JP6331385B2 - 被覆銅ナノ粒子、銅ナノ粒子分散体、及び導電性基板の製造方法 - Google Patents

被覆銅ナノ粒子、銅ナノ粒子分散体、及び導電性基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、被覆銅ナノ粒子、銅ナノ粒子分散体、及びこれらを用いた導電性基板の製造方法に関するものである。
金属粒子を分散させた金属粒子分散体を用いて、スクリーン印刷やインクジェット印刷などの印刷プロセスにより、基材に直接パターンを印刷し、金属粒子を焼結させることにより、回路パターンを形成する手法が注目されている。基材に直接パターンを印刷する手法によれば、従来のフォトレジスト法等と比較して、生産性が飛躍的に向上する。
金属粒子は、微細化することにより、劇的に融点が低下することが知られている。これは、金属粒子の粒径が小さくなるのに伴って、粒子の比表面積が増加し、表面エネルギーが増大することによるものである。この効果を利用すれば、金属粒子同士の焼結を従来よりも低温で進行させることができ、従来用いることが困難であった、耐熱性の低い樹脂基材に対しても、印刷による回路形成が可能となると期待される。しかしながら、金属粒子の粒径を小さくするにつれて凝集しやすくなり、分散性や分散安定性を確保できなくなり、塗布適性に問題が生じる。塗布適性に問題が生じて均一性の高い塗膜が形成できないと、回路パターンの精度が悪くなったり、金属粒子同士が均一且つ密に存在できず、焼結後の導電性が悪くなる。このように、金属粒子分散体の分散安定性や塗布適性と低温焼結性を両立することは、従来、困難であった。
また、銀粒子を用いた金属粒子分散体は、酸化し難く、導電性にも優れているが、銀自体が高価であったり、イオンマイグレーションの問題などがある。そこで、安価で耐マイグレーションに優れた金属として、銅を用いた金属粒子分散体の開発が求められている。しかしながら、銅粒子は一般的に銀粒子と比較して酸化されやすいため、導電性が発現しにくい課題がある。
特許文献1には、銅を含む化合物と還元性化合物を混合して、アルキルアミン中で熱分解して銅を生成可能な複合化合物を生成する工程と、当該複合化合物をアルキルアミン中で加熱してアルキルアミンで被覆された銅微粒子を生成する工程とを有することを特徴とする被覆銅微粒子の製造方法が記載されている。特許文献1によれば、当該被覆銅微粒子は、粒径分布が狭く微細であり、保存性に優れると共に低温での焼結が可能であると記載されている。
しかしながら、特許文献1の技術によれば、後述の比較例のように、銅微粒子の分散性が悪く、塗布適性が悪く、PETフィルム等の樹脂基材上に塗布する際にムラが生じるという課題があった。更に、分散性を高めようとするとアルキルアミンを大量に使用する必要があり、焼結性が悪化するという問題があった。
また、特許文献2には、脂肪族モノカルボン酸で表面が被覆された銅微粒子が分散している銅微粒子分散液の製造方法が記載されている。特許文献2によれば、当該銅微粒子分散液は、微細な粒子径を有し、かつ低温度での焼結性に優れると記載されている。
しかしながら、特許文献2の手法によれば、低分子量の化合物を用いて銅微粒子を分散するため、銅微粒子の分散性が悪く、塗布適性が悪く、PETフィルム等の樹脂基材上に塗布する際にムラが生じるという課題があった。更に、脂肪族モノカルボン酸で表面が被覆された銅微粒子は、焼結温度が高く、PETフィルム等の低耐熱フィルム上で使用するには更なる焼結温度の低温化が必要であった。
また、特許文献3には、ポリアルキレンオキサイド基とカルボキシル基を有する有機化合物により構成される保護剤が表面に被覆された金属ナノ粒子が記載されている。特許文献3によれば、極性媒体に分散性を呈する金属ナノ粒子、金属ナノ粒子を用いた分散体が提供できると記載されている。
しかしながら、特許文献3の具体的に開示されている技術は、酸化され難い銀粒子にポリアルキレンオキサイド基を有するマレイン酸エステルを被覆させた技術であり、焼結温度が高く、PETフィルム等の低耐熱フィルム上で使用するには更なる焼結温度の低温化が必要であった。
また、特許文献4には、金属プレカーサー、酸、アミン、および還元剤を含む溶液から合成された金属ナノ粒子を用いる、導電性金属薄膜の製造方法が記載されている。しかしながら、特許文献4は、還元性雰囲気を用いて200℃以上の高温での焼成により導電性を向上することに着目した技術である。そのためPETフィルム等に塗工して焼成するには更なる焼結温度の低温化の検討が必要であった。
特開2012−72418号公報 特開2013−47365号公報 特開2011−68988号公報 国際公開第2013/147535号パンフレット
上述のように、従来、銅粒子分散体は、焼成時に有機成分が残存するのを抑制するために、比較的低分子量の分散剤が用いられてきた。しかしながら、低分子量の分散剤では、分散性や塗布適性が不十分であり、更に低温又は短時間での焼結性も不十分であった。一方、銅粒子の分散性や分散安定性を向上するために、分散剤として高分子分散剤を用いて銅粒子を分散させると、高温焼成が必要なため使用可能な基板が限定されたり、低温焼成では金属膜に当該高分子分散剤が残存して得られた基板の体積抵抗率が高くなり、導電性基板として十分な性能が得られない場合があった。一方で、銅粒子は酸化されやすいという問題もあった。そのため、銅の酸化を抑制しながら、分散性、及び塗布適性に優れ、且つ、低温又は短時間での焼成後に高い導電性を有する膜が形成可能な分散体を得ることは非常に難しい課題であった。
本発明は、このような状況下になされたものであり、耐酸化性、分散性、塗布適性、及び低温又は短時間での焼結性に優れた、被覆銅ナノ粒子及び銅ナノ粒子分散体、並びに、低温又は短時間での焼成により、優れた導電性を有する導電性基板を得ることができる、導電性基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、銅ナノ粒子に、アルキルアミンと、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体とを組み合わせて被覆することにより、耐酸化性、分散性、及び塗布適性に優れるとともに、低温又は短時間で焼成した場合であっても、膜中から有機成分が分解乃至除去されやすく、その結果、高い導電性を有する膜が形成できるとの知見を得た。
本発明は、係る知見に基づいて完成したものである。
本発明に係る被覆銅ナノ粒子は、銅ナノ粒子が、アルキルアミンと、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体とで被覆されていることを特徴とする。
また、本発明に係る銅ナノ粒子分散体は、銅ナノ粒子と、アルキルアミンと、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体と、溶剤とを含有することを特徴とする。
また、本発明に係る第一の態様の導電性基板の製造方法は、銅ナノ粒子と、アルキルアミンと、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体と、溶剤とを含有する銅ナノ粒子分散体を含む塗布液を、基材上に塗布して塗膜を形成する工程と、当該塗膜を焼成する工程とを有することを特徴とする。
銅ナノ粒子分散体の製造方法は、銅を含む化合物、還元性化合物、及びアルキルアミンを含む混合物を加熱することにより銅ナノ粒子を調製する工程と、前記銅ナノ粒子を、溶剤中で不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体により分散する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る第二の態様の導電性基板の製造方法は、銅を含む化合物、還元性化合物、及びアルキルアミンを含む混合物を加熱することにより銅ナノ粒子を調製する工程と、前記銅ナノ粒子を、溶剤中で不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体により分散することにより分散体を調製する工程と、前記分散体を含む塗布液を、基材上に塗布して塗膜を形成する工程と、当該塗膜を焼成する工程とを有することを特徴とする。
本発明に係る導電性基板の製造方法、銅ナノ粒子分散体、及び被覆銅ナノ粒子においては、前記不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体は、重量平均分子量が1000〜50000であることが、分散性と塗布適性と低温焼結性が優れる点から好ましい。
また、本発明に係る導電性基板の製造方法においては、前記焼成する工程が、プラズマにより焼成する工程であるか、フラッシュ光の照射により焼成する工程であることが、低温乃至短時間焼成が可能であり、低耐熱性の基材上にも優れた導電性を有する導電性基板を得ることができる点から好ましい。
本発明によれば、耐酸化性、分散性、塗布適性、及び低温又は短時間での焼結性に優れた、被覆銅ナノ粒子及び銅ナノ粒子分散体、並びに、低温又は短時間での焼成により、優れた導電性を有する導電性基板を得ることができる、導電性基板の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の製造方法により得られる導電性基板の一例を示す概略図である。
以下、本発明に係る被覆銅ナノ粒子、銅ナノ粒子分散体、及び導電性基板の製造方法について説明する。
なお、本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの各々を表す。
[被覆銅ナノ粒子、銅ナノ粒子分散体]
本発明に係る被覆銅ナノ粒子は、銅ナノ粒子が、アルキルアミンと、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体とで被覆されていることを特徴とする。
また、本発明に係る銅ナノ粒子分散体は、銅ナノ粒子と、アルキルアミンと、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体と、溶剤とを含有することを特徴とする。
なお、本発明において被覆とは、粒子表面の全部が覆われている形態のみならず、粒子表面の一部に付着している形態をも含むものとする。
本発明においては、銅ナノ粒子に、比較的低分子量のアルキルアミンと、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体(以下単に、不飽和カルボン酸共重合体、という場合がある)とを組み合わせて被覆することから、以下のようなそれらの相乗作用により、上述のような特定の効果を発揮すると推定される。
