JP6576260B2 - 容器のロック構造 - Google Patents

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本発明は、容器のロック構造に関する。
複数の箱体を積層した積層体や複数の缶を梱包するための筒状のスリーブ容器は、底板と、底板に連設された前後一対の壁部と、両壁部の上縁部にそれぞれ連設された内板および外板と、を備えており、内板の上面に外板を重ねることで頂部が閉じられている。
前記したスリーブ容器において、内板と外板とを連結するためのロック構造としては、外板の先端縁部に形成された差込片を、内板に形成されたスリットに対して横方向から差し込むように構成されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、他のロック構造としては、内板に形成された左右一対の係合片と、外板に形成された前後一対の係合片と、を備え、外板の両係合片の上側に内板の両係合片が引き出されているものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2015−101354号公報 特開2007−076699号公報
前記した従来のロック構造において、外板の差込片を内板のスリットに差し込む構成では、差込片の返しを大きくして、差込片をスリットに確実に係合させようとすると、差込片をスリットに差し込み難くなるという問題がある。
また、前記した従来のロック構造において、内板の係合片と外板の係合片とを重ねる構成では、外板の両係合片の間から内板の両係合片を引き出すのが難しいという問題がある。
本発明は、前記した問題を解決し、内外に重ねられた内板および外板を簡単かつ強固に連結することができるロック構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、内板と、前記内板の外面に重ねられた外板とを有する容器において、前記内板と前記外板とを連結するためのロック構造であって、前記内板に形成された係合片と、前記外板に形成された係合穴と、を備えている。前記係合片の後縁部は前記内板に連設され、前記係合片は、前記係合穴を通じて前記外板の外面側に突出している。前記係合片と前記外板とが重複する領域では、前記係合片の左右方向の幅が、前記係合穴の左右方向の幅よりも大きく形成されている。前記内板には、前記係合片を立ち上げたことで開口した開口部が形成されており、前記開口部の開口縁部に形成された凹部が、前記係合穴を通じて外面側に露出している。
本発明において、左右方向とは、内板から係合片が突出している方向(前後方向)に対して交差する方向である。なお、本発明の前後左右方向は、ロック構造の構成を明確にするために定義したものであり、内板および外板に対するロック構造の向きを限定するものではない。
本発明のロック構造において、内板と外板とを連結するときには、内板の外面に外板を重ねて、係合穴の外側から係合片を引き起こし、係合片を撓ませた状態で係合穴に通せばよい。そして、係合片が係合穴から外面側に引き出されると、係合片の形状が復元して広がり、係合片の側縁部が係合穴の開口縁部に係合される。
このように、本発明のロック構造では、係合穴から係合片を引き出すことで、係合片を係合穴に確実に係合させることができるため、内板と外板とを簡単かつ強固に連結することができる。
この構成では、係合穴から係合片を引き出すときに、凹部に指を挿入することができるため、係合片に指を掛け易くなり、ひいては、係合片を引き易くなる。
本発明のロック構造を有する容器は、段ボールや板紙のシートを用いて形成することができる。
前記したロック構造においては、前記係合片の前端部の左右方向の幅を、前記係合片の後端部の左右方向の幅よりも大きく形成することが好ましい。
この構成では、係合片全体が前端部と同じ幅である場合に比べて、係合片が係合穴を通過するときに、係合片が撓み易くなるため、係合片を係合穴に対してスムーズに通過させることができる。
前記した容器のロック構造において、前記係合片の前端縁部に凹部を形成した場合には、係合穴から係合片を引き出すときに、凹部に指を掛けることができるため、係合片を引き易くなる。
前記した容器のロック構造においては、前記係合穴の開口縁部の左右の縁部から内側に向けて突起部を突出させ、前記係合片を前記突起部の外面側に配置することが好ましい。
この構成では、係合片と係合穴とが内外に引き離されるように力が作用したときに、係合片が突起部に引っ掛かるため、係合片が係合穴から抜け難くなる。
