JP2018139179A - 防水コネクタ - Google Patents
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Abstract
Description
内部に端子収容室が形成され、外面の一部が電線導出面となっているハウジングと、
電線の端末部に接続され、前記電線を前記電線導出面から前記ハウジングの外部へ導出させた状態で前記端子収容室に挿入される端子金具と、
前記電線導出面に形成され、通気膜を収容する収容凹部と、
前記電線導出面と前記収容凹部を覆う電線カバーと、
前記電線カバーの内部に形成され、前記電線導出面から導出した前記電線を屈曲させる電線屈曲空間と、
前記電線カバーに形成され、前記収容凹部の開口部が覆われるように前記電線導出面に当接され、前記収容凹部と前記電線屈曲空間を仕切る仕切部と、
前記電線導出面と前記仕切部との当接領域に形成され、断面が凹凸形状又は段差形状をなす水切り部とを備えているところに特徴を有する。
本発明は、前記電線を気密状に貫通させた状態で前記ハウジングに取り付けられた一括ゴム栓と、前記ハウジングに形成され、前記一括ゴム栓を気密状に包囲する周壁部と、前記一括ゴム栓を貫通する筒状通気部を有し、前記通気膜を収容するホルダとを備え、前記収容凹部は、前記周壁部の内側から外側に亘って形成されており、前記排水路の上流端は、前記収容凹部のうち前記周壁部より外側の領域に開口していてもよい。この構成によれば、筒状通気部の形状と排水路の形状を簡素化することが可能である。
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図16を参照して説明する。尚、以下の説明において、前後の方向については、図1〜4における右方、及び図5,6,8〜11,14,15における左方を前方と定義する。上下の方向については、図1〜4,6,7,10〜13,15,16にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、図5,8における下方を左方と定義し、図12,13にあらわれる向きをそのまま左方、右方と定義する。
ハウジング10は、合成樹脂製のインナハウジング11と、インナハウジング11に対し上方から被せるように組み付けられた合成樹脂製のアウタハウジング12とを備えて構成されている。インナハウジング11の内部には複数の端子収容室13(図10を参照)が形成され、各端子収容室13には、電線15に接続された端子金具14が上方(ハウジング10の背面側)から挿入されている。
ゴム栓収容空間17には、一括ゴム栓19が収容されている。一括ゴム栓19の外周はゴム栓収容空間17の内周に対し気密状に密着している。一括ゴム栓19には、上下方向に貫通した形態の複数のシール孔20(図10を参照)が、各端子収容室13と個別に対応して形成されている。各シール孔20は、端子金具14を端子収容室13に挿入する際の通過経路となっている。各シール孔20には、電線15が気密状に挿通されている。
インナハウジング11の外周には、インナハウジング11の外周と相手側ハウジングのフード部(図示省略)の内周との間を気密状に封止するためのシールリング21が取り付けられている。シールリング21は、インナハウジング11の下方(ハウジング10の正面側)から組み付けられ、インナハウジング11の下端部に取り付けたフロント部材22(図12を参照)により組付け状態に保持されている。
アウタハウジング12は、インナハウジング11に対し上方(背面側)から組み付けられている。図10,12に示すように、アウタハウジング12は、背壁部23と筒状嵌合部24とを備えている。背壁部23は、ゴム栓収容空間17の上面の開口部を覆うとともに、一括ゴム栓19の上面(背面)に当接している。図2,5,8に示すように、背壁部23には、上下方向に貫通する複数の挿通孔25が、夫々、複数の端子収容室13及び複数のシール孔20と個別に対応して形成されている。各挿通孔25は、端子金具14を端子収容室13に挿入する際の通過経路となっている。各挿通孔25には、端子金具14に固着された電線15が挿通されている。背壁部23(ハウジング10)の上面は、複数本の電線15を上方へ導出させる電線導出面26となっている。