銅ナノ粒子の分散性を付与するには、銅ナノ粒子表面に強く吸着する官能基を有する化合物を用いることが望ましいが、一方で、化合物の吸着が強すぎると焼成工程で当該化合物が銅ナノ粒子から脱離し難くなり、結果として導電性悪化の要因となると考えられる。その点、本発明においては、銅ナノ粒子表面に強く吸着し得るカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸共重合体と、銅ナノ粒子表面に弱く吸着する比較的低分子量のアルキルアミンとの両方が、銅ナノ粒子を被覆している。本発明に係る銅ナノ粒子分散体においても、銅ナノ粒子表面にアルキルアミンと上記不飽和カルボン酸共重合体とが付着して、溶剤中に当該銅ナノ粒子が分散されてなる。なお、本発明においては、不飽和カルボン酸共重合体は、銅ナノ粒子表面のアルキルアミンとの酸塩基相互作用により付着しているものも存在していることが考えられる。
本発明においては、銅ナノ粒子表面に強く吸着し得る不飽和カルボン酸共重合体が、強い吸着により溶剤中でも銅ナノ粒子を取り囲んで安定して存在し、ポリマー鎖の立体障害により銅ナノ粒子同士の凝集がより生じ難くなり、銅ナノ粒子の分散性が優れると推定される。また、本発明においては、銅ナノ粒子が不飽和カルボン酸共重合体に取り囲まれて安定して均一に分散されていることから、ポリマー鎖の成膜性によって、銅ナノ粒子分散体の塗布適性が優れると推定される。一方、銅ナノ粒子表面に不飽和カルボン酸共重合体と共に存在している比較的低分子量のアルキルアミンは、銅ナノ粒子表面に弱く吸着しているため、低温や短時間の焼成でも脱離し易い。そのため、焼成時には、銅ナノ粒子表面に不飽和カルボン酸共重合体と混在しているアルキルアミンが脱離することにより、銅ナノ粒子表面に存在している不飽和カルボン酸共重合体も脱離し易くなって、本発明の銅ナノ粒子は低温又は短時間での焼結性に優れていることが推定される。
また、アルキルアミンは、アミノ基がプロトンを捕捉する機能を有するため、銅ナノ粒子表面に付着することにより、銅原子が酸化されることを抑制していると推定される。更に、銅ナノ粒子表面に強く吸着し得る不飽和カルボン酸共重合体が、銅ナノ粒子を取り囲んでいることから、本発明においては、銅ナノ粒子の酸化を抑制する効果が高くなっていることが推定される。これらのことから、焼成時の酸化による焼結阻害も生じ難くなり、焼成後に高い導電性を有する膜を形成可能になると推定される。
更に、本発明で用いられる不飽和カルボン酸共重合体は、吸着基(カルボキシル基)を含む不飽和カルボン酸由来の構成単位と、溶媒との相溶性を向上させるエチレン性不飽和単量体由来の構成単位との比率を任意に設定できる。そのため、低温での焼結性能の最適化、具体的には、分散性を維持できる最も少ないカルボキシル基の量を適宜設定できたり、非水系溶媒など多種多様な溶媒への分散に対応することが可能である。
更に、本発明においては、分散剤にカルボン酸金属塩等の「塩」を用いないので、塩成分が解離して移動し絶縁部分に蓄積して回路がショートするなどの問題が抑制される。
本発明の被覆銅ナノ粒子、銅ナノ粒子分散体は、上記必須成分の他、本発明の効果が損なわれない限り、他の成分を含有してもよいものである。
以下、本発明の被覆銅ナノ粒子、銅ナノ粒子分散体の各成分について順に詳細に説明する。
<銅ナノ粒子>
本発明において銅ナノ粒子は、典型的には金属状態の銅粒子であるが、銅は非常に酸化され易い金属のため、金属状態の銅ナノ粒子の表面が一部酸化されて酸化物となっている場合が含まれていてもよいものである。
また、銅ナノ粒子とは、直径がnm(ナノメートル)オーダー、すなわち1μm未満の粒子をいう。本発明では、1μm未満の銅ナノ粒子を用いることにより、低温での焼結が進行し易く、また微細配線の印刷性が良好になる。本発明で用いられる銅ナノ粒子としては、中でも、分散性と微細配線の印刷性、低温焼成、導電性を両立させる点から、10nm以上1μm未満の粒子であることが好ましい。10nm未満だと、分散安定性や塗布適性を付与するために、不飽和カルボン酸共重合体が多量に必要となり、結果として導電性の悪化につながる恐れがあるからである。
なお、上記銅ナノ粒子の平均一次粒径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、透過型電子顕微鏡写真(TEM)(例えば、日立ハイテク製 H−7650)にて粒子像を測定し、ランダムに選択した100個の一次粒子の最長部の長さの平均値を平均一次粒径とすることができる。
上記銅ナノ粒子の調製方法は、従来公知の方法から適宜選択すればよい。例えば、メカノケミカル法などにより金属粉を粉砕する物理的な方法;化学気相法(CVD法)や蒸着法、スパッタ法、熱プラズマ法、レーザー法のような化学的な乾式法;熱分解法、化学還元法、電気分解法、超音波法、レーザーアブレーション法、超臨界流体法、マイクロ波合成法等による化学的な湿式法等を用いて銅ナノ粒子を得ることができる。
例えば、蒸着法では、高真空下で分散剤を含む低蒸気圧液体中に加熱蒸発した金属の蒸気を接触させて微粒子を製造する。
また、化学還元法の1種としては、錯化剤及び有機保護剤の存在下で、含銅化合物と還元剤とを溶剤中で混合して生成する方法が挙げられる。
なお、上記の方法の他、市販の銅ナノ粒子を適宜用いることができる。
本発明においては、銅ナノ粒子にアルキルアミンを被覆させることから、中でも、後に詳述するように、有機保護剤としてアルキルアミンを用いて、含銅化合物と還元剤とを溶剤中で混合して銅ナノ粒子を生成する方法が好適に用いられる。
本発明の銅ナノ粒子分散体において、銅ナノ粒子の含有量は、用途に応じて適宜選択されれば良いが、分散性の点から、銅ナノ粒子分散体の全量に対して、0.01〜90質量%であることが好ましく、更に、0.1〜85質量%の範囲内であることがより好ましい。
また、本発明の被覆銅ナノ粒子において、銅ナノ粒子の含有量は、用途に応じて適宜選択されれば良いが、分散性の点から、被覆銅ナノ粒子の全量に対して、50〜99.9質量%であることが好ましく、更に、70〜99.9質量%の範囲内であることがより好ましい。
<アルキルアミン>
本発明において使用されるアルキルアミンは、製造される被覆銅ナノ粒子に期待される特性等に応じて、公知のアルキルアミンから適宜選択して用いることができる。
アルキルアミンは、プロトンを捕捉する機能を有することにより、銅原子が酸化されることを防止していると推定される。
アルキルアミンはアルキル基の一部にアミノ基の結合した構造を有している。銅原子に対して配位結合を形成するために、使用するアルキルアミンに含まれるアミノ基の少なくとも1つが一級アミノ基であるRNH(Rは炭化水素鎖)または二級アミノ基であるRNH(R、Rは炭化水素鎖で同じであっても異なっていてもよい)であることが望ましい。また、炭化水素鎖には酸素、珪素、窒素、硫黄、リンなどの炭素以外の原子が含有されても良い。
分子内に一つのアミノ基を有するアルキルアミン(モノアミン)としては、例えば、2−エトキシエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オレイルアミン等のアルキルアミンは工業的に生産され入手が容易な点で実用的である。
一方、分子内に二つのアミノ基を有するアルキルジアミンとして、例えば、エチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N'−ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジエチルエチレンジアミン、N,N'−ジエチルエチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2,2-ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N'−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、N,N'−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、3−ジブチルアミノプロピルアミン、3−メチルアミノプロピルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられるアルキルアミンは、1種のアルキルアミンを使用しても良いが、2種以上のアルキルアミンを混合して使用してもよい。
本発明で用いられるアルキルアミンは、極性が比較的弱く、焼成時に脱離しやすい点から、分子内に一つもしくは二つのアミノ基を有するアルキルアミンを用いることが好ましい。
また、本発明で用いられるアルキルアミンは、焼成時に脱離しやすい点から、分子量が高過ぎないことが好ましく、分子量が300以下であることが好ましく、更に200以下であることが好ましい。また、沸点が300℃以下であることが好ましく、更に200℃以下であることが好ましい。一方で、ナノ粒子作製時、保管時の脱離、揮発防止の点から、アルキルアミンの分子量は50以上であることが好ましい。また、沸点が50℃以上であることが好ましい。
本発明の銅ナノ粒子分散体において、アルキルアミンの含有量は、用途に応じて適宜選択されれば良いが、耐酸化性、低温焼結性の点から、銅ナノ粒子分散体の全量に対して、0.05〜15質量%であることが好ましく、更に、0.05〜10質量%の範囲内であることがより好ましい。
また、本発明の被覆銅ナノ粒子において、アルキルアミンの含有量は、用途に応じて適宜選択されれば良いが、耐酸化性、低温焼結性の点から、被覆銅ナノ粒子の全量に対して、0.1〜30質量%であることが好ましく、更に、0.1〜20質量%の範囲内であることがより好ましい。
<不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体>
本発明において用いられる不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体は、分子内に2個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸ポリマーである。カルボキシル基は銅ナノ粒子表面に強く吸着し得る官能基であり、且つ、分子内に2個以上のカルボキシル基を有することから、本発明で用いられる不飽和カルボン酸共重合体は、分子内に2個以上のカルボキシル基により銅ナノ粒子に比較的強く吸着し、一方でポリマー鎖部分により立体障害をもたらし、銅ナノ粒子同士の凝集を安定して防止していると推定される。
上記特定の構造を有する不飽和カルボン酸共重合体が、銅ナノ粒子と強く吸着することにより、分散性及び分散安定性が向上するため、銅ナノ粒子の分散粒径を小さくすることができる。また、そのため、上記不飽和カルボン酸共重合体を用いると銅ナノ粒子分散体を含む塗布液の塗膜の平滑性、均一性が優れたものとなる。従って、焼結が均一に進行しやすい。また当該不飽和カルボン酸共重合体は、上記アルキルアミンとの相乗効果により導電性基板を製造する際の焼成により分解乃至揮散されやすく、得られた導電性基板は、有機成分の残存が抑制される。これらの結果、得られた金属膜は導電性に優れると推定される。
