JP5949104B2 - 金属粒子分散剤、金属粒子分散インク及び導電性パターン形成方法 - Google Patents

金属粒子分散剤、金属粒子分散インク及び導電性パターン形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5949104B2
JP5949104B2 JP2012102767A JP2012102767A JP5949104B2 JP 5949104 B2 JP5949104 B2 JP 5949104B2 JP 2012102767 A JP2012102767 A JP 2012102767A JP 2012102767 A JP2012102767 A JP 2012102767A JP 5949104 B2 JP5949104 B2 JP 5949104B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal particle
metal
monomer
particle dispersant
conductive pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012102767A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013230416A (ja
Inventor
柳澤 匡浩
匡浩 柳澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2012102767A priority Critical patent/JP5949104B2/ja
Publication of JP2013230416A publication Critical patent/JP2013230416A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5949104B2 publication Critical patent/JP5949104B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

本発明は、溶媒に金属粒子を分散するための金属粒子分散剤及びこれを用いて構成された金属粒子分散インク並びに導電性パターン形成方法に関する。
従来、基材上への配線やアンテナなどの導電性パターンを形成する手段としてはフォトリソグラフィー及びエッチングなどが主に利用されているが、プロセス工程数や材料使用効率などの点で問題が多く、製造コストも高い。このような製造コストを低減するために、インクジェット印刷法等の印刷法を用いた導電性パターンの形成が試みられている (例えば、特許文献1参照)。
上記インクジェット印刷法では、成膜後の焼成処理により導電体となるインクを用い、このインクをインクジェット法により基板上に印刷した後、乾燥・焼成することで導電パターンが形成される。インクジェット印刷法を用いると、電極パターンを直接描画することができるため、材料使用率が高くなり、製造プロセスの簡略化及び低コスト化を実現できる可能性がある。
インクジェット印刷法で使用するインクとしては、金属微粒子、特に一次粒径がnmオーダーの粒子を液体に分散したいわゆるナノメタルインクが使用されることが多い。 ナノメタルインクは金属微粒子の粒径がnmオーダーであるため、バルク体よりも融点が低下してバルクの融点よりも低い焼成温度でナノ粒子同士が融着し、電極パターンが導体となる(例えば、特許文献2参照)。
ナノメタルインクは液体中で金属微粒子が凝集しないように金属微粒子の周りに分散安定剤を設けてある。分散安定剤は有機材料であるので、ナノメタルインクを基板へ塗布、乾燥した後に加熱することで、分散安定剤が酸化、分解によって除去される。さらに金属粒子同士が融着することで導電性を発現し、塗布パターンに応じた導電配線が形成されるが、基板との密着性が必ずしも十分とは言えるものではなかった。これを解決するためにインク中にバインダー樹脂を添加しておくこともできるが、その場合バインダー樹脂が導電性を阻害する要因となる問題があった。
なお、金属微粒子分散剤としては、アミノ官能基又はイミノ官能基を末端に有する高分岐ポリマーが提案されている(特許文献3参照)。この提案では、当該金属微粒子分散剤を加えた状態で、金属塩の還元剤により金属イオンの還元を行って金属微粒子を調製することが記載されている。
また、金属化合物水溶液、液状のエチレン性不飽和単量体及び顔料分散剤の混合物中で金属化合物を還元し、その後水相を除去することで金属微粒子がエチレン性不飽和単量体中に分散してなる金属微粒子分散体を製造する方法が提案されている(特許文献4参照)。この金属微粒子分散体を用いることで、流動性、安定性の良好な導電性インキが得られるとしている。
