JP2011180216A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、直前ジョブと定着条件の異なるプリントジョブを、定着温度変更待ち時間無しに即座に開始可能であり、かつ、定着装置の寿命低下や、画像品位の低下のない画像形成装置を提供することである。
【解決手段】ジョブ受け付け時の定着部材40の温度が、記録材Pを画像形成速度と略同等の定着速度で定着する場合の適切な温度よりも高い場合、定着速度を画像形成速度より速くしてジョブを開始し、ジョブ中の定着手段の温度低下に対応して定着速度を順次低下させ、定着部材40の温度が、記録材Pを画像形成速度と略同等の定着速度で定着する場合の適切な温度まで低下した時以降は、画像形成速度と略同等の定着速度で定着する。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば電子写真方式を利用して画像を記録材に形成してハードコピーを得る複写機・ファクシミリ・プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
従来、転写方式の電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置では、画像形成部において像担持体である電子写真感光体や静電記録誘電体、あるいは中間転写体に形成されたトナー画像を記録材に静電転写し、定着装置で溶融定着する方法を用いている。従来、この様な画像形成装置は、主にレーザービームプリンターや複写機などのオフィスでの使用が一般的であった。近年、電子写真方式の画質の向上や安定性の向上に加え、これまでオフセット方式が主流であった印刷分野においても、納期の短縮や印刷部数の少数化などの要望から、電子写真方式が注目されている。具体的にはオンデマンド印刷とよばれる軽印刷分野において、すでに電子写真方式の画像形成装置が普及し始めている。この様なオンデマンド印刷市場に対応するためには、高い生産性と、多様な記録材への対応が要望されている。
記録材の種類に応じて定着装置でトナーを溶融するためには、最適な定着条件が異なるため、記録材の種類によって定着条件を可変する定着装置が必要となってくる。従来のオフィス向けの画像形成装置においては、厚紙等、トナー画像の定着に多くの熱量を必要とする記録材に定着する場合には、定着速度を遅くしたり、定着手段の温度を上げたりして、記録材に与える熱量を増やす(特許文献1)。これにより、最適な定着条件を得ている。
特開2009−271231号公報
しかし、定着速度を遅くすると、画像形成装置の生産性が低下してしまう。また、記録材により定着温度を変更する場合には、前のプリントジョブ(前ジョブ)と異なる紙種のプリントを行う場合、定着温度の切り換えが終了するまで後のプリントジョブ(後ジョブ)を開始できないという問題がある。特に、定着温度が高く設定されたプリントジョブの後に、定着温度の低い後ジョブを行う場合、定着温度を低下させるのには長い時間を要してしまう。そのため、ダウンタイムが大きくなる。
そこで、定着に必要な熱量の少ないプリントジョブの場合には、定着温度の変更はせずに定着速度を上げることにより、記録材の定着ニップ通過時間を短縮し、最適な熱量を与える。定着速度を上げる構成により、ダウンタイムを短縮できると共に、定着温度が高くても定着速度を上げるため記録材の単位時間当りの加熱量を定着温度が低く定着速度がこれよりも小さい場合と略同等であるため、画質劣化を低減できる。
しかしながら、このような応急的な定着速度を高める構成で画像形成動作が行われ続けると、部品の磨耗等が進みやすくなり、部品寿命が短くなり好ましくない。
本発明は、直前のプリントジョブと異なる定着条件のプリントジョブを行う場合でも、ダウンタイムを小さくでき、さらに、定着装置の部品寿命短縮を低減する画像形成装置を提供することである。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、記録材に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録材に形成された画像を熱により記録材に定着する回転可能な定着手段と、前記定着手段の温度を検知する温度検知部と、前記定着手段の温度が画像を加熱する目標温度になるように前記定着手段の温度を制御する温度制御部と、前記定着手段の回転速度を制御する速度制御部と、前記定着手段の温度が第一の目標温度で記録材に画像を定着する第一の画像形成モードと前記定着手段の温度が前記第一の目標温度よりも低い第二の目標温度で記録材に画像を定着する第二の画像形成モードを実行する制御部と、を有する画像形成装置であって、前記第二の画像形成モードで連続して記録材に画像を形成する連続画像形成工程を実行する際に前記定着手段の温度が第二の目標温度よりも高い場合には、前記定着手段の回転速度を前記第二の画像形成モードの回転速度よりも大きくして前記定着手段の温度が前記第二の目標温度に到達する前に画像形成を開始し、前記連続画像形成工程の実行中における前記定着手段の温度の低下に伴い前記定着手段の回転速度を小さい回転速度に切換えることを特徴とする。
本発明によれば、直前のプリントジョブと異なる定着条件のプリントジョブを行う場合でも、ダウンタイムを小さくでき、さらに、定着装置の部品寿命短縮を低減する。
実施例における画像形成装置の構成模型図 定着装置の構成模型図 (a)は制御系統のブロック図、(b)は定着条件を決定するテーブル 画像形成装置の定着装置の動作フロー図 (a)は画像形成装置の動作中の定着条件推移を示す図、(b)はクレーム対応図
以下に図面に基づいて本発明の好ましい実施の形態を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
