JP6578618B1 - カーボンナノチューブ分散液およびその利用 - Google Patents

カーボンナノチューブ分散液およびその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】バインダーへの相溶性、貯蔵安定性、透明性、導電性に優れたカーボンナノチューブが分散されたカーボンナノチューブ分散液、カーボンナノチューブ塗料、カーボンナノチューブ塗膜を提供すること。【解決手段】カーボンナノチューブ、水溶性樹脂と、水とを含有し、カーボンナノチューブ(A)は、単層であり、透過型電子顕微鏡における画像解析における平均外径が0.5〜5nmであり、比表面積が400〜800m2/gであり、カーボンナノチューブ(A)の炭素成分100質量部に対して、水溶性樹脂(B)を400質量部以上、2000質量部以下含有し、カーボンナノチューブ分散液のレーザー回折式粒度分布測定によって算出される50%粒子径(D50径)が1.5〜40μmであることを特徴とする、カーボンナノチューブ分散液。【選択図】なし

Description

本発明は、バインダーへの相溶性、貯蔵安定性、透明性、導電性に優れたカーボンナノチューブが分散されたカーボンナノチューブ分散液、カーボンナノチューブ塗料に関する。
近年、カーボンナノチューブを含有する材料を用いて、帯電防止性、導電性、熱伝導性および電磁波シールド性等の機能を有する材料の開発が盛んに行われている。例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル又はポリイミド等のポリマー、あるいはガラスやセラミックス材料等の無機材料などをマトリックスとして用いて、これらのマトリックス中にカーボンナノチューブを分散させることによって、帯電防止、導電性、熱伝導性および電磁波シールド性等の機能を有する複合材およびこの複合材を積層した積層体に関する検討が数多く行われている。
カーボンナノチューブには、1つのグラフェン層からなる単層ナノチューブや複数のグラフェン層から構成される多層ナノチューブなどがあるが、アスペクト比が極めて大きく、極めて直径が小さいという構造上の特性を活かし、且つ透明性と導電性、その他の物性を発現させるためには極めて高いレベルで分散、究極的には単分散させる必要がある。特に複合材を他の素材上へ積層する場合には、他の素材の光学特性などへの影響が及ばないように複合材内のカーボンナノチューブは必要最小限の量を高いレベルで分散させる必要がある。
またコーティングによってカーボンナノチューブの特性を活かすためには基板上に分散されたカーボンナノチューブのネットワーク構造を形成させる必要がある。これによりカーボンナノチューブの使用量が極めて少ない場合でも高い透明性と導電性を発現させることが可能であると期待されている。
これまでもカーボンナノチューブを用いた導電層をフィルム上に塗布する等の方法で導電性フィルムを作製する方法が公知となっている。しかし、これらの公知技術、例えば、特許文献1では所望の導電性を付与させるために塗膜厚が極端に厚くなるため、導電性基板として透明性を無視したものになっている。また、特許文献2では導電層内のカーボンナノチューブの導電性を維持させるために、共役重合体系の導電性高分子をバインダー樹脂として用いているが、本来カーボンナノチューブが有している導電特性が活かされておらず、導電性フィルムとしては極めて抵抗値が高くなってしまっている。特許文献3では、カーボンナノチューブの導電特性を発揮させるため導電性フィルムの製造工程が複雑になってしまい、生産性や経済性に問題がある。特許文献4でも、導電層と基材の接着性を向上させるためにカーボンナノチューブを塗布後、その上にバインダー樹脂をオーバーコートしており、特許文献3と同様に生産性や経済性に問題がある。またここに示した4つの特許文献では溶媒として有機溶剤を使用していることから、環境負荷の点でも最適とは言えない。
特開2002−67209号公報 特開2004−195678号公報 特開2007−112133号公報 特許第3665969号公報
これまでの従来技術でもカーボンナノチューブが分散された積層体を作製するためにはマトリックスや樹脂の中にカーボンナノチューブを分散させていた。しかし、必ずしもカーボンナノチューブの分散状態は良好ではなく、また従来のコーティングによる積層では、バインダー樹脂がカーボンナノチューブの導電性を阻害したり、塗料化の工程や乾燥工程でカーボンナノチューブが凝集を起こすなどカーボンナノチューブの本来の特性を発現させることが困難であった。
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を改良し、バインダーへの相溶性、貯蔵安定性、透明性、導電性に優れたカーボンナノチューブが分散されたカーボンナノチューブ分散液、カーボンナノチューブ塗料、カーボンナノチューブ塗膜を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、カーボンナノチューブを溶媒に分散させる際に、分散剤として水溶性樹脂を使用すること、更に分散剤使用量とカーボンナノチューブ量の間に、導電性に大きく寄与する臨界的範囲があることを見出した。またこれらが一定の範囲内であり、所定のカーボンナノチューブを使用した場合に貯蔵安定性、相溶性が良好なカーボンナノチューブ分散液、透明性、導電性に優れたカーボンナノチューブ塗料を製造できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、下記(1)〜(4)を満たすことを特徴とするカーボンナノチューブ分散液に関する。
