JP6579384B2 - 防水コネクタ - Google Patents
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Description
雄側ハウジングと嵌合することで封止空間を構成する雌側ハウジングと、
前記雌側ハウジングを構成し、雌端子金具が挿入される複数のキャビティを有していて、前記雄側ハウジングのフード部の内部に嵌合される端子収容部と、
前記雌側ハウジングを構成し、前記端子収容部を包囲するように配され、前記フード部の外周に嵌合される筒状嵌合部と、
前記封止空間と前記雌側ハウジングの外部との間の通気を可能とする通気膜を有する通気部材とを備え、
前記通気部材は、前記雄側ハウジングと前記雌側ハウジングの嵌合方向と直交する仮想投影面において、前記通気膜の少なくとも一部と前記フード部とが重なるように配されているところに特徴を有する。
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図6を参照して説明する。尚、以下の説明において、前後の方向については、図1〜3における左方を前方と定義する。上下の方向については、図1〜3にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。
雌側コネクタ20は、雌側ハウジング21と、複数の雌端子金具27と、一括ゴム栓28と、シールリング31と、一対のスライダ42と、レバー46と、電線カバー53と、通気部材60とを備えて構成されている。
雌側ハウジング21は、合成樹脂製のインナハウジング22(請求項に記載の端子収容部)と、インナハウジング22の前端部に組み付けられた合成樹脂製のフロント部材32と、合成樹脂製のアウタハウジング33とを組み付けて構成されている。
インナハウジング22の内部には複数のキャビティ23が形成され、各キャビティ23には、後方から雌端子金具27が挿入されている。インナハウジング22の上面及び下面の後端部には、左右方向に間隔を空けた摺動ピン25が3つずつ形成されている。インナハウジング22の後端部には、その後面を凹ませた形態の収容凹部24が形成されている。全てのキャビティ23の後端は、収容凹部24に開口している。
収容凹部24には、一括ゴム栓28が収容されている。一括ゴム栓28の外周は収容凹部24の内周に対し気密状に密着している。一括ゴム栓28には、前後方向に貫通した形態の複数のシール孔29が、各キャビティ23と個別に対応して形成されている。各シール孔29は、雌端子金具27をキャビティ23に挿入する際の通過経路となっている。各シール孔29には、電線が気密状に挿通されている。
インナハウジング22の外周には、インナハウジング22(雌側ハウジング21)の外周とフード部13の内周との間を気密状に封止するためのシールリング31が取り付けられている。シールリング31は、インナハウジング22の前方から組み付けられ、インナハウジング22の前端部に取り付けたフロント部材32により組付け状態に保持されている。
アウタハウジング33は、インナハウジング22に対し後方から組み付けられている。図1に示すように、アウタハウジング33は、一括ゴム栓28の後面に当接する背壁部34と、背壁部34の外周縁から前方へ延出する筒状嵌合部35とを備えている。図3に示すように、背壁部34には、前後方向に貫通する複数の挿通孔36が、夫々、複数のキャビティ23及び複数のシール孔29と個別に対応して形成されている。各挿通孔36は、雌端子金具27をキャビティ23に挿入する際の通過経路となっている。各挿通孔36には、雌端子金具27の後端部に固着された電線37が挿通されている。
一対のスライダ42は、図5に示すように左右方向に細長い板状をなし、図1〜3に示すように、板厚方向を上下方向に向けた状態で上下一対のガイド壁部40の内面に沿うように設けられている。スライダ42の内面には左右方向に並ぶ3つのカム溝43が形成されている。スライダ42の左右方向における一方の端部の外面には、従動孔44が形成されている。スライダ42の内面には摺動溝45が形成されている。スライダ42は、摺動溝45を摺動ピン25に嵌合させるとともに、前端縁部をガイド溝41に嵌合させることにより、筒状嵌合部35の内面とインナハウジング22の外面との間で左右方向に移動し得るようになっている。
図6に示すように、レバー46は、左右方向に長い上下一対の板状のアーム部47と、両アーム部47の基端部同士を連結する連結部48と、両アーム部47の先端部同士を連結部48する操作部49とを備えた略方形の枠状をなす。両アーム部47の内面における基端部には、一対の回動軸50が形成されている。両アーム部47の内面のうち基端部より少し先端側の位置には、一対の駆動ピン51が形成されている。レバー46は、その回動軸50をアウタハウジング33の軸受部52に係止させることにより、初期位置と嵌合位置との間で回動し得るようにアウタハウジング33に取り付けられている。
