JP6572119B2 - 産業機械の駆動ユニット支持構造 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された産業機械は、機体と、機体に搭載された駆動ユニットとを有する。駆動ユニットは、エンジン(原動機)と、エンジンによって駆動される油圧装置とを有する。
エンジンは、マウント装置によって機体に支持されている。マウント装置は、エンジンの前部左側を支持するレフトマウントと、エンジンの前部右側を支持するライトマウントと、エンジンの後部を支持するリヤマウントとを有する重心支持方式の三点支持構造の装置である。
そこで、本発明は、片持ち支持構造の油圧装置に起因する駆動ユニットの振動及び衝撃を抑制できる産業機械の駆動ユニット支持装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る産業機械の駆動ユニット支持装置は、機体と、原動機と、防振部材を有し前記原動機の前部及び後部に配置されたマウントを用いて、前記原動機を前記機体に支持するマウント装置であって、前記原動機の前部及び後部を支持するマウント装置と、前記原動機によって駆動される油圧装置であって、前記原動機から回転軸心方向である機体前後方向の前方に向けて突出していて前記原動機に片持ち状に連結された油圧装置と、前記油圧装置の前端部に取り付けられたブラケットと、前記機体を構成する壁部であって前記油圧装置の下方側の壁部に取り付けられた取付部材と、前記油圧装置の振動を抑制する制振部材と、を備え、前記制振部材は、前記油圧装置の下方側に機体前後方向に沿って配置される本体部であって、機体前後方向の一端側に設けられた一端部位、機体前後方向の他端側に設けられた他端部位、及び前記一端部位と前記他端部位とを連結する連結部材を含む本体部と、前記一端部位内に設けられた第1弾性部材と、前記第1弾性部材に設けられ且つ前記ブラケットに連結される第1連結部と、前記他端部位内に設けられた第2弾性部材と、前記第2弾性部材に設けられ且つ前記取付部材に連結される第2連結部とを有する。
また、前記油圧装置は、機体前後方向で直列に連結された複数の油圧ポンプを有し、前記ブラケットは、前記複数の油圧ポンプのうちの最前部にある油圧ポンプの前面に取り付けられる部位であって該最前部の油圧ポンプよりも下方に突出する第1部位と、前記第1部位の下端から後方且つ前記油圧装置の下方に延出された第2部位とを有し、前記第1連結部は、前記第1締結具によって前記第2部位に連結されている。
前記マウント装置は、前記エンジンの後部下方の機体幅方向中央部を支持する第1マウントと、前記モータの機体幅方向一方側の部位を支持する第2マウントと、前記モータの機体幅方向他方側の部位を支持する第3マウントとを有し、
前記第2マウントと前記第3マウントとの間の機体幅方向中央部の後方に前記第1マウントが配置され且つ前記第2マウントと前記第3マウントとの間の機体幅方向中央部の前方に前記制振部材が配置されている。
第1方向で直列に連結された複数の油圧ポンプのうちの原動機から最も遠い位置にある油圧ポンプにブラケットが取り付けられていることにより、油圧装置の突出方向の先端側の変位を制振部材によって規制することができる。これによって、油圧装置の振動を有効に抑制することができる。
制振部材は、本体部の一端部位に第1弾性部材によって連結された第1連結部と、本体部の他端部位に第2弾性部材によって連結された第2連結部とを有し、第1連結部を、上下方向の軸心を有する第1締結具によってブラケットに取り付けること、第2連結部を、第2方向の軸心を有する第2締結具によって機体側に取り付けることにより、油圧装置の上下の振動及び第2方向の振動を効果的に抑制することができる。
、3点支持のマウント装置と油圧装置の振動を抑制する制振部材とで、駆動ユニットの振動及び衝撃を良好に吸収することができる。
図5は、本発明が採用される産業機械1の全体側面を示す概略図である。本実施形態では、産業機械1としてスキッドステアローダが例示されている。なお、産業機械1としては、コンパクトトラックローダ等の建設機械、農業機械、ユーティリティビークルなどであってもよい。
キャビン3は機体2の前部に搭載されている。このキャビン3内には、運転席6が設けられている。
なお、本発明の実施形態において、産業機械1の運転席6に着座した運転者の前側(図5の左側)を前方、運転者の後側(図5の右側)を後方、運転者の左側(図5の手前側)を左方、運転者の右側(図5の奥側)を右方として説明する。