下記(1)〜(4)を満たすことを特徴とするカーボンナノチューブ分散液。
(1)カーボンナノチューブ(A)と、水溶性分散樹脂(B)と、水とを含有すること。
(2)カーボンナノチューブ(A)は、単層であり、透過型電子顕微鏡における画像解析における平均外径が0.5〜5nmであり、比表面積が400〜800m/gであること。
(3)カーボンナノチューブ(A)の炭素成分100質量部に対して、水溶性樹脂(B)を400質量部以上、2000質量部以下含有すること。
(4)カーボンナノチューブ分散液のレーザー回折式粒度分布測定によって算出される50%粒子径(D50径)が1.5〜40μmであること。
また、本発明は、カーボンナノチューブ(A)は、レーザー回折式粒度分布測定によって算出される50%粒子径(D50)が500〜1300μmであることを特徴とする前記カーボンナノチューブ分散液に関する。
また、本発明は、カーボンナノチューブ(A)が、透過型電子顕微鏡による画像解析によって測定される、分散後の平均長さが2〜10μmであることを特徴とする前記カーボンナノチューブ分散液に関する。
また、本発明は、カーボンナノチューブ(A)が、炭素成分が70〜90%であることを特徴とする前記カーボンナノチューブ分散液に関する。
また、本発明は、水溶性分散樹脂(B)が、スチレン−アクリル構造を有し、酸価が10〜250mgKOH/gであることを特徴とする前記カーボンナノチューブ分散液に関する。
また、本発明は、水溶性分散樹脂(B)が、酸価が10〜100mgKOH/gであることを特徴とする前記カーボンナノチューブ分散液に関する。
また、本発明は、界面活性剤を含むことを特徴とする、前記カーボンナノチューブ分散液に関する。
また、本発明は、分散液の粘度が8000〜30000mPa・sであることを特徴とする、前記カーボンナノチューブ分散液に関する。
また、本発明は、分散液中のカーボンナノチューブ濃度が0.1〜1%であることを特徴とする、前記カーボンナノチューブ分散液に関する。
また、本発明は、カーボンナノチューブ(A)は、分散後の平均長さをA、分散前の平均長さをBとしたときのA/Bが0.3以上であることを特徴とする前記カーボンナノチューブ分散液に関する。
本発明の好ましい実施態様によれば、相溶性、貯蔵安定性に優れたカーボンナノチューブ分散液を提供することができる。さらに、透明性、導電性に優れたカーボンナノチューブ塗料およびカーボンナノチューブ塗膜を提供することができる。
本発明におけるカーボンナノチューブ分散液は、水を主成分とする液媒体中にカーボンナノチューブ(A)を分散してなる液体であり、カーボンナノチューブ(A)及び、水溶性分散樹脂(B)と水とを含有することを特徴とする。さらに、カーボンナノチューブ塗料は、カーボンナノチューブ分散液とバインダー樹脂(C)とを含み、カーボンナノチューブ塗膜はカーボンナノチューブ塗料を製膜化してなることを特徴とする。以下にその詳細を説明する。
<カーボンナノチューブ(A)>
本発明に用いるカーボンナノチューブ(A)は、単層カーボンナノチューブである。単層カーボンナノチューブは、平面的なグラファイトを円筒状に巻いた形状を有しており、一層のグラファイトが巻かれた構造を有する。
本実施形態のカーボンナノチューブ(A)の平均外径は0.5〜5nmであり、1〜3nmであることが好ましく、1〜2nmであることがより好ましい。カーボンナノチューブ(A)の平均外径は、透過型電子顕微鏡(日本電子社製)によって、カーボンナノチューブの形態観察を行い、100本の短軸の長さを計測し、その数平均値をもってカーボンナノチューブ平均外径(nm)とした。
カーボンナノチューブ(A)の比表面積は、400〜800m/gである。好ましくは400〜600m/gである。比表面積が400m/gより小さいと、塗膜中でカーボンナノチューブのネットワークがうまく形成されず導電性が低下し、比表面積が700m/gより大きくなると分散工程においてカーボンナノチューブを解すための必要なエネルギーが大きくなり、カーボンナノチューブの構造破壊も大きく進行してしまうため導電性が低下し好ましくない。
カーボンナノチューブ(A)の炭素成分は70〜90%であることが好ましく、80〜90%であることがより好ましい。カーボンナノチューブ(A)は触媒成分を含む場合があり、カーボンナノチューブ(A)から触媒成分を引いた値を炭素成分と表記する。炭素成分の値は式(1)に従い、空気中900℃の存在下で5時間焼成した後の灰分を測定することで算出した。
カーボンナノチューブの炭素成分(%) =
(1−(焼成後の灰分重量(g)/焼成前のカーボンナノチューブ重量(g)))×100
・・・・式(1)
炭素成分が70〜90%の範囲であれば、カーボンナノチューブの凝集力が弱く水溶性樹脂(B)の吸着が容易に進み、貯蔵安定性、導電性に優れたカーボンナノチューブ分散体が得られる。
カーボンナノチューブ(A)は、レーザー回折式粒度分布測定によって算出される50%粒子径(D50)は500〜1300μmであることが好ましく、より好ましくは800〜1200μmであり、更に好ましくは900〜1100μmである。
なお、本明細書において50%粒子径(D50)とは、特に記載がない限りレーザー回折式粒度分布測定によって算出された値を示す。
このようなカーボンナノチューブ(A)としては、例えば、単層カーボンナノチューブとして、日本ゼオン社製ZEONANO SG101(外径:3〜5nm)、OCSiAl社製 TUBALL(80%)(外径:1〜2nm)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<水溶性分散樹脂(B)>