また、遷移金属塩の水溶液に、アクリレートもしくはメタクリレートモノマーもしくはオリゴマー、又はポリアクリレートもしくはポリメタクリレート、及び還元剤を添加することを含む工程により、有機マトリックス中でナノ形状遷移金属粒子を合成、分離及び再分散する方法が提案されている(特許文献5参照)。この技術は、建築又は自動車の板ガラスにおけるIR吸収体として有用であるとしている。
しかし、前記従来技術では、基板との密着性や導電性が十分とは言えず、更に特性向上が求められている。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、金属ナノ粒子などの金属粒子を良好に分散できる金属粒子分散剤と、この金属粒子分散剤を用いることにより基板との密着性が優れ、かつ、焼結処理(焼成)により導電性パターンの形成が可能な金属粒子分散インク、並びに、金属粒子分散インクを用いた導電性パターン形成方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは上記課題を解決する手段を鋭意検討した結果、特定の共重合体からなる固体の高分子化合物が金属ナノ粒子などの金属粒子を溶媒に良好に分散でき、この金属粒子分散剤を用いた金属粒子分散インクは基板と良好に密着し、焼結処理(焼成)により導電性を発現して導電性パターンが形成され、焼成後も密着性の維持が可能であることを見出し、本発明に至った。
即ち、上記課題は、溶媒に金属粒子を分散するための金属粒子分散剤であって、前記金属粒子分散剤は下記構造式(I)で示されるアクリル酸テトラヒドロフルフリル、または下記構造式(II)で示されるメタクリル酸テトラヒドロフルフリルから選択される単量体と、前記金属粒子に吸着する吸着性官能基を有する単量体との共重合体からなる固体の高分子化合物であり、前記共重合体における各単量体[メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、またはアクリル酸テトラヒドロフルフリルから選択される単量体]と[吸着性官能基を有する単量体]の組成比(重量部)が、90:10〜99.9:0.1であることを特徴とする金属粒子分散剤により解決される。
Figure 0005949104
また、上記課題は、金属粒子と、溶媒と、金属粒子分散剤とからなり、基材上に導電パターンを形成するための金属粒子分散インクであって、前記金属粒子分散剤が請求項1乃至5のいずれかに記載の金属粒子分散剤であることを特徴とする金属粒子分散インクにより解決される。
また、上記課題は、請求項6に記載の金属粒子分散インクを基材上に塗布する工程と、前記基材上に塗布されたインクを焼結により導電性を発現させる工程を有することを特徴とする導電性パターン形成方法により解決される。
本発明の金属粒子分散剤は、前記構造式(I)で示されるメタクリル酸テトラヒドロフルフリル、または前記構造式(II)で示されるアクリル酸テトラヒドロフルフリルから選択される単量体と、前記金属粒子に吸着する吸着性官能基を有する単量体との共重合体からなる固体の高分子化合物であるため、金属ナノ粒子などの金属粒子を溶媒に良好に分散することができる。
また、金属粒子と、溶媒と、本発明の金属粒子分散剤とからなる金属粒子分散インクとすれば基板との密着性が優れ、かつ、焼結処理(焼成)により導電性を発現する。
また、金属粒子分散インクを基材上に塗布する工程と、前記基材上に塗布されたインクを焼結により導電性を発現させる工程を有する導電性パターン形成方法によれば、導電性パターンが形成され、焼成後も密着性の維持が可能である。
前述のように本発明における金属粒子分散剤は、溶媒に金属粒子を分散するための金属粒子分散剤であって、前記金属粒子分散剤は下記構造式(I)で示されるアクリル酸テトラヒドロフルフリル、または下記構造式(II)で示されるメタクリル酸テトラヒドロフルフリルから選択される単量体と、前記金属粒子に吸着する吸着性官能基を有する単量体との共重合体からなる固体の高分子化合物であることを特徴とするものである。
Figure 0005949104
なお、前記アクリル酸テトラヒドロフルフリルは、「テトラヒドロフルフリルアクリレート」または「アクリル酸(テトラヒドロフラン)−2−イルメチル」と呼称されることもある。また、メタクリル酸テトラヒドロフルフリルは、「テトラヒドロフルフリルメタクリレート」または「メタクリル酸(テトラヒドロフラン)−2−イルメチル」と呼称されることもある。
前記金属粒子分散剤(略称、「分散剤」)は後述の溶媒、例えば、グリコール系、グリコールエーテル系あるいはグリコールエステル系の有機溶媒に対して相溶性が良好である。分散剤は金属粒子に吸着する吸着性官能基を有することから、効果的に金属粒子表面に付着し、その際、分散剤が固体の高分子化合物であり単独で自立性の皮膜を形成することが可能である。また、共重合体中のテトラヒドロフルフリル基による立体障害により金属粒子同士の凝集を防ぎ、分散安定性を維持することができる。また、分散剤(共重合体)中のテトラヒドロフルフリル基は基材との高い密着効果を有する。
