分布を示す。
この構成の場合、ヒータ端部が昇温してしまう為、端部の温度を検出する為のサブサーミスタTH−Aを配置する必要がある。サブサーミスタTH−Aにおいて温度検知を行い、端部の温度が規定以上の温度を検知した場合には記録材P2の搬送を中止して温度が下がるのを待つ。温度が下がったのを検知したら再度再開する。
これに対して、本実施例のように、複数個のPTC素子の配列の端部側の素子は、中央部の素子よもキュリー温度が低い関係にする。これにより、小サイズ記録材P2を搬送させた場合においても、ヒータ端部の温度上昇が抑えられる為、端部の温度を検知するサブサーミスタTH−Aは不必要となる。
本実施例の定着装置22のヒータ35は、図8の(f)のように、給電用電路46・46は各PTC素子43〜4310を電気的に並列に接続している。そして、ヒータ35の温度検出手段THをヒータ35に1つだけ配置し、通電制御手段を1つだけ有し、前記各PTC素子43〜4310を同時に制御する構成である。これにより、定着装置構成を簡素化することができる。
本実施例のヒータ35は、複数個のPTC素子43〜4310を2枚の基材41・42で挟むような構成を示すが、加圧ローラ32側にのみ基材41を用いて、もう一方を電極のみにする構成でも良い。
図9は、ヒータ駆動回路700の回路構成を示す図である。このヒータ駆動回路は、プリンタ全体に電力を供給する交流電源701、この交流電源701にACフィルタ702を介して接続されたヒータ35、ACフィルタ702及びヒータ35間に接続されたトライアック704、抵抗705・706を有する。また、この抵抗705・706間に直列接続されたフォトトライアックカプラ707、このフォトトライアックカプラ707に一端が接続された抵抗708、フォトトライアックカプラ707にコレクタ端子を接続したトランジスタ709を有する。また、このトランジスタ709のベース端子に接続された抵抗710を有する。この抵抗710の一端は、コントローラ部100のCPU101にI/Oインターフェースを介して接続されている。
商用電源等の交流電源701は、ACフィルタ702を介してヒータ501へ電力を供給することによりヒータ35を発熱させる。このヒータ35への供給電力は、トライアック704により通電、遮断が行われる。抵抗705・706は、トライアック704のためのバイアス抵抗であり、また、フォトトライアックカプラ707は、1次ライン、2次ライン間の沿面距離を確保するためのデバイスである。フォトトライアックカプラ707の発光ダイオードに通電することによりトライアック704がオンされる。抵抗708は、フォトトライアックカプラ707の電流を制限するための抵抗であり、トランジスタ709によりオン/オフされる。トランジスタ709は、抵抗710を介してCPU201からのON信号にしたがって動作する。
プリンタに接続されたパソコンなどの外部装置300から画像形成開始信号が発せられると、コントローラ部100のCPU101はヒータ駆動回路部700をONしてヒータ35への通電を開始させる。同時にサーミスタTHでヒータ温度の検知を行い、このサーミスタTHにより検出された温度情報に基づいて、ヒータ駆動回路部700をオン/オフを制御してヒータ温度を所定温度(定着温度)一定に保つように温調する。温調温度はプリント速度、トナー融点、加圧力、フィルム熱伝導率等から決定される。プリンタの画像形成動作は、記録材Pが定着装置22に突入すると同時に定着装置が温調温度に達するように行われる。画像形成中も常に温度が一定になるように通電制御手段100・700で制御される。画像形成動作終了後にヒータ35への通電をオフして定着制御を終了する。
(4)定着装置の他の構成例
図13の(a)・(b)・(c)はそれぞれフィルム加熱方式の定着装置(画像加熱装置)の他の構成形態例を示したものである。
(a)のものは、ガイド部材34に支持させたヒータ35と、駆動ローラ51と、従動ローラ(テンションローラ)52の3部材間にエンドレスベルト状の定着フィルム(第1の回転体)33を懸回張設して駆動ローラ51により回転駆動させる構成のものである。