水溶性分散樹脂(B)は、カーボンナノチューブに対して、分散工程における濡れを促進させ、分散安定化に寄与する分散剤として機能する水溶性の樹脂を表す。水溶性分散樹脂(B)は特に限定されないが、好適な例として以下の化合物が例示できる。
水溶性分散樹脂(B)としては、例えば、アルギン酸類、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム等の水溶性高分子化合物;スチレン−アクリル酸樹脂、スチレン−メタクリル酸樹脂、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−マレイン酸エステル樹脂、メタクリル酸−メタクリル酸エステル樹脂、アクリル酸−アクリル酸エステル樹脂、イソブチレン−マレイン酸樹脂、ビニル−エステル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等のエチレン性二重結合含有樹脂;ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン等のアミン系樹脂;等が挙げられる。
水溶性分散樹脂(B)として使用できる市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー社製のDisperbyk−180、183、184、187、190、191、192、193、194、2010、2013、2015、2090、2091、2095、2096等;日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−20000、27000、41000、41090、43000、44000、46000、47000、53095、54000等;BASFジャパン社製のDispex AA4030、AA4040、AA4140、CX4230、CX4231、CX4234、CX4240、CX4320、Dispex Ultra FA4404、FA4416、FA4425、FA4431、FA4437、FA4480、FA4480、FA4483、PA4550、PA4560、PA4575、PA4585等;Joncryl HPD−196、HPD−96J、PDX−6137A、63J、60J、70J、JDX−6639、JDX−6500、PDX−6102B等;味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
水溶性分散樹脂(B)は、後述するバインダー樹脂(C)への相溶性や、塗料の高い全光線透過率や導電性を示すという理由から、イオン性であることが好ましく、ポリアクリル酸系のような酸性官能基を有する樹脂であることがより好ましく、スチレン構造を有することが好ましく、スチレン−アクリル構造を有することが更に好ましい。また、酸価を有することが好ましく、固形分酸価が10〜250mg KOH/gであることがより好ましく、10〜100mg KOH/gであることがより好ましい。上記範囲内であると、カーボンナノチューブ(A)との相互作用により分散安定性が優れるためである。また、水溶性分散樹脂(B)は、アミン価を有してもよい。
水溶性樹脂(B)の好ましい形態としては、スチレン−アクリル構造を有し、かつ酸価が10〜250mgKOH/gである樹脂が挙げられる。また、他の好ましい形態としては、酸価が10〜100mgKOH/gである樹脂が挙げられる。
ここで、水溶性樹脂(B)の固形分酸価は、JIS K 0070の電位差滴定法に準拠し、測定した酸価(mgKOH/g)を固形分換算した値である。
また、水溶性樹脂(B)の固形分アミン価は、ASTM D 2074の方法に準拠し、測定した全アミン価(mgKOH/g)を固形分換算した値である。
また、カーボンナノチューブ分散液は、分散液中に界面活性剤を含んでもよい。イオン性界面活性剤としては、陽イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤および陰イオン性界面活性剤が挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩などが挙げられる。両イオン性界面活性剤としては、アルキルベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等の芳香族スルホン酸系界面活性剤、モノソープ系アニオン性界面活性剤、エーテルサルフェート系界面活性剤、フォスフェート系界面活性剤およびカルボン酸系界面活性剤などが挙げられる。中でも、分散能、分散安定能、高濃度化に優れることから、芳香環を含むもの、すなわち芳香族系イオン性界面活性剤が好ましく、特にアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩等の芳香族系イオン性界面活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤の例としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの糖エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエチルなどの脂肪酸エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリプロピレングリコールなどのエーテル系界面活性剤、ポリオキシアルキレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルジブチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルベンジルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルビスフェニルエーテル、ポリオキシアルキルクミルフェニルエーテル等の芳香族系非イオン性界面活性剤があげられる。上記において、アルキルとは炭素数が1−20から選択されるアルキルであって良い。