本発明に用いられる不飽和カルボン酸共重合体としては、分散性と塗布適性と低温焼結性が優れる点から、重量平均分子量が、1000〜50000であることが好ましく、更に、3000〜25000であることが好ましい。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレンン換算)で測定することができる。
前記共重合体に用いられる不飽和カルボン酸は、不飽和結合及びカルボキシル基を含有する単量体である。当該不飽和結合としては、エチレン性不飽和結合のような炭素−炭素二重結合であることが好ましいが、エチレン性不飽和結合と共重合可能であれば環状構造に含まれる不飽和結合であっても良い。
一方、本発明に用いられるエチレン性不飽和単量体は、エチレン性不飽和結合を含有する単量体であって、上記不飽和カルボン酸と共重合可能な単量体であれば、分散に用いられる溶媒との相溶性に応じて適宜選択されれば良いものである。
本発明において用いられる不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体中、不飽和カルボン酸由来の構成単位の含有割合は、当該共重合体の全構成単位を100質量%としたときに、3〜80質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましく、10〜40質量%であることがさらに好ましい。
上記共重合体は、中でもブロック共重合体又はグラフト共重合体であることが好ましい。ブロック共重合体であると、不飽和カルボン酸由来の構成単位を含むブロック部によって銅ナノ粒子に更に吸着し易くなり、且つ、その他のエチレン性不飽和単量体由来の構成単位を含むブロック部によって立体障害や溶剤親和性をもたらすというように機能が分離されることから分散性が向上し、塗布適性や成膜性を向上し易い。また、グラフト共重合体であると、不飽和カルボン酸由来の構成単位がそれぞれ銅ナノ粒子に吸着し、グラフト部分のポリマー鎖が立体障害や溶剤親和性をもたらすというように機能が分離されることから分散性が向上し、塗布適性や成膜性を向上し易い。
本発明に用いられる不飽和カルボン酸共重合体としては、中でも、耐酸化性、分散性、塗布適性、及び低温又は短時間での焼結性のバランスに優れる点から、下記一般式(I)で表される構成単位を有する共重合体であることが好ましい。
Figure 0006331385
(一般式(I)中、Aは、直接結合又は2価の連結基、Rは、水素原子又はメチル基を表す。)
一般式(I)のAにおいて、直接結合とは、COOHが連結基を介することなく一般式(I)における炭素原子に直接結合していることを意味し、すなわち、アクリル酸又はメタクリル酸由来の構成単位である。
Aにおける2価の連結基としては、例えば、炭素原子数1〜10のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−基、−COO−基、炭素原子数1〜10のエーテル基(−R'−OR”−:R’及びR”は、各々独立にアルキレン基)及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。
中でも、分散性の点から、一般式(I)におけるAは、直接結合、又は、−COO−基と炭素原子数1〜10のアルキレン基とを含む2価の連結基であることが好ましい。−COO−基と炭素原子数1〜10のアルキレン基としては、例えば、−COO−CHCH−OOC−CHCH−等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
上記一般式(I)で表される構成単位としては、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等の不飽和カルボン酸等から誘導される構成単位が挙げられるが、これらに限定されない。
一般式(I)で表される構成単位は、1種類からなるものであってもよく、2種以上の構成単位を含むものであってもよい。
上記少なくとも一般式(I)で表される構成単位を有する共重合体としては、分散性、分散安定性、塗布適性及び低温焼結性の点から、中でも、前記一般式(I)で表される構成単位を有するブロック部と、下記一般式(II)で表される構成単位を有するブロック部とを有するブロック共重合体であるか、又は、前記一般式(I)で表される構成単位と、下記一般式(III)で表される構成単位とを有するグラフト共重合体であることが好ましい。
Figure 0006331385
(一般式(II)中、A’は、直接結合又は2価の連結基、R10は、水素原子又はメチル基、R11は、炭化水素基、−[CH(R12)−CH(R13)−O]−R14又は−[(CH−O]−R14で示される1価の基である。R12及びR13は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R14は、水素原子、炭化水素基、−CHO、−CHCHO、又は−CHCOOR15で示される1価の基であり、R15は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
上記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
Figure 0006331385
(一般式(III)中、R16は、水素原子又はメチル基、Lは、直接結合又は2価の連結基、Polymerは、下記一般式(IV)又は一般式(V)で表される構成単位を少なくとも1種有するポリマー鎖を表す。)
Figure 0006331385
(一般式(IV)及び一般式(V)中、R17は水素原子又はメチル基であり、R18は炭化水素基、シアノ基、−[CH(R19)−CH(R20)−O]−R21、−[(CH−O]−R21、−[CO−(CH−O]−R21、−CO−O−R22又は−O−CO−R23で示される1価の基である。R19及びR20は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
21は、水素原子、炭化水素基、−CHO、−CHCHO又は−CHCOOR24で示される1価の基であり、R22は、炭化水素基、シアノ基、−[CH(R19)−CH(R20)−O]−R21、−[(CH−O]−R21、−[CO−(CH−O]−R21で示される1価の基である。R23は炭素数1〜18のアルキル基であり、R24は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
上記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
mは1〜5の整数、n及びn’は5〜200の整数を示す。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
(ブロック共重合体)
一般式(II)において、A’の2価の連結基は、一般式(I)のAと同様のものが挙げられる。中でも、分散性の点から、一般式(II)におけるA’は、直接結合、−CONH−基、又は、−COO−基を含む2価の連結基であることが好ましい。
一般式(II)において、R11における炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、又はアリール基であることが好ましい。
上記炭素数1〜18のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基、2−エトキシエチル基などを挙げることができる。
上記炭素数2〜18のアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このようなアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基などを挙げることができる。
アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基等が挙げられ、更に置換基を有していてもよい。アリール基の炭素数は、6〜24が好ましく、更に6〜12が好ましい。
また、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基等が挙げられ、更に置換基を有していてもよい。アラルキル基の炭素数は、7〜20が好ましく、更に7〜14が好ましい。
アリール基やアラルキル基等の芳香環の置換基としては、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基の他、アルケニル基、ニトロ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
なお、上記好ましい炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
また、上記R14は水素原子、炭化水素基、−CHO、−CHCHO、又は−CHCOOR15で示される1価の基であり、R15は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であって、直鎖状、分岐状、又は環状のいずれであってもよい。
上記R14における炭化水素基は、前記R11で示したものと同様のものとすることができる。
上記R11において、xは好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数であり、yは好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2又は3である。zは好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数である。
また、上記一般式(II)で表される構成単位中のR11は、互いに同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
上記R11としては、中でも、分散体を調製する際の溶剤との溶解性に優れたものを用いることが好ましく、具体的には、例えば上記溶剤が、銅ナノ粒子分散体の溶剤として一般的に使用されているエーテルアルコールアセテート系、エーテル系、エステル系などの溶剤を用いる場合には、メチル基、エチル基、イソブチル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ベンジル基等が好ましい。
一般式(I)で表される構成単位を有するブロック共重合体中、一般式(I)で表される構成単位の含有割合は、一般式(I)で表される構成単位を有するブロック共重合体の全構成単位を100質量%としたときに、5〜60質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
また、一般式(II)で表される構成単位の含有割合は、ブロック共重合体の全構成単位を100質量%としたときに、40〜95質量%であることが好ましく、60〜90質量%以上であることがより好ましい。