本発明の容器のロック構造では、係合穴から係合片を引き出すことで、係合片を係合穴に確実に係合させることができるため、容器の内板と外板とを簡単かつ強固に連結して、容器を閉じることができる。
本発明の実施形態に係るスリーブ容器を左上前方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係るスリーブ容器のブランクシートを示した図である。 本発明の実施形態に係るスリーブ容器において、後壁および内板を折り曲げた状態を左上前方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係るスリーブ容器において、係合穴から係合片を引き出す前の状態を左上前方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係るロック構造を示した図で、(a)は係合穴から係合片を引き出す前の状態の斜視図、(b)は(a)の側断面図、(c)は係合穴から係合片を引き出した状態の斜視図、(d)は(c)の側断面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、スリーブ容器に適用したロック構造について説明する。
本実施形態のスリーブ容器1は、図1に示すように、複数の箱体B2を上下に積層した積層体B1(図3参照)を梱包するための容器である。本実施形態では三つの箱体B2が上下に積層されている。
なお、以下の説明において、上下方向、前後方向および左右方向とは、スリーブ容器1およびロック構造10を説明する上で便宜上設定したものであり、スリーブ容器1およびロック構造10の構成を特定するものではない。
スリーブ容器1は、角筒状の容器であり、底板2と、前壁3と、後壁4と、内板5と、外板6と、を備えている。スリーブ容器1は、積層体B1の上面、下面、前面および後面を囲むことで、積層体B1を梱包するものである。
スリーブ容器1は、図2に示すように、段ボール製の長方形のブランクシートSを各罫線において谷折りまたは山折りすることで形成される。図2に示すブランクシートSは内面側が見えるように配置されている。
ブランクシートSの各罫線(折線)は、ブランクシートSの表面を押し込んで形成された線状の溝である。
なお、罫線に切れ込みを形成してもよい。このようにすると、罫線においてブランクシートSを折り曲げ易くなる。
底板2は、図1に示すように、長方形に形成されており、積層体B1の下面を覆う部位である。本実施形態の底板2は、前後方向よりも左右方向が大きく形成されている。
底板2の前縁部には、罫線L1を介して前壁3が連設されている。
前壁3は、積層体B1の前面を覆う部位であり、底板2の前縁部から上方に向けて延びている。前壁3は、底板2に対して垂直に形成されている。本実施形態の前壁3は、上下方向よりも左右方向が大きく形成されている。
底板2の後縁部には、罫線L2を介して後壁4が連設されている。
後壁4は、積層体B1の後面を覆う部位であり、底板2の後縁部から上方に向けて延びている。後壁4は、底板2に対して垂直に形成されている。後壁4は、前壁3と同じ外形状である。
後壁4の上縁部には、罫線L3を介して内板5が連設されている。
内板5は、積層体B1の上面を覆う部位であり、後壁4の上縁部から前方に向けて延びている。内板5は、後壁4に対して垂直に形成されている。内板5は、底板2と同じ外形状である。
前壁3の上縁部には、罫線L4を介して外板6が連設されている。
外板6は、内板5の上面に重なる部位であり、前壁3の上縁部から後方に向けて延びている。外板6は前壁3に対して垂直に形成されている。本実施形態では、外板6が内板5の上面の前部に重なっている。外板6の前後方向の長さは、内板5の前後方向の長さの半分である。
ブランクシートS(図2参照)を罫線L1〜L4で折り曲げつつ、内板5の前部に外板6を重ねることで、内板5、後壁4、底板2、前壁3、外板6が角筒状を呈するようになる。
次に、本実施形態のスリーブ容器1のロック構造10について説明する。
ロック構造10は、図1に示すように、上下に重ねられた内板5と外板6とを連結するものである。
本実施形態のスリーブ容器1には、左右二つのロック構造10,10が設けられている。左右のロック構造10,10は同じ構成であり、左右方向に間隔を空けて配置されている。
ロック構造10は、内板5に形成された係合片11と、外板6に形成された係合穴12と、を備え、係合穴12に対して係合片11が係合されている。
係合片11は、内板5の一部を立ち上げたものである。係合片11は、内板5の前部に形成されている。