界面活性剤は、分散能、分散安定能、高濃度化に優れることから、非イオン性界面活性剤が好ましく、特に芳香族系非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンフェニルエーテルが好ましい。
<カーボンナノチューブ分散液の作製>
本発明の分散液は、水溶性樹脂(B)を分散剤として、カーボンナノチューブ(A)を水中に分散したものである。この場合、水溶性樹脂(B)とカーボンナノチューブ(A)を同時、または順次添加し、混合することで、水溶性樹脂(B)をカーボンナノチューブ(A)に作用(吸着)させつつ分散する。但し、カーボンナノチューブ分散液の製造をより容易に行うためには、水溶性樹脂(B)を水中に溶解、膨潤、または分散させ、その後、液中にカーボンナノチューブ(A)を添加し、混合することで水溶性樹脂(B)をカーボンナノチューブ(A)に作用(吸着)させることが、より好ましい。
分散装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機を使用することができる。例えば、ディスパー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等のミキサー類、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」、PRIMIX社「フィルミックス」等、シルバーソン社製「アブラミックス」等)類、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、コロイドミル(PUC社製「PUCコロイドミル」、IKA社製「コロイドミルMK」)類、コーンミル(IKA社製「コーンミルMKO」等)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル等のメディア型分散機、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
水溶性樹脂(B)は、カーボンナノチューブ(A)の炭素成分100質量部に対して400質量部以上2000質量以下使用し、さらには800質量部〜1200質量部が好ましい。400質量部未満ではバインダー(C)への相溶性が著しく低下し、2000質量部を超えると、導電性が著しく低下する。
カーボンナノチューブ(A)の分散後の50%粒子径(D50)は1.5〜40μmであり、好ましくは4〜40μm、より好ましくは4〜30μm、さらに好ましくは4〜20μmである。一般的には、D50が小さいほど分散性が高く、さらにはカーボンナノチューブを孤立分散させた方がよいとされるが、導電性と透明性の観点からは上記範囲で分散することが好ましい。D50が1.5μmより小さくなると、また40μmより大きくなると導電性、透明性が低下するため好ましくない。
このような比率で配合することにより、本発明が解決しようとする課題である貯蔵安定性、バインダー樹脂(C)への相溶性に優れたカーボンナノチューブ分散液を得ることが容易となる。
さらには本発明のカーボンナノチューブ分散液の製造方法において、カーボンナノチューブ(A)のある一定の平均長さを保つことが重要となる。具体的には、カーボンナノチューブ分散液中における、分散後の平均長さは2μm以上10μm以下であることが好ましく、5μm以上10μm以下であることがより好ましい。平均長さが2μm未満であると導電性が著しく低下し、10μmを超えると、バインダー樹脂(C)への相溶性が低下する。尚、カーボンナノチューブ(A)の平均長さは、透過型電子顕微鏡(日本電子社製)によって、カーボンナノチューブの形態観察を行い、100本の長軸の長さを計測し、その数平均値をもってカーボンナノチューブ平均長さ(μm)とした。
さらには、分散後のカーボンナノチューブ(A)の平均長さをA、分散前の平均長さをBとすると、A/Bが0.3以上であることが好ましい。0.3未満になると、カーボンナノチューブ(A)の長さが変化するだけではなく、カーボンナノチューブ(A)表面のグラフェン構造の欠陥も増加し、導電性が著しく低下する。
カーボンナノチューブ分散液の粘度は、B型粘度計ローター回転速度60rpmにて8000〜30000mPa・sであることが好ましく、10000〜20000mPa・sであることがより好ましい。
カーボンナノチューブ分散液中の溶液中のカーボンナノチューブ濃度は0.1〜1%であることが好ましく、0.3〜0.7%であることがより好ましい。
<カーボンナノチューブ塗料の作製>
本発明のカーボンナノチューブ塗料は、少なくとも本発明のカーボンナノチューブ分散液とバインダー樹脂(C)とを含む水性塗料である。水溶性分散樹脂(B)は、カーボンナノチューブ(A)を分散する際に用いる樹脂であり主に顔料吸着の機能を有するのに対し、バインダー樹脂(C)は、塗膜を作製するために用いる樹脂であり造膜する機能を有する。また、バインダー樹脂(C)は、硬化剤と反応させるため、水酸基などの架橋性官能基を有する場合が多い。
<バインダー樹脂(C)>