<画像形成部>
図1は本実施例における画像形成装置100の構成模型図である。この装置100は複数の画像形成部が並設されているタンデム式の中間転写電子写真4色フルカラーのレーザープリンタであり、ホスト装置400から中央制御部200に入力する電気的画像情報(画像信号)に基づいて記録材Pにカラー画像を形成することができる。ホスト装置400はパソコン(PC)、外部スキャナー(イメージリーダー)、ネットワーク上の端末、相手方ファクシミリ、ワードプロセッサ等であり、インターフェイス部201(IF部:図3の(a))を介して中央制御部200に接続されている。記録材(転写材)Pはトナー画像を形成することができる記録媒体であり、用紙・OHTシート・ラベル・布等のシート状の部材である。中央制御部(制御手段)200はCPU(演算部)を含み、表示部300やホスト装置400との間で各種の電気的な情報の授受をする。そして、中央制御部200は装置100内の各機器の動作を監視及び制御し、装置100のプリント動作(画像形成動作)を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。表示部300は例えばタッチパネル式の液晶画面に複数のボタンが構成され、プリント動作の設定や、装置100の状態を表示する個所である。その他パソコン等のホスト装置400の表示部の画面上にはプリント状態を設定する設定画面が表示される。表示部300からは、プリントジョブに用いる記録材Pの坪量、普通紙やコート紙などの記録材タイプ、給紙カセットの選択、その他のプリント実行条件の設定が行われる。
装置100の内部には、図面上、左側から右側にかけて順に第1乃至第4の4つの画像形成部PY・PM・PC・PKが水平方向(横方向)並べられて配設されている(タンデム型)。各画像形成部は現像器4に収容させた現像剤(以下、トナーと記す)の色が異なるだけで互いに同様の構成の電子写真画像形成機構である。本例の各画像形成部は、それぞれ、静電潜像が形成される回転ドラム型の電子写真感光体(第1の像担持体:以下、ドラムと記す)1を有する。各ドラム1は矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。また、ドラム1に作用するプロセス手段としてのドラム帯電器2、画像露光装置3、現像器4、1次転写帯電器5、ドラムクリーナー6を有する。帯電器2はドラム1の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する帯電手段である。画像露光装置3は本実施例においてはレーザースキャナユニットである。ユニット3は、光源装置としての半導体レーザー、ポリゴンミラー、fθレンズ等を有し、各画像形成部の帯電処理されたドラム1の表面を、それぞれ、対応色の画像情報に応じて変調されたレーザー光Lで走査露光する。即ち、ユニット3は、半導体レーザーから発せられたレーザー光をポリゴンミラーを回転して走査し、その走査光の光束を反射ミラーによって偏向し、fθレンズによりドラム1の母線上に集光して露光する。これにより、各ドラム1の表面に、それぞれ、画像情報に応じた静電潜像が形成される。現像器4はドラム1の表面に形成された静電潜像をトナー画像として可視化する現像手段であり、供給装置4aよりトナーが所定量充填されている。第1の画像形成部PYの現像器4にはイエロー色(Y色)のトナーが収容されている。第2の画像形成部PMの現像器4にはマゼンタ色(M色)のトナーが収容されている。第3の画像形成部PCの現像器4にはシアン色(C色)のトナーが収容されている。第4の画像形成部PKの現像器4にはブラック色(K色)のトナーが収容されている。クリーナー6はドラム1の表面の1次転写残トナーを除去するクリーニング手段である。
画像形成部PY・PM・PC・PKの下方部には中間転写ベルトユニット7が配設されている。ユニット7は、中間転写体としての可撓性を有するエンドレスベルト(第2の像担持体:以下、ベルト記す)8を有する。また、このベルト8を懸回張設している駆動ローラ9、2次転写対向ローラ10、テンションローラ11を有する。ベルト8はローラ9により矢印の時計方向にドラム1と同じ周速度をもって回転駆動される。各画像形成部の1次転写帯電器5は本例においては転写ローラ(導電性の帯電ローラ)であり、ベルト8の内側に配設されている。そして、各転写ローラ5は、ローラ9とローラ11との間のベルト部分を介して対応するドラム1の下面に対して圧接している。各ドラム1とベルト8との当接部(ニップ部)がそれぞれ1次転写部T1である。ローラ10にはベルト8を介して2次転写ローラ12が圧接している。ローラ12は導電性の帯電ローラである。ベルト8とローラ12との当接部(ニップ部)が2次転写部T2である。また、ローラ11のベルト巻回部にはクリーナー13が配設されている。本例においてこのクリーナー13はクリーニング部材としてクリーニングウエブ(不織布)を用い、これをベルト12の表面に当接させてベルト表面の2次転写残トナー及び紙粉等の異物を拭い取るようにして除去している。
ユニット7の下方部には、それぞれ記録材Pを積載して収納している第1の給紙カセット14Aと第2の給紙カセット14Bが上下2段に配設されている。カセット14A・14Bから2次転写部T2に至る間には、給紙ローラ15、搬送ローラ対16、レジストローラ対17、転写前ガイド18を含む記録材搬送路19が配設されている。また、2次転写部T2よりも記録材搬送方向下流側には定着手段としての定着装置(定着部)50が配設されている。この定着装置50については後述する。