上記のように、金属粒子分散剤として機能するためには金属粒子に吸着する何らかの吸着性を有することが必要であるが、このような官能基を有する単量体をテトラヒドロフルフリル基を有する単量体と共重合すると、共重合体である高分子化合物は粒子表面に吸着し、且つそこから伸びる高分子鎖に起因する高い立体効果を持つものとなる。この高分子鎖の立体障害により、金属粒子分散液中で金属粒子同士は凝集しにくくなる。
金属粒子への吸着性を有する官能基としては、含窒素複素環基や、イオン性官能基等が挙げられる。これらの基の導入には該当する基を有する単量体を選択して用い、前記構造式(I)で示されるアクリル酸テトラヒドロフルフリル、または前記構造式(II)で示されるメタクリル酸テトラヒドロフルフリルから選択される単量体と共重合することが必要である。
共重合におけるそれぞれの単量体の比率は、分散剤の粒子への吸着性及び粒子同士の凝集抑制のバランスから適宜決定することができる。また、その手段としては重合時の各単量体の仕込み比で制御することが可能である。
共重合体における各単量体[メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、またはアクリル酸テトラヒドロフルフリルから選択される単量体]と[吸着性官能基を有する単量体]の組成比(重量部)は、90:10〜99.9:0.1であることが好ましい。
吸着性官能基を有する単量体を含まず、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、またはアクリル酸テトラヒドロフルフリルから選択される単量体のみの高分子化合物の場合には、金属粒子に吸着することができず溶媒中での金属粒子の凝集体を解砕状態とすることができない。
一方、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、またはアクリル酸テトラヒドロフルフリルから選択される単量体を含まず、吸着性官能基を有する単量体のみの高分子化合物の場合には、粒子間の引力を阻害する立体障害が得られず、粒子は瞬時に再凝集してしまう。
ここで、金属粒子に対して吸着性を示す含窒素複素環基を有する単量体としては、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、アクリロイルモルホリン、アクリロイルオキサゾリジノン、アクリル酸−N−スクシンイミジルなどが挙げられる。
また、イオン性官能基を有する単量体も好ましく用いられる。このようなイオン性官能基としては、イオン性を有するものであれば限定されないが、例えば、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基(スルホン酸基)、ホスホ基(ホスホン酸基)の中から選ばれる基が好ましく選択される。
イオン性官能基はナノ金属粒子等の金属粒子表面あるいは金属の酸化皮膜表面への吸着効果が高く、少量の金属粒子分散剤の添加でも機能する。このようなイオン性官能基を有する単量体としては、例えば、下記のようなものが例示される。
アミノ基を有する単量体としては、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジ−tert−ブチルアミノエチルアクリレート、N−フェニルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジフェニルアミノエチルメタクリレート、アミノスチレン、ジメチルアミノスチレン、N−メチルアミノエチルスチレン、ジメチルアミノエトキシスチレン、ジフェニルアミノエチルスチレン、N−フェニルアミノエチルスチレン、2−N−ピペリジルエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニル−6−メチルピリジン等が挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、桂皮酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、2−メタクリロキシエチルコハク酸、2−メタクリロキシエチルマレイン酸、2−メタクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロキシエチルトリメリット酸等が挙げられる。
スルホ基(スルホン酸基)を有する単量体としては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
ホスホ基(ホスホン酸基)を有する単量体としては、(メタ)アクリロキシプロピルホスホン酸等が挙げられる。