係合片11の後縁部11a(基端縁部)は、図3に示すように、罫線L5を介して内板5に連設されている。罫線L5は、内板5の前縁部に対して平行に形成されている。
係合片11を内板5から立ち上げる前の状態では、係合片11の左右の縁部および前縁部11b(先端縁部)は、カット線L6によって内板5から切り離されている。
係合片11は、後縁部11aから前縁部11bに向かうに従って左右方向の幅が漸次大きくなっている。このように、係合片11は、後端部の左右方向の幅よりも、前端部の左右方向の幅が大きく形成された台形状に形成されている。
図5(c)に示すように、罫線L5において係合片11を上向きに折り曲げると、内板5から係合片11が切り抜かれる。そして、内板5には、係合片11が切り抜かれた部位に開口部13が形成される(図5(d)参照)。このように、内板5から係合片11を立ち上げることで開口した開口部13は、係合片11と同じ形状である。
係合片11を内板5から立ち上げる前の状態では、開口部13は係合片11によって塞がれている(図5(b)参照)。
図5(a)に示すように、係合片11の前縁部11bの中央部には、半円形状に窪んだ凹部11cが形成されている。また、開口部13の前縁部にも半円形状に窪んだ凹部13aが形成されている。
係合片11を内板5に対して立ち上げる前の状態(図5(a)の状態)では、係合片11の凹部11cと、開口部13の凹部13aとが前後に連結されており、両凹部11c,13aによって円形状の指掛け穴14が形成されている。
係合穴12は、外板6を貫通している矩形状の穴である。係合穴12は、内板5の上面に外板6を重ねたときに、係合片11の上方に重なるように配置されている。
係合穴12の左右方向の幅は、係合片11の後縁部11aの左右方向の幅と同じである。また、係合穴12の前後方向の長さは、係合片11の前後方向の長さよりも大きく形成されている。
内板5に外板6を重ねた状態では、係合穴12の後縁部が係合片11の後縁部11aの上側に重なる。また、係合片11の前縁部11bは、係合穴12の前後方向の略中央部に配置される。
内板5の上面に外板6を重ねた状態では、係合片11は係合穴12を通じて上面側に露出している。また、係合穴12の略中央部に指掛け穴14(凹部11c,13a)が配置されており、指掛け穴14は係合穴12を通じて上面側に露出している。
係合穴12の左右の側縁部には、図5(a)に示すように、左右一対の突起部12a,12aが突設されている。突起部12aは、係合穴12の側縁部から幅方向の内側に向けて突出している。突起部12aは半円形状に形成されている。左右の突起部12a,12aは、係合穴12の前後方向の中央部よりも後方に配置されている。
本実施形態では、係合片11の左右方向の幅が、係合穴12の左右方向の最大幅よりも大きく形成されている。したがって、内板5に外板6を重ねた状態では、係合片11の左右の側縁部は外板6の下側に重なっている。
係合片11は、後縁部11aから前縁部11bに向かうに従って幅が大きくなっているため、係合片11の側縁部と外板6との重複量(重なり合う面積)は、係合片11の前縁部11aから後縁部11bに向かうに従って大きくなっている。
係合片11を係合穴12に係合させる場合には、まず、内板5の上面に外板6を重ねた状態から、係合穴12の上方から指掛け穴14に指を挿入し、係合片11の凹部11cに指を掛けて、係合片11の前端部を上方に引き上げる。
これにより、係合片11が内板5に対して引き起こされ、係合片11が係合穴12に押し込まれる。このとき、係合片11の両側縁部が係合穴12の開口縁部に押されることで、係合片11は上側に向けて凸形状となるように撓んだ状態となり、この状態で係合片11を係合穴12に通すことができる。
係合片11が外板6の上面側に引き出されると、図5(c)に示すように、係合片11は復元力によって平坦となり、係合片11が係合穴12よりも左右方向に広がる。
また、係合片11は屈曲部(罫線L5)の復元力によって下方に向けて戻ろうとするため、係合片11の左右の側縁部が外板6の上面に押し付けられる。つまり、係合片11と外板6とが重複した領域が形成される。なお、係合片11は、係合穴12の両突起部12a,12aの上面に配置される。
このようにして、係合片11を係合穴12に対して上下、前後、左右方向に固定することができる。
そして、図1に示すように、二つのロック構造10,10において、係合片11を係合穴12に係合させることで、内板5および外板6を連結して、スリーブ容器1の頂部を閉じることができる。