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。各画像形成部PY・PM・PC・PKのドラム1が矢印の反時計方向に所定の制御速度で回転駆動される。ベルト8も矢印の時計方向(ドラム回転に順方向)にドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。ユニット3も駆動される。この駆動に同期して、各画像形成部においてそれぞれ所定の制御タイミングで帯電器2がドラム1の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。ユニット3は各ドラム1の表面を各色の画像情報に応じて変調されたレーザー光Lで走査露光する。これにより、各ドラム1の表面に対応色の画像情報に応じた静電潜像が所定の制御タイミングをもって形成される。そして、その静電潜像が現像器4によりトナー画像として現像される。
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1の画像形成部PYのドラム1にはフルカラー画像のY色成分に対応するY色トナー画像が形成される。そして、そのトナー画像が転写部T1においてベルト8上に1次転写される。第2の画像形成部PMのドラム1にはフルカラー画像のM色成分に対応するM色トナー画像が形成される。そのトナー画像が転写部T1において、ベルト8上にすでに転写されているY色トナー画像に重畳されて1次転写される。第3の画像形成部PCのドラム1にはフルカラー画像のC色成分に対応するC色トナー画像が形成され、そのトナー画像が転写部T1において、ベルト8上にすでに転写されているY色+M色のトナー画像に重畳されて1次転写される。第4の画像形成部PKのドラム1にはフルカラー画像のK色成分に対応するK色トナー画像が形成される。そして、そのトナー画像が転写部T1において、ベルト8上にすでに転写されているY色+M色+C色のトナー画像に重畳されて1次転写される。各画像形成部において、ドラム1からベルト8へのトナー画像の1次転写は、ローラ5に対して電源部(不図示)からトナーの正規帯電極性とは逆極性で所定電位の帯電バイアスが印加されることによる電界と転写部のニップ圧力によりなされる。かくして、ベルト8上にY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着トナー画像が合成形成される。各画像形成部において、ベルト8に対するトナー画像の1次転写後のドラム1面に残留したトナーはクリーナー6により除去される。
一方、所定の制御タイミングで給紙ローラ15が駆動される。これにより、カセット14Aまたは14Bに積載されている記録材Pが1枚分離給送される。そして、記録材Pは、搬送路19を通ってレジストローラ対17に至る。ローラ対17は中央制御部200で制御されるモーター(不図示)により回転、回転停止される。ローラ対17は搬送路19を搬送される記録材Pの先端部を一旦受け止めて記録材Pの斜行を矯正するとともに、所定の制御タイミングでその記録材Pを送り出す。送り出された記録材Pは転写前ガイド18により2次転写部T2に導入される。そして、記録材Pは2次転写部T2を挟持搬送されていく過程において、ベルト8上の4色フルカラーの未定着トナー画像の転写(2次転写)を順次に受ける。この2次転写は、ローラ12に対して電源部(不図示)からトナーの正規帯電極性とは逆極性で所定電位の帯電バイアスが印加されることによる電界と転写部のニップ圧力によりなされる。記録材Pに対するトナー画像転写後のベルト面は引き続くベルト8の回転によりクリーナー13に至り、2次転写残トナー及び紙粉等の異物の除去を受けて清掃されて繰り返して画像形成に供される。
記録材Pへのトナー画像転写時の2次転写バイアスは、トナー電荷とは逆極性であり、環境(装置周囲の温湿度)及び記録材種類(坪量、表面性)に応じて最適に設定されるように、中央制御部200にて制御している。また、連続通紙時の紙間時、及びジョブ終了後には2次転写ローラクリーニング制御をしており、トナー電荷と同極性の2次転写バイアスを、所定時間、ローラ12に印加する。これにより、ローラ12に付着した飛散トナーやかぶりトナーをベルト8側に戻し、転写性能の劣化や記録材の裏汚れを防止している。ベルト8側に戻されたトナーはクリーナー13により除去される。本例の装置100においては、転写部T2までが記録材Pに未定着の画像を形成する画像形成部である。
転写部T2を通過した記録材Pはベルト8の面から順次に分離されて搬送路(ベルト搬送装置)20を通って定着装置50に導入される。記録材Pは定着装置50の定着ニップ部Nで挟持搬送されて加熱及び加圧されることにより未定着トナー画像が固着像として定着される。上記において、定着装置50に至るまでの機構部が記録材Pに画像(未定着画像)を形成する画像形成部である。定着装置50が上記の画像形成部により記録材Pに形成された画像を熱により記録材Pに定着する回転可能な定着手段である。
定着装置50を出た記録材Pは、片面画像形成モードの場合には、第1姿勢に制御されている第1フラッパ21により排出搬送路22側に導入されて排出口23から排出トレイ24に排出、積載される。両面画像形成モードの場合には、定着装置50を出た第1面側画像形成済みの記録材Pが第2姿勢に制御されている第1フラッパ21により反転搬送路25側に案内され、更に第1姿勢に制御されている第2フラッパ26によりスイッチバック搬送路27に導入される。そして、記録材Pはスイッチバック搬送されて第2姿勢に制御された第2フラッパ26により両面搬送経路28に導入される。さらに記録材Pは両面搬送経路28から再び搬送路19に導入されて、レジストローラ対17、転写前ガイド18を経由して表裏反転された状態にて2次転写部T2に導入される。これにより記録材Pの第2面に対して転写部T2にてトナー画像の転写がなされる。以後は、第1面に対する画像形成動作と同様に記録材Pは、搬送路20、定着装置50、排出搬送路22、排出口23を通って両面画像形成物として排出トレイ24に排出、積載される。また、モノクロなどモノカラー画像形成モードの場合には、その画像を形成するための画像形成部だけが画像形成動作して片面又は両面のモノカラー画像形成物が排出トレイ24に排出、積載される。