なお、一般式(II)で表される構成単位を有するブロック部において、一般式(II)で表される構成単位は1種からなるものであっても良いし、2種以上の構成単位を含んでいてもよい。本発明においては、上記カルボキシル基を有する構成単位がブロック部として含まれれば良く、一般式(II)で表される構成単位が2種以上の構成単位を含む場合に、当該ブロック部内は2種以上の構成単位がランダムに配列していてもよい。
(グラフト共重合体)
前記一般式(III)において、Lは、直接結合又は2価の連結基である。Lにおける2価の連結基としては、エチレン性不飽和二重結合とポリマー鎖を連結可能であれば、特に制限はない。Lにおける2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、水酸基を有するアルキレン基、アリーレン基、−CONH−基、−COO−基、−NHCOO−基、エーテル基(−O−基)、チオエーテル基(−S−基)、及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。なお、本発明において、2価の連結基の結合の向きは任意である。すなわち、2価の連結基に−CONH−が含まれる場合、−COが主鎖の炭素原子側で−NHが側鎖のポリマー鎖側であっても良いし、反対に、−NHが主鎖の炭素原子側で−COが側鎖のポリマー鎖側であっても良い。
前記一般式(IV)中、R18における炭化水素基としては、前記R11で示したものと同様のものとすることができる。
上記R21、及びR22のうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基は、前記のR11で示したものと同様のものとすることができる。
上記R23、及びR24のうちのアルキル基は、前記のR11で示したものと同様であってよい。
上記R18、R21、R22、及びR23が、芳香環を有する基である場合、当該芳香環はさらに置換基を有していてもよい。当該置換基としては、例えば炭素数1〜5の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基の他、アルケニル基、ニトロ基、F、Cl、Br等のハロゲン原子などが挙げられる。
上記R18及びR22おいて、x、y及びzは、前記R11で説明したものと同様であってよい。
一般式(V)において、mは1〜5の整数であり、好ましくは2〜5の整数、より好ましくは4又は5の整数である。また、ポリマー鎖の構成単位のユニット数n及びn’は、5〜200の整数であればよく、特に限定されないが、5〜100の範囲内であることが好ましい。
上記R18及びR22としては、中でも、分散体を調製する際の溶剤との溶解性に優れたものを用いることが好ましく、具体的には、例えば上記溶剤が、銅ナノ粒子分散体の溶剤として一般的に使用されているエーテルアルコールアセテート系、エーテル系、エステル系などの溶剤を用いる場合には、メチル基、エチル基、イソブチル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ベンジル基等が好ましい。
上記ポリマー鎖は、単独重合体でもよく、共重合体であってもよい。また、一般式(II)で表される構成単位に含まれるポリマー鎖は、グラフト共重合体において、1種単独でも良いが、2種以上混合していても良い。
Polymerにおけるポリマー鎖の質量平均分子量Mwは、500〜15000の範囲内であることが好ましく、1000〜8000の範囲内であることがより好ましい。上記範囲であることにより、分散剤としての十分な立体反発効果を保持できるとともに、立体効果による銅ナノ粒子の分散に要する時間の増大を抑制することもできる。
上記グラフト共重合体において、前記一般式(I)で表される構成単位は、一般式(I)で表される構成単位を有するグラフト共重合体の全構成単位を100質量%としたときに、3〜80質量%の割合で含まれていることが好ましく、5〜50質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。
また、上記グラフト共重合体は、粒径を揃える点からは、ポリマーの分子量分布(Mw/Mn)が小さいことが好ましく、2.0以下であることが好ましい。
本発明の被覆銅ナノ粒子、及び銅ナノ粒子分散体において、不飽和カルボン酸共重合体としては、1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、その含有量は、用いる銅ナノ粒子の種類等に応じて適宜設定されるが、銅ナノ粒子100質量部に対して、通常、0.1〜100質量部の範囲であり、1〜50質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。
本発明の銅ナノ粒子分散体において、上記不飽和カルボン酸共重合体の含有量は、用途に応じて適宜選択されれば良いが、分散性、塗布適性、低温焼結性の点から、銅ナノ粒子分散体の全量に対して、0.05〜25質量%であることが好ましく、更に、0.5〜15質量%の範囲内であることがより好ましい。
また、本発明の被覆銅ナノ粒子において、上記不飽和カルボン酸共重合体の含有量は、用途に応じて適宜選択されれば良いが、分散性、塗布適性、低温焼結性の点から、被覆銅ナノ粒子の全量に対して、0.1〜50質量%であることが好ましく、更に、1〜25質量%の範囲内であることがより好ましい。上記不飽和カルボン酸共重合体の含有量が上記下限値以上であれば、銅ナノ粒子分散体の分散性及び分散安定性を優れたものとすることができる。また上記上限値以下であれば、焼成後の膜の導電性に優れている。
<溶剤>
本発明の銅ナノ粒子分散体おいて、溶剤は、銅ナノ粒子分散体中の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは分散可能な有機溶剤であればよく、特に限定されない。銅ナノ粒子分散体に従来用いられている有機溶剤を適宜選択して用いれば良い。中でも、本発明に用いられる溶剤としては、MBA(酢酸3−メトキシブチル)、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、DMDG(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)又はこれらを混合したものが、上記不飽和カルボン酸共重合体の溶解性や塗布適性の点から好ましい。
本発明の銅ナノ粒子分散体における溶剤の含有量は、該銅ナノ粒子分散体の各構成を均一に溶解又は分散することができるものであればよく、特に限定されない。本発明においては、該銅ナノ粒子分散体中の固形分含有量が、5〜95質量%の範囲が好ましく、20〜90質量%の範囲がより好ましい。上記範囲であることにより、塗布に適した粘度とすることができる。
<その他の成分>
本発明の被覆銅ナノ粒子、銅ナノ粒子分散体には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、従来被覆銅ナノ粒子、銅ナノ粒子分散体に用いられている公知のその他の成分を適宜含有してもよい。
その他の成分としては、例えば、錯化剤、有機保護剤、還元剤、濡れ性向上のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、粘度調製剤等が挙げられる。また、本発明の効果が損なわれない限り、他の分散剤が含まれていてもよい。
<被覆銅ナノ粒子、銅ナノ粒子分散体の製造方法>
本発明において、被覆銅ナノ粒子、銅ナノ粒子分散体の製造方法は、銅ナノ粒子が良好に分散できる方法であればよく、従来公知の方法から適宜選択して用いることができる。例えば、まずアルキルアミンが付着した銅ナノ粒子を準備し、銅ナノ粒子を、従来公知の方法により、溶剤中で上記不飽和カルボン酸共重合体により分散する方法が挙げられる。
アルキルアミンが付着した銅ナノ粒子を準備する方法としては、製造時に保護剤としてアルキルアミンを用いて製造された銅ナノ粒子を用いても良いし、他の保護剤を用いて製造された銅ナノ粒子の保護剤を公知の方法でアルキルアミンに置換しても良い。
中でも、本発明において、銅ナノ粒子分散体の製造方法は、銅を含む化合物、還元性化合物、及びアルキルアミンを含む混合物を加熱することにより銅ナノ粒子を調製する工程と、前記銅ナノ粒子を、溶剤中で不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体により分散する工程とを有することが好ましい。
また、本発明において、被覆銅ナノ粒子の製造方法は、銅を含む化合物、還元性化合物、及びアルキルアミンを含む混合物を加熱することにより銅ナノ粒子を調製する工程と、前記銅ナノ粒子を、溶剤中で不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体により分散することにより分散体を調製する工程と、前記分散体中の溶剤を除去する工程とを有することが好ましい。
(銅ナノ粒子を調製する工程)
上記銅ナノ粒子を調製する工程において、銅を含む化合物は、還元性化合物との間で錯体等の複合化合物を生成可能な含銅化合物が、銅ナノ粒子の金属源として用いられる。また、製造する銅ナノ粒子に含まれる不純物を軽減するために、銅以外の金属元素を含有しない含銅化合物を用いることが望ましい。
還元性化合物との間で錯体等の複合化合物を生成可能な含銅化合物としては、化合物中において銅原子に配位子が配位可能なものであればよいが、特に酸素原子によって配位子が銅に結合している化合物が好ましい。つまり、銅原子に対して窒素による配位結合を生じる還元性化合物を用いた際に、酸素原子によって配位子が銅に結合している化合物であれば配位結合の強度の点で銅の還元が生じやすく好ましい。
このような含銅化合物としては、例えば、シュウ酸銅、酢酸銅、プロピオン酸銅、酪酸銅、イソ酪酸銅、吉草酸銅、イソ吉草酸銅、カプロン酸銅、エナント酸銅、カプリル酸銅、ノナン酸銅、カプリン酸銅、ピバリン酸銅、マロン酸銅、コハク酸銅、マレイン酸銅、安息香酸銅、クエン酸銅、酒石酸銅、硝酸銅、亜硝酸銅、亜硫酸銅、硫酸銅、リン酸銅のような銅の有機酸塩や無機酸塩等が例示される他、アセチルアセトンが配位結合したアセチルアセトナト銅に代表される錯化合物が例示される。中でも、炭素原子数10以下の脂肪酸銅を用いることが、より低い温度で銅ナノ粒子を製造でき、且つ、低温焼結性が良好になる点から好ましい。なお、ここで脂肪酸銅とは、炭素数が2以上の脂肪酸と銅との塩化合物であって、当該脂肪酸は、飽和、不飽和のどちらでもよい。
また、含銅化合物として用いる脂肪酸銅としては、例えば、水酸化銅と脂肪酸との組み合わせのように、脂肪酸銅が生成する原料を組み合わせて用いても良い。
まず上記含銅化合物に対して、還元作用を有する還元性化合物を混合して、金属化合物と還元性化合物との錯体等の複合化合物を生成させることが好ましい。銅イオンの還元を生じ易いため、使用した含銅化合物と比較して自発的な熱分解による銅原子の遊離を生じ易いからである。
この際に使用される還元性化合物としては、例えば、特開2012−72418号公報に記載の還元性化合物を適宜選択して用いることができる。