以上のようなロック構造10では、図5(c)に示すように、係合穴12から係合片11を引き出すことで、係合片11を係合穴12に確実に係合させることができる。
また、ロック構造10では、係合片11と係合穴12とが内外に引き離されるように力が作用したときに、係合片11が両突起部12a,12aに引っ掛かる。
したがって、ロック構造10を有するスリーブ容器1では、内板5と外板6とを簡単かつ強固に連結して閉じることができる。
本実施形態のロック構造10では、図5(a)に示すように、内板5の上面に外板6を重ねたときに、係合穴12を通じて指掛け穴14が上面側に露出するため、指掛け穴14に指を掛けて係合片11を引き易くなっている。
また、係合片11の前端部の幅は、係合片11の後端部の幅よりも大きく形成されている。これにより、係合片11全体が前端部と同じ幅である場合に比べて、係合片11が係合穴12を通過するときに、係合片11が撓み易くなるため、係合片11を係合穴12に対してスムーズに通すことができる。
したがって、本実施形態のロック構造10では、係合穴12から係合片11を引き出し易くなっている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態のスリーブ容器1は、図1に示すように、段ボール製であるが、本発明のロック構造は、各種公知の板紙を用いた容器に適用することもできる。
本実施形態の係合片11は、図2に示すように、台形状に形成されているが、その形状は限定されるものではなく、例えば、係合片11の前端部が左右方向に突出しているT字形状に形成することもできる。また、係合片11の一部の幅が係合穴12の最大幅よりも大きく形成されていればよい。
本実施形態の係合穴12は、矩形状に形成されているが、その形状は限定されるものではなく、例えば、係合穴を円形に形成することもできる。
本実施形態では、図1に示すように、スリーブ容器1に二つのロック構造10,10が設けられているが、内板5および外板6の大きさに応じて、一つまたは三つ以上のロック構造10を設けてもよい。
本実施形態では、図5(a)に示すように、係合片11に凹部11cが形成されるとともに、開口部13の開口縁部にも凹部13aが形成されているが、係合片11および開口部13のいずれか一方のみに凹部を形成してもよい。
本実施形態では、図1に示すように、角筒状のスリーブ容器1に本発明のロック構造を適用しているが、本発明のロック構造を適用可能な容器の形状は限定されるものではなく、各種形状のスリーブ容器や箱体に適用可能である。
1 スリーブ容器
2 底板
3 前壁
4 後壁
5 内板
6 外板
10 ロック構造
11 係合片
11c 凹部
12 係合穴
12a 突起部
13 開口部
13a 凹部
14 指掛け穴
B1 積層体
B2 箱体
S ブランクシート

Claims (4)

  1. 内板と、前記内板の外面に重ねられた外板とを有する容器において、前記内板と前記外板とを連結するためのロック構造であって、
    前記内板に形成された係合片と、
    前記外板に形成された係合穴と、を備え、
    前記係合片の後縁部が前記内板に連設され、
    前記係合片は、前記係合穴を通じて前記外板の外面側に突出しており、
    前記係合片と前記外板とが重複する領域では、前記係合片の左右方向の幅が、前記係合穴の左右方向の幅よりも大きく形成され
    前記内板には、前記係合片を立ち上げたことで開口した開口部が形成されており、
    前記開口部の開口縁部に形成された凹部が、前記係合穴を通じて外面側に露出していることを特徴とする容器のロック構造。
  2. 請求項1に記載の容器のロック構造であって、
    前記係合片の前端部の左右方向の幅は、前記係合片の後端部の左右方向の幅よりも大きく形成されていることを特徴とする容器のロック構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の容器のロック構造であって、
    前記係合片の前端縁部に凹部が形成されていることを特徴とする容器のロック構造。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の容器のロック構造であって、
    前記係合穴の開口縁部の左右の縁部から内側に向けて突起部が突出しており、
    前記係合片は、前記突起部の外面側に配置されていることを特徴とする容器のロック構造。
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