<定着装置>
図2の定着装置50の構成模型図と、図3の(a)の制御系統のブロック図により、定着装置50の構成と定着動作を説明する。この定着装置50は熱ローラタイプの装置である。内部に発熱手段であるハロゲンヒーター40aを有する定着部材となる定着ローラ40と、同じく内部に発熱手段であるハロゲンヒーター41aを有する加圧部材となる加圧ローラ41と、を有する。そして、該両ローラ40・41の圧接により、記録材Pを挟持搬送して未定着トナー画像tを加熱・加圧して定着する定着ニップ部Nが形成されている。本実施例においては下記のような構成の定着ローラ40及び加圧ローラ41を組み合わせることによってトナーに対する離型性をより一層高めている。
定着ローラ40は、中空芯金40bの外周面に、弾性層40cを成形し、さらにその表面を表面離型層40dで被覆した、外径φ70mmの複合材ローラである。より具体的には、中空芯金40bは外径φ66mmのAl製の中空ローラであり、弾性層40cはゴム硬度20°(JIS−A1kg加重)のシリコーンゴムの厚さ2.0mmの層であり、表面離型層40dは50μm厚みのフッ素樹脂チューブである。一般に、フッ素樹脂チューブはPFA樹脂(4フッ化エチレン樹脂、パーフロロアルコキシエチレン樹脂の共重合体)、PTFE(4フッ化エチレン樹脂)等で構成されている。加圧ローラ41も、中空芯金41bの外周面に、弾性層41cを成形し、さらにその表面を表面離型層41dで被覆した、外径φ70mmの複合材ローラである。より具体的には、中空芯金41bは外径φ66mmのAl製の中空ローラであり、弾性層41cはゴム硬度20°(JIS−A1kg加重)のシリコーンゴムの厚さ2.0mmの層であり、表面離型層41dは50μm厚みのフッ素樹脂チューブである。
定着ローラ40と加圧ローラ41は定着装置筺体(不図示)の対向側板間に上下並行に配列して回転可能に軸受けさせて配設されている。そして、該両ローラ40・41を加圧機構(不図示)により弾性層40c・41cの弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて記録材搬送方向aに関して所定のニップ幅の定着ニップ部Nが形成されている。定着ローラ40は矢印Aの時計方向に所定の回転速度(定着速度)にて回転駆動される。定着ロ−ラ40への駆動入力は定着ロ−ラ40の一端に設けてある駆動入力ギア(不図示)へ接続された定着駆動モーター(DCモーター)M40により行われている。モーターM40による定着ローラ40の駆動は、後述するように、中央制御部200で制御される速度制御部としてのモーター制御部202(定着手段の回転速度を制御する速度制御部)によって所定の定着速度になるように設定されている。加圧ローラ41は定着ローラ40の回転に従動して矢印の反時計方向に回転する。定着ローラ40には、内部にハロゲンヒーター53a・54aを備えた外部加熱ローラ53・54が当接されている。外部加熱ローラ53・54は定着ローラ40の回転に従動して回転する。また、定着ローラ40には離型剤塗布装置44とクリーナー45が配設されている。離型剤塗布装置44は本実施例においては離型剤としてシリコーンオイルをロールコートする装置である。クリーナー45は定着ローラ40の表面にオフセットしたトナーをウエブにより拭い取る装置である。
定着ローラ40、加圧ローラ41、外部加熱ローラ53および54にはそれぞれ温度検知部材であるサーミスタ(定着手段の温度を検知する温度検知部)42a・42b・42c・42dが当接されている。各ローラ40・41・53・54はそれぞれ内部のヒーター40a・41a・53a・54aに対して給電部204から電力が供給されることで加熱される。そして、各ローラ40・41・53・54の温度が対応するサーミスタ42a・42b・42c・42dで検知され、各検知温度情報が中央制御部200の温度制御部203に入力する。この温度制御部203は定着手段の温度が画像を加熱する目標温度になるように定着手段の温度を制御する。即ち、入力する各検知温度情報に基づいて、各ローラ40・41・53・54の温度がそれぞれに定められた所定の温度に昇温してその温度に維持されるように、給電部204から各ヒーター40a・41a・53a・54aへの電力供給を制御する。ここで、所定の温度とは、記録材上の画像を加熱するための像加熱温度である。本実施例においては、定着ローラ40と外部加熱ローラ53・54は約180℃に加熱温調される。また、加圧ローラ41は約100℃に加熱温調される。
そして、上記の状態において、ニップ部Nに画像形成部側から未定着トナー画像tが形成された記録材Pが導入されて挟持搬送される。その挟持搬送過程で定着部材である定着ローラ40の熱とニップ部圧により未定着トナー画像像tが固着像として定着される。外部加熱ローラ53・54は、定着動作により記録材Pに熱を奪われて表面温度が低下した定着ローラ40に対して外部から熱量を供給する。加圧ローラ41の温度が定着ローラの温度より低いことは次のような効果を有する。即ち、両面プリント時に裏面(一度定着された後に反転パス通って反転された画像面)が加圧ローラ41によって再度加熱されるため、裏面の光沢度が表面の光沢度に比べて上がってしまうという。そのため、加圧ローラの表面温度は、温調温度である100℃程度の定着ローラに比べて十分低い温度で保つことが好ましい。
<制 御>