バインダー樹脂(C)としては、通常、塗料のバインダー樹脂として用いられるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物、などが挙げられる。前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、珪素樹脂などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。前記水分散性樹脂は、ホモポリマーとして使用されてもよく、また、コポリマーとして使用して複合系樹脂として用いてもよく、単相構造型、コアシェル型、及びパワーフィード型エマルジョンのいずれのものも使用できる。
バインダー樹脂(C)としては、樹脂自身が親水基を持ち自己分散性を持つもの、樹脂自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基を持つ樹脂にて分散性を付与したものが使用できる。これらの中でも、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂のアイオノマーや不飽和単量体の乳化及び懸濁重合によって得られた樹脂粒子のエマルジョンが好適である。不飽和単量体の乳化重合の場合には、不飽和単量体、重合開始剤、及び界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、pH調整剤などを添加した水にて反応を行い樹脂エマルジョンを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を容易に替えやすいため目的の性質を作りやすい。
前記不飽和単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、(メタ)アクリル酸エステル単量体類、(メタ)アクリル酸アミド単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルシアノ化合物単量体類、ビニル単量体類、アリル化合物単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類、不飽和炭素を持つオリゴマー類などを単独及び複数組み合わせて用いることができる。これらの単量体を組み合わせることで柔軟に性質を改質することが可能であり、オリゴマー型重合開始剤を用いて重合反応、グラフト反応を行うことで樹脂の特性を改質することもできる。
前記不飽和カルボン酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。
前記単官能の(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−へキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、などが挙げられる。
前記多官能の(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2'−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)
プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2'−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパントリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アミド単量体類としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
前記芳香族ビニル単量体類としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
前記ビニルシアノ化合物単量体類としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
前記アリル化合物単量体類としては、例えば、アリルスルホン酸又はその塩、アリルアミン、アリルクロライド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
前記オレフィン単量体類としては、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
前記ジエン単量体類としては、例えば、ブタジエン、クロロプレン等が挙げられる。
前記ビニル単量体類としては、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸又はその塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記不飽和炭素を持つオリゴマー類としては、例えば、メタクリロイル基を持つスチレンオリゴマー、メタクリロイル基を持つスチレン−アクリロニトリルオリゴマー、メタクリロイル基を持つメチルメタクリレートオリゴマー、メタクリロイル基を持つジメチルシロキサンオリゴマー、アクリロイル基を持つポリエステルオリゴマー等が挙げられる。
前記基体樹脂の官能基と反応しうる架橋剤としての役割を持つメラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックポリイソシアネ−ト化合物、エポキシ化合物又は樹脂、カルボキシル基含有化合物又は樹脂、酸無水物、アルコキシシラン基含有化合物又は樹脂等を用いることができる。架橋性官能基を含有する樹脂と架橋剤としての役割を持つ樹脂は併用することが望ましく、中でも、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂及び尿素樹脂から選ばれる1種を用いることが好ましく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂及びメラミン樹脂から選ばれる1種を用いることがより好ましく、アクリル樹脂とメラミン樹脂とを併用することがより好ましい。