作業装置5は、ブーム7と、バケット8と、リフトリンク9と、制御リンク10と、ブームシリンダ11とバケットシリンダ12とを有する。
ブーム7は、機体2の側方に上下揺動自在に設けられている。バケット8は、ブーム7の先端部(前端部)に上下揺動自在に設けられている。リフトリンク9及び制御リンク10は、ブーム7が上下揺動自在となるように、ブーム7の基部(後部)を支持している。ブームシリンダ11は、伸縮することにより、ブーム7を昇降させる。バケットシリンダ12は、伸縮することにより、バケット8を揺動させる。
図1、図2に示すように、駆動ユニット13は、前後に長く形成され、機体2の底壁38の上方に配置されている。原動機14は、エンジン18と、モータ(電動機)19とを有する。なお、原動機14は、エンジン18のみで構成されていてもよい。また、原動機14は、モータ19のみで構成されていてもよい。モータ19は、エンジン18でロータが駆動されるモータジェネレータであってもい。
第1ポンプ20は、HST(静油圧無段変速機)の一部を構成する油圧ポンプである。この第1ポンプ20は、左側の走行装置4を駆動する第1HSTポンプ24と、右側の走行装置4を駆動する第2HSTポンプ25とを有する。第1HSTポンプ24及び第2HSTポンプ25は、可変容量油圧ポンプで構成されている。
図2、図3に示すように、モータ19は、エンジン18の前方側に配置され、エンジン18の前部に取り付けられている。
第1〜3マウント30,31,32は、防振部材33と、スタッドボルト34とを有する。防振部材33は、上弾性体35と下弾性体36とを有する。
同様とされているので、説明を省略する。第3マウント32は、モータ19(原動機14)の第2方向28の他方側の部位を弾性的に支持している。
油圧装置15には、ブラケット42が取り付けられている。
制振部材46は、本体部51と、第1連結部52と、第1弾性部材53と、第2連結部54と、第2弾性部材55とを有する。
一端部位56は、本体部51の長手方向に直交する軸心を有する筒状に形成されている。また、一端部位56は、ブラケット42の第2部位44の下方に位置する。一端部位56の軸心は、上下方向に一致している。他端部位57は、本体部51の長手方向に直交し且つ一端部位56の軸心に直交する方向と平行な軸心を有する筒状に形成されている。他端部位57は、取付部材47の左側壁49と右側壁50との間に位置する。また、他端部位57の軸心は、第2方向28に一致している。連結部材58は、ロッドによって構成されている。
第1弾性部材53は、弾性ブッシュ(ゴムブッシュ)によって構成され、一端部位56と第1連結部52との間に介装されている。第1弾性部材53は、一端部位56と第1連結部52とに接着(加硫接着)されている。したがって、一端部位56と第1連結部52とは第1弾性部材53によって連結されている。
いる。
第2弾性部材55は、弾性ブッシュ(ゴムブッシュ)によって構成され、他端部位57と第2連結部54との間に介装されている。第2弾性部材55は、他端部位57と第2連結部54とに接着(加硫接着)されている。したがって、他端部位57と第2連結部54とは第2弾性部材55によって連結されている。
本発明では、制振部材46によって、油圧装置15の変位の自由度が制限(油圧装置15の変位が規制)されるので、油圧装置15がエンジン18の振動と共振した場合、制振部材46が油圧装置15の振動を抑制する。油圧装置15が共振した場合に制振部材46が油圧装置15の振動を抑制することにより、駆動ユニット13をマウント装置29によって良好に支持することができる。また、マウント装置29の防振作用に加えて制振部材46が油圧装置15の振動を抑制することにより、急加速時又は急減速時において生じる駆動ユニット13の振動及び衝撃を抑制することができる。
また、制振部材46は、油圧装置15より下方で且つ第2方向28(機体2幅方向)の幅内に配置されているので、制振部材46が、油圧装置15の周りの他の機器及び部材の邪魔物となるのを防止することができる。
より、3点支持のマウント装置29と油圧装置15の振動を抑制する制振部材46とで、駆動ユニット13の振動及び衝撃を良好に吸収することができる。