中でも、ヒドラジン、ヒドラジンの水和物、ヒドロキシルアミン及びこれらの誘導体等のアミノ基を有する還元性化合物が好適に用いられる。
また、脂肪酸銅等の含銅化合物と還元性化合物とを混合した際に、直接的に還元反応を生じる場合には、冷却した環境で混合することで還元反応を抑制することが望ましい。例えば、脂肪酸銅等の銅を含む化合物と還元性化合物とを、30℃以下に冷却して混合を行うことが好ましく、更に好ましくは25℃以下、最も好ましくは20℃以下である。
また、錯体等の複合化合物の生成のために脂肪酸銅等の含銅化合物に混合される還元性化合物の比率は、含銅化合物と還元性化合物から生成する錯体等の複合化合物における両者のモル比率(以下、「定比」という。)と等しい比率か、還元性化合物を定比の1〜3倍とすることが、銅ナノ粒子の収率を向上する点から好ましい。
また、脂肪酸銅等の含銅化合物と還元性化合物を混合する際に、系内の物質と反応を生じることなく、かつこれらを溶解可能な極性溶媒を反応媒として存在させることが、錯体等の複合化合物の生成が促進されて均一な錯体等の複合化合物を速やかに生成することができる点から好ましい。このような極性溶媒としては、室温において水(HO)に対する溶解度を有するものであることが望ましい。水に対する溶解度を示すアルコールとしては、1個の水酸基を有する直鎖のアルキルアルコールとして炭素数1のメタノールから炭素数8のオクタノールや、2個の水酸基を有するグリコール類や、3個の水酸基を有するグリセリン、フェノールや、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の分子内にエーテル結合を有する炭化水素の水素原子を水酸基で置換したもの等が挙げられ、適宜選択して用いることができる。
本発明における銅ナノ粒子を調製する工程においては、上記で生成した脂肪酸銅等の含銅化合物と還元性化合物との混合物を、十分な量のアルキルアミンと混合して加熱し、脂肪酸銅等の含銅化合物の自発的分解反応により銅原子が生成して凝集することで銅ナノ粒子を得ることが好ましい。この際に、銅ナノ粒子表面が、アルキルアミンにより被覆されることから、空気中の酸化で酸化され難い、安定な被覆銅ナノ粒子を得ることができる。
使用する含銅化合物と還元性化合物によって銅原子を生成する反応は相違するが、例えば、例えばノナン酸銅のような炭素原子数10以下の脂肪酸銅とヒドラジン、ヒドラジンの水和物又はその誘導体を使用した場合には、銅−ヒドラジン錯体が生成し、これをアルキルアミンと混合して加熱することで、ノナン酸銅のような炭素原子数10以下の脂肪酸銅が100℃程度の低温においても熱分解を生じて銅ナノ粒子が調製される点から好ましい。脂肪酸銅等の含銅化合物やアルキルアミンの分子量を調整することで、生成する銅微粒子の粒子径を所望の大きさに調節することが可能である。
上記含銅化合物と還元性化合物との混合物に対する、アルキルアミンの混合比は、用途に応じて適宜選択されれば良いが、耐酸化性、低温焼結性の点から、含銅化合物1モルに対して、1〜10モルであることが好ましく、更に、2〜6モルの範囲内であることがより好ましい。
銅ナノ粒子を調製する工程の実施形態において、脂肪酸銅等の含銅化合物と還元性化合物とを混合して錯体等の複合化合物を調製する第1工程と、当該錯体等の複合化合物をアルキルアミンの存在下に加熱して銅ナノ粒子を生成させる第2工程とを、1つの容器内で同時に又は逐次に行うことができる。「同時に」とは、脂肪酸銅等の含銅化合物と還元性化合物とアルキルアミンとを同時に混合することであり、好ましくはこれに極性溶媒を添加して可溶化した後に、加熱することにより銅ナノ粒子を生成することができる。アルキルアミンの存在下に加熱する温度としては、60℃〜150℃であることが好ましい。
銅ナノ粒子を調製する際には、前記第1工程と第2工程とを、逐次的に行うことが好ましく、前記第1の工程が約30℃以下に冷却して行われ、前記第2の工程が60℃〜150℃に加熱して行われることが好ましい。
(分散体を調製する工程)
前記調製工程で得られた銅ナノ粒子を、溶剤中で上記不飽和カルボン酸共重合体により分散することにより分散体を調製する。
例えば、前記上記不飽和カルボン酸共重合体を前記溶剤に混合、攪拌し、ポリマー溶液を調製した後、当該ポリマー溶液に、前記調製工程で得られた銅ナノ粒子と、必要に応じて他の成分を混合し、公知の攪拌機、又は分散機等を用いて分散させることよって、被覆銅ナノ粒子、及び銅ナノ粒子分散体を調製することができる。
分散体中に存在する被覆銅ナノ粒子は、銅ナノ粒子分散体から溶剤を除去することにより単離することもできる。
なお、銅ナノ粒子表面を被覆している化合物については、例えば、被覆銅ナノ粒子を不活性ガス雰囲気で加熱した際に揮発するガス成分を捕集することで分析することができる。ガス成分を、例えば、各種質量分析、赤外吸収スペクトル、NMRなどで分析することで被覆化合物の構造を明らかにすることができる。
本発明で得られる被覆銅ナノ粒子及び銅ナノ粒子分散体は、後述する導電性基板に好適に用いられ、特に導電性パターン印刷用に好適に用いられる。本発明の被覆銅ナノ粒子及び銅ナノ粒子分散体は、低温や短時間で焼成可能なため、後述するプラズマ焼成やフラッシュ光焼成等の低温又は短時間焼成用途に好適に用いられる。
本発明で得られる被覆銅ナノ粒子及び銅ナノ粒子分散体は、更に、各種金属膜に応用することができ、例えば、光学装置用の鏡面や、各種装飾用途等に用いることができる。
[導電性基板の製造方法]
本発明に係る第一の態様の導電性基板の製造方法は、銅ナノ粒子と、アルキルアミンと、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体と、溶剤とを含有する銅ナノ粒子分散体を含む塗布液を、基材上に塗布して塗膜を形成する工程と、当該塗膜を焼成する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る第二の態様の導電性基板の製造方法は、銅を含む化合物、還元性化合物、及びアルキルアミンを含む混合物を加熱することにより銅ナノ粒子を調製する工程と、前記銅ナノ粒子を、溶剤中で不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体により分散することにより分散体を調製する工程と、前記分散体を含む塗布液を、基材上に塗布して塗膜を形成する工程と、当該塗膜を焼成する工程とを有することを特徴とする。
本発明の導電性基板の製造方法によれば、上述のように、耐酸化性、分散性、塗布適性、及び低温又は短時間での焼結性に優れた、被覆銅ナノ粒子及び銅ナノ粒子分散体を用いることから、酸化が抑制された銅ナノ粒子が均一且つ密に存在している、均一性の高い回路パターンの塗膜を形成でき、パターン精度が良好で、焼結後に優れた導電性を有する導電性基板を得ることができる。
本発明に係る第二の態様の導電性基板の製造方法における、銅を含む化合物、還元性化合物、及びアルキルアミンを含む混合物を加熱することにより銅ナノ粒子を調製する工程と、前記銅ナノ粒子を、溶剤中で上記不飽和カルボン酸共重合体により分散することにより分散体を調製する工程については、上述した銅ナノ粒子を調製する工程と分散体を調製する工程と同様であってよいので、ここでの説明を省略する。
以下、第一の態様と第二の態様に共通する、塗膜を形成する工程と、当該塗膜を焼成する工程の各工程について、順に説明する。
なお、本発明に係る上記導電性基板の製造方法は、本発明の効果が損なわれない限り、必要に応じて他の工程を有していてもよいものである。
<銅ナノ粒子分散体を含む塗布液を、基材上に塗布して塗膜を形成する工程>
(銅ナノ粒子分散体を含む塗布液)
銅ナノ粒子分散体を含む塗布液は、上記本発明に係る銅ナノ粒子分散体をそのまま塗布液とすることもできるが、必要に応じて、溶剤や、その他の成分を加えて塗布液としてもよいものである。
溶剤及びその他の成分としては、例えば、上記本発明に係る銅ナノ粒子分散体で挙げられた溶剤や、界面活性剤、シランカップリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、粘度調整剤等を用いることができる。更に、本発明の効果が損なわれない範囲で、造膜性、印刷適性や分散性の点から、アクリル樹脂やポリエステル樹脂等の樹脂バインダーを添加してもよい。
(基材)
本発明に用いられる基材は、導電性基板に用いられる基材の中から、用途に応じて適宜選択すればよい。例えば、ガラス、アルミナ、シリカなどの無機材料を用いることができ、さらに高分子材料や、紙などを用いることもできる。前記本発明に係る導電性基板用金属微粒子分散体は、従来よりも低温で焼成しても導電性に優れた金属膜が得られることから、従来適用が困難であったソーダライムガラスや、高分子材料であっても好適に用いることができ、特に樹脂フィルムを用いることができる点で非常に有用である。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ガラス−エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリノルボルネン等のポリシクロオレフィン、液晶性高分子化合物等が挙げられる。特に本発明においては、ガラス転移温度が100℃以下の樹脂フィルムを用いることも可能である。なお、ここでのガラス転移温度は、JIS−K 7121に準じて測定した示差走査熱量分析(DSC)測定によるものである。
また、基材表面には、前記銅ナノ粒子分散体を含む塗布液の塗膜をパターン状に形成した場合におけるパターンの形状を制御したり、前記銅ナノ粒子分散体を含む塗布液の塗膜との間の密着性を付与するための処理を行ってもよい。基材表面の処理方法としては、従来公知の方法の中から適宜選択することができる。具体的には、例えば、コロナ処理、UV処理、真空紫外ランプ処理、プラズマ処理などのドライ処理、アミン系シランカップリング剤、イミダゾール系シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤処理などの薬液処理、多孔質シリカや、セルロース系受容層などの多孔質膜形成処理、活性エネルギー線硬化型樹脂層、熱硬化型樹脂層、熱可塑性樹脂層などの樹脂層形成処理を行うことができる。当該処理により、基材表面に撥液性を持たせることにより、基材に銅ナノ粒子分散体を含む塗布液の塗膜をパターン状に形成した際、塗布液の濡れ広がりを抑え、高精細なパターンを形成することが可能である。また、基材表面に多孔質膜などのインク受容層を形成することにより、溶媒成分が浸透し、高精細なパターンを形成することが可能である。逆に、基材表面に親液性を持たせることで、基材に対する塗布性を向上させることができる。これらの基材表面の処理は、用途や目的に応じて使い分けることができる。