図3の(a)の制御系統のブロック図において、記録部205は、画像形成条件や定着条件などの情報を、ROMやハードディスクなどの記録装置によって記録する箇所である。本実施例の装置100においては搬送路19に配設されている複数の搬送ローラ対16のうちの1つの搬送ローラ対16Aは、このローラ対16Aにより挟持搬送される記録材Pの厚み検知する紙厚検知センサー30を兼ねさせている。このセンサー30はローラ対に挟持搬送される記録材Pの紙厚に応じて変化するローラ対軸間距離を検知することによって給紙部から画像形成部に給送された記録材Pの厚みを検知する。制御回路部100はこのセンサー30から入力する紙厚検知情報によって通紙された記録材Pの坪量を算出することができる。また、装置100内の記録材搬送路19・20・22・25・27・28の随所にジャム検知センサーSが配置されている。該センサーSはフォトセンサーなどのセンサーによって記録材の有無を検知可能なセンサーであり、所定のタイミングで記録材が通紙されないときにはジャムが発生したとする。即ち、中央制御部200のジャム検出部206はそれらのセンサから入力する、記録材搬送に伴うON信号とOFF信号の時系列的変化状態により、搬送経路中における記録材Pのジャム発生の有無、ジャムが発生した場合の発生場所と発生モードを判断する。ジャムが発生した場合には中央制御部200は装置100のプリント動作を緊急停止させると共に、表示部300にジャム発生場所と発生モードを表示して使用者にジャム処理を促す。
画像形成部PY・PM・PC・PKは中央制御部100によって制御されている。本実施例の装置100において、各画像形成部のドラム1およびユニット7のベルト12は、300mm/secの画像形成速度で駆動されて画像形成が行われる。給紙カセット14Aまたは14Bからは、例えばA4サイズの記録材Pが1分間に54枚(54PPMと称す)で給紙されるように制御されている。A4サイズの記録材Pを横方向に搬送すると、搬送方向には210mmであるため、搬送速度300mm/sec、54PPMの間隔で画像形成すると、先行する記録材Pと次の記録材Pの間隔(紙間)は0.40secの時間となる。
記録材PがA4サイズ以外の場合には、画像形成部の画像形成速度と搬送路19の記録材搬送速度は300mm/secで固定したままで、紙間時間が0.40secとなるように制御されている。ただし定着速度(定着装置50のニップ部Nにより記録材挟搬送速度)は、記録材Pの定着条件によって変更可能(可変される)である。定着条件によって定着速度を加速する場合には、記録材Pが2次転写部T2を抜けきったあとに、定着前の搬送部(ベルト搬送装置)20で加速搬送する。これにより、最大480mm/secにまで増速され、定着ローラ40および加圧ローラ41がほぼ同速度で回転している定着装置50に搬送されるように制御される。定着装置50以後の搬送路22・25は、定着装置50よりも早い速度で増速搬送駆動されており、本実施例では700mm/secの速度で搬送駆動されている。そのため、定着装置50で480mm/secに記録材Pが増速されたとしても、先行する記録材Pに追突することはない。
また、定着ローラ40を駆動する定着駆動モーターM40にはDCモーターを用いている。モーター制御部202内には、DCモーターM40のリファレンスのクロック周波数を適宜変更し、モーターM40に供給する電源のクロック周波数を短い時間に細かいステップで変更し、モーターM40の回転数を滑らかに速度変更する手段が設けられている。定着ローラ40の駆動手段としては、DCモーター以外にもステッピングモーターによって定着ローラ40を回転させ、ステッピングモーターに入力するパルス数を変更することによって、滑らかに速度変更する手段などがある。定着ローラ40のモーターM40の速度を適宜変更することで、記録材Pについて薄紙や厚紙など定着条件の異なる場合に、必要な定着速度に可変して最適な定着時間を得ることが出来る。このように、定着装置50は中央制御部200によって制御されている。
表示部300からは、プリントジョブに用いる記録材Pの坪量、普通紙やコート紙などの用紙タイプ、給紙カセットの選択が行われる。紙厚検知センサー30によって記録材の厚みタイプを検知し、搬送路上に配置されているジャム検知センサーSのON/OFFタイミングから記録材長さを検知することによって、プリント時の記録材タイプを検知してもよい。
図3の(b)に、本実施例の定着装置50において適切な定着条件が得られる、記録材の坪量と、定着温度、定着速度の関係を示す。ここで、定着温度は、記録材上の画像を記録材に定着する温度(像加熱温度)である。この関係テーブルが参照テーブルとして記録部205にメモリされている。記録材Pの坪量は、グループA(60g/m以上80g/m未満)、グループB(80g/m以上129g/m未満)、グループC(129g/m以上209g/m未満)、グループD(210g/m以上〜300g/m未満)の4段階に分類される。定着温度は、150℃、160℃、170℃、180℃の4段階に設定可能である。定着速度は、2次転写部T2における記録材Pの搬送速度と略同等な300mm/secに加えて、360mm/sec、420mm/sec、480mm/secの、合計4段階に設定可能である。定着速度がそれぞれの定着速度になるように、定着ローラの回転速度がそれぞれ設定されている。従来の画像形成装置においては、定着速度を2次転写部における記録材の搬送速度よりも遅く設定するものがあるが、これは生産性の低下につながるため、本発明の画像形成装置においては設定しない。
1)坪量が最も小さいグループAの記録材に対しては、定着温度が150℃の場合、定着速度が300mm/secとすると最適な定着条件が得られる。定着速度を360mm/sec以上とすると、記録材の定着ニップ部通過時間が減少し、記録材とトナーに与えられる熱量が不足するため、画像の光沢度低下や、定着不良が発生する可能性がある。