また、本実施形態においては、エンジン18の高回転時には、片持ち支持に起因する油圧装置15の共振は発生しない。この場合、駆動ユニット13は、マウント装置29によって安定して弾性的に支持され、駆動ユニット13の振動及び衝撃は、マウント装置29によって吸収される。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
14 原動機
15 油圧装置
18 エンジン
19 モータ
20 油圧ポンプ(第1ポンプ)
21 油圧ポンプ(第2ポンプ)
22 油圧ポンプ(第3ポンプ)
23 油圧ポンプ(第4ポンプ)
29 マウント装置
30 第1マウント
31 第2マウント
32 第3マウント
33 防振部材
27 回転軸心方向(第1方向)
28 第2方向
42 ブラケット
46 制振部材
51 本体部
52 第1連結部
53 第1弾性部材
54 第2連結部
55 第2弾性部材
56 一端部位
57 他端部位
Claims (6)
- 機体と、
原動機と、
防振部材を有し前記原動機の前部及び後部に配置されたマウントを用いて、前記原動機を前記機体に支持するマウント装置と、
前記原動機によって駆動される油圧装置であって、前記原動機から回転軸心方向である機体前後方向の前方に向けて突出していて前記原動機に片持ち状に連結された油圧装置と、
前記油圧装置の前端部に取り付けられたブラケットと、
前記機体を構成する壁部であって前記油圧装置の下方側の壁部に取り付けられた取付部材と、
前記油圧装置の振動を抑制する制振部材と、
を備え、
前記制振部材は、
前記油圧装置の下方側に機体前後方向に沿って配置される本体部であって、機体前後方向の一端側に設けられた一端部位、機体前後方向の他端側に設けられた他端部位、及び前記一端部位と前記他端部位とを連結する連結部材を含む本体部と、
前記一端部位内に設けられた第1弾性部材と、
前記第1弾性部材に設けられ且つ前記ブラケットに連結される第1連結部と、
前記他端部位内に設けられた第2弾性部材と、
前記第2弾性部材に設けられ且つ前記取付部材に連結される第2連結部とを有する産業機械の駆動ユニット支持構造。 - 前記一端部位は、上下方向の軸心を有する筒状であり、
前記他端部位は、機体幅方向の軸心を有する筒状であり、
前記第1連結部は、上下方向の軸心を有する第1締結具によって前記ブラケットに連結され、
前記第2連結部は、機体幅方向の軸心を有する第2締結具によって前記取付部材に連結される請求項1に記載の産業機械の駆動ユニット支持構造。 - 前記油圧装置は、機体前後方向で直列に連結された複数の油圧ポンプを有し、
前記ブラケットは、前記複数の油圧ポンプのうちの最前部にある油圧ポンプの前面に取り付けられる部位であって該最前部の油圧ポンプよりも下方に突出する第1部位と、前記第1部位の下端から後方且つ前記油圧装置の下方に延出された第2部位とを有し、
前記第1連結部は、前記第1締結具によって前記第2部位に連結されている請求項2に記載の産業機械の駆動ユニット支持構造。 - 前記制振部材は、前記他端部位が前記一端部位の後方に位置する状態で前記油圧装置の前端よりも後方で且つ前記油圧装置の機体幅方向の幅内に配置され、
前記取付部材は、前記ブラケットよりも後方で且つ前記油圧装置の機体幅方向の幅内に配置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の産業機械の駆動ユニット支持構造。 - 前記原動機は、回転軸心方向が前後方向に一致するエンジンと、前記エンジンの前部に取り付けられ且つ前記油圧装置が連結されるモータとを有し、
前記マウント装置は、前記エンジンの後部下方の機体幅方向中央部を支持する第1マウントと、前記モータの機体幅方向一方側の部位を支持する第2マウントと、前記モータの機体幅方向他方側の部位を支持する第3マウントとを有し、
前記第2マウントと前記第3マウントとの間の機体幅方向中央部の後方に前記第1マウントが配置され且つ前記第2マウントと前記第3マウントとの間の機体幅方向中央部の前方に前記制振部材が配置されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の産業機械の駆動ユニット支持構造。 - 前記制振部材は、前記他端部位が前記一端部位の前方に位置する状態で配置され、
前記取付部材は、前記ブラケットよりも前方に配置されている請求項1に記載の産業機械の駆動ユニット支持構造。
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