当該基材の形状は、用途に応じて適宜選択すればよく、平板状であっても、曲面を有するものであってもよいが、通常は平板状である。平板状の基材を用いる場合、当該基材の厚みは、用途に応じて適宜設定すればよく、例えば10μm〜1mm程度のものとすることができる。
(塗布方法)
上記塗布液を上記基材上に塗布する方法は、従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。中でも、導電性パターンを印刷するに当たり、微細なパターニングを行うことができる点から、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、反転オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、及びインクジェット印刷が好ましい。
基材上の塗布液は、印刷後、通常の方法で乾燥してもよい。乾燥後の印刷部分の膜厚は、適宜塗布量や銅ナノ粒子の平均一次粒子径等を変化させて制御することができ、用途に応じて適宜調整すればよいものであるが、通常、0.01〜50μmの範囲であり、好ましくは、0.1〜20μmである。
<塗膜を焼成する工程>
本工程は、上記工程で得られた塗膜を焼成して、金属膜を形成する工程である。
焼成方法は、従来公知の焼成方法の中から適宜選択して用いることができる。焼成方法の具体例としては、例えば、焼成炉(オーブン)により加熱する方法の他、赤外線加熱、還元ガス雰囲気下での焼成、レーザーアニールによる焼成、マイクロ波加熱などの方法が挙げられる。
本発明の銅ナノ粒子分散体は、低温や、短時間で焼成可能なため、従来の方法よりも低温で焼成することができる。
本発明においては、中でも、焼成する工程が、プラズマ焼成、中でもマイクロ波エネルギーの印加により発生する表面波プラズマにより焼成する工程、又は、フラッシュ光の照射により焼成する工程(以下、フラッシュ光焼成と称することがある。)のいずれかであることが好ましい。
これらの方法を用いると、基材への熱ダメージを少なくすることができると共に、焼成時の金属の酸化も抑制できる。また、短時間焼成であるため、生産性が高いというメリットもある。
(プラズマ焼成)
マイクロ波表面波プラズマを用いた焼成は、不活性ガス雰囲気下又は還元性ガス雰囲気下で行うのが、得られる焼結膜の導電性の観点から好ましい。
特に、本発明においては、マイクロ波表面波プラズマを、還元性ガス雰囲気下で発生させることが好ましく、中でも、水素ガス雰囲気下で発生させることがより好ましい。これにより、銅ナノ粒子表面に存在する絶縁性の酸化物が還元除去され、導電性能の良好な導電パターンが形成される。
マイクロ波表面波プラズマ処理の前に、銅ナノ粒子分散体を含む塗布液を塗布した塗膜に含まれるアルキルアミンや不飽和カルボン酸共重合体等の有機物を除去するために、大気下又は酸素を含む雰囲気下、50〜200℃程度の温度で1分から2時間程度焼成してもよい。なお、この処理は減圧下で行ってもよい。この焼成により、有機物が酸化分解除去され、マイクロ波表面波プラズマ処理において、銅ナノ粒子の焼結が促進される。
前記マイクロ波表面波プラズマの発生方法は、従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。例えば、国際公開第2011/040189号パンフレットに記載の方法を用いることができる。
(フラッシュ光焼成)
フラッシュ光焼成とは、フラッシュ光の照射により極めて短時間で焼成する方法である。ここで、本発明においてフラッシュ光とは、点灯時間が比較的短時間の光のことをいい、当該点灯時間をパルス幅という。フラッシュ光の光源は特に限定されないが、キセノン等の希ガスが封入されたフラッシュランプやレーザー等が挙げられる。中でも、紫外線から赤外線までの連続的な波長スペクトルをもつ光を照射することが好ましく、具体的には、キセノンフラッシュランプを用いることが好ましい。このような光源を用いた場合には、加熱と同時にUV照射を行ったのと同様の効果を得ることができ、極めて短時間で焼成が可能となる。また、このような光源を用いた場合には、パルス幅と照射エネルギーを制御することにより、銅ナノ粒子分散体を含む塗布液の塗膜、及びその近傍のみを加熱することができ、基材に対する熱の影響を抑えることができる。特に、本発明で用いられるアルキルアミン及び上記不飽和カルボン酸共重合体は、フラッシュ光の照射により容易に分解乃至揮発しやすく、金属膜に残存しにくいため、極短時間のフラッシュ光の照射であっても容易に焼結させることができることから、本発明においてフラッシュ光焼成は好適に用いられる。
本発明において、フラッシュ光のパルス幅は、適宜調整すればよいものであるが、1μs〜10000μsの間で設定されることが好ましく、10μs〜5000μsの範囲内とすることがより好ましい。また、フラッシュ光の1回あたりの照射エネルギーは、0.1J/cm〜100J/cmが好ましく、0.5J/cm〜50J/cmがより好ましい。
フラッシュ光焼成においてフラッシュ光の照射回数は、塗膜の組成や、膜厚、面積などに応じて適宜調整すればよく、照射回数は1回のみであってもよく、2回以上繰り返し行ってもよい。中でも、照射回数を1〜100回とすることが好ましく、1〜50回とすることが好ましい。フラッシュ光を複数回照射する場合には、フラッシュ光の照射間隔は適宜調整すればよい。中でも照射間隔を10μ秒〜2秒の範囲内で設定することが好ましく、100μ秒〜1秒の範囲内に設定することがより好ましい。
フラッシュ光を上記のように設定することにより、基材への影響を抑えるとともに、銅ナノ粒子の酸化を抑制することが可能であり、且つ、銅ナノ粒子分散体に含まれるアルキルアミンや不飽和カルボン酸共重合体も脱離乃至分解しやすく導電性に優れた導電性基板を得ることができる。
このようなフラッシュ光焼成は、銅ナノ粒子分散体を含む塗布液の塗膜、及びその近傍のみを加熱することができ、前記塗膜を低温かつ短時間で焼成することが可能であり、緻密かつ平滑な銅ナノ粒子焼結膜を形成することができる。フラッシュ光焼成は、フラッシュ光のパルス幅と照射エネルギーを適宜調整することで、加熱温度と処理深さを制御することができる。その結果、不均一な膜が形成されることが少なく、また粒成長を防ぐことができるため、非常に緻密で、平滑な膜が得られる。また、極めて短時間で焼成が可能であるので、銅ナノ粒子の酸化を抑えることができ、導電性に優れた焼結膜を得ることができる。
上記フラッシュ光焼成は、大気中、大気圧下で行うことが可能であるが、不活性雰囲気下、還元雰囲気下、減圧下で行ってもよい。また、塗膜を加熱しながら、フラッシュ光焼成を行ってもよい。
このようにして得られた導電性基板の金属膜の厚みは、用途に応じて適宜調整すればよいものであるが、通常、厚みが0.01〜50μm程度であり、0.05nm〜30μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましい。
また、上記金属膜の体積抵抗率は、1.0×10−4Ω・cm以下であることが好ましい。
本発明の製造方法は、基材上に、銅ナノ粒子分散体を含む塗布液をパターン状に塗布して、塗膜を形成し、該塗膜を焼成して、パターン状の金属膜を形成するパターン状導電性基板の製造方法であってもよい。
本発明の導電性基板の製造方法により得られた導電性基板は、パターン精度が良好で、優れた導電性を有する。このような導電性基板を用いた電子部材としては、表面抵抗の低い電磁波シールド用フィルム、導電膜、フレキシブルプリント配線板などに有効に利用することができる。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
(合成例1 不飽和カルボン酸共重合体GP−1の合成)
(1)マクロモノマーの合成
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA) 100.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度90℃に加温した。メタクリル酸メチル50.0質量部、メタクリル酸ブチル15.0質量部、メタクリル酸ベンジル15.0質量部、メタクリル酸エトキシエチル20.0質量部、2−メルカプトエタノール4.0質量部、パーブチルO(日油製)1.3質量部の混合溶液を1.5時間かけて滴下し、さらに3時間反応した。次に、窒素気流を止めて、この反応溶液を80℃に冷却し、カレンズMOI(昭和電工製)8.74質量部、ジラウリン酸ジブチルすず0.125質量部、p−メトキシフェノール0.125質量部、及びPGMEA20質量部、を加えて3時間攪拌することで、マクロモノマーMM−1の49.8質量%溶液を得た。得られたマクロモノマーMM−1を、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて、N−メチルピロリドン、0.01mol/L臭化リチウム添加/ポリスチレン標準の条件で確認したところ、質量平均分子量(Mw)3657、数平均分子量(Mn)1772、分子量分布(Mw/Mn)は2.06であった。
(2)グラフト共重合体の合成
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA85.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度85℃に加温した。上記(1)で得られたマクロモノマーMM−1溶液66.93質量部(有効固形分33.33質量部)、メタクリル酸16.67質量部、n−ドデシルメルカプタン1.86質量部、PGMEA20.0質量部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5質量部の混合溶液を1.5時間かけて滴下し、3時間加熱攪拌したのち、AIBN0.10質量部、PGMEA10.0質量部の混合液を10分かけて滴下し、さらに同温で1時間熟成することで、グラフト共重合体である不飽和カルボン酸共重合体GP−1の26.1質量%溶液を得た。得られた不飽和カルボン酸共重合体GP−1は、GPC測定の結果、質量平均分子量(Mw)10000、数平均分子量(Mn)7100、分子量分布(Mw/Mn)は1.4であった。得られた不飽和カルボン酸共重合体GP−1をロータリーエバポレーターで減圧乾燥させた。
(合成例2 不飽和カルボン酸共重合体GP−2の合成)
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA85.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度85℃に加温した。合成例1と同様にして得られたマクロモノマーMM−1溶液66.93質量部(有効固形分33.33質量部)、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート16.67質量部、n−ドデシルメルカプタン1.86質量部、PGMEA20.0質量部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5質量部の混合溶液を1.5時間かけて滴下し、3時間加熱攪拌したのち、AIBN0.10質量部、PGMEA10.0質量部の混合液を10分かけて滴下し、さらに同温で1時間熟成することで、グラフト共重合体である不飽和カルボン酸共重合体GP−2の26.1質量%溶液を得た。得られた不飽和カルボン酸共重合体GP−2は、GPC測定の結果、質量平均分子量(Mw)6900、数平均分子量(Mn)5000、分子量分布(Mw/Mn)は1.4であった。得られた不飽和カルボン酸共重合体GP−2をロータリーエバポレーターで減圧乾燥させた。