定着温度が160℃の場合、定着速度を360mm/secとすると最適な定着条件が得られる。定着速度を420mm/sec以上とすると、記録材の定着ニップ部通過時間が減少し、記録材とトナーに与えられる熱量が不足するため、画像の光沢度低下や、定着不良が発生する可能性がある。定着速度を300mm/secとすると、記録材の定着ニップ部通過時間が増加し、記録材とトナーに与えられる熱量が過多となるため、光沢度が過度に上昇したり、ホットオフセット等の弊害が発生する可能性がある。
同様に、定着温度が170℃の場合は定着速度を420mm/sec、定着温度が180℃の場合は定着速度を480mm/secとすると、最適な定着条件が得られる。
2)グループBの記録材に対しては、定着温度が150℃の場合には、定着速度を最も遅い300mm/secに設定しても、十分な定着性が得られない。このため、定着温度は、160℃、170℃、180℃の3段階に設定可能である。定着温度が160℃の場合、定着速度を300mm/sec、定着温度が170℃の場合、定着速度を360mm/sec、定着温度が180℃の場合、定着速度を420mm/secとすると最適な定着条件が得られる。
3)グループCの記録材に対しては、定着温度は、170℃、180℃の2段階に設定可能でり、定着温度が170℃の場合、定着速度を300mm/sec、定着温度が180℃の場合、定着速度を360mm/secとすると最適な定着条件が得られる。
4)グループDの記録材に対しては、定着温度は180℃、定着速度を300mm/secの組み合わせにおいてのみ最適な定着条件が得られる。その他の条件においては、熱量が不足するため、画像の光沢度低下や、定着不良が発生する可能性がある。
1つのプリントジョブ中に異なるグループの記録材を含む、所謂「混載ジョブ」においては、記録材により最適な定着条件が異なるため、ジョブ中に定着条件を切り替える必要がある。本発明の画像形成装置の定着装置は、前述したように定着温度と定着速度を変更することにより、定着条件を切り換え可能である。このうち、定着温度の切り換えには、長い時間がかかり、ジョブ中に定着条件を切り替えるたびに、画像形成動作を中断する必要がある。特に定着温度を下げる場合、すなわち、坪量の大きい記録材の定着後に、坪量の小さい記録材を定着する場合、中断時間が長くなってしまう。
定着装置には、定着動作中に記録材に熱を奪われる定着ローラ40に熱量を供給し、表面温度を一定に保つため、加熱手段であるヒーターが備えられている。そのため、定着温度を上げるには、ヒーターを点灯して定着部材を加熱すれば良い。この場合、数秒から数十秒の画像形成動作中断時間が発生する。
一方、定着温度を下げる場合には、記録材に対して熱を与える以外に定着ローラ40の温度を積極的に下げる手段を持たないため、ヒーターを消灯して自然に温度が下がるのを待つしかなく、画像形成動作が数分間に渡り中断されてしまう場合がある。定着ローラ40の温度を積極的に下げるためにファンやヒートパイプローラ等の冷却手段を設けることは、本来の定着動作に不要な機構の追加となり、装置の大型化、コストアップを招いてしまう。
そこで、本発明の画像形成装置では、定着ローラの定着温度が高いときに、定着温度が低い条件の画像形成動作を行うときには、まず、以下の動作を行う。定着温度を正規の低い定着温度になるまで待機するのではなく、画像形成動作を行うときの現在の定着温度の状態で、定着速度を変更することにより、画像形成動作を中断することなく定着条件を変更し、異なる坪量の記録材に最適な条件で定着を行っている。
坪量の異なる記録材を含むプリントジョブでは、定着条件は以下のように決定される。定着温度は、プリントジョブに用いられる最も坪量の大きな記録材に対して設定可能な定着温度のうち、最も低い温度に設定される。たとえば、グループAの記録材とグループCの記録材を含むジョブの場合、坪量の大きなグループCの記録材に対しては、定着温度170℃、180℃が設定可能であるが、このうち、温度の低い170℃が定着温度として設定され、ジョブ中は一定に保持される。
定着温度が170℃の場合、図3の(b)に示すように、グループAの記録材に対しては、定着速度420mm/sec、グループCの記録材に対しては、定着速度300mm/secで最適な定着条件が得られる。そこで、本発明の画像形成装置では、記録材の坪量に応じて定着速度を変更し、最適な定着条件を得ている。
定着速度の変更は、定着駆動モーターM40の駆動クロック周波数の変更により行われる。この速度変更は、記録材の紙間で完了するため、画像形成の生産性を低下させることなく、異なる坪量の記録材を連続して定着することができる。
次に、本発明の特徴である、直前の画像形成動作と坪量の異なる記録材を用いるプリント動作における、定着装置の動作について、図4の制御フローチャートを用いて詳細に説明する。(S501):IF部201より、プリントジョブ(画像形成ジョブ)を受け付ける。(S502):定着温度の制御目標値を、記録材の坪量に対して設定可能な最低温度に設定する。(S503):温度検知手段42aにより定着部材(定着ローラ40)の表面温度を検知する。定着部材の温度が、S502で決定した制御目標値より低い場合は、加熱手段42aにより定着部材40を加熱する。(S504):定着速度を決定する。S503で検知した現在の定着部材40の温度、記録材Pの坪量によって、図3の(b)のテーブルより定着速度が決定される。(S505):画像形成動作を開始する。(S506):定着動作を行う(記録材Pが定着装置50を通過する)。(S507):定着装置50を通過した記録材Pが最終紙かどうかをチェックする。最終紙の場合は、プリント動作を終了する。(S508):定着装置を通過した記録材が最終紙ではない場合、現在の定着部材40の温度と記録材の坪量により、図3の(b)のテーブルより定まる最適な定着速度を求め、現在の定着速度と比較する。現在の定着速度が最適な定着速度に等しい場合は、定着動作を続行する。(S509):現在の定着速度が最適な定着速度と異なる場合は、紙間で定着速度を最適な定着速度に変更し、定着動作を続行する。