(b)のものは、ガイド部材34に支持させたヒータ35と駆動ローラ51の2部材間にエンドレスベルト状の定着フィルム(第1の回転体)33を懸回張設して駆動ローラ51により回転駆動させる構成のものである。
(c)のものは、定着フィルム33として、エンドレスベルト状のものではなく、ロール巻きにした長尺の有端フィルムを用い、これを繰り出し軸53側からヒータ35を経由させて巻き取り軸54側へ所定の速度で走行させるように構成したものである。
本発明の画像加熱装置は、定着装置22としてばかりではなく、その他、例えば、画像を担持した記録材を加熱して表面性(つや等)を改質する装置、仮定着処理する装置等の画像加熱装置として広く使用できることは勿論である。
また、本発明はフィルム加熱方式の画像加熱装置としてばかりではなく、不動のヒータ支持体(加熱体支持体)に固定して支持させた加熱体を記録材に直接接触させて加熱する構成の装置等にも適用できることは勿論である。
記録材の通紙基準は片側基準にすることもできる。この場合のPTC素子の配列の端部側は、小サイズ記録材を通紙したときに非通紙部となる側の素子である。
実施例の画像形成装置の模式断面図 制御系統のブロック図 定着装置部分の拡大横断面図 (a)は定着装置の正面図、(b)は定着装置の縦断正面図 PTC素子を用いたヒータの構成図 PTC素子を用いたヒータの分解斜視図 PTC素子の構成図 PTC素子を用いたヒータの作成要領説明図 ヒータ駆動回路図 ヒータの温度分布を示す図(その1) ヒータの温度分布を示す図(その2) ヒータの温度分布を示す図(その3) 定着装置の他の構成例の図
符号の説明
1Y・1M・1C・1Bk・・画像形成部、2・・感光ドラム(像担持体)、3・・一次帯電器(帯電手段)、4・・現像装置(現像手段)、5・・転写ローラ(一次転写手段)、6・・ドラムクリーナ装置(クリーナ手段)、13・・露光装置(露光手段)、7・・中間転写ベルトユニット、8・・中間転写ベルト、9・・二次転写対向ローラ、10・・テンションローラ、20・・二次転写ローラ(二次転写手段)、22定着装置(定着手段)、14・・給紙カセット、18・・搬送パス、24・・排紙ローラ(排出手段)、25・・排紙トレイ、100・・DCコントローラ部、101・・CPU、115・・PWM部、200・・画像処理部、300・・ホストコンピュータ(外部装置)、35・・ヒータ(加熱体)、33・・定着フィルム、32・・加圧ローラ、701・・交流電源、702・・ノイズフィルター、704・・トライアック、707・・フォトトライアックカプラ

Claims (4)

  1. 基材と、この基材の長手方向に沿って配列された複数の正特性発熱素子と、を有する画像加熱用ヒータにおいて、
    基板の長手方向端部側に位置する正特性発熱素子のキュリー温度を中央部に位置する正特性発熱素子のキュリー温度よりも低く設定したことを特徴とする画像加熱用ヒータ。
  2. 基板とこの基板の長手方向に沿って配列された複数の正特性発熱素子を備えたヒータと、このヒータにより加熱され記録材上のトナー画像をニップ部にて加熱する第1の回転体と、この第1の回転体に圧接してニップ部を形成する第2の回転体と、を有する画像加熱装置において、
    基板の長手方向端部側に位置する正特性発熱素子のキュリー温度を中央部に位置する正特性発熱素子のキュリー温度よりも低く設定したことを特徴とする画像加熱装置。
  3. 上記第2の回転体との間で上記第1の回転体を挟み込むように上記ヒータを設置したことを特徴とする請求項2の画像加熱装置。
  4. 上記第1の回転体はフィルムであることを特徴とする請求項2又は3の画像加熱装置。
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JP2018146957A (ja) * 2017-03-06 2018-09-20 キヤノン株式会社 ヒータおよび像加熱装置
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