アウタハウジング12には、後述する通気部材62を収容するための収容凹部31が形成されている。収容凹部31は、背壁部23の上面(外面)の右前端部を凹ませた形態である。平面視において、収容凹部31は周壁部16の内部(ゴム栓収容空間17)から外部に亘って形成されている。即ち、収容凹部31の前端部はゴム栓収容空間17の外部(周壁部16の前端より前方)に配され、収容凹部31の後端部はゴム栓収容空間17の内部に配されている。
収容凹部31の下面には、ガイド凹部28の上端に連通する排水孔34(図8,13を参照)が形成されている。排水孔34は、左右方向において支持板部29に近い位置に配されている。排水孔34、ガイド凹部28の内面とスライダ42との隙間、筒状嵌合部24とインナハウジング11の外周との間の嵌合空間35は、排水路33を構成している。排水路33は、収容凹部31内に水や液体が浸入した場合に、その水や液体をハウジング10の外部へ排出させるための排水経路として機能する。
電線導出面26には、平面視において収容凹部31を概ね全周に亘って包囲する形態の水切り手段が形成されている。図5,8に示すように、水切り手段は、前縁水切り部37(請求項に記載の水切り部)と、右側縁水切り部38(請求項に記載の水切り部)と、後縁水切り部39(請求項に記載の水切り部)と、弧状水切り部40(請求項に記載の水切り部)とから構成されている。
左右一対のスライダ42は、図4に示すように、前後方向に細長く、且つ板厚方向を左右方向に向けた板状をなしている。スライダ42は、その内面に形成した前後方向の摺動溝43をインナハウジング11の摺動ピン30に嵌合させた状態でガイド凹部28に嵌合され、前後方向にスライドし得るようになっている。スライダ42の内面には前後方向に並ぶ3つのカム溝44が形成され、スライダ42の外側面の後端部には従動孔45が形成されている。
図4に示すように、レバー46は、全体として略方形の枠状をなす。レバー46を構成する左右一対の板状アーム部47には、その内面後端部から突出する一対の回動軸48と一対の駆動ピン49とが形成されている。レバー46は、回動軸48をアウタハウジング12の軸受部(図示省略)に係止させることにより、初期位置と嵌合位置との間で回動し得るようにアウタハウジング12に取り付けられている。
図10に示すように、電線カバー50は、ハウジング10(アウタハウジング12)の電線導出面26から上方へ導出された複数本の電線15を後方へ転向させるものである。電線カバー50は、アウタハウジング12に対し前方からスライドさせるようにして組み付けられ、電線導出面26の全領域を覆っている。
電線カバー50には、前板部51の内面下端部と右側の側板部53の内面下端部とに繋がった形態の仕切部56が形成されている。電線カバー50をハウジング10に取り付けた状態では、仕切部56が、収容凹部31の開口部を覆うように電線導出面26に当接し、この当接により収容凹部31が電線屈曲空間54から仕切られている。また、仕切部56の下面は、通気部材62の上面に対し、当接又は接近して対向する規制部57として機能する。仕切部56は、前後方向において電線導出口55とは反対側に配されている。
仕切部56には、その全周に亘り、ハウジング10(電線導出面26)の水切り手段と液密状に嵌合する水切り手段が形成されている。図14に示すように、仕切部56の水切り手段は、前縁リブ58(請求項に記載の水切り部)と、右側縁リブ59(請求項に記載の水切り部)と、後縁段部60(請求項に記載の水切り部)と、弧状リブ61(請求項に記載の水切り部)とから構成されている。
通気部材62は、円板状をなす通気膜63と、通気膜63を保持した状態でハウジング10に取り付けられるホルダ64(図4を参照)とを備えている。通気膜63は、空気が通過することは許容するが、液体(水分)を通過させない材料からなる。具体例としては、多孔質PTFE膜が用いられる。