一例として、直前のプリントジョブでグループCの記録材に対して、定着温度170℃、定着速度300mm/secで定着を行い、引き続きグループAの記録材を用いたプリントジョブを行う場合を考える。グループAの記録材に対しては、図3の(b)に示すように、定着温度が150℃の場合、定着速度を300mm/sec、定着温度が160℃の場合、定着速度を360mm/secに設定すると、最適な定着条件が得られる。また、定着温度が170℃の場合、定着速度を420mm/sec、定着温度が180℃の場合、定着速度を480mm/secに設定すると、最適な定着条件が得られる。直前のプリントジョブと異なる定着温度に設定を変更する場合は、プリントジョブを開始する前に、定着温度変更が完了するまでの待ち時間が発生する。特に、定着温度を下げる方向に設定変更する場合は、前述したように長い待ち時間が発生する。
定着温度を直前のジョブから変更しない場合は、即座にプリントジョブを開始することが可能である。本実施例の場合、直前のプリントジョブの定着温度は170℃であるから、定着速度を420mm/secに設定することで、グループAの記録材に対して最適な定着条件で、即座にプリントジョブを開始することができる。
しかし、定着温度を高く、定着速度を早く設定した場合、以下のような問題がある。定着温度が高く、定着速度が速い状態で定着動作を行うと、定着装置に用いられるローラ等の部品の熱劣化が早まるのに加え、駆動系、回転部の軸受け等に与える負荷も増大し、定着装置の寿命が短縮されてしまう。また、画像形成速度よりも速い定着速度で定着動作を行うことにより、定着装置通過時の記録材の間隔が広がる。そのため、通常、定着ローラ40よりも低い温度になるように制御されている加圧ローラ41が、高温の定着ローラ40に直接接触する時間が長くなり、温度が上昇してしまう。この結果、両面画像において、2面目画像定着時に加圧ローラ41に接触する1面目の画像の光沢度が上昇し、1面目の画像と2面目の画像の光沢度の差が大きくなり、成果物の品位が低下してしまう。
そこで、本実施例では、定着温度が低い定着条件で連続して記録材上に画像を形成する連続画像形勢工程を実行する際に定着ローラの温度がこの定着条件の定着温度よりも高い場合には次にように制御する。即ち、連続画像形成工程中に定着ローラの温度の低下に伴い定着ローラの回転速度(定着速度)を小さくするものである。つまり、定着温度の温調目標値を、記録材の坪量に応じて設定可能な最低温度に設定し、定着ローラ40の実際の表面温度に対応した最適な定着速度で定着動作を行う。これにより、定着温調変更の待ち時間が発生することなくプリントジョブを開始でき、かつ、高温高速で定着動作を続けることによる弊害の発生を防止することができる。本実施例においては、定着温度の制御目標値は、グループAに記録材に対して設定可能な最低温度である150℃に設定される。
図5の(a)に、本実施例の定着動作における、定着ローラ温度と定着速度の推移を示す。直前のプリントジョブの定着温度は170℃であったため、定着ローラ40の表面温度は約170℃であるが、定着ローラ40の目標温度は150℃としてプリントが開始される。プリント開始時の定着速度は、定着温度が170℃の時にグループAの記録材で最適な定着条件が得られる420mm/secが選択される。
プリントジョブが開始され、定着装置50を記録材が通過すると、定着ローラ40から記録材Pに熱が奪われるため、定着ローラ40の表面温度は急速に低下し始める。しかし、定着ローラ40の目標温度は150℃に設定されているため、定着ローラ温度が150℃を下回るまで加熱手段であるハロゲンヒーター40aが点灯することは無く、定着動作が行われる。定着ローラ40の表面温度が閾値1(本実施例においては165℃)を下回ると、定着速度は、定着温度が160℃の時にグループAの記録材で最適な定着条件が得られる360mm/secに変更される。定着速度変更は紙間で行われるため、定着動作に何ら影響を与えることは無い。ここで、紙間とは、記録材を挟持搬送する定着ニップ部に記録材が通過していないときであって、記録材と記録材との間のことである。同様に、定着ローラ40の表面温度が閾値2(本実施例においては155℃)を下回ると、定着速度は、定着温度が150℃の時にグループAの記録材で最適な定着条件が得られる300mm/secに変更される。さらに、定着ローラ40の表面温度が目標温度である150℃以下に低下すると、ハロゲンヒーター40aが点灯し、定着温度を150℃近傍に制御しつつ、定着速度300mm/secでプリントジョブが続行される。この定着速度300mm/secは、本実施例の画像形成装置の2次転写速度と略同等である。すなわち、画像形成装置の生産性を低下させることのない、最低速度である。
上記の実施例の画像形成装置の構成をまとめると次のとおりである。画像形成装置は、記録材に画像を形成する画像形成部と、画像形成部により記録材に形成された画像を熱により記録材に定着する回転可能な定着手段を有する。また、定着手段の温度を検知する温度検知部と、定着手段の温度が画像を加熱する目標温度になるように定着手段の温度を制御する温度制御部と、定着手段の回転速度を制御する速度制御部を有する。また、定着手段の温度が第一の目標温度で記録材に画像を定着する第一の画像形成モードと定着手段の温度が第一の目標温度よりも低い第二の目標温度で記録材に画像を定着する第二の画像形成モードを実行する制御部を有する。そして、第二の画像形成モードで連続して記録材に画像を形成する連続画像形成工程を実行する際に定着手段の温度が第二の目標温度よりも高い場合には次のような制御がなされる。即ち、定着手段の回転速度を第二の画像形成モードの回転速度よりも大きくして定着手段の温度が第二の目標温度に到達する前に画像形成を開始す。そして、連続画像形成工程の実行中における定着手段の温度の低下に伴い定着手段の回転速度を小さい回転速度に切換える。また、連続画像形成工程を実行する際には、目標温度を前記第二の目標温度に設定し、温度制御部により前記定着手段の温度が制御される。また、定着手段の温度が予め設定されている速度切換温度に到達したときに、定着手段の回転速度を切換える切換え手段を有する。また、連続画像形成工程の実行中には、切換え手段は定着手段に記録材が通過しない記録材と記録材の間において速度の切換えを実行する。