本発明の金属粒子分散剤を用いてナノ金属粒子等の金属粒子を溶媒に分散する場合に用いられる溶媒としては、分散剤を構成する共重合体中のテトラヒドロフルフリル基の相溶性の観点から、グリコール系、グリコールエーテル系あるいはグリコールエステル系の有機溶媒が好ましい。前述のように、テトラヒドロフルフリル基は特にこれら溶媒中で高分子鎖の立体障害により粒子同士の凝集を防ぎ、分散安定性を維持することができる。
グリコール系の有機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールが挙げられる。
グリコールエーテル系の有機溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコールエーテルが挙げられる。
グリコールエステル系の有機溶媒としては、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコールエステルが挙げられる。
金属粒子分散剤を用いて金属粒子を溶媒に分散する方法としては、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等公知撹拌手段を適用することができる。必要に応じて加温や、超音波振動を加える等の条件下に混合撹拌することもできる。
本発明における金属粒子分散剤を用いて溶媒に分散する金属粒子としては、導電性を有するものであれば特に限定されず、また、ナノサイズの金属粒子でもよい。このような金属粒子としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)等が挙げられる。特に、Cuは導電性とコストの面でバランスが取れているので好ましく用いられる。
ナノサイズの金属粒子を用いた場合には、金属微粒子の粒径がnmオーダーであることから、バルクの融点よりも低い焼成温度でナノ粒子同士が融着して導体となりやすいことや、インクとして用いた際に微細なパターン形成が可能であること、金属塩の反応から得るものに比べてインク中の金属濃度が高く相対的に厚膜のものが得られる等の効果が期待される。
本発明の金属粒子分散剤と、金属粒子と、溶媒とから構成される金属粒子分散インクは、基材上に導電パターンを形成するためのインクとして有用である。金属粒子分散剤は単独溶液の基材上へのキャスト成膜が可能であり、基材との密着性も優れたものとなる。
即ち、導電性パターンは、金属粒子分散インクを基材上に塗布する工程と、前記基材上に塗布されたインクを焼結により導電性を発現させる工程とにより形成される。
金属粒子分散インクを基材上に塗布する工程で用いられる塗布手段としては、インクジェット法が直接パターニングの点で好ましいが、インクを使用する印刷法であれば特に限定されない。
焼結工程は、溶媒の除去後、金属粒子表面あるいは金属の酸化皮膜表面に吸着している金属粒子分散剤を消失させ、金属粒子同士を融合して導電性を発現させるために必要な工程である。この金属粒子同士が融合するためにエネルギーの付与が必要であり、主に熱エネルギーの付与が考えられるが、特に限定されない。
例えば、前記焼結を光エネルギーの照射による光焼成で行うことができる。つまり、光エネルギーの照射により室温乃至低温加熱の状態で金属粒子の焼成を行うものである。ここで言う低温とは基材が熱によるダメージを受けない、凡そ200℃以下の温度を指す。光源としてはキセノンランプなど公知のエネルギー付与が可能な光照射手段が使用可能である。なお、光照射の前に予備加熱で溶媒を蒸発させておくことが好ましい。
また、前記焼結を無酸素雰囲気下での焼成により行うことができる。酸素がないことにより焼成後の金属が酸化されることがなく、導電率が向上する。このような雰囲気としては窒素やアルゴンなどの不活性ガスで置換された雰囲気等が好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例で用いる部は、全て重量部である。
[高分子化合物(金属粒子分散剤)の合成例]
(実施例1〜5)
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器に、エタノール300部を採り、窒素パージの下、60℃に加熱した。この中に下記表1に示す組成の単量体(モノマー1及びモノマー2)と重合開始剤であるアゾビスジメチルバレロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘って滴下した。次いで、同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。得られた樹脂溶液から溶媒のエタノールをエバポレーターで蒸発させたところ、弾性のある固体高分子(実施例1〜5の各高分子化合物:金属粒子分散剤)を得た。
(比較例1〜4)
上記実施例と同様にして、下記表1に示す一方の単量体(モノマー1のみ、または、モノマー2のみ)を用いて比較例1〜4の各高分子化合物を得た。