本実施例1の防水コネクタ1は、ハウジング10と複数の端子金具14と通気膜63と電線カバー50とを備えている。ハウジング10の内部には端子収容室13が形成され、ハウジング10の外面の一部は電線導出面26となっている。端子金具14は、電線15の端末部に接続されており、電線15を電線導出面26からハウジング10の外部(上方)へ導出させた状態で端子収容室13に挿入されている。
次に、本発明を具体化した実施例2を図17〜図27を参照して説明する。本実施例2の防水コネクタ2は、ハウジング70と、複数の雌形の端子金具14(図示省略)と、一括ゴム栓19と、シールリング21と、一対のスライダ42と、レバー46と、電線カバー88と、通気部材62とを備えて構成されている。防水コネクタ2のうちハウジング70の基本構成、端子金具14、一括ゴム栓19の基本構成、シールリングの基本構成、スライダの基本構成、レバーの基本構成及び通気部材62は、実施例1と概ね同じ又は同一であるため、説明は省略する。
ハウジング70構成するアウタハウジング71には、後述する通気部材62を収容するための収容凹部73が形成されている。収容凹部73は、背壁部72の上面(外面)の右前端部を凹ませた形態である。図21に示すように、平面視において、収容凹部73は、ハウジング70を構成するインナハウジング74の周壁部75の内部(ゴム栓収容空間76)から外部に亘って形成されている。
収容凹部73の下面には、図26に示すように、アウタハウジング71の側壁部のガイド凹部79の上端に連通する排水孔80が形成されている。排水孔80は、左右方向において支持板部81に近い位置に配されている。排水孔80、ガイド凹部79の内面とスライダとの隙間、アウタハウジング71の筒状嵌合部82とインナハウジング74の外周との間の嵌合空間83は、排水路78を構成している。排水路78は、収容凹部73内に水等の液体が浸入した場合に、その液体をハウジング70の外部へ排出させるための排水経路として機能する。
電線導出面85には、図18,21に示すように、平面視において収容凹部73を全周に亘って包囲する形態の水切り手段が形成されている。水切り手段は、電線導出面85から立ち上がった上向きリブ86(請求項に記載の水切り部)からなる。上向きリブ86の外周面は、電線導出面85に対して斜めをなし、且つ電線突出面と直交する上下方向に対しても斜めをなしている。また、アウタハウジング71の上面(電線導出面85)の前端部には、電線カバー88をハウジング70に対し取付け状態にロックするための左右一対のロック突起87が形成されている。右側のロック突起87は、上向きリブ86の右端部と隣り合うように配されている。
図24に示すように、電線カバー88は、ハウジング70(アウタハウジング71)の電線導出面85から上方へ導出された複数本の電線15を後方へ転向させるものである。電線カバー88は、アウタハウジング71に対し上方から被せるようにして組み付けられ、電線導出面85の全領域を覆っている。
電線カバー88には、前板部89の内面と、傾斜板部90の前端部内面と、右側の側板部92の内面とに繋がった形態の仕切部95が形成されている。電線カバー88をハウジング70に取り付けた状態では、仕切部95が、収容凹部73の開口部を覆うように電線導出面85に当接し、この当接により収容凹部73が電線屈曲空間93から仕切られている。また、仕切部95の下端部には、通気部材62の上面に対し、当接又は接近して対向する規制部96が形成されている。仕切部95は、前後方向において電線導出口94とは反対側に配されている。
仕切部95の全周には、ハウジング70(電線導出面85)の水切り手段と全周に亘って液密状に嵌合する水切り手段として、下向きリブ97(請求項に記載の水切り部)が形成されている。図22に示すように、下向きリブ97は、底面視において、仕切部95の外周に沿い且つ規制部96を包囲するように配されている。また、下向きリブ97は、規制部96より上方の位置に配されている。下向きリブ97の内周面は、水平面に対して斜めをなし、且つ上下方向に対しても斜めをなしている。