図5の(b)にクレーム対応図を示した。ジョブを受け付けた時、定着部材40の温度T1が、そのジョブで通紙する記録材を、画像形成速度とほぼ同等な通常の定着速度V2で定着するのに最適な温度T2より高い場合、定着速度をV1に高くして、即時にジョブを開始する。例えば、厚紙を通紙するジョブ(前ジョブ)の次に、薄紙を通紙するジョブ(後ジョブ)を実行する場合である。定着速度V1は、記録材に与えられる熱量が、画像形成速度とほぼ同等な通常の定着速度V2で最適な通常の温度T2で定着した時に記録材に与えられる熱量とほぼ同等となるように設定される。通紙に伴い、定着部材40の温度が低下すると、記録材に与えられる熱量が一定となるように定着速度は順次低下される。定着部材40の温度がT2まで低下すると、定着速度は通常の定着速度V2に低下し、定着部材40の温度をT2に保つよう温調した状態でジョブが継続される。
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、直前ジョブ(前ジョブ)より坪量の小さい記録材を用いたプリントジョブ(後ジョブ)でも、定着温度変更待ち時間が発生することなく、即座に画像形成動作を開始することができる。さらに、定着部材40の温度低下に合わせて、定着速度を順次変更することにより、高温度、高速度での定着動作を最小限にすることができ、定着装置の寿命低下を防止するとともに、両面画像の表裏の光沢度差等の画像品位低下を防止することができる。
[その他の事項]
1)記録材Pに未定着のトナー画像tを形成する画像形成プロセスは電子写真プロセスに限られない。像担持体として静電記録誘電体を用いた静電記録プロセス、磁気記録磁性体を用いた磁気記録プロセスなどであってもよい。また、転写方式に限られず、記録材Pに直接に未定着のトナー画像tを形成する直接方式の画像形成プロセスであってもよい。
2)定着装置は実施例の熱ローラタイプの装置に限られない。定着部材および/または加圧部材としてベルトやフィルムを用いたタイプの装置、加熱手段として電磁誘導加熱装置やセラミックヒータを用いたタイプの装置などでであってもよい。
P・・記録材、t・・トナー画像、50・・定着装置、40・・定着部材(定着ローラ)、41・・加圧部材(加圧ローラ)、N・・ニップ部

Claims (4)

  1. 記録材に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録材に形成された画像を熱により記録材に定着する回転可能な定着手段と、前記定着手段の温度を検知する温度検知部と、前記定着手段の温度が画像を加熱する目標温度になるように前記定着手段の温度を制御する温度制御部と、前記定着手段の回転速度を制御する速度制御部と、前記定着手段の温度が第一の目標温度で記録材に画像を定着する第一の画像形成モードと前記定着手段の温度が前記第一の目標温度よりも低い第二の目標温度で記録材に画像を定着する第二の画像形成モードを実行する制御部と、を有する画像形成装置であって、
    前記第二の画像形成モードで連続して記録材に画像を形成する連続画像形成工程を実行する際に前記定着手段の温度が第二の目標温度よりも高い場合には、前記定着手段の回転速度を前記第二の画像形成モードの回転速度よりも大きくして前記定着手段の温度が前記第二の目標温度に到達する前に画像形成を開始し、前記連続画像形成工程の実行中における前記定着手段の温度の低下に伴い前記定着手段の回転速度を小さい回転速度に切換えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記連続画像形成工程を実行する際には、目標温度を前記第二の目標温度に設定し、温度制御部により前記定着手段の温度が制御されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記定着手段の温度が予め設定されている速度切換温度に到達したときに、前記定着手段の回転速度を切換える切換え手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の画像形成装置。
  4. 前記連続画像形成工程の実行中には、前記切換え手段は前記定着手段に記録材が通過しない記録材と記録材の間において速度の切換えを実行することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017021277A (ja) * 2015-07-14 2017-01-26 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
JP2017053925A (ja) * 2015-09-08 2017-03-16 株式会社東芝 画像形成装置
JP2017161739A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置

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