メラミン樹脂は、熱硬化性を有し硬化剤として作用することから、特に好ましく用いられる。アクリル樹脂は、当業者によってよく知られた重合性不飽和二重結合を有するモノマーを常法によって重合することにより得られるものが好ましい。上記重合性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エタクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸及びフマル酸等のカルボン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性アクリルモノマー等の水酸基含有モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、スチレン、α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等のスチレン系モノマー等を挙げることができる。また、重合には、当業者によってよく知られたラジカル重合開始剤等を用いることが好ましい。
メラミン樹脂の具体例としては、例えばサイメル300、303、325、327、350、370(三井サイテック(株)社製)、ニカラックMS15、MS17、MX430、MX650(三和ケミカル(株)社製)、スミマールM−55(住友化学(株)社製)、レジミン740、741(モンサント社製)などのメチルエーテル化メラミン樹脂;サイメル202、235、同238、254、272、1130(三井サイテック(株)社製)、ニカラックMX485、MX487(三和ケミカル(株)社製)、レジミン755(モンサント社製)などのメチルエーテル・ブチルエーテル混合エーテル化メラミン樹脂を挙げることができる。これらのメラミン樹脂は1種で又は2種以上の混合物として使用することができる。
本発明のカーボンナノチューブ塗料には、さらに必要に応じて、水あるいは有機溶媒、レオロジーコントロール剤、顔料分散剤、沈降防止剤、硬化触媒、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、表面調整剤等の各種添加剤、体質顔料などを適宜配合することができる。
本発明のカーボンナノチューブ塗料は、前述の成分を混合分散することによって調製することができる。また、予め上記樹脂成分及び水と混合してカーボンナノチューブ分散液を調製し、該カーボンナノチューブ分散液を前述の成分と混合してカーボンナノチューブ塗料に配合せしめることができる。
本発明のカーボンナノチューブ塗料は、特に限定されず様々な基材に塗工できる、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム等及びその表面処理物等の金属基材;セメント類、石灰類、石膏類等のセメント系基材;ポリ塩化ビニル類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、アクリル類等のプラスチック系基材等を挙げることができる。また、これらの各種基材からなる、建材、建築物、構造物等の建築・建材分野の各種被塗物等を挙げることができる。
カーボンナノチューブ塗料の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレー塗装等を挙げることができる。塗装後、通常、常温乾燥又は加熱乾燥させることにより塗膜を得ることができる。なお、塗布量;下塗り、中塗り、上塗り等の塗装順;塗装膜厚;乾燥時間等は、カーボンナノチューブ塗料の種類や適用する基材に応じて任意に設定することができる。
以下、実施例に基づき、本発明を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。本実施例中、部は質量部を、%は質量%をそれぞれ表す。
本実施例および比較例において、カーボンナノチューブ分散液および塗料の製造にあたって、下記材料を使用した。
<カーボンナノチューブ(A)>
・TUBALL(80%):OCSiAl社製シングルウォールカーボンナノチューブ、平均外径:1.5nm、炭素成分80%、平均長さ12μm、50%粒子径(D50)920μm、比表面積490m/g
・TUBALL(93%):OCSiAl社製シングルウォールカーボンナノチューブ、平均外径:1.5nm、炭素成分93%、平均長さ10μm、50%粒子径(D50)1010μm、比表面積850m/g
・カーボンナノチューブ(A−1):平均外径:1.5nm、炭素成分70%、平均長さ8μm、50%粒子径(D50)1190μm、比表面積750m/g
・カーボンナノチューブ(A−2):平均外径:1.5nm、炭素成分91%、平均長さ9μm、50%粒子径(D50)1350μm、比表面積1200m/g
尚、カーボンナノチューブ(A−1)及びカーボンナノチューブ(A−2)は下記の製造例に沿って作製を行った。
(カーボンナノチューブ(A−1)の製造)
スパッタ蒸着装置を用い、シリコンウェハー上へ厚さ1nmの鉄金属を蒸着した。これを反応炉に挿入し、アルゴン雰囲気下で800℃まで昇温させた後、アルゴン水素混合ガスを1000cc/分、エチレンガスを100cc/分中で10分間反応させ、カーボンナノチューブを回収した。さらに、ステンレス容器にカーボンナノチューブとガラスビーズを仕込み、ペイントコンディショナーで乾式粉砕処理を1時間行い、カーボンナノチューブを任意の長さに調整し、カーボンナノチューブ(A−1)を得た。