(比較合成例1 アミノ基含有共重合体GP−3の合成)
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA85.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度85℃に加温した。合成例1と同様にして得られたマクロモノマーMM−1溶液66.93質量部(有効固形分33.33質量部)、ジメチルアミノエチルメタクリレート16.67質量部、n−ドデシルメルカプタン1.86質量部、PGMEA20.0質量部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5質量部の混合溶液を1.5時間かけて滴下し、3時間加熱攪拌したのち、AIBN0.10質量部、PGMEA10.0質量部 の混合液を10分かけて滴下し、さらに同温で1時間熟成することで、比較グラフト共重合体であるアミノ基含有共重合体GP−3の25.3質量%溶液を得た。得られたアミノ基含有共重合体GP−3は、GPC測定の結果、質量平均分子量(Mw)5400、数平均分子量(Mn)4400、分子量分布(Mw/Mn)は1.2であった。得られたアミノ基含有共重合体GP−3をロータリーエバポレーターで減圧乾燥させた。
(実施例1)
(1)銅ナノ粒子の合成
200ml三ッ口フラスコ中に、水酸化銅 10.0g(0.1mol、和光純薬工業株式会社)、ノナン酸 31.5g(0.2mol、東京化成工業株式会社)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME) 18.5g(20ml、関東化学株式会社)を量り取った。この混合液を撹拌しながら100℃まで加熱し、その温度を20分維持した。その後、ヘキシルアミン 40.5g(0.4mol、東京化成工業株式会社、沸点130℃)を添加し、100℃で10分加熱、撹拌した。この混合液を、氷浴を用いて10℃まで冷却した後、氷浴中でヒドラジン一水和物 10.0g(0.2mol、関東化学株式会社)をPGME 18.5g(20ml、関東化学株式会社)に溶解させた溶液を添加し、10分撹拌した。その後、反応溶液を100℃まで加熱し、その温度を10分維持した。30℃まで冷却後、ヘキサン 33g(50ml、関東化学株式会社)を添加した。遠心分離後、上澄み液を除去した。沈殿物をヘキサンで洗浄し、ヘキシルアミンで被覆された銅ナノ粒子を得た。
得られた銅ナノ粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、平均一次粒径は39nmであった。具体的には、得られた銅ナノ粒子をトルエンに分散させ、これをTEM基板(日立ハイテクフィールディング製、エラスチックカーボン支持膜付Cuグリッド)へ滴下し、乾燥させることで観察用サンプルを作製した。TEM(日立ハイテク製 H−7650)にて粒子像を測定し、ランダムに選択した100個の一次粒子の最長部の長さの平均値を平均一次粒径とした。
またX線回折装置にて得られた銅ナノ粒子の結晶構造を測定したところ、銅ナノ粒子の主構造はCu(Cubic)で一部CuO(Cubic)構造が見られ、Cu(111)に対するCuO(111)のピーク強度は約3%であった。
(2)被覆銅ナノ粒子、銅ナノ粒子分散体の調製
上記で得られたヘキシルアミンで被覆された銅ナノ粒子 0.75質量部、合成例1で得られた不飽和カルボン酸共重合体GP−1 0.075質量部、PGME 6.675質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散し、被覆銅ナノ粒子が含まれる銅ナノ粒子分散体1を得た。
(実施例2)
実施例1の(1)と同様にして、ヘキシルアミンで被覆された銅ナノ粒子を得た。
上記で得られた銅ナノ粒子 0.75質量部、合成例2で得られた不飽和カルボン酸共重合体GP−2 0.075質量部、PGME 6.675質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散し、被覆銅ナノ粒子が含まれる銅ナノ粒子分散体2を得た。
(実施例3)
実施例1の(1)と同様にして、ヘキシルアミンで被覆された銅ナノ粒子を得た。
上記で得られた銅ナノ粒子 0.75質量部、合成例2で得られた不飽和カルボン酸共重合体GP−2 0.15質量部、PGME 6.6質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散し、被覆銅ナノ粒子が含まれる銅ナノ粒子分散体3を得た。
(実施例4)
(1)銅ナノ粒子の合成
実施例1において、ヘキシルアミン 40.5g(0.4mol)の代わりに、3−エトキシプロピルアミン 41.3g(0.4mol、広栄化学工業株式会社、沸点135℃)を用い、ヘキサン 33g(50ml)を添加する代わりに、ヘキサン 66g(100ml)を添加した以外は、実施例1と同様にして、3−エトキシプロピルアミンで被覆された銅ナノ粒子を得た。
得られた銅ナノ粒子を、実施例1と同様にして透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、平均一次粒径は65nmであった。
またX線回折装置にて得られた銅ナノ粒子の結晶構造を測定したところ、銅ナノ粒子の主構造はCu(Cubic)で一部CuO(Cubic)構造が見られ、Cu(111)に対するCuO(111)のピーク強度は約5%であった。
(2)被覆銅ナノ粒子、銅ナノ粒子分散体の調製
上記で得られた3−エトキシプロピルアミンで被覆された銅ナノ粒子 0.75質量部、合成例2で得られた不飽和カルボン酸共重合体GP−2 0.075質量部、PGME 6.675質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散し、被覆銅ナノ粒子が含まれる銅ナノ粒子分散体4を得た。
(実施例5)
(1)銅ナノ粒子の合成
実施例1において、ヘキシルアミン 40.5g(0.4mol)の代わりに、ジメチルアミノプロピルアミン 40.9g(0.4mol、広栄化学工業株式会社、沸点135℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ジメチルアミノプロピルアミンで被覆された銅ナノ粒子を得た。
得られた銅ナノ粒子を、実施例1と同様にして透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、平均一次粒径は64nmであった。
またX線回折装置にて得られた銅ナノ粒子の結晶構造を測定したところ、銅ナノ粒子の主構造はCu(Cubic)で一部CuO(Cubic)構造が見られ、Cu(111)に対するCuO(111)のピーク強度は約1%であった。
(2)被覆銅ナノ粒子、銅ナノ粒子分散体の調製
上記で得られたジメチルアミノプロピルアミンで被覆された銅ナノ粒子 0.75質量部、合成例2で得られた不飽和カルボン酸共重合体GP−2 0.075質量部、PGMEA 6.675質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散し、被覆銅ナノ粒子が含まれる銅ナノ粒子分散体5を得た。
(比較例1)
実施例1の(1)と同様にして、ヘキシルアミンで被覆された銅ナノ粒子を得た。
当該ヘキシルアミンで被覆された銅ナノ粒子 3.0質量部、PGME 4.5質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散したが、銅ナノ粒子が凝集して分散されず、銅ナノ粒子分散体を得ることはできなかった。
(比較例2)
(1)銅ナノ粒子の合成
200ml三ッ口フラスコ中に、水酸化銅 10.0g(0.1mol、和光純薬工業株式会社)、ノナン酸 31.5g(0.2mol、東京化成工業株式会社)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME) 18.5g(20ml、関東化学株式会社)を量り取った。この混合液を撹拌しながら100℃まで加熱し、その温度を20分維持した。その後、1−ヘキサノール 40.9g(0.4mol、関東化学株式会社)を添加し、100℃で10分加熱、撹拌した。この混合液を氷浴を用いて10℃まで冷却した後、氷浴中でヒドラジン一水和物 10.0g(0.2mol、関東化学株式会社)をPGME 18.5g(20ml、関東化学株式会社)に溶解させた溶液を添加し、10分撹拌した。その後、反応溶液を100℃まで加熱し、その温度を10分維持した。30℃まで冷却後、ヘキサン 66g(100ml、関東化学株式会社)を添加した。遠心分離後、上澄み液を除去した。沈殿物をヘキサンで洗浄し、1−ヘキサノールで被覆された銅ナノ粒子を得た。得られた銅ナノ粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、平均一次粒径は24nmであった。またX線回折装置にて得られた銅ナノ粒子の結晶構造を測定したところ、銅ナノ粒子の主構造はCu(Cubic)で一部CuO(Cubic)構造が見られ、Cu(111)に対するCuO(111)のピーク強度は約85%であった。
(2)比較被覆銅ナノ粒子、比較銅ナノ粒子分散体の調製
上記で得られた銅ナノ粒子 0.75質量部、合成例2で得られた不飽和カルボン酸共重合体GP−2 0.075質量部、PGME 6.675質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散し、比較被覆銅ナノ粒子が含まれる比較銅ナノ粒子分散体2を得た。
(比較例3)
実施例1の(1)と同様にして、ヘキシルアミンで被覆された銅ナノ粒子を得た。
上記で得られた銅ナノ粒子 0.75質量部、比較合成例1で得られたポリアミノポリマーGP−3 0.075質量部、PGME 6.675質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散したが、銅ナノ粒子が凝集して分散されず、銅ナノ粒子分散体を得ることはできなかった。
(実施例6 プラズマ焼成による導電性基板の作製)
実施例1の(1)と同様にして、ヘキシルアミンで被覆された銅ナノ粒子を得た。
上記で得られたヘキシルアミンで被覆された銅ナノ粒子 3.0質量部、合成例2で得られた不飽和カルボン酸共重合体GP−2 0.3質量部、PGME 4.2質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散し、銅ナノ粒子分散体6を得た。