Figure 0005949104
インクの調製前に、予備実験として実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた高分子化合物を用いてナノ銅粒子(QuantumSphere社 QSI−Nano Copper Powder)を溶媒(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)に加え、高速ミキサー(プライミクス社 フィルミックス)で撹拌・混合し、分散性を調べた。その結果、実施例1〜5の高分子化合物を用いたものは、いずれもナノ銅粒子の分散が良好であり、ナノ銅粒子が凝集することはなかった。一方、比較例1、2の高分子化合物を用いたものは、ナノ銅粒子の分散は悪く、粒子はたちまち沈降した。また、比較例3、4の高分子化合物を用いたものもすぐに沈降した。
この結果から、以下のインクは実施例1〜5の高分子化合物を用いたものに限定して調製し、各インクを評価した。
[インクの調製例]
(実施例6〜10)
下記表2に示す組成により、実施例1〜5で合成したそれぞれの金属粒子分散剤とナノ銅粒子(QuantumSphere社 QSI−Nano Copper Powder)をそれぞれの溶媒に加え、予備分散として10分間超音波分散した後、高速ミキサー(プライミクス社 フィルミックス)で10分間分散した。得られたスラリーを1μmのフィルターに通して粗大粒子を除去し、下記表2に示す平均粒径の各インク(実施例6〜10)を得た。いずれのインクも銅粒子が均一に分散され、放置後においても異常な凝集状態は認められなかった。
Figure 0005949104
[焼結処理による導電性薄膜(導電性パターン)の形成例]
(実施例11〜15)
次に、実施例6〜10で調製したインクをガラス基板にスピンコートし、120℃のホットプレートで溶媒を蒸発させた後、電気炉で窒素ガスの導入(フロー)下、300℃で1時間加熱し、加熱焼成処理(焼結処理)して導電性薄膜(導電性パターン)を形成した。加熱焼成した導電性の薄膜の電気抵抗及び膜厚を測定し、体積抵抗率を算出した。
また、テープ剥離試験により、導電性薄膜の基板からの剥がれを評価した。なお、テープ剥離試験は、粘着テープ(「CT24」:ニチバン(株)製;幅24mm)を導電性薄膜上に貼り付け、ピーリングによりインク薄膜の剥がれの有無を目視により調べて評価した。
体積抵抗率及びテープ剥離試験による導電性薄膜の剥がれ評価結果を下記表3に示す。
Figure 0005949104
[光焼成による導電性薄膜(導電性パターン)の形成例]
(実施例16〜20)
実施例6〜10のインクをPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上にスピンコートし、120℃のホットプレートで溶媒を蒸発させた後、キセノンランプを1分間照射(光エネルギーの照射による光焼成)して導電性薄膜(導電性パターン)を形成した。光焼成した導電性の薄膜の電気抵抗及び膜厚を測定し、体積抵抗率を算出した。
また、実施例11〜15と同様の条件でテープ剥離試験を実施し、導電性薄膜の基板からの剥がれを評価した。
体積抵抗率及びテープ剥離試験による導電性薄膜の剥がれ評価結果を下記表4に示す。
Figure 0005949104
上記評価結果から、本発明の金属粒子分散剤は、金属ナノ粒子などの金属粒子を良好に分散することができ、本発明の金属粒子分散剤を用いて調製した金属粒子分散インクは、基板との密着性が優れ、かつ、加熱焼成あるいは光焼成等の焼結処理により良好な導電性を発揮する導電性薄膜(導電性パターン)が形成され、焼成後も基板との良好な密着性が維持されることが分かった。
即ち、本発明の金属粒子分散剤を用いることによって導電性インクを構成することが可能となる。導電性インクを用いて印刷法により各種電子機器の配線パターンを形成することができ、特に、ナノ金属粒子を用いた場合には、微細なパターン形成が可能である。例えば、印刷法としてインクジェット法を採用すれば、直接パターニングが可能であり、材料使用率の向上、製造プロセスの簡略化及びコスト低減化等が図れる可能性がある。
特開2008−60544号公報 特表2010−528428号公報 特開2011−21122号公報 特許第4639661号公報 特開2010−540769号公報

Claims (8)

  1. 溶媒に金属粒子を分散するための金属粒子分散剤であって、前記金属粒子分散剤は下記構造式(I)で示されるアクリル酸テトラヒドロフルフリル、または下記構造式(II)で示されるメタクリル酸テトラヒドロフルフリルから選択される単量体と、前記金属粒子に吸着する吸着性官能基を有する単量体との共重合体からなる固体の高分子化合物であり、前記共重合体における各単量体[メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、またはアクリル酸テトラヒドロフルフリルから選択される単量体]と[吸着性官能基を有する単量体]の組成比(重量部)が、90:10〜99.9:0.1であることを特徴とする金属粒子分散剤。