本実施例2の防水コネクタ2は、ハウジング70と複数の端子金具14と通気膜63と電線カバー88とを備えている。ハウジング70の内部には端子収容室(図示省略)が形成され、ハウジング70の外面の一部は電線導出面85となっている。端子金具14は、電線15の端末部に接続されており、電線15を電線導出面85からハウジング70の外部(上方)へ導出させた状態で端子収容室に挿入されている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1,2では、ハウジングに排水路を形成したが、ハウジングは排水路を有しない形態であってもよい。
(2)上記実施例1,2では、電線導出面における防水手段として一括ゴム栓を用いたが、これに限らず、各電線に個別に取り付けた個別ゴム栓で、各端子収容室の開口部を封止してもよい。
(3)上記実施例1,2では、排水路における排水経路の途中に屈曲した形状の遮蔽部を形成したが、排水路は屈曲部を有しない形態であってもよい。
(4)上記実施例1,2では、収容凹部が周壁部の内側から外側に亘って形成されているが、収容凹部の形成領域は、周壁部の内側のみでもよく、周壁部の外側のみでもよい。前者の場合、排水路を屈曲した形状とすることで、排水路を周壁部の外部に配することができ、後者の場合は、筒状通気部を屈曲した形状とすることで、筒状通気を周壁部の内部に配することができる。
(5)上記実施例1,2では、通気膜が収容凹部から離脱するのを規制する手段として、電線カバーに規制部を形成したが、これに限らず、収容凹部に形成した弾性変形可能な係止手段によって通気膜の離脱を規制してもよい。
10,70…ハウジング
13…端子収容室
14…端子金具
15…電線
16,75…周壁部
19…一括ゴム栓
26,85…電線導出面
31,73…収容凹部
33,78…排水路
36,84…遮蔽部
37…前縁水切り部(水切り部)
38…右側縁水切り部(水切り部)
39…後縁水切り部(水切り部)
40…弧状水切り部(水切り部)
50,88…電線カバー
54,93…電線屈曲空間
56,95…仕切部
57,96…規制部
58…前縁リブ(水切り部)
59…右側縁リブ(水切り部)
60…後縁段部(水切り部)
61…弧状リブ(水切り部)
63…通気膜
64…ホルダ
66…筒状通気部
86…上向きリブ(水切り部)
97…下向きリブ(水切り部)
Claims (5)
- 内部に端子収容室が形成され、外面の一部が電線導出面となっているハウジングと、
電線の端末部に接続され、前記電線を前記電線導出面から前記ハウジングの外部へ導出させた状態で前記端子収容室に挿入される端子金具と、
前記電線導出面に形成され、通気膜を収容する収容凹部と、
前記電線導出面と前記収容凹部を覆う電線カバーと、
前記電線カバーの内部に形成され、前記電線導出面から導出した前記電線を屈曲させる電線屈曲空間と、
前記電線カバーに形成され、前記収容凹部の開口部が覆われるように前記電線導出面に当接され、前記収容凹部と前記電線屈曲空間を仕切る仕切部と、
前記電線導出面と前記仕切部との当接領域に形成され、断面が凹凸形状又は段差形状をなす水切り部とを備えていることを特徴とする防水コネクタ。 - 前記収容凹部の開口部が上方に面しており、前記ハウジング内には、前記収容凹部の下面に開口する排水路が形成されていることを特徴とする請求項1記載の防水コネクタ。
- 前記排水路における排水経路の途中に形成され、前記排水路を屈曲した経路とする遮蔽部を備えていることを特徴とする請求項2記載の防水コネクタ。
- 前記電線を気密状に貫通させた状態で前記ハウジングに取り付けられた一括ゴム栓と、
前記ハウジングに形成され、前記一括ゴム栓を気密状に包囲する周壁部と、
前記一括ゴム栓を貫通する筒状通気部を有し、前記通気膜を収容するホルダとを備え、
前記収容凹部は、前記周壁部の内側から外側に亘って形成されており、
前記排水路の上流端は、前記収容凹部のうち前記周壁部より外側の領域に開口していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の防水コネクタ。 - 前記電線カバーに形成され、前記通気膜が前記収容凹部から離脱する方向へ変位することを規制する規制部を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の防水コネクタ。
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