(カーボンナノチューブ(A−2)の製造)
スパッタ蒸着装置を用い、シリコンウェハー上へ厚さ1nmの鉄金属を蒸着した。これを反応炉に挿入し、アルゴン雰囲気下で1000℃まで昇温させた後、アルゴン水素混合ガスを1000cc/分、エチレンガスを100cc/分中で10分間反応させ、カーボンナノチューブを回収した。さらに、ステンレス容器にカーボンナノチューブとガラスビーズを仕込み、ペイントコンディショナーで乾式粉砕処理を1時間行い、カーボンナノチューブを任意の長さに調整し、カーボンナノチューブ(A−2)を得た。
<水溶性分散樹脂(B)>
・Joncryl HPD−96J:BASFジャパン社製、スチレン−アクリル酸系、固形分酸価240mg KOH/g、不揮発分34%
・Joncryl JDX−6500:BASFジャパン社製、オールアクリル系(スチレンフリー)、固形分酸価215mg KOH/g、不揮発分29.5%
・Dispex Ultra PA 4550:BASFジャパン社製、変性ポリアクリル酸塩ポリマー、固形分酸価0mg KOH/g、固形分アミン価54mg KOH/g、不揮発分50%
・BYK−190:ビックケミー社製、スチレン系ブロック共重合、固形分酸価25mg KOH/g、不揮発分40%
・BYK−2010:ビックケミー社製、アクリルエマルション、固形分酸価50mg KOH/g、固形分アミン価50mg KOH/g、不揮発分40%
<バインダー樹脂(C)>
ウォーターゾールS−751:DIC社製焼き付け塗料用アクリル樹脂、不揮発分50%
ウォーターゾールS−212:DIC社製アルキッド樹脂、不揮発分65%
サイメル303:三井サイテック社製メラミン樹脂、不揮発分100%
尚、本発明に用いたカーボンナノチューブの50%粒子径(D50)はレーザー回折式粒度分布(島津製作所社製「SALD−2300」)により、比表面積は全自動比表面積測定装置(マウンテック社製「HM Model−1200」)により算出した。
<カーボンナノチューブ分散液の製造>
[実施例1]
カーボンナノチューブ(A)としてTUBALL 0.5部、水溶性樹脂(B)としてJoncryl JPD−96J 4.7部、消泡剤としてサーフィノール104E 0.3部、精製水94.5部をヘラで予備分散をした後に、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gを分散メディアとして仕込み、ペイントシェーカーにて、4時間分散処理し、カーボンナノチューブ分散液D−1を得た。
[実施例1−13、実施例15−17、比較例1−16]
表1に示す水溶性樹脂(B)の種類と量、分散処理時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、カーボンナノチューブ分散液D−2〜D−13、D−15〜D−33を得た。
[実施例14]
界面活性剤としてデモールN(花王ケミカル社製、βーナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)を0.04部加えたこと以外は、実施例7と同様にして、カーボンナノチューブ分散液D−14を得た。



<カーボンナノチューブ分散液の評価>
得られたカーボンナノチューブ分散液について、以下の評価を行った。その結果を表2に示した。
(粘度)
粘度値の測定は、B型粘度計(東機産業社製「BL」)を用いて、分散液温度25℃、B型粘度計ローター回転速度60rpmにて、分散液をヘラで充分に撹拌した後、直ちに行った。測定に使用したローターは、粘度値が0.1Pa・s未満の場合はNo.1を、0.1Pa・s以上0.5Pa・s未満の場合はNo.2を、0.5Pa・s以上2.0Pa・s未満の場合はNo.3を、2.0Pa・s以上10Pa・s未満の場合はNo.4のものをそれぞれ用いた。得られた粘度値が10Pa・s以上の場合については、「>10」と記載したが、これは評価に用いたB型粘度計では評価不可能なほどに高粘度であったことを表す。分散直後から5時間以内に測定した粘度を、初期粘度とした。
(貯蔵安定性)
貯蔵安定性の評価は、カーボンナノチューブ分散液を50℃にて、10日間静置して保存した後の、粘度値の変化から評価した。変化率は式(2)によって算出され、算出された結果に基づき下記基準にて評価を行った。尚、〇(良好)、△(普通)、×(不良)の3段階で評価した。また、粘度値が「>10」の場合は、計算が不可能なため、「−」(評価不可)と表記した。
変化率(%)=(50℃10日後粘度)/(初期粘度)×100・・・・・・式(2)
○:変化率が80%以上120%未満
△:変化率が50%以上80%未満または120%以上150%未満
×:変化率が50%未満または150%以上
(カーボンナノチューブ長さ)
透過型電子顕微鏡(日本電子社製)によって、カーボンナノチューブの形態観察を行い、100本の長軸の長さを計測し、その数平均値をもってカーボンナノチューブ平均長さ(μm)とした。下記基準にて評価を行った。尚、〇(良好)、△(普通)、×(不良)の3段階で評価した。
〇:5μm以上10μm以下
△:2μm以上5μm未満
×:2μm未満または10μmを超える
(カーボンナノチューブ長さ維持率評価)
分散後の平均長さをA、分散前の平均長さをBとし、下記基準にて評価を行った。尚、〇(良好)、△(普通)、×(不良)の3段階で評価した。
〇:A/B=0.3以上
△:A/B=0.3未満0.2以上
×:A/B=0.2未満
(分散液の粒度分布)
分散液のカーボンナノチューブ(A)の粒度分布は、レーザー回折式粒度分布(マイクロトラック・ベル社製「マイクロトラック MT300II」)により、50%粒子径(D50)を算出した。