    Figure 0005949104
  2. 前記吸着性官能基が、イオン性官能基であることを特徴とする請求項1に記載の金属粒子分散剤。
  3. 前記イオン性官能基が、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホ基の中から選ばれる少なくとも一種の基であることを特徴とする請求項2に記載の金属粒子分散剤。
  4. 前記金属粒子が、金属ナノ粒子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の金属粒子分散剤。
  5. 金属粒子と、溶媒と、金属粒子分散剤とからなり、基材上に導電パターンを形成するための金属粒子分散インクであって、前記金属粒子分散剤が請求項1乃至4のいずれかに記載の金属粒子分散剤であることを特徴とする金属粒子分散インク。
  6. 請求項5に記載の金属粒子分散インクを基材上に塗布する工程と、前記基材上に塗布されたインクを焼結により導電性を発現させる工程を有することを特徴とする導電性パターン形成方法。
  7. 前記焼結が、光エネルギーの照射による光焼成であることを特徴とする請求項6に記載の導電性パターン形成方法。
  8. 前記焼結が、無酸素雰囲気下での焼成であることを特徴とする請求項6または7に記載の導電性パターン形成方法。
JP2012102767A 2012-04-27 2012-04-27 金属粒子分散剤、金属粒子分散インク及び導電性パターン形成方法 Active JP5949104B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012102767A JP5949104B2 (ja) 2012-04-27 2012-04-27 金属粒子分散剤、金属粒子分散インク及び導電性パターン形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012102767A JP5949104B2 (ja) 2012-04-27 2012-04-27 金属粒子分散剤、金属粒子分散インク及び導電性パターン形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013230416A JP2013230416A (ja) 2013-11-14
JP5949104B2 true JP5949104B2 (ja) 2016-07-06

Family

ID=49677397

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012102767A Active JP5949104B2 (ja) 2012-04-27 2012-04-27 金属粒子分散剤、金属粒子分散インク及び導電性パターン形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5949104B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW201434936A (zh) * 2013-01-11 2014-09-16 Nippon Soda Co 無機粒子用分散劑、含有該分散劑之組成物、硬化性組成物、硬化物及薄膜
JP2014177600A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Ricoh Co Ltd 分散剤及びその製造方法
JP6459261B2 (ja) 2013-09-11 2019-01-30 株式会社リコー インク、及び導電性パターンの形成方法
JP5895925B2 (ja) * 2013-12-05 2016-03-30 大日本印刷株式会社 非水系分散剤、カラーフィルタ用色材分散液、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機発光表示装置
JP6381969B2 (ja) * 2014-05-29 2018-08-29 セーレン株式会社 インクジェットプリント方法
JP7500835B2 (ja) * 2022-06-30 2024-06-17 株式会社Dnpファインケミカル 樹脂、樹脂分散体、及び樹脂組成物

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5819709B2 (ja) * 1980-06-30 1983-04-19 日立化成工業株式会社 光硬化型感圧性接着剤組成物