図3に示すように、電線カバー53は、雌側ハウジング21の背面21R(アウタハウジング33の背面)から導出された複数本の電線を側方へ転向させるものである。電線カバー53は、アウタハウジング33に対し、背壁部34の全領域(雌側ハウジング21における電線の導出面)を覆うように取り付けられている。電線カバー53の前面はアウタハウジング33の背面(背壁部34の後面)に当接している。図1に示すように、電線カバー53の前面の一部は、背壁部34の後面における取付部38の開口領域の一部を塞ぐ閉塞部54として機能する。
通気部材60は、図4に示すように、円板状をなす通気膜61と、通気膜61を保持した状態で雌側コネクタ20に取り付けられるホルダ62とを備えている。通気膜61は、空気が通過することは許容するが、液体(水分)を通過させない材料からなる。具体例としては、多孔質PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)膜が用いられる。通気膜61の直径は、フード部13を構成する壁部の厚さ寸法よりも大きい。
通気部材60は、アウタハウジング33の後方から雌側ハウジング21と一括ゴム栓28に取り付けられている。取り付ける際には、筒状通気部70を取付部38内に進入させて一括ゴム栓28の取付孔30に嵌入するとともに、保持部63を取付部38内に収容する。取付孔30の内周と筒状通気部70の外周との隙間は、取付孔30の内周のリップ部(図示省略)により気密状にシールされている。また、筒状通気部70(通気路71)の前端は、通気孔26と連通している。
次に、本発明を具体化した実施例2を図7〜図12を参照して説明する。尚、以下の説明において、前後の方向については、図7〜9における右方を前方と定義する。上下の方向については、図7〜9にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。
雌側コネクタ80は、雌側ハウジング81と、複数の第1雌端子金具84と、複数の第2端子金具(図示省略)と、一括ゴム栓86と、シールリング91と、一対のスライダ103と、電線カバー107と、レバー109と、通気モジュールMとを備えて構成されている。
雌側ハウジング81は、合成樹脂製のインナハウジング82(請求項に記載の端子収容部)と、インナハウジング82の前端部に組み付けられた合成樹脂製のフロント部材92と、合成樹脂製のアウタハウジング93とを組み付けて構成されている。
図11に示すように、インナハウジング82の内部には複数の第1キャビティ83と複数の第2キャビティ89が形成されている。各第1キャビティ83には、後方から第1雌端子金具84が挿入されている。インナハウジング82の上面及び下面の後端部には、左右方向に間隔を空けた摺動ピン85が2つずつ形成されている。インナハウジング82の後端部には、その後面のうち第1キャビティ83の形成範囲を凹ませた形態の収容凹部114が形成されている。全ての第1キャビティ83の後端は、収容凹部114に開口している。
インナハウジング82の外周には、インナハウジング82(雌側ハウジング81)の外周とフード部13の内周との間を気密状に封止するためのシールリング91が取り付けられている。シールリング91は、インナハウジング82の前方から組み付けられ、インナハウジング82の前端部に取り付けたフロント部材92により組付け状態に保持されている。
アウタハウジング93は、インナハウジング82に対し後方から組み付けられている。アウタハウジング93は、一括ゴム栓86の後面に当接する背壁部94と、背壁部94の外周縁から前方へ延出する筒状嵌合部95とを備えている。背壁部94には、前後方向に貫通する複数の第1挿通孔96が、夫々、複数の第1キャビティ83及び複数のシール孔87と個別に対応して形成されている。各第1挿通孔96は、第1雌端子金具84を第1キャビティ83に挿入する際の通過経路となっている。各第1挿通孔96には、電線が挿通されている。
図9,11に示すように、一対のスライダ103は、左右方向に細長い板状をなし、板厚方向を上下方向に向けた状態で上下一対のガイド壁部101の内面に沿い且つガイド溝102に嵌合した状態で設けられている。スライダ103の内面には左右方向に並ぶ2つのカム溝104が形成されている。スライダ103の左右方向における一方の端部の後端縁部には、ラック105が形成されている。スライダ103の内面には、その後端縁部に沿って摺動リブ106が形成されている。スライダ103は、ガイド溝102に嵌合され、摺動リブ106を摺動ピン85に摺接させることにより、筒状嵌合部95の内面とインナハウジング82の外面との間で左右方向に移動し得るようになっている。
電線カバー107は、雌側ハウジング81の背面81Rから導出された複数本の電線を側方へ転向させるものである。電線カバー107は、アウタハウジング93に対し、背壁部94の全領域(雌側ハウジング81における電線の導出面)を覆うように取り付けられている。つまり、電線カバー107は、雌側ハウジング81の後面に開口する取付部97の開口領域を覆っている。電線カバー107の上下両外面には、一対の支持軸108が形成されている。