<カーボンナノチューブ塗料の製造>
[実施例18]
実施例1で得られたカーボンナノチューブ分散液D−1及びバインダー樹脂(C)を、下記組成にあるように配合し、塗料P−1を得た。
カーボンナノチューブ分散液D−1 :11.4部
ウォーターゾールS−751 :56部
サイメル303 :12部
[実施例19−26、実施例32−39、比較例17−32]
表3に示すカーボンナノチューブ分散液(A)に変更した以外は、実施例18と同様にして、塗料P−2〜P−9、P−15〜P−38を得た。
[実施例27]
実施例2で得られたカーボンナノチューブ分散液D−2及びバインダー樹脂(C)を、下記組成にあるように配合し、塗料P−10を得た。
カーボンナノチューブ分散液D−2 :11.4部
ウォーターゾールS−212 :43部
サイメル303 :12部
[実施例28−31]
表3に示すカーボンナノチューブ分散液(A)に変更した以外は、実施例27と同様にして、塗料P−11〜P−14を得た。
<塗料評価>
得られた塗料について、さらに、塗料をコロナ放電処理PETフィルムに膜厚が20±2μmになるようにアプリケーターで塗工し、30分間セッティング後、60℃にて30分間乾燥させた後、140℃にて20分間焼き付けを行って、各塗料の試験塗膜を作製し、塗料とその塗膜について以下の評価を行った。その結果を表3に示した。
(相溶性)
得られた塗料をJIS K56002−5に従い、粒子の密集を確認することで、カーボンナノチューブ分散液(A)と、バインダー樹脂(C)の相溶性を判断した。下記基準にて評価を行った。尚、〇(良好)、×(不良)の2段階で評価した。
○:密集20μm未満
×:密集20μm以上
(全光線透過率)
透明性については、PETフィルムに塗工した試験塗膜を、日本電色工業社製:ヘーズメーター(300A)で全光線透過率を測定した。下記基準にて評価を行った。尚、〇(良好)、△(普通)、×(不良)の3段階で評価した。
〇:65%以上80%未満
△:60%以上65%未満
×:50%以上60%未満
(表面抵抗率)
導電性については、PETフィルムに塗工した試験塗膜を、三菱化学社製:ロレスターGP(CP−T610)を用いて表面抵抗率(Ω/□)を測定した。下記基準にて評価を行った。尚、〇(良好)、△(普通)、×(不良)の3段階で評価した。
〇:1.0×107未満
△:1.0×10以上1.0×10未満
×:1.0×10以上
表2に示した結果から、本発明のカーボンナノチューブ分散液は貯蔵安定性に優れ、表3に示した結果から、本発明のカーボンナノチューブ分散液はバインダーへの相溶性に優れることが示された。さらに、表3に示した結果から、本発明のカーボンナノチューブ塗料は、透明性と表面抵抗率に優れていることが示された。

Claims (10)

  1. 下記(1)〜(4)を満たすことを特徴とするカーボンナノチューブ分散液。
    (1)カーボンナノチューブ(A)と、水溶性分散樹脂(B)と、水とを含有すること。
    (2)カーボンナノチューブ(A)は、単層であり、透過型電子顕微鏡における画像解析における平均外径が0.5〜5nmであり、比表面積が400〜800m/gであること。
    (3)カーボンナノチューブ(A)の炭素成分100質量部に対して、水溶性樹脂(B)を400質量部以上、2000質量部以下含有すること。
    (4)カーボンナノチューブ分散液のレーザー回折式粒度分布測定によって算出される50%粒子径(D50径)が1.5〜40μmであること。
  2. カーボンナノチューブ(A)は、レーザー回折式粒度分布測定によって算出される50%粒子径(D50)が500〜1300μmであることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散液。
  3. カーボンナノチューブ(A)が、透過型電子顕微鏡による画像解析によって測定される、分散後の平均長さが2〜10μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ分散液。
  4. カーボンナノチューブ(A)が、炭素成分が70〜90%であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のカーボンナノチューブ分散液。
  5. 水溶性分散樹脂(B)が、スチレン−アクリル構造を有し、酸価が10〜250mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載のカーボンナノチューブ分散液。
  6. 水溶性分散樹脂(B)が、酸価が10〜100mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜5いずれか一項に記載のカーボンナノチューブ分散液。
  7. 界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1〜6いずれか一項に記載のカーボンナノチューブ分散液。
  8. 分散液の粘度が8000〜30000mPa・sであることを特徴とする、請求項1〜7いずれか一項に記載のカーボンナノチューブ分散液。
  9. 分散液中のカーボンナノチューブ濃度が0.1〜1%であることを特徴とする、請求項1〜8いずれか一項に記載のカーボンナノチューブ分散液。
  10. カーボンナノチューブ(A)は、分散後の平均長さをA、分散前の平均長さをBとしたときのA/Bが0.3以上であることを特徴とする請求項1〜9いずれか一項に記載のカーボンナノチューブ分散液。
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