WO2002018080A1 (fr) * 2000-08-03 2002-03-07 Upepo & Maji Inc. Composition de solution colloidale metallique et conducteur ou encre destine a la formation d'un motif semi-conducteur la renfermant, et procede de formation d'un motif conducteur ou semi-conducteur
US20060044382A1 (en) * 2004-08-24 2006-03-02 Yimin Guan Metal colloid dispersions and their aqueous metal inks
US20070105979A1 (en) * 2005-11-09 2007-05-10 Lemark International, Inc. Metal colloid dispersions and their aqueous metal inks
AU2010227626B2 (en) * 2009-03-24 2014-03-27 Basf Se Preparation of shaped metal particles and their uses
JP5488804B2 (ja) * 2010-01-12 2014-05-14 セイコーエプソン株式会社 放射線硬化型インク組成物、ならびにインクジェット記録方法および記録物
JP5514561B2 (ja) * 2010-01-14 2014-06-04 株式会社豊田中央研究所 貴金属系コロイド溶液およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013230416A (ja) 2013-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5949104B2 (ja) 金属粒子分散剤、金属粒子分散インク及び導電性パターン形成方法
TWI588171B (zh) 導電性基板用金屬粒子分散體及其製造方法,暨導電性基板之製造方法
WO2014054539A1 (ja) 金属粒子分散体、並びに、当該金属粒子分散体を用いた物品、焼結膜及び焼結膜の製造方法
JP2008081789A (ja) 銀粒子複合粉末およびその製造法
WO2013099818A1 (ja) 銀微粒子及びその製造法並びに該銀微粒子を含有する導電性ペースト、導電性膜及び電子デバイス
CN110335700B (zh) 高温烧结型黄光导电浆料、导电线路及制备方法
JP2009007593A (ja) 微粒子分散液、及び微粒子分散液の製造方法
KR101635848B1 (ko) 탄소 비결합성 금속 나노입자가 함유된 잉크 기제 제조 방법 및 금속 나노입자가 분산된 잉크
JP6331385B2 (ja) 被覆銅ナノ粒子、銅ナノ粒子分散体、及び導電性基板の製造方法
JP2014177600A (ja) 分散剤及びその製造方法
TW201932551A (zh) 金屬墨、金屬墨之製造方法及具金屬圖案之基材之製造方法
JP6237098B2 (ja) 分散剤、導電性基板用金属粒子分散体、及び導電性基板の製造方法
JP7429636B2 (ja) 金属微粒子分散体
TWI754695B (zh) 光燒結型組成物、使用其的導電膜的形成方法及氧化亞銅粒子糊
JP2017084587A (ja) 酸化銀泥漿、導電性ペースト及びその製造方法
JP2012099236A (ja) 導電性ペースト及びそれを用いた配線基板
JPWO2019069936A1 (ja) 銀微粒子分散液
JP6123214B2 (ja) 導電性基板用金属粒子分散体、及び導電性基板の製造方法
JP6459261B2 (ja) インク、及び導電性パターンの形成方法
JP2017165796A (ja) 銅ナノ粒子インクとその製造方法
JP2008235846A (ja) 太陽電池の電極形成用組成物及び該電極の形成方法並びに該形成方法により得られた電極を用いた太陽電池
JP7180282B2 (ja) 焼成用金属酸化物ナノ粒子分散体、及び焼結膜の製造方法
JP6451099B2 (ja) インク用分散剤及びその製造方法、インク、並びに導電性パターンの形成方法
JP7099867B2 (ja) 光焼結型組成物及びそれを用いた導電膜の形成方法
JP2004335349A (ja) 酸化銀ペースト、及び層間接続方法、及び金属銀画像作成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160523

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5949104

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151