上記銅ナノ粒子分散体6を、厚さ100μmのPETフィルム(コスモシャイン A4100)にワイヤーバーで塗布、乾燥して、膜厚が1μmの塗膜とした。
その後、水素ガスを導入圧力20Paで導入しながら、マイクロ波表面波プラズマ処理装置(MSP−1500、ミクロ電子株式会社製)を用いて、マイクロ波出力400Wで120秒間焼成し、導電性基板を得た。
(実施例7 プラズマ焼成による導電性基板の作製)
実施例4の(1)と同様にして、3−エトキシプロピルアミンで被覆された銅ナノ粒子を得た。
上記で得られた3−エトキシプロピルアミンで被覆された銅ナノ粒子 3.0質量部、合成例2で得られた不飽和カルボン酸共重合体GP−2 0.3質量部、PGME 4.2質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散し、銅ナノ粒子分散体7を得た。
上記銅ナノ粒子分散体7を、厚さ100μmのPETフィルム(コスモシャイン A4100)にワイヤーバーで塗布、乾燥して、膜厚が1μmの塗膜とした。
その後、水素ガスを導入圧力20Paで導入しながら、マイクロ波表面波プラズマ処理装置(MSP−1500、ミクロ電子株式会社製)を用いて、マイクロ波出力400Wで300秒間焼成し、導電性基板を得た。
(実施例8 フラッシュ光焼成による導電性基板の作製)
実施例1の(1)と同様にして、ヘキシルアミンで被覆された銅ナノ粒子を得た。
上記で得られたヘキシルアミンで被覆された銅ナノ粒子 3.0質量部、合成例2で得られた不飽和カルボン酸共重合体GP−2 0.6質量部、PGMEA 3.9質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散し、銅ナノ粒子分散体8を得た。
上記銅ナノ粒子分散体8を、厚さ100μmのPETフィルム(コスモシャイン A4100)にワイヤーバーで塗布、乾燥して、膜厚が1μmの塗膜とした。
その後、パルスドキセノンランプ装置(SINTERON 2000(Xenon Corporation製))を用いて、パルス幅500μ秒、印加電圧3.7kVで1回照射して、導電性基板を得た。
(実施例9 フラッシュ光焼成による導電性基板の作製)
実施例4の(1)と同様にして、3−エトキシプロピルアミンで被覆された銅ナノ粒子を得た。
上記で得られた3−エトキシプロピルアミンで被覆された銅ナノ粒子 3.0質量部、合成例2で得られた不飽和カルボン酸共重合体GP−2 0.3質量部、PGME 4.2質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散し、銅ナノ粒子分散体9を得た。
上記銅ナノ粒子分散体9を、厚さ100μmのPETフィルム(コスモシャイン A4100)にワイヤーバーで塗布、乾燥して、膜厚が1μmの塗膜とした。その後、パルスドキセノンランプ装置(SINTERON 2000(Xenon Corporation製))を用いて、パルス幅500μ秒、印加電圧2.8kVで1回照射して、導電性基板を得た。
[評価]
<分散性評価>
銅ナノ粒子の分散性の評価として、各実施例及び比較例で得られた銅ナノ粒子分散体中の銅ナノ粒子の分散平均粒径の測定を行った。分散平均粒径の測定には、日機装製「マイクロトラック粒度分布計UPA−EX150」を用いた。分散平均粒径の値は体積平均粒径の値を用いることとし、また12時間放置後に沈降してしまう分散体は分散不可とした。各実施例及び比較例の分散体の分散平均粒径の結果を、表1〜3に示す。
<塗布適性評価>
各実施例及び比較例で得られた銅ナノ粒子分散体の塗膜を形成した後、焼成前に金属微粒子分散体の塗膜の膜質を目視で観察することにより塗布適性評価を行った。各実施例及び比較例の分散体の塗布適性評価の結果を、表1〜3に示す。
[塗布適性評価基準]
A:はじきがなく、塗膜が均一である。
B:はじきがあり、塗膜が不均一である。
<耐酸化性評価>
得られた銅ナノ粒子の結晶構造を解析することで耐酸化性を評価した。測定サンプルには、銅ナノ粒子分散体をPET基材上に塗工し、室温乾燥させて作製した銅ナノ粒子塗工膜を用いた。X線回折装置(リガク製、Smart Lab)を用い、X線源としてCuKα線、管電圧45kV、管電流200mAの条件で実施した。スキャン速度が毎分4°、ステップ角が0.052°の条件で測定し、Cu(111)に対するCuO(111)のピーク強度にて耐酸化性を評価した。各実施例及び比較例の評価の結果を、表1に示す。
A:Cu(111)に対するCuO(111)のピーク強度が10%以下
B:Cu(111)に対するCuO(111)のピーク強度が10%以上
<導電性評価>
導電性基板について、導電性評価を行った。表面抵抗計(ダイアインスツルメンツ製「ロレスタGP」、PSPプローブタイプ)を用いて、各実施例及び比較例の導電性基板の金属膜に4探針を接触させ、4探針法によりシート抵抗値を測定した。評価の結果を、表2〜3に示す。
Figure 0006331385
Figure 0006331385
Figure 0006331385
<結果のまとめ>
実施例1〜9により、本発明に係るアルキルアミンと不飽和カルボン酸共重合体と溶剤とを含有する銅ナノ粒子分散体、乃至、アルキルアミンと不飽和カルボン酸共重合体とで被覆されている被覆銅ナノ粒子は、耐酸化性に優れながら、分散性、及び塗布適性に優れること、更に、低温又は短時間での焼結性に優れ、表面抵抗1Ω/□以下の高い導電性が得られることが明らかにされた。本発明に係る銅ナノ粒子分散体及び被覆銅ナノ粒子を用いると、このように塗布適性に優れることから、回路パターンを精度よく形成することが可能である。
一方、アルキルアミンで被覆され不飽和カルボン酸共重合体を含まない、比較例1の銅ナノ粒子分散体乃至被覆銅ナノ粒子は、耐酸化性には優れるものの、分散性が悪く、塗膜を形成しても、はじきがあり、不均一な塗膜しか形成できなかった。また、アルキルアミンとアミノ基含有共重合体で被覆され、不飽和カルボン酸共重合体を含まない、比較例3の銅ナノ粒子分散体乃至被覆銅ナノ粒子も、耐酸化性には優れるものの、分散性が悪く、塗膜を形成しても、はじきがあり、不均一な塗膜しか形成できなかった。これらの例のように塗布適性が悪いと、回路パターンを精度よく形成することができず、また、良好な導電性を得ることはできない。
また、不飽和カルボン酸共重合体と1−ヘキサノールで被覆され、アルキルアミンで被覆されていない、比較例2の銅ナノ粒子分散体乃至被覆銅ナノ粒子は、不飽和カルボン酸共重合体により分散性と塗布適性は付与されていたものの、耐酸化性が悪かった。
1 基材
2 金属膜
100 基板

Claims (17)

  1. 銅ナノ粒子が、アルキルアミンと、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体とで被覆されている、被覆銅ナノ粒子。
  2. 前記銅ナノ粒子は、平均一次粒径が10nm以上1μm未満の銅ナノ粒子である、請求項1に記載の被覆銅ナノ粒子。
  3. 前記不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体は、重量平均分子量が1000〜50000である、請求項1又は2に記載の被覆銅ナノ粒子。
  4. 銅ナノ粒子と、アルキルアミンと、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体と、溶剤とを含有する、銅ナノ粒子分散体。
  5. 前記銅ナノ粒子は、平均一次粒径が10nm以上1μm未満の銅ナノ粒子である、請求項4に記載の銅ナノ粒子分散体。
  6. 前記不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体は、重量平均分子量が1000〜50000である、請求項4又は5に記載の銅ナノ粒子分散体。
  7. 銅ナノ粒子と、アルキルアミンと、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体と、溶剤とを含有する銅ナノ粒子分散体を含む塗布液を、基材上に塗布して塗膜を形成する工程と、当該塗膜を焼成する工程とを有する、導電性基板の製造方法。
  8. 前記銅ナノ粒子は、平均一次粒径が10nm以上1μm未満の銅ナノ粒子である、請求項7に記載の導電性基板の製造方法。
  9. 前記不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体は、重量平均分子量が1000〜50000である、請求項7又は8に記載の導電性基板の製造方法。
  10. 前記焼成する工程が、プラズマにより焼成する工程であるか、フラッシュ光の照射により焼成する工程である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の導電性基板の製造方法。
  11. 銅を含む化合物、還元性化合物、及びアルキルアミンを含む混合物を加熱することにより銅ナノ粒子を調製する工程と、前記銅ナノ粒子を、溶剤中で不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体により分散する工程とを有する、銅ナノ粒子分散体の製造方法。
  12. 前記銅ナノ粒子は、平均一次粒径が10nm以上1μm未満の銅ナノ粒子である、請求項11に記載の銅ナノ粒子分散体の製造方法。
  13. 前記不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体は、重量平均分子量が1000〜50000である、請求項11又は12に記載の銅ナノ粒子分散体の製造方法。
  14. 銅を含む化合物、還元性化合物、及びアルキルアミンを含む混合物を加熱することにより銅ナノ粒子を調製する工程と、前記銅ナノ粒子を、溶剤中で不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体により分散することにより分散体を調製する工程と、前記分散体を含む塗布液を、基材上に塗布して塗膜を形成する工程と、当該塗膜を焼成する工程とを有する、導電性基板の製造方法。
  15. 前記銅ナノ粒子は、平均一次粒径が10nm以上1μm未満の銅ナノ粒子である、請求項14に記載の導電性基板の製造方法。
  16. 前記不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体は、重量平均分子量が1000〜50000である、請求項14又は15に記載の導電性基板の製造方法。
  17. 前記焼成する工程が、プラズマにより焼成する工程であるか、フラッシュ光の照射により焼成する工程である、請求項14〜16のいずれか1項に記載の導電性基板の製造方法。
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