レバー109は、左右方向に長い上下一対の板状のアーム部110と、両アーム部110の先端部同士を連結部する操作部111とを備えた形状である。両アーム部110の内面における基端部には、一対の軸受孔112が形成されているとともに、軸受孔112を同心状に包囲するように配されたピニオン113が形成されている。レバー109は、その軸受孔112を電線カバー107の支持軸108に嵌合することにより、初期位置と嵌合位置との間で回動し得るように電線カバー107に取り付けられている。
通気モジュールMは、図10に示すように、実施例1と同じ構造の通気部材60と、円筒状をなす防水栓77とを組み付けて構成されている。通気部材60については、実施例1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
通気モジュールMは、アウタハウジング93の後方から雌側ハウジング81に取り付けられている。取り付ける際には、防水栓77と筒状通気部70を第2収容部99内に挿入するとともに、保持部63を第1収容部98内に収容する。第2収容部99の内周と筒状通気部70の外周との間は、防水栓77が弾性変形することにより気密状にシールされている。筒状通気部70(通気路71)の前端は、通気孔90と連通している。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1,2では、筒状通気部が通気膜の中心から偏心した位置に配置されているが、筒状通気部は通気膜の中心部に配置してもよい。
(2)上記実施例1,2では、筒状通気部が嵌合方向と略平行に延出するが、筒状通気部の延出方向は、嵌合方向と交差する方向であってもよい。
(3)上記実施例1,2では、筒状通気部の断面積が通気膜より小さいが、筒状通気部の断面積は、通気膜と同じか、それより大きくてもよい。
(4)上記実施例1,2では、通気部材は保持部から延出する筒状通気部を有しているが、通気部材は筒状通気部を有しない形態であってもよい。
(5)上記実施例1,2では、雌側ハウジングに、封止空間と筒状通気部とを連通させる通気孔を形成したが、雌側ハウジングに通気孔を形成せず、筒状通気部を、封止空間に、直接、臨ませてもよい。
(6)上記実施例1,2では、雌側ハウジングの背面を覆う電線カバーを設けたが、雌側ハウジングに電線カバーを取り付けない形態としてもよい。
(7)上記実施例1,2では、通気膜の直径がフード部の肉厚寸法より大きいために、仮想投影面上において通気膜の一部のみがフード部と重なるが、通気膜の直径がフード部の肉厚寸法と同じ寸法か、それより小さい寸法である場合は、仮想投影面上で通気膜の全体がフード部と重なっていてもよい。
S…封止空間
11…雄側ハウジング
13…フード部
21,80…雌側ハウジング
21R,81R…雌側ハウジングの背面
22,82…インナハウジング(端子収容部)
23…キャビティ
26,90…通気孔
27…雌端子金具
28…一括ゴム栓
29…シール孔
35,95…筒状嵌合部
53,107…電線カバー
60…通気部材
61…通気膜
63…保持部
70…筒状通気部
83…第1キャビティ
84…第1雌端子金具
89…第2キャビティ
Claims (6)
- 雄側ハウジングと嵌合することで封止空間を構成する雌側ハウジングと、
前記雌側ハウジングを構成し、雌端子金具が挿入される複数のキャビティを有していて、前記雄側ハウジングのフード部の内部に嵌合される端子収容部と、
前記雌側ハウジングを構成し、前記端子収容部を包囲するように配され、前記フード部の外周に嵌合される筒状嵌合部と、
前記封止空間と前記雌側ハウジングの外部との間の通気を可能とする通気膜を有する通気部材とを備え、
前記通気部材は、前記雄側ハウジングと前記雌側ハウジングの嵌合方向と直交する仮想投影面において、前記通気膜の少なくとも一部と前記フード部とが重なるように配されていることを特徴とする防水コネクタ。 - 前記通気部材は、
前記通気膜を前記嵌合方向と交差する方向に向けた状態で保持する保持部と、
前記保持部から延出して前記封止空間と連通し、延出方向と交差する断面積が前記通気膜より小さい筒状通気部とを備えていることを特徴とする請求項1記載の防水コネクタ。 - 前記筒状通気部が、前記嵌合方向と略平行に延出した形態であり、
前記通気膜の中心から偏心した位置に配されていることを特徴とする請求項2記載の防水コネクタ。 - 前記雌側ハウジングに、前記封止空間と前記筒状通気部を連通させる通気孔が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の防水コネクタ。
- 前記雌側ハウジングには、前記複数のキャビティと対応する複数のシール孔が貫通して形成された一括ゴム栓が設けられており、
前記筒状通気部が、前記一括ゴム栓を気密状に貫通した状態で設けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の防水コネクタ。 - 前記通気部材が、前記雌側ハウジングの背面において露出する形態で設けられており、
前記雌側ハウジングに、前記背面を覆う電線カバーが取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の防水コネクタ。
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